JP2007254092A - 給紙分離機構およびこの給紙分離機構が適用された画像形成装置 - Google Patents

給紙分離機構およびこの給紙分離機構が適用された画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】給紙時のビビリ音の発生を抑えた上で、2枚給紙を確実に防止する。
【解決手段】用紙カセット31の付勢板37に載置された用紙束Pの下流端で最上位の用紙P1の上面に周面が押圧当接される給紙ローラ311と、この給紙ローラ311と最上位の用紙P1を介して下部で対向配置されるフリクションパッド70とを備えてなる給紙分離機構40において、フリクションパッド70は、コイルスプリング80の付勢力によって用紙搬送方向と反対方向に向けて付勢されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、用紙に対して所定の処理を施す装置に設けられ、所定の用紙貯留部に積層状態で貯留された用紙束から1枚ずつを分離して繰り出させて給紙するようにした給紙分離機構およびこの給紙分離機構が適用された画像形成装置に関するものである。
従来、特許文献1および2に記載されているような給紙分離機構が知られている。まず、特許文献1に記載の給紙分離機構は、複写機やファクシミリ装置等の画像形成装置の給紙容器(用紙トレイ)に対応して設けられるものであり、用紙トレイに収納された複数枚の用紙が積層されてなる用紙束から1枚ずつを繰り出させて画像形成装置へ向けて給紙するように構成されている。
かかる給紙分離機構は、用紙トレイにおける用紙搬送方向の下流端側に配設された軸心回りに駆動回転するゴムなどの摩擦係数の大きな材料製の給紙ローラと、この給紙ローラの下部で当該給紙ローラの周面に当接されるゴムなどの摩擦係数の大きい材料製のフリクションパッドとから構成されている。フリクションパッドは、バネの付勢力で給紙ローラの周面を押圧している。
用紙トレイに収納された用紙束は、最上位の用紙の上面が給紙ローラの下部周面に当接された状態で所定の付勢手段により上方に向けて付勢され、かつ、下流側の端縁上面がフリクションパッドに当止された状態になっている。
この状態で用紙を用紙トレイから引き出す方向に向けて給紙ローラを駆動回転させることにより、最上位の用紙は、摩擦係数の大きな給紙ローラの周面に誘導されて用紙トレイから引き出され、画像形成装置内へ向けて給紙されることになる。
そして、かかる給紙分離機構において、給紙ローラの駆動回転により例えば2枚の用紙が用紙トレイから引き出されてしまったような場合、これら2枚の用紙は、駆動回転している給紙ローラの周面と、フリクションパッドの上面とに挟持された状態になる。この状態において最上位の用紙と2枚目の用紙との間の摩擦力は、最上位の用紙と給紙ローラの周面との間の摩擦力より小さいばかりか、2枚目の用紙とフリクションパッドの上面との間の摩擦力よりも小さいため、最上位の用紙は給紙ローラの駆動回転に誘導されて引き出される一方、2枚目の用紙は、フリクションパッドに阻止されて引き出されることがなく、結局、2枚の用紙が一度に給紙されてしまう、いわゆる2枚給紙が抑止されることになる。
つぎに、特許文献2に記載の給紙分離機構は、複写機やファクシミリ装置等の原稿トレイに設けられるものであり、原稿トレイに載置された複数枚の原稿が積層されてなる原稿束から1枚ずつの原稿を繰り出させて原稿読取部へ給紙するように構成されている。
この分離機構も、基本的に特許文献1のものと同様に、原稿トレイにおける原稿読取部側の端部に配設された軸心回りに駆動回転する給紙ローラと、この給紙ローラの下部で当該給紙ローラの周面に当接されるフリクションパッドとから構成され、特許文献1のものと同様の作用で原稿の2枚給紙を防止するようになされているのであるが、フリクションパッドが上下方向に向けて揺動可能に構成されたパッドホルダに装着されている点が、フリクションパッドが揺動しない特許文献1のものと相違している。
特許文献2には、原稿の給紙時にフリクションパッドが揺動することにより、原稿の振動を抑制することが可能になり、これによって給紙時に原稿が細かく振動することで発生するいわゆるビビリ音が生じなくなると記載されている。
特開平4−354740号公報 特開2005−67784号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載の用紙分離構造にあっては、用紙の種類によって、あるいはカッティング処理によって用紙束の縁部で各用紙が剥がれ難くなっていたりして、最上位の用紙と2枚目の用紙とが分離され難くなっている状況では2枚給紙が発生する場合があるという問題点が存在した。
本発明は、かかる状況に鑑みなされたものであって、給紙時のビビリ音の発生を抑えた上で、2枚給紙を確実に防止することが可能な給紙分離機構およびこの給紙分離機構が適用された画像形成装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、用紙トレイに載置された用紙束の用紙繰り出し方向下流端で最上位の用紙の上面に周面が押圧当接される給紙ローラと、この給紙ローラと前記最上位の用紙を介して下部で対向配置されるフリクションパッドとを備えてなる給紙分離機構であって、前記フリクションパッドは、付勢手段の付勢力によって前記用紙トレイからの用紙の繰り出し方向と反対方向に向けて付勢されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、たとえ用紙束から同時に複数枚の用紙が繰り出されても、用紙束における最上位の用紙を給紙ローラの駆動回転に誘導させて給紙可能としつつ、2枚目の用紙は、付勢手段による付勢力が付与されたフリクションパッドによって後方へ向けて押し戻され、これによって従来のようにフリクションパッドに付勢力が付与されない場合に比較し、複数枚の用紙が同時に給紙先に向けて給紙されるような不都合の発生が確実に防止される。
