JP2004156558A - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本実施形態のコモンレール式燃料噴射システムでは、360°CA間で2噴射1圧送のコモンレール式燃料噴射システムの場合、レギュレート開弁不可能領域(NG領域)となったら、インジェクタの実噴射時期および実噴射期間とサプライポンプの圧送期間とが重なる気筒の噴射時期を、サプライポンプの圧送期間が終了するまで、例えばATDC20°CA付近まで遅角させるようにして、コモンレール圧力(PC)がプレッシャリミッタの開弁圧設定値を超えるように上昇する際の妨げとなる、インジェクタからのエンジンの気筒内への燃料噴射を実施しないようにすることで、コモンレール圧力(PC)の上昇を促して、プレッシャリミッタを強制的に開弁するようにしている。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サプライポンプによって加圧圧送された高圧燃料をコモンレール内に蓄圧すると共に、コモンレール内に蓄圧された高圧燃料をインジェクタを介してエンジンの各気筒内に噴射供給する蓄圧式燃料噴射装置に関するもので、特にコモンレール内の燃料圧力が限界設定圧力または開弁圧設定値を超えた際に開弁してコモンレール内の燃料圧力を限界設定圧力以下に抑えるためのプレッシャリミッタを備えた蓄圧式燃料噴射装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ディーゼルエンジン等の内燃機関(以下エンジンと呼ぶ)により回転駆動されるサプライポンプによってコモンレール内に高圧燃料を加圧圧送して蓄圧すると共に、そのコモンレール内に蓄圧された高圧燃料を、エンジンの各気筒毎に搭載された複数個の電磁式燃料噴射弁(インジェクタ)に分配し、これらのインジェクタからエンジンの各気筒内へ高圧燃料を噴射供給する蓄圧式燃料噴射装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、サプライポンプの加圧室に至る燃料吸入経路には、加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調整することで、サプライポンプの加圧室からコモンレールへの高圧燃料の圧送量を変更する吸入調量弁(SCV)が設けられている。なお、吸入調量弁としては、通電停止時に弁開度が全開となるノーマリオープンタイプ(常開型)の電磁弁が採用されている。これにより、その吸入調量弁を駆動するポンプ駆動信号送信用のワイヤハーネスの断線故障が生じたり、あるいは吸入調量弁の内蔵部品の断線故障が生じたり、あるいは吸入調量弁を制御するコンピュータの出力異常または吸入調量弁を駆動する駆動信号の出力異常が生じたり、あるいは吸入調量弁の弁体と弁座との間に異物が噛み込んだりすると、吸入調量弁の全開異常が発生することにより、サプライポンプが高圧燃料を過剰圧送(ポンプ全量圧送)する可能性がある。
【0004】
この場合には、サプライポンプの加圧室よりコモンレールを経て各気筒のインジェクタの油溜まりまでの蓄圧式燃料噴射装置の燃料系の高圧側の配管経路(高圧配管経路、コモンレールシステム)内の燃料圧力、特にコモンレール内の燃料圧力が限界設定圧力を超える可能性がある。このような吸入調量弁の全開異常によるサプライポンプの過剰圧送等のシステム内の異常高圧に備えて、コモンレール内の燃料圧力が限界設定圧力を超えた際に開弁するプレッシャリミッタ(圧力安全弁)を、コモンレールに取り付けることで、蓄圧式燃料噴射装置の信頼性を保証していた。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−295685(第1−7頁、図1−図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の蓄圧式燃料噴射装置においては、吸入調量弁の制御不能時、つまり吸入調量弁の全開異常によるサプライポンプの過剰圧送(ポンプ全量圧送)時であっても、エンジン回転速度が所定値以下の低速で、且つエンジンの各気筒内への燃料噴射量が所定値以上の場合には、図4のグラフに示したように、コモンレール内の燃料圧力が定常時よりも高圧であっても、限界設定圧力まで上昇せず、つまりプレッシャリミッタが開弁しない。これにより、コモンレール内の燃料圧力が異常高圧(定常時の圧力=180MPa<コモンレール圧力<限界設定圧力=プレッシャリミッタの開弁圧設定値)で釣り合ってしまう。
【0007】
このような状況が長時間継続すると、すなわち、エンジン回転速度が低速で、且つコモンレール圧力が異常高圧の低速高圧状態が長時間継続すると、サプライポンプやインジェクタが異常高圧作動となり、サプライポンプが許容圧力を超えて運転される領域(レギュレート開弁不可能領域、NG領域:図4参照)となるので、サプライポンプやインジェクタの性能が劣化したり、蓄圧式燃料噴射装置の燃料系の高圧側の配管経路(コモンレールシステム、燃料系の高圧側の燃料経路)途中の配管継手部および高圧シール部において燃料漏れ等の不具合が発生したりする。したがって、サプライポンプ、インジェクタ、高圧シール部の耐久性が低下する等、蓄圧式燃料噴射装置の信頼性を低下させてしまうという問題があった。
【0008】
【発明の目的】
本発明の目的は、燃料供給ポンプの異常故障時に、コモンレール内の燃料圧力を圧力安全弁の限界設定圧力(開弁圧設定値)以上に上昇させることで、燃料供給ポンプや燃料噴射弁等の耐久性を向上させることができ、且つコモンレールシステムの信頼性を向上させることのできる蓄圧式燃料噴射装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、燃料供給ポンプの異常故障時には、コモンレール内の燃料圧力を上昇させて圧力安全弁を強制的に開弁させることにより、エンジン回転速度が低速で、且つコモンレール内の燃料圧力が異常高圧の低速高圧状態が長時間継続することはなく、燃料供給ポンプや燃料噴射弁の異常高圧作動を防止できる。
【0010】
