JP2007271209A - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器 Download PDF

Info

Publication number
JP2007271209A
JP2007271209A JP2006099285A JP2006099285A JP2007271209A JP 2007271209 A JP2007271209 A JP 2007271209A JP 2006099285 A JP2006099285 A JP 2006099285A JP 2006099285 A JP2006099285 A JP 2006099285A JP 2007271209 A JP2007271209 A JP 2007271209A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
resin
heat exchanger
transfer tube
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006099285A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4868912B2 (ja
Inventor
Hidekazu Ido
秀和 井戸
Maki Hamaguchi
眞基 濱口
Tetsuo Hosoki
哲郎 細木
Takeshi Owaki
武史 大脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Kobelco and Materials Copper Tube Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Kobelco and Materials Copper Tube Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd, Kobelco and Materials Copper Tube Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2006099285A priority Critical patent/JP4868912B2/ja
Publication of JP2007271209A publication Critical patent/JP2007271209A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4868912B2 publication Critical patent/JP4868912B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F1/00Tubular elements; Assemblies of tubular elements
    • F28F1/10Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses
    • F28F1/12Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses the means being only outside the tubular element
    • F28F1/24Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses the means being only outside the tubular element and extending transversely
    • F28F1/32Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses the means being only outside the tubular element and extending transversely the means having portions engaging further tubular elements
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F21/00Constructions of heat-exchange apparatus characterised by the selection of particular materials
    • F28F21/08Constructions of heat-exchange apparatus characterised by the selection of particular materials of metal
    • F28F21/081Heat exchange elements made from metals or metal alloys
    • F28F21/084Heat exchange elements made from metals or metal alloys from aluminium or aluminium alloys
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F21/00Constructions of heat-exchange apparatus characterised by the selection of particular materials
    • F28F21/08Constructions of heat-exchange apparatus characterised by the selection of particular materials of metal
    • F28F21/081Heat exchange elements made from metals or metal alloys
    • F28F21/085Heat exchange elements made from metals or metal alloys from copper or copper alloys

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Geometry (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

【課題】アルミニウム製フィンの表面に撥水部分を生じることなく、伝熱性能および耐水性に優れた熱交換器を提供する。
【解決手段】複数の孔部を有するアルミニウム製フィンと、前記アルミニウム製フィンの孔部のそれぞれを挿通する銅製伝熱管とを有し、前記銅製伝熱管を拡管することによって前記アルミニウム製フィンに固定した熱交換器において、前記銅製伝熱管と前記アルミニウム製フィンとの間の空隙部は固化したポリビニルアルコール系樹脂層で被覆されており、前記ポリビニルアルコール系樹脂の数平均分子量は8000以上で、且つ、樹脂1分子中の親水基の数は200以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、エアコン等の空調機器に組込まれるクロスフィン型熱交換器に関するものである。
エアコン等の空調機器に組み込まれる熱交換器の多くは、クロスフィン型熱交換器である。クロスフィン型熱交換器は、図1に示すように、平行に積層された複数のフィン1と、伝熱管2とから構成されており、フィン1に設けられた複数の孔部のそれぞれに伝熱管2が挿入され、拡管して固定されている。伝熱管2は、通常、U字型に成形されている。空気はフィン1の間を流れ、フロン系冷媒などの冷媒を伝熱管2の内部に流すことにより、冷媒と空気との間で熱交換が行なわれる。
