JP2007260253A - 医療用容器 - Google Patents

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Abstract


【課題】医療用容器の主薬剤室とは別に設けられた薬剤収納部内に収納された薬剤の混合忘れを防止することでき、かつ、薬剤収納部内に収納された薬剤のみが投与される危険性がなく、投与準備も容易である医療用容器を提供する。
【解決手段】医療用容器1は、薬剤室20を備える軟質容器本体2と、排出ポート3と、排出ポート3の先端部を取り囲み内部室23を形成する連通阻害部11と、内部室に収納され、容器本体の表面側シート部2aの内面および裏面側シート部2bの内面に固定された薬剤収納部材7を備える。薬剤収納部材7は、開口部73を有し硬質材料により形成された本体部71と、開口部を剥離可能に封鎖するとともに表面側シート内面に固定されたフィルム部81を備える。容器本体2の圧迫時の薬剤収納部材7と表面側シート部および裏面側シート部との固定部間の離間により、フィルム部81は、本体部71より剥離する。
【選択図】図3

Description

本発明は、内部において輸液などの薬液に薬剤の調製や配合を行うことができる輸液用容器に関するものである。
患者に輸液を行うに先だって、輸液剤の入ったバイアル瓶やソフト軟質バッグ等に、予め輸液剤に配合することが困難な薬剤、例えば、ビタミン剤、抗生物質等の薬剤を混合、溶解させ、薬液を調整することが行われている。
このような薬液の調整は、液体状の薬剤の場合はそのまま、固体状の薬剤の場合は注射器で溶解液を加え溶解したのち、注射器に吸引し輸液剤が充填されたバイアル瓶もしくは軟質バッグに注入混合して行われている。
しかし、このような薬液の調整は、操作手順が煩雑であるという欠点があり、迅速な輸液を必要とする場合等には特に不便である。また、上記のような薬液の調整は、一旦輸液剤の一部を取り出し、別の容器内で混合・溶解させるため汚染された雰囲気や器具に接触する可能性があり、薬液の細菌による汚染や異物混入のおそれがあった。
このような問題を解決するものとして、例えば、特開2004−337318号公報(特許文献1)に示すものがある。特許文献1の医療用複室容器は、ステロイド剤、生物学的製剤、又は制癌剤を収納し、外力によって開封可能な小容器と、該小容器を収納する収納室を有するとともに、該収納室に溶解液または希釈液を収納する可撓性のある容器本体と、該容器本体に取り付けられ、前記収納室に通じる薬剤排出部とを備えている。この複室容器では、使用時に容器本体越しに小容器に外力を与え破損させることにより、小容器内の薬剤を容器本体内の溶解液等に添加することができる。
しかしながら、このタイプの複室容器では、小容器内の薬剤が添加されてない状態での投与、すなわち、溶解液のみが投与されるおそれがある。また、運搬時、投与準備時などにおける医療用容器への衝撃(例えば、落下による衝撃)が、連通規制部に付与された場合、小容器に予定外の開通が生じることがある。この場合、どの時点における開通なのか不明なため、使用できないものとなる。
また、本願出願人は、特開2005−95604号公報(特許文献2)を提案している。
特開2004−337318号公報 特開2005−95604号公報
上記特許文献2のものでは、排出ポート内の薬剤のみの添加が不能であり、かつ、排出ポート内の薬剤が添加されることなく投与されないものとなっており、十分な効果を有する。しかし、特許文献2のものでは、薬剤収納部内の薬剤の軟質バッグ内への流入および排出ポートによる薬液の排出を可能とするためには、軟質バッグ越しの連通規制部の破断作業が必要であり、より容易に薬剤収納部内の薬剤混合操作が行われるものが求められるようになった。
そこで、本発明の目的は、医療用容器の主薬剤室とは別に設けられた薬剤収納部内に収納された薬剤の混合忘れを防止することでき、かつ、薬剤収納部内に収納された薬剤のみが投与される危険性がなく、さらに、軟質容器越しの連通規制部の破断作業の必要がなく、投与準備がより容易に行うことができかつ、運搬時などにおいて医療用容器衝撃は付与されても、薬剤収納部内に収納された薬剤の主薬剤室への流出がない医療用容器を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 可撓性材料により形成され、表面側シート部および裏面側シート部と、上端部および下端部を有し、内部に薬剤室を備える軟質容器本体と、前記容器本体の下端部に固定された排出ポートと、前記薬剤室に収納された薬剤とを備える医療用容器であって、
前記医療用容器は、前記容器本体の前記下端部より前記排出ポートの先端部上方を取り囲むように前記薬剤室内上方に延び、前記薬剤室と前記排出ポートとの連通を阻害する剥離可能な連通阻害部と、該連通阻害部と前記下端部により形成される内部室に収納され、前記表面側シート部の内面および前記裏面側シート部の内面に固定された薬剤収納部材とを備え、
該薬剤収納部材は、硬質もしくは半硬質材料により形成され、開口部および薬剤収納部を有する本体部と、該本体部の前記開口部を剥離可能に封鎖するフィルム部と、前記薬剤収納部内に収納された薬剤とを備え、前記フィルム部は、前記容器本体の前記表面側シート部もしくは前記裏面側シート部の内面に固定され、前記容器本体の圧迫時の前記薬剤収納部材と前記表面側シート部との固定部および前記裏面側シート部との固定部間の離間により、前記フィルム部は、前記本体部より剥離するものである医療用容器。
(2) 前記薬剤収納部材の前記本体部は、硬質もしくは半硬質材料により形成され、所定領域を取り囲む側壁部を備えている上記(1)に記載の医療用容器。
(3) 前記薬剤収納部材の前記フィルム部は、前記容器本体に前記本体部と前記フィルム部とのシール強度以上のシール強度にて固定されている上記(1)または(2)に記載の医療用容器。
(4) 前記本体部は、前記開口部と前記開口部と向かい合う閉塞部とを有する硬質もしくは半硬質材料により形成された箱状体である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療用容器。
