JP2007276640A - ブレーキ制御装置及びブレーキ制御方法 - Google Patents

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俊晴 菅原
Kimio Nishino
公雄 西野
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謙一郎 松原
Toshiyuki Innami
敏之 印南
Hitoshi Kobayashi
仁 小林
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Abstract

【課題】自動車の各輪にブレーキ装置を設け、各輪のブレーキ力を独立に制御可能とした自動車で、ブレーキ装置の少なくとも一つに異常が生じた場合に、車両の安定性を損なうことなく運転者の要求するブレーキ力を確保する。
【解決手段】ブレーキ装置の少なくとも一つに異常が生じた場合に、失陥輪の状態と運転者の要求ブレーキ力から、各輪の目標ブレーキ力を配分するとともに、各輪の目標ブレーキ力に起因するヨーモーメントを算出する。そして、車両の安定性に応じてブレーキで出せるヨーモーメントの最大許容値を設定し、各輪の目標ブレーキ力に起因するヨーモーメントが当該最大許容値に収まるように、必要に応じて各輪のブレーキ力を変更する。
【選択図】図7

Description

本発明は、自動車のブレーキ制御装置、及びブレーキ制御方法に関する。
自動車の各輪にブレーキ装置を設け、各輪のブレーキ力を独立に制御可能とした自動車のブレーキ装置が知られている。
このようなブレーキ装置においては、一部のブレーキ装置が失陥した場合であっても、車両の操縦安定性を損なうことなく、運転者の要求するブレーキ力をできるだけ満たすことが求められている。
ブレーキ装置が失陥した場合に、失陥輪の位置と舵角と車速によって、車両があらかじめ設定した安定状態にあるか否かの判断を行い、車両が安定側にある場合には、それ以外の場合に比較して、ブレーキ力によりヨーモーメントが発生するのを許容した状態で残りの正常輪を作動させ、正常輪のブレーキ力の調整を、失陥輪の位置,舵角、または車速によって行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−158336号公報
ブレーキの失陥によって残りの正常なブレーキ装置でブレーキ力を得ようとした場合に、失陥輪の位置,舵角、または車速のみによってブレーキ力を調整すると、車両の安定性やブレーキ力が十分に確保できない場合がある。
上記に鑑み本発明は、ブレーキの失陥時における車両の安定性やブレーキ力を向上することを目的とする。
本発明は、ブレーキが失陥した時点における各ブレーキのブレーキ力配分や他の車両状態に応じて、正常なブレーキ装置へのブレーキ力配分を決定する。
本発明によれば、ブレーキの失陥時における車両の安定性やブレーキ力を向上することができる。
本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態をなす自動車の構成図を示す。また図2は、図1の例のシステム構成図を示す。
自動車の各車輪にそれぞれ電動ブレーキユニットB1〜B4が取り付けられている。ブレーキコントロールユニット1が出力した各輪の制御信号に応じて、電動ブレーキユニットB1〜B4が各車輪W1〜W4にブレーキ力を発生させる。
各輪の電動ブレーキユニットB1〜B4は、自動車の各輪W1〜W4に取り付けられて各輪と一体に回転する被制動部材23と、制動部材(図示しない)と、この制動部材をモータの力で被制動部材23に押し付ける電動ブレーキアクチュエータ22とを備えている。被制動部材23の例としてはブレーキディスクやブレーキドラムがあり、制動部材の例としてはブレーキパッドがある。
電動ブレーキアクチュエータ22の構造の一例としては、例えば特開2002−213507号公報に記載されているような構造が知られているが、電動ブレーキアクチュエータの特定の機械的構造に限定されるものではなく、様々な構造の電動ブレーキアクチュエータを用いることができる。少なくとも各車輪に設けられたブレーキ装置の一部または全部を相互に独立して制御できるものであれば、適用可能である。
図2において、各電動ブレーキユニットB1〜B4にはブレーキコントロールユニット1からの制御信号を伝達する信号線27と、電動ブレーキアクチュエータ22の推力または電流値をブレーキコントロールユニット1に伝達する信号線28が接続されている。また、電動ブレーキアクチュエータ22に電力を供給する電力線26が接続されている。なお、ブレーキコントロールユニット1と各電動ブレーキユニットとの間の信号線は、双方向通信可能な信号線を用いて、送信用と受信用の信号線を共通化することもできる。またCANを用いる構成としてもよい。
また本実施例の電動ブレーキシステムは、パーキング機能を備えている。ブレーキコントロールユニット1にはパーキングブレーキスイッチ4からの信号が入力されるようになっており、各輪の電動ブレーキユニットB1〜B4にはパーキング機構部21が設けられている。パーキング機構部21は外部からの指令に従ってブレーキパッドの移動または電動ブレーキアクチュエータ22の動作を規制する機構であり、電動ブレーキアクチュエータに対する通電を停止してもそのときのブレーキ力を保持する。
