JP2007282300A - モーター制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モーター磁石と電流検出器の温度変化に起因したモータートルク変動を抑制する。
【解決手段】トルク目標値とモーター回転速度とに応じたdq軸電流目標値を設定してdq軸電流検出値をdq軸電流目標値に一致させるためのdq軸電圧目標値を演算し、dq軸電圧目標値を三相交流座標系の三相交流電圧目標値に変換して三相交流電圧目標値に応じた三相交流電圧を三相同期モーターに印加して駆動するモーター制御装置において、トルク目標値、モーター回転速度、dq軸電圧目標値、dq軸電流検出値および巻線温度検出値に基づいてモーターのトルク変動量を演算し、トルク変動量によりトルク目標値を補正するとともに、トルク目標値、モーター回転速度、dq軸電圧目標値、dq軸電流検出値および巻線温度検出値に基づいて電流検出器の温度変化に起因した電流検出値変化量を演算し、電流検出値変化量によりdq軸電流検出値を補正する。
【選択図】図15

Description

本発明は交流電動機(この明細書では交流モーターという)の制御装置に関する。
永久磁石型同期モーターの発生トルクは、モーターに発生している磁束のベクトルと巻線に流れている電流のベクトルの外積で表される。
モーターに発生する磁束とは、永久磁石による磁束(この明細書では“磁石磁束”という)と、巻線に電流を流すことによって巻線および巻線の鉄心が電磁石として作用し発生する磁束(この明細書では“電流磁束”という)とを合成したものである。磁石磁束、および、電流に対する電流磁束の発生比率(この明細書ではインダクタンスという)はモーター特有のパラメーターであるため、トルク目標値に応じた電流目標値に対して電流検出値をフィードバックする電流フィードバック制御系を構成し、モータートルクを制御することがある。
ところが、磁石磁束は磁石の温度によって変化することが知られており、トルク目標値に応じた電流目標値を設定しても、磁石の温度が変化するとモータートルクが変化してしまい、トルク目標値どおりのモータートルクが得られない。
また、電流フィードバック制御に用いる電流検出器の温度が変化すると、実際に流れている電流に対する電流検出器の検出特性、すなわちオフセットや傾きが変化するため、電流目標値が変化していないのに電流フィードバック制御による実電流が変化してしまい、トルク目標値どおりのモータートルクが得られない。
このような問題を解決するために、トルク検出器を用いてモータートルクを実際に検出し、トルク目標値に対してトルク検出値をフィードバックするトルクフィードバック制御系を構成し、モータートルクを制御する方法が考えられるが、トルク検出器を用いることによるコスト増や、トルク検出器の取り付けスペースなどの問題がある。
そこで、磁石磁束の変化量を推定して電流目標値を補正し、モータートルクがトルク目標値に一致するようにした装置(特許文献1〜3参照)や、電気角1周期間の電流検出値平均値を電流検出器の0点とし、電流検出器の温度変化によるオフセット変動を抑制してモータートルクがトルク目標値に一致するようにした装置(特許文献4参照)が知られている。
この出願の発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
特開平07−212915号公報 特開2002−078390号公報 特開2000−224812号公報 特開平05−252785号公報
ところで、モーターの鉄心が磁気的に飽和する領域では、磁石磁束が小さくなるとその分だけ磁気飽和が緩和されるため、電流磁束が通りやすくなって大きくなり、逆に磁束磁束が大きくなると電流磁束が小さくなる。換言すれば、磁気的に飽和している状況では磁石磁束が変化するとインダクタンスも変化するため、電流磁束が変化する。しかし、上述した従来のモーター制御装置では、この点が考慮されていないので、電流磁束変化に起因したモータートルク変動には対応できない。
また、電流検出器の温度変化により実電流に対する電流検出値の傾きが変化した場合には、電流の基本波成分の振幅自体が変化するため、電気角1周期の間の電流検出値平均値が0となってしまい、実電流に対する電流検出値の傾きの温度変動を検出することができず、電流検出器の温度変化に起因したモータートルク変動には対応できない。
(1) 本発明では、トルク目標値とモーター回転速度とに応じたdq軸電流目標値を設定してdq軸電流検出値をdq軸電流目標値に一致させるためのdq軸電圧目標値を演算し、dq軸電圧目標値を三相交流座標系の三相交流電圧目標値に変換して三相交流電圧目標値に応じた三相交流電圧を三相同期モーターに印加して駆動するモーター制御装置において、トルク目標値、モーター回転速度、dq軸電圧目標値、dq軸電流検出値および巻線温度検出値に基づいてモーターのトルク変動量を演算し、トルク変動量によりトルク目標値を補正する。
(2) また、本発明では、トルク目標値とモーター回転速度とに応じたdq軸電流目標値を設定してdq軸電流検出値をdq軸電流目標値に一致させるためのdq軸電圧目標値を演算し、dq軸電圧目標値を三相交流座標系の三相交流電圧目標値に変換して三相交流電圧目標値に応じた三相交流電圧を三相同期モーターに印加して駆動するモーター制御装置において、トルク目標値、モーター回転速度、dq軸電圧目標値、dq軸電流検出値および巻線温度検出値に基づいて電流検出器の温度変化に起因した電流検出値変化量を演算し、電流検出値変化量によりdq軸電流検出値を補正する。
本発明によれば、モーター磁石と電流検出器の温度変化に起因したモータートルク変動を抑制することができる。
《発明の第1の実施の形態》
図1は第1の実施の形態の構成を示す図である。第1の実施の形態のモーター制御装置は、図1に示すように、各種機能を備えた多くの制御ブロックと機器から構成されており、各制御ブロックはマイクロコンピューターとメモリなどの周辺部品によってソフトウエア形態で実現される。
電流・電圧目標値生成器1は、補正後のトルク目標値T’とモーター回転速度Nに応じた電流目標値id、iqおよび誘起電圧値vd_dcpl、vq_dcplを出力する。具体的には、トルク目標値T’とモーター回転速度Nに応じた電流目標値id、iqおよび誘起電圧値vd_dcpl、vq_dcplをモーター評価実験などにより設定し、予めテーブルデータとしてメモリ(不図示)に記憶しておく。
図2にテーブルデータの一例を示す。この一実施の形態では、モーター回転速度Nを例えば500rpmおきに、トルク目標値T’を例えば10Nmおきに設定する精度のデータテーブルを用いる。そして、モーター制御時には現在のトルク目標値T’とモーター回転速度Nを指標としてテーブルデータを参照し、指標周囲のデータ(図中に黒丸印で示す)を用いて線形近似などにより指標に対応する電流目標値id、iqと誘起電圧値vd_dcpl、vq_dcpl(図中に白丸印で示す)を算出する。