それによって、燃料供給ポンプや燃料噴射弁の性能が劣化したり、蓄圧式燃料噴射装置の燃料系の高圧側の配管経路(コモンレールシステム、燃料系の高圧側の燃料経路)途中の配管継手部や高圧シール部において燃料漏れ等の不具合が発生したりすることもない。したがって、燃料供給ポンプや燃料噴射弁等の耐久性を向上させることができ、且つ蓄圧式燃料噴射装置(コモンレールシステム)の信頼性を向上させることができるという効果が得られる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、燃料供給ポンプのポンプ圧送期間と燃料噴射弁の噴射期間とが重複する気筒への指令噴射時期を、通常時噴射時期よりも燃料供給ポンプのポンプ圧送期間と燃料噴射弁の噴射期間とが重複しないように遅角させる噴射時期遅角手段を設けたことにより、コモンレール内の燃料圧力の上昇傾向が燃料噴射弁から当該気筒への燃料噴射によって妨げられることなく、コモンレール内の燃料圧力が限界設定圧力(圧力安全弁の開弁圧設定値)以上に十分上昇させることができるので、圧力安全弁を強制的に開弁させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、内燃機関の運転条件または運転状態によって決定される指令噴射量を、通常時噴射量よりも所定値以下(例えば減量または0)に制限する噴射量制限手段を設けたことにより、コモンレール内の燃料圧力の上昇傾向が燃料噴射弁から当該気筒への燃料噴射によって妨げられることなく、コモンレール内の燃料圧力が限界設定圧力(圧力安全弁の開弁圧設定値)以上に十分上昇させることができるので、圧力安全弁を強制的に開弁させることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、燃料供給ポンプの異常故障時であって、しかも回転速度検出手段によって検出されるエンジン回転速度が所定値以下で、且つ噴射量決定手段によって設定される指令噴射量が所定値以上の際に、燃料供給ポンプの運転領域が、コモンレール内の燃料圧力が異常高圧で釣り合う領域、あるいは燃料供給ポンプが許容圧力を超えて運転される領域、あるいは燃料供給ポンプの全量吐出時の圧力特性と圧力安全弁の限界設定圧力または開弁圧設定値とで囲まれた運転領域等の異常運転領域に有ると判断できる。このような異常運転領域に有ると判断した場合には、上記のフェイル制御を実施することで、コモンレール内の燃料圧力を限界設定圧力(圧力安全弁の開弁圧設定値)以上に上昇させて圧力安全弁を強制的に開弁させる。これにより、エンジン回転速度が低速で、且つコモンレール内の燃料圧力が異常高圧の低速高圧状態が長時間継続することはなく、燃料供給ポンプや燃料噴射弁の異常高圧作動を防止することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、燃料供給ポンプの異常故障時であって、しかも回転速度検出手段によって検出されるエンジン回転速度が所定値以下で、且つ燃料圧力検出手段によって検出されるコモンレール内の燃料圧力と燃料圧力決定手段によって設定される目標燃料圧力との圧力偏差が所定値以上で、且つこの状態が所定時間以上継続している際に、燃料供給ポンプの運転領域が、コモンレール内の燃料圧力が異常高圧で釣り合う領域、あるいは燃料供給ポンプが許容圧力を超えて運転される領域、あるいは燃料供給ポンプの全量吐出時の圧力特性と圧力安全弁の限界設定圧力または開弁圧設定値とで囲まれた運転領域等の異常運転領域に有ると判断できる。このような異常運転領域に有ると判断した場合には、上記のフェイル制御を実施することで、コモンレール内の燃料圧力を限界設定圧力(圧力安全弁の開弁圧設定値)以上に上昇させて圧力安全弁を強制的に開弁させる。これにより、エンジン回転速度が低速で、且つコモンレール内の燃料圧力が異常高圧の低速高圧状態が長時間継続することはなく、燃料供給ポンプや燃料噴射弁の異常高圧作動を防止することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明によれば、圧力安全弁に、コモンレール内の燃料圧力を、レギュレート圧力に維持することが可能な圧力レギュレート機能を備えたことにより、エンジン回転速度がアイドル回転速度以上であれば、車両を不完全ながら継続走行またはリンプホームさせることができる。また、請求項7および請求項8に記載の発明によれば、燃料供給ポンプには、燃料吸入経路を経て流入した燃料を加圧する加圧室、および燃料吸入経路の開度に応じて加圧室からコモンレール内へ吐出される吐出量を調整する流量制御弁が設けられている。
【0016】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態の構成]
図1ないし図8は本発明の第1実施形態を示したもので、図1はコモンレール式燃料噴射システムの全体構造を示した図である。
【0017】
本実施形態のコモンレール式燃料噴射システムは、多気筒ディーゼルエンジン等の内燃機関(以下エンジンと言う)1を設置した自動車等の車両に搭載されて、燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧するコモンレール2と、このコモンレール2内の燃料圧力を限界設定圧力(圧力安全弁の開弁圧設定値)以下に抑えるためのプレッシャリミッタ(本発明の圧力安全弁に相当する)3と、コモンレール2内に蓄圧された高圧燃料をエンジン1の各気筒内に噴射供給する複数個(本例では4個)のインジェクタ(本発明の燃料噴射弁に相当する)4と、吸入した燃料を加圧して高圧化しコモンレール2内に圧送する吸入調量型のサプライポンプ(本発明の燃料供給ポンプに相当する)5と、エンジン1の各気筒のインジェクタ4のアクチュエータおよびサプライポンプ5のアクチュエータを電子制御するエンジン制御装置(エンジン制御ユニット:以下ECUと呼ぶ)10とを備えている。
【0018】
コモンレール2には、連続的に燃料の噴射圧力に相当する高い圧力が蓄圧される必要があり、そのためにコモンレール2に蓄圧される高圧燃料は、高圧配管11を介してサプライポンプ5から供給されている。なお、コモンレール2から燃料タンク7へ燃料をリリーフするリリーフ配管12には、コモンレール圧が限界設定圧力を超えることがないように、圧力を逃がすためのプレッシャリミッタ3が取り付けられている。
【0019】
プレッシャリミッタ3は、サプライポンプ5の加圧室からコモンレール2を経てインジェクタ4の燃料溜まりまでの高圧配管経路(燃料系の高圧側の配管経路、コモンレールシステム)内の燃料圧力、すなわち、コモンレール2内の燃料圧力(所謂コモンレール圧力)が限界設定圧力を超えた際に開弁して、コモンレールシステム内の燃料圧力を限界設定圧力以下に抑えるための圧力安全弁である。このプレッシャリミッタ3は、コモンレール2の図示左端部とリリーフ配管12の図示上端側の端部との間に液密的に接続される略円筒状のハウジング、このハウジングの先端側(コモンレール2側)に固定されるバルブボディ(弁本体)、このバルブボディに形成された弁孔を開閉するバルブニードル(弁体)、このバルブニードルが弁座に着座する側(閉弁方向)に所定の付勢力で付勢するスプリング等から構成されている。そして、ボールバルブのシート径とスプリングのセット荷重とでプレッシャリミッタ3の開弁圧が決定されている。
【0020】
なお、プレッシャリミッタ3は、コモンレール圧力が限界設定圧力を超えた際に開弁した後に、コモンレール圧力が所定値以下に低下すると閉弁してしまうが、プレッシャリミッタ3に圧力レギュレート機能を備えるようにしても良い。この場合、プレッシャリミッタ3は、一旦開弁した後に、サプライポンプ5が過剰圧送する等のコモンレールシステム内の異常高圧時に車両を退避走行(リンプホーム)させる目的で、車両を継続走行させるのに必要な圧力(レギュレート圧力)を維持できるように閉弁圧を規制する。
【0021】
