JP2007270058A - 灯油基材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】臭気が十分に低減された灯油を製造する上で有用な灯油基材の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の灯油基材の製造方法は、水素及び水素化分解触媒の存在下でパラフィン系炭化水素を水素化分解し、得られる分解生成物から、25℃においてn−ヘキサンよりも軽質な炭化水素の比率が15容量%以下であり且つオレフィン分の比率が0.1容量%以下であるヘッドスペースガスを生じ、硫黄分の含有率が1質量ppm以下である留分を得ることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は臭気が低減された灯油を製造する上で有用な灯油基材の製造方法に関する。
灯油は家庭用の暖房用燃料として広く使われているが、ストーブやファンヒーターなどの暖房機器への給油時に感じる石油臭、点火時・消火時に発生する臭気が使用者に嫌われるという欠点がある。灯油に起因するこれらの臭気は臭気物質(軽質な炭化水素等)が蒸気となって生じたり暖房機器から排出されたりするためであり、この問題を解決するため臭気物質を低減する方法が検討されている。
臭気物質の低減方法として、特許文献1には暖房機器の燃焼部の改善、排出ガス浄化装置の装着等が記載されている。また、燃料である灯油自体の臭いを低減することも解決法の一つであり、特許文献2には灯油の組成と性状を限定することで臭気を低減することが記載されている。
特公昭59−16814号公報 特公平7−103384号公報
しかしながら、暖房機器の燃焼部の改善などでは暖房機器への給油時に使用者が感じる石油臭を低減することができない。一方、灯油の組成や性状を限定した場合、ある程度の臭気の低減化は図れるが、より一層の低減が望まれている。
ところで、石油精製プロセスにおいては、種々のプロセスにより灯油が製造されている。例えば、原油の常圧蒸留装置から得られる直留灯油を水素化精製して製造される水素化脱硫灯油、常圧蒸留装置から得られる直留重質油や残査油を減圧蒸留装置で処理して得られる減圧軽油留分を更に水素化精製して製造される水素化精製灯油、減圧軽油留分を水素化分解して製造される水素化分解灯油、減圧軽油留分又は脱硫重油を接触分解して製造される接触分解灯油などが挙げられる。
上記灯油を得るための各プロセスは灯油に含まれる硫黄分の低減を目的としたものであるが、灯油には硫黄分の他にオレフィン分などが含有されている。また、灯油留分を分留するに際し、蒸留の下限温度(カット温度)が必ずしも一定ではなく、また十分に一定としたとしても当該カット温度よりも沸点温度が低い軽質炭化水素が灯油留分に混入する。オレフィン分や軽質炭化水素は臭気の原因物質となるものであり、従来の方法では臭気の観点から必ずしも満足した灯油基材が得られてはいないのが現状である。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、臭気が十分に低減された灯油を製造する上で有用な灯油基材の製造方法を提供することが目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、パラフィンの含有量に富む原料を水素化分解し、得られる分解生成物から灯油留分を分留することで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の灯油基材の製造方法は、水素及び水素化分解触媒の存在下でパラフィン系炭化水素を水素化分解し、得られる分解生成物から、25℃においてn−ヘキサンよりも軽質な炭化水素の比率が15容量%以下であり且つオレフィン分の比率が0.1容量%以下であるヘッドスペースガスを生じ、硫黄分の含有率が1質量ppm以下である留分を得ることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、蒸留によって分解生成物から上記のような留分を分留することで、石油臭、オレフィン臭、硫黄臭といった日常嗅ぎ慣れない臭いが低減された灯油基材を製造することができる。この灯油基材からなる灯油及び当該灯油基材に種々の添加剤を配合して得られる灯油は給油等の取り扱い時に使用者が感じる不快感を低減することができる。
なお、本発明でいうヘッドスペースガスとは、密閉可能な容器(内容積20ml)に液体15mlを入れて密閉状態とした後、所定温度(25℃)にて24時間保持された容器内の気相部分を構成するガスを意味する。ヘッドスペースガスに含まれる炭化水素、特に軽質の炭化水素やオレフィン分の割合が高くなるに従い、臭気が強くなる傾向にある。
本発明においては、水素化分解の反応性の観点から、水素化分解触媒がUSYゼオライトを含有することが好ましい。
また、本発明では、臭気をより低減する観点から、ヘッドスペースガスに含まれる炭素数6以下のオレフィン分の比率は1容量%以下であることが好ましい。
本発明においては、水素化分解の原料であるパラフィン系炭化水素として石油系スラックワックス及び/又はフィッシャー・トロプシュ合成法で製造されるワックス(FTワックス)を用いることができる。環境負荷低減の観点から、実質的に硫黄分を含有しないFTワックスが特に好適である。
本発明によれば、臭気が十分に低減された灯油を製造する上で有用な灯油基材の製造方法が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は本発明において好ましく用いられる液体燃料製造装置の一例を示す説明図である。
図1に示した液体燃料製造装置の反応塔1は固定床型反応塔であり、その内部に水素化分解触媒層2が設けられている。また、反応塔1の頂部には、反応塔1内に水素を供給するためのラインL1が連結されており、ラインL1の反応塔1との連結部よりも上流側にはパラフィン系炭化水素を供給するためのラインL2が連結されている。一方、反応塔1の底部には、水素化分解後の分解生成物を反応塔1から抜き出すためのラインL3が連結されており、ラインL3の他端は常圧の蒸留装置3に連結されている。
蒸留装置3は水素化分解により生成した分解生成物を特定の沸点範囲の各留分に分留するためのものである。蒸留装置3により、例えば、ナフサ留分、灯油留分、軽油留分及びワックス留分に分留される。蒸留装置3において分留された各留分は蒸留装置3に連結されたライン(L4〜L7)によってそれぞれ後段のプロセスに移送される。
原料であるパラフィン系炭化水素として、ノルマルパラフィン、イソパラフィン及びシクロパラフィンの合計の含有率(パラフィン含有率)が70質量%以上の炭化水素を使用することが好ましい。
パラフィンの含有量に富む炭化水素として、石油系または合成系ワックスが挙げられる。このようなワックスとしては、例えば、石油系ではスラックワックス、マイクロワックスなどが、合成系ではフィッシャー・トロプシュ合成で製造されるいわゆるFTワックスが挙げられる。これらのワックスのなかでも、硫黄分の含有率が低い分解生成物を得る観点からパラフィン系炭化水素としては硫黄分を実質的に含有しないFTワックスが特に好適である。
パラフィン系炭化水素の炭素数は15以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。パラフィン系炭化水素の炭素数が15未満であると、水素化分解による過度の軽質化により灯油基材の収率が低下する傾向にある。
水素化分解触媒層2を構成する水素化分解触媒としては特に制限されないが、水素化分解触媒は、担体として、βゼオライト、モルデナイト、USYゼオライト、SSZ−22、SAPO−11、シリカアルミナ、アルミナボリア、シリカジルコニアなどの固体酸を使用することができ、特に、USYゼオライトとシリカアルミナ、アルミナボリア及びシリカジルコニアから選ばれる1種以上のアモルファス固体酸とを含有することがより好ましい。
また、水素化分解触媒がUSYゼオライトを含有する場合、その平均粒子径は1.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。USYゼオライトの平均粒子径が1.0μmを超えると、灯油留分の収率が低下する傾向にある。
また、USYゼオライトにおけるシリカ/アルミナのモル比は、好ましくは25〜80、より好ましくは28〜50である。シリカ/アルミナのモル比が25未満であると、灯油留分の収率が低下する傾向にある。他方、シリカ/アルミナのモル比が80を超える場合、灯油留分の収率に問題はないが、触媒活性が低下するため反応温度を高くする必要があり、触媒寿命が短くなる傾向にある。
また、USYゼオライトの含有率は、水素化分解触媒の全量を基準として、好ましくは6質量%以下、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。USYゼオライトの含有率が6質量%を超えると、灯油留分の収率が低下する傾向にある。
また、水素化分解触媒は、担体成型のためのバインダーを更に含有してもよい。バインダーは特に制限されないが、好ましいバインダーとしてはアルミナまたはシリカが挙げられ、中でもアルミナが好ましい。担体の形状は特に制限されず、粒状、円柱状(ペレット)などの形状とすることができる。
また、水素化分解触媒としては、上記の担体上に、周期律表第VIa族及び第VIII族から選ばれる金属を担持させたものが好ましい。第VIa族の金属として、具体的にはモリブデン、タングステンが挙げられ、第VIII族の金属として、具体的には、コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、イリジウム及び白金が挙げられる。これらの金属のなかでも、パラジウム及び白金がより好ましく、白金が更に好ましい。これらの担持金属は1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。金属の担持量に特に制限はないが、パラジウム及び白金を担持する場合、担体の質量を基準とする担持量は0.05〜2.0質量%の範囲とすることが一般的である。
パラフィン系炭化水素の水素化分解を行う際の代表的な反応条件は、温度220〜370℃、水素分圧0.5〜10.0MPa、パラフィン系炭化水素の液空間速度0.1〜10.0h−1、水素/油比150〜800NL/Lである。
水素化分解で得られた分解生成物の蒸留、すなわち灯油留分(灯油基材)を得るための分留は、臭気を抑制するだけでなく、引火点や着火点といった灯油の一般性状に大きく影響を与えるため重要な操作である。灯油留分は、以下の蒸留性状を有することが好ましい。
灯油留分の初留点は、引火点を十分に安全性が高い範囲とする観点から140℃以上であることが好ましく、145℃以上であることがより好ましく、149℃以上であることが更に好ましい。一方、低温環境下における着火特性維持の観点から初留点は175℃以下であることが好ましく、170℃以下であることがより好ましい。灯油留分の蒸留性状における終点に特に制限はないが、通常260〜310℃である。なお、ここでいう初留点および終点はそれぞれ、JIS K2254「石油製品−蒸留試験方法」の常圧法蒸留試験方法により測定される値を意味する。
灯油留分中の硫黄分の含有率は、1質量ppm以下であるが、0.5質量ppm以下であることがより好ましい。硫黄分の含有率が1質量ppmを超えると灯油留分から生じる硫黄臭を抑えることが困難となる。なお、本発明でいう硫黄分の含有率とは、通常はJIS K2541「硫黄分試験方法」により測定される硫黄含有量を意味するが、硫黄分の含有率が1質量ppm未満となる場合は、ASTM D4045−96「Standard Test Method for Sulfur in Petroleum Products by Hydrogenolysisand Rateometric Colorimetry」により測定される硫黄含有量を意味する。
灯油留分は25℃においてオレフィン分の比率が0.1容量%以下であるヘッドスペースガスを生じるが、オレフィン分の比率は0.05容量%以下であることが好ましい。ヘッドスペースガスにおけるオレフィン分の比率が0.1容量%を超えると灯油留分から生じる臭気を抑えることが困難となる。
また、25℃においてn−ヘキサンよりも軽質な炭化水素の比率が15容量%以下であるヘッドスペースガスを生じるが、当該炭化水素の比率は10容量%以下であることが好ましく、5容量%以下であることがより好ましく、2容量%以下であることがさらに好ましい。25℃におけるヘッドスペースガスのn−ヘキサンよりも軽質な炭化水素の比率が15容量%を超えると灯油留分から生じる臭気を抑えることが困難となる。
なお、25℃におけるヘッドスペースガスの組成について、本発明でいう「n−ヘキサンよりも軽質な炭化水素の比率」は、以下のようにして算出される値である。すなわち、容量20mLのセプタム付きサンプル瓶に試料を15mL入れ、25℃の恒温槽中で24時間静置する。このサンプル瓶内の気相部分をシリンジで0.1mL採取し、次に示す条件でガスクロマトグラフ分析を行い、検出された全ピークに対応する炭化水素をそれぞれ同定する。そして、n−ヘキサンより先に検出された炭化水素の合計容量を、検出された全炭化水素の合計容量で除して得られる値がn−ヘキサンよりも軽質な炭化水素の比率である。
(ガスクロマトグラフ分析条件)
ガスクロモデル:GC−17AAFW(株式会社島津製作所製)、
カラム:J&W DB−5 0.25mmφ×5m、Petrocol DH 0.25mmφ×100m、
キャリアガス:He 277kPa、
検出器:FID、
インジェクション温度:250℃、
オーブン温度:0℃で5分間保持後、1.6℃/分で50℃まで昇温し、50℃で43分間保持した後、5℃/分で250℃まで昇温、
検出器温度:250℃、
サンプル量:0.1mL (スプリット比=1:15)
25℃におけるヘッドスペースガスの組成について、本発明でいう「オレフィン分の比率」は、上記と同様に検出されたヘッドスペースガスに含まれるオレフィンの合計容量を、検出された全炭化水素の合計容量で除して得られる値である。また、本発明でいう「炭素数6以下のオレフィン分の比率」は、上記と同様に検出されたヘッドスペースガスに含まれる炭素数6以下のオレフィンの合計容量を、検出された全炭化水素の合計容量で除して得られる値である。