また、用紙束から繰り出される用紙が給紙ローラとフリクションパッドとに挟持された状態で給紙ローラが駆動回転することにより移動するに際し、当該用紙がフリクションパッドと摺擦することで生じる振動が付勢手段によって吸収されるため、振動に起因して用紙が発するビリビリ振るえたいわゆるビビリ音の発生が確実に防止される。
さらに、用紙の種類によって付勢手段の付勢力に抗したフリクションパッドの移動量が異なることになるため、このフリクションパッドの移動量の相違によって用紙の種類に対応することが可能になり、用紙の種類によって用紙の繰り出しに不具合が生じるような不都合の発生が防止される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上部を露出させた状態で前記フリクションパッドを支持するパッドホルダが備えられ、前記パッドホルダを用紙繰り出し方向に対し正逆移動可能に保持する台座が設けられていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、フリクションパッドは、パッド支持可動部材を介して安定した状態で架台部材に移動可能に装着される。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記台座の上面には前記パッドホルダを移動可能に収納する収納凹部が凹設されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、フリクションパッドをパッドホルダを介して装着凹部に装着することにより、フリクションパッドの台座に対する装着状態が安定する。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記付勢手段は、コイルスプリング、プレートスプリングおよびエラストマーの内のいずれかであることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、状況に応じてコイルスプリング、プレートスプリングおよびエラストマーの内から最適の付勢手段が選択される。
請求項5記載の発明は、画像情報に基づき画像を形成する画像形成装置であって、読み込むべき画像を有する原稿の束が載置される原稿用トレイおよび画像が転写されるべき用紙の束が載置される転写用紙用トレイのいずれか一方または双方が設けられ、前記用紙トレイは、前記原稿用トレイおよび転写用紙用トレイのいずれか一方、または双方であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の給紙分離機構が適用された画像形成装置である。
かかる構成によれば、画像形成装置は、当該画像形成装置に適用された請求項1〜4に記載の給紙分離機構が備えた作用効果を享受し得るものになる。
請求項1記載の発明によれば、たとえ用紙束から同時に複数枚の用紙が繰り出されても、用紙束における最上位の用紙を給紙ローラの駆動回転に誘導させて給紙可能としつつ、2枚目の用紙は、付勢手段による付勢力が付与されたフリクションパッドによって後方へ向けて押し戻され、これによって従来のようにフリクションパッドに付勢力が付与されない場合に比較し、複数枚の用紙が同時に給紙先に向けて給紙されるような不都合の発生を確実に防止することができる。
また、用紙束から繰り出される用紙が給紙ローラとフリクションパッドとに挟持された状態で給紙ローラが駆動回転することにより移動するに際し、当該用紙がフリクションパッドと摺擦することで生じる振動が付勢手段によって吸収されるため、振動に起因して用紙が発するビリビリ振るえたいわゆるビビリ音の発生を確実に防止することができる。
さらに、用紙の種類によって付勢手段の付勢力に抗したフリクションパッドの移動量が異なることになるため、このフリクションパッドの移動量の相違によって用紙の種類に対応することが可能になり、用紙の種類によって用紙の繰り出しに不具合が生じるような不都合の発生を確実に防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、上部を露出させた状態で前記フリクションパッドを支持するパッドホルダが備えられ、パッドホルダを用紙搬送方向に向けて移動可能に保持す台座が設けられているため、フリクションパッドを、パッド支持可動部材を介して安定した状態で架台部材に移動可能に装着することができる。
請求項3記載の発明によれば、台座の上面には前記パッドホルダを移動可能に収納する収納凹部が凹設されているため、フリクションパッドを、パッドホルダを介して装着凹部に装着することにより、フリクションパッドの台座に対する装着状態を安定させることができる。
請求項4記載の発明によれば、状況に応じてコイルスプリング、プレートスプリングおよびエラストマーの内から最適の付勢手段を選択することができる。
請求項5記載の発明によれば、画像形成装置を、当該画像形成装置に適用された請求項1〜4に記載の給紙分離機構が有する作用効果を享受し得るものすることができる。
図1は、本発明に係る給紙分離機構の一実施形態が適用されたプリンタ10の一例の内部構造の概要を示す側面断面視の説明図であり、図1(A)は、用紙カセット31が収納位置T1に収納された状態、図1(B)は、用紙カセット31が引出位置T2に引き出された状態をそれぞれ示している。なお、図1においてY−Y方向を前後方向といい、特に−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