また、車両をリンプホームさせるためには、車両を継続走行させる時の燃料圧力を、インジェクタ4の作動圧力よりも高い圧力にしてインジェクタ4からエンジン1の各気筒への燃料噴射を可能にし、且つエンジン振動、車両挙動、異音やノッキング等の発生しない低い圧力にして、不完全ながらも安定した走行状態を確保する必要がある。この燃料圧力をレギュレート圧力とすると、このレギュレート圧力は、バルブニードルの外周の流路抵抗(クリアランスと嵌合長さ)とバルブニードルを閉弁方向に付勢するスプリングの付勢力とで決まる(例えば50MPa)。
【0022】
エンジン1の各気筒(例えば気筒#1、気筒#2、気筒#3、気筒#4)毎に搭載されたインジェクタ4は、コモンレール2より分岐する複数の分岐管13の下流端に接続され、噴射孔を形成したノズルボディと噴射孔を開閉するノズルニードルとからなるノズル、ノズルボディ内に摺動自在に支持されたノズルニードルを開弁方向に駆動する電磁式アクチュエータ、およびノズルニードルを閉弁方向に付勢するスプリング等の付勢手段等により構成された電磁式燃料噴射弁である。
【0023】
これらのインジェクタ4からエンジン1への燃料噴射は、ノズルニードルと一体的に動作するコマンドピストンの背圧制御室内の燃料圧力を制御する電磁式アクチュエータとしての噴射制御用電磁弁(図示せず:以下電磁弁と略す)への通電および通電停止(ON/OFF)により電子制御される。つまり、各気筒のインジェクタ4の電磁弁が開弁している間、コモンレール2内に蓄圧された高圧燃料がエンジン1の各気筒内に噴射供給される。ここで、インジェクタ4からのリーク燃料または背圧制御室からの排出燃料(リターン燃料)は、燃料還流路18から燃料還流路19を経て燃料タンク7に還流するように構成されている。
【0024】
サプライポンプ5は、吸入した燃料を加圧して吐出口からコモンレール2へ高圧燃料を吐出する高圧供給ポンプである。このサプライポンプ5は、エンジン1のクランク軸(クランクシャフト)14の回転に伴ってポンプ駆動軸15が回転することで燃料タンク7内の燃料を汲み上げる周知のフィードポンプ(低圧供給ポンプ:図示せず)と、ポンプ駆動軸15により回転駆動されるカム(図示せず)と、このカムにより上死点と下死点との間を往復運動するように駆動される2個のプランジャ#1、#2と、これらのプランジャ#1、#2が2個のシリンダ内をそれぞれ往復摺動することにより、燃料吸入経路(図示せず)を経て吸入された燃料を加圧する2個の加圧室(プランジャ室:図示せず)と、これらの加圧室内の燃料圧力が所定値以上に上昇すると開弁する2個の吐出弁(図示せず)とを有している。
【0025】
また、サプライポンプ5には、内部の燃料温度が高温にならないように、リークポートが設けられており、サプライポンプ5からのリーク燃料は、燃料還流路17から燃料還流路19を経て燃料タンク7に還流するように構成されている。このサプライポンプ5の加圧室へ燃料を流入させるための燃料吸入経路には、その燃料吸入経路の開口度合(弁のリフト量または弁の開口面積)を調整することで、サプライポンプ5からコモンレール2への燃料の吐出量(ポンプ吐出量、ポンプ圧送量)を変更するソレノイドアクチュエータとしての吸入調量弁(以下SCVと言う)6が取り付けられている。
【0026】
SCV6は、図示しないポンプ駆動回路を介してECU10から印加されるSCV駆動電流値によって電子制御されることにより、サプライポンプ5の加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調整するポンプ流量制御弁である。このSCV6は、フィードポンプから加圧室内へ燃料を送るための燃料吸入経路の開度を調整するバルブ(図示せず)、このバルブを閉弁方向に駆動するソレノイドコイル(図示せず)、およびバルブを開弁方向に付勢するスプリング等のバルブ付勢手段(図示せず)等を有している。
【0027】
SCV6は、ポンプ駆動回路を介してソレノイドコイルに印加されるSCV駆動電流値の大きさに比例して、サプライポンプ5の加圧室から、コモンレール2へ吐出される高圧燃料の圧送量を調整して、コモンレール2内の燃料圧力、つまり各気筒毎に搭載されたインジェクタ4からエンジン1の各気筒内へ噴射供給する燃料噴射圧力に相当するコモンレール圧力を変更する。このSCV6は、通電が停止されると弁状態が全開状態となるノーマリオープンタイプ(常開型)の電磁弁である。
【0028】
ECU10には、制御処理、演算処理を行うCPU、各種の制御プログラムおよびデータを保存する記憶装置(ROMやRAMまたはスタンバイRAM等のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路、インジェクタ駆動回路(EDU)およびポンプ駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。また、ECU10は、図示しないイグニッションスイッチがオン(ON)すると、メモリ内に格納された制御プログラムに基づいて、例えばインジェクタ4の電磁弁、サプライポンプ5のSCV6等の各制御部品のアクチュエータを電子制御するように構成されている。
【0029】
そして、ECU10は、図1に示したように、コモンレールシステム内の燃料圧力、つまりコモンレール2内の燃料圧力(以下コモンレール圧力と言う:PC)を検出するための燃料圧力センサ(燃料圧力検出手段)25からの電圧信号や、その他の各種センサからのセンサ信号は、A/D変換器でA/D変換された後にマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。ここで、マイクロコンピュータには、エンジン1の運転条件または運転状態を検出する運転条件または運転状態検出手段としての、エンジン1のクランクシャフト14の回転角度を検出するためのクランク角度センサ21、アクセル開度(ACCP)を検出するためのアクセル開度センサ(エンジン負荷検出手段)22、エンジン冷却水温(THW)を検出するための冷却水温センサ23、およびサプライポンプ5内に吸入されるポンプ吸入側の燃料温度(THF)を検出するための燃料温度センサ24等が接続されている。
【0030】
上記のセンサのうちクランク角度センサ21は、エンジン1のクランクシャフト14、あるいはサプライポンプ5のポンプ駆動軸15に取り付けられたNEタイミングロータ(図示せず)の外周に対向するように設けられている。そのNEタイミングロータの外周面には、所定角度毎に凸状歯が複数個配置されている。そして、クランク角度センサ21は、電磁ピックアップよりなり、NEタイミングロータの各凸状歯がクランク角度センサ21に対して接近離反することにより、電磁誘導によってパルス状の回転位置信号(NE信号パルス)、特にサプライポンプ5の回転速度(ポンプ回転速度)と同期したNE信号パルスが出力される。なお、ECU10は、クランク角度センサ21より出力されたNE信号パルスの間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(エンジン回転数とも言う:NE)を検出する回転速度検出手段として機能する。
【0031】