(5) 前記本体部は、前記向かい合う2つの開口部を備え、前記フィルム部は、一方の開口部を閉塞し、他方の開口部は、第2のフィルム部により閉塞されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療用容器。
(6) 前記薬剤収納部材の前記本体部の前記開口部には、該開口部を取り囲むように設けられた前記フィルム部との固定のための環状平坦部が設けられている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用容器。
(7) 前記フィルム部は、前記本体部とのシール部より前記連通阻害部側に延びる延出部を有し、該延出部において、前記容器本体と固定されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療用容器。
(8) 前記フィルム部は、前記本体部とのシール部より前記排出ポート側に延びる延出部を有し、該延出部において、前記容器本体と固定されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の医療用容器。
(9) 前記フィルム部の前記本体部とのシール部となっている部分は、前記容器本体との非固定部となっている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の医療用容器。
(10) 前記本体部は、前記フィルム部とのシール部より前記連通阻害部側に延びる延出部を有している上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の医療用容器。
(11) 前記本体部は、前記フィルム部とのシール部より前記排出ポート側に延びる延出部を有している上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の医療用容器。
(12) 前記容器本体は、前記薬剤室を第1の薬剤室と第2の薬剤室に区分する剥離可能な仕切部を有しており、前記第1の薬剤室には、第1の薬剤が収納され、前記第2の薬剤室には、第2の薬剤が収納されている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の医療用容器。
(13) 前記仕切部は、前記連通阻害部の上方となる位置に設けられている上記(12)に記載の医療用容器。
(14) 前記医療用容器は、前記第1の薬剤室もしくは前記第2の薬剤室を押圧することにより、前記仕切部が剥離し、該仕切部の剥離と同時もしくは続いて前記連通阻害部が剥離し、続いて、前記フィルム部が剥離するものである上記(12)または(13)に記載の医療用容器。
(15) 前記連通阻害部、前記仕切部、前記本体部と前記フィルム部とのシール部および前記フィルム部と前記容器本体との固定部の形成は、熱シールにより行われている上記(12)ないし(14)のいずれかに記載の医療用容器。
本発明の医療用容器では、容器本体の前記下端部より前記排出ポートの先端部上方を取り囲むように前記薬剤室内上方に延び、前記薬剤室と前記排出ポートとの連通を阻害する剥離可能な連通阻害部と、該連通阻害部と前記下端部により形成される内部室に収納され、前記表面側シート部の内面および前記裏面側シート部の内面に固定された薬剤収納部材とを備え、該薬剤収納部材は、硬質もしくは半硬質材料により形成され、開口部および薬剤収納部を有する本体部と、該本体部の前記開口部を剥離可能に封鎖するフィルム部と、前記薬剤収納部内に収納された薬剤とを備え、前記フィルム部は、前記容器本体の前記表面側シート部もしくは前記裏面側シート部の内面に固定され、前記容器本体の圧迫時の前記薬剤収納部材と前記表面側シート部との固定部および前記裏面側シート部との固定部間の離間により、前記フィルム部は、前記本体部より剥離するものとなっている。
このため、軟質容器本体の上部側を手で押圧するなどして容器本体を圧迫することにより、連通阻害部が剥離することにより、前記容器本体と前記薬剤収納部材の前記フィルム部との固定部と前記薬剤収納部材の前記閉塞部との固定部間の離間が可能となり、さらに容器本体の圧迫の継続による上記2つの固定部間の離間により、前記フィルム部は、前記本体部より剥離し、薬剤収納部材内に収納されていた薬剤は、薬剤室内に流入するとともに、封止部を用いた薬剤投与が可能となる。
よって、本発明の医療用容器によれば、医療用容器の主薬剤室とは別に設けられた薬剤収納部内に収納された薬剤の混合忘れを防止することでき、かつ、薬剤収納部内に収納された薬剤のみが投与される危険性がなく、さらに、軟質容器越しの連通規制部の破断作業の必要がなく、投与準備をより容易に行うことができかつ、運搬時などにおいて医療用容器衝撃は付与されても、薬剤収納部内に収納された薬剤の主薬剤室への流出がない。
本発明の医療用容器について、図面に示す実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の医療用容器の一実施例の正面図である。図2は、図1のA−A線断面図である。図3は、図2の医療用容器の排出ポート付近の拡大断面図である。図4は、本発明の医療用容器に使用される薬剤収納部材の正面図である。図5は、図4のB−B線断面図である。図6は、図4に示した薬剤収納部材の本体部の正面図である。
なお、図中の上側を「上端」、下側を「下端」として説明する。
本発明の医療用容器1は、可撓性材料により形成され、表面側シート部2aおよび裏面側シート部2bと、上端部5および下端部6を有し、内部に薬剤室20を備える軟質容器本体2と、容器本体2の下端部6に固定された排出ポート3と、薬剤室に収納された薬剤とを備える。
そして、医療用容器1は、容器本体2の下端部6より排出ポート3の先端部上方を取り囲むように薬剤室20内の上方に延び、薬剤室20と排出ポート3との連通を阻害する剥離可能な連通阻害部11と、連通阻害部11と下端部6により形成される内部室23に収納され、表面側シート部2aの内面および裏面側シート部2bの内面に固定された薬剤収納部材7とを備える。
そして、薬剤収納部材7は、硬質もしくは半硬質材料により形成され、開口部73および薬剤収納部75を有する本体部71と、本体部71の開口部73を剥離可能に封鎖するフィルム部81と、薬剤収納部75内に収納された薬剤(薬剤室20に収納された薬剤と異なる薬剤)79とを備える。
