JP2007261942A - 光学用合成石英ガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】
光透過方向の複屈折が、0.25nm/cm以下であり、かつ屈折率分布の良好な光学用合成石英ガラスを提供する。
【解決手段】
上下面を透光面とした円柱状光学用合成石英ガラス母材を熱処理するためのアニール炉を用いる光学用合成石英ガラスの製造方法によって製造される光学用合成石英ガラスであって、前記円柱状光学用合成石英ガラス母材を800℃〜1200℃の温度に昇温して一定時間保持したのち降温する過程において、前記光学用合成石英ガラス母材の光透過面の温度と前記光学用合成石英ガラス母材の外周側面の温度とで1〜20℃の温度差をつけてそれぞれ2〜50℃/hの降温速度で降温するようにして製造され、光透過方向の複屈折が0.25nm/cm以下及び/又は屈折率分布Δnが2×10-6以下であるようにした。
【選択図】図1
光透過方向の複屈折が、0.25nm/cm以下であり、かつ屈折率分布の良好な光学用合成石英ガラスを提供する。
【解決手段】
上下面を透光面とした円柱状光学用合成石英ガラス母材を熱処理するためのアニール炉を用いる光学用合成石英ガラスの製造方法によって製造される光学用合成石英ガラスであって、前記円柱状光学用合成石英ガラス母材を800℃〜1200℃の温度に昇温して一定時間保持したのち降温する過程において、前記光学用合成石英ガラス母材の光透過面の温度と前記光学用合成石英ガラス母材の外周側面の温度とで1〜20℃の温度差をつけてそれぞれ2〜50℃/hの降温速度で降温するようにして製造され、光透過方向の複屈折が0.25nm/cm以下及び/又は屈折率分布Δnが2×10-6以下であるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、光学用途に用いる合成石英ガラスに関し、特に光透過面の複屈折が小さく屈折率分布の高均質性を要求される分野、例えば光リソグラフィー等の精密光学機器に有用とされる光学用合成石英ガラスに関する。
近年LSIの高集積化に伴い、微細パターン化が進んでおり、光源の短波長化が進んでいる。紫外光に対する高透過性の点から紫外線リソグラフィー用光学素子として石英ガラスが用いられてきているが、近年光源がKrFエキシマレーザ(248nm)からArFエキシマレーザ(193nm)にシフトしつつあり光学素子である石英ガラスの光学的品質に対する要求も、より厳しくなってきている。その光学的品質の中の一つに複屈折がある。
従来は複屈折の良好な光学用合成石英ガラスを製造するためには、図9(a)に示すように、円柱状に成型した光学用合成石英ガラスGをアニール炉中で歪点以上の温度に一定時間保持したのち、徐冷するという操作を行っていた。
しかし、紫外線リソグラフィー用として要求される水準に達するレベルにまで複屈折を低減するためには熱処理時の徐冷速度を1℃/h程度に設定する必要があった。このために熱処理に要する時間が非常に長くかかり、なおかつ従来の徐冷方法では複屈折を低減できる可能性にも限界があった。
こうした状況に鑑み、本発明者らは石英ガラスの複屈折を低減する徐冷方法について鋭意研究を重ねた結果、熱処理における徐冷時の石英ガラス体内部の等温面を光透過面に対して略平行で平坦な形状とすることにより、光透過方向の複屈折を0.25nm/cm以下にすることができることを見出した。
本発明は光透過方向の複屈折が、0.25nm/cm以下であり、かつ屈折率分布の良好な光学用合成石英ガラスを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の光学用合成石英ガラスの第1の態様は、上下面を透光面とした円柱状光学用合成石英ガラス母材を熱処理するためのアニール炉を用いる光学用合成石英ガラスの製造方法によって製造される光学用合成石英ガラスであって、前記アニール炉が、前記合成石英ガラス母材を内部に収納するチャンバーと、該合成石英ガラス母材の上下面の少なくとも一方の面を加熱する光透過面加熱用ヒータと、該合成石英ガラス母材の外周側面を加熱する側面加熱用ヒータとを有し、該光透過面加熱用ヒータと該側面加熱用ヒータとを個別の温度調節機構によって制御することができるように構成されており、前記円柱状光学用合成石英ガラス母材を800℃〜1200℃の温度に昇温して一定時間保持したのち降温する過程において、前記光学用合成石英ガラス母材の光透過面の温度と前記光学用合成石英ガラス母材の外周側面の温度とで1〜20℃の温度差をつけてそれぞれ2〜50℃/hの降温速度で降温するようにして製造され、光透過方向の複屈折が0.25nm/cm以下及び/又は屈折率分布Δnが2×10-6以下であることを特徴とする。