そして、ECU10は、クランク角度センサ21等の回転速度検出手段により検出されたエンジン回転速度(NE)とアクセル開度センサ22により検出されたアクセル開度(ACCP)とによって、基本噴射量(指令噴射量:Q)を算出する噴射量決定手段と、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(Q)とによって指令噴射時期(TFIN)を算出する噴射時期決定手段と、指令噴射量(Q)と燃料圧力センサ25により検出されるコモンレール圧力(PC)とによって、インジェクタ4の電磁弁への通電時間(インジェクタ4の指令噴射期間、指令噴射パルス時間:TQ)を算出する噴射期間決定手段と、指令噴射時期(TFIN)から所望の指令噴射期間(TQ)が終了するまでインジェクタ駆動回路(EDU)を介して各インジェクタ4の電磁弁にパルス状のインジェクタ駆動電流(INJ指令噴射パルス)を印加するインジェクタ駆動手段とを備えている。
【0032】
そして、ECU10は、エンジン1の運転条件または運転状態に応じた最適な燃料噴射圧力を演算し、ポンプ駆動回路を介してSCV6のソレノイドコイルを駆動する燃料圧力制御手段を有している。これは、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(Q)とによって目標燃料圧力(目標コモンレール圧力:PFIN)を算出し、この目標コモンレール圧力(PFIN)を達成するために、SCV6のソレノイドコイルに印加するSCV駆動電流値を調整して、サプライポンプ5よりコモンレール2内へ吐出される燃料の吐出量を変更してコモンレール圧力を制御するように構成されている。
【0033】
さらに、より好ましくは、エンジン1の各気筒内へ実際に噴射供給される燃料噴射量(実噴射量)の制御精度を向上させる目的で、燃料圧力センサ25によって検出されるコモンレール圧力(PC)が目標コモンレール圧力(PFIN)と略一致するように、例えばPID制御によって、SCV6へのソレノイドコイルに印加するSCV駆動電流値をフィードバック制御することが望ましい。なお、SCV駆動電流値の制御は、デューティ(DUTY)制御により行うことが望ましい。すなわち、コモンレール圧力(PC)と目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力偏差(ΔPC)に応じて単位時間当たりの制御パルス信号(パルス状のポンプ駆動信号)のオン/オフの割合(通電時間割合・デューティ比)を調整して、SCV6の弁開度(リフト量または開口面積)を変化させるデューティ制御を用いることで、高精度なデジタル制御が可能になる。
【0034】
[第1実施形態の制御方法]
次に、本実施形態のコモンレール式燃料噴射システムの制御方法を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。ここで、図2はダイアグノーシスフラグの設定方法を示したフローチャートで、図3はプレッシャリミッタを強制的に開弁させるための噴射時期制御方法を示したフローチャートである。
【0035】
運転者(ドライバー)がエンジンキーをOFF位置またはACC位置からIG位置まで回してイグニッションスイッチがオン(IG・ON)すると、図2のメインルーチンが起動する。この図2のメインルーチンは、所定時間(例えば10〜40°CA)毎に実施される。なお、ポンプ異常故障履歴フラグであるダイアグノーシスフラグ(FDIAG)は、例えばSCV6のソレノイドコイルの断線故障またはSCV6を駆動する駆動信号送信用のワイヤハーネスの断線故障を修理した後に、修理作業者が専用のスイッチ(例えば既存スイッチの長押しや複数の既存スイッチの同時押し等)をONした時に0にリセット(解除)される。また、ECU10自身が何らかのダイアグ解除情報を得たら、ダイアグノーシスフラグ(FDIAG)を0にリセット(解除)するようにしても良い。
【0036】
先ず、サプライポンプ5の運転領域が、コモンレール圧力(PC)が異常高圧で釣り合う領域、あるいはサプライポンプ5が許容圧力を超えて運転される領域、あるいはサプライポンプ5の全量吐出時の圧力特性(全負荷時:ACCP=100%)とプレッシャリミッタ3の開弁圧設定値(限界設定圧力)とで囲まれた運転領域(図7のグラフや図8(b)のタイミングチャート参照)等の異常運転領域に有るか否かの判定処理を行う。すなわち、コモンレール圧力(PC)と目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力偏差(ΔPC)とエンジン回転速度(NE)との関係から導き出されるレギュレート開弁不可能領域(NG領域:図4のグラフ参照)に有るか否かの判定処理を行う。具体的には、エンジン回転速度(NE)が所定値(A:例えば1000rpm)以下の低速であるか否かを判定する(ステップS1)。この判定結果がNOの場合には、図2のメインルーチンを抜けて、上記の所定時間毎にステップS1以下の判定処理等を繰り返す。
【0037】
また、ステップS1の判定結果がYESの場合には、燃料圧力センサ25によって検出されるコモンレール圧力(PC)とエンジン回転速度(NE)および指令噴射量(Q)等のエンジン運転情報によって算出(設定)される目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力偏差(ΔPC)を算出する(ステップS2)。次に、コモンレール圧力(PC)と目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力偏差(ΔPC)が所定値(B)以上に大きいか否かを判定する(ステップS3)。この判定結果がNOの場合には、図2のメインルーチンを抜けて、上記の所定時間毎にステップS1以下の判定処理等を繰り返す。
【0038】
また、ステップS3の判定結果がYESの場合には、継続時間の判定を行う。具体的には、圧力偏差(ΔPC)が所定値(B)以上の状態が連続して所定時間((Csec)以上経過しているか否かを判定する(運転領域判断手段:ステップS4)。この判定結果がNOの場合には、図2のメインルーチンを抜けて、上記の所定時間毎にステップS1以下の判定処理等を繰り返す。
【0039】
また、ステップS4の判定結果がYESの場合には、サプライポンプ5の運転領域が、コモンレール圧力(PC)が異常高圧で釣り合う領域、あるいはサプライポンプ5が許容圧力を超えて運転される領域、あるいはサプライポンプ5の全量吐出時の圧力特性とプレッシャリミッタ3の開弁圧設定値(限界設定圧力)とで囲まれた運転領域(図7のグラフや図8(b)のタイミングチャート参照)等の異常運転領域に有ると判断することができる。すなわち、コモンレール圧力(PC)と目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力偏差(ΔPC)とエンジン回転速度(NE)との関係から導き出されるレギュレート開弁不可能領域(NG領域)に有ると判断して、ポンプ異常故障履歴フラグであるダイアグノーシスフラグ(FDIAG)を1にセットし(運転領域判断手段)、エンジンキーをOFF位置またはACC位置に戻してイグニッションスイッチをオフ(IG・OFF)しても記憶内容が消去されない記憶媒体である不揮発性メモリ(例えばスタンバイRAMやEEPROM)等のメモリに記憶する(ステップS5)。その後に、図2のメインルーチンを抜けて、上記の所定時間毎にステップS1以下の判定処理等を繰り返す。