さらに、フィルム部81は、容器本体2の表面側シート部2aもしくは裏面側シート部2bの内面に固定され、容器本体2の圧迫時の薬剤収納部材7と表面側シート部2aとの固定部(シール部)83aおよび裏面側シート部2bとの固定部84a間の離間により、フィルム部81は、本体部71より剥離するものとなっている。
なお、図1に示す実施例の医療用容器では、容器本体2は、薬剤室20が剥離可能な仕切部9により第1の薬剤室21と第2の薬剤室22に区分されており、第1の薬剤室21には、第1の薬剤21aが収納され、第2の薬剤室22には、第1の薬剤22aが収納されている。
しかし、本発明の医療用容器としては、図14に示す医療用容器10のように、仕切部を備えないものであってもよい。
この実施例の医療用容器1は、図1に示すように、シート状筒状体により形成された容器本体2を備え、この容器本体2には、内部収納部を区画する仕切部9が形成されており、収納部は、第1の薬剤室21と第2の薬剤室22に区画されている。
また、図1に示すように、容器本体2は、上端部5と下端部6を備えており、この実施例では、上端部5は、上端側シール部5であり、下端部6は、下端側シール部6となっている。なお、上端部および下端部は、シール部でなくてもよい。
また、実施例の医療用容器1では、第1の薬剤室21側に設けられた薬剤排出ポート3を備えている。さらに、この実施例の医療用容器1では、第2の薬剤室22側に設けられた薬剤注入ポート4を備えている。
そして、本発明の医療用容器1は、図1に示すように、容器本体2の下端側シール部6より排出ポート3の先端部を取り囲むように薬剤室20(第1の薬剤室21)内の上端方向に延び、薬剤室20と排出ポート3との連通を阻害する剥離可能な連通阻害部11を備えている。連通阻害部11は、一端が排出ポート3付近かつ容器本体の一方の側部側である下端側シール部6に位置し、他端が排出ポート3付近かつ容器本体の他方の側部側である下端側シール部6に位置し、上記の一端および他端間において、排出ポート3の先端部を所定距離離間して取り囲むものとなっている。つまり、排出ポート3の先端部は、連通阻害部11の両端間に位置するものとなっている。そして、連通阻害部11を剥離しない限り、医療用容器内の薬剤は、排出ポート3より排出できない。また、連通阻害部11により、薬剤室20(第1の薬剤室21)から隔離された内部室23が形成されている。この内部室23は、薬剤非充填室となっている。しかし、内部室には、所定の液体(例えば、生理食塩水)が入れられていてもよい。また、内部室23は、乾燥状態でもよいが、滅菌のための微量の水分が充填されていてもよい。連通阻害部11は、連通阻害用弱シール部により形成することが好ましい。連通阻害用弱シール部は、シート材を帯状に熱シール(熱融着、高周波融着、超音波融着等)することにより形成することができる。
連通阻害部11は、図1に示す実施例では、台形状に形成されている。また、連通阻害用弱シール部は、上記の形態に限定されるものではなく、三角形状(具体的には、排出ポートの上方に頂点を有する三角形状)、四角形状、さらには多角形状、略半円形状、略半楕円形状、あるいは反転したU字状などであってもよい。なお、多角形状の場合、角は丸められていることが好ましい。また、連通阻害部の先端部は、その他の部分より剥離し易くなっていてもよい。
そして、本発明の医療用容器1は、図1および図2に示すように、連通阻害部11と下端側シール部6により形成される内部室23内に収納されるとともに固定された薬剤収納部材7を備えている。
薬剤収納部材7としては、例えば、図4ないし図6に示されるものが使用される。この例の薬剤収納部7は、開口部73、閉塞部74および内部に形成された薬剤収納部75を有する硬質もしくは半硬質材料により形成された本体部71と、本体部71の開口部73を剥離可能に封鎖するフィルム部81と、薬剤収納部75内に収納された薬剤(薬剤室20に収納された薬剤と異なる薬剤)79とを備える。そして、本体部71は、所定領域を取り囲む側壁部72を有している。この例では、側壁部72は、環状側壁部72となっている。
また、この実施例における本体部71は、図5に示すように、右側が閉塞部74となっており、左側が開口部73となっている箱状のものであり、側壁部72は、短い多角筒状のもの(具体的には、四角筒状)となっている。なお、本体部の側壁部の形状は、上述のものに限定されるものではなく、他の多角筒状、例えば、三角筒状、五角以上の筒状、円筒状、楕円筒状などであってもよい。
また、本体部71の開口部73には、開口部73を取り囲むように設けられたフィルム部81との固定のための環状平坦部75aが設けられている。また、本体部71は、フィルム部81とのシール部81cより連通阻害部11側に延びる延出部76を有している。さらに、この例の本体部71は、フィルム部81とのシール部81cより排出ポート3側に延びる延出部77を有している。これら、延出部76、77は、フィルム部81を容器本体2の内面にヒートシールする際に用いられる。そして、延出部76,77は、図5に示すように、本体部71の厚さより薄いものとなっており、フィルム部81および後述する第2のフィルム部82との間に若干の間隙を形成するものとなっている。
そして、本体部71の開口部73には、図4および図5に示すように、フィルム部81が、剥離可能にシールされており、開口部73を封鎖している。具体的には、フィルム部81は、環状シール部81c部分において、本体部71の環状平坦部75aに液密かつ剥離可能にシールされている。フィルム部と本体部とのシールとしては、ヒートシールが好適である。そして、フィルム部81は、図4に示すように、環状シール部81cを取り囲み、本体部にシールされていない環状未シール部を備えている。また、フィルム部81は、上記の環状未シール部の一部であり、本体部71とのシール部81cより連通阻害部11側に延びるフラップ部81aを有している。また、フィルム部81は、上記の環状未シール部の一部であり、本体部71とのシール部81cより排出ポート3側に延びるフラップ部81bを有している。これら、フラップ部81a、81bにおいて、フィルム部81は、容器本体2の内面(この実施例では、表面側シート部2aの内面)にシールされる。