一般に、フィンの材料としては、熱伝導率及び打抜き加工性に優れたアルミニウム又はアルミニウム合金が用いられ、伝熱管の材料としては、熱伝導性、耐食性及び加工性に優れる銅又は銅合金が用いられる。以下では、説明の便宜上、アルミニウムまたはアルミニウム合金製のフィンを「アルミニウム製フィン」または「アルミフィン」と呼び、銅または銅合金製の伝熱管を「銅製伝熱管」と呼ぶ。
近年、空調機器におけるエネルギー消費効率向上の要請は益々強くなっており、クロスフィン型熱交換器の伝熱性能を高める技術が検討されている。伝熱性能に影響を及ぼす因子の一つとして、伝熱管とフィンとの間の熱伝導率が挙げられるが、これは、伝熱管とフィンとの密着性に強く影響されることが知られている。例えば、銅製の伝熱管を拡管してフィンに固定する際、フィンは塑性変形して拡管後の孔部径を維持するのに対し、より弾性係数の大きい銅製伝熱管は拡管後にわずかに縮径するため、伝熱管とフィンとの間に空隙が生じるようになる。そのため、伝熱管とフィンとの密着性が低下し、熱交換器の伝熱性能が低下する。このような空隙部による熱効率の損失(熱抵抗)は、熱交換器全体の約5%程度を占めると言われている。
そこで、空隙部を少なくして熱交換器の伝熱性能を向上させるための技術が検討されている(例えば、特許文献1〜5)。
このうち、特許文献1には、伝熱管の表面にパラフィンワックス等の常温で粘稠な有機被膜を形成して常温拡管するか、又は高融点パラフィンワックス等の高温で溶融する有機被膜を形成して高温で拡管する技術が提案されている。また、特許文献2には、フィン孔部と伝熱管との結合部に、金属粉末等の熱伝導性微粉末又は前記微粉末を油等に混入したペーストを介在させる技術が提案されている。特許文献3には、伝熱管の外表面に伝熱管より低融点の非金属材料を形成し、この非金属材料を加熱融解することによって伝熱管とフィンとを密着させ、拡管することなく作製する技術が提案されている。また、特許文献4には、液状バインダを封入したマイクロカプセルを分散させた塗料を伝熱管の外表面に塗布後拡管を行い、マイクロカプセルを破壊することで、フィンと伝熱管の隙間にバインダを充填する技術が提案されている。
ところが、上記の技術は、以下の問題点を抱えている。
特許文献1に記載の方法では、常温で粘稠な有機被膜を形成した場合、室温より高温の冷媒が伝熱管内を流れる状況下では有機被膜が流出し、一方、高温で溶融する有機被膜を形成した場合、高温拡管が必要になるために作業性及び作業効率が低下する。また、特許文献2に記載の方法では、所定の箇所に金属粉末を隙間無く充填することは困難であり、製造コストも上昇する。特許文献3に記載の方法においても、加熱工程が別途必要になるため、製造コストが上昇する。特許文献4に記載の方法では、マイクロカプセルが完全に破壊されない恐れがあるほか、破壊したマイクロカプセルの破片による密着阻害及び未硬化のバインダの流出が生じるなどの問題がある。
そこで、本願出願人は、流動性のある樹脂(具体的には、硬化剤を添加したフッ素系樹脂またはエチレン酢酸ビニル共重合体)を銅製伝熱管の表面に塗布し、流動性を維持したまま銅製伝熱管を拡管した後、樹脂を固化または硬化させることによって銅製伝熱管とアルミニウム製フィンとの空隙部分を充填する方法を提案している(特許文献5を参照)。この方法によれば、空隙部分が樹脂の層で隙間なく充填されるため、熱交換器の伝熱性能が高められる。
特開昭56−133595号公報 特開昭58−158493号公報 特開昭59−15794号公報 特開平10−160374号公報 特開2004−125235号公報
しかしながら、特許文献5では、溶剤系の疎水性樹脂を用いているため、アルミニウム製フィンに銅製伝熱管を挿入して拡管を行う際、アルミニウム製フィンに樹脂が付着して表面の親水性が阻害され、撥水部分が生じるようになる。その結果、アルミフィン上に生成した凝縮水の蒸発が阻害され、伝熱性能の低下を招く恐れがある。
また、これらの樹脂は、有機溶剤を使用して流動性を付与することが多いが、有機溶剤の使用による作業環境の悪化や設備上の制約が問題になるほか、有機溶剤の残存による揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds、VOC)の飛散なども懸念される。
更に、熱交換器の冷房運転中に発生するドレンが伝熱管などに付着すると、耐水性(耐ドレン性)が低下するなどの問題もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アルミニウム製フィンの表面に撥水部分を生じることなく、伝熱性能および耐水性が高められた熱交換器を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明の熱交換器は、複数の孔部を有するアルミニウム製フィンと、前記アルミニウム製フィンの孔部のそれぞれを挿通する銅製伝熱管とを有し、前記銅製伝熱管を拡管することによって前記アルミニウム製フィンに固定した熱交換器において、前記銅製伝熱管と前記アルミニウム製フィンとの間の空隙部は固化したポリビニルアルコール系樹脂層で被覆されており、前記ポリビニルアルコール系樹脂の数平均分子量は8000以上で、且つ、樹脂1分子中の親水基の数は200以上であることに要旨を有している。
好ましい実施形態において、前記ポリビニルアルコール系樹脂層の見掛け厚さは、3μm以上25μm以下の範囲内である。
本発明によれば、銅製伝熱管とアルミニウム製フィンとの間の空隙部は、所定のポリビニルアルコール系樹脂層で隙間なく被覆されているため、アルミニウム製フィン表面の親水性を損なうことなく、伝熱性能および耐水性に優れた熱交換器が得られる。ポリビニルアルコール系樹脂層は、有機溶剤を全く含まないか、極く少量の有機溶剤を含む水系塗料を用いて形成されるため、有機溶剤の使用に伴う種々の問題点(熱交換器組み立て時の作業環境の悪化、設備上の制約、エアコン運転中のVOCの飛散など)を回避することができる。
本発明者は、前述した特許文献5に記載の方法において、溶剤系の疎水性樹脂を用いて樹脂層を形成すると、銅製伝熱管の拡管中に樹脂がアルミニウム製フィンに付着し、表面に撥水部分が生じるという問題点を解決するため、検討を行なった。アルミニウム製フィン表面の撥水防止という観点のみからすれば、水溶性の親水性樹脂の使用が考えられるが、本発明者が更に検討を重ねたところ、親水性樹脂の種類によっては、熱交換器の冷房運転中などに発生するドレンがフィンに付着し、樹脂層が剥離するなどして耐水性(耐ドレン性)が低下することが明らかになった。上記の知見に基づき、本発明者は、更に多くの基礎実験を行なった。その結果、アルミニウム製フィンと銅製伝熱管との間の空隙部を充填(被覆)する樹脂として、所定の数平均分子量および親水基数を有するポリビニルアルコール系樹脂を用いれば、アルミニウム製フィン表面の親水性を損なうことなく、伝熱性能が高められ、しかも、耐水性にも優れた熱交換器が得られることを見出し、本発明を完成した。
(本発明の熱交換器)
本発明の熱交換器は、前述した図1に示すクロスフィン型熱交換器において、銅製伝熱管2とアルミニウム製フィン1との間の空隙部(不図示)が、固化した親水性樹脂層、詳細には、数平均分子量8000以上で、1分子中の親水基の数200以上のポリビニルアルコール系樹脂層で被覆されている。
図2を参照しながら、本発明を特徴付ける樹脂層について説明する。図2は、本発明の実施形態に用いられる熱交換器の拡管後の要部拡大断面図である。
図2に示すように、銅製伝熱管2の表面には、固化したポリビニルアルコール系樹脂層3が形成され、アルミニウム製フィン1と銅製伝熱管2との間の空隙部6は、ポリビニルアルコール系樹脂層3で隙間なく被覆されている。