図1に示すように、プリンタ10は、印刷処理に供する用紙P1を貯留するとともに、貯留された用紙P1の束(用紙束P)から1枚ずつの用紙P1を繰り出させたり、手差しで給紙させたりし得るように構成された給紙装置30と、この給紙装置30から供給された用紙P1に対して画像の転写処理を施す画像形成部20と、この画像形成部20で転写処理の施された用紙P1に対して定着処理を施す定着部27とが装置本体11における仕切板115より上方位置に内装されることによって構成されている。定着部27で定着処理の施された用紙P1は、装置本体11の頂部に形成された排紙トレイ117へ排紙されるようになっている。
前記給紙装置30は、装置本体11に対して挿脱可能に装着された用紙束Pを貯留するための用紙カセット(用紙トレイ、転写用紙用トレイ)31と、この用紙カセット31の前端部に設けられた手差し給紙部38とを備えて構成されている。装置本体11には、用紙カセット31の上流側(前方側)に対応した位置に用紙束Pから1枚ずつの用紙P1を繰り出させる大径の給紙ローラ311が設けられているとともに、この給紙ローラの直上位置に小径の搬送コロ312が設けられている。そして、給紙ローラ311の駆動によって用紙カセット31から繰り出された用紙P1は、搬送コロ312を介し、給紙搬送路313およびこの下流端に設けられたレジストローラ対314を通って画像形成部20に給紙されるようになっている。なお、用紙カセット31については後に改めて図2を基に説明する。
前記画像形成部20は、コンピュータ等から伝送された画像情報に基づき用紙P1に転写処理を施すものであり、左右方向(図1の紙面と直交する方向)に延びるドラム心回りに回転可能に設けられた感光体ドラム21の周面に沿うように、当該感光体ドラム21の直上位置から時計方向に向けて帯電器22、露光装置23、現像装置24、転写ローラ25およびクリーニング装置26が配設されることによって形成されている。
前記感光体ドラム21は、周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像を形成させるためのものであり、周面に滑らかで強靱なアモルファスシリコン層が積層され、これによってこれらの像を形成させるのに適したものになっている。
前記帯電器22は、ドラム心回りに時計方向に回転している感光体ドラム21の周面に一様な電荷を形成させるものであり、本実施形態においては、ワイヤからのコロナ放電により感光体ドラム21の周面に電荷を付与するコロナ放電方式のものが採用されているが、これに代えて周面が感光体ドラム21の周面と当接しながら従動回転しつつ当該感光体ドラム21の周面へ電荷を付与する帯電ローラ方式を採用してもよい。
前記露光装置23は、コンピュータ等の外部の機器から伝送されてきた画像データに基づき強弱の付与されたレーザー光を回転している感光体ドラム21の周面に照射し、これによる感光体ドラム21周面のレーザー光が照査された部分の電荷の消去によって当該感光体ドラム21の周面に静電潜像を形成させるものである。
前記現像装置24は、感光体ドラム21の周面に現像剤の内のトナーを供給することによって周面の静電潜像が形成された部分にトナーを付着させ、これによって感光体ドラム21の周面にトナー像を形成させるものである。なお、本発明においては、現像剤としてトナーとキャリアとからなる、いわゆる2成分系のものが採用されている。トナーは、着色剤、電荷制御剤およびワックス等の添加剤をバインダー樹脂中に分散させた粒径が6〜12μmの微粉体である。
キャリアは、磁鉄鉱(Fe)等の粒径が60〜200μmの磁性粒子であり、トナーを帯電させるために使用される。そして、トナーは、トナーカートリッジ241から現像装置24に適宜補給される消耗品であるのに対し、キャリアは、予め所定量が現像装置24内に装填されており、消耗することなく循環使用されるのが一般的であるが、本発明においては、トナーカートリッジ241にトナーおよびキャリア(すなわち現像剤)が装填されており、トナーとキャリアの双方が同時に現像装置24に補給されるようにしている。
前記転写ローラ25は、感光体ドラム21の直下位置に送り込まれた用紙P1に対して当該感光体ドラム21の周面に形成されているプラスに帯電したトナー像を用紙P1に転写させるものであり、トナー像の電荷と逆極性であるマイナスの電荷を用紙P1に付与するようになっている。
従って、感光体ドラム21の直下位置に到達した用紙P1は、転写ローラ25と感光体ドラム21とによって押圧挟持されつつ、プラスに帯電した感光体ドラム21周面のトナー像がマイナスに帯電した用紙P1の表面に向けて引き剥がされて転写処理が施されることになる。
前記クリーニング装置26は、用紙P1への転写処理後の感光体ドラム21の周面に残留しているトナーを取り除いて清浄化するためのものである。このクリーニング装置26によって清浄化された感光体ドラム21の周面は、次の画像形成処理のために再び帯電器22へ向かうことになる。
前記定着部27は、画像形成部20において転写処理の施された用紙P1のトナー像に加熱による定着処理を施すものであり、内部にハロゲンランプ等の通電発熱体が装着されたヒートローラ271と、このヒートローラ271の下部で周面が対向配置された加圧ローラ272とを備えて構成されている。そして、転写処理後の用紙P1は、ローラ心回りに時計方向に向けて駆動回転しているヒートローラ271と、ローラ心回りに反時計方向に向けて従動回転している加圧ローラ272との間のニップ部を通過することによりヒートローラ271からの熱を得て定着処理が施されるようになっている。定着処理の施された用紙P1は、排紙搬送路273を通って排紙トレイ117へ排出されることになる。
