JP2006323288A - 読取レンズ、画像読取レンズユニット、画像読取装置、及び画像形成装置 - Google Patents

読取レンズ、画像読取レンズユニット、画像読取装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 少ないレンズ構成枚数で有るにもかかわらず、F/NOが5.0程度と比較的明るく、開口効率が周辺部まで100%に近く、かつ像面湾曲を良好に補正し、コマフレアも小さくすることで、高空間周波数領域で軸上近傍から最周辺まで高いコントラストを有し、また軸上の色収差および二次スペクトルを小さく抑えることで、R、G、Bの結像位置の差を小さく抑えることにより、フルカラー読取に対応可能な、小型で低コストな読み取り用レンズとそれを用いた装置を提供する。
【解決手段】 図1の読取レンズは、物体側から正の第1レンズ1からなる第1群、正の第2レンズ2と負の第3レンズ3が接合された第2群、負の第4レンズ4からなる第3群、正の第5レンズ5からなる第4群とで構成された4群5枚構成で、第2群と第3群の間に絞り6を有するカラー読取レンズである。そして第3レンズ3の材料の部分分散(θgd)の基準線からの偏差(δθgd)が、負であることを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、読取レンズ、画像読取レンズユニット、画像読取装置、及び画像形成装置に関し、さらに詳しくは、読取レンズのレンズ構成に関するものである。
ファクシミリやデジタル複写機の原稿読取部やイメ−ジスキャナは、読み取るべき画像情報を読取用レンズで縮小してCCD等の固体撮像素子上に結像させて画像情報を信号化している。また原稿情報をカラーで読取るため、例えば赤、緑、青のフィルタを持った受光素子が1チップに3列に配列された所謂3ラインCCDを用い、この受光面に原稿像を結像させることにより3原色に色分解してカラー画像情報を信号化する光学系がある。
このような読取用レンズでは、高空間周波数領域で光軸近傍から周辺まで均一で高いコントラストを有することが要求される。このため、使用する読取レンズの像面湾曲を良好に補正する必要があり、特に副走査方向のコントラストを均一とするため、サジタル方向の像面湾曲を良好に補正し、かつコマフレアを小さく抑える必要がある。
また、カラー原稿を良好に読み取るためには、受光面上で赤、緑、青の各色の結像位置を光軸方向に合致させる必要があり、各色の色収差および二次スペクトル(二つの波長の軸上の色収差を補正したときの他の波長の色収差)を極めて良好に補正しなければならない。更に、開口効率が画角周辺部まで100%近くある事が要求されている。
一般的に像面湾曲を小さく補正するために、ペッツバール和をある程度小さくし、かつ軸上の色収差補正のためには、正レンズに高屈折率、低分散(アッベ数が大きい)、負レンズに低屈折率、高分散(アッベ数が小さい)材料を使用する必要がある。また、色収差の二次スペクトルを小さく抑えるためには、基準線(基準材料K7とF2の部分分散θgdとアッベ数νdを結んだ直線)からの各材料の部分分散の偏差を正レンズがプラス、負レンズがマイナスとすると良い。しかし、現在量産されている光学ガラスを見ると、正レンズとして使用する頻度の高い、高屈折率で低分散のランタンクラウン系やタンタルクラウン系の材料は、部分分散偏差がマイナスであり、負レンズとして使用する頻度の高い低屈折率高分散の重フリント系の材料は、部分分散偏差がプラスと、ペッツバール和、軸上色収差および軸上色収差の二次スペクトルの3つの収差を良好に補正することが困難であった。
このため、従来カラー読取レンズとして、半画角が20゜程度まで良好に像面湾曲が補正可能で、更に比較的大口径にしてもコマフレアの発生を小さく抑えられ、色収差補正能力も高い4群6枚構成のガウスタイプを用い、軸上の色収差の二次スペクトル補正のため、負レンズである第3、第4レンズの少なくとも一つのレンズに、部分分散偏差がマイナスの性質を有する、所謂、異常分散ガラスを使用して良好な性能を得る発明として特許文献1〜7に開示されている。
一方4群5枚構成の所謂クセノタタイプを使用した読取レンズとして、特許文献8〜11や、特許文献12、13および特許文献14に開示されている。
特許第2729039号 特許第2790919号 特開平9−304696号公報 特開平10−253881号公報 特開平11−109221号公報 特開平2001−166359公報 特開平2002−287022公報 特開平1−92711号公報 特開平5−107472号公報 特開平6−250082号公報 特開平8−201689号公報 特開平9−127414号公報 特開2003−35865公報 特開2004−69876公報