本発明の熱交換器は、空隙部の充填に用いられる樹脂として、数平均分子量が8000以上で、且つ、樹脂1分子中の親水基の数が200以上のポリビニルアルコール系樹脂を用いたことに特徴がある。
上記要件を満足するポリビニルアルコール系樹脂は、(1)銅製伝熱管及びアルミニウム製フィンに対し、塗布性(液状時の濡れ性)及び密着性(固化時または硬化時の密着性)に優れている、(2)固化または硬化していない状態で適度な流動性を有している、(3)樹脂は、拡管前には固化せず、拡管後の工程(熱交換器組立て時のろう付け工程または乾燥工程)で固化するように処理しているため、伝熱性能に優れている、(4)熱交換器の運転中、銅製伝熱管内部を流れる冷媒の温度変化(おおむね、0〜80℃程度)に追従して膨張収縮することが可能である、(5)耐久性及び耐疲労特性に優れており、結露によって発生するドレンによる樹脂層の流出、ひび割れ、剥離等が生じ難い、(6)銅製伝熱管及びアルミニウム製フィンを腐食させない、(7)樹脂中にNやSなどを含まないため、有害なNOxやSOxが生成されず、リサイクル時の環境汚染が少ない、(8)熱交換器の運転中、アルミニウム製フィンの親水性を阻害しない等、熱交換器に要求される種々の要件を満足している。特に、本発明に規定する所定のポリビニルアルコール系樹脂を用いれば、溶剤系の疎水性樹脂を用いた場合に比べ、(1)、(5)、(8)の特性が著しく高められる。
本発明に用いられるポリビニルアルコール系樹脂の数平均分子量は8000以上である。樹脂の数平均分子量が8000未満の場合、後記する実施例に示すように、熱交換器運転中における樹脂の流出量が多くなり、熱交換性能および耐水性が低下する。樹脂の流出量を少なくし、熱交換器の伝熱性能および耐水性を高めるという観点からすれば、樹脂の数平均分子量は大きいほど良く、例えば、10000以上であることが好ましく、15000以上であることがより好ましい。なお、樹脂の数平均分子量の上限は、上記の観点からは特に限定されないが、塗布のし易さ(作業性)や塗料の調製のし易さなどを考慮すると、例えば、35000以下であることが好ましく、30000以下であることがより好ましい。
更に、ポリビニルアルコール系樹脂1分子中の親水基(ヒドロキシル基)の数は200以上である。後記する実施例に示すように、1分子中の親水基の数が200未満の場合、樹脂の親水性が不足するため、アルミニウム製フィンの表面に撥水部分が生じ、樹脂の流出量が多くなる。また、親水基の数の減少に伴い、ポリビニルアルコール系樹脂の数平均分子量も小さくなるため、耐水性も低下するようになる。これらの弊害を防止するためには、樹脂1分子中の親水基の数は多いほど良く、例えば、250以上であることが好ましく、400以上であることがより好ましい。
ここで、樹脂の数平均分子量および樹脂1分子当たりの親水基の数は、以下のようにして求めた。
まず、ポリビニルアルコール系樹脂層が形成された銅製伝熱管を100℃の温水中に浸漬し、伝熱管に付着した樹脂を、溶解した後乾固して採取するか、またはピンセットで掻き取って採取する。この樹脂の組成を元素分析によって分析し、C、H、O、Nの比を求めた。
次に、ポリビニルアルコール系樹脂の数平均分子量を、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)法を用い、ポリスチレン換算によって求めた。
このようにして得られたポリビニルアルコール系樹脂の組成および数平均分子量に基づき、樹脂の分子式を決定した。更に、親水基の組成を赤外分光分析法(IR)によって同定し、ポリビニルアルコール系樹脂の分子式から、樹脂1分子当たりの親水基の数を算出した。後記する実施例では、日本電子製JIR−100型フーリエ変換赤外分光光度計を用いた。
本発明に用いられるポリビニルアルコール系樹脂は、少なくとも上記の要件を満足していることが必要であるが、熱交換器の運転中の耐熱性などを考慮すれば、上記樹脂の融点または融点範囲の下限は100℃であることが好ましい。例えば、暖房運転時における室内機の銅製伝熱管の表面温度は、約70℃程度に達するが、この温度に到達した場合でも、樹脂の軟化や溶出等を招かない程度の耐熱性及び化学的安定性を有している必要があるからである。上記の観点からすれば、樹脂の融点または融点範囲の下限は高いほどよく、例えば、110℃であることがより好ましく、120℃であることが更に好ましい。
ここで、融点は、JIS K−0064−3.1に規定する毛管法によって測定され、融点範囲は、JIS K−0064−4に規定する毛管法によって測定される、「融点の下限」または「融点範囲の下限」とは、試料が収縮して毛細管内壁との間に明らかな隙間が生じる現象が起こる「収縮点」での温度を意味する。
上記の要件を満足するポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコールの単独重合体のほか、その変性物も含まれる。例えば、ヒドロキシル基の一部がエポキシ基で置換された変性ポリビニルアルコール;クロトン酸、アクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸などのカルボキシル基含有モノマー成分を共重合させ、主鎖中にカルボキシル基が導入された変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
また、ポリビニルアルコールのケン化度は、エアコン使用時の耐ドレン性などを考慮すると、90%以上であることが好ましい。ケン化度とは、ポリビニルアルコール中の水酸基の割合を意味し、ケン化度が高いほど、熱処理後の耐水性が向上する傾向にある。ポリビニルアルコールのケン化度が90%未満の場合、樹脂層の耐水性が低下し、熱交換器の使用につれ、樹脂層が溶出して消失するようになる。
これらの要件を満足する樹脂は、市販品を用いても良い。具体的には、例えば、後記する実施例に記載の表2の樹脂A、Bのほか、電気化学工業製のK−05、日本酢ビ・ボバール製のJP−04、JP−05などを用いることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂層3は、空隙部6が隙間なく埋められる程度の厚さを有していれば良い。本明細書では、樹脂層の厚さを「見掛け厚さ」(測定方法は後述する。)で定義したが、その理由は、樹脂層の厚さは必ずしも一定でなく、場所ごとにバラツキを有していることが多いためである。例えば、アルミニウム製フィンの孔部および銅製伝熱管の断面は、厳密には真円ではないし、拡管操作などによってこれらの断面は変形し得るため、アルミニウム製フィンの孔部と銅製伝熱管との間隔は、これらがほぼ密着している領域と、比較的大きな空隙部が生じている領域とが混在している。
ポリビニルアルコール系樹脂層3の見掛け厚さは、以下のようにして測定した。
まず、水系塗料を塗布する前(樹脂層形成前)における、銅製伝熱管およびアルミニウム製フィンの総重量W1(g)を測定する。次に、水系塗料を塗布して樹脂層を形成した後、銅製伝熱管およびアルミニウム製を解体し、これらを95℃の温水中で30分間洗浄して乾燥した後の総重量W2(g)を測定する。銅製伝熱管の総表面積をS(cm)とし、樹脂の密度をρ(g/cm)とすると、樹脂層の見掛け厚さT(μm)は、
T(μm)=[((W2−W1)−W1)/ρ)/S]×1000
で表される。
このようにして測定される樹脂層3の見掛け厚さは、おおむね、3μm以上25μm以下であることが好ましく、7μm以上20μm以下であることがより好ましい。上記の範囲内に制御することにより、空隙部6にバラツキがあったとしても、例えば、空隙部が少ない領域(アルミニウム製フィンの孔部と銅製伝熱管とが比較的密着している領域)では密着性を阻害することなく樹脂が充填され、一方、比較的大きな空隙が生じている領域には多くの樹脂を充填して空隙部が埋められるため、最終的に、空隙部全体にわたって、樹脂が隙間なく充填されるようになる。