電流ベクトル制御器2は、電流・電圧目標値生成器1から入力した電流目標値id、iqと誘起電圧値vd_dcpl、vq_dcplと、座標変換器10から入力したdq軸の検出電流id、iqとに基づいて、電流誤差PI増幅および非干渉制御からなる電流ベクトル制御処理を行い、dq軸の電圧目標値vd、vqを出力する。なお、座標変換器10は、電流検出器6a、6bにより検出した三相交流座標系における三相交流電流iu、ivを回転直交座標系(dq軸座標系)における検出電流id、iqへ変換する。
座標変換器3は、dq軸座標系における電圧目標値vd、vqを三相交流座標系における電圧目標値vu、vv、vwに変換する。PWM変換器4は、三相交流電圧目標値vu、vv、vwをインバーター5のパワー素子駆動信号Du、Dv、Dwへ変換する。インバーター5は、バッテリー5aの直流電源をパワー素子(不図示)により三相交流電圧Vu、Vv、Vwへ変換し、モーター7に印加して駆動する。位置変換器8は三相同期モーター7の回転子の電気角θを検出し、速度演算器9はモーター電気角θの変化に基づいてモーター回転速度N(rpm)と電気角速度ω(=2π・N/60)(rad/sec)を演算する。巻線温度検出器14は、三相同期モーター7の巻線温度tを検出する。
トルク変動量演算部11は、基準電圧・巻線温度生成器12とトルク変動量推定器13を備えている。基準電圧・巻線温度生成器12は、トルク目標値Tおよびモーター回転速度Nに応じた基準電圧値vd_ref、vq_refと基準巻線温度trefを出力する。具体的には、トルク目標値Tとモーター回転速度Nに応じた基準電圧値vd_ref、vq_refと基準巻線温度trefをモーター評価実験などにより設定し、予めテーブルデータとしてメモリ(不図示)に記憶しておく。
ここで、基準電圧値vd_ref、vq_refは、モーター7がトルク目標値Tに等しいトルクを発生しているときの電圧目標値vd、vqであり、予め実験により計測する。同様に、基準巻線温度trefは、モーター7がトルク目標値Tに等しいトルクを発生しているときの巻線温度tであり、予め実験により計測する。
モーター制御時には、現在のトルク目標値Tとモーター回転速度Nを指標としてテーブルデータを参照し、指標周囲のデータを用いて線形近似などにより指標に対応する基準電圧値vd_ref、vq_refと基準巻線温度trefを算出する。
トルク変動量推定器13では基準電圧値vd_ref、vq_ref、基準巻線温度tref、電圧目標値vd、vq、検出電流id、iqおよび巻線温度tに基づいてトルク変動量ΔTを推定する。このトルク変動量ΔTの推定方法については詳細を後述する。ローパスフィルター16は推定トルク変動量ΔTにノイズ低減処理を施し、PI(比例・積分)増幅器15はノイズ低減処理後の推定トルク変動量ΔTをPI演算増幅する。加算器17はトルク目標値TからPI増幅器15の出力(推定トルク変動量ΔT)を減じてトルク目標値T’を算出し、電流・電圧目標値生成器1へ出力する。
《トルク変動量ΔTの推定方法1》
次に、磁石磁束の温度変化によるトルク変動量ΔTの推定方法について述べる。一般に、永久磁石型同期モーターにおける電圧方程式は(1)式で表され、トルク発生式は(2)式で表される。
Figure 2007282300
Figure 2007282300
上記(1)、(2)式において、vd、vqはdq軸入力電圧、Rはモーター巻線抵抗、ωはモーター電気角速度(=2π・N/60)(rad/sec)、Ld、Lqはdq軸インダクタンス、id、iqはdq軸電流、φaは磁石磁束、φd、φqはdq軸磁束(磁石磁束と電流磁束の合成磁束)、pは極対数である。
磁石温度が変化した場合、磁石磁束φaが変化することが知られているが、磁気飽和が起きている場合には電流により発生する磁束Ld・id、Lq・iqの大きさも変化する。したがって、磁石磁束および電流磁束の変化に対するdq軸入力電圧vd、vqの変動量およびトルクの変動量を、巻線の温度変化による巻線抵抗変化も考慮して表すと次式になる。
Figure 2007282300
Figure 2007282300
(3)式をdq軸磁束Δφd、Δφqについて整理すると(5)式が得られる。
Figure 2007282300
この(5)式を(4)式へ代入すると(6)式が得られる。
Figure 2007282300
つまり、入力電圧vd、vqの変動分Δvd、Δvqと巻線抵抗Rの変動分ΔRからトルク変動量ΔTを推定することができる。
入力電圧vd、vqの変動分Δvd、Δvqは、予め実験により計測した、モーター7がトルク目標値Tに等しいトルクを出力しているときの電圧目標値(基準電圧)vd_ref、vq_refと、現在の電圧目標値vd、vqから次式により求める。
Figure 2007282300
同様に、巻線抵抗Rの変動分ΔRは、予め実験により測定した、モーター7がトルク目標値Tに等しいトルクを出力しているときの巻線温度(基準温度)trefと、現在の巻線温度tから次式により求める。
Figure 2007282300
(8)式において、Ro、αoは任意の温度to(通常は20℃)での抵抗値および抵抗温度係数である。また、巻線抵抗Rの変化分ΔRが推定トルク変動量ΔTにほとんど影響しない程度に小さい場合はΔR=0として省略しても構わない。
《トルク変動量の推定方法2》
磁石磁束の温度変化によるトルク変動量ΔTの他の推定方法を説明する。(5)式は次のように変形できる。
Figure 2007282300
また、(6)式は次のように変形できる。
Figure 2007282300
(9)、(10)式において、Rrefは基準巻線抵抗、id_ref、iq_refは基準電流、Pは推定電力、Prefは基準電力、Tは推定トルク、Trefは基準トルクである。基準巻線抵抗Rrefは、モーター7がトルク目標値Tに等しいトルクを発生しているときの、巻線抵抗温度trefにおける巻線抵抗R(t)である。また、基準電流id_ref、iq_refは、モーター7がトルク目標値Tに等しいトルクを発生しているときのdq軸電流id、iqである。基準トルクTrefは、モーター7がトルク目標値Tに等しいトルクを発生しているときの推定トルクTである。さらに、基準電力Prefは、モーター7がトルク目標値Tに等しいトルクを発生しているときの推定電力Pである。巻線抵抗R(t)は次式で算出する。
Figure 2007282300
(10)式から図3に示すトルク変動量演算部11Aが得られ、図1に示すトルク変動量演算部11の代わりに用いる。トルク変動量演算部11Aは、基準電力or基準トルク生成器12Aとトルク変動量推定器13Aを備えている。基準電力or基準トルク生成器12Aは、補正前のトルク目標値Tおよびモーター回転速度Nに応じた基準電力Prefまたは基準トルクTrefを出力する。
具体的には、トルク目標値Tとモーター回転速度Nに応じた基準電力Prefと基準トルクTrefをモーター評価実験などにより設定し、予めデータテーブルとしてメモリ(不図示)に記憶しておく。そして、モーター制御時には、現在のトルク目標値Tとモーター回転速度Nを指標としてテーブルデータを参照し、指標周囲のデータを用いて線形近似などにより指標に対応する基準電力Prefまたは基準トルクTrefを算出する。
トルク変動量推定器13Aでは、(10)式により推定電力Pまたは推定トルクTを演算し、基準電力Prefまたは基準トルクTrefとの差分からトルク変動量ΔTを推定する。