パーキング機構部21にはブレーキコントロールユニット1からの指令信号を入力する信号線29が接続されており、パーキングブレーキスイッチ4が操作されるとブレーキコントロールユニット1は電動ブレーキアクチュエータ22を動作させブレーキ力を発生させる。このブレーキ力が発生した状態でパーキング機構部21に指令を送り、ブレーキ力を保持する。
また、ブレーキコントロールユニット1は通信ライン98に接続されており、必要に応じて他のコントロールユニットと情報の送受信を行うことができる。本実施例では、エンジンコントロールユニット30と通信を行っている。通信ライン98はCANなど一般的な通信手段により実現できる。
また、ブレーキコントロールユニット1には、運転者のブレーキペダル2の踏込み量を検出するストロークセンサ3,自動車の各輪の速度(前後左右輪で合計4輪の車輪速度)を示す車速センサ6,自動車のヨーレートを示すヨーレートセンサ7,操舵角度を示す操舵角センサ8,自動車の前後方向加速度を示す前後加速度センサ9,自動車の横方向の加速度を示す横加速度センサ10などからの各種センサ情報が入力される構成となっている。尚、センサを用いるのではなく、車両の各種パラメータからそれぞれのセンサが検出する対象を演算,推定しても良い。
ブレーキコントロールユニット1は、CPU,ROM,RAM,入力部,出力部及び通信部から構成されている。ブレーキコントロールユニットは、運転者のブレーキペダル2の踏込み量を検出するストロークセンサ3等の各種センサ情報を入力部から取り込み、
ROMの情報及び通信の情報と共に、CPUで各輪の目標ブレーキ力を計算し、その制御信号を出力部から出力する。この制御信号に従って、各電動ブレーキユニットはモータを制御し、各車輪W1〜W4にブレーキ力を発生させる。
図3は、図1の例におけるブレーキ制御のフローチャートを示す。この実施例では、このフローチャートに基づく処理をブレーキコントロールユニット1で実行するものとして記載するが、ここに含まれる各処理の一部を他のコントロールユニットで処理させ、その処理結果を入手して処理を進めても良い。また、この処理すべてをエンジンコントロールユニットや統合コントロールユニットなど、他の制御を主に行うコントロールユニット内で処理しても良い。また、処理の一部を電動ブレーキユニットB1〜B4内の制御手段によって処理しても良い(特に後述のステップ15)。
このフローチャートは、正常時のブレーキ力配分を行うステップ13(以下、S13と略称する。他のステップについても同様とする。)と、故障時のブレーキ力配分を行う
S3−S12の大きく二つの役割に分けることができる。
S3−S12から成る故障時のブレーキ力配分は、大きく二つの処理に大別できる。一つは、各電動ブレーキの故障検出結果とストロークセンサの情報に基づいて目標ブレーキ力を4輪に配分するためのS3−S7から構成される各輪の目標ブレーキ力算出処理である。もう一つは、配分された各輪の目標ブレーキ力が車両に安定に作用するか否かを判定する安定判定処理と、その結果に基づき必要に応じて少なくとも一つの正常輪の目標ブレーキ力を抑制し、目標ブレーキ力を車両に安定に作用させるように修正を行う目標ブレーキ力補正処理を行う、S8−S12から構成される処理である。
本フローチャートでは、ブレーキ力発生不可時の制御の一例として、ブレーキ力発生装置の一輪が失陥してブレーキ力を発生できない状態にある場合の制動制御の方法を示す。ただし、本発明は一輪失陥の場合に限らず複数輪の失陥時にも適用することが可能である。
まず、S1においてストロークセンサに基づき運転者の車両全体に対する要求ブレーキ力Fcmdを計算する。次に、S2でブレーキ装置に異常があるか否かを下記の故障検出処理で判断する。故障検出処理は、ブレーキコントロールユニット1から各電動ブレーキユニットB1〜B4に出力される制御信号(例えばブレーキ力指令値)と、各電動ブレーキユニットB1〜B4からブレーキコントロールユニット1に入力される実際値信号(例えば実ブレーキ力)が入力されており、この比較によって電動ブレーキユニットB1〜
B4の故障を判断する。具体的には、制御信号と実際値信号の差が所定以上である場合や、制御信号と実際値信号の所定以上の差が所定時間以上続いた場合などに、その電動ブレーキユニットが故障したと判断する。この構成によれば、少なくとも電動ブレーキユニットB1〜B4の故障を独立に検出することが出来る。また、故障検出処理は、各種の故障を直接的に検出する外部センサからの情報が入力される構成とすることも出来る。例えば、信号線27または28の断線または接触不良,電力線26の断線または接触不良,電源24の電圧低下または故障等に起因する電動ブレーキアクチュエータ22の故障は電圧計,電流計等の外部センサにより検出しても良い。すなわち、故障とは、電動ブレーキユニットB1〜B4そのものの故障のみならず、これらのユニットが制御不能になる状態を含む。