後記する実施例に示すように、樹脂層3の厚さが3μm未満の場合、樹脂による空隙部充填作用が充分発揮されず、一方、樹脂層3の厚さが25μmを超えると、アルミニウム製フィン1と銅製伝熱管2との接触領域が適切に制御されないために樹脂による空隙部充填作用が有効に発揮されず、交換器の伝熱性能が低下する。
(本発明の熱交換器の製造方法)
次に、本発明の熱交換器を製造する方法について説明する。
本発明に係る熱交換器の製造方法は、数平均分子量が8000以上で、且つ、1分子中の親水基の数が200以上のポリビニルアルコール系樹脂を含む水系塗料であって、粘度が30〜200cPの範囲内にあり、ポリビニルアルコール系樹脂の固形分濃度が5〜20質量%の範囲内にある水系塗料を用意する工程と、前記水系塗料を銅製伝熱管の外表面の少なくとも一部に塗布する工程と、互いに平行に配置したアルミニウム製フィンの孔部に、前記水系塗料が塗布された前記銅製伝熱管を挿通(挿入)し、前記銅製伝熱管を拡管することによって前記アルミニウム製フィンに固定する工程と、前記ポリビニルアルコール系樹脂を固化する工程と、を包含している。
まず、上記のポリビニルアルコール系樹脂を含む水系塗料を用意する。
ここで、ポリビニルアルコール系樹脂の固形分濃度は、5〜20質量%の範囲内に制御する。これにより、樹脂層の見掛け厚さを上記の範囲に制御しやすくなる。樹脂の固形分濃度は、5〜15質量%の範囲内であることが好ましい。
また、水系塗料の粘度は、10〜200cPの範囲内に制御する。これにより、伝熱管の拡管時に必要な樹脂の流動性が確保され、所望の樹脂層が得られる。後に詳しく説明するように、クロスフィン型熱交換器は、伝熱管をフィンの孔部に挿入した後、伝熱管を拡管してフィンに固定することによって得られるが、伝熱管とフィンとの接触領域を適切に制御して樹脂による空隙部充填作用が有効に発揮されるよう、伝熱管の拡管は、樹脂の固化または硬化が起こらない(すなわち、流動性を有している)うちに行う必要があるからである。水系塗料の粘度は、30〜180cPの範囲内であることが好ましい。
水系塗料の粘度が10cP未満の場合、伝熱管への塗布中に塗料が流れ落ちてしまい、意図した量の樹脂が空隙部に導入されない恐れがある。その結果、空隙部の体積に対し、充填される樹脂の体積が小さくなって空隙部の一部に空気層が残存するため、空隙部を樹脂層で隙間なく充填することができない。
一方、水系塗料の粘度が200cPを超えると、水系塗料の塗布工程から拡管工程の間に、溶媒(代表的には水)が徐々に蒸発して粘度の急激な上昇が起こり、拡管時に必要な流動性が低下する恐れがある。また、水系塗料の粘度が大きいと、例えば、水系塗料を浸漬法によって塗布する場合、過剰の塗料が伝熱管に付着するなどして塗料のロスが多くなるほか、余分な塗料がフィンに付着してフィンの目詰まりを招く。
水系塗料の粘度は、JIS K7117−2の方法に基づいて測定した。
水系塗料の調製に用いられる溶媒は、代表的には水が挙げられるが、塗料の安定性や造膜性を向上させる目的で、水と相溶する水溶性有機溶剤を併用してもよい。
本発明に用いられる水溶性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;これらグリコールのエーテル類やグリコールエステル類などが挙げられる。
全溶媒中に占める水溶性有機溶剤の比率は、作業環境などを考慮し、20質量%未満にすることが好ましい。
水系塗料は、前述したポリビニルアルコール系樹脂および溶媒のほか、架橋剤を含んでいてもよく、これにより、例えば、ドレンによる樹脂層の流出、ひび割れ、剥離などが低減される。
本発明に用いられる架橋剤は、使用する樹脂の種類に応じて適宣選択すれば良い。具体的には、例えば、ヒドラジド系化合物、イソシアネート系化合物、アジリジン系化合物、エポキシ系化合物、シロキサン系化合物、Ti、Zr、Al、Zn等のキレートやアイオノマー形成性金属を含有する金属塩や金属錯体、あるいは有機配位性化合物として知られているアルコキシド化合物等が挙げられる。これらは、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの架橋剤は、ポリビニルアルコール系樹脂と架橋反応または配位結合をして、樹脂層の耐久性を高めると共に、銅製伝熱管とアルミニウム製フィンとの密着性を高める作用を発揮すると考えられる。架橋剤の添加による上記作用を一層促進するため、触媒を用いても良い。
水系塗料は、必要に応じて、公知の各種添加剤を含んでいてもよい。具体的には、例えば、塗料の調製に通常用いられる各種添加剤(消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤、ゲル化防止剤など)、酸化防止剤、防黴剤、抗菌剤、消臭剤などを、本発明に用いられる樹脂の作用を損なわない範囲で適宜添加することができる。
水系塗料の形態は、溶解型でも分散(エマルション)型でもかまわない。
次に、上記の水系塗料を銅製伝熱管の外表面の少なくとも一部に塗布する。
塗布方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。具体的には、例えば、スプレー法、浸漬法、刷毛塗り法などの方法が挙げられる。
次いで、水系塗料が塗布された前記銅製伝熱管をアルミニウム製フィンの孔部に挿通(挿入)し、銅製伝熱管を拡管することによってアルミニウム製フィンに固定する。ここでは、前述した特許文献5と同様、樹脂が固化する前に、直ちに拡管を行なうことが必要である。樹脂が固化した後に拡管を行なうと、樹脂の流動性が損なわれて空隙部に樹脂が導入されなくなり、樹脂層と、銅製伝熱管またはアルミニウム製フィンとが接触していない部分が多くなって伝熱性能が低下する。
拡管完了後、加熱乾燥または自然乾燥を行い、樹脂を固化すると、樹脂層が空隙部に隙間なく充填されたクロスフィン型熱交換器が得られる。乾燥条件は、使用する樹脂の種類や塗料粘度などに応じて適切に設定することができるが、おおむね、50〜80℃の温度で約5〜300分間行なうことが好ましい。
最後に、銅製伝熱管の開放端を拡管してリードパイプをろう付けすると、熱交換器が得られる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、以下の実施例における「%」は、特に断らない限り、「質量%」を意味する。
本実施例では、図3に示す熱交換器30を用い、銅製伝熱管20の表面に表3に記載の樹脂層を形成したときの熱交換性能比(蒸発試験時および凝縮試験時)、樹脂の流出の有無、およびアルミフィンの撥水の有無を以下のようにして調べた。
図3に示すように、熱交換器30は、アルミニウム製フィンプレート19と、アルミニウム製フィンプレート19の孔部を挿通する銅製伝熱管20とから構成されている。フィンプレート19は、樹脂層などの表面処理を施していないものを使用した。銅製伝熱管20は、U字型に曲げ加工し、ヘアピン形状にしたものを使用した。銅製伝熱管20の内面は、以下に示す寸法および形状の溝(不図示)を有している。
外径7.0mm、溝深さ0.2mm、伝熱管の円周方向における溝ピッチ0.41mm、伝熱管軸に対する捩じれ角度18°(右ねじ方向)、伝熱管軸に対して直角に切断した断面からの観察におけるフィン頂角20°、溝底肉厚0.25mm。
銅製伝熱管20の内部には冷媒が流れており、凝縮試験時には矢印21の方向に、蒸発試験時には矢印22の方向に流れる。熱交換器10の詳細な構成は、表1に示すとおりである。なお、表1に記載の熱交換器の幅(250mm)は、アルミニウム製のフィンプレート19が形成されている領域の長さに相当する。