このトルク変動量ΔTの推定方法2によれば、基準値のデータテーブル数は基準電力Prefまたは基準トルクTrefのいずれか1種類でよいため、図1に示すトルク変動量演算部11のように、基準電圧vd_ref、vq_refと基準巻線温度trefの3種類のデータテーブルが必要な構成に比べ、メモリ容量とテーブル参照時間を低減することができる。
《トルク変動量ΔTの推定方法3》
磁石磁束の温度変化によるトルク変動量ΔTの他の推定方法を説明する。(5)式の右辺分子は誘起電圧の変動分Δvd_dcpl、Δvq_dcplを表しているため、電流・電圧目標値生成器1の出力である誘起電圧vd_dcpl、vq_dcplを用いて次式のように表すことができる。
Figure 2007282300
よって、(6)式は次のように変形できる。
Figure 2007282300
図4はトルク変動量ΔTの推定方法3を用いた場合の第1の実施の形態の構成を示す。なお、図4において、図1および図3と同様な機能を有する回路および機器に対しては同一の符号を付して相違点を中心に説明する。電流・電圧目標値生成器1aは、補正前のトルク目標値Tとモーター回転速度Nに応じた誘起電圧vd_dcpl、vq_dcplを出力する。具体的には、トルク目標値Tとモーター回転速度Nに応じた誘起電圧vd_dcpl、vq_dcplをモーター評価実験などにより設定し、予めテーブルデータとしてメモリ(不図示)に記憶しておく。そして、モーター制御時に現在のトルク目標値Tとモーター回転速度Nを指標としてテーブルデータを参照し、指標周囲のデータを用いて線形近似などにより指標に対応する誘起電圧vd_dcpl、vq_dcplを算出する。
トルク変動量演算部11Bはトルク変動量推定器13Bのみを備えている。トルク変動量推定器13Bは、電流・電圧目標値生成器1aから入力した誘起電圧vd_dcpl、vq_dcpl、座標変換器10から入力した検出電流id、iq、電流ベクトル制御器2から入力した電圧目標値vd、vq、速度演算器9から入力したモーター電気角速度ω、および巻線温度検出器14から入力した巻線温度tに基づいて、(13)式によりトルク変動量ΔTを推定する。
(12)、(13)式により、図4に示すように、ベクトル電流制御に用いる補正後のトルク目標値T’とモーター回転速度Nに対する誘起電圧vd_dcpl、vq_dcpl(電流・電圧目標値生成器1の出力)とは別に、予め設定、記憶したテーブルデータを参照して補正前のトルク目標値Tとモーター回転速度Nに対する誘起電圧vd_dcpl、vq_dcpl(同一の符号で示すがこちらは電流・電圧目標値生成器1aの出力)を求めれば、図1に示す基準電圧・巻線温度生成器12や図3に示す基準電力or基準トルク生成器12Aの基準値テーブルデータなどのような新しい基準値のテーブルデータを用意することなく、トルク変動量ΔTの推定が可能になる。
図5は第1の実施の形態のトルク変動抑制処理を示すフローチャートである。このフローチャートにより、第1の実施の形態の動作を説明する。第1の実施の形態のモーター制御装置が起動されると、図5に示すトルク変動抑制処理を繰り返し実行する。
ステップ1において、上述したトルク変動量ΔTの推定方法1〜3に応じてトルク変動量ΔTを推定するための基準パラメーターを取得する。推定方法1による場合は、図1に示す基準電圧・巻線温度生成器12において、データテーブルを参照して現在のトルク目標値Tとモーター回転速度Nに応じた基準電圧値vd_ref、vq_refと基準巻線温度trefを取得する。推定方法2による場合は、図3に示す基準電力or基準トルク生成器12Aにおいて、データテーブルを参照して現在のトルク目標値Tとモーター回転速度Nに応じた基準電力Prefまたは基準トルクTrefを取得する。推定方法3による場合は、図4に示す電流・電圧生成器1aによりデータテーブルを参照して現在のトルク目標値Tとモーター回転速度Nに応じた誘起電圧vd_dcpl、vq_dcplを取得する。
続くステップ2では座標変換器10から電流検出値id、iqを、電流ベクトル制御器2から電圧目標値vd、vqをそれぞれ取得する。さらに、ステップ3では巻線温度検出器14から巻線温度tを取得する。そして、ステップ4において推定方法1〜3に応じてトルク変動量ΔTを演算する。推定方法1による場合は、図1に示すトルク変動量推定器13により基準電圧値vd_ref、vq_ref、基準巻線温度tref、電圧目標値vd、vq、検出電流id、iqおよび巻線温度tに基づいてトルク変動量ΔTを推定する。推定方法2による場合は、図3に示すトルク変動量推定器13Aにより基準電力Prefまたは基準トルクTref、電圧目標値vd、vq、検出電流id、iqおよび巻線温度tに基づいてトルク変動量ΔTを推定する。推定方法3による場合は、図4に示すトルク変動量推定器13Bにより誘起電圧vd_dcpl、vq_dcpl、電圧目標値vd、vq、検出電流id、iqおよび巻線温度tに基づいてトルク変動量ΔTを推定する。
トルク変動量ΔTを推定した後のステップ5において、演算したトルク変動量ΔTに対してローパスフィルター16によりノイズ除去処理を施し、さらにPI(比例・積分)増幅器15によりPI演算増幅処理を施す。最後にステップ6で、加算器17によりトルク目標値TからPI増幅器15の出力(推定トルク変動量ΔT)を減じてトルク目標値T’を算出し、電流・電圧目標値生成器1へ出力する。
このように、第1の実施の形態によれば、トルク目標値Tとモーター回転速度Nとに応じたdq軸電流目標値id、iqを設定してdq軸電流検出値id、iqをdq軸電流目標値id、iqに一致させるためのdq軸電圧目標値vd、vqを演算し、dq軸電圧目標値vd、vqを三相交流座標系の三相交流電圧目標値vu、vv、vwに変換して三相交流電圧目標値vu、vv、vwに応じた三相交流電圧Vu、Vv、Vwを三相同期モーターに印加して駆動するモーター制御装置において、トルク目標値T、モーター回転速度N、dq軸電圧目標値vd、vq、dq軸電流検出値id、iqおよび巻線温度検出値tに基づいてモーターのトルク変動量ΔTを演算し、トルク変動量ΔTによりトルク目標値Tを補正するようにしたので、磁石温度の変化に起因した磁石磁束と電流磁束の両方に対応したトルク変動量を推定することができ、磁石温度が変化するような状況でも磁気飽和の有無に関わらずトルク目標値T通りのトルク出力が得られる。
また、第1の実施の形態によれば、モーターがトルク目標値Tに等しいトルクを出力しているときのdq軸電圧目標値vd、vqおよび巻線温度検出値tを基準電圧vd_ref、vq_refおよび基準温度trefとして予め計測したトルク目標値Tとモーター回転速度Nに対する基準電圧vd_ref、vq_refと基準温度trefのテーブルデータを記憶しており、これらのテーブルデータを参照してdq軸電圧目標値vd、vqと基準電圧vd_ref、vq_refとの差および巻線温度検出値tと基準温度trefとの差を演算し、これらの差を用いてモーターの磁石磁束の温度変化に起因したトルク変動量ΔTを演算するようにしたので、磁石温度の変化に起因した磁石磁束と電流磁束の両方に対応したトルク変動量を推定することができ、磁石温度が変化するような状況でも磁気飽和の有無に関わらずトルク目標値T通りのトルク出力が得られる。