ここで、ブレーキに異常がないと判断された場合は、S13で運転者の要求ブレーキ力(Fcmd)を所定の比率で前後左右輪に分配し、S14でそのブレーキ力配分に基づき各輪ごとのブレーキ力指令値(電流指令値であっても良い)を算出し、当該ブレーキ力指令値を各電動ブレーキユニットB1〜B4に対して出力する。S15で各輪の電動ブレーキのモータ制御が行われる。
S2でブレーキに異常があると判断された場合は、S3−S7において失陥輪以外の正常輪にブレーキ力を配分する。ここで、変数の定義を行う。故障したブレーキ力発生装置により発生するブレーキ力をFx_fail,故障したブレーキ力発生装置とは前後方向反対側のブレーキ力発生装置により発生するブレーキ力をFx_nor,Fx_failとFx_norの和をFx,そのブレーキ力和が発生し得る最大値をFx_maxとする。また、ブレーキ力発生装置が故障した車輪とは左右方向反対側の前輪ブレーキ力発生装置により発生するブレーキ力をFy_f,後輪ブレーキ力発生装置により発生するブレーキ力をFy_rとする。また、Fy_f+Fy_rのブレーキ力の和をFyとし、そのブレーキ力和が発生し得る最大のブレーキ力をFy_maxとする。
S3−S7からなる各輪の目標ブレーキ力算出部の一例として、左右のブレーキ力差によって車両に不必要なヨーモーメントが加わらないように、目標ブレーキ力を左右でできるだけ均等に配分する方法を示す。S3では、Fx_max+Fy_maxがFcmdより大きいかの判断、つまり正常輪で出せる最大のブレーキ力が運転者の要求ブレーキ力より大きいかどうかの判断を行う。Fx_max+Fy_maxがFcmdより小さい場合は、S4で、運転者の要求ブレーキ力を正常輪で出せる範囲内に最大ブレーキ力に修正する。
S5では、ブレーキ力発生装置が故障した車輪とは前後反対側のブレーキ力発生装置により発生し得る最大のブレーキ力Fx_maxがFcmd/2を越えているか否かの判別、つまり目標ブレーキ力を左右で均等に分けることができるか否かの判別が行われる。肯定判別が行われた場合には、S6においてブレーキ力のアンバランスにより車両にヨーモーメントが掛からないように以下の式(1),式(2),式(3)で目標ブレーキ力を左右に均等に配分する。
Fx_nor=Fcmd/2 …(1)
Fy_f=K(Fcmd/2) …(2)
Fy_r=(1−K)(Fcmd/2) …(3)
ここで、Kは1以下の定数で、F_y側の前後輪のブレーキ力配分比を表す。
一方、S5で否定判別が行われた場合、ブレーキ力発生装置が故障した車輪とは前後反対側のブレーキ力発生装置により発生し得る最大のブレーキ力Fx_maxがFcmd/2を越えていなかった場合には、S7において以下の式(4),式(5),式(6)に示すように、できるだけ左右輪のブレーキ力差が出ないように、目標ブレーキ力を配分する。
Fx_nor=Fx_max …(4)
Fy_f=K(Fcmd−Fx_max) …(5)
Fy_r=(1−K)(Fcmd−Fx_max) …(6)
以上のように、S5,S6,S7によって、目標ブレーキ力を左右均等に配分できる場合は左右均等にブレーキ力を配分し、目標ブレーキ力を左右均等に配分できない場合は、できるだけ目標ブレーキ力を左右均等になるように配分する。
S3−S7によって構成される目標ブレーキ力の各輪への配分は、必ずしも上記に限定されることはなく、失陥輪の状態,車両の運動状態などに応じて前後左右輪に目標ブレーキ力を配分する構成であれば良い。例えば、正常状態と同じブレーキ力配分でも良い。また、各輪の最大ブレーキ力は路面μの推定値と各輪の荷重と推定横力の関係から計算する、又はABSが作動した時のブレーキ力を基に更新するなどして求めても良い。以上、
S3−S7において目標ブレーキ力の各輪への配分が行われる。
次に、S8−S11から構成される、ブレーキが車両に安定に作用するか否かの安定判定部,各輪の目標ブレーキ力を必要に応じて補正する目標ブレーキ力補正処理を説明する。
従来技術では、失陥輪の位置と舵角と車速から、車両があらかじめ設定した安定状態にあるか否かの判断を行っている。例えば、右前輪が失陥している状態で右旋回をしている場合、ブレーキに起因するヨーモーメントが左回転方向にかかるとし、そのヨーモーメントが旋回方向と逆方向に掛かるので車両が安定状態にあると判定している。しかしながら、失陥時に各輪の目標ブレーキ力の配分を変更する場合、失陥輪の位置によってブレーキに起因するヨーモーメントの方向は決まらず、配分された左右のブレーキ力のバランスによってブレーキに起因するヨーモーメントの方向は決まる。
また、従来技術は、車両の走行安定性を考慮に入れずに車両が安定側にあるか否かの判断しているため、各輪のブレーキ力が車両に対して安定に作用するか否かの判定が必ずしも正確ではない。その結果、必ずしも車両の安定性が確保できないといった問題や、車両の安定性を確保しようとして不必要なブレーキ力低下を招くといった問題が生じる。
例えば、右前輪が失陥している状態の時、右旋回で車両がアンダーステア状態だった場合を考える。従来技術ではブレーキに起因するヨーモーメントが旋回方向とは逆方向に掛かるため、スピンしにくくなるので車両が安定状態にあると判断し、ヨーモーメントを許容する状態で3輪制御を継続する。しかし、図4(b)のように上記の条件の場合はブレーキに起因するヨーモーメントはアンダーステア(以下「US」)状態にある車両に対し、さらにUS傾向を増加させるようにブレーキ力が掛かる、つまりブレーキ力が車両を不安定化する方向にかかる。
また、例えば右前輪失陥時、左旋回中に車両がUSの状態でブレーキを掛けた場合を考えると、従来技術ではブレーキに起因するヨーモーメントが旋回方向とは同じ方向に掛かるためスピンしやすくなるので車両が不安定状態にあると判定する。そして、ブレーキに起因するヨーモーメントを減少させるために左後輪の制御を停止(又は抑制)し、ブレーキ制御を行う。しかし、上記条件では、図5(f)のようにブレーキに起因する左回転方向のヨーモーメントは、USにある車両をニュートラルステア(以下「NS」)にする方向にブレーキ力が掛かる、つまり車両を安定にする方向にブレーキ力が作用する。従って、従来技術ではブレーキが起因するヨーモーメントが車両を安定化する方向に働くにも関わらず、不安定と判断し不必要なブレーキ力の低下を招いている。
そこで本実施形態では、車両の安定性の指標に基づいて許容ヨーモーメントを設定し、上記配分された各輪の目標ブレーキ力が車両運動に安定に作用するか否かの判定を行う。以下に、車両の安定性の指標として目標ヨーレートγtと実ヨーレートγの偏差を利用し、ブレーキで出せるヨーモーメントの最大許容値(以後、許容ヨーモーメントと呼ぶ)を算出する方法を示す。S8において、まず式(7)に基づき目標ヨーレートγt を求める。
Figure 2007276640
ただし、Aはスタビリティファクタ、Vは車速、lは車両のホイールベース、δは舵角、Tは時定数、sはラプラス演算子とする。そして、式(8)に基づき、安定性の指標である目標ヨーレートγtと実ヨーレートγの偏差Δγを計算する。
Figure 2007276640
ここで、実ヨーレートγはヨーレートセンサから取得した情報、または他の車両状態を示すパラメータから推定した情報である。
次に、S9で予め設定しておいたΔγと許容ヨーモーメントの関係を表したマップからΔγに応じた許容ヨーモーメントを算出する。許容ヨーモーメントとは、ブレーキ力によって生じる車両へのヨーモーメントをどこまで出して良いかを表す値であり、許容ヨーモーメントを高く設定することで、ブレーキによるヨーモーメントが許容されるので高いブレーキ力を確保することができる。一方、これを低く設定すれば、高いブレーキ力は確保できないが、ブレーキのアンバランスに起因するヨーモーメントを抑制することができる。
図4,図5は、図1の例における目標ヨーレートと実ヨーレートの偏差によるヨーモーメントの効果の違いを示す。
Δγと許容ヨーモーメントの関係を表したマップは、US状態,NS状態、またはオーバステア(以下「OS」)状態にある車両に、ヨーモーメントが安定に作用するか否かによって以下のように設定する。ここで、右回転方向を正方向とする。Δγ>0の車両(右旋回時にUSの車両又は左旋回時にOSの車両)に対して、正方向のヨーモーメントは図4−a又は図5−gに示すように車両を安定化する方向に作用するので、正方向のヨーモーメントの許容値を大きく設定する。一方、Δγ>0の車両(右旋回時にUSの車両又は左旋回時にOSの車両)に対して、負方向のヨーモーメントは図4(b)又は図5(h)に示すように車両を不安定化する方向に作用するので、負方向の上記許容値を小さく設定する。同様に、Δγ<0の車両(右旋回時にOSの車両又は左旋回のUSの車両)に対して、正方向のヨーモーメントは、図4(c)又は図5(e)に示すように車両を不安定化する方向に作用するので、正方向のヨーモーメントの許容値を小さく設定する。また、
Δγ<0の車両(右旋回時にOSの車両又は左旋回のUSの車両)に対して、負方向のヨーモーメントは図4(d)又は図5(f)に示すように車両を安定化する方向に作用するので、負方向の上記許容値を大きく設定する。
以上のように、車両にヨーモーメントが安定に作用する場合には、ヨーモーメントの許容値を大きく設定し、逆に不安定に作用する場合には、上記許容値を小さく設定する。
図6は、図1の例におけるΔγと許容ヨーモーメントの関係を示す。
図6のΔγと許容ヨーモーメントの関係に基づき失陥時のブレーキ制御を行うことで、舵角と車速から計算される目標ヨーレートと実ヨーレートの偏差が正のとき、それ以外の場合に比べてブレーキに起因する正のヨーモーメントの最大許容値を大きく設定し、ブレーキによる正のヨーモーメントを許容する形でブレーキ制御をするようなブレーキ制御が実現される。また、舵角と車速から計算される目標ヨーレートと実ヨーレートの偏差が負のとき、それ以外の場合に比べてブレーキに起因する負のヨーモーメントの最大許容値を大きく設定し、ブレーキによる負のヨーモーメントを許容する形で制御するようなブレーキ制御が実現される。上述のように設定した許容ヨーモーメント内でブレーキ力を制御すれば、ブレーキ力は車両に安定に作用することになる。
次に、S10においてS3−S7で求めた各輪の目標ブレーキ力からブレーキ装置に起因するヨーモーメントM(ブレーキヨーモーメント)を式(9)に基づいて算出する。
M=FxTx−FyTy …(9)
ここで、Tx,Tyはそれぞれブレーキ故障輪側のトレッド、ブレーキ故障輪とは反対側のトレッドとする。ただし、反時計回りを負となるように計算する。
S11において、ブレーキに起因するヨーモーメントMがS10で求めた許容ヨーモーメントに収まっているか否か、つまり各輪の目標ブレーキ力が車両に安定に作用するか否かを判定する。ブレーキに起因するヨーモーメントが許容値に収まっている場合にはS6(またはS7)で分配した各輪の目標ブレーキ力に基づき、車両のブレーキ力制御を行う。一方、ブレーキに起因するヨーモーメントが許容値に収まっていない場合には、S12で式(10),式(11)によって許容ヨーモーメントに収まるように失陥輪の左右反対方向のブレーキ力を抑制する。
Figure 2007276640
Figure 2007276640
ここで、Cは1以下の係数である。また、Kはブレーキ力の前後配分比である1以下の係数である。許容ヨーモーメントに収まるように正常輪のブレーキ力を抑制する方法は必ずしも上記に限るものではなく、例えば失陥輪の前後左右反対側の輪だけを弱めて許容ヨーモーメントに収まるようにブレーキ力を抑制しても良い。
S10,S11,S12を繰り返し行い、失陥輪の左右反対方向の目標ブレーキ力を抑制することで、許容ヨーモーメントに収まる、つまりブレーキが車両に安定に作用することになる。
以上S8からS12のステップによって、車両の安定性であるΔγに応じて、許容ヨーモーメントを設定し、それに基づいて各輪の目標ブレーキ力が車両に安定に作用するか否かを判断する。そして、必要に応じて許容ヨーモーメントに収まるように目標ブレーキ力を抑制することで、ブレーキ力を車両に安定に作用させることができる。以上で算出した各輪の目標ブレーキ力をS14で各電動ブレーキユニットへの電流指令値又は推力指令値に換算する。そして、S15においてS14で求めた指令値に基づき各ユニットで制御を行う。
以上の手法により、車両の安定性に応じて適宜目標ブレーキ力を抑制することができるので、車両の安定性を維持しつつ、ブレーキ力を有効に活用することが可能になる。この手法によるブレーキ制御装置失陥時のブレーキ制御のブロック図は、図7のようになる。
次に、本発明の他の実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図8は、本発明の他の実施形態をなす自動車のブレーキコントロールユニット1,各輪のブレーキユニット、及びこれらを結ぶ信号線,電力線を含むシステム構成図を示す。
この実施形態のブレーキは、ブレーキペダル2から機械的に切り離された液圧ポンプ
328を有し、この液圧ポンプで発生した液圧を圧力制御部330と配管327とを通じて各輪のブレーキシリンダに分配する電動油圧ブレーキである。
ブレーキコントロールユニット1は、ストロークセンサ3で検出した運転者の踏み込み量に応じて、ポンプ328及び圧力制御部330を制御し、各輪の液圧アクチュエータ
322に供給される液圧を制御することで、各輪のブレーキ力を個別に制御する。ブレーキコントロールユニット1からの制御信号は信号線27によりポンプ328および圧力制御部330に送られる。圧力制御部330はポンプ328から各輪の液圧アクチュエータ322まで配設された配管327ごとに供給する圧力を制御するものであり、例えば圧力制御弁で構成される。また各輪の液圧アクチュエータ322には、各ホイールシリンダで発生しているホイールシリンダ圧を検知するセンサ(図示しない)が設けられており、この検出結果は信号線28によりブレーキコントロールユニット1に入力される。ブレーキコントロールユニット1は入力された各輪のホイールシリンダ圧を、ブレーキ踏み込み量に応じた目標ホイールシリンダ圧に近づけるようにポンプ328及び圧力制御部330を制御する。
この4輪電動油圧ブレーキの構成においても、実施例1で説明した図3のブレーキ力制御のフローチャート及び図6のブレーキ制御装置失陥時のブレーキ制御のブロック図を適用することができる。ただし、電動油圧ブレーキの場合、制動装置が故障した時に、運転者のペダル操作力が直接油を伝わってブレーキ力として掛かるという電動ブレーキにはないメカバックアップモードが存在する。メカバックアップ時は、メカバックアップ輪をブレーキ力ゼロとして扱わず、運転者のペダル操作によって掛かるブレーキ力F_failを推定し、ブレーキ力制御を行う。
以上により、4輪電動油圧ブレーキのブレーキ制御装置においても、車両の安定性を維持しつつ、運転者の要求ブレーキ力を確保することが可能になる。
ここでは、実施例1又は2に示すブレーキ制御装置において、車両の安定性の指標として、目標スリップ角βt と実スリップ角βの偏差Δβに基づいて許容ヨーモーメントを設定する方法を示す。具体的には、ブレーキ制御のフローチャート図3のS8,S9で目標スリップ角と実スリップ角の偏差に基づいて許容ヨーモーメントを設定する。ただし、
S8,S9以外は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
この実施例では、図3のS8に代わり、目標スリップ角を式(12)に基づいて計算する。
Figure 2007276640