また、この例の薬剤収納部材7では、本体部71の閉塞部74には、容器本体2への固定のための第2のフィルム部82が設けられている。そして、このフィルム部82は、本体部71の閉塞部74より連通阻害部11側に延びるフラップ部82aを有している。また、フィルム部82は、本体部71の閉塞部74より排出ポート3側に延びるフラップ部82bを有している。これら、フラップ部82a、82bにおいて、フィルム部82は、容器本体2の内面(この実施例では、裏面側シート部2bの内面)にシールされる。なお、この例では、第2のフィルム部82は必ずしも設ける必要はなく、本体部71の閉塞部74にて容器本体2の内面(この実施例では、裏面側シート部2bの内面)に固定してもよい。
なお、薬剤収納部材としては、図7に示すような、薬剤収納部材70のようなものであってもよい。この例の薬剤収納部材70における本体部71aと上述し薬剤収納部材7における本体部71との相違は、この例の本体部71aは、閉塞部74を備えておらず、環状部材となっており、向かい合う上面および下面が開口部となっており、そして、一方(下面側)の開口部は、第2のフィルム部82によりシールされ、閉塞部が形成されている点のみである。
また、薬剤収納部材としては、図8および図9に示すような、薬剤収納部材80のようなものであってもよい。この例の薬剤収納部材80における本体部71bと上述した薬剤収納部材7における本体部71との相違は、この例の本体部71bでは、延出部76,77が、図5に示した本体部71のように、本体部71の厚さより薄いものとなっておらず、同じ厚さとなっている点のみであり、この薬剤収納部材80では、フィルム部81,82間と本体部71bとの間に間隙は実質的に形成されないものとなっている。
そして、薬剤収納部材7は、図1ないし図3に示すように、内部室23内にその上部が連通阻害部11付近となるように収納され、固定されている。図3に示すように、この実施例では、薬剤収納部材7は、図3および図4に示すように、本体部71に剥離可能にシールされたフィルム部81は、その上端側部分において、容器本体の表面側シート部2aの内面に固定部83aにて固定されている。さらに、フィルム部81は、その下端側部分において、容器本体の表面側シート部2aの内面に固定部83bにて固定されている。なお、下端側固定部83bはなくてもよい。また、フィルム部81の容器本体2との固定部83aは、薬剤収納部材7におけるフィルム部81と本体部71との固定部81cより、連通阻害部11側に位置している。このため、連通阻害部11が剥離し、表面側シート部2aと裏面側シート部2b間の離間時に、フィルム部81は表面側シート部に追従して引っ張られ、この引っ張り力が、フィルム部81の本体部71とのシール部に負荷されるものとなり、フィルム部81の本体部71からの剥離が確実なものとなる。
また、図4に示すように、この実施例の医療用容器1では、フィルム部81の本体部71とのシール部81cとなっている部分は、容器本体2との非固定部となっている。つまり、フィルム部81では、連通阻害部側の容器本体との固定部83aと本体部71とのシール部81cとは、位置がずれたものとなっており、両者は重なっていない。特に、図4に示すものでは、フィルム部81は、フラップ部81aに容器本体2との固定部83aが形成されている。このように、フィルム部81の本体部71とのシール部81cと容器本体2との固定部を重ならないものとすることにより、容器本体に2つの固定部に起因する硬質部の形成がなく、容器本体の圧迫時における容器本体の拡張時に上記硬質部に起因する破損を生じることがない。さらに、フィルム部81では、排出ポート側の容器本体との固定部83bと本体部71との固定部81cとは位置がずれたものとなっており、両者は重なっていない。
また、この例におけるフィルム部81と容器本体2との固定は、連通阻害部側固定部83aと、排出ポート側固定部83bにより形成されており、2つの固定部83a、83bは、分離し連続しないものとなっている。また、フィルム部81の側部(言い換えれば、2つの固定部83a,83b間)は、容器本体2に固定されないものとなっている。
しかし、フィルム部81と容器本体2との固定形態は、上記のものに限定されるものではなく、図10に示す薬剤収納部材90のように、フィルム部81と容器本体2との固定は、フィルム部81の本体部71とのシール部81cを取り囲む環状固定部であってもよい。図10に示すものでは、フィルム部81と容器本体2との固定部は、連通阻害部側固定部83aと排出ポート側固定部83bと、連通阻害部側固定部83aと排出ポート側固定部83bとを繋ぐ側部固定部83cにより形成されている。
そして、本発明の医療用容器では、薬剤収納部材7のフィルム部81および閉塞部74(この実施例では、第2のフィルム部82)は、容器本体2に本体部71とフィルム部81とのシール強度以上のシール強度にて固定されている。このため、容器本体の圧迫時における容器本体の拡張時に、連通阻害部11が剥離し、表面側シート部2aと裏面側シート部2b間の離間時に、フィルム部81は表面側シート部に追従して引っ張られたとき、表面側シート部に追従し、本体部71から剥離する。
薬剤収納部材7の本体部71の形成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン(低密度〜高密度)、ポリ塩化ビニル(軟質〜硬質)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、フッ素系樹脂等が挙げられる。
また、薬剤収納部材7のフィルム部81,82の形成材料としては、樹脂製フィルムが好ましい。そのようなフィルムの形成材料としては、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーなど、また、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが好適である。さらに、フィルム部81,82の本体部71との固定部および容器本体2との固定部となる部分に、フィルム部形成材料より融点が低い低融点樹脂層を有することが好ましい。低融点樹脂層としては、低融点ポリエチレン、EVA(エチレンビニルアセテート)などが好適である。