Figure 2007271209
実験No.1〜12
表3に示す樹脂層を有する実験No.1〜12の熱交換器を以下のようにして作製した。
まず、水系塗料を用意する。
具体的には、表2に記載の樹脂A〜Dを用い、水を加えて表3に記載の塗料粘度および固形分濃度になるように各水系塗料を調製した。これらの樹脂A〜Dのうち、樹脂AおよびBは、本発明の要件を満足する例であり、樹脂CおよびDは、本発明の要件を満足しない例である。樹脂Aはクラレ製のPVA102を、樹脂Bはクラレ製のPVA4105を、樹脂Dは日立化成工業製のヒタノール7100を、それぞれ、使用した。なお、No.9では、表2の樹脂Aと樹脂Bとの等量混合物を用いた。
次に、このようにして得られた水系塗料中に、長さ約280mmの銅製伝熱管20を、管端の約10mmを除いて浸漬した後、ゆっくり引上げ、そのまま伝熱管20の管端を持ってフィンプレート19に挿入し、樹脂が固化する前に、直ちに拡管を行なった。拡管は、拡管装置に設置した状態で、穴径7.20mm、拡管球外径6.55mm、拡管率5.6%の条件で行なった。
拡管完了後、拡管装置から熱交換器を取り外し、熱交換器30を、100℃に保温した乾燥炉に5時間保持して樹脂を固化した後、配管用リードパイプをろう付けし、実験No.1〜12の熱交換器を得た。このようにして得られた樹脂層の厚さは、表3に示すとおりである。
実験No.13
前述した特許文献5の熱交換器との比較のため、表2に記載の樹脂E(融点が約70℃のパラフィンに、硬化剤として過酸化水素を添加したもの)を用い、表3に記載の樹脂層を有する実験13の熱交換器を作製した。
具体的には、約80℃に加温して溶融状態にした上記の樹脂中に、実験No.1と同様にして銅製伝熱管20を浸漬し、ゆっくり引上げ、冷却して樹脂を固化した。
次に、この銅製伝熱管20をフィンプレート19に挿入し、仮組みの熱交換器を作製した。この熱交換器を、拡管装置に設置した状態で、温風で加熱し、銅製伝熱管20に取付けた温度計(熱伝対)が75℃を指した時点で拡管を行った。拡管の条件は、前述した実験No.1〜12と同じである。
拡管完了後、大気中で一旦冷却し、拡管装置から熱交換器を取り外して配管用リードパイプをろう付けした後、140℃に加温した乾燥炉に30分間保持し、パラフィンを硬化させ、実験No.13の熱交換器を得た。このようにして得られた樹脂層の厚さは、表3に示すとおりである。
(評価)
このようにして作製したNo.1〜13の各熱交換器について、以下のようにして、熱交換器性能比(蒸発試験時および凝縮試験時)、樹脂の流出の有無、およびアルミフィンの撥水の有無を調べた。
(熱交換性能比の測定)
本実施例では、図4に示す空気熱交換器性能測定装置(以下、「伝熱測定装置」という。)40を用い、各熱交換器の伝熱性能を評価した。
まず、図4に示す伝熱測定装置40を詳しく説明する。
図4に示すように、伝熱測定装置40は、恒温恒湿機能付きの吸引型風洞12と、冷媒供給装置(図示せず)と、空調機(図示せず)とから構成されている。
吸引型風洞12には、空気の流通経路に図3の熱交換器30が配置されており、熱交換器30の上流側及び下流側に、それぞれエアーサンプラー13及び14が配置されている。エアーサンプラー13及び14には、それぞれ温湿度測定装置15及び16が連結されており、エアーサンプラー13及び14によって採取された空気の温度(乾球温度及び湿球温度)及び湿度は、温湿度測定装置15及び16で測定される。温湿度測定装置15及び16には、温度を測定するための白金抵抗体が、それぞれ2本ずつ設置されており、そのうちの1本は乾球温度測定用であり、他の1本は湿球温度測定用である。湿球温度測定用の白金抵抗体は、常に水を含んだガーゼ(ウィック)に包まれている。
熱交換器10とエアーサンプラ−14との間には、熱交換器10を通過した空気を整流する整流器17が設けられており、エアーサンプラ−14の下流側には横流れファン(Cross Flow Fan)18が設けられている。熱交換器10の入口及び出口には、冷媒の温度を測定する白金抵抗体と、冷媒の圧力を測定する歪ゲージ式圧力伝送器とが設置されている。
冷媒供給装置(図示せず)は、冷媒の圧力及び温度を調節して吸引型風洞12に供給する装置であり、凝縮器及び熱交換器を備えている。冷媒供給装置には、冷媒の温度及び圧力を測定する白金抵抗体及び歪みゲージ式圧力伝送器と、冷媒の流量を測定するコリオリ式流量計とが設置されている。
空調機(図示せず)は、空気の温度及び湿度を制御して吸引型風洞12に供給する装置であり、冷却用熱交換器、空気加熱ヒータ、及び加湿装置を備えている。
次に、図4に示す伝熱測定装置40を用いて、実験No.1〜13の各熱交換器の伝熱性能を測定する方法を説明する。
伝熱性能の測定は、以下に示すように、冷媒の凝縮試験時及び蒸発試験時の両方について実施した。表4(後記する。)に、蒸発側試験及び凝縮側試験の測定条件を示す。
まず、温度及び湿度が所定の条件に調整された空気を吸引型風洞12に送る。吸引型風洞12内に送られた空気は、熱交換器30のフィンプレート19間を通過する。
次に、冷媒を熱交換器30の伝熱管に流し、伝熱管内の冷媒と、フィンプレート19間を通過する空気との間で熱交換を行った。冷媒にはR410Aを使用した。このとき、冷媒の凝縮試験時では冷媒から空気へ(すなわち、図2の21の方向へ)熱が流れ、冷媒の蒸発試験時では空気から冷媒へ(すなわち、図2の22の方向へ)熱が流れる。熱交換器30を通過した空気は、整流器17で整流され、整流器17を通過した空気はエアーサンプラー14によって採取され、横流れファン18によって吸引型風洞12の外へ排出される。
凝縮試験時には、冷媒供給装置(図示せず)内の凝縮器に流れる冷却水量を制御し、熱交換器30の冷媒入口圧力が所定の凝縮温度に相当する飽和蒸気圧力の値になるようにした。次いで、冷媒供給装置内の熱交換器に温水を流し、この温水の温度を制御することにより、熱交換器30の冷媒入口前の冷媒温度を制御した。また、冷媒流量を制御することにより、出口過冷却度(出口サブクール(SC))を所定の値に制御した。
一方、蒸発試験時には、冷媒供給装置(図示せず)内の膨張弁の開度を調節し、熱交換器30の冷媒出口圧力が、所定の蒸発温度に相当する飽和蒸気圧力の値になるように制御した。次いで、熱交換器10に供給される冷媒の温度を制御することにより、冷媒の入口乾き度を制御した。また、冷媒流量を調節することにより、出口過熱度(出口スーパーヒート(SH))の値を制御した。
次に、熱交換器30の伝熱量(熱交換量)の算出方法を説明する。
本実施例では、測定値の信頼性を高めるため、以下に示すように、冷媒の温度及び圧力から算出した伝熱量E(kW)と、空気の状態量から算出した伝熱量[詳細には、蒸発試験時の伝熱量qcti(kW)と、凝縮試験時の伝熱量qthi(kW)]とから導き出される値(P値)に基づき、熱交換器30の伝熱性能を評価した。
(1)冷媒の温度及び圧力に基づく伝熱量Eの算出法
まず、熱交換器30の出入口における冷媒の温度及び圧力を前述した方法により測定し、これらの測定値に基づいて、米国のNational Institute of Standards and Technology (NIST)製のコンピュータソフトREFPROP Ver6.01を使用して、熱交換器10の出入口における冷媒のエンタルピーを算出した。一方、冷媒供給装置のコリオリ式流量計により、冷媒の流量を測定した。
冷媒出入口のエンタルピーの差をΔH(kJ/kg)とし、冷媒流量をW(kg/h)とすると、伝熱量E(kW)は下式より算出される。
Figure 2007271209
(2)空気の状態量に基づく伝熱量(蒸発試験時の伝熱量qctiと、凝縮試験時の伝熱量qthi)の算出