ただし、Aはスタビリティファクタ、Vは車速、lは車両のホイールベース、δは舵角、mは車両の質量、lf は重心と前輪の距離、lr は重心と後輪の距離、Kr は後輪のコーナリングパワー、Tは時定数、sはラプラス演算子である。次に、式(13)に基づき、車両の安定性の指標である目標スリップ角と実スリップ角の偏差Δβを計算する。
Figure 2007276640
次に、Δβと許容ヨーモーメントの関係を表したマップに応じてブレーキで出せるヨーモーメントの許容値を算出する。
図9,図10は、本発明の他の実施形態をなす目標ヨーレートと実ヨーレートの偏差によるヨーモーメントの効果の違いを示す。
Δβと許容ヨーモーメントの関係を表したマップは、Δγの場合と同じくUS,NS,OSの状態にある車両にヨーモーメントが安定に作用するか否かによって以下のように設定する。Δβ>0の車両(右旋回時にUSの車両又は左旋回時にOSの車両)に対して、正方向のヨーモーメントは図9(a)又は図10(g)に示すように車両を安定化する方向に作用するので、正方向のヨーモーメントの許容値を大きく設定する。一方、Δβ>0の車両(右旋回時にUSの車両又は左旋回時にOSの車両)に対して、負方向のヨーモーメントは図9(b)又は図10(h)に示すように車両を不安定化する方向に作用するので、負方向の上記許容値を小さく設定する。同様に、Δβ<0の車両(右旋回時にOSの車両又は左旋回のUSの車両)に対して、正方向のヨーモーメントは、図9(c)又は図10(e)に示すように車両を不安定化する方向に作用するので、正方向のヨーモーメントの許容値を小さく設定する。また、Δβ<0の車両(右旋回時にOSの車両又は左旋回のUSの車両)に対して、負方向のヨーモーメントは図9(d)又は図10(f)に示すように車両を安定化する方向に作用するので、負方向の上記許容値を大きく設定する。
以上のように、車両にヨーモーメントが安定に作用する場合には、ヨーモーメントの許容値を大きく設定し、逆に不安定に作用する場合には、上記許容値を小さく設定する。図11に、図9,図10の例におけるΔβと許容ヨーモーメントの関係を示す。
図11のΔβと許容ヨーモーメントの関係に基づき失陥時のブレーキ制御を行うことで、舵角と車速から計算される目標スリップ角と実スリップ角の偏差が正のとき、それ以外の場合に比べてブレーキに起因する正のヨーモーメントの最大許容値を大きく設定し、ブレーキによる正のヨーモーメントを許容する形でブレーキ制御を行うことや、舵角と車速から計算される目標スリップ角と実スリップ角の偏差が負のとき、それ以外の場合に比べてブレーキに起因する負のヨーモーメントの最大許容値を大きく設定し、ブレーキによる負のヨーモーメントを許容する形でブレーキ制御を行うことができる。図11で設定した許容ヨーモーメント内でブレーキ力を制御すれば、ブレーキ力は車両に安定に作用することになる。
本実施例は、以上のように車両の安定性に応じて許容ヨーモーメントを設置し、その範囲に収まるようにブレーキ力を抑制することによって、安定性を損なうことなく、運転者の要求ブレーキ力をできるだけ満たすことが可能になる。
上述の実施例では、車両の安定性に応じて許容ヨーモーメントを任意に設定することができる。従って、車両の安定性とブレーキ力の確保というトレードオフを任意に変更することが可能である。この特長を生かし、実施例1に示したブレーキ制御装置において安定判別の指標Δγと許容ヨーモーメントの関係を、走行状態に応じて変える実施例を以下に示す。
図12は、本発明の他の実施形態をなすΔβと許容ヨーモーメントの関係を示す。
車両の安定性よりもブレーキが優先させる必要がある場合に、それ以外の場合よりも図12のように許容ヨーモーメントを高く設定する。この方法によれば、安定性を確保するためにブレーキ力を不必要に抑制することなく、目標ブレーキ力を確保することができる。
車両の安定性よりもブレーキが必要か否かの判断は、例えばストローク又はマスターシリンダー圧の時間変化量がある一定閾値以上の場合(緊急ブレーキが必要な場合)、安定性よりもブレーキが必要と判断する。安定性よりもブレーキが必要と判断された場合は、通常のΔγと許容ヨーモーメントの関係よりも、許容ヨーモーメントが大きいマップ図
12を用いて許容ヨーモーメントを算出し、車両の安定判別を行う。以上により、安定性を確保するためにブレーキ力を抑制したことによってブレーキ力の確保ができないといった問題を回避することができ、運転者の要求するブレーキ力を確保することができる。本実施例では、車両の安定性の指標として目標γと実γの偏差Δγを用いたが、目標βと実βの偏差Δβを用いても良い。
図13は、本発明の他の実施形態をなすΔβと許容ヨーモーメントの関係を示す。
ブレーキ力確保よりも車両の安定性を維持したいという要求がある場合、それ以外の場合よりも図13のように許容ヨーモーメントを低く設定することで、ブレーキ力により車両を不安定化することなく、安定性を確保することができる。
ブレーキ力確保よりも安定性を維持したいか否かの判断は、例えばハンドル角速度がある一定閾値以上の場合(緊急回避が必要な場合)にブレーキよりも安定性の維持が必要と判断する。その場合は、通常のΔγと許容ヨーモーメントの関係よりも、図13のように許容ヨーモーメントが低いマップを用いて許容ヨーモーメントを算出し、車両の安定判別を行う。以上により、ブレーキ力を確保したために車両の安定性が維持できないといった問題を回避することができ、常に車両の安定性を確保することができる。車両の安定性の指標として目標γと実γの偏差Δγを用いたが、目標βと実βの偏差Δβを用いても良い。