また、薬剤収納部材7の薬剤との接触面(具体的には、フィルム部81の内面および/本体部71の内面)には、低薬剤吸着性物質を被覆してもよい。低薬物吸着性物質としては、従来からシリンジ用ラミネートガスケットに使用されている公知のものが使用できる。具体的に、ポリパラキシリレン、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、環状ポリオレフィン等が好ましく、フッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン−パーフルオロエトキシエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が好ましい。
また、薬剤収納部材7内に収納される薬剤としては、輸液剤に配合・溶解させるものであって、例えば抗生物質、ビタミン剤(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリン等の抗血栓剤、インシュリン、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤、補正電解質、抗ウィルス薬、免疫賦活剤等が挙げられる。また、薬剤収納部材7の容量としては、0.5〜20mlが好ましく、特に、1〜15mlが好ましい。
この実施例の医療用容器1の作用を図3,図11ないし図13を用いて説明する。
この実施例の医療用容器1では、容器本体2を圧迫しない状態では、図3の状態となっている。この状態では、フィルム部81に実質的に剥離力は負荷されておらず、薬剤収納部材7は安定した状態となっている。そして、軟質容器本体2の上部側を手で押圧するなどして容器本体2を圧迫すると、図11に示すように、連通阻害部11が剥離する。さらに、圧迫を継続すると、図12に示すように、表面側シート部2aと裏面側シート部2b間が広がり、フィルム部81は、表面側シート部2aに追従し、本体部71からの剥離が開始される。さらに、圧迫を継続することにより、図13に示すように、表面側シート部2aと裏面側シート部2b間の広がりが大きくなり、フィルム部81は、本体部71から完全に剥離する。これにより、薬剤収納部材7内の薬剤収納部75に収納されていた薬剤79は、容器本体2内の薬剤と混合されるとともに、排出ポートを用いた薬剤の投与も可能となる。
また、本発明の医療用容器1の容器本体2は、軟質合成樹脂により形成されている。容器本体2は、インフレーション成形法により筒状に成形されたものが好ましい。なお、容器本体2は、例えば、ブロー成形法、共押出インフレーション法などの種々の方法により製造されたものでもよい。また、容器本体2は、上記のような筒状体の外周部の全周(4辺)をシールしたもの、2枚のシート材を重ねその外周部全周をシールしたもの、一枚のシートを2つ折りし、折り曲げ部以外の3辺をシールしたものなどの袋状物であってもよい。また、容器本体2の上端側のシール部5のほぼ中央部には、医療用容器1をハンガー等に吊り下げるための孔25が設けられている。
容器本体2は、水蒸気バリヤー性を有することが好ましい。水蒸気バリヤー性の程度としては、水蒸気透過度が、50g/m・24hrs・40℃・90%RH以下であることが好ましく、より好ましくは10g/m・24hrs・40℃・90%RH以下であり、さらに好ましくは1g/m・24hrs・40℃・90%RH以下である。この水蒸気透過度は、JISK7129(A法)に記載の方法により測定される。
このように容器本体2が水蒸気バリヤー性を有することにより、医療用容器1の内部からの水分の蒸散が防止できる。その結果、充填される薬剤(具体的には、薬液)の減少、濃縮を防止することができる。また、医療用容器1の外部からの水蒸気の侵入も防止することができる。
このような容器本体2の形成材料として、ポリオレフィン類が含有されるとき、本発明の有用性が大きいものとなる。したがって、本発明においては、容器本体2の形成材料として、ポリオレフィン類を含むものであるのが好ましい。容器本体2の形成材料として、特に好ましいものとして、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン類に、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーあるいはエチレン−プロピレン共重合体やエチレン−ブテン共重合体,プロピレン−αオレフィン共重合体等のオレフィン系熱可塑性エラストマーをブレンドし柔軟化した軟質樹脂を用いてもよい。この材料は、高強度で柔軟性に富み、耐熱性(特に滅菌時の耐熱性)、耐水性が高い他、加工性が特に優れ、製造コストの低減を図ることができる点で好ましい。
さらに、上記のブレンド樹脂を用いる場合には、2種以上の融点の異なる材料を用いることになり、容器本体2の上端側シール部5や下端側シール部6、連通阻害部11および後述する仕切部9の各シール条件の設定、各シール部分のシール強度の安定化を容易かつ良好に図ることができる。
また、容器本体は、前述したような材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいし、また種々の目的で、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。多層積層体の場合、複数の樹脂層を重ねたものであってもよいし、少なくとも1層の樹脂層に金属層を積層したものであってもよい。複数の樹脂層を重ねたものの場合、それぞれの樹脂の利点を併有することができ、例えば、容器本体2の耐熱性、耐衝撃性を向上させたり、耐ブロッキング性を付与した、あるいは透明性を向上させたりすることができる。また、金属層を有するものの場合、容器本体2のガスバリヤー性等を向上させることができる。例えば、アルミ箔等のフィルムが積層された場合、ガスバリヤー性の向上とともに、遮光性を付与したりすることができる。また、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる層を形成した場合、ガスバリヤー性の向上とともに、容器本体2の透明性を維持することができ、内部の視認性を確保することができる。なお、容器本体2が多層積層体である場合、その内表面部分を形成する材料が、前述した材料であるのが好ましい。