前記手差し給紙部38は、後縁部が前記画像形成部20の上流端側において最下位置から搬送コロ312の直上位置にまで延ばされた前壁381と、この前壁381に支持された手差しトレイ382とを備えて構成されている。
以下、かかる給紙装置30について、図2を基に詳細に説明する。図2は、給紙装置30の一実施形態を示す斜視図である。なお図2におけるX−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。図2に示すように、給紙装置30は、用紙カセット31と、この用紙カセット31の前端位置に形成された手差し給紙部38とを備えて構成されている。かかる給紙装置30の一方の構成要素である用紙カセット31は、前面が平面視で外方(前方)に向かって円弧状に膨設された円弧状前板32と、この円弧状前板32の裏面(後面)側の下縁部から後方に向かって延設された底板33と、この底板33の左右両側部から上方に向けて突設された前後方向に延びる一対の側板34とを備えて構成され、上面が開口した平面視で矩形状の箱形を呈している。
前記各側板34の適所には、互いに反対方向に向けて突設された各一対の被ガイド突片341が設けられている一方、装置本体11の一対の側板111(図1(B))には、前記被ガイド突片341に対応した前後方向に延びるガイド溝111aがそれぞれ凹設され、用紙カセット31は、各被ガイド突片341がこれらのガイド溝111a(図1(B))に案内されつつ正逆移動することによって装置本体11内に収納された収納位置T1(図1(A))と、装置本体11から外部に突出した引出位置T2(図1(B))との間で位置変更し得るようになっている。
前記底板33には、その上面側における左右方向の中央位置に前後方向に延びた前後動案内用凹部331が設けられているとともに、この前後動案内用凹部331に案内されつつ前後動可能な前後位置規制部材35が設けられている。この前後位置規制部材35は、底板33上に載置された用紙束P(図1)の後端位置を規制するためのものであり、前後動案内用凹部331内をスライドする水平板351と、この水平板351の後端部から立設された垂直板352とを有している。そして、この垂直板352を用紙サイズに合わせて移動させて用紙束Pの後端へ当止させ得るようになっている。
また、底板33には、その上面の前方位置に左右方向一対の左右動案内用凹部332が設けられているとともに、これらの左右動案内用凹部332に案内されつつ左右方向に移動可能な一対の左右位置規制部材36が設けられている。これらの左右位置規制部材36は、底板33上に載置された用紙束P(図1)の左右位置を規制するためのものであり、左右動案内用凹部332内をスライドする水平板361と、各水平板361における左右方向の互いに反対側の縁部から立設された垂直板362とを有している。そして、これらの左右位置規制部材36を用紙サイズに合わせて同一量だけ反対方向に向けて移動させることにより一対の垂直板362で当該用紙束Pを挟持し得るようになっている。
従って、用紙カセット31の底板33上に載置された用紙束Pは、前後位置規制部材35および一対の左右位置規制部材36によって挟み込まれることにより、前端が前壁381に当止した状態で用紙カセット31内において位置決めされることになる。
また、底板33の前半分の位置には、前記左右位置規制部材36と干渉しない状態で載置された用紙束Pの前半分を上方へ向けて付勢する付勢板37が設けられている。この付勢板37は、後端側が左右方向に延びる支軸371(図1)回りに回動可能に軸支されているとともに、コイルバネ372(図1)によって上方に向かって付勢され、これによって用紙カセット31に装填された用紙束Pの最上位の用紙P1は、用紙カセット31が装置本体11に収納された状態(図1(A))で給紙ローラ311に当接するようになっている。従って、用紙束Pの最上位の用紙P1は、給紙ローラ311が駆動回転することにより、給紙ローラ311、搬送コロ312、給紙搬送路313およびレジストローラ対314を介し画像形成部20へ向けて順次送り出されることになる。
このように構成された給紙装置30において、本発明に係る給紙分離機構40が前記前壁381に設けられている。以下、図3〜図5に基づき給紙分離機構40について説明する。図3は、給紙分離機構40の一実施形態を示す分解斜視図であり、図4は、その組み立て斜視図である。また、図5は、図4に示す給紙分離機構40のI−I線断面図であり、図5(A)は、フリクションパッド70がホームポジションS1に位置した状態、図5(B)は、フリクションパッド70が付勢力付与ポジションS2に位置した状態をそれぞれ示している。なお、図3〜図5におけるXおよびYによる方向表示は、図2の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
まず、図3に示すように、給紙分離機構40は、手差し給紙部38の前壁381(図2)における左右方向の中央位置に嵌め込まれる架台部材(台座)50と、この架台部材50に用紙搬送方向対し正逆移動可能に装着されるパッド支持可動部材(パッドホルダ)60と、このパッド支持可動部材60に装着されるフリクションパッド70と、前記パッド支持可動部材60を用紙搬送方向の下流側に向けて押圧するべく付勢するコイルスプリング80とを備えて構成されている。
前記架台部材50は、前壁381の後面に対応するように側面視で「く」字状に折り曲げられた形状に設定されている。かかる架台部材50は、左右方向一対の脚柱51と、これら一対の脚柱51の上縁部間に架設され、かつ、脚柱51の延びる方向に対し前方に向けて略30°傾斜したパッド保持部52とを備えて構成されている。
前記パッド保持部52は、用紙カセット31が収納位置T1(図1(A))に位置設定された状態で表面が前記給紙ローラ311の周面と対向するように設置位置が設定されている。かかるパッド保持部52は、表側が前方に向かって先上がりで傾斜した表面板53と、前方でこの表面板53と対向配置された略垂直な背面板54と、この背面板54と前記表面板53との各端縁間にそれぞれ架設された左右方向一対の側板55と、背面板54と表面板53との各上縁部間に架設された天板56とを備え、下面は開放状態とされている。前記各脚柱51は、各側板55の後端下部から下方に向かって延設されている。
前記表面板53には、略全面に亘り凹没されることにより形成した前記パッド支持可動部材60を装着するための矩形状の装着凹部531が設けられている。かかる装着凹部531は、凹没量が全体に亘り前記パッド支持可動部材60の上下寸法より若干深めに設定され、これによってパッド支持可動部材60は、装着凹部531内に装着された状態で当該装着凹部531から外部に突出しないようになっている。このような装着凹部531の底面板532は、表面板53と平行になっている。
前記底面板532には、左右方向の中央位置に当該底面板532を幅方向に横断した連絡開口533が設けられている。この連絡開口533は、底面板532の背面側に装着される前記コイルスプリング80の付勢力をパッド支持可動部材60に伝達するべく設けられたものである。また、底面板532には、表面側に向かって膨出した当該底面板532の幅方向に延びる左右方向一対のガイドレール534が膨設されている。これらのガイドレール534は、装着凹部531内におけるパッド支持可動部材60の移動を案内するためのものである。
そして、前記装着凹部531は、上下幅寸法がパッド支持可動部材60の幅寸法の略2倍に寸法設定されているとともに、左右寸法がパッド支持可動部材60の左右寸法より僅かに長めに寸法設定され、これによってパッド支持可動部材60は装着凹部531内で略自身の幅寸法分だけ底面板532上をスライドしながら傾斜方向に向かって正逆移動し得るようになっている。
このように構成された架台部材50は、左右方向一対の側板55下部における脚柱51の近傍位置に互いに反対方向に向けて突設された支点軸57を有し、この支点軸57回りに回動可能に前壁381(図2)に支持されているとともに、背面板54の上部が押圧バネ58の付勢力で後方に向かって押圧されている。これによって架台部材50は、押圧バネ58により支点軸57回りに反時計方向に向かう押圧力を受け、前記フリクションパッド70が給紙ローラ311の周面に押圧当止されるようになっている。
前記パッド支持可動部材60は、フリクションパッド70を支持するためのものであり、本実施形態においては、長尺の矩形状の金属板の一対の側縁部をそれぞれ同一方向に折り曲げるようにプレス処理することによって形成されている。かかるパッド支持可動部材60は、左右方向の長さ寸法が前記装着凹部531の左右方向の内寸法より僅かに短く寸法設定された底板61と、この底板61の両側縁部から上方に向かって突設された左右方向に延びる一対の側板62とを備えている。前記各側板62の高さ寸法は、前記装着凹部531の凹没量より若干低めに設定されている。
かかるパッド支持可動部材60において、前記底板61には、前記架台部材50の底面板532に設けられた一対のガイドレール534に摺接状態で外嵌するように位置設定および寸法設定された一対の被ガイド溝611が穿設されている。そして、パッド支持可動部材60が装着凹部531に装着されることにより、一対の被ガイド溝611がそれぞれ対応したガイドレール534に嵌り込み、これによってパッド支持可動部材60は、各被ガイド溝611が各ガイドレール534に案内されつつ安定した状態で装着凹部531の幅方向に正逆移動し得るようになる。
また、かかるパッド支持可動部材60において、後方の側板62には、左右方向の中央位置から下方に向けて突設された突設片621が設けられている。本実施形態においては、この突設片621は、底板61が下方に向けて切り起こされることによって形成されている。
かかる突設片621は、前記コイルスプリング80の基端側(下部)を支持するためのものである。この支持を確実なものにするために、突設片621の前面側には、径寸法がコイルスプリング80の内径寸法より若干小さめの円柱片622が前方に向かって突設され、この円柱片622にコイルスプリング80の基端側を外嵌することで当該コイルスプリング80が突設片621から外れ止めされるようになっている。
前記フリクションパッド70は、前記給紙ローラ311とで用紙P1を挟持し、これによって用紙P1の2枚給紙を防止するべく設けられるものであり、長さ寸法がパッド支持可動部材60の長さ寸法と略同一に設定されているとともに、幅寸法がパッド支持可動部材60の一対の側板62間の内寸法より若干幅広に設定され、さらに厚み寸法がパッド支持可動部材60の側板62の上下寸法より若干厚く設定されている。
従って、フリクションパッド70は、幅方向に圧縮弾性変形させつつ一対の側板62間に嵌め込むことによってパッド支持可動部材60に装着された状態では、自身の弾性力によってパッド支持可動部材60から抜け止めされるとともに、表面側が各側板62の上縁部から上方に突出した状態になる。この状態でパッド支持可動部材60が装着凹部531に装着されることにより、フリクションパッド70の上面が装着凹部531から若干外部に突出することになる。
かかるフリクションパッド70は、ゴムや柔軟な合成樹脂材料等のエラストマーによって形成され、用紙P1が給紙ローラ311とフリクションパッド70とによって挟持された状態で当該用紙P1に対し適度の摩擦力を付与するようになされている。このようなフリクションパッド70は、当該フリクションパッド70と用紙P1との間に形成される摩擦力が給紙ローラ311と用紙P1との間に形成される摩擦力より小さくなるようにフリクションパッド70の材料が選択され、これによって給紙ローラ311とフリクションパッド70とに挟持された用紙P1は、給紙ローラ311が軸心回りに回転することにより、当該給紙ローラ311の回転に従って用紙束Pから繰り出されるようになっている。