(2−1)蒸発試験時の伝熱量qctiの算出法
空気の流量をQmi(m/秒)、熱交換器10の入口及び出口における空気のエンタルピーを夫々ha1(kJ/kg)及びha2(kJ/kg)、空気比体積をvn(m/kg)、乾き空気1kg当たりの空気の絶対湿度をxn(kg/kg)、熱漏洩量をq(kW)とすると、蒸発試験時における熱交換器30の伝熱量qcti(kW)は、下式より算出される。
Figure 2007271209
(2−2)凝縮試験時の伝熱量qthiの算出法
乾き空気1kg当たりの空気の定圧比熱をCpa(kJ/kg・K)とし、熱交換器30の入口及び出口における空気の乾球温度を夫々ta1及びta2とすると、凝縮試験時における熱交換器30の伝熱量qthi(kW)は下式より算出される。
Figure 2007271209
(3)熱交換性能比の算出
上記の(1)および(2)より、下式(1)に基づいて熱交換器性能比P値(絶対値)を算出した。
P値(絶対値)
={(冷媒から算出した伝熱量E(kW))/(空気の状態量から算出した伝熱量)−1}×100(%) ・・・ (1)
P値は、蒸発試験時の伝熱量qctiおよび凝縮試験時の伝熱量qthiの両方について、それぞれ、測定した。
比較のため、樹脂層を形成していない未処理の熱交換器について、上記と同様にしてP値(絶対値)を算出した。以下では、実験No.1〜13の熱交換器におけるP値と区別するため、未処理熱交換器におけるP値(絶対値)をQ値と呼ぶ。
各実験例の熱交換性能比は、表4に示す三種類の風速条件下(0.4m/s、0.8m/s、1.3m/s)で測定し、その平均値(Pave値、Qave値)をそれぞれ求めた。各実験例の熱交換器のPave値と、未処理熱交換器のQave値との差を求め、この差が+0.1%以上のものを「○」(樹脂層の効果有り)と評価し、+0.1%未満のものを「×」(樹脂層の効果無し)と評価した。
このように、本実施例では、上記のように三種類の風速条件下の平均値によって熱交換性能を評価している点で、三種類の風速条件下の最大値によって熱交換性能を評価している特許文献5に記載の方法に比べ、評価基準が厳しくなっている。
これらの結果を表3に併記する。
(樹脂の流出の有無)
上記のようにして蒸発試験及び凝縮試験を行った後、アルミフィンに形成された銅製伝熱管の挿入穴又はフィン同士のすき間から樹脂が流出しているかどうかを、目視で観察した。樹脂の流出が観察された場合は「有り」と評価し、流出が観察されない場合は「無し」と評価した。
(アルミフィンの撥水の有無)
上記のようにして蒸発試験及び凝縮試験を行った後、アルミフィン表面の撥水の有無を目視で観察した。アルミフィンの表面に撥水状態が観察された場合は「有り」と評価し、撥水状態が観察されない場合は「無し」と評価した。
(耐水性(耐ドレン性)の評価)
耐水性測定試料として、外径10mm、長さ100mm程度の銅製伝熱管を用意し、その重量(W1)を予め測定しておいた。
次に、この銅製伝熱管の外表面に、表3に記載の水系塗料を刷毛塗り法等で塗布し、加熱によって樹脂を固化して樹脂層を形成した後の重量(W2)を測定し、樹脂の初期重量(=W2−W1)を算出した。
次いで、この銅製伝熱管を室温(約20〜40℃)で1週間、伝熱管が完全に隠れるよう水に浸漬した後、取出し、乾燥後の重量(W3)を測定し、浸漬試験後の樹脂の重量(=W3−W2)を算出した。
浸漬試験後の樹脂の減少率を下式に基づいて算出し、減少率が1%以内の場合を○(耐水性に優れている)と評価し、減少率が1%未満の場合を×(耐水性に劣っている)と評価した。
減少率(%)
=[(樹脂の初期重量)−(試験後の樹脂の重量)/(樹脂の初期重量)]×100
これらの結果を表3にまとめて示す。表3には総合評価の欄を設け、上記の評価項目が全て「○」の場合は総合評価を「○」とし、いずれかの評価項目に「×」があったものは総合評価を「×」とした。
Figure 2007271209
Figure 2007271209
Figure 2007271209
表3より、以下のように考察することができる。
No.1〜8は、本発明の要件を満足する樹脂層を有する本発明例である。これらの熱交換器は、所定の樹脂を用い、拡管後に樹脂の固化処理を行って樹脂層を形成したため、伝熱管とアルミフィンとの間に緻密な樹脂層が隙間なく充填されており、その結果、樹脂の流出もなく、アルミフィンの撥水もなく、熱交換性能および耐水性に優れた熱交換器が得られた。
なお、本実施例に用いた実験例のすべてに共通して見られる傾向として、蒸発試験時の熱交換性能は、凝縮試験時に比べて低くなる。この理由は、蒸発時では、伝熱管外に生成した凝縮水によっても伝熱管とアルミフィンとの間が充填されるようになるため、樹脂層による熱交換性能の向上効果が、凝縮時に比べて顕著に表れないためである。
これに対し、本発明の要件を満足しないNo.9〜13は、以下の不具合を有している。
No.9は、樹脂の数平均分子量が小さく、1分子当たりの親水基数も少ない樹脂Cを用い、且つ、樹脂の固形分濃度も低い比較例である。このような樹脂層は、凝縮試験時(銅製伝熱管表面の温度約70〜80℃)の耐熱性に劣っており、所望の熱交換性能が得られず、耐水性も低下した。また、樹脂の流出も観察された。
No.10は、樹脂の数平均分子量が小さく、1分子当たりの親水基数も少ない樹脂Cを用い、且つ、樹脂層の厚さも大きい比較例である。このような樹脂層は、凝縮試験時の耐熱性に劣っており、所望の熱交換性能が得られず、樹脂の流出も観察された。
No.11は、本発明の要件を満足する樹脂Bを用いているが、水系塗料の粘度が高く、樹脂層の厚さが大きい比較例であり、アルミフィンへの銅製伝熱管の挿入時に樹脂が半固化状態となって空隙部を隙間なく充填することが出来ず、熱交換性能が低下した。
No.12は、本発明の要件を満足する樹脂Bを用いているが、水系塗料の粘度および樹脂固形分濃度が低く、樹脂層の厚さが1μmと小さい比較例であり、樹脂層による空隙部充填作用が充分発揮されないため、熱交換性能は殆ど向上しなかった。
No.13は、特許文献5に記載の樹脂層を設けた従来例であり、拡管時にアルミフィンにパラフィンが付着し、撥水現象が観察された。また、熱交換性能も低下した。前述したように、本実施例の熱交換性能の評価基準は、特許文献5に比べて厳しく設定しているため、特許文献5の評価基準を満足するものであっても、ここでは、比較例と位置づけられるのである。
クロスフィン型熱交換器の構成の一部分を示す斜視図である。 本発明の実施形態に用いられる熱交換器の拡管後の要部拡大図である。 実施例の熱交換器の構成を示す模式図である。 図3に示す熱交換器の伝熱性能測定に使用した空気熱交換器性能測定装置の構成を示す模式図である。
符号の説明
1 フィン
2 伝熱管
3 ポリビニルアルコール系樹脂層
6 空隙部
10 熱交換器
12 吸引型風洞
13、14 エアーサンプラー
15、16 温室度測定装置
17 整流器
18 横流れファン
19 アルミニウム製フィンプレート
20 銅製伝熱管
21、22 冷媒の流れる方向
30 熱交換器
40 空気熱交換器性能測定装置(伝熱測定装置)

Claims (2)

  1. 複数の孔部を有するアルミニウム製フィンと、前記アルミニウム製フィンの孔部のそれぞれを挿通する銅製伝熱管とを有し、前記銅製伝熱管を拡管することによって前記アルミニウム製フィンに固定した熱交換器において、
    前記銅製伝熱管と前記アルミニウム製フィンとの間の空隙部は固化したポリビニルアルコール系樹脂層で被覆されており、前記ポリビニルアルコール系樹脂の数平均分子量は8000以上で、且つ、樹脂1分子中の親水基の数は200以上であることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記ポリビニルアルコール系樹脂層の見掛け厚さは、3μm以上25μm以下の範囲内である請求項1または2に記載の熱交換器。