容器本体2を構成するシート材の厚さは、その層構成や用いる素材の特性(柔軟性、強度、水蒸気透過性、耐熱性等)等に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常は、100〜550μm程度であるのが好ましく、200〜400μm程度であるのがより好ましい。
また、この実施例の医療用容器1では、容器本体2は、剥離可能な仕切部9により、2室に区分されている。そして、仕切部は、仕切用弱シール部により形成されている。仕切用弱シール部9は、第1の弱シール部9aと第1の弱シール部9aの両側に設けられた第1の弱シール部より剥離しにくいもしくは剥離不能な第2の弱シール部9bとを備えている。第1の弱シール部9aが剥離可能な仕切部を実質的に構成している。
このような構成により、第2の薬剤室22を押圧することにより、第1の弱シール部9aが剥離する。そして、剥離部(剥離した第1の弱シール部)より液体等の流体(具体的には、薬液および気体)が第1の薬剤室21に流入する。この液体等の流体の流入により第1の薬剤室21が押し広げられるとともに第2の薬剤室22の押圧の継続により第1の薬剤室の内圧も上昇する。液体等の流体の流入時には、第1の弱シール部9aが剥離部となり、弱シール部9の全体が剥離しない。このため、第1の薬剤室21はその容量があまり増加しない状態において、液体等の流体の流入を受けることになる。よって、第1の薬剤室21は確実に押し広げられ、これに従って、連通阻害部11の剥離が生じる。
そして、第1の弱シール部9a(剥離可能な仕切部)は、図1に示すように、容器本体2の中央付近に設けられ、その両側から容器本体2の側辺もしくは側辺付近まで第2の弱シール部9bが形成されている。この実施例において第1の弱シール部9aは、連通阻害部11の上方、具体的には、鉛直上方に設けられている。このような位置に第1の弱シール部9a(剥離可能な仕切部)を設けることにより、第1の弱シール部が剥離した際、連通阻害部11の剥離、薬剤収納部材7と表面側シート部2aとの固定部(シール部)83aおよび裏面側シート部2bとの固定部84a間の離間が確実に発現する。
連通阻害部11の剥離のための強度は、仕切用弱シール部(中央弱シール部9a)の剥離のための強度より大きいものとなっている。また、連通阻害用弱シール部10は、本発明の実施例においては、側部弱シール部9bより剥離しやすいものである。
また、医療用複室容器1は、第1の薬剤室21を圧迫することにより、仕切用弱シール部9(中央弱シール部9a)の剥離に続いて連通阻害部11が剥離するものであってもよい。このようなものであれば、軟質バッグ2の第1の薬剤室21を圧迫し、仕切用弱シール部9の剥離時の流体の力により、連通阻害用弱シール部10を剥離させることができる。
また、連通阻害部11は、連通阻害用弱シール部のシール強度が、仕切部(中央弱シール部)9aと同等もしくは仕切部(中央弱シール部)9aのシール強度より若干強くすることにより構成することとができる。連通阻害用弱シール部のシール強度(初期の剥離強度)は、1〜25N/10mm、好ましくは、2〜20N/10mm、特に3〜12N/10mmであることが好ましい。
また、弱シール部(中央弱シール部)9aのシール強度(初期の剥離強度)は、0.1〜5N/10mm、特に、0.3〜3N/10mmであることが好ましい。シール強度がこの範囲内であれば、輸送や保管中等に誤って中央弱シール部が剥離することがなく、また、中央弱シール部を剥離する作業も容易である。側部弱シール部のシール強度(初期の剥離強度)は、3N/10mm以上、特に、4N/10mm以上であることが好ましい。中央弱シール部と側部弱シール部とのシール強度差(初期の剥離強度差)としては、側部弱シール部のシール強度が、中央弱シール部のシール強度(初期の剥離強度)より、3〜30N/10mm、特に、4〜25N/10mm大きいものであることが好ましい。このようにすることにより、いずれかの薬剤室を押圧した際、仕切用弱シール部の全体が一気に剥離することを抑制し、少なくとも中央弱シール部からの剥離を確実なものとできる。
なお、本発明の実施例では、仕切用弱シール部9の両側に側部弱シール部9bが形成されているが、側部弱シール部9bが形成されていなくてもよく、易剥離性の中央弱シール部9aのみにより軟質バッグ2が仕切られていてもよい。また、側部弱シール部9bに該当する部分が強シールであっても良い。なお、側部弱シール部9bに相当する部分を切り欠いて、軟質バッグ2をひょうたんのような形状としても側部弱シール9bと同様の効果を得ることができる。
側部弱シール部9bを有する場合の中央弱シール部9aの長さ(側部弱シール部9bを除く長さ)は、薬剤室の横幅に対して0.2〜0.8であることが好ましい。特に、0.3〜0.7であることが好ましい。具体的には、中央弱シール部9aの長さは、薬剤室の横幅にもよるが横幅190mmの場合70〜110mm、特に80〜100mmであることが好ましい。中央弱シール部9aの幅は、8〜20mm、特に、10〜15mmであることが好ましい。側部弱シール部9bの幅は、6〜50mm、特に8〜30mmであることが好ましい。
このようにすることにより、いずれかの薬剤室を圧迫した際、仕切用弱シール部9の全体が一気に剥離することを抑制し、少なくとも中央弱シール部9a部分からの剥離が確実なものとなる。
なお、本件出願におけるシール強度の具体的な測定方法としては、以下のようにして行うことができる。
医療用容器を各測定対象シール部を含む部分を容器の幅方向に10mmの長さに切断して、それぞれのシール強度部分に含まれる切断片を引張速度300mm/分で測定した値の各シール強度部分の平均値である。
また、医療用複室容器1は、連通阻害部11の上端と薬剤排出ポートの上端との間の長さ(最短距離)に対する中央弱シール部9aの横方向の長さの比は、0.2〜3であることが好ましく、更に0.5〜2であることが好ましい。特に、0.7〜1.5であることが好ましい。また、連通阻害部11の幅(帯幅)は、2〜20mm、特に、4〜18mmであることが好ましい。