因みに、本実施形態においては、フリクションパッド70の材料として各種のエラストマーの内のウレタンコルク・ラバーが採用されているのに対し、給紙ローラ311の材料としてEPDM(Ethylene propylene diene terpolymer)が採用されているが、本発明は、フリクションパッド70用のエラストマーがウレタンコルク・ラバーであり、給紙ローラ311用のエラストマーがEPDMであることに限定されるものではなく、給紙ローラ311に比べてフリクションパッド70の方が用紙P1との間の摩擦力が小さいという条件を満足するものであれば、各種のエラストマーを採用することができる。
前記コイルスプリング80は、パッド支持可動部材60を介してフリクションパッド70をホームポジションS1に位置設定させるべくパッド支持可動部材60に付勢力を付与するものである。かかるコイルスプリング80は、図5に示すように、圧縮状態で一方の端部がパッド支持可動部材60の突設片621に設けられた円柱片622に外嵌される一方、他方の端部は、架台部材50のパッド保持部52内における背面板54と天板56とによって形成された隅部に当止されている。
かかるコイルスプリング80の付勢力は、図5(A)に示すように、フリクションパッド70がホームポジションS1に位置設定されている状態では、用紙P1とフリクションパッド70との間の摩擦力より小さいが、フリクションパッド70が、図5(B)に示すように、付勢力付与ポジションS2に移行した状態ではコイルスプリング80の付勢力の方が用紙P1とフリクションパッド70との間の摩擦力より大きくなるようなものが採用されている。
そして、給紙ローラ311が停止された状態では、フリクションパッド70は、コイルスプリング80の付勢力によりパッド支持可動部材60を介して後方に向けて押圧され、これによって、図5(A)に示すように、ホームポジションS1に位置設定された状態になっている。
これに対し、用紙束Pの最上位の用紙P1が給紙ローラ311の周面に当接された状態で、給紙ローラ311が駆動されて軸心回りに反時計方向に駆動回転されると、図4の(イ)に示すように、最上位の用紙P1は、この給紙ローラ311の回転に誘導されて用紙束Pから引き出され、給紙ローラ311の周面とフリクションパッド70の上面との間のニップ部Nを通過することになる。
このときフリクションパッド70は、コイルスプリング80の付勢力に抗してコイルスプリング80を圧縮させながら前方に向かって斜め上に移動し、摩擦力と付勢力とが拮抗した状態でフリクションパッド70は移動しなくなり、用紙P1に対しコイルスプリング80の付勢力を付与した付勢力付与ポジションS2(図5(B))に位置することになる。
そして、用紙P1は、この状態で用紙束Pから繰り出されていく。用紙束Pにおける最上位の用紙P1の繰り出しが完了すると、フリクションパッド70は、図5(A)に示すホームポジションS1に戻り、つぎの用紙P1の繰り出しに供されることになる。
以下、給紙分離機構40のかかる作用を、図6を基にさらに詳しく説明する。図6は、給紙分離機構40の作用を説明するための説明図であり、図6(A)および図6(B)は、用紙束Pから最上位の用紙P1の1枚のみが繰り出されたときの給紙分離機構40の経時的な作用を示し、図6(C)〜図6(E)は、用紙束Pから最上位の用紙P1とその次の用紙P1との2枚が同時に繰り出された、いわゆる2枚繰り出し時の給紙分離機構40の経時的な作用を示している。なお、図6におけるYによる方向表示は、図2の場合と同様(−Y:前方、+Y:後方)である。
まず、架台部材50は、押圧バネ58の付勢力で支点軸57回りに反時計方向に向けて付勢されてフリクションパッド70が給紙ローラ311の周面に押圧され、これによってフリクションパッド70と給紙ローラ311との間に用紙P1をニップするニップ部Nが形成されている。
この状態(フリクションパッド70がホームポジションS1に位置設定された状態)で給紙ローラ311が軸心回りに反時計方向に向けて駆動回転することにより、付勢板37によって上方に向けて付勢されている用紙束Pの最上位の用紙P1が、図6(A)に示すように、前方に向けて繰り出され、当該用紙P1の先端がニップ部Nに到達する。用紙P1がニップ部Nに到達した時点では、フリクションパッド70は、未だホームポジションS1に留まっている。
この時点において給紙ローラ311の駆動回転は継続されるため、用紙P1は、給紙ローラ311の回転に誘導され続けて前方に向かって移動する。このときフリクションパッド70は、用紙P1の移動に誘導され、コイルスプリング80の付勢力に抗して装着凹部531内で前方に向かって斜め上方へ移動し、図6(B)に示すように、付勢力付与ポジションS2に位置設定される。
そして、フリクションパッド70は、付勢力付与ポジションS2に位置設定された状態において、ニップ部Nに位置している用紙P1を圧縮弾性変形したコイルスプリング80の付勢力により後方へ戻そうとするが、フリクションパッド70と用紙P1との間の摩擦力の方が給紙ローラ311と用紙P1との間の摩擦力より小さいため、用紙P1は、フリクションパッド70によって押し戻されることなく、給紙ローラ311の回転に応じて前方に向かって引き出されることになる。