上記複数の実施例に記載したように、まず、失陥輪の状態と運転者の要求ブレーキ力から、各輪の目標ブレーキ力を配分するとともに、各輪の目標ブレーキ力に起因するヨーモーメントを算出する。次に、車両の安定性(目標ヨーレートと実ヨーレートの差又は目標スリップ角と実スリップ角との差)に応じてブレーキで出せるヨーモーメントの最大許容値を算出する。但し、スリップ角は、車体の向きと車体の進行方向のなす角とする。そして、各輪の目標ブレーキ力に起因するヨーモーメントが上記許容値に収まるように各輪のブレーキ力を適宜修正し、各輪ごとに制動制御を行う。
本実施形態に記載した手法によれば、走行安定性を維持しつつ、運転者の要求ブレーキ力をできるだけ満足することが可能なブレーキ力制御を実現できる。失陥輪の状態と運転者の要求ブレーキ力から、各輪の目標ブレーキ力を設定するとともに、各輪の目標ブレーキ力に起因するヨーモーメントを算出し、その目標ブレーキ力が車両に安定に作用するように制御を行う。従って、各輪の目標ブレーキ力を基に制御を行うので、失陥時に各輪の目標ブレーキ力の配分を変えた場合においても、各輪の目標ブレーキ力が車両に安定に作用するか否かを判定することができるようになり、車両の安定性と運転者の要求ブレーキ力を高次元で両立することができる。
また、車両の安定性に応じてブレーキに起因するヨーモーメントの許容値を設定し、その許容値内に収まる範囲でブレーキを制御する。これにより、車両の安定性に応じてブレーキの抑制ができるようになるので、車両の安定性を維持しつつ、最大限にブレーキ力を確保することが可能となる。
本発明の一実施形態をなす自動車の構成図を示す。 図1の例のシステム構成図を示す。 図1の例におけるブレーキ制御のフローチャートを示す。 図1の例における目標ヨーレートと実ヨーレートの偏差によるヨーモーメントの効果の違いを示す。 図1の例における目標ヨーレートと実ヨーレートの偏差によるヨーモーメントの効果の違いを示す。 図1の例におけるΔγと許容ヨーモーメントの関係を示す。 図1の例におけるブレーキ制御装置失陥時のブレーキ制御のブロック図を示す。 本発明の他の実施形態をなす自動車のブレーキコントロールユニット1,各輪のブレーキユニット、及びこれらを結ぶ信号線,電力線を含むシステム構成図を示す。 本発明の他の実施形態をなす目標ヨーレートと実ヨーレートの偏差によるヨーモーメントの効果の違いを示す。 本発明の他の実施形態をなす目標ヨーレートと実ヨーレートの偏差によるヨーモーメントの効果の違いを示す。 図9,図10の例におけるΔβと許容ヨーモーメントの関係を示す。 本発明の他の実施形態をなすΔβと許容ヨーモーメントの関係を示す。 安定性優先時の目標ヨーレートと実ヨーレートの偏差とブレーキに起因するヨーモーメントの許容値の関係を表す図。
符号の説明
W1,W2,W3,W4…車輪、B1,B2,B3,B4…電動ブレーキユニット、1…ブレーキコントロールユニット、2…ブレーキペダル、3…ストロークセンサ、4…パーキングブレーキスイッチ、6…車速センサ、7…ヨーレートセンサ、8…操舵角センサ、9…前後加速度センサ、10…横加速度センサ、21…パーキング機構部、22…電動ブレーキアクチュエータ、23…被制動部材、24…電源、26…電力線、27,28,29…信号線、30…エンジンコントロールユニット、98…通信ライン。

Claims (15)

  1. 各車輪に設けられたブレーキ装置の故障または制御不能を判定する故障判定手段と、
    前記故障判定手段の判定結果とブレーキ力指令値とに基づいて、前記ブレーキ装置のブレーキ力配分を決定するブレーキ力配分決定手段と、
    決定された前記ブレーキ力配分に基づいて前記ブレーキ装置に起因するブレーキヨーモーメントを求めるブレーキヨーモーメント決定手段と、
    車両状態を示す情報から目標ヨーレートを求める目標ヨーレート決定手段と、
    車両の実ヨーレートを求める実ヨーレート決定手段と、
    前記目標ヨーレートと前記実ヨーレートに基づいて車両の許容ヨーモーメントを求める許容ヨーモーメント決定手段と、
    前記許容ヨーモーメントと前記ブレーキヨーモーメントの比較結果に応じて前記ブレーキ力配分を変更するブレーキ力配分変更手段と、
    前記ブレーキ力変更手段で変更されたブレーキ力配分を実現するための各ブレーキ装置への指令値を決定するブレーキ力指令値決定手段と、
    前記指令値を各輪のブレーキ装置に対して出力する指令値出力手段と、
    を有するブレーキ制御装置。
  2. 請求項1記載のブレーキ制御装置であって、
    前記許容ヨーモーメント決定手段は、前記目標ヨーレートと前記実ヨーレートの偏差に基づいて前記ブレーキヨーモーメントを求めるブレーキ制御装置。
  3. 請求項2に記載のブレーキ制御装置であって、
    前記目標ヨーレートと前記実ヨーレートの偏差が正のとき、それ以外の場合に比べて正の前記ブレーキヨーモーメントの最大許容値が大きく設定されたブレーキ制御装置。
  4. 請求項2に記載のブレーキ制御装置であって、
    前記目標ヨーレートと前記実ヨーレートの偏差が負のとき、それ以外の場合に比べて負の前記ブレーキヨーモーメントの最大許容値が大きく設定されたブレーキ制御装置。
  5. 請求項2に記載のブレーキ制御装置であって、
    車両の安定性よりブレーキ力を優先する必要があると判断した場合、それ以外の場合に比べて前記目標ヨーレートと前記実ヨーレートの偏差に対する前記ブレーキヨーモーメントの最大許容値が大きく設定されたブレーキ制御装置。
  6. 請求項2に記載のブレーキ制御装置であって、
    車両の安定性をブレーキ力よりも優先する必要があると判断した場合、それ以外の場合に比べて前記目標ヨーレートと前記実ヨーレートの偏差に対する前記ブレーキヨーモーメントの最大許容値が小さく設定されたブレーキ制御装置。
  7. 請求項5または6のいずれかに記載のブレーキ制御装置であって、
    ブレーキ操作を検出する手段と操舵を検出する手段の少なくとも一方に基づいてブレーキ力と安定性のどちらを優先させるか判断するブレーキ制御装置。
  8. 各車輪に設けられたブレーキ装置の故障または制御不能を判定し、
    前記判定結果とブレーキ力指令値とに基づいて、前記ブレーキ装置のブレーキ力配分を決定し、
    決定された前記ブレーキ力配分に基づいて前記ブレーキ装置に起因するブレーキヨーモーメントを求め、
    車両状態を示す情報から求めた目標ヨーレートと車両の実ヨーレートに基づいて車両の許容ヨーモーメントを求め、
    前記許容ヨーモーメントと前記ブレーキヨーモーメントの比較結果に応じて前記ブレーキ力配分を変更し、
    変更されたブレーキ力配分を実現するための各ブレーキ装置への指令値を決定し、
    前記指令値を各輪のブレーキ装置に対して出力するブレーキ制御方法。
  9. 各車輪に設けられたブレーキ装置の故障または制御不能を判定する故障判定手段と、
    前記故障判定手段の判定結果とブレーキ力指令値とに基づいて、前記ブレーキ装置のブレーキ力配分を決定するブレーキ力配分決定手段と、
    決定された前記ブレーキ力配分に基づいて前記ブレーキ装置に起因するブレーキヨーモーメントを求めるブレーキヨーモーメント決定手段と、
    舵角と車速から求められる目標スリップ角と実スリップ角の偏差に基づいて車両の許容ヨーモーメントを求める許容ヨーモーメント決定手段と、
    前記許容ヨーモーメントと前記ブレーキヨーモーメントの比較結果に応じて前記ブレーキ力配分を変更するブレーキ力配分変更手段と、
    前記ブレーキ力変更手段で変更されたブレーキ力配分を実現するための各ブレーキ装置への指令値を決定するブレーキ力指令値決定手段と、
    前記指令値を各輪のブレーキ装置に対して出力する指令値出力手段と、
    を有するブレーキ制御装置。
  10. 請求項9に記載のブレーキ制御装置であって、
    前記目標スリップ角と前記実スリップ角の偏差が正のとき、それ以外の場合に比べて正の前記ヨーモーメントの最大許容値が大きく設定されたブレーキ制御装置。
  11. 請求項9に記載のブレーキ制御装置であって、
    前記目標スリップ角と前記実スリップ角の偏差が負のとき、それ以外の場合に比べて負の前記ブレーキヨーモーメントの最大許容値が大きく設定されたブレーキ制御装置。
  12. 請求項9に記載のブレーキ制御装置であって、
    車両の安定性よりブレーキ力を優先する必要があると判断した場合、それ以外の場合に比べて前記目標スリップ角と前記実スリップ角の偏差に対する前記ブレーキヨーモーメントの最大許容値が大きく設定されたブレーキ制御装置。
  13. 請求項9に記載のブレーキ制御装置であって、
    車両の安定性をブレーキ力よりも優先する必要があると判断した場合、それ以外の場合に比べて前記目標スリップ角と前記実スリップ角の偏差に対する前記ブレーキヨーモーメントの最大許容値が小さく設定されたブレーキ制御装置。
  14. 請求項12または13のいずれかに記載のブレーキ制御装置であって、
    ブレーキ操作を検出する手段と操舵を検出する手段の少なくとも一方に基づいてブレーキ力と安定性のどちらを優先させるか判断するブレーキ制御装置。
  15. 各車輪に設けられたブレーキ装置の故障または制御不能を判定し、
    当該判定結果とブレーキ力指令値とに基づいて、前記ブレーキ装置のブレーキ力配分を決定し、
    決定された前記ブレーキ力配分に基づいて前記ブレーキ装置に起因するブレーキヨーモーメントを求め、
    舵角と車速から求められる目標スリップ角と実スリップ角の偏差に基づいて車両の許容ヨーモーメントを求め、
    前記許容ヨーモーメントと前記ブレーキヨーモーメントの比較結果に応じて前記ブレーキ力配分を変更し、
    前記ブレーキ力変更手段で変更されたブレーキ力配分を実現するための各ブレーキ装置への指令値を決定し、
    前記指令値を各輪のブレーキ装置に対して出力するブレーキ制御方法。
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