また、医療用容器1の容積は、内部に収納する薬剤の種類等によって異なるが、通常は、第1の薬剤室の容積が、50〜3000mL程度であることが好ましく、第2の薬剤室の容積が、50〜3000mL程度であることが好ましい。第1の薬剤室21と第2の薬剤室22の容積比は1:1〜1:5であることが好ましい。
このように薬剤室を第1の薬剤室21と第2の薬剤室22の2つに区分され、各薬剤室21、22には、薬剤が収納されている。薬剤室21、22には、共存することにより沈殿が生じたり、経時的にあるいは一時的な加熱による着色・分解等の配合変化が生じたりすることがある成分を分離して収納するなど、異なった成分のものが収容されていることが好ましい。それぞれの薬剤室に収納される薬剤としては、薬液、散剤などが考えられる。このような薬剤(輸液剤)としては、例えば、メーラード反応による着色を防止するために、アミノ酸電解質液とブドウ糖液との組合せとしたり、他に、ブドウ糖液と重曹液等の組み合わせ、また、腹膜透析液剤としてブドウ糖が配合される側のpHを3〜5とし、他方の電解質液を混合後、投薬時にほぼ中性域のpHとなるように調整したものなど、さらには、腹膜透析液、経中心静脈輸液剤、経末梢静脈用注射剤、液状栄養剤などのように2つ以上の薬剤を輸液の際に混合する必要のあるものが好ましい。また、輸液剤としては、例えば生理食塩水、電解質溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射用水、アミノ酸電解質溶液などが挙げられるが、これに限定されるものではない。例えば、薬剤室の一方にブドウ糖電解質液、他方にアミノ酸液を収納し、さらに両室にビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、パンテノール、ニコチン酸アミドなどの水溶性ビタミン等を、安定性等を考慮して適宜振り分け収納することができる。また、容器本体2は、第1の薬剤室21への薬剤注入部29を備えている。薬剤注入部29は、第1の薬剤室21内に薬剤を注入した後に形成されたシール部16によりシールされている。
また、軟質バッグ2の上端側シール部5には、ハンガーなどに吊り下げるための孔(吊り下げ部)25が設けられている。
医療用容器1に設けられている薬剤排出ポート3は、下端側のシール部6の排出ポート固定部のシート材間に挟まれた状態にて融着され、容器本体2に対し液密に固着されている。
薬剤排出ポート3は、容器本体2内に充填された薬剤を排出するためのものである。この実施例における排出ポート3は、図1ないし図3に示すように、上端(第1の薬剤室側端部)が開口した筒状部材31と、筒状部材31の下端側に液密に取り付けられた薬剤排出用針により連通可能な連通部を備えている。連通部は、キャップ部材33と、その後端開口を封止するとともに薬剤排出用針の刺通が可能な弾性部材32とを備えている。連通部としては、このような形態のものに限定されるものではない。
また、薬剤注入ポート4は、容器本体2内に薬剤を注入するためのものである。この実施例における注入ポート4は、図1に示すように、下端(第2の薬剤室側端部)が開口した筒状部材41と、筒状部材の上端側に液密に取り付けられた薬剤注入用針により連通可能な連通部を備えている。連通部は、キャップ部材43と、その後端開口を封止するとともに薬剤注入用針の刺通が可能な弾性部材42とを備えている。連通部としては、このような形態のものに限定されるものではない。
弾性部材42および上述した排出ポート3の弾性部材32は、瓶針、カヌラ針等の針管(図示せず)を刺通可能なものであり、必要時にこの針管を刺通して、容器本体2内からの薬剤の排出もしくは容器本体2内への薬剤等の添加を行うことができる。また、弾性部材は、自己閉塞性を有し、針管を弾性部材から抜き取った後は、その穿刺孔が瞬時に閉塞し、薬剤の漏れを防止する。弾性部材の構成材料としては、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、スチレンーブタジエンゴムのような各種ゴム材料等の弾性材料、あるいはこれらのうちの任意の2以上を組み合わせたもの(ブレンド、積層体等)、さらに、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体等のポリオレフィン、あるいは、エチレンー酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド等の高分子材料を配合したものが挙げられる。
薬剤排出ポート3の筒状部材31およびキャップ部材33ならびに薬剤注入ポート4の筒状部材41およびキャップ部材43の構成材料としては、その用途や機能に応じた条件、例えば硬度、強度、靭性、耐薬品性、透明性、その他の条件を満たす材料が用いられ、比較的硬質な材料で構成されているのが好ましく、これらの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン(低密度〜高密度)、ポリ塩化ビニル(軟質〜硬質)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、フッ素系樹脂等が挙げられ、前述したような条件に応じ、また、筒状部材31およびキャップ部材33、筒状部材41およびキャップ部材43と容器本体2との固定手段を考慮して適宜選択して用いることができる。
次に、本発明の医療用容器における薬剤収納部材の固定方法について説明する。
連通阻害部11および排出ポート取付部を有する軟質容器本体2を準備する。そして、例えば、図4および図5に示し上述した薬剤収納部材7を準備する。そして、薬剤収納部材7のフィルム部81のフラップ部81aが、連通阻害部11付近となるように、容器本体2内に挿入する。そして、薬剤収納部材7のフィルム部81のフラップ部81aおよびフィルム部82のフラップ部82aが位置する部分の容器本体2の外面にヒートシーラーを当て、ヒートシールする。ヒートシールの際、本体部71に設けられた延出部76が、支えとなるため、シールが良好に行われる。これにより、フィルム部81のフラップ部81aは、表面側シート部2aの内面に固定され、フィルム部82のフラップ部82aは、裏面側シート部2bの内面に固定される。同様に、薬剤収納部材7のフィルム部81のフラップ部81bおよびフィルム部82のフラップ部82bが位置する部分の容器本体2の外面にヒートシーラーを当て、ヒートシールする。ヒートシールの際、本体部71に設けられた延出部77が、支えとなるため、シールが良好に行われる。これにより、フィルム部81のフラップ部81bは、表面側シート部2aの内面に固定され、フィルム部82のフラップ部82bは、裏面側シート部2bの内面に固定される。