本発明の光学用合成石英ガラスの第2の態様は、上下面を透光面とした円柱状光学用合成石英ガラス母材を熱処理するためのアニール炉を用いる光学用合成石英ガラスの製造方法によって製造される光学用合成石英ガラスであって、前記アニール炉が、前記合成石英ガラス母材を内部に収納するチャンバーと、該合成石英ガラス母材の上下面の少なくとも一方の面を加熱する光透過面加熱用ヒータと、該合成石英ガラス母材の外周側面を加熱する側面加熱用ヒータとを有し、該光透過面加熱用ヒータと該側面加熱用ヒータとを個別の温度調節機構によって制御することができるように構成されており、前記円柱状光学用合成石英ガラス母材を800℃〜1200℃の温度に昇温して一定時間保持したのち降温する過程において、前記光学用合成石英ガラス母材の光透過面である上下面の少なくとも一方の面の中心から外方へ第1離間距離だけ離れた位置での第1温度T1と前記光学用合成石英ガラス母材の外周側面から外方へ第2離間距離だけ離れた位置での第2温度T2とで1〜20℃の温度差をつけてそれぞれ2〜50℃/hの降温速度で降温するようにして製造され、光透過方向の複屈折が0.25nm/cm以下及び/又は屈折率分布Δnが2×10-6以下であることを特徴とする。
なお、上記光透過面の温度又は第1温度T1と上記外周面側の温度又は第2温度T2とで所定の温度差を維持したまま降温するのが好ましい。なお、温度調節の過程で上記温度差に多少のバラツキがでたとしても、本発明の効果が達成されることに変わりはない。
図9(b)に従来の徐冷方法によって円柱状石英ガラスを徐冷した場合の石英ガラス中の等温面の状態を示す。従来の徐冷方法では、円柱状石英ガラスGの表面全体が同じ温度になりながらの徐冷となるため円柱状石英ガラスG中の等温面Fは図9(b)に示すようにその形状の略相似形になる。このために、円柱状石英ガラスGの外周に近づくにつれて石英ガラスG中の等温面Fと光透過面Eとは次第に角度をなすようになる。
ところが、熱処理中に円柱状石英ガラス〔図1(a)〕の光透過面である上下面の少なくとも一方の面の中心から外方へ第1離間距離だけ離れた位置の第1温度T1と、該円柱状石英ガラスの外周側面から外方へ第2離間距離だけ離れた位置の第2温度T2とで、石英ガラスの形状と徐冷速度との関係から定まる、ある特定の温度調節を行いながら徐冷すると、図1(b)に示すように円柱状石英ガラス体G内部の等温面Fを光透過面Eに対して略平行で平坦な形状とすることができる。
このとき、石英ガラスはアニール炉中で光透過方向を上下に向けて設置しても、あるいはこれと垂直な方向に向けて設置しても構わない。また、石英ガラスを石英ガラス等からなる容器等の被覆体によって被覆した状態でアニール炉内に設置してもよい。
円柱状石英ガラスの光透過面Eである上下面の少なくとも一方の面の中心から外方へ第1離間距離だけ離れた位置での第1温度T1と、該円柱状石英ガラスの外周側面から外方へ第2離間距離だけ離れた位置の第2温度T2との温度差は1〜20℃がよく、より好ましくは1〜15℃がよく、最も好ましくは1〜10℃がよい。
前記降温過程において、第1温度T1と第2温度T2とはいずれを高温としてもよく、すなわち第1温度T1<第2温度T2でもよく、又は第1温度T1>第2温度T2であってもよい。
前記降温速度は2〜50℃/hが適用されるが、50℃/hよりも大きくなると温度の追随性が悪化するため好ましくなく、また2℃/hより小さくすると処理時間が長くなり生産性の点から好ましくない。この降温速度としては、より好ましくは2〜20℃/hがよく、最も好ましくは2〜10℃/hがよい。
前記円柱状光学用合成石英ガラス母材の形状としては、直径150〜350mm、厚さ40〜120mmの円柱状とするのが好適である。
上記第1及び第2離間距離は共に5mm〜100mmの範囲で互いに同一の距離とするのが好適である。なお、石英ガラスを容器等の被覆体によって被覆した場合には被覆体の上下面の少なくとも一方の面の中心から外方へ第1離間距離を設定し、該被覆体の外周側面から外方へ第2離間距離を設定すればよい。この場合も第1及び第2離間距離は共に5mm〜100mmの範囲で互いに同一の距離とすればよい。
前記降温に際して、光透過面に平行な面とそれに垂直な面とで個別の温度調節機構を用いるのが好ましい。
本発明によれば、光透過方向の複屈折が、0.25nm/cm以下であり、かつ屈折率分布の良好な光学用石英ガラスを提供することが出来る。
以下に本発明の光学用合成石英ガラスを製造するアニール炉の実施の形態を添付図面中、図2〜図5に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
図2は本アニール炉の一例を示す斜視的説明図である。同図において、アニール炉10Aは円筒状チャンバー12を有している。該円筒状チャンバー12の内部には円柱状ベース14が設置されている。該円柱状ベース14の上面には熱処理される円柱状合成石英ガラスGが載置される。
16は該円筒状チャンバー12の内部でかつ該円柱状合成石英ガラスGの上方に設けられた仕切り部材である。18a,18bは熱電対で、上面側熱電対18aは該円柱状合成石英ガラスGの上面の中心から外方へ第1離間距離R1、例えば、10mmだけ離れた位置P1に設置され、かつ側面側熱電対18bは該円柱状合成石英ガラスGの外周側面から外方へ第2離間距離R2、例えば、10mmだけ離れた位置P2に設置され、それぞれの位置P1,P2の温度測定を行う。
前記仕切り部材16の上部には上面(光透過面)加熱用ヒータH1が設けられ、一方、円筒状チャンバー12の内周側面には円環状の側面加熱用ヒータH2が設けられている。
上記構成により、円柱状ベース14上に載置された円柱状合成石英ガラスGの上面側の温度調節は上面(光透過面)加熱用ヒータH1によって仕切り部材16の内部で行うことができ、該円柱状合成石英ガラスGの側面側の温度調節は側面加熱用ヒータH2によって仕切り部材16の外部で行うことができる。
図3は本アニール炉の他の例を示す斜視的説明図である。図3において図2と同一又は類似部材は同一符号で示される。同図には、横型のアニール炉10Bが示されている。該アニール炉10Bは横置きされた円筒状チャンバー12を有している。該円筒状チャンバー12の内部にはベースプレート14が設置されている。
該ベースプレート14の上面には第1仕切り部材16a及び第2仕切り部材16bが載置空間17を形成するように所定間隔をおいて対置せしめられている。熱処理される円柱状合成石英ガラスGは該ベースプレート14に載置されるとともに該載置空間17に位置するように設置される。
18a,18a,18bは熱電対で、上面側及び下面側熱電対18a,18aは縦置きされた該円柱状合成石英ガラスGの上下面の少なくとも一方の面(図示例では両面)の中心から外方へ第1離間距離R1、例えば、10mmだけ離れた位置P1に設置され、かつ側面側熱伝対18bは該円柱状合成石英ガラスGの外周側面から外方へ第2離間距離R2、例えば、10mmだけ離れた位置P2に設置され、それぞれの位置P1,P2の温度測定を行う。
前記第1及び第2仕切り部材16a,16bのそれぞれに上下面(光透過面)加熱用ヒータH1,H1が設けられ、一方、円筒状チャンバー12の内周側面には円環状の側面加熱用ヒータH2が設けられている。
上記構成により、ベースプレート14上に載置された円柱状合成石英ガラスGの上下両面側の温度調節は上下面(光透過面)加熱用ヒータH1,H1によって仕切り部材16a,16bの内部で行うことができ、該円柱状合成石英ガラスGの側面側の温度調節は側面加熱用ヒータH2によって仕切り部材16a,16bの外部で行うことができる。