【0040】
なお、ステップS3において、燃料圧力センサ25によって検出されるコモンレール圧力(PC)が所定値(例えば180MPa)以上で、且つ所定値(プレッシャリミッタの開弁圧設定値±α)以下の圧力範囲内にあるか否かを判定して、その判定結果がYESの場合には、サプライポンプ5の運転領域が異常運転領域に有る、すなわち、レギュレート開弁不可能領域(NG領域)に有ると判断して、ポンプ異常故障履歴フラグであるダイアグノーシスフラグ(FDIAG)を1にセットするようにしても良い。
【0041】
ここで、図5のタイミングチャートに示したような、360°CA間で2噴射1圧送のコモンレール式燃料噴射システムの場合には、インジェクタ4の実噴射時期および実噴射期間とサプライポンプ5の圧送期間とが重なる気筒が存在する。すなわち、指令噴射時期(TFIN)は、各気筒のTDC位置近傍に設定されるため、サプライポンプ5のプランジャ#1の圧送期間に、気筒#3の噴射時期または気筒#1の噴射時期とが重なり、また、サプライポンプ5のプランジャ#2の圧送期間に、気筒#2の噴射時期または気筒#4の噴射時期とが重なる。
【0042】
これにより、SCV6の制御不能時、例えばSCV6のソレノイドコイルの断線故障またはSCV6を駆動する駆動信号送信用のワイヤハーネスの断線故障を要因とする、サプライポンプ5の過剰圧送(ポンプ全量圧送)時であっても、エンジン回転速度(NE)が所定値(A)以下の低速で、且つ燃料噴射量(実噴射量)または指令噴射量(Q)が所定値以上であると、上記のようなレギュレート開弁不可能領域(NG領域)となり、図5のタイミングチャートに実線で示したように、コモンレール圧力(PC)がプレッシャリミッタ3の開弁圧設定値を超えず、異常高圧で釣り合ってしまうので、プレッシャリミッタ3を強制的に開弁させる目的で、次の図3のサブルーチンを実行する。
【0043】
そして、図3のサブルーチンが起動すると、ダイアグノーシスフラグ(FDIAG)が1にセットされているか否かを判定する(ステップS11)。この判定結果がNOの場合には、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(Q)と通常時噴射時期(指令噴射時期:TFIN)との関係を予め実験等により測定して作成した特性図(図6のグラフの破線参照)に基づいて、通常時噴射時期(TFIN)を算出する(ステップS12)。その後に、図3のサブルーチンを抜ける。
【0044】
また、ステップS11の判定結果がYESの場合には、すなわち、ダイアグノーシスフラグ(FDIAG)が1にセットされている場合には、プレッシャリミッタ3を強制的に開弁させる目的で、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(Q)とフェイル時噴射時期との関係を予め実験等により測定して作成した特性図(図6のグラフの実線参照)に基づいて、フェイル時噴射時期を算出する。具体的には、図6のグラフの実線に示したように、エンジン回転速度(NE)や指令噴射量(Q)に係わらず、サプライポンプ5の圧送期間とインジェクタ4の指令噴射期間とが重なる気筒(本実施形態では気筒#3および気筒#2のフェイル時噴射時期を、通常時噴射時期(指令噴射時期:TFIN)よりも上死点後(ATDC)のクランク角度(例えば20°CA)付近まで遅角する(燃料圧力増加手段、噴射時期遅角手段:ステップS13)。その後に、図3の制御ルーチンを抜ける。
【0045】
なお、ステップS13でフェイル時噴射時期を算出するような、ダイアグノーシスフラグ(FDIAG)が1にセットされている時には、サプライポンプ5のSCV6の開弁故障によるサプライポンプ5の過剰圧送(ポンプ全量圧送)を要因とする、インジェクタ4やサプライポンプ5の異常高圧作動が発生している時、つまりサプライポンプ5が許容圧力を超えて長時間運転される異常運転領域に有る時であるため、ドライバーに注意を促す目的で、異常警告灯等のインジケータランプ(視覚表示手段)を点灯するようにしたり、音声ガイド(聴覚表示手段)によってドライバーに認識させるようにしても良い。
【0046】
[第1実施形態の特徴]
ここで、サプライポンプ5のポンプ流量制御弁として、ノーマリオープンタイプ(常開型)の電磁弁よりなるSCV6を採用した場合には、SCV6の制御不能時、例えばECU10の出力ポートとSCV6のソレノイドコイルとを結ぶワイヤハーネス(W/H)の断線またはSCV6のソレノイドコイルの断線またはECU10からSCV6へ出力するポンプ駆動信号の異常(出力異常)等によりSCV6が電気的に全開故障となったり、あるいはSCV6のバルブ(弁体)と弁座との間に異物が噛み込んでSCV6が機械的に全開故障となったりすると、サプライポンプ5が過剰圧送(ポンプ全量圧送)となる。
【0047】
そして、サプライポンプ5が過剰圧送となって、サプライポンプ5の加圧室からコモンレール2を経てインジェクタ4の燃料溜まり(シート部)までの高圧配管経路(コモンレールシステム)内の燃料圧力が異常高圧となると、コモンレール圧力(PC)が上昇する。そして、コモンレール圧力(PC)が限界設定圧力(=プレッシャリミッタ3の開弁圧設定値)を超えると、プレッシャリミッタ3が開弁して、コモンレール2内の高圧燃料を、燃料系の低圧側、つまりリリーフ配管12を経て燃料タンク7に逃がす。これにより、サプライポンプ5の加圧室からコモンレール2を経てインジェクタ4の燃料溜まり(シート部)までの高圧配管経路(コモンレールシステム)内の燃料圧力が限界設定圧力以下に抑えられる。
【0048】
ここで、本実施形態では、コモンレール2内の燃料圧力を、車両を不完全ながら継続走行またはリンプホームさせるのに必要なレギュレート圧力(例えば50MPa)に維持することが可能な圧力レギュレート機能をプレッシャリミッタ3に追加している。これにより、コモンレール2内の燃料圧力が限界設定圧力を超えて、プレッシャリミッタ3が開弁した後に、つまりプレッシャリミッタ3の作動後には、図7のグラフおよび図8(a)のタイミングチャートに示したように、コモンレール圧力(PC)がレギュレート機能付きのプレッシャリミッタ3の開弁後の圧力特性となり、エンジン回転速度(NE)がアイドル回転速度以上に保たれ、車両を不完全ながら継続走行またはリンプホームさせることができる。
【0049】
しかしながら、上述したように、SCV6の制御不能時、例えばSCV6のソレノイドコイルの断線故障またはSCV6を駆動する駆動信号送信用のワイヤハーネスの断線故障を要因とする、サプライポンプ5の過剰圧送(ポンプ全量圧送)時であっても、エンジン回転速度(NE)が所定値(A)以下の低速で、且つ燃料噴射量(実噴射量)または指令噴射量(Q)が所定値以上であると、図7のグラフおよび図8(b)のタイミングチャートに示したように、コモンレール圧力(PC)がポンプ全量吐出時の圧力特性とポンプ許容圧力との間のレギュレート開弁不可能領域(NG領域)となり、コモンレール圧力(PC)がプレッシャリミッタ3の開弁圧設定値を超えず、プレッシャリミッタ3が作動しないため、ポンプ許容圧力を超えて異常高圧で釣り合ってしまう。