図1は、本発明の医療用容器の一実施例の正面図である。 図2は、図1のA−A線断面図である。 図3は、図2の医療用容器の排出ポート付近の拡大断面図である。 図4は、本発明の医療用容器に使用される薬剤収納部材の正面図である。 図5は、図4のB−B線断面図である。 図6は、図4に示した薬剤収納部材の本体部の正面図である。 図7は、本発明の医療用容器に使用される薬剤収納部材の他の例の正面図である。 図8は、本発明の医療用容器に使用される薬剤収納部材の他の例の正面図である。 図9は、図8のC−C線断面図である。 図10は、本発明の医療用容器に使用される薬剤収納部材の他の例の正面図である。 図11は、本発明の医療用容器の作用を説明するための説明図である。 図12は、本発明の医療用容器の作用を説明するための説明図である。 図13は、本発明の医療用容器の作用を説明するための説明図である。 図14は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図である。
符号の説明
1 医療用容器
2 容器本体
20 薬剤室
3 排出ポート
4 薬剤注入ポート
5,6 シール部
7 薬剤収納部材
9 仕切部
11 連通阻害部
21 第1の薬剤室
22 第2の薬剤室
71 本体部
81 フィルム部

Claims (15)

  1. 可撓性材料により形成され、表面側シート部および裏面側シート部と、上端部および下端部を有し、内部に薬剤室を備える軟質容器本体と、前記容器本体の下端部に固定された排出ポートと、前記薬剤室に収納された薬剤とを備える医療用容器であって、
    前記医療用容器は、前記容器本体の前記下端部より前記排出ポートの先端部上方を取り囲むように前記薬剤室内上方に延び、前記薬剤室と前記排出ポートとの連通を阻害する剥離可能な連通阻害部と、該連通阻害部と前記下端部により形成される内部室に収納され、前記表面側シート部の内面および前記裏面側シート部の内面に固定された薬剤収納部材とを備え、
    該薬剤収納部材は、硬質もしくは半硬質材料により形成され、開口部および薬剤収納部を有する本体部と、該本体部の前記開口部を剥離可能に封鎖するフィルム部と、前記薬剤収納部内に収納された薬剤とを備え、前記フィルム部は、前記容器本体の前記表面側シート部もしくは前記裏面側シート部の内面に固定され、前記容器本体の圧迫時の前記薬剤収納部材と前記表面側シート部との固定部および前記裏面側シート部との固定部間の離間により、前記フィルム部は、前記本体部より剥離するものであることを特徴とする医療用容器。
  2. 前記薬剤収納部材の前記本体部は、硬質もしくは半硬質材料により形成され、所定領域を取り囲む側壁部を備えている請求項1に記載の医療用容器。
  3. 前記薬剤収納部材の前記フィルム部は、前記容器本体に前記本体部と前記フィルム部とのシール強度以上のシール強度にて固定されている請求項1または2に記載の医療用容器。
  4. 前記本体部は、前記開口部と前記開口部と向かい合う閉塞部とを有する硬質もしくは半硬質材料により形成された箱状体である請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用容器。
  5. 前記本体部は、前記向かい合う2つの開口部を備え、前記フィルム部は、一方の開口部を閉塞し、他方の開口部は、第2のフィルム部により閉塞されている請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用容器。
  6. 前記薬剤収納部材の前記本体部の前記開口部には、該開口部を取り囲むように設けられた前記フィルム部との固定のための環状平坦部が設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用容器。
  7. 前記フィルム部は、前記本体部とのシール部より前記連通阻害部側に延びる延出部を有し、該延出部において、前記容器本体と固定されている請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用容器。
  8. 前記フィルム部は、前記本体部とのシール部より前記排出ポート側に延びる延出部を有し、該延出部において、前記容器本体と固定されている請求項1ないし7のいずれかに記載の医療用容器。
  9. 前記フィルム部の前記本体部とのシール部となっている部分は、前記容器本体との非固定部となっている請求項1ないし8のいずれかに記載の医療用容器。
  10. 前記本体部は、前記フィルム部とのシール部より前記連通阻害部側に延びる延出部を有している請求項1ないし9のいずれかに記載の医療用容器。
  11. 前記本体部は、前記フィルム部とのシール部より前記排出ポート側に延びる延出部を有している請求項1ないし10のいずれかに記載の医療用容器。
  12. 前記容器本体は、前記薬剤室を第1の薬剤室と第2の薬剤室に区分する剥離可能な仕切部を有しており、前記第1の薬剤室には、第1の薬剤が収納され、前記第2の薬剤室には、第2の薬剤が収納されている請求項1ないし11のいずれかに記載の医療用容器。
  13. 前記仕切部は、前記連通阻害部の上方となる位置に設けられている請求項12に記載の医療用容器。
  14. 前記医療用容器は、前記第1の薬剤室もしくは前記第2の薬剤室を押圧することにより、前記仕切部が剥離し、該仕切部の剥離と同時もしくは続いて前記連通阻害部が剥離し、続いて、前記フィルム部が剥離するものである請求項12または13に記載の医療用容器。
  15. 前記連通阻害部、前記仕切部、前記本体部と前記フィルム部とのシール部および前記フィルム部と前記容器本体との固定部の形成は、熱シールにより行われている請求項12ないし14のいずれかに記載の医療用容器。
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