JP2007257809A - 光記録媒体及び光記録方法 - Google Patents

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和典 伊藤
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Abstract

【課題】高速記録が行え、同じ光記録媒体に対し、低速では従来の低速記録用のドライブでも記録可能な下位互換性を有しながらより高速の記録が可能な光記録方法の提供。
【解決手段】案内溝を有する基板上に、グルーブのみに非晶質からなるマークと、結晶からなるスペースとを記録し、マーク及びスペースの時間的長さがnT(Tは基本クロック周期、nは自然数)で表されるマーク長記録方式により情報を記録するにあたり、スペースの形成は少なくともパワーPeを照射する消去パルスにより行い、4T以上の長さのすべてのマークの形成は、パワーPwの加熱パルスとパワーPbの冷却パルス(ただし、Pw>Pb)を交互に照射するマルチパルスを用いて行い、かつ0.15≦Pe/Pw≦0.4を満たし、加熱パルスの長さの和をτwとし、冷却パルスの長さの和をτbとすると、次式、0.4≦τw/(τw+τb)≦0.8を満たす光記録方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、DVD+RW、DVD−RW、BD−RE、HD DVD RW等の相変化記録層を有する高密度な光記録媒体及び該光記録媒体への光記録方法に関する。
近年、電子情報の大容量化が顕著であるが、大容量のデータを扱う記憶装置では、容量が多ければ多いほど記録に時間がかかるため、より高速で記録が可能な光記録媒体が求められている。特にディスク状の光記録媒体は、回転速度を高くすることで記録及び再生速度を上げることが可能なため、高速化が進んでいる。このような光ディスクの中でも記録時に照射する光の強度変調のみで記録が可能であるものは、その記録機構の単純さから、光記録媒体と記録装置の低価格化が可能であり、また、グルーブのみに記録する方式の光記録媒体は、光再生専用装置との高い互換性が確保できるため、普及が進んでいる。
従来のグルーブ記録型の記録マークの形成は、例えば特許文献1などに記載されているように、DVD−ROMの変調度規格「変調度M≧0.6、ただし、変調度M=(最高反射率−最低反射率)/最高反射率」を満足するため、グルーブ幅からはみ出すように形成されている。この例は、記録線速度がDVDの基準速度の2.4倍速(2.4x=約8.4m/秒)程度であり、このような低い記録速度ではビームの走査速度が遅いため、記録マークの幅がグルーブより大きな場合であっても、通過後のビームからの余熱により結晶化が進行し、十分な消去比が得られる。
グルーブのみに記録する方式の光ディスクのうち、書換えが可能である相変化材料を記録層に用いたものとしては、これまで、CD−RW,DVD+RW,DVD−RWなどが実用化されており、それぞれより高速で記録可能な光記録媒体が開発されている。また、最近では、より大容量な記録が可能であるブルーレイディスク(Blu−ray disk)を始めとする、青色のLDにより記録が可能な光ディスクシステムも実用化され、これも今後高速化が進むものと予想される。このような書き換え型DVDの中でも、高速化が進んでいるDVD+RWは8倍速(約28m/s)までの規格がなされ、更に高速の光記録媒体の開発が待たれている状況である。
これまで、相変化型光記録媒体の高速記録対応は、記録層に結晶化速度の速い材料を用いるか、又は保護層との組み合わせにより結晶化速度を速くすることにより行われてきた。しかし、DVDの8倍速を超える速い記録速度に対応させて光記録媒体の結晶化速度を速くすると、以下のような様々な弊害が生じることが明らかになってきた。
1点目は、記録の過程で非晶質マークの中に大きな結晶が成長してしまい、このマークを再生すると、見掛け上、所定の長さより短いマークとなってしまい、エラーとなる問題である。図1A〜図1Cに示すように、結晶化速度の速い光記録媒体に記録した場合、記録条件によっては、マーク中に異常結晶成長部分が発生して再生信号に歪みが生じ、エラーを増大させることが分かっている。ここで、図1Aは異常再結晶化領域を説明するための模式図であり、A、Cは正常なマーク、Bは異常再結晶化領域を有するマークである。また、図1BはマークA〜Cの再生信号、図1CはマークA〜Cの2値化後の信号を示す。このエラーは記録可能な速度が大きくなればなるほど増大し易い。その対策としては、記録層の結晶化速度をあまり大きくしないで低速側での問題を解決し、高速側では記録特性を改善するような記録方法を開発することが考えられる。
しかし、結晶化速度を遅くして高速に記録を行うと、記録マーク形成時の結晶成長速度が抑制され、アモルファス層である記録マークの幅が大きくなってしまい、上述したような問題を生じることは、相変化記録の原理から容易に推察されることであり、高速記録と広い記録可能速度範囲の両立は困難であると考えられていた。
また、記録ストラテジの時定数を変えることで広範囲な記録速度で十分な記録特性を得ようとする試みとして、例えば特許文献2に記載されているような例もあるが、この場合は記録マークの幅を大きくする手段によるものである。また、特許文献3に示される方式では、高速になるとオーバーライトが困難となり、記録線速度範囲が充分なものではないという課題がある。
2点目は、隣接するトラックに記録することにより記録済みの非晶質マークが一部結晶化してしまう、いわゆるクロスライトの問題である。結晶化速度の速い光記録媒体は、再結晶化が進みやすいので、再結晶化しても十分な大きさの非晶質マークが記録できるように、溶融領域を大きくとる必要がある。これに関連して、LDの高パワー化が必要となるため、隣接するトラックまで加熱され、記録済みの非晶質マークの一部が結晶化してしまうという問題がある。
3点目は、従来の低速記録用の光記録媒体と同じ条件では低速記録ができない、即ち、下位互換性が困難となるという問題である。例えば、DVDの場合に、8倍速を超えるような高速記録が実現できたとしても、従来の8倍速記録用のドライブでは記録できないと、ユーザーの利便性が損なわれてしまうという課題がある。
したがって異常再結晶化によるエラーの増大やクロスライトによるジッターの増大という問題を回避した高速記録が行え、同じ光記録媒体に対し、低速では従来の低速記録用のドライブでも記録可能な下位互換性を有しながらより高速の記録が可能な光ディスクシステムは得られておらず、その速やかな提供が望まれているのが現状である。
特開2002−237096号公報 特開2003−16643号公報 特許第3572068号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、異常再結晶化によるエラーの増大やクロスライトによるジッターの増大という問題を回避した高速記録が行え、同じ光記録媒体に対し、低速では従来の低速記録用のドライブでも記録可能な下位互換性を有しながらより高速の記録が可能な光ディスクシステムが実現できる光記録媒体及び光記録方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 案内溝を有する基板と、該基板上に少なくとも相変化記録層を有する光記録媒体に光を照射し、該光の入射方向から見た案内溝の凸部及び凹部のいずれかに対応した相変化記録層に非晶質からなるマークと、結晶からなるスペースとを記録する光記録方法において、
前記マーク及び前記スペースの時間的長さがnT(ただし、Tは基本クロック周期、nは自然数を表す)で表されるマーク長記録方式により情報を記録するにあたり、
前記スペースの形成は少なくともパワーPeを照射する消去パルスにより行われ、
4T以上の長さのすべての前記マークの形成はパワーPwの加熱パルスとパワーPbの冷却パルス(ただし、Pw>Pb)を交互に照射するマルチパルスにより行われ、
前記Peと前記Pwとが、次式、0.15≦Pe/Pw≦0.4を満たし、かつ前記加熱パルスの長さの和をτwとし、前記冷却パルスの長さの和をτbとすると、次式、0.4≦τw/(τw+τb)≦0.8を満たすことを特徴とする光記録方法である。
<2> 案内溝を有する基板と、該基板上に少なくとも相変化記録層を有する光記録媒体に光を照射し、該光の入射方向から見た案内溝の凸部及び凹部のいずれかに対応した相変化記録層に非晶質からなるマークと、結晶からなるスペースとを記録する光記録方法において、
前記マーク及び前記スペースの時間的長さがnT(ただし、Tは基本クロック周期、nは自然数を表す)で表されるマーク長記録方式により情報を記録するにあたり、
前記スペースの形成は少なくともパワーPeを照射する消去パルスにより行われ、
前記マークの形成は少なくともパワーPw(ただし、Pw>Pe)を照射する加熱パルスにより行われ、前記Peと前記Pwとが、次式、0.15≦Pe/Pw≦0.5を満たすことを特徴とする光記録方法である。
<3> 波長640〜660nmのレーザー光により記録及び再生を行う場合には基準線速の10倍速以上で記録を行い、波長400〜410nmのレーザー光により記録及び再生を行う場合には基準線速の4倍速以上で記録を行う前記<1>から<2>のいずれかに記載の光記録方法である。
<4> 半径方向の隣接したトラック上のマーク間の距離の最小値の平均値が、トラックピッチの1/2より大きくなるように記録する前記<1>から<3>のいずれかに記載の光記録方法である。