【0050】
このエンジン回転速度(NE)が所定値(A)以下の低速で、且つ燃料噴射量(実噴射量)または指令噴射量(Q)が所定値以上の状態が長時間継続すると、図8(c)のグラフに示したように、仮にポンプ全量吐出時であっても、コモンレール圧力(PC)が燃料噴射量の増加に伴って低くなる圧力特性を形成するので、図8(b)のタイミングチャートに示したように、インジェクタ4やサプライポンプ5が異常高圧作動となり、サプライポンプ5やインジェクタ4の性能が劣化したり、コモンレールシステム(燃料系の高圧側の燃料経路)途中の配管継手部や高圧シール部において燃料漏れ等の不具合が発生したりする。したがって、コモンレール式燃料噴射システムの信頼性が低下する可能性がある。
【0051】
特に、サプライポンプ5の性能が劣化する可能性がある。この理由は、コモンレール圧力(PC)とエンジン回転速度(NE)とサプライポンプ5の使用可能範囲(ポンプ許容圧を超えて運転される領域)との関係を示した図7のグラフおよび図8(b)のタイミングチャートからも分かるように、サプライポンプ5のカム軸の摺接部とプランジャの摺接部との間に、通常はオイル潤滑膜が形成されているものが、低速高圧時にはそのオイル潤滑膜を作り難くなり、サプライポンプ5の性能劣化が進行し易くなる。
【0052】
そこで、本実施形態のコモンレール式燃料噴射システムでは、360°CA間で2噴射1圧送のコモンレール式燃料噴射システムの場合、サプライポンプ5の運転領域が上記のようなレギュレート開弁不可能領域(NG領域)となったら、インジェクタ4の実噴射時期および実噴射期間とサプライポンプ5の圧送期間とが重なる気筒の指令噴射時期(フェイル時噴射時期)を、図5のタイミングチャートに示したように、通常時噴射時期よりも、サプライポンプ5の圧送期間が終了する(例えばATDC20°CA付近)まで遅角させるようにして、コモンレール圧力(PC)の上昇傾向の妨げとなる、インジェクタ4からエンジン1の気筒(例えば気筒#3または気筒#2)内への燃料噴射を、サプライポンプ5の圧送期間と重なる間(重複期間中)は、実施しないようにする。これにより、図5のタイミングチャートに破線で示したように、コモンレール圧力(PC)がプレッシャリミッタ3の開弁圧設定値以上に上昇し易くなるので、プレッシャリミッタ3が強制的に開弁する。
【0053】
それによって、低速高圧状態が長時間継続することは有り得ないので、図8(a)のタイミングチャートに示したように、ポンプ許容圧力を超えてもインジェクタ4やサプライポンプ5の性能劣化に至ることはなく、また、インジェクタ4やサプライポンプ5が異常高圧作動となって、サプライポンプ5の加圧室よりコモンレール2を経て各気筒のインジェクタ4の油溜まりやシール部までのコモンレール式燃料噴射システムの燃料系の高圧側の配管経路(高圧配管経路、コモンレールシステム)途中の配管継手部や高圧シール部からの燃料漏れ等の不具合が生じることもない。
したがって、インジェクタ4やサプライポンプ5等の耐久性を向上させることができ、且つコモンレール式燃料噴射システムの信頼性を向上できるという効果を得ることができる。
【0054】
[第2実施形態]
図9は本発明の第2実施形態を示したもので、2噴射1圧送時の、NE信号パルスに対するサプライポンプのプランジャ#1、#2のTDC位置および各気筒のTDC位置、NE信号パルスに対するサプライポンプのプランジャ#1、#2の圧送期間と吸入期間と吸入開始時期を示したタイミングチャートである。
【0055】
本実施形態のサプライポンプ5は、プランジャ#1、#2が上死点(TDC)位置から下死点位置を過ぎるまでの期間が加圧室内に低圧燃料を吸入する吸入期間とされ、その後に、吐出弁が開弁している間、つまりプランジャ#1、#2がTDC位置に戻るまでの期間が加圧室内で加圧された高圧燃料をコモンレール2内へ圧送する圧送期間とされている。なお、図9のタイミングチャートに示した、サプライポンプ5のプランジャ#1、#2位置の推移は、サプライポンプ5のカムプロフィールまたはカム位相であっても良い。
【0056】
そして、本実施形態のクランク角度センサ21は、第1実施形態と同様にして、エンジン1のクランクシャフト14、あるいはサプライポンプ5のポンプ駆動軸15に取り付けられたNEタイミングロータ(図示せず)の外周に対向するように設けられている。そのNEタイミングロータの外周面には、所定角度毎に凸状歯が複数個配置されている。そして、NEタイミングロータの外周面には、エンジン1の各気筒にそれぞれを対応させるように、基準とする各気筒の基準位置(上死点位置:気筒#1のTDC位置、気筒#3のTDC位置、気筒#4のTDC位置、気筒#2のTDC位置)を判別するための4個の凸状歯が所定角度(180°CA)毎に設けられている。また、サプライポンプ5の吸入開始時期(上死点位置:プランジャ#1のTDC位置、プランジャ#2のTDC位置)を判別するための2個の凸状歯が所定角度(360°CA)毎に設けられている。
【0057】
ここで、図9のタイミングチャートに示したように、360°CA間で2噴射1圧送のコモンレール式燃料噴射システムの場合には、インジェクタ4の実噴射時期および実噴射期間とサプライポンプ5の圧送期間とが重なる気筒が存在する。すなわち、指令噴射時期(TFIN)は、各気筒のTDC位置近傍に設定されるため、サプライポンプ5のプランジャ#1の圧送期間に、気筒#4の噴射時期および気筒#2の噴射時期とが重なり、また、サプライポンプ5のプランジャ#2の圧送期間に、気筒#1の噴射時期および気筒#3の噴射時期とが重なる。
【0058】
そこで、本実施形態のコモンレール式燃料噴射システムにおいては、サプライポンプ5の運転領域が上記のようなレギュレート開弁不可能領域(NG領域)となって、ポンプ異常故障履歴フラグであるダイアグノーシスフラグ(FDIAG)が1にセットされたら、サプライポンプ5の圧送期間が終了する側で燃料噴射を実施する気筒である気筒#2および気筒#3の噴射時期を、サプライポンプ5の圧送期間と重ならないように、すなわち、サプライポンプ5の圧送期間が終了するまで、例えばATDC20°CA付近まで遅角させることで、プレッシャリミッタ3を強制的に開弁させることができるので、第2実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0059】
[第3実施形態]
図10ないし図12は本発明の第3実施形態を示したもので、図10はプレッシャリミッタを強制的に開弁させるための噴射量制御方法を示したフローチャートである。
【0060】
そして、図10のサブルーチンが起動すると、ダイアグノーシスフラグ(FDIAG)が1にセットされているか否かを判定する(ステップS21)。この判定結果がNOの場合には、エンジン回転速度(NE)とアクセル開度(ACCP)と通常時最大噴射量との関係を予め実験等により測定して作成した特性図(図11のグラフの破線参照)に基づいて、指令噴射量(通常時噴射量:Q)を算出する(ステップS22)。その後に、図10のサブルーチンを抜ける。