第1の実施の形態によれば、モーターがトルク目標値Tに等しいトルクを出力しているときの推定トルクTを基準トルクTrefとして予め計測したトルク目標値Tとモーター回転速度Nに対する基準トルクTrefのテーブルデータを記憶しており、現在の推定トルクTを演算するとともにテーブルデータを参照して現在の推定トルクTと基準トルクTrefとの差を演算し、この差を用いてモーターの磁石磁束の温度変化に起因したトルク変動量ΔTを演算するようにしたので、磁石温度の変化に起因した磁石磁束と電流磁束の両方に対応したトルク変動量を推定することができ、磁石温度が変化するような状況でも磁気飽和の有無に関わらずトルク目標値T通りのトルク出力が得られる。また、基準トルクTrefのテーブルデータのみを記憶しておくだけでよいから、メモリ容量とテーブル参照時間を低減することができ、コスト削減と演算処理の高速化を実現できる。
第1の実施の形態によれば、モーターがトルク目標値Tに等しいトルクを出力しているときの推定電力Pを基準電力Prefとして予め計測したトルク目標値Tとモーター回転速度Nに対する基準電力Prefのテーブルデータを記憶しており、現在の推定電力Pを演算するとともにテーブルデータを参照して現在の推定電力Pと基準電力Prefとの差を演算し、この差を用いてモーターの磁石磁束の温度変化に起因したトルク変動量ΔTを演算するようにしたので、磁石温度の変化に起因した磁石磁束と電流磁束の両方に対応したトルク変動量を推定することができ、磁石温度が変化するような状況でも磁気飽和の有無に関わらずトルク目標値T通りのトルク出力が得られる。また、基準電力Prefのテーブルデータのみを記憶しておくだけでよいから、メモリ容量とテーブル参照時間を低減することができ、コスト削減と演算処理の高速化を実現できる。
第1の実施の形態によれば、トルク目標値Tとモーター回転速度Nに対するモーターの誘起電圧vd_dcpl、vq_dcplを計測したテーブルデータを記憶しており、このテーブルデータからトルク目標値Tとモーター回転速度Nに応じたモーターの誘起電圧vd_dcpl、vq_dcplを求め、この誘起電圧vd_dcpl、vq_dcplを用いてモーターの磁石磁束の温度変化に起因した前記トルク変動量を演算するようにしたので、磁石温度の変化に起因した磁石磁束と電流磁束の両方に対応したトルク変動量を推定することができ、磁石温度が変化するような状況でも磁気飽和の有無に関わらずトルク目標値T通りのトルク出力が得られる。また、誘起電圧vd_dcpl、vq_dcplのテーブルデータのみを記憶しておくだけでよいから、メモリ容量とテーブル参照時間を低減することができ、コスト削減と演算処理の高速化を実現できる。
《発明の第2の実施の形態》
上述した第1の実施の形態では磁石磁束の温度変化によるトルク変動量ΔTの推定方法を説明したが、この第2の実施の形態では電流検出器6a、6bの温度変化による電流検出値変化量の推定方法を説明する。
図6は第2の実施の形態の構成を示す図である。図6において、図1、図3および図4に示す制御ブロック(制御回路)および機器と同様なものに対しては同一の符号を付して相違点を中心に説明する。第1の実施の形態では、トルク目標値Tをトルク変動量ΔTにより補正し、補正後のトルク目標値T’を電流・電圧目標値生成器1へ入力するようにしたが、この第2の実施の形態ではトルク目標値Tを補正せずにそのまま電流・電圧目標値生成器1へ入力する。
電流検出値変化量演算部11Cは、基準電圧・巻線温度生成器12と電流検出値変化量推定器13Cを備えている。基準電圧・巻線温度生成器12は、上述したように、データテーブルを参照して現在のトルク目標値Tとモーター回転速度Nに応じた基準電圧値vd_ref、vq_refと基準巻線温度trefを取得する。電流検出値変化量推定器13Cは、基準電圧・巻線温度生成器12から入力した基準電圧値vd_ref、vq_refと基準巻線温度tref、電流ベクトル制御器2から入力した電圧目標値vd、vq、座標変換器10から入力した検出電流id、iqおよび巻線温度検出器14から入力した巻線温度tに基づいて電流検出値変化量Δid、Δiqを推定する。この電流検出値変化量Δid、Δiqの推定方法については詳細を後述する。
推定した電流検出値変化量Δid、Δiqには、それぞれローパスフィルター16a、16bによりノイズ低減処理を施した後、さらにPI増幅器15a、15bによりPI演算増幅処理を施す。そして、加算器17a、17bにより電流検出値(検出電流)id、iqから電流検出値変化量Δid、Δiqを減じて補正し、補正後の電流検出値id’、iq’を電流ベクトル制御器2へ入力する。
《電流検出値変化量Δid、Δiqの推定方法1》
次に、電流検出器14の温度変化による電流検出値変化量Δid、Δiqの推定方法を説明する。電流検出器14は、温度変化により検出値全体のオフセットの他に、図7に示すように実電流に対する検出値の傾きが変化する場合がある。図7において、時刻t=t1における検出特性に比べ、検出器14の温度が上昇した時刻t=t2の検出特性は、実電流に対する検出値の傾きが小さくなっている。
このような場合に、時刻t=t1,t2の温度変化前後において同一の実電流が流れているのにも拘わらず、図8に示すように三相交流電流検出値の振幅が変化してしまい、dq軸上における電流検出値には図9に示すような変化が生じる。このような変化があると、電流ベクトル制御器2では電流検出値id、iqが電流目標値id、iqにそれぞれ一致するように電圧目標値vd、vqを変化させるため、実電流が変化してしまい、モータートルクが変動する。
(1)、(2)式において、電流検出値id、iqが変化した場合、電流検出値id、iqの変化量Δid、Δiqに対するdq軸入力電圧vd、vqの変化量Δvd、Δvqを、巻線の温度変化による巻線抵抗変化も考慮して表すと次式になる。
Figure 2007282300
(14)式を電流検出値変化量Δid、Δiqについて解くと、
Figure 2007282300
として算出することができる。入力電圧vd、vqの変動分Δvd、Δvqおよび巻線抵抗Rの変動分ΔRおよび現在の巻線抵抗R(t)は、(7)、(8)、(11)式で算出する。また、インダクタンスLd、Lqの情報が必要であるが、上述したようにインダクタンスは磁束の飽和状況によって代わるため、動作状況に応じた値をテーブルデータ化して持っておく必要がある。
《電流検出値変化量Δid、Δiqの推定方法2》
次に、電流検出器14の温度変化による検出電流変化量Δid、Δiqの他の推定方法を説明する。この推定方法2では、(14)式を次のように変形する。
Figure 2007282300
巻線抵抗R(t)>0、dq軸インダクタンスLd、Lq>0であり、電気角速度ωは正転なら正、逆転なら負の値を示す。
表1に、図9における電流検出値の変化量iaの符号と(16)式の各値の符号との関係を示す。
Figure 2007282300