最上位の用紙P1の用紙束Pからの繰り出し処理が完了し、次の用紙P1の繰り出しの準備のために給紙ローラ311の駆動回転が一旦停止されると、フリクションパッド70は、コイルスプリング80の付勢力により付勢力付与ポジションS2からホームポジションS1に戻されることになる。かかる給紙ローラ311の駆動・停止が繰り返されることにより、用紙束Pから用紙P1が1枚ずつ画像形成部20へ向けて給紙されることになる。
つぎに、給紙ローラ311の駆動回転によって用紙束Pから同時に2枚の用紙P1が繰り出された場合のフリクションパッド70の作用について、図6(C)〜図6(E)を基に説明する。まず、給紙ローラ311が軸心回りに反時計方向に向けて駆動回転することにより、用紙束Pから同時に2枚の用紙P1が繰り出されたときには、図6(C)に示すように、2枚の用紙P1(以下、最上位の用紙P1を最上位用紙P11、最上位の次の用紙P1を次用紙P12という)が同時にニップ部Nに到達する。
この状態において、給紙ローラ311の駆動回転が継続されることにより、フリクションパッド70は、給紙ローラ311と連れ回りする2枚の用紙P1に誘導されて、図6(D)に示すように、一旦付勢力付与ポジションS2にまで移動する。このとき最上位用紙P11と次用紙P12との間には静止摩擦が作用している。
しかしながら、最上位用紙P11と給紙ローラ311との間の摩擦力が最上位用紙P11と次用紙P12との間の摩擦力より大きいこと、および次用紙P12にはフリクションパッド70を介して両者間の摩擦力でコイルスプリング80の後方へ向かう付勢力が付与されていることにより、最上位用紙P11と次用紙P12との間に滑りが生じ、これによって最上位用紙P11と次用紙P12との間には動摩擦が作用するようになる。
そして、動摩擦は静止摩擦より小さいため、フリクションパッド70は、コイルスプリング80の付勢力に抗して付勢力付与ポジションS2を持ちこたえることができなくなり、これによって最上位用紙P11が給紙ローラ311に誘導されて前方へ繰り出され続ける状況下でフリクションパッド70は、図6(D)に示すように、コイルスプリング80の付勢力により次用紙P12を伴ってホームポジションS1へ向けて移動する。
このように、たとえ給紙ローラ311の駆動回転により用紙束Pから同時に2枚の用紙P1が繰り出されても、次用紙P12が当接しているフリクションパッド70が、図6(E)に示すように、コイルスプリング80の付勢力により当該次用紙P12を後方に向かって押し遣るため、2枚の用紙P1が同時に給紙ローラ311によって画像形成部20へ向けて給紙されることを確実に防止することができる。
なお、図6(C)〜図6(E)を基に給紙ローラ311の駆動回転により用紙P1が同時に2枚繰り出された状態を例に挙げて2枚給紙が防止されるという給紙分離機構40の作用について説明したが、3枚以上の用紙P1が繰り出されたときにも、上記と同様のコイルスプリング80により付勢力が付与されたフリクションパッド70の作用によって複数枚の用紙P1が画像形成部20へ給紙されることを確実に防止することができる。
以上詳述したように、本発明に係る給紙分離機構40は、用紙カセット31の付勢板37に載置された用紙束Pの下流端で最上位の用紙P1の上面に周面が押圧当接される給紙ローラ311と、この給紙ローラ311と最上位の用紙P1を介して下部で対向配置されるフリクションパッド70とを備えてなるものであり、フリクションパッド70は、コイルスプリング80の付勢力によって用紙搬送方向と反対方向に向けて付勢されているため、たとえ用紙束Pから同時に複数枚の用紙が繰り出されても、最上位の用紙P1を給紙ローラ311の駆動回転に誘導させて給紙可能としつつ、2枚目の用紙P1は、コイルスプリング80の付勢力で一旦はホームポジションS1から付勢力付与ポジションS2へ位置変更したフリクションパッド70がホームポジションS1へ戻ることに同伴して後方へ向けて押し戻され、これによって複数枚の用紙P1が同時に画像形成部20へ給紙されるような不都合の発生が確実に防止される。
さらに、用紙P1の種類によってコイルスプリング80の付勢力に抗しフリクションパッド70の移動量が異なることになるため、このフリクションパッド70の移動量の相違によって用紙の種類に対応することが可能になり、用紙P1の種類によって当該用紙P1の繰り出しに不具合(すなわち2枚給紙)が生じるような不都合の発生を確実に防止することができる。
また、用紙束Pから繰り出される用紙P1が給紙ローラ311とフリクションパッド70とに挟持された状態で給紙ローラ311が駆動回転することにより移動するに際し、当該用紙P1がフリクションパッド70と摺擦することで生じる振動がコイルスプリング80の伸縮によって吸収されるため、振動に起因して用紙P1が発するビリビリ振るえたいわゆるビビリ音の発生を確実に防止することができる。
また、上記の実施形態においては、上部を露出させた状態でフリクションパッド70を支持するパッド支持可動部材60が設けられているとともに、このパッド支持可動部材60を用紙搬送方向に向けて移動可能に保持す架台部材50が設けられているため、フリクションパッド70は、パッド支持可動部材60を介して安定した状態で架台部材50に移動可能に装着される。
また、架台部材50の上面にはパッド支持可動部材60を移動可能に収納する収納凹部が凹設されているため、フリクションパッド70をパッド支持可動部材60を介して装着凹部531に装着することにより、フリクションパッド70の架台部材50に対する装着状態が安定する。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、給紙分離機構40が適用される画像形成装置としてプリンタ10を例に挙げて説明したが、本発明は、給紙分離機構40が適用される画像形成装置がプリンタ10であることに限定されるものではなく、複写機やファクシミリ装置、さらには原稿画像を読み込んでコンピュータ等の他の機器に伝送するスキャナであってもよい。なお、画像形成装置が複写機である場合には、本発明に係る用紙トレイとして用紙カセット31に加えて画像を読み込むべき原稿の束が載置される原稿用トレイが設けられる。また、画像形成装置がスキャナである場合には、本発明に係る用紙トレイとして用紙カセット31は設けられず、原稿用トレイのみが設けられる。因みに、画像形成装置がスキャナである場合、原稿から読み取った画像情報をコンピュータ等の外部機器に伝送し得るように調製することも本発明に係る画像形成という概念に含まれる。