<5> 最長マークの変調度Mが、次式、0.35≦M≦0.60を満たすように記録する前記<1>から<4>のいずれかに記載の光記録方法である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の光記録方法に関する情報が予め基板に記録されていることを特徴とする光記録媒体である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、異常再結晶化によるエラーの増大やクロスライトによるジッターの増大という問題を回避した高速記録が行え、同じ光記録媒体に対し、低速では従来の低速記録用のドライブでも記録可能な下位互換性を有しながらより高速の記録が可能な光ディスクシステムが実現できる光記録媒体及び光記録方法を提供することができる。
(光記録媒体及び光記録方法)
本発明の光記録方法は、案内溝を有する基板と、該基板上に少なくとも相変化記録層を有する光記録媒体に光を照射し、該光の入射方向から見た案内溝の凸部及び凹部のいずれかに対応した相変化記録層に非晶質からなるマークと、結晶からなるスペースとを記録し、前記マーク及び前記スペースの時間的長さがnT(ただし、Tは基本クロック周期、nは自然数を表す)で表されるマーク長記録方式により情報を記録するにあたり、
第1形態では、前記スペースの形成は、少なくともパワーPeを照射する消去パルスにより行われ、
4T以上の長さのすべての前記マークの形成は、パワーPwの加熱パルスとパワーPbの冷却パルス(ただし、Pw>Pb)を交互に照射するマルチパルスにより行われ、
前記Peと前記Pwとが、次式、0.15≦Pe/Pw≦0.4を満たし、かつ前記加熱パルスの長さの和をτwとし、前記冷却パルスの長さの和をτbとすると、次式、0.4≦τw/(τw+τb)≦0.8を満たす。
第2形態では、前記スペースの形成は少なくともパワーPeを照射する消去パルスにより行われ、
前記マークの形成は少なくともパワーPw(ただし、Pw>Pe)を照射する加熱パルスにより行われ、前記Peと前記Pwとが、次式、0.15≦Pe/Pw≦0.5を満たす。
本発明の光記録媒体は、本発明の前記光記録方法に関する情報が予め基板に記録されている。
以下、本発明の光記録方法の説明を通じて、本発明の光記録媒体の詳細についても明らかにする。
まず、高速で繰り返し記録が可能な光記録媒体を形成するためには、通常、記録層に結晶化速度の速い相変化材料を用いるか、又は保護層との組み合わせにより結晶化速度を速くする方法が用いられる。結晶化速度が速ければ、高速で非晶質マークの消去ができるため、高速繰り返し記録が可能となるからである。しかし、高速記録に合わせて結晶化速度を速くしてしまうと、上述したような種々の不具合を生じてしまうため、結晶化速度はそれほど速くはできない。また、結晶化速度が不十分な光記録媒体に高速で記録すると、上書きした場合に非晶質マークの消し残りが生じ、再生エラーを生じてしまう。
相変化型光記録媒体の記録層として実用化されている材料としては、大別して、Teを主成分とするものと、Sbを主成分とするものがあり、グルーブのみに記録する光ディスクシステムであるDVD+RW、DVD−RWにはSbを主成分とする記録層が使用されている。このようにSbを主成分とする記録層を用いると、比較的単純な層構成で良好な記録特性が得られ、光再生専用装置との互換性も高いからである。非晶質状態からの結晶化の過程は、Teを主成分とする材料は核形成が支配的であるのに対し、Sbを主成分とする材料は非晶質領域もしくは溶融領域と結晶領域との境界からの結晶成長が支配的であるという特徴を有する。このようにSbを主成分とする記録層は、非晶質マークの大きさが大きければ、全てが結晶化するのに必要な時間が長くなり、小さければ短時間で結晶化が終わる。したがって結晶化速度を種々の弊害が出るほどに速くしなくても、特定の光記録方法を用い、非晶質マークの幅が小さくなるように記録すれば、高速で良好な繰り返し記録特性が得られる。
ここで、DVDの場合には、グルーブとは案内溝を光の入射方向からみて凸になっている部分を意味し、凹になっている部分をランドという。青色のLDを用いた光ディスクシステムの場合には、これに加えて、凹になっている部分をグルーブといい、凸になっている部分をランドという場合もある。いずれにしても、本発明においては、前記グルーブ記録とは、案内溝の凸になっている部分と凹になっている部分の何れか一方にのみ対応する記録層に記録するという意味である。
−結晶化速度と記録線速との関係−
結晶化速度の代用特性として、転移線速という値を用いることができる。ここで、前記転移線速の測定は、通常の記録及び再生特性の評価機であるパルステック工業株式会社製のDDU−1000,ODU−1000等を用いて行うことができる。前記転移線速は、光記録媒体を一定線速で回転させて、記録層が溶融し得る程度のレーザー光を1周に渡って照射した後の、反射率を測定することにより得られる。照射する連続光のパワーを一定とし、回転線速を変えて同じ測定をすると、線速が遅い場合には反射率が高いが、ある線速以上になると反射率が低下し始める。この反射率が低下し始める時の線速を転移線速と称する。この様子を図2に示した。ここでは、線速に対して反射率がほぼ一定の部分と、線速に対して反射率が低下していく部分に直線を引き、これらの交点を転移線速と決めた。転移線速より遅い線速では、記録層は溶融後全て再結晶化した状態であり、転移線速より速くなると溶融後全てが再結晶化できず、一部非晶質として残っていることを示している。前記転移線速は、記録層の結晶化速度の他、照射する連続光のパワーと光記録媒体を形成する各層の厚み、即ち、光学的な条件と熱的な条件によって決まる。
波長650±10nm、NA0.65±0.01のピックアップヘッドを用いて盤面パワー15±1mWの連続光を照射した場合、前記転移線速が21〜30m/sとなるように光記録媒体の記録層組成や層構成を決めると、DVD8倍速(約28m/s)記録に適したものになる。
しかし、同じ光記録媒体に、8倍速までに用いていた光記録方法と同様の光記録方法を用いてDVD10倍速(約35m/s)、DVD12倍速(約42m/s)という、より速い線速で記録すると、記録線速に対して結晶化速度が遅いため、非晶質マークの消し残りが生じ、良好な繰り返し記録特性が得られない。このため、DVD10倍速以上で繰り返し記録を行うためには、転移線速が30m/sを超えるような光記録媒体が必要であると考えられていた。ところが、上述したように、異常再結晶粒の発生やクロスライト等の不具合が顕著になり、単純に転移線速の速い光記録媒体を用いただけでは良好な記録特性が得られなかった。そこで、転移線速が21〜30m/sとDVD8倍速用の光記録媒体と同じものに対して、特定の記録方法を用いて、非晶質マークの幅が小さくなるように記録すると、10倍速以上でも良好な記録特性が得られ、しかも、DVD8倍速記録用の光記録媒体と同じ転移線速であるから、DVD8倍速までは従来と同様の記録ドライブを使用しても記録が可能な下位互換性を有することがわかった。ただし、低速で従来通りマークの幅が大きくなるように記録した部分に、マークの幅を狭くするような記録で上書きすると良好な特性が得られないため、低速で記録する場合にもマーク幅を小さく記録する、あるいは、半径位置により記録可能線速範囲を限定し、その記録線速範囲でのみ記録するなどの注意が必要である。
したがって、本発明の光記録方法においては、波長640〜660nmのレーザー光により記録及び再生を行う場合には基準線速の10倍速以上、特に10〜16倍速で記録を行うことが好ましい。ここで、前記基準線速(1倍速)は、約3.5m/sである。
また、波長405±5nmのLDを用いたより高密度記録が可能な光ディスクシステムであるブルーレイディスクや、HD DVD RWもグルーブのみに記録する方式である。基準線速(1倍速)は、ブルーレイディスクの場合には4.92m/sであり、HD DVD RWの場合には6.61m/sであり、各々1倍速〜2倍速程度までの実用化、もしくは開発がなされている。これらに対しても高速で記録するときに、同様の光記録方法を適用することが有効であり、転移線速を盤面パワー5〜6mWの条件で測定した場合、15〜19m/sの範囲にある光記録媒体に対して4倍速ではマーク幅を小さくするような光記録方法を適用すると、1倍速〜4倍速までの良好な記録特性が得られた。
したがって、本発明の光記録方法においては、波長400〜410nmのレーザー光により記録及び再生を行う場合には基準線速の4倍速以上、特に4〜8倍速で記録を行うことが好ましい。
−マーク幅及び変調度−
非晶質マークの幅は、最長マークの変調度Mを調べることにより推測できる。信号記録方式がEFM+変調の場合、最長信号である14Tスペースの反射率をI14H、14Tマークの反射率をI14Lとすると、(I14H−I14L)/I14Hで表される値である。変調度Mが大きい場合には、マークの幅は大きく、変調度Mが小さい場合にはマークの幅も小さいとみなすことができる。
前記変調度Mの値は、大きい方がROMとの再生互換などの観点からは好ましいとされており、DVD+RWの場合には、4倍速までの記録が可能な光記録媒体は0.60であり、8倍速が記録可能な光記録媒体は0.55以上と規定されている。
本発明においては、前記変調度Mは0.35〜0.60が好ましい。前記変調度Mが0.35未満であると、初回記録時から良好な記録及び再生が行えず、ジッターやエラーが増大してしまいやすくなることがあり、0.60を超えると、消し残りを生じやすいため、初回記録は良好であっても、繰り返し記録時のジッターやエラーが大きくなってしまうことがある。
ここで、8倍速記録が可能な光記録媒体に変調度Mが0.63となるように記録した光記録媒体を透過電子顕微鏡(TEM)で観察すると、図3に示すように、DVD+RWやDVD−RWのようなグルーブのみに記録する光記録媒体の非晶質マークは、グルーブの幅より広くなっていることがわかる。通常、ランド幅とグルーブ幅は1:1程度であるため、トラックピッチをLtp、隣接したトラックの半径方向のマーク間距離をLrmとし、Lrmの平均値をA(Lrm)とすると、次式、A(Lrm)<1/2Ltpの関係となる。これに、DVDの10倍速(約35m/s)以上の高速で上書きを行うと、幅広いマークを結晶化しきれないため、消し残りを生じ、ジッターやエラーの増大を招く。しかし、図4に示すように、A(Lrm)≧1/2Ltpの関係にあるように記録することにより、DVDの10倍速(約35m/s)〜12倍速(約42m/s)といった高速で上書きを行っても、幅が狭いために全てを結晶化することが可能で、良好な繰り返し記録を行うことができる。ただし、図4の場合の変調度は約0.50と小さかった。図4の例の他には、透過電子顕微鏡(TEM)によるマーク幅の確認は行っていないものの、最長マークの変調度Mは0.35〜0.60の範囲になるように記録すると、高速で良好な繰り返し記録特性が得られることがわかった。
このように記録マークの変調度が小さい場合には、エラー率増大の恐れがある。しかし、再生装置の読み取りは、マークの光学的変調度をフォトダイオードなどのディテクタにより電気的に変換処理して行われるため、変調度の電気的なダイナミックレンジが重要である。反射率が低い場合には、変調度が大きくても電気信号の絶対値が低いため、ダイナミックレンジが取れないことに起因するエラー率増大が懸念される。これに対し、変調度が小さい場合であっても、光記録媒体全体の反射率が大きい場合には、信号の絶対値が大きくなることによって、変調度に相当する電気信号のダイナミックレンジを大きくできる。DVDシステムの場合には、最低反射率は2層のROMやDVD+RW、DVD−RWの規格書において18%であるから、電気信号に変換した後のダイナミックレンジは、変調度と反射率の積が一定になるように設定すれば同じ幅が確保される。
したがって、DVDシステムにおいては、0.18×0.60=0.108以上であれば同じダイナミックレンジが得られ、エラー率の増大は抑えることができる。
本発明においては、グルーブの幅より小さいマークで10倍速〜16倍速までの範囲で十分な特性を得るための変調度を0.40〜0.55とした場合には、反射率は27%以上あればよい。また、反射率が低い光記録媒体であっても再生に問題がなければ必ずしもこの関係を満たす必要はない。ただし、あまり反射率が高いと、DVDシステムの性質上、光再生装置が光記録媒体であるか、再生専用の光記録媒体であるか判断がつかないことがあるため、反射率の上限は、書き換え型のDVD媒体では反射率を30%以下にするのが好適である。また、青色のLDを用いた光ディスクシステムの場合には、更に反射率が低くても対応可能になっており、ブルーレイディスクの場合、単層で0.05以上、二層で0.016以上を満たせばよい。
次に、マーク幅が大きくならないように記録する光記録方法について説明する。
相変化材料を記録層に用いた光ディスクの場合には、照射する光ビームの強度変調により、記録層材料を急冷状態と徐冷状態を作ることによって記録を行う。溶融後、急冷状態になると、記録層材料は非晶質となり、徐冷状態になると結晶となる。非晶質と結晶では光学的な物性が異なるため、情報を記録及び再生することができる。即ち、相変化型光記録媒体は基板上の記録層薄膜にレーザー光を照射して記録層を加熱し、記録層構造を結晶と非晶質間で相変化させることによりディスク反射率を変えて情報を繰り返し記録するものである。通常は未記録状態を高反射率の結晶とし、これに低反射率の非晶質からなるマークと高反射率の結晶からなるスペースを形成することにより情報を記録する。
記録はパルス分割され3値以上に強度変調された記録光を光記録媒体に照射することで行う場合が多い。
マークとスペースからなるデータを繰返し記録するための記録信号パターン(記録ストラテジ)の例を図5Aに示す。非晶質からなるマークはパワーPwの加熱パルスとパワーPbの冷却パルス(ただし、Pw>Pb)を交互に照射するマルチパルスによって形成され、結晶からなるスペースはこれらの中間レベルのパワーPeの消去パルスを照射することにより形成される。加熱パルスと冷却パルスが交互に照射されると、記録層は溶融と急冷を繰返し、非晶質マークが形成される。消去パルスが照射されると記録層は溶融後徐冷、或いは、固相状態のままアニールされて結晶化し、スペースが形成される。また、図5Aは、非晶質マークを形成するパルスの周期を1T(ただし、Tは基本クロック周期を表す)とした1T周期ストラテジの例であるが、高速で記録する場合や、結晶化速度の速い光記録媒体に低速で記録する場合などは、パルスの周期を2Tとする2T周期ストラテジが使用されている。
図6には2T周期ストラテジの例を示す。これは特許第3572068号公報に記載されており、書き込み光の強度変調を照射パワーPwの加熱パルスと照射パワーPb(ただし、Pw>Pb)の冷却パルスとをm回交互に照射することで行う光記録方法であって、n=偶数の場合はn=2m、n=奇数の場合はn=2m+1とする例である。このような記録ストラテジを用いることにより、例えば4倍速DVD+RWに用いられてきたような1T周期の記録ストラテジに比較して、DVD10倍速までの記録速度範囲において変調度を大きく取れることが記載されている。
従来のグルーブ記録タイプの相変化ディスクの場合には、より結晶化速度の速い光記録媒体を用いる方法であったため、記録中の再結晶化を防止して、所定の大きさの非晶質マークを形成するために、このような2T周期ストラテジを用い、加熱パルスのパワーをなるべく高く、照射時間を短時間とし、冷却時間を長くとることが有利であるとされていた。しかし、DVDの10倍速以上の高速で記録する場合には、DVD+RWの4倍速程度の記録時に使用されていた1T周期ストラテジを使用したり、2T周期ストラテジを使用した場合でも、冷却時間をあまり長くしないストラテジ、更には冷却パルスを設けないブロックタイプのストラテジを使用することが有効であることが明らかになった。これらのストラテジにより、マーク幅を大きくしない記録が可能だからである。
−1Tストラテジ−
図5Aに示した1T周期の記録ストラテジの例を用いて説明する。このような記録ストラテジは、4倍速までの比較的低速のDVD+RWなどの相変化の光記録媒体に用いられており、1Tごとにパルスが追加されるようなパルス変調方式となっている。4倍速の記録では基本周期のTwは約9.5nsであり、通常のパルスデューティーであるデューティー比0.5程度と見ると、記録層材料を溶融する加熱パルス、即ち、Pwレベルのパルスと、これを冷却し記録マークである非晶質相を形成するための冷却パルスのPbレベルの時定数は4.25nsであり、この場合には、実際のレーザー光の立ち上がり、立下り特性、1.5〜2nsを考慮したとしても、十分な冷却時間が確保される。
しかし、1T周期の記録ストラテジを例えば12倍速DVD+RWに用いた場合には、加熱パルス、冷却パルスの時定数は、デューティー比0.5のときに1.6ns程度しかないために、加熱パルスや冷却パルスが設定値にまで達していないことが、パルス波形の観察から確認される。このときのパルス発光の様子を図5Bに示す。この図5Bから判断すると、1T周期の記録ストラテジをDVD10倍速以上の記録に用いた場合には、Pwレベルが十分に立ち上がらないために、低速での記録に比較して十分な溶融範囲が形成できない。また、冷却パルスが十分に下がりきらないことから、溶融部の結晶成長が低速の場合や、2T周期の記録ストラテジを用いた場合に比較して、再結晶化が進みやすい。その結果として非晶質相の領域を縮小するようにでき、本発明の目的である高速側で良好な消去比を得るため(オーバーライトを可能とするため)、記録マークの広がりを抑えて変調度を小さくすることができる光記録方法が実現できる。
ただし、このとき、4T以上の長さのすべてのマークの各マーク長毎の加熱パルスPwの照射時間の合計をτwとし、冷却パルスPbの照射時間の合計をτbとしたときのτw/(τw+τb)の値は、0.4以上とする。前記τw/(τw+τb)の値が0.4より小さいと、Pwのレベルが充分に立ち上がらない現象が顕著であり、設定パワーを高くしても充分な溶融領域を確保できない。また、τw/(τw+τb)の値は大きすぎても良好なジッターが得られない傾向があり、0.8以下であり、0.7以下が好ましい。前記τw/(τw+τb)の値を0.8より大きく設定するよりは、後述するようにマルチパルスではなく、Pwのみの長いパルスであるブッロクタイプのストラテジを用いて記録したほうがよい。これは、実験結果から言えることであり、理由については不明である。
なお、4Tより短いマーク、即ちDVDの場合は3T、ブルーレイやHD DVDでは2Tと3Tについては、必ずしもτw/(τw+τb)の値を0.4〜0.8の範囲にする必要はない。
また、スペースの形成はPeの照射により行うが、このときのPe/Pwの値は0.15〜0.4である。前記Pe/Pwが0.15より小さいと、記録済みの非晶質マークを消去するのに充分なパワーが得られにくくなることがあり、0.4を超えると理由は明らかではないが、初回記録からジッターが悪くなってしまうことがある。
−2Tストラテジ−
2T周期ストラテジの場合に、4T以上の長さのマークの各マーク長毎の加熱パルスPwの照射時間の合計をτwとし、冷却パルスPbの照射時間の合計をτbとし、τw/(τw+τb)の値を変えたときの記録ストラテジの例と再結晶化領域、及び、非晶質マークの関係を図7A及び図7Bに示した。図7Aがτw/(τw+τb)の値が小さい場合であり、図7Bがτw/(τw+τb)の値が大きい場合である。ピークパワーを調整して溶融領域がほぼ同様になるようにした場合、加熱パルスの割合τw/(τw+τb)が大きい方が再結晶化が進むためマークの幅は小さくなる。従って、高速で幅の小さいマークを記録するためには、冷却パルスはあまり長くしないことが好ましい。前記τw/(τw+τb)の値は0.4より大きくすることが好ましい。同じ線速の場合には、1T周期ストラテジと2T周期ストラテジでは、2T周期ストラテジの方が同じ0.4でも、τwの長さは2倍とすることができるので、Pwは十分なレベルまで立ち上がることができ、溶融領域の確保という意味では0.4より小さくても構わない。そうすると冷却パルスの時間が長くなってしまうことになり、再結晶化が進まずマークの幅を小さくすることができない。また、やはり、前記τw/(τw+τb)の値は、大きすぎても良好なジッターが得られない傾向があり、0.8以下とした方がよい。前記τw/(τw+τb)の値を0.8より大きく設定するよりは、むしろ、後述するようにマルチパルスではなく、Pwのみの長いパルスであるブッロクタイプのストラテジを用いて記録したほうがよい。これは、実験結果から言えることであり、理由については不明である。
なお、4Tより短いマーク、即ち、DVDの場合は3T、ブルーレイやHD DVDでは2Tと3Tについては、必ずしもτw/(τw+τb)の値が0.4〜0.8の範囲にする必要はない。
また、スペースの形成はPeの照射により行うが、このときのPe/Pwの値は0.15〜0.4である。前記Pe/Pwが0.15より小さいと記録済みの非晶質マークを消去するのに充分なパワーが得られにくくなることがあり、0.4より大きいと、理由は明らかではないが、初回記録からジッターが悪くなってしまうことがある。
−ブロックストラテジ−
図8に示すように、マルチパルスではなく、Pwのみの長いパルスを照射してもよい。従来はこのような連続光では、図9Aに示すように涙滴状のマークが形成されてしまうので好ましくないとされていた。このような涙滴状のマークは、再生エラーとなってしまったり、繰り返し記録の際に後端の幅広となっている部分に消し残りが生じてしまうからである。涙滴状のマークとなってしまう原因の一つは、蓄熱効果により後ろに行く程温度が高くなり、溶融領域が涙滴状に広がるためである。もう一つの原因は、連続的に加熱されるために、再結晶化が進んでしまうことである。
しかし、DVDの8倍速以上の高速では蓄熱効果が軽減され、また、光記録媒体の構成を急冷構造とすれば一層軽減されるため、溶融領域が涙滴状に広がりにくいことがわかった。したがってDVDの8倍速以上の記録線速では従来は結晶化速度が遅すぎるとみなされていたような光記録媒体の場合には、再結晶化速度も遅いため、長いパルスであっても図9Bに示すように良好な形状のマークが得られる。
更に、図10〜図13に示すように、Pwからなるブロック状のパルスの先頭や後ろ、あるいは中間にPwよりも高いパワーPhを短時間付加したり、Pwからなるブッロク上のパルスから消去パルスであるPeに移る前に一旦Pbレベルの冷却パルスを設けるなどの記録ストラテジを用いて特性改善を図ってもよい。また、図10〜図12では3TにもPhの短時間付加を行っているが、3Tは短いので、図13に示すように全てを単一のPhレベルのパルスとしてもよい。
また、スペースの形成はPeの照射により行うが、このときのPe/Pwの値は0.15〜0.5である。前記Pe/Pwが0.15より小さいと、記録済みの非晶質マークを消去するのに充分なパワーが得られにくくなることがあり、0.5より大きいと理由は明らかではないが、初回記録からジッターが悪くなってしまうことがある。
<光記録媒体へのプリフォーマット>
記録ストラテジに関するパラメータ、図6の2T周期ストラテジの例でいえば、Td1/T、Toff、Td2、Td3、dT3、Tmp、T3、Toff3の値は光記録媒体に固有のものであるために、光記録媒体に予めプリフォーマットしておくことが好ましい。また、2T周期ストラテジでも、図6とはパラメータの決め方が異なる場合や、1T周期ストラテジやブロックタイプのストラテジの場合も、それらの記録ストラテジに応じたパラメータをプリフォーマットしておくことが好ましい。光記録装置は記録対象となる光記録媒体にプリフォーマットされたこれらのパラメータを動作前に読み取ることで、最適な記録パラメータ(記録ストラテジ)を任意の走査速度vで設定可能となる。また、記録パワーの情報もプリフォーマットしておくと、より最適な記録条件の設定が容易になる。
プリフォーマットは任意の手法を用いることができるが、例えばプリピット法、ウォブルエンコード法、フォーマット法が挙げられる。
前記プリピット法は光記録媒体上の任意の領域にROMピットを用いて記録条件に関する情報をプリフォーマットする手法である。基板成形時にROMピットが形成されるため量産性に優れ、かつ、ROMピットを用いているので、再生信頼性及び情報量の点で有利である。しかし、ROMピットを形成する技術(即ち、ハイブリッド技術)は課題が多く、RW系のプリピットによるプリフォーマット技術は困難とされている。
前記フォーマット法は、光記録装置を用いて通常の記録と同様の手法を用いて情報を記録しておくものである。しかし、この手法は、光記録媒体を製造後、各媒体にフォーマットを施す必要があり、量産性の点から困難である。更に、プリフォーマット情報を書換えることが可能であるため、光記録媒体固有の情報を記録する手法としては適切ではない。
前記ウォブルエンコード法は、CD−RW、DVD+RWで実際に採用されている手法である。この手法は光記録媒体のアドレス情報をグルーブ(光記録媒体上の案内溝)のウォブリングにエンコードする技術を利用している。エンコードの方法としては、CD−RWのATIP(Absolute Time In Pregroove)のように周波数変調を用いても、DVD+RWのADIP(Address In Pregroove)のように位相変調を用いてもよい。ウォブルエンコード法は、光記録媒体の基板成形時にアドレス情報と一緒に基板に作成されるため、生産性に優れると同時に、プリピット法のような特殊なROMピットを形成する必要がないため、基板成形も容易に行えるという利点がある。CD−RWの場合はこれらのパラメータはATIP Extra Informationsとして、プリフォーマットされ、DVD+RWの場合はPhysical Informationとしてプリフォーマットされる。
(光記録媒体)
本発明の光記録方法に使用される光記録媒体の構成例を図14及び図15に示す。図14はDVD+RW、DVD−RW、HD DVD RWの例である。図15はブルーレイディスクの例である。
図14は、案内溝を有する透明基板1上に、光の入射側からみて、少なくとも第1保護層2、記録層3、第2保護層4、及び反射層5がこの順に積層形成されている。DVD、及びHD DVDの場合は、反射層5上に有機保護膜6をスピンコートにより形成し、更に、図示していないが、基板と同じ大きさで通常は同じ材質の板を接着する。
図15は、光の入射側からみて、透明カバー層7、第1保護層2、記録層3、第2保護層4、反射層5、及び案内溝を有する透明基板1がこの順に積層形成されている。
なお、図14及び図15に示した光記録媒体は、記録層が1層のタイプの例であるが、透明中間層を介して記録層を二層有する光記録媒体も用いることができる。この場合、光の入射側からみて手前の層は、奥側の層の記録再生を行うために、半透明である必要がある。
−基板−
基板の材料は、ガラス、セラミックス、樹脂などが挙げられ、これらの中でも、樹脂が成形性、コストの点から好適である。
前記樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂が特に好ましい。
前記基板は準拠する規格に適した大きさ、厚み、溝形状を有するように成形したものを用いる。
ピックアップのサーボ機構により、レーザー光が溝の中心部に照射されるように制御して記録再生を行うが、この制御のためには、案内溝によりビーム走査方向に対して垂直方向に生ずる回折光をモニターし、走査方向の左右の信号レベルをキャンセルするようにして溝の中心に位置決めを行う。この制御に用いられる回折光の信号強度は、ビーム径と溝幅、溝深さの関係により決まり、一般にはプッシュプル信号と呼ばれる信号強度に変換される。この信号強度は溝幅が大きくなるにつれて大きくなるが、記録マーク間のトラックピッチが決まっているため限界がある。
例えば0.74μmのトラックピッチであるDVDの記録システムにおいては、未記録状態でおよそ0.2〜0.6の間がよいとされており、DVD+RW、DVD+R、DVD−RW、DVD−Rなど、それぞれの規格標準書において同様の値が定義されている。この値に対応する溝幅は、本発明に関連するDVD+RWやDVD−RWの書き換え型記録媒体においては、溝の底辺の幅で0.17〜0.30μmが好ましいことが特開2002−237096号公報に記載されているが、高速の光記録媒体に用いる場合には0.20〜0.30μmが好ましい。
青色LDを用いる記録再生システムにおいても、ビーム径との関係で同様の比例関係で溝幅が決められており、何れの場合も、トラックピッチの約半分程度か、それよりも僅かに小さい溝幅が設定される。
この案内溝は、通常は、記録装置が記録の際に周波数をサンプリングするために蛇行溝(ウォブル)となっており、ウォブルの位相を反転したり、周波数をある決められた領域で変更したりして、アドレスや、記録に必要な情報などを入力できるようにしてある。
本発明の光記録方法については、記録に必要なストラテジ情報や記録パワーなどの情報をディスク最内周部(リードイン領域)に入力することによって記録装置がこれを読み取り、最適な記録ストラテジとパワー条件で記録を行うことにより、記録速度に適した記録がなされる。
−第一保護層−
前記第一保護層の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えばSi、Zn、Sn、In、Mg、Al、Ti、Zr等の各酸化物;Si、Ge、Al、Ti、B、Zr等の各窒化物;Zn、Ta等の各硫化物;Si、Ta、B、W、Ti、Zr等の各炭化物;ダイヤモンド状カーボン;或いはこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、モル比が7:3〜8:2近傍のZnSとSiOの混合物が好ましく、特に熱膨張変化、高温乃至室温変化の熱ダメージを伴う記録層と基板の間に位置する第一保護層としては、光学定数、熱膨張係数、弾性率が最適化されている(ZnS)80(SiO20(モル%)が好ましい。また、異なる材料を積層して用いてもよい。
前記第一保護層の厚みは、反射率、変調度や記録感度に大きく影響するので、下部保護層の厚みに対して、ディスク反射率が極小値となる厚みとすると記録感度が増大し、好ましい。DVDの記録再生波長において良好な信号特性を得るためには、第一保護層に(ZnS)80(SiO20(モル%)を用いた場合には40〜80nmが好ましく、Blu−ray Discでは、20〜50nm、HD DVDでは、30〜60nmが好ましい。前記第一保護層の厚みがこれらの範囲より薄いと、基板への熱ダメージが大きくなり、溝形状の変化が起こることがあり、厚いと、ディスク反射率が高くなり、感度が低下することがある。
−相変化記録層−
前記記録層材料は、Sbを主成分とし、非晶質化を促進するような元素を添加したSb−In系、Sb−Ga系、Sb−Te系、Sb−Sn−Ge系等を母相とした材料を用いる。ここで、主成分とは、50原子%以上であることを意味する。また、種々の特性を向上させる目的でこれらの母相に更に他の元素を添加して用いる。
前記Sb−In系は下記の組成範囲で用いることが好ましい。
(Sb1−xIn1−y
ただし、0.15≦x≦0.27、0.0≦y≦0.2であり、MはSb及びIn以外の1種以上の元素を表す。
Sb−In2元系のみでも良好な繰り返し記録特性が得られ、結晶化温度も170℃前後と高く、非晶質の保存安定性にも優れている。これに、更なる保存安定性の向上や繰り返し記録耐久性の向上、初期化容易性の向上等の目的で元素Mを添加したほうがよい。前記元素Mとしては、例えばAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ge、Ga、Se、Te、Zr、Mo、Ag、希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素を添加してもよい。また、これらの元素の添加は結晶化速度の低下を招く場合が多いので、結晶化速度の向上等の目的で、更に、Sn又はBiを添加してもよい。繰り返し記録特性を損ねないためにはMの添加量は合計で20原子%以下とすることが好ましい。
前記Sb−Ga系は下記の組成範囲で用いることが好ましい。
(Sb1−xGa1−y
ただし、0.05≦x≦0.2、0.0≦y≦0.3であり、MはGa及びSb以外の1種以上の元素を表す。
Sb−Ga2元系のみでも良好な繰り返し記録特性が得られ、結晶化温度も180℃前後と高く、非晶質の保存安定性にも優れた材料である。ただし、結晶化速度を速くしようとしてSbの割合を増やしていくと、初期化後の反射率が均一ではない等の問題を有するため、高速記録用には初期化の反射率ムラを改善するような元素Mを添加したほうがよい。前記元素Mとしては、例えばAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Se、Zr、Mo、Ag、In、Sn、Bi、希土類元素などが挙げられる。また、このような元素Mを添加することにより今度は結晶相の安定性が損なわれ、室温、あるいは高温保存後に反射率が低下し、保存前の条件とは同一の条件で記録ができなくなってしまうという問題を生じるため、更に、Ge、Te等を添加してもよい。繰り返し記録特性を損ねないためにはMの添加量は合計で30原子%以下とすることが好ましい。
前記Sb−Te系は下記の組成範囲で用いると良好な繰り返し記録特性を持つことから好ましい。
(Sb1−xTe1−y
ただし、0.2≦x≦0.4、0.03≦y≦0.2であり、MはSb及びTe以外の1種以上の元素を表す。
Sb−Te2元系のみでも良好な繰り返し記録特性が得られるのであるが、2元系の結晶化温度は120℃前後と低いため、高温保存により記録マークが結晶化してしまうという問題があるため、結晶化温度を高くし、非晶質の安定性を高めるような元素Mの添加は必須である。非晶質の安定性を高くするような元素Mとしては、例えばAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Zr、Mo、Ag、In、希土類元素などが挙げられる。また、一般的にこれらの元素を添加した場合には、結晶化速度が低下してしまう傾向があるため、結晶化速度を向上させる目的で、更にSn、Biなどを添加してもよい。添加量は合計で3原子%以上としないと効果的ではなく、繰り返し記録特性を損ねないためには20原子%以下とすることが好ましい。
前記Sb−Sn−Ge系は下記の組成範囲で用いると良好な繰り返し記録特性を持つことから好ましい。
(Sb1−x−ySnGe1−z
ただし、0.1≦x≦0.25、0.03≦y≦0.30、0.00≦z≦0.15であり、MはSb、Sn、及びGe以外の1種以上の元素を表す。
Sb−Sn−Ge3元系のみでも良好な記録特性が得られるが、更に1種以上の元素を添加すると、ジッターが低下する。有効な元素としては、例えばAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Te,Zr、Mo、Ag、In、希土類元素などが挙げられる。ただし、添加量が多すぎると逆にジッターが悪化してくるため、多くとも合計で15原子%以下が好ましい。
前記記録層の厚みは6nm以上が好ましい。前記厚みがこれより薄くなると、結晶化速度や変調度が極端に低下してしまい、良好な記録が困難となることがある。また、前記厚みの上限は1層タイプ、もしくは2層タイプの奥側の層では30nm以下が好ましく、22nm以下がより好ましい。2層タイプの手前側の層では10nm以下が好ましく、8nm以下がより好ましい。これより厚くすると、記録感度の低下や繰り返し記録耐久性が劣化してしまうし、2層タイプの手前側の層の場合、透過光の確保が難しくなり、奥側の層の記録再生が困難となってしまう。
−第二保護層−
前記第二保護層の材料としては、前記第一保護層と同様のものを目的に応じて使用することができ、例えばSi、Zn、Sn、In、Mg、Al、Ti、Zr等の各酸化物;Si、Ge、Al、Ti、B、Zr等の各窒化物;Zn、Ta等の各硫化物;Si、Ta、B、W、Ti、Zr等の各炭化物;ダイヤモンド状カーボン;或いはこれらの混合物が挙げられる。前記第二保護層も反射率、変調度に影響するが、記録感度への影響が最も大きく、適切な熱伝導率を有するものを用いることが重要である。モル比が7:3〜8:2近傍のZnSとSiOの混合物は、熱伝導率が小さく、反射層への放熱速度を小さくするため、記録感度がよい。高速記録の場合には、熱伝導率の大きい材料を選ぶ場合もある。このような熱伝導率の大きい材料としては、透明導電膜として知られるIn、ZnO、SnOを主成分としたものやそれらの混合物、あるいは、TiO、Al、ZrOを主成分としたものやそれらの混合物などを用いることができる。更に、異なる材料を積層して用いてもよい。
前記第二保護層の厚みは、4〜50nmが好ましく、6〜20nmがより好ましい。前記厚みが4nm未満であると、記録層の光吸収率が低下し、記録層で発生した熱が反射層へ拡散されやすくなるため、記録感度が大幅に低下してしまうことがあり、50nmより厚くなると、クラックが発生しやすくなることがある。
−反射層−
前記反射層の材料としては、例えばAl、Au、Ag、Cu等の金属、又はそれらを主成分とする合金が好ましい。合金化する際の添加元素としては、例えばBi、In、Cr、Ti、Si、Cu、Ag、Pd、Taなどが挙げられる。
前記反射層は、記録再生時の光を反射して、光の利用効率を高めると共に、記録時に発生した熱を逃がす放熱層の役割も担う。一層の光記録媒体の場合、あるいは、二層の光記録媒体の光の入射側からみて奥側の記録層へ記録する場合の反射層は、光の利用効率と冷却速度の確保の観点から、70nm以上の厚みとすることが好ましい。しかし、光の利用効率、及び冷却速度はある程度の厚み以上は飽和してしまい、また、厚すぎると膜応力により基板の反りを生じたり、膜剥がれを起こす場合もあるので、300nm以下とすることが好ましい。
二層の光記録媒体の光の入射側からみて手前側の層の反射層は、光を透過する必要があることからあまり厚くすることはできず、5〜15nmが好ましい。しかし、これでは、放熱特性が悪いため、良好な記録ができない場合があるため、以下に説明する放熱層を用いる。
−放熱層−
前記放熱層は、二層の光記録媒体の光の入射側からみて手前の層へ記録する場合の放熱性を確保と反射率の調整のために反射層と中間層の間に設けられる。透過率が高く、熱伝導率が大きいことが好ましく、透明導電膜として知られるIn、ZnO、SnOを主成分としたものやそれらの混合物、あるいは、TiO、Al、ZrOを主成分としたものやそれらの混合物などを用いることができる。記録層の組成によってはそれ程放熱性を必要としない場合もあるので、その場合には、保護膜としてよく用いられるZnSとSiOとの混合物を用いてもよい。
前記放熱層の厚みは10〜150nmが好ましく、20〜80nmがより好ましい。前記厚みが10nm未満であると、放熱層や光学調整層としての機能に不足することがあり、150nmを超えると、膜応力により基板の反りを生じてしまったり、膜剥がれを起こす恐れもあるためである。
−硫化防止層−
前記反射層としてAg又は、Ag合金を用い、第二保護層としてZnSとSiOの混合物のようにSを含む膜を用いる場合には、保存中の反射層の硫化による欠陥の発生を防止するため、第二保護層と反射層の間に硫化防止層を設ける。
前記硫化防止層としては、例えばSi、SiC、TiC、TiO、TiCとTiOの混合物等が挙げられる。前記硫化防止層の厚みは、1nm以上としないと均一な膜が形成されないため、硫化防止の機能が損なわれてしまう。前記硫化防止層の厚みは、2nm以上が好ましい。該厚みの上限は光記録媒体の光学特性や熱特性のバランスをみながら決められるが、通常、10nm以下とした方がそのバランスがよく、良好な繰り返し記録特性を得られることが多い。
−中間層−
前記中間層は、2層の光記録媒体の各層を分離するための層であり、DVDやHD DVDは厚み50μm、ブルーレイディスクでは厚み25μmの透明樹脂層で形成される。
−カバー層−
ブルーレイディスクの場合には、光が入射、透過する層で、一層の光記録媒体の場合には、厚み100μmの透明樹脂層で形成され、二層の光記録媒体の場合には厚み75μmの透明樹脂層で形成される。
以上説明したような各層を基板上に順次スパッタにより形成し、有機保護膜の形成や貼り合せ、或いは、カバー層の形成を行った後、初期化工程を経て光記録媒体として使用される。
前記初期化は1×(数10〜数100)μm程度に成形された1〜2W程度のレーザー光を走査しながら照射して、成膜直後は非晶質状態である記録層を結晶化する工程である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。下記の実施例では、良好な記録特性が得られた指標としてジッターσ/Twの値を用いているが、DVD+RWの規格値は9%以下、ブルーレイディスクの規格値は6.5%以下となっており、この規格を満たした場合、あるいは、これに近い値が得られた場合、良好な記録特性が得られたとみなしている。
(実施例1〜9及び比較例1〜6)
直径12cm、厚み0.6mm、トラックピッチ0.74μmのグルーブ付きポリカーボネート樹脂製ディスク基板を高温で脱水処理した後、その上に、スパッタ法で第1保護層、記録層、第2保護層、硫化防止層、及び反射層を順次成膜して、相変化型光記録媒体を作製した。
スパッタ装置(ユナクシス社製、DVD Sprinter)により、基板上にモル比が8:2のZnS−SiOターゲットを用いて厚み65nmの第1保護層を成膜し、その上に、表1に示す組成(組成比は原子比)の合金ターゲットを用いて、アルゴンガス圧3×10−3torr、RFパワー300mWのスパッタ条件で厚み16nmの記録層を成膜し、その上に、第1保護層と同様に、ZnS−SiOターゲットを用いて厚み10nmの第2保護層、質量比が7:3のTiCとTiOからなる硫化防止層、厚み200nmのAg反射層を積層した。次いで、反射層上にアクリル系紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、SD318)をスピンコート法で厚み5〜10μmとなるように塗布し、紫外線硬化させて有機保護層を形成した。次に、有機保護層上に、前記基板と同一の直径12cm、厚み0.6mmのポリカーボネート樹脂製の貼合せ用基板を貼り合わせて、実施例1〜9及び比較例1〜6の相変化型光記録媒体を作製した。
次いで、各光記録媒体を大口径LDにより初期結晶化した。
得られた各光記録媒体について、記録速度を18m/s(約5.15倍速)と10倍速(約35m/s)で、EFM+変調方式を用いた記録を行った。記録及び再生は、波長659nm、レンズNA0.65のピックアップヘッドを有するDVD評価装置(パルステック工業株式会社製、DDU−1000)を使用し、DVDシステムの記録再生方法に準拠して実施した。
18m/s記録では、2T周期ストラテジ、10x記録では1T、2T、ブッロクの3種類の記録ストラテジを用いた。
2T周期ストラテジは、図6に示す記録ストラテジを適用して行った。具体的には、パルス幅Tmp、T3はそれぞれ低速側では0.55T、0.725T、高速側では0.625T、0.8125T(ただし、Tは基本クロック周期を表す)とし、ジッター値が最低となるように、パルスディレイ量dT3、Td1、Td2、Td3とオフパルス幅Toff3、Toffをそれぞれの光記録媒体について最適化し決定した。4T以上のマークを形成するときの、τw/(τw+τb)の値は0.35以下となるようにした。記録パワーについては、Pbは0.1mWに固定し、Pw、Peはそれぞれの光記録媒体でジッターが最小となるように決定した。
1Tストラテジは、図5Aに示すような、各マーク長をnとした時にパルス数が(n−1)のものを使用して高速側にのみ適用した。設定値としては先頭の加熱パルス幅を0.7Tとし、それ以外はパルス幅を全て同じ0.5Tの幅とし、最終のオフパルスをジッターが最小となるように、それぞれの光記録媒体に最適化して用いた。その結果、τw/(τw+τb)の値は全て0.5〜0.8であった。記録パワーについては、Pbは0.1mWに固定し、Pw、及びPeは、それぞれの光記録媒体でジッターが最小となるように決定した。
ブロックタイプのストラテジは図8に示すようにした。3Tマークに用いるパターンは単純パルスであり、4T〜14Tマークに用いるパターンは凹状である。3Tマークのパルス幅は2Tとし、4T以上のマークを記録するパターンでは、Ttop、Tlpをそれぞれ1.2T、0.8Tとし、全体の幅は、各マーク長をnとした時に〔(3Tパルス長)+(n−3)〕となるように設定した。パワーの設定は、Peを5mWとし、記録マークの幅(変調度で評価)が飽和するか又は飽和値の0.9以上となるようにPwの条件を決めた後、ジッター値が最小となるようにPhを最適化し、更にPeを最適化して決定した。図8中に点線で示したパワーレベルPbのオフパルスを用いてもよいが、今回のテストでは用いていない。
再生は、速度3.5m/s、再生パワー0.7mWとし、各マークエッジ部の揺らぎの標準偏差σを基準ウィンドウ幅Twで規格化したジッター値(σ/Tw)と変調度〔(記録マーク部の最高反射率−記録マーク部の最低反射率)/記録マーク部の最高反射率〕と消去部の反射率を評価した。結果を表1に示す。
表1の結果から、18m/s記録では、2T周期ストラテジの4T以上のマークを形成するときの、τw/(τw+τb)の値は0.35以下であるにもかかわらず、実施例7を除いてはジッターが全て8%以下と良好であった。実施例7は異常再結晶の発生が多く、ジッターが低くならなかった。10倍速記録の場合は、τw/(τw+τb)の値が0.5〜0.8である1T周期ストラテジ、及び、ブロックストラテジを用いた場合には変調度は0.60より小さくなり、ジッターも10%以下とすることができた。実施例7の場合も、高速で記録する場合には異常再結晶の発生条件が作られにくくなるため、ジッターは10%にすることができている。
これに対し、比較例1〜6に示したように、τw/(τw+τb)の値が0.35以下である2T周期ストラテジを用いて記録した場合、変調度は0.60より大きくなってしまい、ジッターを10%以下に調整することはできなかった。
(実施例10)
実施例1〜4で作製した相変化型光記録媒体に対し、高速側の記録を、記録速度12倍速(約42m/秒)で図5Aに示すような1T周期ストラテジを用いて行い、記録マークの幅をモニターした。なお、1T周期ストラテジのパターン及び再生条件は実施例1と同様の設定とした。
その結果、記録パワーが30mW以上になると、変調度が0.45を超えるようになり、記録マークの幅は、0.28μmのグルーブ幅の約0.75となった。このときの反射率は0.25でR×Mは0.11を超えていた。ジッターは10%であった。
ここから記録パワー上昇していくと、36mWのときにジッターが9.3%、反射率が0.25でR×Mは0.14となった。このときの記録マークの幅はグルーブ幅の約0.9であった。
更にパワーを上げてみたところ、記録パワーが39mWのときにマーク幅はグルーブ幅とほぼ同等か僅かに小さくなり、これ以上パワーを上げても、マークは広がらなかった。このときの変調度は0.59であり、ジッターは9.8%となった。
(実施例11)
実施例1において、記録層及び第1保護層の厚みを調整して反射率が18%、22%、24%、30%となるようにした以外は、実施例1と同様にして、相変化型光記録媒体を作製し、前述した2T周期ストラテジを用い、記録速度6倍速とし、記録パワーを変えて変調度を調整し、再生時のエラー率を評価した。結果を図16に示す。
図16の結果から、記録パワーを低くしていくと、変調度は小さくなる。図16中の縦の点線は、反射率が約18%、22%、24%、30%の場合の、R×M=0.11となる変調度(0.6.0.5、約0.46.約0.37)を示す。
また、図16の結果から、R×Mが0.11近辺を境に急激にエラー率が増加することが分る。変調度が小さい条件では、0.11となる変調度より大きい変調度からエラー率は上昇し始めるが、R×M=0.11となる変調度において、何れの反射率の場合も、横方向の実線Aで示したDVDの訂正能力レベルよりも低いエラー率が得られる。
したがって、変調度Mが小さい場合であっても反射率が高ければ、通常の使用には耐えられる記録システムが実現できるものと考える。
(実施例12〜18及び比較例7〜13)
直径12cm、厚み0.6mm、トラックピッチ0.74μmの案内溝付きポリカーボネートディスク基板上にスパッタ装置(ユナクシス社製、DVD Sprinter)にて、第一保護層としてモル比が8:2のZnSとSiOからなる層を厚み60nm成膜し、その上に、表2に示すように記録層をIn20Sb80、Ge、Zn、Teのマルチソースを用いて所定の組成になるように電力を制御しながらコスパッタにより厚み14nmに形成した。更に、第二保護層としてモル比が8:2のZnSとSiOからなる層を厚み6nm、硫化防止層として質量比が7:3のTiCとTiOからなる層を厚み4nm、反射層としてAgを厚み200nmに順次スパッタにより形成し、有機保護膜(大日本インキ化学工業株式会社製、SD318)をスピンコート法によりオーバーコートしたのち、厚み0.6mmのポリカーボネートディスクを貼り合せた。以上により、実施例12〜18及び比較例7〜13の各相変化型光記録媒体を作製した。
次いで、得られた各光記録媒体を大口径LDにより初期結晶化した。
得られた各光記録媒体に対して、波長660nm、NA=0.65のピックアップヘッドを有するDVD評価装置(パルステック工業株式会社製、DDU−1000)を用いて転移線速や記録特性を評価した。結果を表2に示す。なお、各光記録媒体は記録層の添加元素の種類や量によって転移線速が異なる。転移線速は盤面パワー15mWで測定した値である。記録は、EFM+変調方式による3T〜14TのランダムパターンをDVD8倍速(約28m/s)、10倍速(約35m/s)、12倍速(約42m/s)の各線速で同一トラックに繰り返し10回行った。
表2には、このときのジッターσ/Twを10%以下にすることができた場合は○、10%以下にすることができなかった場合は×で示した。
8倍速の記録は全て変調度Mが0.60より大きくなるような条件で記録し、10倍速、12倍速では変調度Mが0.60より大きいときと、0.60以下になるような条件で記録したときに分けて評価した。
8〜12倍速でM>0.60となるような条件の記録では全て2T周期ストラテジを用い、マルチパルスの加熱パルスの幅を0.6T、冷却パルスの幅は1.4Tとし、先頭パルスと最終パルスの位置と幅、及び、パワーを最適化して記録した。4T以上のマークを形成するときの、τw/(τw+τb)の値は0.35以下であった。
10倍速及び12倍速でM≦0.60となるような記録では1T周期ストラテジを用い、マルチパルスの加熱パルスの幅を0.55T、冷却パルスの幅を0.45Tとし、先頭パルスと最終パルスの位置と幅、及び、パワーを最適化して記録した。4T以上のマークを形成するときの、τw/(τw+τb)の値は0.5〜0.8であった。また、全ての記録条件において、最適化されたパワーのPe/Pwの値は、0.23〜0.33の範囲内であった。
表2の結果から、各光記録媒体の反射率Rの値と、10倍速、又は12倍速で変調度Mが0.60以下となるような記録でジッターが10%以下の記録ができた時の反射率Mとの積をR×Mとして示した。変調度Mはいずれも0.4以上であった。
いずれの場合も転移線速より5〜18m/s速い線速で繰り返し記録を行うと、M>0.60となる条件ではジッターが悪く良好な記録ができなかったが、M≦0.60となる条件で記録を行うことにより良好な繰り返し記録特性を得ることができた。特に、実施例14、実施例15及び実施例16は8倍速では、8倍速光記録用媒体に記録する条件と同様の条件で繰り返し記録が可能であり、更に、10倍速、12倍速といった高速でもM≦0.60となる条件で記録を行うことにより良好な繰り返し記録特性が得られている。
また、実施例15で使用した光記録媒体を用いて変調度Mが0.4より小さくなるように記録方法を最適化して良好な記録特性が得られるか調べたが、得られた最も良好な繰り返し記録10回後の記録特性は変調度0.38のときジッターは12.8%であった。
これに対し、比較例7〜13は、8倍速、10倍速、12倍速のM>0.60については、0.35以下であるため、ジッターσ/Twが10%を超えるものである。
(実施例19)
実施例15の光記録媒体を用いて1T周期、及び、2T周期の加熱パルスの幅を変えて12倍速で記録を行った。加熱パルスの長さの和をτwとし、冷却パルスの長さの和をτbとしたときのτw/(τw+τb)と繰り返し記録10回後のジッターσ/Twの関係を図17に示す。パワーを調整することにより変調度は全て0.60より小さくなるようにし、かつ、ジッターが低くなるように先頭パルス、及び、最終パルスの長さや位置を最適化して得られた値である。τw/(τw+τb)を0.4〜0.8とすることにより、1T周期でも2T周期でもジッターは約10%以下とすることができた。
(実施例20)
実施例15の光記録媒体を用いて長パルスで12倍速記録を行った。パルス波形は図11に示したようなパターンを用い、先頭と後端に付加したPhはどちらも、Pw+5mW、長さは0.5T、冷却パルスは0.2mW、長さは0.5Tとし、Pwのパルス長と位置、パワーを最適化した。Pw=19mW、Pe=8.6mWとしたとき、最も良好な記録特性が得られ、このときの繰り返し記録10回後のジッターは9.2%、変調度は0.48であった。
(実施例21)
実施例12〜18の光記録媒体を用いて、8倍速、10倍速、12倍速で最適なPe/Pwの範囲を調べた。8倍速、10倍速は2T周期ストラテジ、12倍速は2T周期ストラテジと図11に示したブロックストラテジの2種類のストラテジを用いた。
図18に繰り返し記録10回後に最も低い値が得られたときのジッターの値を示す。Pe/Pwが0.15より小さくなると、どの記録線速においても急激にジッターが上昇しており、良好な繰り返し記録ができなかった。初回記録を調べるとジッターは良好である場合が多く、Peが小さいために、繰り返し記録時に非晶質マークの消し残りを生じてしまい、ジッターが悪くなってしまっていると考えられる。また、2T周期ストラテジの場合には、0.40、ブロックストラテジの場合には0.50より大きくなるとジッターが急激に上昇してしまった。これらは初回記録でもジッターが悪かった。
(実施例22)
実施例12〜18において、記録層の組成をGaSb67Sn20Geに変えた以外は、実施例12〜18と同じ光記録媒体を作製した。
得られた光記録媒体に、1T周期ストラテジを用いて12倍速で記録を行った。このとき、Pw=32mW,Pe=8mW、τw/(τw+τb)の値は、0.5以上であった。反射率は0.305、転移線速は30m/sで、8倍速では繰り返し記録10回後で変調度0.6以上、ジッター9%以下の良好な記録特性が得られている。12倍速で記録条件を最適化して得られた繰り返し記録10回後の最も良好な記録特性は、ジッター9.5%、変調度0.54であった。
(実施例23)
実施例12〜18において、記録層の組成をTe19Sb74GeInに変えた以外は、実施例12〜18と同じ光記録媒体を作製した。
得られた光記録媒体に、1T周期ストラテジを用いて8倍速で記録を行った。反射率は0.21、転移線速は14m/sであった。8倍速(約28m/s)で記録条件を最適化して得られた繰り返し記録10回後の最も良好な記録特性は、Pw=28mW、Pe=7mW、τw/(τw+τb)の値が0.5〜0.8のとき、ジッター9.9%、変調度0.45であった。
(実施例24及び比較例14〜15)
直径12cm、厚み1.1mm、トラックピッチ0.32μmの案内溝付きポリカーボネートディスク基板上に、スパッタ装置(ユナクシス社製、DVD Sprinter)にて、反射層としてAg−0.5質量%Biを厚み140nm、第二保護層4としてZnO−3質量%Alを厚み8nm、記録層3をIn20Sb80、Ge、Zn、Teのマルチソースを用いて所定の組成になるように電力を制御しながらコスパッタにより厚み11nmに形成した。更に、第一保護層2としてモル比が8:2のZnSとSiOからなる層を厚み33nmに成膜し、紫外線硬化樹脂からなる接着材をスピンコート法により塗布し、厚み0.75μmのポリカーボネートフィルム(帝人株式会社製)を貼り合せてカバー層を形成した。以上により、相変化型光記録媒体を作製した。
次いで、得られた光記録媒体を大口径LDにより初期結晶化した。
得られた各光記録媒体について、波長405nm、NA=0.85のピックアップヘッドを有するブルーレイディスク評価装置(パルステック工業株式会社製、ODU−1000)を用いて転移線速及び記録特性を評価した。5mWの連続光で測定した転移線速は17m/sであった。