ここで、“象限”はモーターの回転方向すなわち正転か逆転か、および出力トルクの正負すなわち力行か制動かにより決まるモーターの動作状態を表し、第1象限は正転の力行状態を、第2象限は正転の制動状態を、第3象限は逆転の力行状態を、第4象限は逆転の制動状態をそれぞれ表す。モーター7の回転方は、位置変換器8の出力や速度演算器9の出力の符号により判別することができる。また、モーター7の出力トルクの正負は、座標変換器10から出力されるdq軸電流id、iqの符号やトルク目標値Tの符号により判別することができる。表1において、第1象限と第3象限ではΔiaと(16)式左辺d軸成分の符号に、第2象限と第4象限ではΔiaと(16)式左辺q軸成分の符号に一定の関係がある。
したがって、現在の象限に応じて(16)式左辺のd軸成分かq軸成分のどちらかを選択し、選択した値の大きさに応じて(17)式のように電流検出値変化量Δid、Δiqを決定し、図6に示すようにPI増幅して電流検出値を補正すれば、実電流と電流ベクトル制御器2に入力される電流フィードバック値との関係は、電流検出器6a、6bの温度が変化する前の状態に漸近させることができ、電流検出器6a、6bの温度変化で電流検出値が変化することによるトルク変動を抑制することができる。
Figure 2007282300
ここで、算出する電流検出値変化量Δid、Δiqは実際の値とは必ずしも一致しないが、最終的には(16)式左辺は0に漸近し、PI増幅器15の出力も実際の電流検出値変化量Δid、Δiqに漸近する。さらに、この方法はインダクタンス値Ld、Lqの情報が不要であるから、インダクタンス値に関するテーブルデータを用意しておく必要がない。このように、電流検出器6a、6bの温度変化で電流検出値id、iqが変化しても、変化量Δid、Δiqを推定して適切に補正でき、トルク変動を抑制することができる。
《電流検出値変化量Δid、Δiqの推定方法3》
次に、電流検出器14の温度変化による電流検出値変化量Δid、Δiqの他の推定方法を説明する。(15)式は(12)式から次のように置き換えることができる。
Figure 2007282300
(17)式も同様にして、
Figure 2007282300
(12)、(18)、(19)式により、図10に示すように、ベクトル電流制御のために算出する、トルク目標値Tに対する誘起電圧vd_dcpl、vq_dcplを用いれば、新たに電圧・巻線温度の基準値テーブルデータを用意しなくても、電流検出器6a、6bの温度変化によるトルク変動を抑制することができる。
図10において、図1、図3、図4および図6に示す制御ブロック(制御回路)および機器と同様なものに対しては同一の符号を付して相違点を中心に説明する。電流検出値変化量演算部11Dは電流検出値変化量推定器13Dのみを備えている。電流検出値変化量推定器13Dは、電流・電圧目標値生成器1から入射した誘起電圧vd_dcpl、vq_dcpl、電流ベクトル制御器2から入力した電圧目標値vd、vq、座標変換器10から入力した検出電流id、iqおよび巻線温度検出器14から入力した巻線温度tに基づいて、(12)、(18)、(19)式により電流検出値変化量Δid、Δiqを推定する。
図11は第2の実施の形態の電流検出値補正処理を示すフローチャートである。このフローチャートにより、第2の実施の形態の動作を説明する。第2の実施の形態のモーター制御装置が始動されると、図11に示す電流検出値補正処理を繰り返し実行し、補正後の電流検出値id’、iq’に基づいて電流検出器6a、6bの温度変化に起因するモータートルクの変動を抑制する。
ステップ11において、上述した電流検出値変化量Δid、Δiqの推定方法1〜3に応じて電流検出値id、iqを補正するための基準パラメーターを取得する。推定方法1および2による場合は、図6に示す基準電圧・巻線温度生成器12において、データテーブルを参照して現在のトルク目標値Tとモーター回転速度Nに応じた基準電圧値vd_ref、vq_refと基準巻線温度trefを取得する。推定方法3による場合は、図10に示す電流・電圧生成器1aによりデータテーブルを参照して現在のトルク目標値Tとモーター回転速度Nに応じた誘起電圧vd_dcpl、vq_dcplを取得する。
続くステップ12では座標変換器10から電流検出値id、iqを、電流ベクトル制御器2から電圧目標値vd、vqをそれぞれ取得する。さらに、ステップ13では巻線温度検出器14から巻線温度tを取得する。そして、ステップ14において推定方法1〜3に応じて電流検出値変化量Δid、Δiqを推定する。推定方法1および2による場合は、図6に示す電流検出値変化量推定器13Cにより基準電圧値vd_ref、vq_ref、基準巻線温度tref、電圧目標値vd、vq、検出電流id、iqおよび巻線温度tに基づいて電流検出値変化量Δid、Δiqを演算する。推定方法3による場合は、図10に示す電流検出値変化量推定器11Dにより、誘起電圧vd_dcpl、vq_dcpl、電圧目標値vd、vq、検出電流id、iqおよび巻線温度tに基づいて電流検出値変化量Δid、Δiqを演算する。
電流検出値変化量Δid、Δiqを演算した後のステップ15において、演算した電流検出値変化量Δid、Δiqのそれぞれに対してローパスフィルター16a、16bによりノイズ除去処理を施し、さらにPI(比例・積分)増幅器15a、15bによりPI演算増幅処理を施す。最後にステップ16で、加算器17a、17bにより電流検出値id、iqからそれぞれPI増幅器15a、16の出力(電流検出値変化量Δid、Δiq)を減じて電流検出値id’、iq’を算出し、電流ベクトル制御器2へ出力する。
このように、第2の実施の形態によれば、トルク目標値Tとモーター回転速度Nとに応じたdq軸電流目標値id、iqを設定してdq軸電流検出値id、iqをdq軸電流目標値id、iqに一致させるためのdq軸電圧目標値vd、vqを演算し、dq軸電圧目標値vd、vqを三相交流座標系の三相交流電圧目標値vu、vv、vwに変換して三相交流電圧目標値vu、vv、vwに応じた三相交流電圧Vu、Vv、Vwを三相同期モーターに印加して駆動するモーター制御装置において、トルク目標値T、モーター回転速度N、dq軸電圧目標値vd、vq、dq軸電流検出値id、iqおよび巻線温度検出値tに基づいて電流検出器の温度変化に起因した電流検出値変化量Δid、Δiqを演算し、電流検出値変化量Δid、Δiqによりdq軸電流検出値id、iqを補正するようにしたので、電流検出器の温度変化によって実電流に対する電流検出値の傾き特性が変化するような状況においても正確な電流検出値id、iqが得られ、トルク目標値T通りのトルク出力が得られる。
また、第2の実施の形態によれば、モーターがトルク目標値Tに等しいトルクを出力しているときのdq軸電圧目標値vd、vqおよび巻線温度検出値tを基準電圧vd_ref、vq_refおよび基準温度trefとして予め計測したトルク目標値Tとモーター回転速度Nに対する基準電圧vd_ref、vq_refと基準温度trefのテーブルデータを記憶しており、これらのテーブルデータを参照してdq軸電圧目標値vd、vqと基準電圧vd_ref、vq_refとの差および巻線温度検出値tと基準温度trefとの差を演算し、これらの差を用いて電流検出器の温度変化に起因した電流検出値変化量Δid、Δiqを演算するようにしたので、電流検出器の温度変化によって実電流に対する電流検出値の傾き特性が変化するような状況においても正確な電流検出値id、iqが得られ、トルク目標値T通りのトルク出力が得られる。