(2)上記の実施形態においては、給紙分離機構40が適用される用紙トレイとして画像が転写処理される転写紙を貯留するための用紙カセット31が採用されているが、本発明は、用紙トレイが用紙カセット31であることに限定されるものではなく、画像形成装置が複写機やファクシミリ装置である場合には、原稿を画像読取部に向けて給紙する、いわゆる原稿用の給紙トレイであってもよい。
(3)上記の実施形態においては、パッド支持可動部材60を介してフリクションパッド70に付勢力を付与する付勢手段としてコイルスプリング80が採用されているが、本発明は、付勢手段がコイルスプリング80であることに限定されるものではなく、状況に応じてプレートスプリングやゴム等のエラストマーを採用することができる。
本発明に係る給紙分離機構の一実施形態が適用されたプリンタの一例の内部構造の概要を説明するための側面断面視の説明図であり、(A)は、用紙カセットが収納位置に収納された状態、(B)は、用紙カセットが引出位置に引き出された状態をそれぞれ示している。 給紙装置の一実施形態を示す斜視図である。 給紙分離機構の一実施形態を示す分解斜視図である。 図3に示す給紙分離機構の組み立て斜視図である。 図4に示す給紙分離機構のI−I線断面図であり、(A)は、フリクションパッドがホームポジションに位置した状態、(B)は、フリクションパッドが付勢力付与ポジションに位置した状態をそれぞれ示している。 給紙分離機構の作用を説明するための説明図であり、(A)および(B)は、用紙束から最上位の用紙の1枚のみが繰り出されたときの給紙分離機構の経時的な作用を示し、(C)〜(E)は、用紙束から最上位の用紙とその次の用紙との2枚が同時に繰り出された、いわゆる2枚繰り出し時の給紙分離機構の経時的な作用を示している。
符号の説明
10 プリンタ 11 装置本体
111 側板 111a ガイド溝
115 仕切板 117 排紙トレイ
20 画像形成部 21 感光体ドラム
22 帯電器 23 露光装置
24 現像装置 241 トナーカートリッジ
25 転写ローラ 26 クリーニング装置
27 定着部 271 ヒートローラ
272 加圧ローラ 273 排紙搬送路
30 給紙装置 31 用紙カセット(用紙トレイ、転写用紙用トレイ)
311 給紙ローラ 312 搬送コロ
313 給紙搬送路 314 レジストローラ対
32 円弧状前板 33 底板
331 前後動案内用凹部 332 左右動案内用凹部
34 側板 341 被ガイド突片
35 前後位置規制部材 351 水平板
352 垂直板 36 左右位置規制部材
361 水平板 362 垂直板
37 付勢板 371 支軸
372 コイルバネ 38 給紙部
381 前壁 382 トレイ
40 給紙分離機構 50 架台部材(台座)
51 脚柱 52 パッド保持部
53 表面板 531 装着凹部
532 底面板 533 連絡開口
534 ガイドレール 54 背面板
55 側板 56 天板
57 支点軸 58 押圧バネ
60 パッド支持可動部材(パッドホルダ)
61 底板 611 被ガイド溝
62 側板 621 突設片
622 円柱片 70 フリクションパッド
80 コイルスプリング N ニップ部
P 用紙束 P1 用紙
P11 最上位用紙 P12 次用紙
S1 ホームポジション S2 付勢力付与ポジション
T1 収納位置 T2 引出位置

Claims (5)

  1. 用紙トレイに載置された用紙束の用紙繰り出し方向下流端で最上位の用紙の上面に周面が押圧当接される給紙ローラと、この給紙ローラと前記最上位の用紙を介して下部で対向配置されるフリクションパッドとを備えてなる給紙分離機構であって、
    前記フリクションパッドは、付勢手段の付勢力によって前記用紙トレイからの用紙の繰り出し方向と反対方向に向けて付勢されていることを特徴とする給紙分離機構。
  2. 上部を露出させた状態で前記フリクションパッドを支持するパッドホルダが備えられ、前記パッドホルダを用紙繰り出し方向に対し正逆移動可能に保持する台座が設けられていることを特徴とする請求項1記載の給紙分離機構。
  3. 前記台座の上面には前記パッドホルダを移動可能に収納する収納凹部が凹設されていることを特徴とする請求項2記載の給紙分離機構。
  4. 前記付勢手段は、コイルスプリング、プレートスプリングおよびエラストマーの内のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の給紙分離機構。
  5. 画像情報に基づき画像を形成する画像形成装置であって、
    読み込むべき画像を有する原稿の束が載置される原稿用トレイおよび画像が転写されるべき用紙の束が載置される転写用紙用トレイのいずれか一方または双方が設けられ、
    前記用紙トレイは、前記原稿用トレイおよび転写用紙用トレイのいずれか一方、または双方であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の給紙分離機構が適用された画像形成装置。
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