図4は本アニール炉の別の例を示す斜視的説明図である。図4において、図2と同一又は類似部材は同一符号で示される。同図に示されたアニール炉10Cは、熱処理される円柱状合成石英ガラスGが石英ガラス製の蓋19付きの円筒状収納容器20である被覆体に収納され、それに応じて熱電対18a,18bが該円筒状収納容器20の上面の中心から外方へ第1離間距離R1、例えば、10mmだけ離れた位置P1及び該円柱状合成石英ガラスGの外周側面から外方へ第2離間距離R2、例えば、10mmだけ離れた位置P2にそれぞれ設置され、それぞれの位置P1,P2の温度測定を行う点を除いて、図2のアニール炉10Aの構成と同様である。このような円筒状収納容器20内に合成石英ガラスGを収納した状態でも該合成石英ガラスGの上下面と外周側面との温度の制御を個別に行うことが可能である。
次に、アニール炉における温度調節機構について説明する。図5はアニール炉の温度調節機構の一例を示す概略説明図である。同図におけるアニール炉としては図2に示したアニール炉10Aを例として述べる。アニール炉10Aは、図2に示した場合と同様に、円筒状チャンバー12、円柱状ベース14、仕切り部材16、熱電対18a,18bを具備し、該円柱状ベース14上には熱処理される円柱状合成石英ガラスGが載置される。上面側熱電対18aは、円柱状合成石英ガラスGの上面の中心から外方へ第1離間距離R1だけ離れた位置P1に設置され、また側面側熱電対18bは、円柱状合成石英ガラスGの外周側面から外方へ第2離間距離R2だけ離れた位置P2に載置され、それぞれの位置P1,P2の温度測定を行う。
上記仕切り部材16の上部には上面(光透過面)加熱用ヒータH1が設けられ、円筒状チャンバー12の内周面には円環状の側面加熱用ヒータH2が設けられている。
上記上面側熱電対18aによって測定された位置P1における温度T1は第1比較部21aに送られ、予め入力されているプログラム上の温度T3と比較される。この第1比較部21aにおける温度T1とT3との比較データは、第1制御部22aに送られる。この比較データに基づいて該第1制御部22aから発せられる制御信号によって光透過面(上面)加熱用ヒータH1を制御し、円柱状合成石英ガラスGの上面側の温度調節を行う。つまり、上面側熱電対18a、第1比較部21a、第1制御部22a及び光透過面加熱用ヒータH1によって上面側の温度調節機構Aが構成されている。
一方、上記側面側熱電対18bによって測定された位置P2における温度T2は第2比較部21bに送られ、予め入力されているプログラム上の温度T4と比較される。この第2比較部21bにおける温度T2とT4との比較データは、第2制御部22bに送られる。この比較データに基づいて該第2制御部22bから発せられる制御信号によって側面加熱用ヒータH2を制御し、円柱状合成石英ガラスGの側面側の温度調節を行う。つまり、側面側熱電対18b、第2比較部21b、第2制御部22b及び側面加熱用ヒータH2によって側面側の温度調節機構Bが構成されている。
なお、図5の図示例では、光透過面側の熱電対としては上面側熱電対18aのみを設けた例を示したが、図3に示したように、下面側熱電対を併せて設置した場合でも同様に光透過面加熱用ヒータと側面加熱用ヒータとを個別の温度調節機構によって制御することができる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
実施例及び比較例における各物性値の測定法は下記の方法による。
複屈折:He−Neレーザ(632.8nm)を光源とする自動複屈折測定装置(ハインズインスツルメンツ社製、EXICOR 350AT)を用いて測定した。
屈折率分布Δn:He−Neレーザ(632.8nm)を光源とする光干渉計(ザイゴ社製、Mark GPIxp)によって測定した。
(実施例1)
気化させた高純度メチルトリメトキシシランを酸水素火炎中に導入し、すす状シリカを生成し、回転する基体上に溶融堆積させる直接火炎加水分解法にて、外径120mm、長さ630mmの合成石英ガラスインゴットを作成した。このインゴットの両端を石英ガラス加工旋盤のチャックに把持された石英ガラス製の支持棒に溶接し、合成石英ガラスインゴットを回転させた。
気化させた高純度メチルトリメトキシシランを酸水素火炎中に導入し、すす状シリカを生成し、回転する基体上に溶融堆積させる直接火炎加水分解法にて、外径120mm、長さ630mmの合成石英ガラスインゴットを作成した。このインゴットの両端を石英ガラス加工旋盤のチャックに把持された石英ガラス製の支持棒に溶接し、合成石英ガラスインゴットを回転させた。
回転しているインゴットをバーナーで局部加熱して溶融帯域を形成し、チャックの回転方向及び回転数を独立に変動させ、溶融帯域に応力を発生させ、インゴットの脈理除去及び均質化を図った。その後石英ガラス加工用旋盤のチャック間を狭め、合成ガラスインゴットを抑圧しボール状の合成石英ガラスに変形し、ボール状合成石英ガラスを切り離し、切り離し面を上下にして合成石英ガラスインゴットを支持台の支持棒に取り付け回転しながらバーナーで加熱軟化させ、再度均質化して棒状合成石英ガラスインゴットを製造した。
得られたインゴットには3方向で脈理や層状構造は認められなかった。前記合成石英ガラスインゴットを所望の形状に成型するために、Naの灰分20ppm以下のグラファイトルツボ中にインゴットを入れ、ルツボ内を窒素雰囲気で置換したのち炉内温度を1900℃に保温し、10分間保持し成型した。得られた外径300mm、厚さ100mmの円柱状石英ガラス部材を純度99%以上のアルミナを炉材とする図2に示したものと同様の構造を有するアニール炉内に光透過方向を上下に向けて設置した。なお、図2のアニール炉において、第1及び第2離間距離は共に10mmに設定した。
この状態で図6に示す温度プログラムに従い石英ガラス部材を1150℃で50時間保持したのち、まず上面側(第1温度T1)を10℃/hの降温速度で降温した。上面側の降温を開始してから1時間後に外周側面側(第2温度T2)を10℃/hで降温開始し、上面側に設置した熱電対の指示温度が800℃になったところで自然冷却した。この合成石英ガラス部材の光学特性を調べ、光透過面の中心からの距離と光透過方向の複屈折の値との関係を示すグラフを作成し図8に示した。図8に示されるように、光透過方向の複屈折の最大値は0.25nm/cmであった。また、屈折率分布Δnは1.5×10-6であった。
(実施例2)
実施例1と同様の手順で成型した石英ガラス部材を図3に示したものと同様の構造をもつアニール炉内に図3に示したように縦置きにして設置した。実施例1と同様の操作で上記石英ガラス部材に対して熱処理を行い合成石英部材を作成した。得られた合成石英ガラス部材の光学特性を調べたところ、光透過方向の複屈折の最大値は0.24nm/cm、屈折率分布Δnは1.2×10-6であった。
実施例1と同様の手順で成型した石英ガラス部材を図3に示したものと同様の構造をもつアニール炉内に図3に示したように縦置きにして設置した。実施例1と同様の操作で上記石英ガラス部材に対して熱処理を行い合成石英部材を作成した。得られた合成石英ガラス部材の光学特性を調べたところ、光透過方向の複屈折の最大値は0.24nm/cm、屈折率分布Δnは1.2×10-6であった。
(実施例3)
実施例1と同様の手順で成型した石英ガラス部材を図4に示したものと同様の構造をもつアニール炉中に、石英ガラス製の円筒状収納容器に入れて設置した。このとき温度制御のための熱電対は円筒状収納容器上面の中心から外方へ10mm離れた位置と容器外周面から外方へ10mm離れた位置に設置した。1150℃で50時間保持した後、容器上面側を20℃/hの降温速度で降温した。さらに30分後に、容器外周面側を20℃/hで降温開始し、容器上面側の熱電対の指示温度が800℃になったところで自然冷却した以外は、実施例1と同様の操作で合成石英部材を作成した。得られた合成石英ガラス部材の光学特性を調べたところ、光透過方向の複屈折の最大値は0.22nm/cm、屈折率分布Δnは1.0×10-6であった。
実施例1と同様の手順で成型した石英ガラス部材を図4に示したものと同様の構造をもつアニール炉中に、石英ガラス製の円筒状収納容器に入れて設置した。このとき温度制御のための熱電対は円筒状収納容器上面の中心から外方へ10mm離れた位置と容器外周面から外方へ10mm離れた位置に設置した。1150℃で50時間保持した後、容器上面側を20℃/hの降温速度で降温した。さらに30分後に、容器外周面側を20℃/hで降温開始し、容器上面側の熱電対の指示温度が800℃になったところで自然冷却した以外は、実施例1と同様の操作で合成石英部材を作成した。得られた合成石英ガラス部材の光学特性を調べたところ、光透過方向の複屈折の最大値は0.22nm/cm、屈折率分布Δnは1.0×10-6であった。
(比較例1)
実施例1においてアニール炉内に設置した石英ガラス部材を1150℃で50時間保持したのち、図7に示す温度プログラムに従い異なる温度調節機構を用いることなく10℃/hの降温速度で降温し、800℃になったところで自然冷却した以外は実施例1と同様の操作で合成石英部材を作成した。この合成石英ガラス部材の光学特性を調べ、光透過面の中心からの距離と複屈折の値との関係を、実施例1の結果とともに図8に示した。図8に示されるように、光透過方向の複屈折の最大値は2.4nm/cmであった。また、屈折率分布Δnは2.3×10-6であった。
実施例1においてアニール炉内に設置した石英ガラス部材を1150℃で50時間保持したのち、図7に示す温度プログラムに従い異なる温度調節機構を用いることなく10℃/hの降温速度で降温し、800℃になったところで自然冷却した以外は実施例1と同様の操作で合成石英部材を作成した。この合成石英ガラス部材の光学特性を調べ、光透過面の中心からの距離と複屈折の値との関係を、実施例1の結果とともに図8に示した。図8に示されるように、光透過方向の複屈折の最大値は2.4nm/cmであった。また、屈折率分布Δnは2.3×10-6であった。
(比較例2)
実施例1においてアニール炉内に設置した石英ガラス部材を1150℃で50時間保持したのち、まず上面側を10℃/hの降温速度で降温した。上面側の降温を開始してから3時間後に外周面側を10℃/hで降温開始し、上面側の熱電対の指示温度が800℃になったところで自然冷却した以外は実施例1と同様の操作で合成石英部材を作成した。この合成石英ガラス部材の光学特性を調べたところ、光透過方向の複屈折の最大値は2.0nm/cm、屈折率分布Δnは3.4×10-6あった。
実施例1においてアニール炉内に設置した石英ガラス部材を1150℃で50時間保持したのち、まず上面側を10℃/hの降温速度で降温した。上面側の降温を開始してから3時間後に外周面側を10℃/hで降温開始し、上面側の熱電対の指示温度が800℃になったところで自然冷却した以外は実施例1と同様の操作で合成石英部材を作成した。この合成石英ガラス部材の光学特性を調べたところ、光透過方向の複屈折の最大値は2.0nm/cm、屈折率分布Δnは3.4×10-6あった。
(比較例3)
実施例1においてアニール炉内に設置した石英ガラス部材を1150℃で50時間保持したのち、まず上面側を80℃/hの降温速度で降温した。上面側の降温を開始してから3分後に円周面側を80℃/hで降温開始し、上面側の熱電対の指示温度が800℃になったところで自然冷却した以外は実施例1と同様の操作で合成石英部材を作成した。この合成石英ガラス部材の光学特性を調べたところ、光透過方向の複屈折の最大値は1.8nm/cm、屈折率分布Δnは3.7×10-6であった。
実施例1においてアニール炉内に設置した石英ガラス部材を1150℃で50時間保持したのち、まず上面側を80℃/hの降温速度で降温した。上面側の降温を開始してから3分後に円周面側を80℃/hで降温開始し、上面側の熱電対の指示温度が800℃になったところで自然冷却した以外は実施例1と同様の操作で合成石英部材を作成した。この合成石英ガラス部材の光学特性を調べたところ、光透過方向の複屈折の最大値は1.8nm/cm、屈折率分布Δnは3.7×10-6であった。
10A,10B,10C:アニール炉、12:円筒状チャンバー、14:円柱状ベース、14:ベースプレート、16:仕切り部材、16a:第1仕切り部材、16b:第2仕切り部材、17:載置空間、18a,18b:熱電対、19:蓋、20:円筒状収納容器、21a:第1比較部、21b:第2比較部、22a:第1制御部、22b:第2制御部、A:上面側の温度調節機構、B:側面側の温度調節機構、E:光透過面、F:等温面、G:円柱状合成石英ガラス、H1,H2:ヒータ、L:光透過方向、P1,P2:温度測定位置、R1:第1離間距離、R2:第2離間距離。
Claims (7)
- 上下面を透光面とした円柱状光学用合成石英ガラス母材を熱処理するためのアニール炉を用いる光学用合成石英ガラスの製造方法によって製造される光学用合成石英ガラスであって、前記アニール炉が、前記合成石英ガラス母材を内部に収納するチャンバーと、該合成石英ガラス母材の上下面の少なくとも一方の面を加熱する光透過面加熱用ヒータと、該合成石英ガラス母材の外周側面を加熱する側面加熱用ヒータとを有し、該光透過面加熱用ヒータと該側面加熱用ヒータとを個別の温度調節機構によって制御することができるように構成されており、前記円柱状光学用合成石英ガラス母材を800℃〜1200℃の温度に昇温して一定時間保持したのち降温する過程において、前記光学用合成石英ガラス母材の光透過面の温度と前記光学用合成石英ガラス母材の外周側面の温度とで1〜20℃の温度差をつけてそれぞれ2〜50℃/hの降温速度で降温するようにして製造され、光透過方向の複屈折が0.25nm/cm以下及び/又は屈折率分布Δnが2×10-6以下であることを特徴とする光学用合成石英ガラス。
- 上下面を透光面とした円柱状光学用合成石英ガラス母材を熱処理するためのアニール炉を用いる光学用合成石英ガラスの製造方法によって製造される光学用合成石英ガラスであって、前記アニール炉が、前記合成石英ガラス母材を内部に収納するチャンバーと、該合成石英ガラス母材の上下面の少なくとも一方の面を加熱する光透過面加熱用ヒータと、該合成石英ガラス母材の外周側面を加熱する側面加熱用ヒータとを有し、該光透過面加熱用ヒータと該側面加熱用ヒータとを個別の温度調節機構によって制御することができるように構成されており、前記円柱状光学用合成石英ガラス母材を800℃〜1200℃の温度に昇温して一定時間保持したのち降温する過程において、前記光学用合成石英ガラス母材の光透過面である上下面の少なくとも一方の面の中心から外方へ第1離間距離だけ離れた位置での第1温度T1と前記光学用合成石英ガラス母材の外周側面から外方へ第2離間距離だけ離れた位置での第2温度T2とで1〜20℃の温度差をつけてそれぞれ2〜50℃/hの降温速度で降温するようにして製造され、光透過方向の複屈折が0.25nm/cm以下及び/又は屈折率分布Δnが2×10-6以下であることを特徴とする光学用合成石英ガラス。
- 前記第1及び第2離間距離が共に5mm〜100mmであることを特徴とする請求項2記載の光学用合成石英ガラス。
- 前記降温過程において、前記第1温度T1が前記第2温度T2よりも低温であることを特徴とする請求項2又は3記載の光学用合成石英ガラス。
- 前記降温過程において、前記第1温度T1が前記第2温度T2よりも高温であることを特徴とする請求項2又は3記載の光学用合成石英ガラス。
- 前記降温に際して、前記光透過面に平行な面とそれに垂直な面とで個別の温度調節機構を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の光学用合成石英ガラス。
- 前記光学用合成石英ガラス母材が、直径150〜350mm、厚さ40〜120mmの円柱状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の光学用合成石英ガラス。
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WO2012069382A1 (de) * | 2010-11-26 | 2012-05-31 | J-Fiber Gmbh | Verfahren zur herstellung von strahlungsresistentem quarzglasmaterial und danach hergestellte quarzglaskörper |
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2007
- 2007-05-23 JP JP2007137062A patent/JP2007261942A/ja active Pending
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