第2の実施の形態によれば、モーターの動作象限を検出し、動作象限に応じて電流検出器の温度変化に起因した電流検出値変化量Δid、Δiqを演算するようにしたので、電流検出器の温度変化によって実電流に対する電流検出値の傾き特性が変化するような状況においてもより正確な電流検出値id、iqが得られ、トルク目標値T通りのトルク出力が得られる。
第2の実施の形態によれば、トルク目標値Tとモーター回転速度Nに対するモーターの誘起電圧vd_dcpl、vq_dcplを計測したテーブルデータを記憶しており、このテーブルデータからトルク目標値Tとモーター回転速度Nに応じたモーターの誘起電圧vd_dcpl、vq_dcplを求め、この誘起電圧vd_dcpl、vq_dcplを用いて電流検出器の温度変化に起因した電流検出値変化量Δid、Δiqを演算するようにしたので、電流検出器の温度変化によって実電流に対する電流検出値の傾き特性が変化するような状況においても正確な電流検出値id、iqが得られ、トルク目標値T通りのトルク出力が得られる。また、誘起電圧vd_dcpl、vq_dcplのテーブルデータのみを記憶しておくだけでよいから、メモリ容量とテーブル参照時間を低減することができ、コスト削減と演算処理の高速化を実現できる。
《発明の第3の実施の形態》
図12はモーターの回転速度Nに対する出力トルクの関係を示す図である。図12において、大電流を流す低回転速度、高トルク領域では、銅線の銅損による発熱が大きいため、銅線近傍に取り付けられる電流検出器6a、6bは銅線の熱が移動しやすく、温度変化が大きい。しかし、磁束の高調波成分に応じて発生する磁石の渦電流損は低回転速度では小さいので、磁石温度の変化はほとんどない。また、高回転速度領域では低回転速度のときほど大電流を流せないので、電流検出器6a、6bの温度変化は小さいが、磁束の高調波成分が高周波数になるので、磁石の渦電流損が大きくなり、磁石温度の変化は大きくなる。
ところで、第1の実施の形態では電流検出器6a、6bの温度変化による検出電流(電流検出値)id、iqの変化を考慮していないので、磁石温度の変化が大きい高回転速度領域では良好なトルク変動抑制効果が得られるが、低回転速度、高トルク領域では充分な効果が得られないことがある。一方、第2の実施の形態では磁石温度の変化による磁束変化を考慮していないので、低回転速度領域では良好なトルク変動抑制効果が得られるが、高回転速度領域では充分な効果が得られない場合がある。
そこで、この第3の実施の形態では、モーター回転速度Nの動作領域に応じて上記第1の実施の形態のトルク目標値補正制御と第2の実施の形態の電流検出値補正制御とを切り換えて適用する。この切り換え方法については、回転速度NまたはトルクTに重み付けを行って徐々に切り換えてもよいし、適用領域間に明らかに適用が不要な動作領域がある場合は非線形に切り換えてもよい。
図13は切り換え方法を示す制御ブロック図であり、図14は切り換え時のトルク目標補正値(トルク変動量ΔT)と電流補正値(電流検出値変化量Δid、Δiq)を示すタイミングチャートである。図13において、制御切換器21を設け、第1の実施の形態のトルク目標値補正制御と第2の実施の形態の電流検出値補正制御とを切り換える。
予め設定した回転速度Nのしきい値N0で切り換える場合には、図14(a)に示すように、トルク目標補正値と電流補正値に対する重み付け係数を1→0、0→1へ切り換え、第1の実施の形態のトルク目標値補正制御と第2の実施の形態の電流検出値補正制御とを切り換える。具体的には、モーター回転速度Nがしきい値N0以上では、トルク目標補正値に対する重み付け係数に1を設定するとともに、電流補正値に対する重み付け係数に0を設定し、モーター回転速度Nがしきい値N0未満では、トルク目標補正値に対する重み付け係数に0を設定するとともに、電流補正値に対する重み付け係数に1を設定する。
また、図14(b)に示すように、しきい値N1としきい値N2(>N1)を定め、回転速度Nがしきい値N1とN2の間にある場合にはどちらの制御も行わないようにしてもよい。さらに、図14(c)に示すように、しきい値N1としきい値N2(>N1)を定め、回転速度Nがしきい値N1とN2の間にある場合には回転速度Nに応じてトルク目標値補正用重み付け係数と電流補正値用重み付け係数とを徐々に変化させるようにしてもよい。
図15は第3の実施の形態の動作を示すフローチャートである。なお、図5に示す第1の実施の形態および図11に示す第2の実施の形態の動作と同様な動作を行うステップに対しては同一のステップ番号を付して相違点を中心に説明する。ステップ21において回転速度Nを取得して動作領域を検出する。この一実施の形態では、例えば、図12に示すように、回転速度N1以下で、電流検出器6a、6bの温度変化が大きい低回転速度で高トルクの回転速度領域では、第2の実施の形態の図5に示すステップ1〜6の電流検出値補正制御を行う。また、回転速度N2(>N1)以上で、磁束の高調波成分が高周波数になって磁石の渦電流損が大きくなり、磁石温度の変化は大きくなる高回転速度領域では、第1の実施の形態の図11に示すステップ11〜16のトルク目標値補正制御を行う。
モーター回転速度Nがしきい値N1よりも大きく、しきい値N2より小さい中間速度領域では、ステップ22において、図14(b)に示すように電流検出値補正制御およびトルク目標値補正制御のいずれも実施しないか、あるいは図14(c)に示すように、中間速度領域におけるモーター回転速度Nに応じてトルク変動量ΔTに乗じる重み付け係数と電流検出値変化量Δid、Δiqに乗じる重み付け係数とを決定し、電流検出値補正制御とトルク目標値補正制御とを徐々に切り換える。
このように、第3の実施の形態によれば、モーター回転速度Nが所定のしきい値N0以上のときは、トルク変動量ΔTに対する重み付け係数に1を設定するとともに、電流検出値変化量Δid、Δiqに対する重み付け係数に0を設定し、モーター回転速度Nが所定のしきい値N0未満のときは、トルク変動量ΔTに対する重み付け係数に0を設定するとともに、電流検出値変化量Δid、Δiqに対する重み付け係数に1を設定し、重み付け後のトルク変動量(ΔT)によりトルク目標値Tを補正するとともに、重み付け後の電流検出値変化量(Δid、Δiq)によりdq軸電流検出値id、iqを補正するようにしたので、モーター回転速度領域に応じてモーター磁石の温度変化と電流検出器の温度変化とに起因したモータートルク変動抑制効果を効果的にかつ合理的に実現することができる。
また、第3の実施の形態によれば、モーター回転速度Nのしきい値N1とN2(>N1)を設定し、モーター回転速度Nがしきい値N2以上のときはトルク変動量ΔTに対する重み付け係数に1を設定するとともに、モーター回転速度Nがしきい値N2未満のときはトルク変動量ΔTに対する重み付け係数に0を設定し、モーター回転速度Nがしきい値N1以下のときは電流検出値変化量Δid、Δiqに対する重み付け係数に1を設定するとともに、モーター回転速度Nがしきい値N1より大きいときは電流検出値変化量Δid、Δiqに対する重み付け係数に0を設定し、重み付け後のトルク変動量(ΔT)によりトルク目標値Tを補正するとともに、重み付け後の電流検出値変化量(Δid、Δiq)によりdq軸電流検出値id、iqを補正するようにしたので、モーター回転速度領域に応じてモーター磁石の温度変化と電流検出器の温度変化とに起因したモータートルク変動抑制効果をより効果的にかつ合理的に実現することができる。