JP2006099285A 2006-03-31 2006-03-31 熱交換器 Expired - Fee Related JP4868912B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006099285A JP4868912B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 熱交換器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006099285A JP4868912B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 熱交換器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007271209A true JP2007271209A (ja) 2007-10-18
JP4868912B2 JP4868912B2 (ja) 2012-02-01

Family

ID=38674197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006099285A Expired - Fee Related JP4868912B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 熱交換器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4868912B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009226426A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Sumitomo Light Metal Ind Ltd クロスフィンチューブ型熱交換器用銅管
JP2009228940A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Sumitomo Light Metal Ind Ltd クロスフィンチューブ型熱交換器用銅管
JP2013113486A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Fujitsu General Ltd 熱交換器の製造方法
JP2014052184A (ja) * 2013-11-01 2014-03-20 Uacj Corp 熱交換器用アルミニウムフィン材及びそれを用いた熱交換器
WO2018123981A1 (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 ダイキン工業株式会社 熱交換器ユニット、及びそれを用いた空気調和機
JP2019015494A (ja) * 2017-07-07 2019-01-31 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. 熱交換器、室内機、及び、空気調和装置
JP2019095089A (ja) * 2017-11-20 2019-06-20 アルコム・ニッケイ・スペシャルティ・コーティングズ・エスデーエヌ・ビーエッチデーAlcom Nikkei Specialty Coatings Sdn. Bhd. フィンアンドチューブ型熱交換器及びその製造方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6461239A (en) * 1987-09-02 1989-03-08 Sky Aluminium Fin material for heat exchanger
JPH01208697A (ja) * 1988-02-15 1989-08-22 Kobe Steel Ltd 熱交換器プレートフィン用アルミニウム表面処理薄板
JPH0424632A (ja) * 1990-05-18 1992-01-28 Fuji Photo Film Co Ltd 写真フイルムパトローネ
JPH0515176A (ja) * 1991-06-27 1993-01-22 Omron Corp 超音波モータ及び紙葉類搬送装置
JPH08261688A (ja) * 1995-03-28 1996-10-11 Kobe Steel Ltd 親水性が優れた熱交換器用樹脂系プレコートフィン材の製造方法
JP2000053873A (ja) * 1998-08-04 2000-02-22 Toyobo Co Ltd 抗菌性および防かび性を有する親水性樹脂組成物
JP2000304491A (ja) * 1999-04-21 2000-11-02 Furukawa Electric Co Ltd:The 熱交換器用部材
JP2004125235A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Kobe Steel Ltd 熱交換器及びその製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6461239A (en) * 1987-09-02 1989-03-08 Sky Aluminium Fin material for heat exchanger
JPH01208697A (ja) * 1988-02-15 1989-08-22 Kobe Steel Ltd 熱交換器プレートフィン用アルミニウム表面処理薄板
JPH0424632A (ja) * 1990-05-18 1992-01-28 Fuji Photo Film Co Ltd 写真フイルムパトローネ
JPH0515176A (ja) * 1991-06-27 1993-01-22 Omron Corp 超音波モータ及び紙葉類搬送装置
JPH08261688A (ja) * 1995-03-28 1996-10-11 Kobe Steel Ltd 親水性が優れた熱交換器用樹脂系プレコートフィン材の製造方法
JP2000053873A (ja) * 1998-08-04 2000-02-22 Toyobo Co Ltd 抗菌性および防かび性を有する親水性樹脂組成物
JP2000304491A (ja) * 1999-04-21 2000-11-02 Furukawa Electric Co Ltd:The 熱交換器用部材
JP2004125235A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Kobe Steel Ltd 熱交換器及びその製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009226426A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Sumitomo Light Metal Ind Ltd クロスフィンチューブ型熱交換器用銅管
JP2009228940A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Sumitomo Light Metal Ind Ltd クロスフィンチューブ型熱交換器用銅管
JP2013113486A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Fujitsu General Ltd 熱交換器の製造方法
JP2014052184A (ja) * 2013-11-01 2014-03-20 Uacj Corp 熱交換器用アルミニウムフィン材及びそれを用いた熱交換器
