JP2007248905A - 画像読取レンズ、画像読取装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】原稿読取レンズを構成しているパラメータの加工誤差により発生する像面湾曲等の緒収差の変動、更にレンズの組付け偏心の補正を実際に使用するラインセンサを用いて補正することで、ラインセンサの反りによる結像面の湾曲も合わせて補正することができ、良好な結像性能を有した低コストな原稿読取レンズ及びそれを用いた画像読取装置を提供する。
【解決手段】この画像読取レンズ200は、連結部材13の筒の内周部に3つの突起部15を設けるというものである。第1、第2の保持部材11、12は連結部材13に圧入して、この3つの突起部15で保持させるというものである。
【選択図】図9
【解決手段】この画像読取レンズ200は、連結部材13の筒の内周部に3つの突起部15を設けるというものである。第1、第2の保持部材11、12は連結部材13に圧入して、この3つの突起部15で保持させるというものである。
【選択図】図9
Description
本発明は、画像読取レンズ、画像読取装置及び画像形成装置に関し、さらに詳しくは、複写機、ファクシミリ等の原稿読取装置に使用される画像読取レンズの結像レンズ構成に関するものである。
ファクシミリやデジタル複写機の原稿読み取り部やイメ−ジスキャナは、読み取るべき画像情報を原稿読取レンズにより縮小して、CCDのような光電変換を行うラインセンサ上に結像させて画像情報を信号化している。また、原稿情報をカラーで読み取る場合は、例えば赤、緑、青のフィルタを持ったラインセンサを1チップに3列に配列した所謂3ラインCCDを用い、この受光面に原稿像を結像させることにより3原色に色分解してカラー画像情報を信号化する光学系がある。
このような読取レンズは、一般に像面において高空間周波数領域での高いコントラストが要求されると共に、開口効率が画角周辺部まで100%近くあることが要求されている。更に、カラー原稿を良好に読み取るためには、受光面上で赤、緑、青の各色の結像位置を光軸方向に合致させる必要があり、各色の色収差補正を極めて良好に補正しなければならない。このため、使用される読取レンズとしては、像面湾曲を非常に小さく抑え、光軸近傍から周辺までの各像高における結像性能が均一となるように設計する必要がある。
このような読取レンズは、一般に像面において高空間周波数領域での高いコントラストが要求されると共に、開口効率が画角周辺部まで100%近くあることが要求されている。更に、カラー原稿を良好に読み取るためには、受光面上で赤、緑、青の各色の結像位置を光軸方向に合致させる必要があり、各色の色収差補正を極めて良好に補正しなければならない。このため、使用される読取レンズとしては、像面湾曲を非常に小さく抑え、光軸近傍から周辺までの各像高における結像性能が均一となるように設計する必要がある。
しかし実際に使用する場合、設計中央値として像面湾曲を小さく抑えたとしても、レンズを構成している各パラメータ(曲率半径、肉厚、面間隔、使用する硝材の屈折率等)の加工誤差などのばらつきにより、像面湾曲等の収差が変動し、光軸近傍と周辺部の結像位置が変化してしまい、光軸近傍から周辺までの各像高において均一な結像性能が得られなくなる。
そこで、各パラメータの変動をキャンセルさせるため、レンズの一部分の肉厚を選別組合せや、レンズの任意の空気間隔を変化させる方法がある。しかし、何れの場合にもレンズの肉厚又は当初組み付けた状態での読取レンズの結像性能を測定しておく必要があり、コストアップの要因となる。
そこで、各パラメータの変動をキャンセルさせるため、レンズの一部分の肉厚を選別組合せや、レンズの任意の空気間隔を変化させる方法がある。しかし、何れの場合にもレンズの肉厚又は当初組み付けた状態での読取レンズの結像性能を測定しておく必要があり、コストアップの要因となる。
また、近年画像を高精細に読み取る要求から、読取光学系の読取密度が高密度化され、それに対応するためラインセンサが長尺化している。ラインセンサの長尺化により、ラインセンサの長手方向に反りが発生し、結像レンズの光軸近傍と周辺部におけるピント位置のずれが生じ、画像品質の低下の要因となっており、読取レンズの結像性能としては十分満足できていてもラインセンサの反りによるばらつきにより、満足のいく原稿読取装置が得られなくなることがある。
更に、レンズを鏡筒などの保持部材に組付ける場合に、組付けるレンズの位置がシフト又はティルトして保持されてしまう所謂組付け偏心が発生する。組付け偏心は、結像性能におよぼす影響が大きいため、相互に影響を及ぼし合うレンズ面同士、或いはレンズ同士が極力偏心しないような構造とし、組付時も極力偏心が発生しないように配慮する必要ある。しかし、例えば読取密度が600dpiのように高密度読取で、且つラインセンサの画素サイズが例えば4.7μm程度に小画素となってくると、組付け偏心による性能への影響が大きくなり、各部品の公差を厳しく、しても良好な性能を維持できなくなってきている。このため、組付け偏心を補正する方法として以下の方法がある。即ち、ラインセンサを用いた原稿読取装置では、光軸と直交する面内において、ラインセンサと平行する方向の性能のみが良好であれば、十分な性能が満足できるため、読取レンズ全体を光軸と直交する方向に回転させ、最も組付け偏心の影響が小さくなる方向を、ラインセンサの長手方向に合せる方法である。
しかし、近年、スキャナ、複写機、ファクシミリ等の画像読取装置は、低コスト化や省スペース化の要求が高くなり、読取レンズとしても低コストや省スペースを達成する必要が有る。このために読取レンズとして、鏡筒の材質を樹脂製とし、鏡筒自体のコスト低減を図ったり、画像読取装置へ取り付けのための部材を一体的に成形し部品点数の低減を図ったものがある。また、省スペースに対応するための方法として、画像読取装置の高さ方向の厚みを低減するために、レンズの上下方向(ラインセンサの長手の直交方向、所謂副走査方向)を削除する読取レンズなどが有る。上記のように、読取レンズに画像読取装置への取り付けのための部材を一体的に成形したり、レンズの上下を削除したようなレンズの場合、レンズユニットを円周方向へ回転することができなくなり、レンズの組付け時の偏心の影響が小さくなる方向でレンズユニットを使用することができなくなる。このためレンズの組付け偏心を小さく抑える必要が生じ、組付け時の工数増大によるコストアップが生じるか、従来と同程度の組付け偏心を有している場合、レンズユニットの結像性能が著しく劣化してしまうという不具合が有る。
以上のように、実際に読取レンズとして使用するためには、加工誤差の補正と組付け偏心の補正を実施する必要があるが、ラインセンサの反りも考慮した場合、画像読取装置として十分な性能が満足できなくなる。
以上のように、実際に読取レンズとして使用するためには、加工誤差の補正と組付け偏心の補正を実施する必要があるが、ラインセンサの反りも考慮した場合、画像読取装置として十分な性能が満足できなくなる。
また従来技術として特許文献1および特許文献2には、画像読取レンズを複数のレンズ群に分割保持する構成に係る技術が開示されている。即ち、特許文献1は、原稿画像を読取るためのレンズを前群と後群に2分割して、物体側に前群を、像側に後群をそれぞれ配してなるものであり、これら前群と後群の間には、空気間隔が存在する。また特許文献2は、レンズを保持する鏡筒が少なくとも2つに分割されて互いに接合されていて、これら分割された鏡筒の接合部はねじ構造に形成され、これら鏡筒を相対回転させることにより、分割された鏡筒にそれぞれ取り付けられたレンズ間の距離を変化させるものであり、組み付け時の工程時間を短縮し、最良な結像性能を得ることができる。
特開2002−82282公報
特開平11−337799号公報
しかし、特許文献1に開示されている従来技術は、前群と後群の間の空気間隔の調整については具体的に記載されていない。
また、特許文献2に示された構成では、2つに分割された鏡筒の相対回転により、両者間の間隔を調整することができるが、この調整に際しての相対回転により、各鏡筒における組み付け偏心の状態が変化してしまい、間隔調整後にさらなる回転調整が必要となるといった問題がある。
また、特許文献2に示された構成では、2つに分割された鏡筒の相対回転により、両者間の間隔を調整することができるが、この調整に際しての相対回転により、各鏡筒における組み付け偏心の状態が変化してしまい、間隔調整後にさらなる回転調整が必要となるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、原稿読取レンズを構成しているパラメータの加工誤差により発生する像面湾曲等の緒収差の変動、更にレンズの組付け偏心の補正を実際に使用するラインセンサを用いて補正することで、ラインセンサの反りによる結像面の湾曲も合わせて補正することができ、良好な結像性能を有した低コストの原稿読取レンズ及びそれを用いた画像読取装置を提供することを目的とする。
また他の目的は、一度結像レンズとして組付け、結像レンズのみで合否判定をする手間を省くことである。
更に他の目的は、地球環境を考慮したエネルギ低減を達成することである。
また他の目的は、一度結像レンズとして組付け、結像レンズのみで合否判定をする手間を省くことである。
更に他の目的は、地球環境を考慮したエネルギ低減を達成することである。
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、画像情報をラインセンサ上に縮小結像させる結像レンズが、第1の保持部材と第2の保持部材により分割して保持されている画像読取レンズであって、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を連結する連結部材を備え、該連結部材は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を互いに対面側から挿入して保持するように構成されていることを特徴とする。
本発明の画像読取レンズは、画像情報をラインセンサ上に縮小して結像させる結像レンズにおいて、各々1枚以上のレンズからなるレンズ群を保持した第1の保持部材と第2の保持部材とを連結部材の両側から挿入し固定するものである。
本発明の画像読取レンズは、画像情報をラインセンサ上に縮小して結像させる結像レンズにおいて、各々1枚以上のレンズからなるレンズ群を保持した第1の保持部材と第2の保持部材とを連結部材の両側から挿入し固定するものである。
請求項2は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも1つのレンズ群の位置を調整可能としたことを特徴とする。
第1若しくは第2の保持部材を、連結部材に対して、第1と第2の何れか一方、又は両方の保持部材の位置を変更することにより、第1と第2に保持されたレンズ群の相対的な位置を調整することができ、良好な結像性能を得られるようにするものである。
請求項3は、前記連結部材は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を保持するための複数の突起部を、前記各保持部材を保持する少なくとも一方の側に備えたことを特徴とする。
本発明は、連結部材の筒の内周部に複数の(例えば3つ)の突起部を設けるものである。
第1若しくは第2の保持部材を、連結部材に対して、第1と第2の何れか一方、又は両方の保持部材の位置を変更することにより、第1と第2に保持されたレンズ群の相対的な位置を調整することができ、良好な結像性能を得られるようにするものである。
請求項3は、前記連結部材は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を保持するための複数の突起部を、前記各保持部材を保持する少なくとも一方の側に備えたことを特徴とする。
本発明は、連結部材の筒の内周部に複数の(例えば3つ)の突起部を設けるものである。
請求項4は、前記連結部材は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を保持する保持部を異なる大きさに構成したことを特徴とする。
本発明は連結部材の筒の内周の大きさを変えるものである。このようにすることにより、それぞれレンズの大きさの異なるレンズ郡を保持した第1、第2のそれぞれの保持部材であっても、連結部材に対して位置を保証することができ、内周の大きさが異なっていても、それぞれの内周の中心軸を合わせることにより、十分な位置精度を確保することも可能である。
請求項5は、前記連結部材は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を保持する保持部の形状を相似形としたことを特徴とする。
本発明は、各保持部材の連結部材に挿入する外周部の形状と、連結部材の各保持部材が挿入される内周部の形状とを相似形とするものである。
本発明は連結部材の筒の内周の大きさを変えるものである。このようにすることにより、それぞれレンズの大きさの異なるレンズ郡を保持した第1、第2のそれぞれの保持部材であっても、連結部材に対して位置を保証することができ、内周の大きさが異なっていても、それぞれの内周の中心軸を合わせることにより、十分な位置精度を確保することも可能である。
請求項5は、前記連結部材は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を保持する保持部の形状を相似形としたことを特徴とする。
本発明は、各保持部材の連結部材に挿入する外周部の形状と、連結部材の各保持部材が挿入される内周部の形状とを相似形とするものである。
請求項6は、前記連結部材は、前記ラインセンサを保持するセンサ保持部と一体形成されていることを特徴とする。
本発明は、連結部材をラインセンサの保持部材に一体に設けることにより、第1、第2の保持部材の連結部材への調整と、連結保持部材に保持されたレンズ群とラインセンサの位置調整を容易にすることができる。
請求項7は、前記第1の保持部材に保持されているレンズ群と、前記第2の保持部材に保持されているレンズ群は、夫々絞りを中心にして物体側のレンズ群と像側のレンズ群に分割されていることを特徴とする。
第1、第2の保持部材に保持されているレンズ郡を、絞りを中心にして、物体側のレンズ群、像側のレンズ群とするものである。このようにすることにより、空気間隔を調整して結像性能を調整することが可能となる。
本発明は、連結部材をラインセンサの保持部材に一体に設けることにより、第1、第2の保持部材の連結部材への調整と、連結保持部材に保持されたレンズ群とラインセンサの位置調整を容易にすることができる。
請求項7は、前記第1の保持部材に保持されているレンズ群と、前記第2の保持部材に保持されているレンズ群は、夫々絞りを中心にして物体側のレンズ群と像側のレンズ群に分割されていることを特徴とする。
第1、第2の保持部材に保持されているレンズ郡を、絞りを中心にして、物体側のレンズ群、像側のレンズ群とするものである。このようにすることにより、空気間隔を調整して結像性能を調整することが可能となる。
請求項8は、前記絞りは前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材又は前記連結部材の何れかに配置されていることを特徴とする。
本発明は、絞りが第1、第2の保持部材、若しくは連結部材のいずれかに保持されていること特徴とするものである。
請求項9は、前記絞りは、着脱自在な構成を有することを特徴とする。
絞りを着脱可能とすることにより、高精度な解像度を要求する画像読取装置には、絞りを小さくし、あまり精度を要求しない画像読取装置に対しては、絞りの大きさを大きくすることで、画像を照らす光源の明るさを低減し、消費電力を減らすことが可能になる。これにより、同じレンズ構成で、異なる性能の画像読取装置を実現可能となる。
本発明は、絞りが第1、第2の保持部材、若しくは連結部材のいずれかに保持されていること特徴とするものである。
請求項9は、前記絞りは、着脱自在な構成を有することを特徴とする。
絞りを着脱可能とすることにより、高精度な解像度を要求する画像読取装置には、絞りを小さくし、あまり精度を要求しない画像読取装置に対しては、絞りの大きさを大きくすることで、画像を照らす光源の明るさを低減し、消費電力を減らすことが可能になる。これにより、同じレンズ構成で、異なる性能の画像読取装置を実現可能となる。
請求項10は、前記第1の保持部材、前記第2の保持部材及び前記連結部材の材質が樹脂であることを特徴とする。
アルミニュウム等の材料を使用して、第1、第2の保持部材を保持する内周部の形状を精度よく作製するためには、切削、研磨といった工程により非常にコストが掛かってしまう。しかし、射出成形作製する樹脂部材は、金型の形状を転写させて作られるため安価に作ることができる。
請求項11は、前記結像レンズの光軸近傍と最大画角近傍との結像位置が前記光軸と垂直な同一面上になるように補正するため、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも一つのレンズ群の位置を調整可能としたことを特徴とする。
本発明は、像面上に置かれたラインセンサの中心付近(所謂、像読取レンズの光軸近傍)と、ラインセンサの端部(所謂、画像読取レンズの最大画角近傍)の結像性能を合わせる方向に第1又は第2の保持部材を調整するものである。
アルミニュウム等の材料を使用して、第1、第2の保持部材を保持する内周部の形状を精度よく作製するためには、切削、研磨といった工程により非常にコストが掛かってしまう。しかし、射出成形作製する樹脂部材は、金型の形状を転写させて作られるため安価に作ることができる。
請求項11は、前記結像レンズの光軸近傍と最大画角近傍との結像位置が前記光軸と垂直な同一面上になるように補正するため、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも一つのレンズ群の位置を調整可能としたことを特徴とする。
本発明は、像面上に置かれたラインセンサの中心付近(所謂、像読取レンズの光軸近傍)と、ラインセンサの端部(所謂、画像読取レンズの最大画角近傍)の結像性能を合わせる方向に第1又は第2の保持部材を調整するものである。
請求項12は、前記結像レンズを構成するレンズの加工誤差により生じる像面湾曲変動を補正するために、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも一つのレンズ群の位置を調整可能としたことを特徴とする。
本発明は、画像読取レンズを構成するレンズの曲率半径、肉厚、屈折率などの加工誤差により生じた像面湾曲によるラインセンサ中心付近の結像性能と、端部の結像性能を、第1もしくは第2の保持部材を連結部材に対して位置を移動させて、調整するものである。
請求項13は、前記ラインセンサの反りにより生じる前記画像読取レンズの光軸近傍と最大画角近傍との結像位置の変化を補正するために、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも一つのレンズ群の位置を、前記ラインセンサの反りに合せる方向に調整可能としたことを特徴とする。
本発明は、ラインセンサ自身が反ることにより、ラインセンサの中心付近と、ラインセンサの端部とで像平面からずれるものを、第1もしくは第2の保持部材を連結部材に対して位置を移動させて調整するものである。
本発明は、画像読取レンズを構成するレンズの曲率半径、肉厚、屈折率などの加工誤差により生じた像面湾曲によるラインセンサ中心付近の結像性能と、端部の結像性能を、第1もしくは第2の保持部材を連結部材に対して位置を移動させて、調整するものである。
請求項13は、前記ラインセンサの反りにより生じる前記画像読取レンズの光軸近傍と最大画角近傍との結像位置の変化を補正するために、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも一つのレンズ群の位置を、前記ラインセンサの反りに合せる方向に調整可能としたことを特徴とする。
本発明は、ラインセンサ自身が反ることにより、ラインセンサの中心付近と、ラインセンサの端部とで像平面からずれるものを、第1もしくは第2の保持部材を連結部材に対して位置を移動させて調整するものである。
請求項14は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の空気間隔を変化させて調整することを特徴とする。
本発明は、第1、もしくは第2の保持部材を連結部材に対して、画像読取レンズの光軸方向に位置を移動させることにより、第1と第2の保持部材の間の空気間隔を変動させてラインセンサの中心付近の結像性能と、端部の結像性能を調整するものである。
請求項15は、前記結像レンズの保持部材により保持されたレンズ群内の偏心により発生する左右像高の結像位置差を補正するために、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも一つのレンズ群の位置を調整可能としたことを特徴とする。
本発明は、像面上に置かれたラインセンサの右側の端部と、左側の端部の結像性能を補正する方向に、第1又は第2の保持部材を調整するものである。
本発明は、第1、もしくは第2の保持部材を連結部材に対して、画像読取レンズの光軸方向に位置を移動させることにより、第1と第2の保持部材の間の空気間隔を変動させてラインセンサの中心付近の結像性能と、端部の結像性能を調整するものである。
請求項15は、前記結像レンズの保持部材により保持されたレンズ群内の偏心により発生する左右像高の結像位置差を補正するために、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも一つのレンズ群の位置を調整可能としたことを特徴とする。
本発明は、像面上に置かれたラインセンサの右側の端部と、左側の端部の結像性能を補正する方向に、第1又は第2の保持部材を調整するものである。
請求項16は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも1つを光軸と直交する面内で回転させて調整することを特徴とする。
本発明は、第1又は第2の保持部材、もしくは両方の保持部材を連結部材に対して、画像読取レンズの光軸と直交平面内で回転させることにより、ラインセンサの右側と左側の端部の結像性能を補正するものである。
請求項17は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも1つを前記ラインセンサの長手方向に平行移動させて調整することを特徴とする。
本発明は、第1又は第2の保持部材を連結部材に対して、画像読取レンズの光軸と直交する方向に移動させて、ラインセンサの右側と左側の端部の結像性能を補正するものである。
本発明は、第1又は第2の保持部材、もしくは両方の保持部材を連結部材に対して、画像読取レンズの光軸と直交平面内で回転させることにより、ラインセンサの右側と左側の端部の結像性能を補正するものである。
請求項17は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも1つを前記ラインセンサの長手方向に平行移動させて調整することを特徴とする。
本発明は、第1又は第2の保持部材を連結部材に対して、画像読取レンズの光軸と直交する方向に移動させて、ラインセンサの右側と左側の端部の結像性能を補正するものである。
請求項18は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも1つを前記ラインセンサの長手方向に対して傾けて調整することを特徴とする。
本発明は、第1又は第2の保持部材を連結部材に対して、画像読取レンズの光軸とラインセンサの長手を含む面内において、ティルト方向に傾けることにより、ラインセンサの右側と左側の端の結像性能を補正するものである。
請求項19は、前記結像レンズはガラスレンズであり、該ガラスレンズの材料には有害物質を含有していないことを特徴とする。
全てのレンズを化学的に安定で鉛や砒素等の有害物質を含まない光学ガラスで構成することにより、材料のリサイクル化が可能で、加工時の廃液による水質汚染が無く、省資源化や加工時に発生するCO2等を低減でき、地球環境を考慮した、小型で低コストの読み取り用レンズとすることができる。
本発明は、第1又は第2の保持部材を連結部材に対して、画像読取レンズの光軸とラインセンサの長手を含む面内において、ティルト方向に傾けることにより、ラインセンサの右側と左側の端の結像性能を補正するものである。
請求項19は、前記結像レンズはガラスレンズであり、該ガラスレンズの材料には有害物質を含有していないことを特徴とする。
全てのレンズを化学的に安定で鉛や砒素等の有害物質を含まない光学ガラスで構成することにより、材料のリサイクル化が可能で、加工時の廃液による水質汚染が無く、省資源化や加工時に発生するCO2等を低減でき、地球環境を考慮した、小型で低コストの読み取り用レンズとすることができる。
請求項20は、原稿を照明する照明系と、該照明系により照明された原稿の反射光を縮小結像させる結像レンズと、該結像レンズにより結像された原稿像を光電変換するラインセンサと、を備えた画像読取装置において、前記結像レンズとして、請求項1乃至19の何れか一項に記載の画像読取レンズを備えたことを特徴とする。
請求項21は、光学系の任意の光路中に色分解手段を備え、該色分解手段により色分解された画像情報をフルカラーで読み取ることを特徴とする。
請求項22は、請求項20又は21に記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする。
請求項21は、光学系の任意の光路中に色分解手段を備え、該色分解手段により色分解された画像情報をフルカラーで読み取ることを特徴とする。
請求項22は、請求項20又は21に記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、画像情報をラインセンサ上に縮小結像させる結像レンズが、第1の保持部材と第2の保持部材に分割して保持されている画像読取レンズであって、第1の保持部材と第2の保持部材を連結する連結部材を備え、この連結部材は、第1の保持部材と第2の保持部材を互いに対面側から挿入して保持するように構成されているので、筒状の連結部材の両側から、それぞれ第1の保持部材、第2の保持部材を挿入することで、連結部材の筒の中心軸に対し、それぞれの保持部材が筒の中心軸の直交方向へずれるのを抑えることで、第1の保持部材と、第2の保持部材の相対的な位置ずれを小さくして保持すると共に、第1、第2の保持部材に保持されているレンズ群についても、それぞれのレンズ群の相対的な位置のずれを小さく抑えることができる。
請求項2の発明は、レンズの加工誤差や、レンズ組付けのばらつきが発生した場合であっても、連結部材に対して第1の保持部材、もしくは第2の保持部材の少なくとも一方を調整可能とすることにより、第1の保持部材に保持されたレンズ群と第2の保持部材に保持されたレンズ群の相対的な位置調整が可能となり、良好な画像読取レンズを得ることができる。
請求項3の発明は、連結部材に第1の保持部材、もしくは第2の保持部材の少なくとも一方を保持する複数の突起部を設けることにより、連結部材に対する保持部材の位置を良好に合せることが可能となる。
また、突起部により連結部材と保持部材との間に空隙を形成されることにより保持部材の位置調整における空気の圧力変化を軽減し、調整作業が容易となる。
請求項3の発明は、連結部材に第1の保持部材、もしくは第2の保持部材の少なくとも一方を保持する複数の突起部を設けることにより、連結部材に対する保持部材の位置を良好に合せることが可能となる。
また、突起部により連結部材と保持部材との間に空隙を形成されることにより保持部材の位置調整における空気の圧力変化を軽減し、調整作業が容易となる。
請求項4の発明は、第1の保持部材と第2の保持部材の外径の大きさが異なる場合であっても、それぞれの大きさに合った連結部材の内径を大きさとすることにより、組付け調整を容易にすることが可能となる。
請求項5の発明は、連結部材の内周部の形状と、保持部材の外周部の形状を略相似系とするものである。略相似形とすることにより、保持部材の連結部材への位置決めを容易にすることができる。
請求項5の発明は、連結部材の内周部の形状と、保持部材の外周部の形状を略相似系とするものである。略相似形とすることにより、保持部材の連結部材への位置決めを容易にすることができる。
請求項6の発明は、第1、および第2の保持部材を連結する連結部材と、ラインセンサを保持するセンサ保持部材とを一体化するものである。連結部材とセンサ保持部材とを一体化することにより、第1、第2の保持部材に保持されたレンズ群を調整後に、レンズ群とラインセンサとを調整するという工程を踏むことなく、連結部材に保持されたラインセンサに対して、第1、第2の保持部材に保持されているレンズ群を調整すればよいため組立、調整作業が容易になる。
請求項7〜9の発明は、レンズ群を絞りを中心にして分割し、絞りは第1の保持部材、第2の保持部材、および連結部材のいずれかに配置をし、かつ、着脱自在とすることにより、同じレンズ構成であっても、絞りの変更のみで異なる性能の画像読取装置を得ることができる。
請求項7〜9の発明は、レンズ群を絞りを中心にして分割し、絞りは第1の保持部材、第2の保持部材、および連結部材のいずれかに配置をし、かつ、着脱自在とすることにより、同じレンズ構成であっても、絞りの変更のみで異なる性能の画像読取装置を得ることができる。
請求項10の発明は、射出成形等を用いた樹脂部材を用いることにより、金型から転写することで十分な精度を有する第1、第2の保持部材、および連結部材を多量に得ることが可能となる。
請求項11および12の発明は、主に加工誤差により生じる像面湾曲変動を、良好に補正することが可能となり、原稿面全域に亘って均一で良好な性能を得ることができる。
請求項11および13の発明は、ラインセンサの反りと合わせるように像面湾曲を調整することができるため、ラインセンサ個々のばらつきがあったとしても、画像読取装置として安定、かつ、良好な読取画像品質を得ることができる。
請求項11および12の発明は、主に加工誤差により生じる像面湾曲変動を、良好に補正することが可能となり、原稿面全域に亘って均一で良好な性能を得ることができる。
請求項11および13の発明は、ラインセンサの反りと合わせるように像面湾曲を調整することができるため、ラインセンサ個々のばらつきがあったとしても、画像読取装置として安定、かつ、良好な読取画像品質を得ることができる。
請求項14の発明は、レンズ1枚1枚の組み直しをすることなく第1の保持部材、および第2の保持部材に保持されたレンズ群の間隔を任意に調整することを可能とし、調整時間の大幅な短縮、かつ、像面湾曲補正の最適化が可能となり、低コストかつ高性能な画像読取レンズが得られる。
特に、絞りを中心とし略対称であるレンズタイプの場合、絞りから前後に分割することにより、球面収差やコマ収差を変化させることなく、像面湾曲の補正が可能となり、加工公差を緩めることができるなど低コスト化に有利である。
請求項15〜18の発明は、第1保持部材、もしくは第2保持部材の少なくとも一方を連結部材に対して、ラインセンサの長手方向にシフト、ないしはティルトさせることにより、サジタル方向とメリディオナル方向の両方、またはサジタル方向のみを調整することができ、簡便な手順による組み立て偏心の補正と、連結保持部材への固定が可能となり、組立調整に掛かる時間を大幅に短縮することができる。
特に、絞りを中心とし略対称であるレンズタイプの場合、絞りから前後に分割することにより、球面収差やコマ収差を変化させることなく、像面湾曲の補正が可能となり、加工公差を緩めることができるなど低コスト化に有利である。
請求項15〜18の発明は、第1保持部材、もしくは第2保持部材の少なくとも一方を連結部材に対して、ラインセンサの長手方向にシフト、ないしはティルトさせることにより、サジタル方向とメリディオナル方向の両方、またはサジタル方向のみを調整することができ、簡便な手順による組み立て偏心の補正と、連結保持部材への固定が可能となり、組立調整に掛かる時間を大幅に短縮することができる。
請求項19の発明は、全てのレンズ材質として、化学的に安定で鉛や砒素等の有害物質を含まない光学ガラスを使用しているため、材料のリサイクル化が可能で、加工時の廃液による水質汚染の無いことにより、大きく地球環境保全に貢献できる。
請求項20の発明は、上記請求項1〜19記載の原稿読取レンズを具備することで、良好な読取画像品質を有する画像読取装置が得られる。
請求項21の発明は、上記請求項20記載の原稿読取レンズを具備し、色分解手段を有することで、良好なフルカラー読取画像品質を有する画像読取装置が得られる。
請求項22の発明は、請求項20から21記載の画像読取装置を具備する事により、良好な読み取り画像品質を基に画像を形成するため、高画質な画像形成装置が得られるものである。
請求項20の発明は、上記請求項1〜19記載の原稿読取レンズを具備することで、良好な読取画像品質を有する画像読取装置が得られる。
請求項21の発明は、上記請求項20記載の原稿読取レンズを具備し、色分解手段を有することで、良好なフルカラー読取画像品質を有する画像読取装置が得られる。
請求項22の発明は、請求項20から21記載の画像読取装置を具備する事により、良好な読み取り画像品質を基に画像を形成するため、高画質な画像形成装置が得られるものである。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
以下に述べる実施形態は、本発明に係る画像読取レンズの具体的数値例による具体的構成を示すものであり、画像読取レンズの具体的レンズ構成を示す数値例、像面湾曲に関する調整の一例および偏心調整の一例についてそれぞれ説明する。尚、この実施形態においては、非球面は所謂モールド非球面レンズのように、各レンズ面を直接非球面とするものとして説明しているが、それと同等の非球面を球面レンズのレンズ面に非球面を形成する樹脂薄膜を敷設して得る、所謂ハイブリッドレンズ形式の非球面レンズを構成しても良い。
以下に述べる実施形態は、本発明に係る画像読取レンズの具体的数値例による具体的構成を示すものであり、画像読取レンズの具体的レンズ構成を示す数値例、像面湾曲に関する調整の一例および偏心調整の一例についてそれぞれ説明する。尚、この実施形態においては、非球面は所謂モールド非球面レンズのように、各レンズ面を直接非球面とするものとして説明しているが、それと同等の非球面を球面レンズのレンズ面に非球面を形成する樹脂薄膜を敷設して得る、所謂ハイブリッドレンズ形式の非球面レンズを構成しても良い。
また、各実施形態における記号の意味は、以下の通りである。
f:全系の焦点距離
F:Fナンバ
m:倍率
Y:最大物体高
ω:半画角
r:曲率半径
d:面間隔
nd:屈折率(d線)
νd:アッベ数
ne:屈折率(e線)
ng:屈折率(g線)
nF:屈折率(F線)
nC:屈折率(C線)
K:非球面の円錐定数
A4:4次の非球面係数
A6:6次の非球面係数
A8:8次の非球面係数
A10:10次の非球面係数
但し、ここで用いられる非球面は、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率)をC、光軸からの高さをHとするとき、次式で定義される。
X={(1/R)×Y2}/{1+SQRT(1−(1+K)×(Y/R)2)}
+A4×Y4+A6×Y6+A8×Y8+A10×Y10
尚、長さの次元を持つ量の単位はmmである。
f:全系の焦点距離
F:Fナンバ
m:倍率
Y:最大物体高
ω:半画角
r:曲率半径
d:面間隔
nd:屈折率(d線)
νd:アッベ数
ne:屈折率(e線)
ng:屈折率(g線)
nF:屈折率(F線)
nC:屈折率(C線)
K:非球面の円錐定数
A4:4次の非球面係数
A6:6次の非球面係数
A8:8次の非球面係数
A10:10次の非球面係数
但し、ここで用いられる非球面は、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率)をC、光軸からの高さをHとするとき、次式で定義される。
X={(1/R)×Y2}/{1+SQRT(1−(1+K)×(Y/R)2)}
+A4×Y4+A6×Y6+A8×Y8+A10×Y10
尚、長さの次元を持つ量の単位はmmである。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取レンズの模式的な構成を示す図である。この画像読取レンズ100は、4群5枚構成であり、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、絞りFA、コンタクトガラスCGおよびCCDカバーガラスCCを備えている。この場合、第1レンズL1〜第3レンズL3は、第1のレンズ群である前群GFを構成し、第4レンズL4および第5レンズL5は、第2のレンズ群である後群GRを構成しており、それぞれ各群毎に共通の保持部材(図示されていない)によって支持され、調整に際しては、各群毎に一体的に移動調整される。尚、絞りFAは、この場合、後群GRの保持部材によって、後群GRを構成するレンズL4およびL5と一体に保持されており、調整に際しては、後群GRと一体に動作する。図1には、主要な光学面の面番号も示している。
図1において、画像読取レンズの光学系を構成する各光学要素は、物体側から像面側に向かって、順次、例えば原稿画像物体が載置されるコンタクトガラスCG、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、絞りFA、第4レンズL4、第5レンズL5およびCCDカバーガラスCCの順で配列されており、CCDカバーガラスCCの背後のCCD入力画面上に結像される。
第1レンズL1は、物体側に凸に形成された正メニスカスレンズ、第2レンズL2は、物体側に凸に形成された、正メニスカスレンズ、第3レンズL3は、像側に強い凹面を向けた負メニスカスレンズであり、これら第2レンズL2および第3レンズL3は、密接して貼り合わせられて一体に接合され、接合レンズ(L2/3)を形成している。これら第1レンズL1〜第3レンズL3によって、前群GFを構成している。第4レンズL4は、像側に凸に形成され、像側の面を非球面とした負メニスカスレンズであり、第5レンズL5は、像側に強い凸面を向けて像側に凸に形成された正メニスカスレンズであり、これら第4レンズL4および第5レンズL5によって、後群GRを構成している。
次に、レンズ数値例について説明する。全系の焦点距離f、FナンバF、倍率m、最大物体高Y、半画角ωが、それぞれf=45.321、F=4.49、m=0.11102、Y=152.4そしてω=18.6゜であり、各光学面の特性は、表1の通りである。
(表1)
(表1)
〔像面湾曲調整例〕
次に像面湾曲の調整の例について説明する。
〈加工公差量〉
・曲率半径:±3本
・肉厚:±0.03
・レンズ間隔:±0.01
・屈折率:±0.00050
各パラメータを、像面湾曲がマイナス方向に倒れるように、前記公差だけ変化させる。
〈間隔調整量〉
・調整間隔Dv:−0.17
図1の調整間隔Dvを−0.17調整する。
次に像面湾曲の調整の例について説明する。
〈加工公差量〉
・曲率半径:±3本
・肉厚:±0.03
・レンズ間隔:±0.01
・屈折率:±0.00050
各パラメータを、像面湾曲がマイナス方向に倒れるように、前記公差だけ変化させる。
〈間隔調整量〉
・調整間隔Dv:−0.17
図1の調整間隔Dvを−0.17調整する。
〈計算結果の収差図〉
図2は設計値の収差図であり、図3は加工公差変化後の収差図であり、図4は間隔調整後の収差図である。図2〜図4の収差図を見れば明らかなように、設計値に対して上述した加工公差に従って像面湾曲がマイナス方向に倒れるように各パラメータを変化させると、特にメリディオナルの像面湾曲がマイナス側に倒れ、その結果コマ収差が非常に悪くなって光軸近傍から最周辺まで良好な結像性能を得ることができなくなる。そこで、レンズL1からレンズL3までの前群GFと絞りFAからレンズL5までの後群FRとの間隔を調整(−0.17mm)することによって、ほぼ設計値と同等の像面湾曲にまで戻すことができ、その結果コマ収差も設計値と同様に良好とすることができる。
上記は、加工誤差を有するときに像面を補正する説明であるが、CCDラインセンサ自身が反ることにより像平面からずれ、光軸近傍に対して最周辺の結像性能が劣化することについては、上記とは逆に、結像性能を像平面で最適になる様にするのではなく、調整間隔を動かしCCDラインセンサの反りと、画像読み取りレンズの像面湾曲が一致するように調整することが可能であることはいうまでものない。
図2は設計値の収差図であり、図3は加工公差変化後の収差図であり、図4は間隔調整後の収差図である。図2〜図4の収差図を見れば明らかなように、設計値に対して上述した加工公差に従って像面湾曲がマイナス方向に倒れるように各パラメータを変化させると、特にメリディオナルの像面湾曲がマイナス側に倒れ、その結果コマ収差が非常に悪くなって光軸近傍から最周辺まで良好な結像性能を得ることができなくなる。そこで、レンズL1からレンズL3までの前群GFと絞りFAからレンズL5までの後群FRとの間隔を調整(−0.17mm)することによって、ほぼ設計値と同等の像面湾曲にまで戻すことができ、その結果コマ収差も設計値と同様に良好とすることができる。
上記は、加工誤差を有するときに像面を補正する説明であるが、CCDラインセンサ自身が反ることにより像平面からずれ、光軸近傍に対して最周辺の結像性能が劣化することについては、上記とは逆に、結像性能を像平面で最適になる様にするのではなく、調整間隔を動かしCCDラインセンサの反りと、画像読み取りレンズの像面湾曲が一致するように調整することが可能であることはいうまでものない。
〈調整量〉
Xシフト量 :0.015mm
αティルト量:4min
このときの調整前の主走査方向についてのメリディオナル像面a、bおよび副走査方向についてのサジタル像面c、dのMTFの特性は、図6に示す通りである。そして、前記調整量に従い4minだけ、第1の保持部材のレンズ群をαティルトを行うと、図7に示す通りとなり、副走査方向a、bについてのみ像面を揃えることが可能となる。また、前記調整量に従い第1の保持部材のレンズ群を0.015mm、Xシフトによる調整を行うと、図8に示す通りとなり、主走査方向c、dおよび副走査方向a、bについて像面を揃えることが可能となる。
Xシフト量 :0.015mm
αティルト量:4min
このときの調整前の主走査方向についてのメリディオナル像面a、bおよび副走査方向についてのサジタル像面c、dのMTFの特性は、図6に示す通りである。そして、前記調整量に従い4minだけ、第1の保持部材のレンズ群をαティルトを行うと、図7に示す通りとなり、副走査方向a、bについてのみ像面を揃えることが可能となる。また、前記調整量に従い第1の保持部材のレンズ群を0.015mm、Xシフトによる調整を行うと、図8に示す通りとなり、主走査方向c、dおよび副走査方向a、bについて像面を揃えることが可能となる。
上記例では、第1の保持部材のレンズ群についてXシフト、αティルトによる像面の補正について述べたが、第2の保持部材のレンズ群についても同様の効果は得られる。また、ここでは、Xシフト、αティルトの説明であるが、第1、ないしは、第2の保持部材のレンズ郡を光軸と直交方向に回転しても、Xシフトと同様の主走査、副走査両方の像面補正が可能である。
本実施形態では、画像読取レンズの構成として4群5枚構成のレンズを取って説明したが、本発明は、レンズの構成枚数について制約はないことは言うまでもない。また、保持部材で保持する各レンズ群のレンズ枚数を物体側3枚、像側2枚としたが、当然のことながら、物体側と像側の構成に制約はなく、枚数についても各保持部材に一枚以上有すれば何枚でも構わない。
本実施形態では、画像読取レンズの構成として4群5枚構成のレンズを取って説明したが、本発明は、レンズの構成枚数について制約はないことは言うまでもない。また、保持部材で保持する各レンズ群のレンズ枚数を物体側3枚、像側2枚としたが、当然のことながら、物体側と像側の構成に制約はなく、枚数についても各保持部材に一枚以上有すれば何枚でも構わない。
図9は本発明の第1の実施形態に係る画像読取レンズの構成を示す図である。(a)は断面図、(b)は連結部材の斜視図、(c)は連結部材の正面図である。この画像読取レンズ200は、連結部材13の筒の内周部に3つの突起部15を設けるというものである。第1、第2の保持部材11、12は連結部材13に圧入して、この3つの突起部15で保持させるというものである。
図9(a)は第1の保持部材11と第2の保持部材12と、第1、第2の保持部材を保持する連結部材13の概念図であり、このように保持することにより、第1、と第2の保持部材11、12の光軸と直交する面内での位置ずれを抑え、固定することができる。図中E1〜E6は、画像読取レンズ200のレンズ群G1、G2を構成している各レンズであり、14は、第1の保持部材11に保持された絞り14である。
図9(b)は、連結部材13の斜視図である。図9(c)は、連結部材13の正面図であり、連結部材13の内周には、光軸方向に伸びた3つの突起部15を有しており、第1、第2の保持部材11、12は、連結部材13に圧入して保持する。
図9(a)は第1の保持部材11と第2の保持部材12と、第1、第2の保持部材を保持する連結部材13の概念図であり、このように保持することにより、第1、と第2の保持部材11、12の光軸と直交する面内での位置ずれを抑え、固定することができる。図中E1〜E6は、画像読取レンズ200のレンズ群G1、G2を構成している各レンズであり、14は、第1の保持部材11に保持された絞り14である。
図9(b)は、連結部材13の斜視図である。図9(c)は、連結部材13の正面図であり、連結部材13の内周には、光軸方向に伸びた3つの突起部15を有しており、第1、第2の保持部材11、12は、連結部材13に圧入して保持する。
このように、連結部材13が3つの突起部15で保持部材11、12を保持する利点の一つとして、3点に内接する円は一義的に決定できるため、3つの突起部15で保持された保持部材の中心は、3点に内接する円の中心に合わせることができる。したがって、保持部材に保持されているレンズ群の光軸を容易に3点に内接する円の中心に置くことが可能となる。更に、第1の保持部材11を保持する3点の突起部15と内接する円の中心と、第2の保持部材12を保持する3点の突起部15と内接する円の中心を結んだ線上に、画像読取レンズの光軸を配置することが容易となる。
更に、第1、第2の保持部材11、12の外周部、または連結部材13の内周部の加工時の形状誤差により、嵌め合わせ時の光軸と直交する方向への位置ずれの誤差を小さくさせることができる。
また、3つの突起部15のみで保持部材11、12を保持することから、保持部材11、12と、連結部材13との間に空隙を作り出すことができる。この空隙があることにより、第1、第2どちらかの保持部材を、連結部材13に挿入した後に、もう一方の保持部材を連結部材13に挿入しようとするときに生じる空気が圧縮することによる圧力の変化を軽減させることができ、挿入を容易にし、さらには、光軸方向に移動させて調整することも容易となる。
また、3つの突起部15のみで保持部材11、12を保持することから、保持部材11、12と、連結部材13との間に空隙を作り出すことができる。この空隙があることにより、第1、第2どちらかの保持部材を、連結部材13に挿入した後に、もう一方の保持部材を連結部材13に挿入しようとするときに生じる空気が圧縮することによる圧力の変化を軽減させることができ、挿入を容易にし、さらには、光軸方向に移動させて調整することも容易となる。
また本発明の第2の実施形態は、連結部材13の筒の内周の大きさを変えるものである。このようにすることにより、それぞれレンズの大きさの異なるレンズ郡を保持した第1、第2のそれぞれの保持部材であっても、連結部材13に対して位置を保証することができ、また、内周の大きさの異なっていても、第1の実施形態で述べたように、それぞれの内周の中心軸を合わせることにより、十分な位置精度を確保することも可能である。
また、第1、第2どちらか一方の保持部材のみを連結部分に圧入、保持して、もう一方の保持部材は、連結保持部材13に対して光軸と直交する方向に調整可能とすることで、保持部材をXシフト、αティルトして光軸の調整させることも可能である。
また、第1、第2どちらか一方の保持部材のみを連結部分に圧入、保持して、もう一方の保持部材は、連結保持部材13に対して光軸と直交する方向に調整可能とすることで、保持部材をXシフト、αティルトして光軸の調整させることも可能である。
また本発明の第3の実施形態は、各保持部材の連結部材に挿入する外周部の形状と、連結部材の各保持部材が挿入される内周部の形状とを相似させるというものである。即ち、第1、第2の保持部材を連結部材に接着剤を用いて固定する方法において、第1、第2の保持部材の、連結部材に保持される部分の外周の形状と、連結部材の第1、第2の保持部材を保持する内周部分の形状を、相似形とすることにより、接着面積を広くし接着剤の接着力を強くすることができる。
また本発明の第4の実施形態は、連結部材とラインセンサを保持する部材が一体であるということを特徴とする。連結部材をラインセンサの保持部材に一体に設けることにより、第1、第2の保持部材の連結部材への調整と、連結保持部材に保持されたレンズ群とラインセンサの位置調整を容易にすることができる。
また本発明の第5の実施形態は、第1、第2の保持部材に保持されているレンズ郡を、絞りを中心にして、物体側のレンズ群、像側のレンズ群とするものである。このようにすることにより、空気間隔を調整して結像性能を調整することが可能となる。
また本発明の第6の実施形態は、絞りが第1、第2の保持部材、ないしは連結部材のいずれかに保持されていること特徴とするものである。
また本発明の第5の実施形態は、第1、第2の保持部材に保持されているレンズ郡を、絞りを中心にして、物体側のレンズ群、像側のレンズ群とするものである。このようにすることにより、空気間隔を調整して結像性能を調整することが可能となる。
また本発明の第6の実施形態は、絞りが第1、第2の保持部材、ないしは連結部材のいずれかに保持されていること特徴とするものである。
また本発明の第7の実施形態は、絞りが着脱可能とするものである。着脱可能とすることにより、高精度な解像度を要求する画像読取装置には、絞りを小さくし、あまり精度を要求しない画像読取装置に対しては、絞りの大きさを大きくすることで、画像を照らす光源の明るさを低減し、消費電力を減らすことが可能になるなど目的とする画像読取装置の要求仕様に合わせて変えることが可能となる。これにより、同じレンズ構成で、異なる性能の画像読取装置を実現可能となる。
また本発明の第8の実施形態は、第1、第2の保持部材、および連結部材の材料を樹脂で作製することを特徴とする。アルミニュウム等の材料で、連結部材を作製しようとすると、第1、第2の保持部材を保持する内周部の形状を精度よく作製するためには、切削、研磨といった工程により非常にコストが掛かってしまう。しかし、射出成形作製する樹脂部材は、金型の形状を転写させて作られる。連結部材の内周部にある、第1、第2の保持部材を保持する3つ突起の位置を、金型の形状を測定して整形することで光軸と直交する方向への位置ずれ修正することができ、第1、第2の保持部材の高精度な位置出しが可能な連結部材の作製が容易に可能となる。また、連結部材と同様に、レンズ郡を保持する第1、第2の保持部材も樹脂製で作製することにより、保持されたレンズ群のレンズ同士の位置を精度よく合わせることができる保持部材の作製が可能となる。
また本発明の第8の実施形態は、第1、第2の保持部材、および連結部材の材料を樹脂で作製することを特徴とする。アルミニュウム等の材料で、連結部材を作製しようとすると、第1、第2の保持部材を保持する内周部の形状を精度よく作製するためには、切削、研磨といった工程により非常にコストが掛かってしまう。しかし、射出成形作製する樹脂部材は、金型の形状を転写させて作られる。連結部材の内周部にある、第1、第2の保持部材を保持する3つ突起の位置を、金型の形状を測定して整形することで光軸と直交する方向への位置ずれ修正することができ、第1、第2の保持部材の高精度な位置出しが可能な連結部材の作製が容易に可能となる。また、連結部材と同様に、レンズ郡を保持する第1、第2の保持部材も樹脂製で作製することにより、保持されたレンズ群のレンズ同士の位置を精度よく合わせることができる保持部材の作製が可能となる。
図10は、本発明のカラー画像読取レンズの構成を示す図である。このカラー画像読取レンズ300は、連結部材23は、赤、緑、青の三色に対応したアレイ状のCCD28を有するCCD基板27を、カバーガラスCCとパッケージで一体化したCCDラインセンサを保持するための受台29と、周辺と軸上の光線の光量を補正するためのシェーディング板26と、一体となる構成である。第1、第2の保持部材21、22を保持する部分の連結部材23は、第1の保持部材21を保持する部分と、絞り24を有する第2の保持部材22を保持する部分の内周の大きさが異なっており、第1、第2それぞれの保持部材の保持される部分の外周形状と略等しい大きさを有しており、それぞれ連結部材23の保持する部分の両側から圧入して保持する。
また本発明の第9の実施形態は、像面上に置かれたラインセンサの中心付近(所謂、像読取レンズの光軸近傍)と、ラインセンサの端部(所謂、画像読取レンズの最大画角近傍)の結像性能を合わせる方向に第1又は第2の保持部材11、12を調整するものである。
また本発明の第10の実施形態は、画像読取レンズを構成するレンズの曲率半径、肉厚、屈折率などの加工誤差により生じた像面湾曲によるラインセンサ中心付近の結像性能と、端部の結像性能を、第1又は第2の保持部材11、12を連結部材13に対して位置を移動させて、調整するものである。
また本発明の第10の実施形態は、画像読取レンズを構成するレンズの曲率半径、肉厚、屈折率などの加工誤差により生じた像面湾曲によるラインセンサ中心付近の結像性能と、端部の結像性能を、第1又は第2の保持部材11、12を連結部材13に対して位置を移動させて、調整するものである。
また本発明の第11の実施形態は、ラインセンサ自身が反ることにより、ラインセンサの中心付近と、ラインセンサの端部とで像平面からずれるものを、第1もしくは第2の保持部材11、12を連結部材13に対して位置を移動させて調整するものである。
また本発明の第12の実施形態は、第1又は第2の保持部材11、12を連結部材13に対して、画像読取レンズの光軸方向(図13参照)に位置を移動させることにより、第1と第2の保持部材11、12の間の空気間隔を変動させてラインセンサの中心付近の結像性能と、端部の結像性能を調整するものである。
また本発明の第13の実施形態は、像面上に置かれたラインセンサの右側の端部と、左側の端部の結像性能を補正する方向に、第1又は第2の保持部材11、12を調整するものである。
また本発明の第12の実施形態は、第1又は第2の保持部材11、12を連結部材13に対して、画像読取レンズの光軸方向(図13参照)に位置を移動させることにより、第1と第2の保持部材11、12の間の空気間隔を変動させてラインセンサの中心付近の結像性能と、端部の結像性能を調整するものである。
また本発明の第13の実施形態は、像面上に置かれたラインセンサの右側の端部と、左側の端部の結像性能を補正する方向に、第1又は第2の保持部材11、12を調整するものである。
また本発明の第14の実施形態は、第1又は第2の保持部材、もしくは両方の保持部材を連結部材に対して、図14に示すように画像読取レンズの光軸と直交平面内で回転させることにより、ラインセンサの右側と左側の端部の結像性能を補正するものである。
また本発明の第15の実施形態は、第1又は第2の保持部材11、12を連結部材に対して、画像読取レンズの光軸と直交する方向(図15記載のシフト方向41)に移動させて、ラインセンサの右側と左側の端部の結像性能を補正するものである。
また本発明の第16の実施形態は、第1又は第2の保持部材を連結部材に対して、画像読取レンズの光軸とラインセンサの長手を含む面内において、図15記載のティルト方向44に傾けることにより、ラインセンサの右側と左側の端の結像性能を補正するものである。
また本発明の第15の実施形態は、第1又は第2の保持部材11、12を連結部材に対して、画像読取レンズの光軸と直交する方向(図15記載のシフト方向41)に移動させて、ラインセンサの右側と左側の端部の結像性能を補正するものである。
また本発明の第16の実施形態は、第1又は第2の保持部材を連結部材に対して、画像読取レンズの光軸とラインセンサの長手を含む面内において、図15記載のティルト方向44に傾けることにより、ラインセンサの右側と左側の端の結像性能を補正するものである。
また本発明の第17の実施形態は、結像レンズはガラスレンズであり、そのガラス材料は鉛、砒素などの有害物質を含有していないことを特徴とする画像読取レンズである。即ち、全てのレンズを化学的に安定で鉛や砒素等の有害物質を含まない光学ガラスで構成することにより、材料のリサイクル化が可能で、加工時の廃液による水質汚染が無く、省資源化や加工時に発生するCO2等を低減でき、地球環境を考慮した、小型で低コストな読み取り用レンズとすることができる。
また本発明の第18の実施形態は、原稿を照明する照明系と、この照明系で照明された原稿の反射光を縮小結像させる結像レンズ及び結像レンズで結像された原稿像を光電変換するラインセンサからなる画像読取装置において、結像レンズとして、本発明の画像読取レンズを備えたことを特徴とする画像読取装置である。
また本発明の第18の実施形態は、原稿を照明する照明系と、この照明系で照明された原稿の反射光を縮小結像させる結像レンズ及び結像レンズで結像された原稿像を光電変換するラインセンサからなる画像読取装置において、結像レンズとして、本発明の画像読取レンズを備えたことを特徴とする画像読取装置である。
図11は本発明の実施形態に係る画像読取装置の図である。この画像読取装置400は、原稿32がコンタクトガラス31の上に配置され、コンタクトガラス31の下部に配置された照明光学系(図示せず)により、原稿32が照明される。原稿32の照明光は、第1走行体33の第1ミラー33aにより反射され、その後、第2走行体34の第1ミラー34aと第2ミラー34bで反射され、縮小結像レンズ35へ導かれ、結像レンズによりラインセンサ36上に結像される。原稿の長手方向を読み取る場合は、第1走行体33がVの速度で33’迄移動し、それと同時に第2走行体34が、第1走行体33の半分の速度1/2Vで、34’迄移動し、原稿全体を読み取る。
また本発明の第19の実施形態は、ラインセンサ36は、色分解のためのフィルタをセンサ前面に配置した複数本のラインセンサが副走査方向に配列されており、複数本のラインセンサの主走査方向と副走査方向のMTFが同時に任意の値を満足するようピント調整可能としたことを特徴とする画像読取装置である。即ち、色分解は、読取レンズとCCDの間に色分解プリズムや、フィルタを選択的に挿入しR、G、Bに色分解する方法や、例えばR、G、B光源を順次転倒させ原稿を照明する方法、又はR、G、Bのフィルタを持った受光素子が1チップに3列に配列されている、所謂3ラインCCDを用い、この受光面にカラー画像を結像させることにより3原色に色分解する方法などどのような方式でも良い。
また本発明の第20の実施形態は、本発明の画像読取装置を備えた画像形成装置である。一例として、図12に示すレーザプリンタを用いて説明する。レーザプリンタ500は潜像担持体111として「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有している。潜像担持体111の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ112、現像装置113、転写ローラ114、クリーニング装置115が配備されている。帯電手段としては「コロナチャージャ」を用いることもできる。更に、レーザビームLBにより光走査を行う光走査装置117が設けられ、帯電ローラ112と現像装置113との間で「光書込による露光」を行うようになっている。
また、符号116は定着装置、符号118はカセット、符号119はレジストローラ対、符号120は給紙コロ、符号121は搬送路、符号122は排紙ローラ対、符号123はトレイ、符号Pは記録媒体としての転写紙を示している。
そして画像形成を行うときは、光導電性の感光体である像担持体111が時計回りに等速回転され、その表面が帯電ローラ112により均一帯電され、光走査装置117のレーザビームLBの光書込による露光を受けて静電潜像が形成される。形成された静電潜像は所謂「ネガ潜像」であって画像部が露光されている。この静電潜像は現像装置113により反転現像され、像担持体111上にトナー画像が形成される。
そして画像形成を行うときは、光導電性の感光体である像担持体111が時計回りに等速回転され、その表面が帯電ローラ112により均一帯電され、光走査装置117のレーザビームLBの光書込による露光を受けて静電潜像が形成される。形成された静電潜像は所謂「ネガ潜像」であって画像部が露光されている。この静電潜像は現像装置113により反転現像され、像担持体111上にトナー画像が形成される。
また、転写紙Pを収納したカセット118は、画像形成装置100本体に着脱可能であり、図のごとく装着された状態において、収納された転写紙Pの最上位の1枚が給紙コロ120により給紙され、給紙された転写紙Pは、その先端部をレジストローラ対119に捕らえられる。レジストローラ対119は、像担持体111上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングを合わせて、転写紙Pを転写部へ送り込む。送り込まれた転写紙Pは、転写部においてトナー画像と重ね合わせられ転写ローラ114の作用によりトナー画像を静電転写される。トナー画像を転写された転写紙Pは定着装置116へ送られ、定着装置116においてトナー画像が定着され、搬送路121を通り、排紙ローラ対122によりトレイ123上に排出される。更に、トナー画像が転写された後の像担持体111の表面は、クリーニング装置115によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。
また、潜像担持体111に光走査により潜像を形成し、上記潜像を可視化して所望の記録画像を得る画像形成装置において、潜像担持体111を光走査する光走査装置として、本発明の画象読取レンズを用いた光走査装置を用いるものであり、潜像担持体111は光導電性の感光体であり、その均一帯電と光走査とにより静電潜像が形成され、形成された静電潜像がトナー画像として可視化される。
11 第1の保持部材、12 第2の保持部材、13 連結部材、15 突起部、L1 第1レンズ、L2 第2レンズ、L3 第3レンズ、L4 第4レンズ、L5 第5レンズ、FA 絞り、CG コンタクトガラス、CC CCDカバーガラス、GF 前群、GR 後群、100 画像読取レンズ、200 画像読取レンズ
Claims (22)
- 画像情報をラインセンサ上に縮小結像させる結像レンズが、第1の保持部材と第2の保持部材により分割して保持されている画像読取レンズであって、
前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を連結する連結部材を備え、該連結部材は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を互いに対面側から挿入して保持するように構成されていることを特徴とする画像読取レンズ。 - 前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも1つのレンズ群の位置を調整可能としたことを特徴とする請求項1に記載の画像読取レンズ。
- 前記連結部材は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を保持するための複数の突起部を、前記各保持部材を保持する少なくとも一方の側に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取レンズ。
- 前記連結部材は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を保持する保持部を異なる大きさに構成したことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の画像読取レンズ。
- 前記連結部材は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を保持する保持部の形状を相似形としたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像読取レンズ。
- 前記連結部材は、前記ラインセンサを保持するセンサ保持部と一体形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像読取レンズ。
- 前記第1の保持部材に保持されているレンズ群と、前記第2の保持部材に保持されているレンズ群は、夫々絞りを中心にして物体側のレンズ群と像側のレンズ群に分割されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像読取レンズ。
- 前記絞りは前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材又は前記連結部材の何れかに配置されていることを特徴とする請求項7に記載の画像読取レンズ。
- 前記絞りは、着脱自在な構成を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の画像読取レンズ。
- 前記第1の保持部材、前記第2の保持部材及び前記連結部材の材質が樹脂であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像読取レンズ。
- 前記結像レンズの光軸近傍と最大画角近傍との結像位置が前記光軸と垂直な同一面上になるように補正するため、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも一つのレンズ群の位置を調整可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取レンズ。
- 前記結像レンズを構成するレンズの加工誤差により生じる像面湾曲変動を補正するために、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも一つのレンズ群の位置を調整可能としたことを特徴とする請求項11に記載の画像読取レンズ。
- 前記ラインセンサの反りにより生じる前記画像読取レンズの光軸近傍と最大画角近傍との結像位置の変化を補正するために、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも一つのレンズ群の位置を、前記ラインセンサの反りに合せる方向に調整可能としたことを特徴とする請求項11に記載の画像読取レンズ。
- 前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の空気間隔を変化させて調整することを特徴とする請求項2、11、12又は13に記載の画像読取レンズ。
- 前記結像レンズの保持部材により保持されたレンズ群内の偏心により発生する左右像高の結像位置差を補正するために、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも一つのレンズ群の位置を調整可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取レンズ。
- 前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも1つを光軸と直交する面内で回転させて調整することを特徴とする請求項15に記載の画像読取レンズ。
- 前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも1つを前記ラインセンサの長手方向に平行移動させて調整することを特徴とする請求項15に記載の画像読取レンズ。
- 前記第1の保持部材と前記第2の保持部材により保持されたレンズ群の少なくとも1つを前記ラインセンサの長手方向に対して傾けて調整することを特徴とする請求項15に記載の画像読取レンズ。
- 前記結像レンズはガラスレンズであり、該ガラスレンズの材料には有害物質を含有していないことを特徴とする請求項1乃至18の何れか一項に記載の画像読取レンズ。
- 原稿を照明する照明系と、該照明系により照明された原稿の反射光を縮小結像させる結像レンズと、該結像レンズにより結像された原稿像を光電変換するラインセンサと、を備えた画像読取装置において、
前記結像レンズとして、請求項1乃至19の何れか一項に記載の画像読取レンズを備えたことを特徴とする画像読取装置。 - 光学系の任意の光路中に色分解手段を備え、該色分解手段により色分解された画像情報をフルカラーで読み取ることを特徴とする請求項20に記載の画像読取装置。
- 請求項20又は21に記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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JP2006073333A JP2007248905A (ja) | 2006-03-16 | 2006-03-16 | 画像読取レンズ、画像読取装置及び画像形成装置 |
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- 2006-03-16 JP JP2006073333A patent/JP2007248905A/ja active Pending
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