【0061】
また、ステップS21の判定結果がYESの場合には、すなわち、ダイアグノーシスフラグ(FDIAG)が1にセットされている場合には、プレッシャリミッタ3を強制的に開弁させる目的で、エンジン回転速度(NE)とアクセル開度(ACCP)とフェイル時噴射量との関係を予め実験等により測定して作成した特性図(図11のグラフの実線参照)に基づいて、指令噴射量(フェイル時噴射量:Q)を算出する。具体的には、フェイル時噴射量(Q)を、図11のグラフに基づいて設定される通常時噴射量よりも所定値以下(例えば減量または0)に制限する(燃料圧力増加手段、噴射量制限手段:ステップS23)。その後に、図10のサブルーチンを抜ける。ここで、図11のグラフには、アクセル開度(ACCP)が100%開度時(全負荷時)の場合の最大噴射量(フルQ)のみが記されているが、アクセル開度(ACCP)が0%開度時、25%開度時、50%開度時、75%開度時の場合のフェイル時噴射量も、図11のグラフに示したように、通常時噴射量よりも所定値以上制限された値に設定される。
【0062】
なお、ステップS23でフェイル時噴射量を算出するような、ダイアグノーシスフラグ(FDIAG)が1にセットされている時には、サプライポンプ5のSCV6の開弁故障によるサプライポンプ5の過剰圧送(ポンプ全量圧送)を要因とする、インジェクタ4やサプライポンプ5の異常高圧作動が発生している時、つまりサプライポンプ5が許容圧力を超えて長時間運転される異常運転領域に有る時であるため、ドライバーに注意を促す目的で、異常警告灯等のインジケータランプ(視覚表示手段)を点灯するようにしたり、音声ガイド(聴覚表示手段)によってドライバーに認識させるようにしても良い。
【0063】
そして、図12のタイミングチャートに示したような、360°CA間で1噴射1圧送のコモンレール式燃料噴射システムの場合には、インジェクタ4の実噴射時期および実噴射期間とサプライポンプ5の圧送期間とが常に重なる気筒が存在する。すなわち、指令噴射時期(TFIN)は、各気筒のTDC位置近傍に設定されるため、サプライポンプ5のプランジャ#1の圧送期間に、気筒#4の噴射時期および気筒#1の噴射時期とが重なり、また、サプライポンプ5のプランジャ#2の圧送期間に、気筒#2の噴射時期および気筒#3の噴射時期とが重なる。
【0064】
そこで、図12のタイミングチャートに示したような、360°CA間で1噴射1圧送のコモンレール式燃料噴射システムの場合には、上記のようなレギュレート開弁不可能領域(NG領域)となって、ポンプ異常故障履歴フラグであるダイアグノーシスフラグ(FDIAG)が1にセットされたら、エンジン1の各気筒のインジェクタ4への噴射量指令値である指令噴射量(Q)または指令噴射期間(TQ)を、通常時噴射量よりも所定の噴射量補正量分だけ減量するか、あるいはゼロとなるように噴射量を制限することで、コモンレール圧力(PC)の上昇傾向の妨げとなる、インジェクタ4からエンジン1の気筒内へ噴射供給される燃料噴射量(実噴射量)が制限される。これにより、図12のタイミングチャートに破線で示したように、コモンレール圧力(PC)がプレッシャリミッタ3の開弁圧設定値以上に上昇し易くなるので、プレッシャリミッタ3が強制的に開弁する。したがって、第1実施形態または第2実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0065】
[他の実施形態]
本実施形態では、燃料圧力センサ25をコモンレール2に直接取り付けて、コモンレール2内に蓄圧される燃料圧力(コモンレール圧力)を検出するようにしているが、燃料圧力センサ25をサプライポンプ5のプランジャ室(加圧室)からインジェクタ4内の燃料通路までの間の高圧配管経路を形成する燃料配管等に取り付けて、サプライポンプ5の加圧室より吐出された燃料圧力を検出するようにしても良い。
【0066】
本実施形態では、SCV6の弁開度がそのSCV6の電磁コイルへの通電を停止した時に全開状態となるノーマリオープンタイプ(常開型)の電磁弁を用いたが、SCV6の弁開度がその電磁コイルを通電した時に全開状態となるノーマリクローズタイプ(常閉型)の電磁弁を用いても良い。この場合のSCV6の制御不能時とは、ECU10またはポンプ駆動回路からの制御電圧の過大異常時が考えられる。
【0067】
ここで、本実施形態では、エンジン1の運転条件または運転状態を検出する運転条件または運転状態検出手段としてのクランク角度センサ21、アクセル開度センサ22を用いて指令噴射量(Q)、指令噴射時期(TFIN)、目標コモンレール圧力(PFIN)を演算するようにしているが、運転条件または運転状態検出手段としての冷却水温センサ23および燃料温度センサ24、その他のセンサ類(例えば吸気温センサ、吸気圧センサ、気筒判別センサ、噴射時期センサ等)からの検出信号(エンジン運転情報)を考慮した補正量を加味して指令噴射量(Q)、指令噴射時期(TFIN)、目標コモンレール圧力(PFIN)を補正するようにしても良い。
【0068】
また、クランク角度センサ21とアクセル開度センサ22とによって基本噴射量(Q)を演算する基本噴射量決定手段によって設定される基本噴射量(Q)に、エンジン冷却水温(THW)やポンプ側の燃料温度(THF)等を考慮した噴射量補正量を加味して指令噴射量(QFIN)を演算し(指令噴射量決定手段)、その指令噴射量(QFIN)とエンジン回転速度(NE)と指令噴射時期(TFIN)との関係を予め実験等により測定した作成した特性マップまたは演算式に基づいて、指令噴射時期(TFIN)を演算するようにしても良い。また、その指令噴射量(QFIN)とコモンレール圧力(PC)と指令噴射期間(TQ)との関係を予め実験等により測定した作成した特性マップまたは演算式に基づいて、指令噴射期間(TQ)を演算するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コモンレール式燃料噴射システムの全体構造を示した概略図である(第1実施形態)。
【図2】ダイアグノーシスフラグの設定方法を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図3】プレッシャリミッタを強制的に開弁させるための噴射時期制御方法を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図4】レギュレート開弁不可能領域(NG領域)を示したグラフである(第1実施形態)。
【図5】気筒#1のTDC位置、気筒#3のTDC位置、サプライポンプのプランジャ#1の圧力特性を示したタイミングチャートである(第1実施形態)。
【図6】エンジン回転速度に対する通常時噴射時期(指令噴射時期)とフェイル時噴射時期を示した特性図である(第1実施形態)。
【図7】エンジン回転速度に対するポンプ全量吐出時の圧力特性(全負荷時)を示したグラフである(第1実施形態)。
【図8】(a)は図7のA点のコモンレール圧力の挙動を示したタイミングチャートで、(b)は図7のB点(全負荷)のコモンレール圧力の挙動を示したタイミングチャートで、(c)はコモンレール圧力と噴射量との関係を示したグラフである(第1実施形態)。