WO2018123981A1 (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 ダイキン工業株式会社 熱交換器ユニット、及びそれを用いた空気調和機
JP2018109504A (ja) * 2016-12-28 2018-07-12 ダイキン工業株式会社 熱交換器ユニット、及びそれを用いた空気調和機
US11892178B2 (en) 2016-12-28 2024-02-06 Daikin Industries, Ltd. Heat exchanger unit and air conditioner using the same
JP2019015494A (ja) * 2017-07-07 2019-01-31 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. 熱交換器、室内機、及び、空気調和装置
JP2019095089A (ja) * 2017-11-20 2019-06-20 アルコム・ニッケイ・スペシャルティ・コーティングズ・エスデーエヌ・ビーエッチデーAlcom Nikkei Specialty Coatings Sdn. Bhd. フィンアンドチューブ型熱交換器及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4868912B2 (ja) 2012-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4868912B2 (ja) 熱交換器
Moallem et al. Experimental measurements of the surface coating and water retention effects on frosting performance of microchannel heat exchangers for heat pump systems
Yadav et al. Study on performance evaluation of automotive radiator
CN1153042C (zh) 配管装置及其制造方法
Wang et al. A comparison of the airside performance of the fin-and-tube heat exchangers in wet conditions; with and without hydrophilic coating
JP2006284167A (ja) 内面コーティングを備えたヒートパイプヒューザロール
JP3982768B2 (ja) 熱交換器及びその製造方法
JP4769112B2 (ja) アルミニウム塗装材及びこれを用いた熱交換器用アルミニウムフィン材
Muneeshwaran et al. Energy-saving of air-cooling heat exchangers operating under wet conditions with the help of superhydrophobic coating
Kim et al. An experimental investigation on the airside performance of fin-and-tube heat exchangers having slit fins under wet condition
Hu et al. Heat transfer and pressure drop characteristics of wet air flow in metal foam with hydrophobic coating under dehumidifying conditions
Balaji et al. A review of the role of passive techniques on heat transfer enhancement of horizontal tube falling film and flooded evaporators
Westhaeuser et al. Flat tube heat exchangers: Experimental analysis of frosting and water retention
Palani et al. Study of cooling system in IC engine improving performance with reduction of cost
Cavallini et al. A new model for forced-convection condensation on integral-fin tubes
Liu et al. The Impact of Fin Surface Wettability on the Performance of Dehumidifying Heat Exchangers.
Webb Test results on a thermo-syphon concept to high-power cool desktop computers and servers
Kim Heat and moisture transfer in a counter flow regenerative evaporative cooler made of plastic film/paper composite
Wang et al. Effect of waffle height on the air-side performance of wavy fin-and-tube heat exchangers under dehumidifying conditions
Kim Airside heat transfer and pressure drop of an aluminum heat exchanger having a new louver fin with leading edge extension
He et al. Heat transfer enhancement of a loop thermosyphon with a hydrophobic spot-coated surface
Pu et al. Effect of salt spray corrosion on air-side hydrophilicity and thermal-hydraulic performance of copper-fin heat exchangers
Pu et al. Effect of salt spray corrosion on air-side performance of finned-tube heat exchanger with hydrophilic coating under dehumidifying conditions
JP5552827B2 (ja) 積層型熱交換器を備えたヒートポンプ式給湯機
JP5460474B2 (ja) 熱交換器、並びに、この熱交換器を備えた空気調和機及び冷蔵庫

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081001

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111108

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4868912

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees