JP2007255394A - ポンプ故障診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サプライポンプのSCVの摺動不良の故障診断時にポンプ異常故障を精度良く判定することのできるポンプ故障診断装置を提供することと、異常判定時にはその異常の解消を図り、その上でポンプ異常故障の形態を正確に見極めて、適切な異常処置をとることのできるポンプ故障診断装置を提供する。
【解決手段】エンジンの停止中に、SCVのフィードバック電流が印加されない状態で、所定(許容電流値の70%以上)の駆動大電流を印加させ、検査電流波形を作成し、予め記憶されたエンジン初期時の基準電流波形と比較することにより精度の高い判定ができ、そして異常と判定された場合、バルブリフトの初期リフトと70%以上のリフトを発生させるような所定電流値を交互に印加する強制駆動を2回以上繰り返し実施して、摺動不良の異常の解消を図り、その上でなお異常が解消されなければ機械的故障と正確に診断し、適切な異常処置をとる。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関に搭載された燃料噴射弁に高圧燃料を圧送供給するポンプに関するもので、特にこのポンプに組込まれ、燃料調量のためにポンプ制御装置の制御電流値によって駆動される吸入調量弁の故障診断に係わる。
〔従来の技術〕
従来より、ディーゼルエンジン用の燃料噴射システムとして知られるコモンレール式燃料噴射システムでは、コモンレール内に高圧燃料を蓄圧し、このコモンレール内に蓄圧された高圧燃料を内燃機関(以下、エンジンという)の各気筒毎に対応して搭載された複数個の燃料噴射弁を介して所定のタイミングでエンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給するように構成されている。
コモンレールは、燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料を常時蓄圧する必要がある。このため、燃料供給ポンプから燃料配管を経て高圧燃料が吐出され、この燃料供給ポンプの燃料吐出量を制御することにより、コモンレール内の燃料圧力(実コモンレール圧力)が、エンジンの運転条件に対応して設定される目標コモンレール圧力と略一致するように、実コモンレール圧力と目標コモンレール圧力との圧力偏差値に基づいて燃料供給ポンプの燃料吐出量がフィードバック制御されている。このような燃料供給ポンプの中で、燃料吸入時に燃料吐出量を決定する吸入調量型のフィードポンプを備えた燃料供給ポンプ(サプライポンプ)が存在する。
このサプライポンプは、加圧室内に吸入される燃料噴射量を制御する電磁弁を設けている。この電磁弁は、コイルに印加する駆動電流により、その内部のバルブの位置を制御して、例えばフィードポンプから加圧室に至る燃料吸入経路の開口面積(バルブ開度)を変更することで、燃料吸入量を調整し、加圧室からコモンレールへ吐出される燃料吐出量を制御するように構成されている。
このような電磁弁として、軸線方向に真っ直ぐに延びる摺動孔を有するバルブケースと、このバルブケースの摺動孔内を軸線方向に移動して出口側ポートと連通孔との連通状態を変更する筒状のバルブとを備えた吸入調量弁(SCV)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。そして、バルブの内部には、貫通孔が貫通している。また、バルブケースの内部には、バルブよりも軸線方向の一方側に、バルブを開弁方向に付勢するスプリングを収容するスプリング収容室が形成されている(ノーマリオープン型の場合)。なお、スプリング収容室は、貫通孔を介してバルブケースの入口側ポートに連通している。
〔従来技術の不具合〕
ところが、特許文献1に記載のSCVにおいては、バルブケースの入口側ポートからバルブの貫通孔内に流入した燃料が、貫通孔から連通孔、調量溝を経てバルブケースの出口側ポートに流れ込むようになっており、スプリング収容室内の燃料は殆どスプリング収容室内で滞留している。このため、燃料と一緒にSCVの内部に流入した異物や、バルブの摺動面とバルブケースの摺動面との摺動により発生した摩耗粉が、スプリング収容室内に一旦流入すると、スプリング収容室内で滞留してしまい、異物や摩耗粉がスプリング収容室内から排出され難くなる。
ここで、バルブはバルブケース内を軸線方向に摺動移動して出口側ポートの流路開口面積を変更することで燃料流量を調量する構成を有している。このため、バルブがバルブケース内を軸線方向に摺動移動するのに必要な最小限のクリアランスがバルブの摺動面とバルブケースの摺動面との間に形成されている。しかるに、スプリング収容室内で滞留した異物や摩耗粉がバルブの軸線方向の移動に伴ってクリアランスに侵入し、バルブの摺動面とバルブケースの摺動面との間に詰まったり、あるいは堆積すると、バルブケースの摺動面に対するバルブの摺動抵抗が増加する。これにより、バルブの作動が不安定になったり、または作動しなくなったりというバルブの摺動不良を生起するという問題が生じる。このようなバルブの摺動不良が発生すると、SCVのコイル駆動電流値に対するポンプ吐出量制御特性が悪化してエンジン出力の低下等の不具合が発生してしまう。
そこで、バルブの摺動不良が生起してエンジン出力の低下等の不具合が発生する前に、摺動不良が検知でき、異常判定時にはその摺動不良の原因である異物の詰りや摩耗粉の堆積等の除去、つまり異常の解消を図り、その上でポンプ異常故障の形態を確実に見極めて、適切な異常処置(例えば、運転者への警告表示やリンプホーム処置など)をとる故障診断装置の提供が望まれている。
ところが、エンジンの運転中に、SCVの動作を停止させることなくコモンレール内の高圧燃料圧力(実コモンレール圧力)を検知して、この圧力値等に基づく実駆動電流をSCVにフィードバック駆動し、SCVの中間・全開固着故障の発生を診断するポンプ故障診断装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、このポンプ故障診断装置は、圧力値に基づく検出とフィードバック制御であるため、応答性を含め精度に問題があり、また、変形例としてSCVのコイルに印加されるSCVフィードバック電流を検知しても診断が可能であるとの開示はあるが、エンジン運転中のSCVフィードバック電流は運転条件によって変化するので、常に安定した状態の電流値が印加できないため正確な異常判定を実施するのは困難と思われる。
特開2002−106740号公報 特開2005−344573号公報
本発明は前記問題点に鑑み、燃料供給ポンプのSCVの摺動不良の故障診断時にポンプ異常故障を精度良く検出することのできるポンプ故障診断装置を提供することと、異常判定時にはその異常の解消を図り、その上でポンプ異常故障の形態を正確に見極めて、適切な異常処置をとることのできるポンプ故障診断装置を提供することを目的とする。
〔請求項1の手段〕
従来の内燃機関運転中での診断では、電磁弁のバルブ位置はフィードバック電流駆動によって変化しており、常に安定した状態の電流値が印加されている訳ではないので、異常判定の正確な電流波形を検出することは難しい。しかし、本発明の請求項1の手段を採用するポンプ故障診断装置は、内燃機関停止時に、つまり電磁弁のフィードバック電流を流さない状態で、これに代って故障判定のための所定の駆動電流値を印加し、このときの駆動電流波形と基準電流波形とを比較して、燃料供給ポンプに異常があるか否かを判定するので、安定した電流波形を検出でき、比較の精度向上が可能となる。
〔請求項2の手段〕
請求項2の手段を採用するポンプ故障診断装置は、ポンプ異常判定手段によって燃料供給ポンプに異常があると判定した際に、バルブのリフト量が所定値以上となる駆動電流値をコイルに印加する電磁弁駆動手段によって、強制的に駆動するので、バルブリフトの略全範囲でバルブクリアランスに詰まった異物や、堆積する摩耗粉などを除去することができ、異常の解消が可能となる。
〔請求項3の手段〕
請求項3の手段を採用するポンプ故障診断装置は、電磁弁駆動手段(強制駆動)を所定回数繰り返し駆動させて、なお異常があるとポンプ異常判定手段が判定すれば、燃料供給ポンプの機械的故障と判定するので、正確な故障判定および診断が可能となる。
〔請求項4の手段〕
請求項4の手段を採用するポンプ故障診断装置は、正確な故障判定に基づく信頼性の高い異常処置がとれるので、タイムリーな不具合の抑制が可能となる。
〔請求項5の手段〕
請求項5の手段を採用するポンプ故障診断装置は、電磁弁の許容電流値の70%以上の駆動電流値を印加するので、変化の大きな安定した電流波形を検出でき、比較の精度向上が可能となるとともに、電磁弁のコイルの温度特性がばらつくことなく、大電流によって即座に一定の温度に上昇し保持されるので、温度の影響を考慮しない正確な判定が可能となる。
〔請求項6の手段〕
請求項6の手段を採用するポンプ故障診断装置は、故障判定の基準電流波形を、内燃機関の初期時に検査し、記憶された電流値を用いるため、異物の詰りや摩耗粉の堆積等、あるいは温度履歴による熱ひずみや熱変形等による摺動抵抗は一切存在しないことから、異常判定の正確度が向上する。しかも、異物の詰りや摩耗粉の堆積等の摺動不良のみならず、経年による熱ひずみや熱変形等の摺動不良も確実に判定することができる。
〔請求項7の手段〕
請求項7の手段を採用するポンプ故障診断装置は、電磁弁駆動手段によって、バルブのフルリフトの70%以上を確保できる電流と初期リフトの電流とを交互に印加する強制駆動を連続して2回以上繰り返す。よって、バルブがリフトの略全範囲を、行って戻る往復動作ができるので、バルブクリアランスに詰まった異物や堆積する摩耗粉などを除去し、1回目で除去できなかったもの、または残った異物等は、続く2回目の強制駆動によって略完全に除去される。つまり、異常の解消の可能性がより高くなる。
〔請求項8の手段〕
請求項8の手段を採用するポンプ故障診断装置は、所定の駆動電流値の印加による強制駆動サイクルを所定のサイクル回数繰り返すので、この繰り返し強制駆動によって異物の詰りや摩耗粉の堆積等を略完全に除去できる。つまり、繰り返し強制駆動を行うことにより、摺動不良の解消を略完全に図ることができる。また、摺動不良の解消をできる限り行って、なお異常と判定された故障は、解消ができない機械的故障と判断できるので高い信頼性をもって正確な異常処置をとることができる。
〔請求項9の手段〕
請求項9の手段を採用するポンプ故障診断装置は、駆動電流波形と基準電流波形との比較において、電流の値を一定間隔毎にサンプリングし、各サンプルポイントでの電流値の変化の所定閾値(%)を超えるサンプルポイント数が所定個数以上ある場合に異常と判定するポンプ異常判定手段を採用しているので、簡単、かつ精度良く電流波形の違いを検出できる。
〔請求項10の手段〕
請求項10の手段を採用するポンプ故障診断装置は、駆動電流波形と基準電流波形との比較において、電流波形のボトム(下限)値とトップ(上限)値のピーク値を記憶し、駆動電流波形と基準電流波形とのトップ値差、またはボトム値差が所定閾値を超えた場合、もしくはトップ値差とボトム値差が共に所定の閾値を超えた場合に一致せずと判断するポンプ異常判定手段を採用しているので、請求項9の手段と同様な作用・効果を奏する。
本発明を実施するための最良の形態は、ポンプ異常故障を精度良く、かつ正確に判定するため、エンジン停止時に、SCVのフィードバック電流が印加されない状態で、所定の駆動電流値を印加し、予め記憶されたエンジン初期時の基準電流波形と比較することにより精度の高い判定ができ、そして異常の判定がされれば、その異常の解消を図るべく強制駆動を実施して、これを所定回数繰り返すことによって解消に努め、なお異常が解消されなかったとき、機械的故障と正しく診断し、適切な異常処置を行うものである。
この発明の最良の実施形態を、図に示す実施例1とともに説明する。
〔実施例1の構成〕
図1ないし図6は本発明の実施例1を示したもので、図1はコモンレール式燃料噴射システムの全体構成図で、図2はサプライポンプに組付けられたSCV(吸入調量弁)を示した図である。
本実施例の内燃機関用燃料噴射装置は、自動車等の車両に搭載されるものであり、主として、例えば多気筒ディーゼルエンジン等の内燃機関(以下、エンジンと言う)用の燃料噴射システムとして知られるコモンレール式燃料噴射システム(蓄圧式燃料噴射装置)である。コモンレール式燃料噴射システムは、コモンレール1内に蓄圧された高圧燃料を、エンジンの各気筒毎に対応して搭載された複数個(本例では4個)の燃料噴射弁(インジェクタ)3を介してエンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給するように構成されている。
このコモンレール式燃料噴射システムは、燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧するコモンレール1と、エンジンの各気筒の燃焼室内に燃料を所定のタイミングで噴射供給するインジェクタ3と、電磁式吸入調量弁(以下、SCV)6を経て、加圧室内に吸入される燃料を加圧する吸入燃料調量方式の燃料供給ポンプ(サプライポンプ)5と、複数個のインジェクタ3の電磁弁4およびサプライポンプ5のSCV6を電子制御するエンジン制御ユニット(本発明のポンプ制御装置、ポンプ故障診断装置に相当する。ECUと呼ぶ)10を備えている。
コモンレール1は、燃料配管に相当するもので、燃料供給配管12を介して高圧燃料を吐出するサプライポンプ5の吐出口と接続されている。また、コモンレール1から燃料タンク7に燃料を戻すリリーフ配管(燃料還流配管)14には、燃料タンク7に連通する燃料排出路(燃料還流路)の開口度合を調整することが可能な常閉型の減圧弁2が設置されている。この減圧弁2は、減圧弁駆動回路を介してECU10から印加される減圧弁駆動電流によって電子制御されることにより、例えば減速時またはエンジン停止時に速やかにコモンレール1内の燃料圧力(コモンレール圧力)を高圧から低圧へ減圧させたり、またはサプライポンプ5が過剰圧送する等のコモンレール内の異常高圧時に車両を退避走行(リンプホーム)させる目的で、車両を継続走行させるのに必要な圧力(レギュレート圧力)を維持できるように閉弁圧が調整される。なお、減圧弁2の代りに、リリーフ配管14にコモンレール1内の燃料圧力が限界設定圧力を超えた際に開弁して、コモンレール1内の燃料圧力を限界設定圧力以下に抑えるプレッシャリミッタを取付けるようにしてもよい。
エンジンの各気筒毎に対応して搭載された複数個のインジェクタ3は、コモンレール1より分岐する複数の燃料供給配管(分岐管)13の下流端に接続されて、エンジンの各気筒の燃料室内への燃料噴射を行う燃料噴射ノズル、この燃料噴射ノズル内に収容されたノズルニードル(図示せず)を開弁方向に駆動する電磁弁4、およびノズルニードルを閉弁方向に付勢するスプリング等のニードル付勢手段(図示せず)等から構成された電磁式燃料噴射弁である。
これらのインジェクタ3からエンジンの各気筒の燃焼室内への燃料噴射は、ノズルニードルと連動するコマンドピストン(図示せず)の動作制御を行う背圧制御室内の燃料圧力を増減制御する電磁弁4のコイル(図示せず)への通電および通電停止(ON/OFF)により電子制御される。つまり、インジェクタ3の電磁弁4のコイルが通電されてノズルニードルがノズルボデーの先端部に形成された複数個の噴射孔を開弁している間、コモンレール1内に蓄圧された高圧燃料がエンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給される。これにより、エンジンが運転される。また、インジェクタ3には、余剰燃料や背圧制御室から排出された燃料を燃料系の低圧側に溢流させるためのリークポートが設けられており、インジェクタ3からのリーク燃料は、リターン配管(燃料還流配管)15を介して燃料タンク7に戻される。
サプライポンプ5は、吸入した燃料を加圧して吐出口からコモンレール1へ高圧燃料を吐出する高圧供給ポンプである。このサプライポンプ5は、エンジンのクランク軸(クランクシャフト)の回転に伴ってポンプ駆動軸22が回転することで燃料タンク7内の燃料を汲み上げる周知のフィードポンプ(低圧供給ポンプ、図示せず)と、ポンプ駆動軸22により回転駆動されるカム(図示せず)と、このカムにより上死点と下死点との間を往復運動するように駆動される2個のプランジャ(図示せず)と、これらのプランジャが2個のシリンダ内をそれぞれ往復摺動することにより、燃料吸入経路(図示せず)を経て吸入された燃料を加圧する2個の加圧室(プランジャ室、図示せず)と、これらの加圧室内の燃料圧力が所定値以上に上昇すると開弁する2個の吐出弁(図示せず)とを有している。
また、サプライポンプ5には、内部の燃料温度が高温にならないように、リークポートが設けられており、サプライポンプ5からのリーク燃料は、燃料還流路17からリリーフ配管14を経て、燃料タンク7に還流するように構成されている。このサプライポンプ5の加圧室へ燃料を流入させるための燃料吸入経路には、その燃料吸入経路の開口度合(弁のリフト量または弁の開口面積)を調整することで、サプライポンプ5からコモンレール1への燃料の吐出量(ポンプ吐出量、ポンプ圧送量)を変更するソレノイドアクチュエータとしてのSCV6が取付けられている。
SCV6は、ポンプ駆動回路を介してECU10から印加されるSCV駆動電流値によって電子制御されることにより、サプライポンプ5の加圧室に吸入される燃料の吸入量を調整するポンプ流量制御弁である。このSCV6は、図2に示すように、サプライポンプ5のハウジングに固定されるスリーブ状のバルブケース24と、このバルブケース24の内部を軸線方向に往復摺動可能に配設されたバルブ23と、このバルブ23を開弁方向に付勢するコイルスプリング(バルブ付勢手段)26とを備えている。
バルブケース24は、バルブ23を摺動可能に収容するシリンダ部(以下、シリンダ35)と磁路形成のためのステータ部(以下、ステータコア36)とを兼ね備えている。バルブケース24のシリンダ35の先端には低圧燃料が送り込まれる入口側ポート31が形成され、また、バルブケース24のシリンダ35の略中央部には、半径方向に開口する複数の出口側ポート32が形成されている。また、バルブケース24は、バルブ23の軸線方向の一端面と有底円筒状のステータコア36の底部との間にスプリング収容室(内部空間)33を形成している。
バルブ23は円筒状(スリーブ状)のスプール型バルブであって、コイル25に発生する磁気吸引力に対応して、軸線方向の相対位置(リフト量)が連続的に変化し、このリフト量の変化に伴って、出口側ポート32に対する軸線方向の相対位置が連続的に変更されて、出口側ポート32の通路開口断面積を連続的に変更するバルブ機能と、磁路形成のためのアーマチャ41を備えてアーマチャ機能とを兼ね備えている。また、バルブ23は、その軸線方向に延びる円筒部を有し、かつこの円筒部の外周に摺動部(最大外径部)を有している。バルブ23の摺動部の外径面は、バルブケース24のスプール穴40の内周面に摺設する摺動面となっている。
そして、バルブ23は、スプリング収容室33内に収容されたコイルスプリング26により常に開弁方向に付勢されている。このため、バルブ23は、バルブストッパ34によってデフォルト位置(出口側ポート32の全開位置、初期リフト)が規定されている。また、コイル25に発生する磁気吸引力によって、バルブ23はスプリング収容室33側(図示右方)に変位し、出口側ポート32の通路開口断面積を連続的に変更して、完全に遮断するフルリフト位置まで移動可能である。つまり、例えばエンジンの高負荷領域から低負荷領域に至るまでSCV6のフィードバック制御電流の大きさに従って、バルブ23はデフォルト位置(初期リフト)からフルリフト位置に至るまでの範囲を移動可能である。
そして、バルブ23の内部には、バルブ23を軸線方向に貫通してバルブ23の軸線方向の両端面を連通する貫通孔37、およびこの貫通孔37の途中から分岐して出口側ポート32近傍に向けて半径方向に延びる連通孔38が形成されている。連通孔38は、バルブ23の貫通孔37とバルブケース24の出口側ポート32とを連通する流体通路であって、バルブケース24の出口側ポート32に向けて複数個開口している。
連通孔38の開口端(バルブ23の外周面で開口する開口端)には、バルブ23の摺動部間に形成される円環状の調量溝(環状流路、周方向溝)39が設けられている。この調量溝39はバルブ23の周方向に設けられて、調量溝39よりも流路径の小さい連通孔38を介して貫通孔37に連通している。また、バルブ23の摺動部の外周面とバルブケース24のスプール穴40の内周面との間には、バルブ23が軸線方向に摺動するのに必要な所定のクリアランスが設けられている。
本実施例のSCV6は、バルブ23をバルブケース24のスプール穴40の軸線方向に連続的に閉弁駆動(または開弁駆動)するバルブ駆動装置(電磁式アクチュエータ)を備えている。この電磁式アクチュエータは、通電により磁束を発生するコイル25と、バルブ23のアーマチャ41と、バルブケース24のステータコア36とによって磁気回路が構成され、アーマチャ41に磁気吸引力を作用させ、バルブ23を軸線方向に移動させる。
SCV6は、ポンプ駆動回路を介してコイル25に印加されるSCV駆動電流値の大きさに比例して、サプライポンプ5の加圧室から、コモンレール1へ吐出される高圧燃料の圧送量を調整して、コモンレール1内の燃料圧力、つまり各気筒毎に搭載されたインジェクタ3からエンジンの各気筒内へ噴射供給する燃料噴射圧力に相当するコモンレール圧力を変更する。このSCV6は、通電が停止されると弁状態が全開状態となるノーマリオープンタイプ(常開型)の電磁弁である。
ECU10には、制御処理、演算処理を行うCPU、各種のプログラムおよびデータを保存する記憶装置(EEPROMまたはROM等の不揮発メモリやRAM等の揮発性のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路、インジェクタ駆動回路(EDU)29およびポンプ駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。また、ECU10は、図示しないイグニッションスイッチがオン(ON)すると、メモリ内に格納された制御プログラムに基づいて、例えばインジェクタ3の電磁弁4、サプライポンプ5のSCV6等の各制御部品のアクチュエータを電子制御するように構成されている。
そして、ECU10は、図1に示したように、コモンレールシステム内の燃料圧力、つまりコモンレール1内のコモンレール圧力(PC)を検出するための燃料圧力センサ(燃料圧力検出手段)27からの電圧信号や、その他のクランク角度センサ、アクセル開度センサなど各種センサ(図示せず)からのセンサ信号が、A/D変換器でA/D変換された後にマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
そして、ECU10は、エンジンの運転条件または運転状態に応じた最適な燃料噴射圧力を演算し、ポンプ駆動回路を介してSCV6のコイル25を駆動する燃料圧力制御手段を有している。これは、クランク角度センサより出力された信号パルスの間隔時間より得られるエンジン回転速度(以下、エンジン回転数:NE)と、このエンジン回転数(NE)とアクセル開度センサより出力されるアクセル開度(ACCP)とに応じて演算される指令噴射量(Q)とによって目標燃料圧力(目標コモンレール圧力、PFIN)を算出し、この目標コモンレール圧力(PFIN)を達成するためにSCV6のコイル25に印加するSCV駆動電流値を調整して、サプライポンプ5よりコモンレール1内に吐出される燃料の吐出量を変更してコモンレール圧力(PC)を制御するように構成されている。
さらに、好ましくは、エンジンの各気筒内へ実際に噴射供給される燃料噴射量(実噴射量)の制御精度を向上させる目的で、燃料圧力センサ27によって検出されるコモンレール圧力(PC)が目標コモンレール圧力(PFIN)と略一致するように、例えば、PID制御によって、SCV6のコイル25に印加するSCV駆動電流値をフィードバック制御することが望ましい。なお、SCV駆動電流値の制御は、デューティ(DUTY)比制御により行うことが望ましい。即ち、コモンレール圧力(PC)と目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力偏差(ΔPC)に応じて単位時間当たりの制御パルス信号(パルス状のポンプ駆動信号)のオン/オフの割合(通電時間割合・デューティ比)を調整して、SCV6の弁開度(リフト量または開口面積)を変化させるデューティ比制御を用いることで、高精度なデジタル制御が可能になる。
〔実施例1の制御方法〕
次に、本実施例のポンプ駆動回路に出力するSCV制御値の制御方法、およびSCV6のコイル25に印加するSCV駆動電流の制御方法を図3に基づいて説明する。
ここで、図3(b)はポンプ故障診断方法を示したフローチャートである。なお、図3(b)のフローチャートは、メモリに格納された制御プログラムに相当するもので、イグニッションスイッチがONされてバッテリからECU10へECU電源の供給がなされた時点で起動され、その後所定の制御タイミングで繰り返し実行されるものである。また、イグニッションスイッチがOFFされても直にECU電源がOFF(遮断)されず、ポンプ故障診断の所定の制御タイミングが繰り返されて、条件が成立した後にECU電源がOFFされるものである。
先ず、エンジンが停止したか否かを判定する(ステップS1)。ここで、判定の成立条件はエンジン回転数(NE)を検知し、NE=0rpmの時エンジン停止とする。この判定結果がNOの場合、つまりエンジン運転中の場合には、リターン(RETURN)する。
また、ステップS1の判定結果がYESの場合、つまり運転のエンジンが停止している場合には、SCV6の故障診断を実施する条件が成立しているか否かを判定する(ステップS2)。ここで、診断を実施する条件が成立しているとは、異常時としてエンストやエンジン始動ができなかった場合のように即座の診断が必要な場合や、正常時であるがエンジンの運転時間や車両の走行距離が所定値以上か否かのようにある頻度に従って診断を必要とする場合などである。ステップS2の判定結果がNOの場合、つまり故障診断を実施する条件が不成立の場合には、ECU電源をOFFし(ステップS11)、SCV故障診断を終了する。
また、ステップS2の判定結果がYESの場合、つまり故障診断を実施する条件が成立している場合には、SCV6の検査用の所定の駆動電流値を印加する(ステップS3)。そして、この時の駆動電流値の電流波形を作成する(ステップS4)。
続いて、予め図3(a)に示すエンジン初期時(出荷時)のSCV検査用の所定の駆動電流値を印加して記憶(ステップS21、22)されている電流値をメモリから読み出し電流波形を作成し(ステップS5)、次に、エンジン初期時の電流波形(基準電流波形)と、SCV6の検査用の電流波形(検査電流波形)を比較する(ステップS6)。つまり、検査電流波形が基準電流波形と異なるか否かを判定する。本実施例では、ステップS3からステップS6の処理が、ポンプ異常判定手段を構成する。
ここで、検査電流波形が基準電流波形と異なるか否かを判定する方法について説明する。図4はエンジン初期の電流波形、つまり正常状態の基準電流波形と、摺動不良時の検査のための電流波形、つまり検査電流波形を同じ平均電流のものを重ねてマップ化して示した電流波形模式図であるが、図4に示すように摺動不良時の電流波形、つまり検査電流波形のピークは基準電流波形のピークよりも大きい。SCV6の電流は、コイル25等で構成される磁気回路の磁気抵抗によって変化するので、SCV6のバルブ23が追従しない摺動不良時は磁気抵抗が大きく、電流波形が大きくなり、一方、正常時は磁性材であるSCV6のバルブ23との距離が近く、磁束が多く通り電流波形は小さくなる。よって、電流波形による比較でバルブ摺動(追従)性を検出することができる。
また、検査電流波形と基準電流波形との違いを精度良く、かつ確実に比較するために、検査用駆動電流は可能な限り大きな電流値の印加が好ましく、許容電流値の70%以上の電流値の印加が好適である。なお、図5は実際に、許容電流値の70%の検査用駆動電流を印加させ、SCV電流波形を調査したときの正常時と摺動不良時の電流波形の計測データである。図5に示すようにSCV6の正常時と摺動不良時の電流波形の違いは明確に読取ることができる。
そこで、本実施例では、検査電流波形と基準電流波形の比較方法として、電流の値を一定間隔毎にサンプリングし、各サンプルポイントでの電流値の変化の所定閾値(%)を超えたポイントが、所定の数以上ある場合、これを摺動不良と判定する。また、所定の数に満たない場合は、これを正常と判定する方法を採用している。
また、電流波形の比較は上述した方法に限ることなく、各電流波形のボトム(下限)値とトップ(上限)値のピーク値を記憶し、駆動電流波形と基準電流波形とのトップ値差、またはボトム値差が所定閾値を超えた場合、もしくはトップ値差とボトム値差が共に所定の閾値を超えた場合に一致せずと判定する方法であっても良い。
共に簡単に、かつ正確に、精度良く比較できればよい。
そして、上記の方法によるSCV電流比較を実施し、ステップS6の判定結果が正常であれば、ECU電源をOFFし(ステップS11)、SCV故障診断を終了する。また、ステップS6の判定結果が異常であれば、電流比較判定の異常判定回数をカウントする。
そして、次に、異常判定回数が所定の回数を超えたか否かを判定する(ステップS7)。この判定結果がNOの場合、つまり摺動不良等の異常判定回数が所定の回数に満たない場合には、SCV強制駆動を実施する(ステップS8)。本実施例では、ステップS7からステップS8の処理が、電磁弁駆動手段を構成する。
ここで、SCV強制駆動について説明する。図6は、SCV駆動電流値の推移とSCVバルブリフト量の推移を示したタイミングチャートである。図6に示すように、SCV6の駆動電流はデューティ比制御により行われ、バルブ23の初期リフトと70%リフト以上のリフト量が生じるような平均電流値を有するデューティ比が設定される。これは、摺動不良が例えば異物の詰りや摩耗粉の堆積等に起因する場合に、その異物の詰りや摩耗粉の堆積等が発生する位置がバルブ23のリフト量の略全範囲をカバーして、バルブ23が行って戻る往復移動ができる配慮のためである。
また、この駆動電流がSCV6のコイル25に供給されると、バルブ23のリフト量は図6に示すようなプロフィールを持つ。つまり、SCV強制駆動の初回時のデューティ比制御駆動の第1サイクルでは、摺動不良により最大リフトに至らないこともあり、また、初期位置も初期リフトに戻らないこともある。このため、続くデューティ比制御駆動の第2サイクルを印加することにより、例えば異物の詰りや摩耗粉の堆積等による摺動不良を除去しながら、初期リフトから最大リフトまで移動する。そして、さらにデューティ比制御駆動の第3サイクルを印加することにより、バルブ23は初期リフトから最大リフトまで移動し、摺動不良がまだ残っていればこれを解消し、また、残っていなければ正常作動に復帰する。
このように、SCV駆動電流の印加(通電)回数を少なくとも2回以上連続して実施した強制駆動を1−サイクルとする。
そして、SCV強制駆動(ステップS8)を実施した後、ステップS3にリターンする。ステップS3以降の処理を経て、再度、SCV強制駆動後の電流比較判定(ステップS6)を実施する。ここでは、強制駆動により、例えば異物の詰りや摩耗粉の堆積等による摺動不良が解消されたか否かを判定するもので、判定結果が正常ならば、ECU電源をOFFし(ステップS11)、SCV故障診断を終了する。また、判定結果が異常ならば、電流比較判定の異常判定回数をカウントする。
そして、続いて、ステップS7では、異常判定回数が所定のサイクル回数を超えたか否かを判定する。この判定結果がNOの場合、つまり摺動不良の異常が解消されず、SCV強制駆動がさらに必要であると判定された場合、もう一度上記したSCV強制駆動(ステップS8)が繰り返され、電流比較判定(ステップS6)も所定回数になるまで繰り返し実施される。
そして、異常判定回数が所定の回数を超えたか否かを再度判定する(ステップS7)。この判定結果がYESの場合、つまり所定サイクル回数のSCV強制駆動を繰り返しても摺動不良等の異常が解消されていないと判定された場合には、初めて解消のできない機械的故障と判定される(ステップS9)。本実施例では、ステップS9の処理が、ポンプ故障判定手段を構成する。また、異常判定回数の所定回数は、好ましくは3〜5であり、少なくとも1回以上あればよく、6回以上であってもよい。
そして、ECU10のメモリ(EEPROMまたはROM等の不揮発メモリやRAM等の揮発性のメモリ)にSCV故障情報を記憶する。あるいは、故障情報をドライバに知らせる(警告表示)等の異常処置を実施する(ステップS10)。その後にECU電源OFF(ステップS11)の処理に進み、そして、SCV診断を終了する。本実施例では、ステップS10の処理が、ポンプ異常処置手段を構成する。
〔実施例1の効果〕
以上のように、本実施例のポンプ故障診断装置においては、エンジンが停止中に、SCV6のフィードバック運転されていない状態で検査用の駆動電流をできる限り大電流にて印加させ、検査電流波形と基準電流波形を比較する判定方法を採用している。これにより、検査電流波形と基準電流波形それぞれの電流波形出力を大きくすることができ、検査電流波形と基準電流波形の違いの判定精度が向上すると共に、SCV6のコイル25の温度特性がばらつくことなく、大電流によって即座に一定の温度に上昇し保持されるので、温度の影響を考慮しない正確な判定が可能となる。
また、故障判定の基準電流波形は、エンジン初期時(出荷時)に検査し、記憶された電流値であるため、異常判定の正確度が向上する。しかも、異物の詰りや摩耗粉の堆積等の摺動不良のみならず、経年による熱ひずみや熱変形等の摺動不良も確実に判定することができる。
また、異常と判定された後も、電磁弁駆動手段によってSCV6のバルブ23を、初期リフトと70%リフト以上の範囲を行って戻る往復移動を2回以上繰り返して強制的に駆動させるので、バルブリフトの略全範囲でバルブクリアランスに詰まった異物や、堆積する摩耗粉などを除去し、1回目で除去できなかったもの、または残った異物等は、続く2回目の強制駆動によって略完全に除去されることができる。つまり、異常の解消の可能性がより高くなる。
そして、上記の強制駆動サイクルを所定のサイクル回数繰り返すので、この繰り返し強制駆動によって略完全に除去される。つまり、繰り返し強制駆動を行うことにより、摺動不良の解消を図ることができる。また、摺動不良の解消を可能な限り図って、なお異常と判定された故障は、異常処置の必要な機械的故障と判断できるので信頼性が向上する。
〔変形例〕
本実施例では、フィードポンプから吸入弁を経て加圧室に至る燃料吸入経路の開口面積を調整して、フィードポンプから加圧室内に吸入される燃料吸入量をSCV駆動電流に応じて調量することで、サプライポンプ5より吐出される燃料吐出量を制御するSCV6を設けたが、このSCV6として、そのコイル25への通電停止時に全閉、つまり弁孔の開口面積が最小、リフト量が最小となるノーマリクローズタイプ(常閉型)の電磁式流量制御弁を用いても良い。
本実施例では、燃料供給ポンプとして、吸入した低圧燃料を加圧するポンプエレメント(圧送系統)の加圧室から吐出弁に至る燃料吐出経路の途中に電磁式流量制御弁を設けて、加圧室から吐出される吐出燃料量を調量することで燃料供給ポンプより吐出される燃料吐出量を制御するようにしても良い。
本実施例では、本発明のポンプ故障診断装置を適用したコモンレール式燃料噴射システムを例に示したが、本発明のポンプ故障診断装置を、コモンレールを備えず、電子制御方式の分配型燃料供給ポンプまたは電子制御方式の列型燃料供給ポンプ等を備えた内燃機関用燃料噴射装置(エンジン制御システム)に適用してもよい。また、本実施例では、電磁式燃料噴射弁よりなるインジェクタ3を用いた例を示したが、圧電方式の燃料噴射弁よりなるインジェクタを用いても良い。また、アクチュエータを備えない燃料噴射ノズルのみで燃料噴射弁を構成しても良い。
また、本実施例では、ポンプ故障診断をエンジン停止の条件が成立する時に実施するようにしているが、これを車両運転時にイグニッションスイッチをONにして、エンジンが始動する前のエンジン停止中に、車両運転開始の都度一定時間の故障診断を実施するようにしても良い。また、異常処置として、異常警告ランプ(インジケータランプ)を点灯して、あるいは音声にてドライバ(運転者)にサプライポンプの異常を警告しても良い。また、リンプホームできる燃料吐出圧を維持する制御装置を作動させても良い。
コモンレール式燃料噴射システムの全体構成図である(実施例1)。 サプライポンプに組付けられたSCVを示す断面図である(実施例1)。 ポンプ故障診断方法を示したフローチャートである(実施例1)。 バルブの摺動不良時と正常時の駆動電流波形を示した模式図である(実施例1)。 バルブの摺動不良時と正常時の駆動電流の実測波形である(実施例1)。 SCV駆動電流値の推移とSCVバルブリフト量の推移を示したタイミングチャートである(実施例1)。
符号の説明
1 コモンレール(燃料配管)
2 減圧弁
3 インジェクタ(燃料噴射弁)
4 電磁弁
5 サプライポンプ(燃料供給ポンプ)
6 SCV(吸入調量弁、流量制御弁、電磁弁)
7 燃料タンク
10 ECU(ポンプ制御装置、ポンプ故障診断装置)
14 リリーフ配管
22 ポンプ駆動軸
23 バルブ
24 バルブケース
25 コイル
26 コイルスプリング(バルブ付勢手段)
27 燃料圧力センサ
29 EDU(インジェクタ駆動回路)
31 入口側ポート
32 出口側ポート
34 バルブストッパ
37 貫通孔
38 連通孔
39 調量溝

Claims (10)

  1. (a)加圧室に吸入した燃料を加圧して吐出する燃料供給ポンプと、
    (b)この燃料供給ポンプに組込まれて前記加圧室に連通する燃料通路を開閉するバルブ、およびこのバルブを開弁駆動または閉弁駆動するコイルを有する電磁弁と、
    (c)内燃機関の運転状況に応じて前記コイルに印加する駆動電流値を可変して、前記バルブのリフト量を変更することによって、前記燃料供給ポンプより吐出される燃料吐出量を可変制御するポンプ制御装置とを備えたポンプ故障診断装置において、
    前記ポンプ制御装置は、
    前記内燃機関の停止時に、前記コイルに所定の駆動電流値を印加した際の駆動電流波形と基準電流波形とを比較して、前記燃料供給ポンプに異常があるか否かを判定するポンプ異常判定手段を有していることを特徴とするポンプ故障診断装置。
  2. 請求項1に記載のポンプ故障診断装置において、
    前記ポンプ制御装置は、
    前記ポンプ異常判定手段によって前記燃料供給ポンプに異常があると判定した際に、前記バルブのリフト量が所定値以上となる駆動電流値を前記コイルに印加する電磁弁駆動手段を有していることを特徴とするポンプ故障診断装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のポンプ故障診断装置において、
    前記ポンプ制御装置は、
    前記ポンプ異常判定手段によって前記燃料供給ポンプに異常があると判定した際に、
    前記電磁弁駆動手段を所定回数繰り返し駆動させて、なお異常があると前記ポンプ異常判定手段が判定すれば、前記燃料供給ポンプの機械的故障と判定するポンプ故障判定手段を有していることを特徴とするポンプ故障診断装置。
  4. 請求項1に記載のポンプ故障診断装置において、
    前記ポンプ制御装置は、
    前記燃料供給ポンプの機械的故障とポンプ故障判定手段が判定すれば、
    故障に対応した異常処置を行うポンプ異常処置手段を有していることを特徴とするポンプ故障診断装置。
  5. 請求項1ないし請求項4に記載のポンプ故障診断装置において、
    前記ポンプ異常判定手段は、
    前記電磁弁の許容電流値の70%以上の駆動電流値を印加することを特徴とするポンプ故障診断装置。
  6. 請求項1ないし請求項5に記載のポンプ故障診断装置において、
    前記ポンプ異常判定手段は、
    前記コイルに所定の駆動電流値を印加した際の駆動電流波形を比較する基準電流波形を、前記内燃機関の初期時に検査し、記憶することを特徴とするポンプ故障診断装置。
  7. 請求項2ないし請求項6に記載のポンプ故障診断装置において、
    前記電磁弁駆動手段は、
    前記バルブのフルリフトの70%以上を確保できる電流と初期リフトの電流とを交互に印加し、これを連続して少なくとも2回以上繰り返すことを特徴とするポンプ故障診断装置。
  8. 請求項2ないし請求項7に記載のポンプ故障診断装置において、
    前記ポンプ故障判定手段は、
    前記電磁弁駆動手段が前記バルブのフルリフトの70%以上を確保できる電流と初期リフトの電流とを交互に印加し、これを連続して少なくとも2回以上繰り返すことをさらに所定回数繰り返し駆動させて、なお異常があると前記ポンプ異常判定手段が判定すれば、前記燃料供給ポンプの機械的故障と判定することを特徴とするポンプ故障診断装置。
  9. 請求項1または請求項8に記載のポンプ故障診断装置において、
    前記ポンプ異常判定手段は、
    前記所定の駆動電流値を印加した際の駆動電流波形と基準電流波形を一定間隔毎にサンプリングし、各サンプルポイントでの電流値の変化の所定閾値を超えるサンプルポイント数が所定個数以上ある場合に異常と判定することを特徴とするポンプ故障診断装置。
  10. 請求項1または請求項8に記載のポンプ故障診断装置において、
    前記ポンプ異常判定手段は、
    前記所定の駆動電流値を印加した際の駆動電流波形と基準電流波形のボトム値とトップ値のピーク値を記憶し、駆動電流波形と基準電流波形とのトップ値の差、またはボトム値の差が所定閾値を超えた場合、もしくは前記トップ値の差と前記ボトム値の差が共に所定の閾値を超えた場合に異常と判定することを特徴とするポンプ故障診断装置。
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