記録は2T周期ストラテジを用い、17PP変調方式、基準線速(1倍速)4.92m/s、最小マーク長0.149μmの、25GBの記録容量に相当する密度で行った。2T〜8Tのランダムパターンを連続した3トラックに10回ずつ繰り返し記録を行い、真中のトラックを1倍速で再生し、変調度、及び、リミットエコライズ後のジッターを評価した。
記録条件を表3に示す。Pbは全て0.1mWとした。τw/(τw+τb)の値は、4T〜8Tのマークを記録するときの条件である。2T、3Tマークは、実施例の場合、Pwの単一パルスでPeに移行する前に冷却を設けずに記録し、比較例15の場合はPwの単一パルスであるが、Peに移行する前に一旦Pbまでパワーを落とす冷却パルスを設けた。図19及び図20にジッターと変調度との関係を示す。
表3及び図19及び図20の結果から、実施例24では4倍速(19.68m/s)で良好な記録ができているのに対し、比較例14の光記録方法では、ジッターが小さくならず、変調度も大きくなってしまっている。ただし、比較例15のように2倍速(9.84m/s)で記録した場合には、τw/(τw+τb)の値は比較例14と同じであっても良好な記録ができている。なお、比較例14及び比較例15では、4T〜8Tのうち5Tの記録条件のみτw/(τw+τb)の値が0.42であり、それ以外のすべての記録条件ではτw/(τw+τb)の値は0.4より小さかった。
(実施例25及び比較例16)
記録層をGe13Sb67.5Sn15Mn4.5の合金ターゲットを用いて厚み11nmとし、第二保護層を(ZrO−3mol%Y)−20mol%TiOのターゲットを用いて厚み8nmとした以外は、実施例23と同様にして光記録媒体を作製し、評価も同様の方式で行った。4倍速での記録条件(2Tストラテジ)と繰り返し記録10回後のジッターと変調度を表4に示す。
表4の結果から、τw/(τw+τb)の値が大きい実施例25に比較して、比較例16のようにτw/(τw+τb)の値が小さいとジッターは1%弱上昇してしまっていることがわかる。なお、比較例16では、4T〜8Tのうち5Tの記録条件のみτw/(τw+τb)の値が0.42であり、それ以外のすべての記録条件ではτw/(τw+τb)の値は0.4より小さかった。
本発明の光記録媒体及び光記録方法は、例えば、DVD+RW、DVD−RW、BD−RE、HD DVD RW等の相変化記録層を有する高密度記録可能な光記録媒体などに好適に用いられる。
図1Aは、記録マーク中に異常結晶成長部分が発生して再生信号に歪みを生じさせ、エラーを増大させる状態を説明する模式図である。 図1Bは、マークA〜Cの再生信号を示す図である。 図1Cは、マークA〜Cの2値化後の信号を表す図である。 図2は、転移線速を説明する図である。 図3は、8倍速記録が可能な光記録媒体に変調度Mが0.63となるように記録した光記録媒体のTEM写真である。 図4は、A(Lrm)≧1/2Ltpの関係になるように記録した光記録媒体のTEM写真である。 図5Aは、マークとスペースからなるデータを繰返し記録するための1T周期ストラテジの例を示す図である。 図5Bは、図5Aのパルス発光の様子を示す図である。 図6は、2T周期記録ストラテジの一例を示す図である。 図7Aは、2T周期ストラテジの場合に、4T以上のマークの各マーク長毎の加熱パルスPwの照射時間の合計をτwとし、冷却パルスPbの照射時間の合計をτbとし、τw/(τw+τb)の値を変えたときの記録ストラテジの例と再結晶化領域、及び、非晶質マークの関係を示し、τw/(τw+τb)の値が小さい場合の図である。 図7Bは、τw/(τw+τb)の値が大きい場合を示す図である。 図8は、ブロックタイプの記録ストラテジの一例を示す図である。 図9Aは、図8の記録ストラテジで記録した場合の再結晶化領域と非晶質マークの関係を示し、涙滴状のマークが形成された状態を示す模式図である。 図9Bは、図8の記録ストラテジで記録した場合の再結晶化領域と非晶質マークの関係を示し、長いパルスであっても良好な形状のマークが得られた状態を示す模式図である。 図10は、本発明のブロックタイプの記録ストラテジの一例を示す図である。 図11は、本発明のブロックタイプの記録ストラテジの他の一例を示す図である。 図12は、本発明のブロックタイプの記録ストラテジの更に他の一例を示す図である。 図13は、本発明のブロックタイプの記録ストラテジの更に他の一例を示す図である。 図14は、本発明の光記録媒体の一例を示し、DVD+RW、DVD−RW、HD DVD RWの例を示す概略図である。 図15は、本発明の光記録媒体の一例を示し、ブルーレイディスクの例を示す概略図である。 図16は、2T周期ストラテジを用い、記録速度6倍速とし、記録パワーを変えて変調度を調整し、再生時のエラー率を評価した結果を示す図である。 図17は、実施例19の加熱パルスの長さの和をτwとし、冷却パルスの長さの和をτbとしたときのτw/(τw+τb)と繰り返し記録10回後のジッターσ/Twの関係を示す図である。 図18は、実施例21の繰り返し記録10回後に最も低い値が得られたときのジッターの値を示す図である。 図19は、実施例24及び比較例14〜15におけるジッターと変調度との関係を示す図である。 図20は、実施例24及び比較例14〜15におけるジッターと変調度との関係を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 第1保護層
3 記録層
4 第2保護層
5 反射層
6 有機保護膜
7 カバー層
Tw 基本となるウィンドウ幅
dT3 3Tマークを記録するパターンの先頭パルスディレイ量
T3 3Tマークを記録するパターンのパルス幅
Toff3 3Tマークを記録するパターンのオフパルス幅
Toff 3Tマーク以外のマークを記録するパターンのオフパルス幅
Tmp 3Tマーク以外のマークを記録するパターンのマルチパルス部のピークパルス幅
Td1 奇数Tマークを記録するパターンの先頭パルスディレイ量
Td2 奇数Tマークを記録するパターンのマルチパルス部のパルスディレイ量
Td3 奇数Tマークを記録するパターンのラストパルスディレイ量
T 基本となるウィンドウ幅
Pp ピークパワー
Pe 消去パワー
Pb バイアスパワー
Ttop 先頭パルスの幅
Tlp 最終パルスの幅
A 正常マーク
B 異常結晶化領域を有するマーク
C 正常マーク
t 2値化後の信号の時間幅(この場合は3Tマークと3Tスペースの交互パターンを記録した際に、異常マーク部では、この信号の時間幅が3Tマークの時間幅より短く計測されエラーとなることを模式的に示すものである)

Claims (6)

  1. 案内溝を有する基板と、該基板上に少なくとも相変化記録層を有する光記録媒体に光を照射し、該光の入射方向から見た案内溝の凸部及び凹部のいずれかに対応した相変化記録層に非晶質からなるマークと、結晶からなるスペースとを記録する光記録方法において、
    前記マーク及び前記スペースの時間的長さがnT(ただし、Tは基本クロック周期、nは自然数を表す)で表されるマーク長記録方式により情報を記録するにあたり、
    前記スペースの形成は少なくともパワーPeを照射する消去パルスにより行われ、
    4T以上の長さのすべての前記マークの形成はパワーPwの加熱パルスとパワーPbの冷却パルス(ただし、Pw>Pb)を交互に照射するマルチパルスにより行われ、
    前記Peと前記Pwとが、次式、0.15≦Pe/Pw≦0.4を満たし、かつ前記加熱パルスの長さの和をτwとし、前記冷却パルスの長さの和をτbとすると、次式、0.4≦τw/(τw+τb)≦0.8を満たすことを特徴とする光記録方法。
  2. 案内溝を有する基板と、該基板上に少なくとも相変化記録層を有する光記録媒体に光を照射し、該光の入射方向から見た案内溝の凸部及び凹部のいずれかに対応した相変化記録層に非晶質からなるマークと、結晶からなるスペースとを記録する光記録方法において、
    前記マーク及び前記スペースの時間的長さがnT(ただし、Tは基本クロック周期、nは自然数を表す)で表されるマーク長記録方式により情報を記録するにあたり、
    前記スペースの形成は少なくともパワーPeを照射する消去パルスにより行われ、
    前記マークの形成は少なくともパワーPw(ただし、Pw>Pe)を照射する加熱パルスにより行われ、前記Peと前記Pwとが、次式、0.15≦Pe/Pw≦0.5を満たすことを特徴とする光記録方法。
  3. 波長640〜660nmのレーザー光により記録及び再生を行う場合には基準線速の10倍速以上で記録を行い、波長400〜410nmのレーザー光により記録及び再生を行う場合には基準線速の4倍速以上で記録を行う請求項1から2のいずれかに記載の光記録方法。
  4. 半径方向の隣接したトラック上のマーク間の距離の最小値の平均値が、トラックピッチの1/2より大きくなるように記録する請求項1から3のいずれかに記載の光記録方法。
  5. 最長マークの変調度Mが、次式、0.35≦M≦0.60を満たすように記録する請求項1から4のいずれかに記載の光記録方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の光記録方法に関する情報が予め基板に記録されていることを特徴とする光記録媒体。
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