検出されたピークの総面積(総カウント数)は、ヘッドスペースガス中の炭化水素濃度に対応しており、これは灯油基材の蒸気圧特性を示す指標として使用することができる。すなわち、検出されたピークの総面積が大きいほど、灯油基材の揮発性が高くなるため、炭化水素濃度が高くなり臭気が強くなるといえる。
本測定では、各ピークの面積をカウント数で表すことができ、灯油基材の臭気低減のためにはその総カウント数は2,000,000以下であることが好ましく、1,500,000以下であることがより好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
シリカアルミナ(アルミナ含有率17質量%)を用いて、φ1.5mm、長さ約3mmの円柱状の担体を成型した。この担体にNi、Co及びWをそれぞれ、2、3及び10質量%(担体の質量基準)担持させて水素化分解触媒を得た。
得られた水素化触媒を図1に示した液体燃料製造装置の反応塔1に充填して水素化分解触媒層2を形成し、この反応装置を用いてパラフィン系炭化水素の水素化分解を行った。
先ず、水素化分解触媒について、予備硫化処理を行い活性化させた。その後、パラフィン系炭化水素の水素化分解を行った。
パラフィン系炭化水素として、石油系スラックワックス(炭素数22〜34、パラフィン含有率88.5質量%、硫黄分含有率0.5質量ppm)を使用した。また、水素化分解の反応条件は、温度355℃、水素圧力5MPa、石油系スラックワックスの液空間速度1.0h−1、水素油比460NL/Lとした。
得られた分解生成物からTBP蒸留により沸点155〜290℃の灯油留分を得た。この灯油留分の蒸留性状及び一般性状、並びにヘッドスペースガスの組成分析及び臭気指数の測定を行った。その結果を表1に示す。
臭気指数は、以下に示す臭気試験の結果に基づき算出した値である。
(臭気試験)
(1)被評価ガス
灯油留分9Lを18L灯油ポリタンクに入れセプタムで蓋をし、25℃に設定した室内に24時間静置した後、ポリタンク内の気相を採取し、これを被評価ガスとした。
(2)検査人数:52人
(3)検査方法:3点比較式臭い袋法
3点比較式臭い袋法の手順は以下の通りである。
(a)三つの臭い袋を準備し、それぞれの臭い袋に無臭空気を充填する。無臭空気としてはボンベの圧縮空気Aグレードを用いればよい。
(b)無臭空気が充填された臭い袋の一つに希釈倍率が所定値(一回目は3倍)となるように、被評価ガスを注入する。被評価ガスが収容された注射器の針を臭い袋に刺し、所定量の被評価ガスを注入した後、針を刺した部分を粘着テープで塞いておく。
(c)残りの二つの臭い袋についても注射針を刺すが被評価ガスを注入することなく、上記(b)の臭い袋と同様に針を刺した部分を粘着テープでそれぞれ塞いでおく。その後、三つの臭い袋を被験者に渡す。
(d)被験者にどの臭い袋から臭いがするかを当ててもらう。
(e)被験者の選択が正解であり被評価ガスが注入された臭い袋を被験者が選択した場合は、希釈倍率を上げて同様の試験を繰り返し行う。そして、被験者の選択が不正解で被評価ガスが注入されていない臭い袋を被験者が選択したところで試験を終了する。
(f)臭気指数Yは下記式(1)により算出する。
臭気指数Y=10 …(1)
式(1)中、Xは以下のようにして算出される閾値である。すなわち、例えば被験者Aの閾値をXaとすると、閾値Xaは下記式(2)により算出される。
Xa=(LogA1+LogA2)/2 …(2)
式(2)中、A1は被験者Aの選択が正解であった最大希釈倍率を、A2は被験者Aの選択が不正解になった希釈倍率を、それぞれ示す。こうして求めた全被験者の閾値の最大値と最小値を除き、その他の閾値を平均したものを全体の閾値Xとする。
このようにして求められた臭気指数は、「何倍希釈したところまで臭気の判断ができるか」に対する統計的な指標であるので、この値が小さいほど臭気が弱いことを示す。
本実施例における臭気試験は希釈倍率を3倍、10倍、30倍、100倍、300倍、1000倍・・と約3倍ごとに希釈倍率を上げていった。各被験者の選択が不正解となったところで試験を終了するので、例えば、被験者Aが被評価ガスについて、希釈倍率が100倍まで正解し、300倍で不正解となった場合は、被験者Aに対する試験はここで終了し、A1=100、A2=300となる。
(実施例2)
平均粒子径0.4μmのUSYゼオライトとシリカアルミナとアルミナバインダーとを用いて、φ1.5mm、長さ約3mmの円柱状の担体を成型した(USYゼオライト/シリカアルミナ/アルミナバインダー=3/60/37(質量比))。この担体に塩化白金酸の水溶液を含浸し、担体に対して0.5質量%の白金を担持した。これを120℃で3時間乾燥した後、500℃で1時間焼成することで水素化分解触媒を得た。
得られた水素化分解触媒を実施例1と同様にして反応塔1に充填した後、水素化分解触媒について、水素気流下、345℃で4時間の還元処理を行った。その後、パラフィン系炭化水素の水素化分解を行った。
パラフィン系炭化水素として、FTワックス(炭素数21〜70、パラフィン含有率80質量%、硫黄分含有率0.0質量ppm)を使用した。また、水素化分解の反応条件は、温度304℃、水素圧力3MPa、FTワックスの液空間速度2.0h−1、水素油比520NL/Lとした。
得られた分解生成物から沸点155〜290℃の灯油留分を実施例1と同様にして得た。表1に当該灯油留分及びヘッドスペースガスに対し、実施例1と同様にして行った各種測定及び評価の結果を示す。
(比較例1)
実施例1における水素化分解で得られた分解生成物からTBP蒸留により沸点151〜290℃の灯油留分を得たことの他は実施例1と同様にして石油系スラックワックスから灯油留分を得た。表1に当該灯油留分及びヘッドスペースガスに対し、実施例1と同様にして行った各種測定及び評価の結果を示す。
(比較例2)
実施例2における水素化分解で得られた分解生成物からTBP蒸留により沸点151〜290℃の灯油留分を得たことの他は実施例2と同様にしてFTワックスから灯油留分を得た。表1に当該灯油留分及びヘッドスペースガスに対し、実施例1と同様にして行った各種測定及び評価の結果を示す。
(比較例3)
水素化分解に供する原料として、減圧軽油(硫黄分含有率1.9質量%)を使用し、水素化分解の温度条件を385℃としたことの他は実施例1と同様にして水素化分解を行い、沸点155〜290℃の灯油留分を得た。表1に当該灯油留分及びヘッドスペースガスに対し、実施例1と同様にして行った各種測定及び評価の結果を示す。
(比較例4)
コバルト−モリブデン担持アルミナ系触媒の存在下、硫黄分2200質量ppmを含有する未精製油(初留点160℃、T95=260℃)を水素化精製して灯油留分を得た。なお、水素化精製の反応条件は、温度318℃、水素分圧4.5MPa、未精製油の液空間速度5.5h−1、水素油比300NL/Lとした。表2に当該灯油留分及びヘッドスペースガスに対し、実施例1と同様にして行った各種測定及び評価の結果を示す。
(比較例5)
ガソリンスタンドで灯油を購入した。表2に当該灯油及びヘッドスペースガスに対し、実施例1と同様にして行った各種測定及び評価の結果を示す。
Figure 2007270058

Figure 2007270058
表1及び表2に示す結果から、パラフィン系炭化水素を水素化分解し、分解生成物から特定の沸点範囲の灯油留分を得ることで、25℃においてn−ヘキサンよりも軽質な炭化水素の比率が15容量%以下であり且つオレフィン分の比率が0.1容量%以下であるヘッドスペースガスを生じるとともに硫黄分の含有率が1質量ppm以下である灯油留分(灯油基材)を得ることができ、この灯油基材は臭気が十分に低減されていることが示された。この灯油基材は臭気が低減された灯油を製造する上で非常に有用であり、当該灯油基材を灯油としてそのまま使用することもできる。
本発明で用いられる液体燃料製造装置の一例を示す説明図である。
符号の説明
1…反応塔、2…水素化分解触媒層、3…蒸留装置。

Claims (5)

  1. 水素及び水素化分解触媒の存在下でパラフィン系炭化水素を水素化分解し、得られる分解生成物から、25℃においてn−ヘキサンよりも軽質な炭化水素の比率が15容量%以下であり且つオレフィン分の比率が0.1容量%以下であるヘッドスペースガスを生じ、硫黄分の含有率が1質量ppm以下である留分を得ることを特徴とする灯油基材の製造方法。
  2. 前記水素化分解触媒がUSYゼオライトを含有することを特徴とする、請求項1に記載の灯油基材の製造方法。
  3. 前記ヘッドスペースガスに含まれる炭素数6以下のオレフィン分の比率が1容量%以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の灯油基材の製造方法。
  4. 前記パラフィン系炭化水素が石油系スラックワックスであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の灯油基材の製造方法。
  5. 前記パラフィン系炭化水素がフィッシャー・トロプシュ合成法で製造されるワックスであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の灯油基材の製造方法。
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