【図9】2噴射1圧送時の、NE信号パルスに対するサプライポンプのプランジャ#1、#2のTDC位置および各気筒のTDC位置、NE信号パルスに対するサプライポンプのプランジャ#1、#2の圧送期間と吸入期間と吸入開始時期を示したタイミングチャートである(第2実施形態)。
【図10】プレッシャリミッタを強制的に開弁させるための噴射量制御方法を示したフローチャートである(第3実施形態)。
【図11】エンジン回転速度に対する通常時最大噴射量とフェイル時最大噴射量を示した特性図である(第3実施形態)。
【図12】気筒#4のTDC位置、気筒#2のTDC位置、気筒#1のTDC位置、気筒#3のTDC位置、コモンレール圧力の挙動を示したタイミングチャートである(第3実施形態)。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
2 コモンレール
3 プレッシャリミッタ(圧力安全弁)
4 インジェクタ(燃料噴射弁)
5 サプライポンプ(燃料供給ポンプ)
6 SCV(流量制御弁)
10 ECU(燃料圧力増加手段、噴射時期遅角手段、噴射量制限手段、運転領域判断手段、噴射量決定手段、燃料圧力決定手段、コンピュータ)
21 クランク角度センサ(回転速度検出手段)
25 燃料圧力センサ(燃料圧力検出手段)
Claims (8)
- (a)燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧するコモンレールと、
(b)内燃機関により駆動されて、吸入した燃料を加圧して前記コモンレール内に圧送する燃料供給ポンプと、
(c)前記内燃機関の各気筒毎に搭載されて、前記内燃機関の各気筒内に、前記コモンレール内に蓄圧された高圧燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、
(d)前記コモンレール内の燃料圧力が限界設定圧力を超えた際に開弁して、前記コモンレール内の燃料圧力を限界設定圧力以下に抑えるための圧力安全弁と、
(e)前記燃料供給ポンプの異常故障時に、前記コモンレール内の燃料圧力を上昇させて前記圧力安全弁を強制的に開弁させる燃料圧力増加手段と
を備えた蓄圧式燃料噴射装置。 - 請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射装置において、
前記燃料圧力増加手段は、前記燃料供給ポンプのポンプ圧送期間と前記燃料噴射弁の噴射期間とが重複する気筒への指令噴射時期を、
通常時噴射時期よりも前記燃料供給ポンプのポンプ圧送期間と前記燃料噴射弁の噴射期間とが重複しないように遅角させる噴射時期遅角手段を有していることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。 - 請求項1または請求項2に記載の蓄圧式燃料噴射装置において、
前記燃料圧力増加手段は、前記内燃機関の運転条件または運転状態によって決定される指令噴射量を、
通常時噴射量よりも所定値以下に制限する噴射量制限手段を有していることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の蓄圧式燃料噴射装置において、
前記燃料圧力増加手段は、前記コモンレール内の燃料圧力が異常高圧で釣り合う異常運転領域、あるいは前記燃料供給ポンプが許容圧力を超えて運転される異常運転領域、あるいは前記燃料供給ポンプの全量吐出時の圧力特性と前記圧力安全弁の限界設定圧力または開弁圧設定値とで囲まれた異常運転領域を判断する運転領域判断手段を備え、
前記運転領域判断手段は、エンジン回転速度を検出する回転速度検出手段、および前記内燃機関の運転条件または運転状態によって指令噴射量を算出する噴射量決定手段を有し、
前記燃料供給ポンプの異常故障時であって、しかも前記回転速度検出手段によって検出されるエンジン回転速度が所定値以下で、且つ前記噴射量決定手段によって設定される指令噴射量が所定値以上の際に、前記燃料供給ポンプの運転領域が前記異常運転領域に有ると判断することを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の蓄圧式燃料噴射装置において、
前記燃料圧力増加手段は、前記コモンレール内の燃料圧力が異常高圧で釣り合う異常運転領域、あるいは前記燃料供給ポンプが許容圧力を超えて運転される異常運転領域、あるいは前記燃料供給ポンプの全量吐出時の圧力特性と前記圧力安全弁の限界設定圧力または開弁圧設定値とで囲まれた異常運転領域を判断する運転領域判断手段を備え、
前記運転領域判断手段は、エンジン回転速度を検出する回転速度検出手段、前記コモンレール内の燃料圧力を検出する燃料圧力検出手段、前記内燃機関の運転条件または運転状態によって目標燃料圧力を算出する燃料圧力決定手段を有し、
前記燃料供給ポンプの異常故障時であって、しかも前記回転速度検出手段によって検出されるエンジン回転速度が所定値以下で、且つ前記燃料圧力検出手段によって検出される前記コモンレール内の燃料圧力と前記燃料圧力決定手段によって設定される目標燃料圧力との圧力偏差が所定値以上で、且つこの状態が所定時間以上継続している際に、前記燃料供給ポンプの運転領域が前記異常運転領域に有ると判断することを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の蓄圧式燃料噴射装置において、
前記圧力安全弁は、前記コモンレール内の燃料圧力を、車両を不完全ながら継続走行またはリンプホームさせるのに必要なレギュレート圧力に維持することが可能な圧力レギュレート機能を有していることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。 - 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の蓄圧式燃料噴射装置において、
前記燃料供給ポンプは、燃料吸入経路を経て流入した燃料を加圧する加圧室、および前記燃料吸入経路の開度に応じて前記加圧室から前記コモンレール内へ吐出される吐出量を調整する流量制御弁を有し、
前記燃料供給ポンプの異常故障時とは、前記流量制御弁の開弁異常または閉弁異常であることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。 - 請求項7に記載の蓄圧式燃料噴射装置において、
前記流量制御弁は、通電が停止すると、全開する常開型の電磁弁であって、
ポンプ駆動信号に応じて前記流量制御弁の弁開度を制御するコンピュータと、前記流量制御弁と前記コンピュータとを電気的に接続する駆動信号送信用のワイヤハーネスとを備え、
前記燃料供給ポンプの異常故障時とは、前記コンピュータの制御異常または前記ワイヤハーネスの断線異常であることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
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