さらに、第3の実施の形態によれば、モーター回転速度Nがしきい値N1より大きくかつしきい値N2より小さいときは、モーター回転速度Nの増加に応じてトルク変動量ΔTに対する重み付け係数を徐々に増加させるとともに、電流検出値変化量Δid、Δiqに対する重み付け係数を徐々に低減するようにしたので、モーター回転速度領域に応じてモーター磁石の温度変化と電流検出器の温度変化とに起因したモータートルク変動抑制効果をより効果的にかつ合理的に実現することができる。また、モーター磁石の温度変化に起因したトルク目標値補正制御と温度検出器の温度変化に起因した電流検出値変化量補正制御とを円滑に開始または終了することができ、あるいは両制御を円滑に切り換えることができ、両制御の開始、終了および切り換え時点におけるモータートルク変動、回転速度変動を避けることができる。
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、位置変換器8および速度演算器9が回転速度検出手段を、巻線温度検出器14が温度検出手段を、電流検出器6a、6bが電流検出手段を、座標変換器10が第1座標変換手段を、座標変換器3が第2座標変換手段を、電流・電圧目標値生成器1が目標値生成手段を、電流ベクトル制御器2が電流制御手段を、PWM変換器4およびインバーター5が駆動手段を、トルク変動量演算部11、11A、11Bがトルク変動量演算手段を、加算器17がトルク目標値補正手段を、電流検出値変化量演算部11C、11Dが電流検出値変化量演算手段を、加算器17a、17bが電流検出値補正手段をそれぞれ構成する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項との対応関係になんら限定も拘束もされない。
第1の実施の形態の構成を示す図 テーブルデータの一例を示す図 トルク変動量の推定方法2で用いるトルク変動量演算部を示す図 トルク変動量の推定方法3を用いた第1の実施の形態の構成を示す図 第1の実施の形態の動作を示すフローチャート 第2の実施の形態の構成を示す図 電流検出器の温度特性を示す図 電流検出器の温度変化による三相交流電流の変化を示す図 電流検出器の温度変化によるdq軸上における電流検出値の変化を示す図 電流検出値変化量の推定方法3の構成を示す図 第3の実施の形態の動作を示すフローチャート モーターの回転速度に対する出力トルクの関係を示す図 モーター回転速度領域に応じた制御切り換え方法を示すブロック図 モーター回転速度領域に応じた制御切り換え時の様子を示すタイミングチャート 第3の実施の形態の動作を示すフローチャート
符号の説明
1、1a 電流・電圧目標値生成器
2 電流ベクトル制御器
3、10 座標変換器
4 PWM変換器
5 インバーター
5a バッテリー
6a、6b 電流検出器
7 モーター
8 位置検出器
9 速度演算器
11、11A、11B トルク変動量演算部
11C、11D 電流検出値変化量演算部
12 基準電圧・巻線温度生成器
12A 基準電力or基準トルク生成器
13、13A、13B トルク変動量推定器
13C、13D 電流検出値変化量推定器
14 巻線温度検出器
15、15a、15b PI増幅器
16、16a、16b ローパスフィルター
17、17a、17b 加算器
21 制御切換器

Claims (16)

  1. 三相同期モーターの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記モーターの巻線温度を検出する温度検出手段と、
    前記モーターに流れる三相交流電流を検出する電流検出手段と、
    前記三相交流電流検出値をdq軸座標系のdq軸電流検出値に変換する第1座標変換手段と、
    トルク目標値と前記モーター回転速度とに応じたdq軸電流目標値を設定する目標値生成手段と、
    前記dq軸電流検出値を前記dq軸電流目標値に一致させるためのdq軸電圧目標値を演算する電流制御手段と、
    前記dq軸電圧目標値を三相交流座標系の三相交流電圧目標値に変換する第2座標変換手段と、
    前記三相交流電圧目標値に応じた三相交流電圧を前記モーターに印加して駆動する駆動手段とを備えたモーター制御装置において、
    前記トルク目標値、前記モーター回転速度、前記dq軸電圧目標値、前記dq軸電流検出値および前記巻線温度検出値に基づいて前記モーターのトルク変動量を演算するトルク変動量演算手段と、
    前記トルク変動量により前記トルク目標値を補正するトルク目標値補正手段とを備えることを特徴とするモーター制御装置。
  2. 請求項1に記載のモーター制御装置において、
    前記トルク変動量演算手段は、前記モーターが前記トルク目標値に等しいトルクを出力しているときの前記dq軸電圧目標値および前記巻線温度検出値を基準電圧および基準温度として予め計測した前記トルク目標値と前記モーター回転速度に対する前記基準電圧と前記基準温度のテーブルデータを記憶しており、これらのテーブルデータを参照して前記dq軸電圧目標値と前記基準電圧との差および前記巻線温度検出値と前記基準温度との差を演算し、これらの差を用いて前記モーターの磁石磁束の温度変化に起因した前記トルク変動量を演算することを特徴とするモーター制御装置。
  3. 請求項1に記載のモーター制御装置において、
    前記トルク変動量演算手段は、前記モーターが前記トルク目標値に等しいトルクを出力しているときの推定トルクを基準トルクとして予め計測した前記トルク目標値と前記モーター回転速度に対する前記基準トルクのテーブルデータを記憶しており、現在の推定トルクを演算するとともに前記テーブルデータを参照して前記現在の推定トルクと前記基準トルクとの差を演算し、この差を用いて前記モーターの磁石磁束の温度変化に起因した前記トルク変動量を演算することを特徴とするモーター制御装置。
  4. 請求項1に記載のモーター制御装置において、
    前記トルク変動量演算手段は、前記モーターが前記トルク目標値に等しいトルクを出力しているときの推定電力を基準電力として予め計測した前記トルク目標値と前記モーター回転速度に対する前記基準電力のテーブルデータを記憶しており、現在の推定電力を演算するとともに前記テーブルデータを参照して前記現在の推定電力と前記基準電力との差を演算し、この差を用いて前記モーターの磁石磁束の温度変化に起因した前記トルク変動量を演算することを特徴とするモーター制御装置。
  5. 請求項1に記載のモーター制御装置において、
    前記トルク変動量演算手段は、前記トルク目標値と前記モーター回転速度に対する前記モーターの誘起電圧を計測したテーブルデータを記憶しており、このテーブルデータから前記トルク目標値と前記モーター回転速度に応じた前記モーターの誘起電圧を求め、この誘起電圧を用いて前記モーターの磁石磁束の温度変化に起因した前記トルク変動量を演算することを特徴とするモーター制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のモーター制御装置において、
    前記トルク目標値、前記モーター回転速度、前記dq軸電圧目標値、前記dq軸電流検出値および前記巻線温度検出値に基づいて前記電流検出手段の温度変化に起因した電流検出値変化量を演算する電流検出値変化量演算手段と、
    前記電流検出値変化量により前記dq軸電流検出値を補正する電流検出値補正手段とを備えることを特徴とするモーター制御装置。
  7. 請求項6に記載のモーター制御装置において、
    前記電流検出値変化量演算手段は、前記モーターが前記トルク目標値に等しいトルクを出力しているときの前記dq軸電圧目標値および前記巻線温度検出値を基準電圧および基準温度として予め計測した前記トルク目標値と前記モーター回転速度に対する前記基準電圧と前記基準温度のテーブルデータを記憶しており、これらのテーブルデータを参照して前記dq軸電圧目標値と前記基準電圧との差および前記巻線温度検出値と前記基準温度との差を演算し、これらの差を用いて前記電流検出手段の温度変化に起因した電流検出値変化量を演算することを特徴とするモーター制御装置。
  8. 請求項7に記載のモーター制御装置において、
    前記電流検出値変化量演算手段は、前記モーターの動作象限を検出し、前記動作象限に応じて前記電流検出手段の温度変化に起因した電流検出値変化量を演算することを特徴とするモーター制御装置。
  9. 請求項6に記載のモーター制御装置において、
    前記電流検出値変化量演算手段は、前記トルク目標値と前記モーター回転速度に対する前記モーターの誘起電圧を計測したテーブルデータを記憶しており、このテーブルデータから前記トルク目標値と前記モーター回転速度に応じた前記モーターの誘起電圧を求め、この誘起電圧を用いて前記電流検出手段の温度変化に起因した電流検出値変化量を演算することを特徴とするモーター制御装置。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載のモーター制御装置において、
    前記モーター回転速度が所定のしきい値N0以上のときは、前記トルク変動量に対する重み付け係数に1を設定するとともに、前記電流検出値変化量に対する重み付け係数に0を設定し、前記モーター回転速度が所定のしきい値N0未満のときは、前記トルク変動量に対する重み付け係数に0を設定するとともに、前記電流検出値変化量に対する重み付け係数に1を設定する重み付け手段を備え、
    前記トルク目標値補正手段は、前記重み付け手段による重み付け後の前記トルク変動量により前記トルク目標値を補正し、
    前記電流検出値補正手段は、前記重み付け手段による重み付け後の前記電流検出値変化量により前記dq軸電流検出値を補正することを特徴とするモーター制御装置。
  11. 請求項6〜9のいずれか1項に記載のモーター制御装置において、
    前記モーター回転速度のしきい値N1とN2(>N1)を設定し、前記モーター回転速度がしきい値N2以上のときは前記トルク変動量に対する重み付け係数に1を設定するとともに、前記モーター回転速度がしきい値N2未満のときは前記トルク変動量に対する重み付け係数に0を設定し、前記モーター回転速度がしきい値N1以下のときは前記電流検出値変化量に対する重み付け係数に1を設定するとともに、前記モーター回転速度がしきい値N1より大きいときは前記電流検出値変化量に対する重み付け係数に0を設定する重み付け手段を備え、
    前記トルク目標値補正手段は、前記重み付け手段による重み付け後の前記トルク変動量により前記トルク目標値を補正し、
    前記電流検出値補正手段は、前記重み付け手段による重み付け後の前記電流検出値変化量により前記dq軸電流検出値を補正することを特徴とするモーター制御装置。
  12. 請求項11に記載のモーター制御装置において、
    前記重み付け手段は、前記モーター回転速度がしきい値N1より大きくかつしきい値N2より小さいときは、前記モーター回転速度の増加に応じて前記トルク変動量に対する重み付け係数を徐々に増加させるとともに、前記電流検出値変化量に対する重み付け係数を徐々に低減することを特徴とするモーター制御装置。
  13. 三相同期モーターの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記モーターの巻線温度を検出する温度検出手段と、
    前記モーターに流れる三相交流電流を検出する電流検出手段と、
    前記三相交流電流検出値をdq軸座標系のdq軸電流検出値に変換する第1座標変換手段と、
    トルク目標値と前記モーター回転速度とに応じたdq軸電流目標値を設定する目標値生成手段と、
    前記dq軸電流検出値を前記dq軸電流目標値に一致させるためのdq軸電圧目標値を演算する電流制御手段と、
    前記dq軸電圧目標値を三相交流座標系の三相交流電圧目標値に変換する第2座標変換手段と、
    前記三相交流電圧目標値に応じた三相交流電圧を前記モーターに印加して駆動する駆動手段とを備えたモーター制御装置において、
    前記トルク目標値、前記モーター回転速度、前記dq軸電圧目標値、前記dq軸電流検出値および前記巻線温度検出値に基づいて前記電流検出手段の温度変化に起因した電流検出値変化量を演算する電流検出値変化量演算手段と、
    前記電流検出値変化量により前記dq軸電流検出値を補正する電流検出値補正手段とを備えることを特徴とするモーター制御装置。
  14. 請求項13に記載のモーター制御装置において、
    前記電流検出値変化量演算手段は、前記モーターが前記トルク目標値に等しいトルクを出力しているときの前記dq軸電圧目標値および前記巻線温度検出値を基準電圧および基準温度として予め計測した前記トルク目標値と前記モーター回転速度に対する前記基準電圧と前記基準温度のテーブルデータを記憶しており、これらのテーブルデータを参照して前記dq軸電圧目標値と前記基準電圧との差および前記巻線温度検出値と前記基準温度との差を演算し、これらの差を用いて前記電流検出手段の温度変化に起因した電流検出値変化量を演算することを特徴とするモーター制御装置。
  15. 請求項14に記載のモーター制御装置において、
    前記電流検出値変化量演算手段は、前記モーターの動作象限を検出し、前記動作象限に応じて前記電流検出手段の温度変化に起因した電流検出値変化量を演算することを特徴とするモーター制御装置。
  16. 請求項13に記載のモーター制御装置において、
    前記電流検出値変化量演算手段は、前記トルク目標値と前記モーター回転速度に対する前記モーターの誘起電圧を計測したテーブルデータを記憶しており、このテーブルデータから前記トルク目標値と前記モーター回転速度に応じた前記モーターの誘起電圧を求め、この誘起電圧を用いて前記電流検出手段の温度変化に起因した電流検出値変化量を演算することを特徴とするモーター制御装置。
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