しかしながら、特許文献1〜7に開示されている従来技術は、ガウスタイプはレンズの構成枚数が6枚と多いため、レンズ外径が大きくなり、レンズおよびそれを用いた装置の小型化や低コスト化に対して限界がある。
また特許文献8〜11や、特許文献12、13および特許文献14に開示されている従来技術は、全て接合レンズの凹レンズ(第3レンズ)にフリント系、または重フリント系の硝材を使用しているため、部分分散がプラスとなっており、軸上の色収差の2次スペクトルを小さく抑えることができていない。
本発明は、かかる課題に鑑み、少ないレンズ構成枚数で有るにもかかわらず、F/NOが5.0程度と比較的明るく、開口効率が周辺部まで100%に近く、かつ像面湾曲を良好に補正し、コマフレアも小さくすることで、高空間周波数領域で軸上近傍から最周辺まで高いコントラストを有し、また軸上の色収差および二次スペクトルを小さく抑えることで、R、G、Bの結像位置の差を小さく抑えることにより、フルカラー読取に対応可能な、小型で低コストな読み取り用レンズとそれを用いた装置を提供することを目的とする。
また他の目的は、材料のリサイクル化が可能で、加工時の廃液による水質汚染をなくし、地球環境を考慮した小型で低コストな読み取り用レンズとそれを用いた装置を提供することである。
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、物体側から、正の第1レンズからなる第1群レンズと、正の第2レンズ及び負の第3レンズが接合された第2群レンズと、負の第4レンズからなる第3群レンズと、正の第5レンズからなる第4群レンズと、を順次配置した構成を備え、前記第2群レンズと第3群レンズとの間に絞りを有する読取レンズにおいて、d線(587.56nm)の屈折率をnd、c線(656.27nm)の屈折率をnc、F線(486.13nm)の屈折率をnF、g線(435.83nm)の屈折率をngとしたとき、θgd=(ng−nd)/(nF−nc)により定義される前記第3レンズの材料の部分分散(θgd)の基準線からの偏差(δθgd3)が負であることを特徴とする。
本発明においては、現在量産されている硝材の範囲で、ペッツバール和と軸上色収差の二次スペクトルを小さく抑えるために、第2群の接合レンズの負レンズ(第3レンズ)の部分分散偏差がプラスの硝材とすることで、ペッツバール和、軸上色収差および軸上色収差の二次スペクトルの3つの収差を良好に補正できる。そしてフルカラー用として用いる場合に、各色のピント位置が一致して、光軸近傍から原稿の最周辺まで均一でコントラストの高い良好な性能のレンズを、4群5枚構成と少ない構成であるため、低コストかつコンパクトで達成できる。
請求項2は、前記第2群レンズの接合レンズを構成する正の第2レンズの部分分散の基準線からの偏差の和をδθgd2、前記第2群レンズの接合レンズを構成する負の第3レンズの部分分散の基準線からの偏差の和をδθgd3としたとき、0.0<δθgd2−δθgd3<0.06の条件を満足することを特徴とする。
請求項1に記載したように、接合レンズの負レンズの部分分散偏差を負として軸上色収差の二次スペクトルを小さく抑える場合に、条件式の範囲に接合レンズの部分分散をすることで、更に良好に軸上色収差の2次スペクトルが補正可能となる。また条件式の上限を超えると、補正過剰となり、主波長と軸上の色収差補正をしている波長の外側の範囲の二次スペクトルが正で大きくなってしまう。逆に下限を超えると、主波長と軸上の色収差を補正している波長の間の二次スペクトルがマイナスで大きくなりすぎる。
請求項3は、前記第1レンズは物体側に凸面を向けて配置したメニスカス形状であり、前記第2レンズと第3レンズの接合後の第2群レンズは全体で負の屈折力を有し、物体側に凸面を向けて配置したメニスカス形状であり、前記第4レンズは物体側に凹面を向けて配置したメニスカス形状で少なくとも一面非球面を有し、前記第5レンズは、物体側に凹面を向けて配置したメニスカス形状であることを特徴とする。
全てのレンズをメニスカス形状とすることで、第2群と第3群の間に配置した絞りに対し、全てのレンズでできる限り光線がコンセントリックに入射するようにすると共に、絞りに対しての対称性を保ち、球面収差や歪曲収差、および倍率の色収差を小さく抑えることが可能となる。
請求項4は、全系のe線の合成焦点距離をf、前記第1群レンズのe線の焦点距離をf1 、前記第2群レンズと第3群レンズのe線の合成焦点距離をf24としたとき、0.54<f1/f<1.14及び−0.50<f24/f<−0.43の条件を満足することを特徴とする。
2つの条件式を満足することで、更に各収差を良好に補正することが可能となり、高性能でかつコンパクト、低コストな読取レンズを得ることができる。前者の条件式は、第1群のパワーを定めるもので、上限を超えると第1群のパワーが弱くなりすぎため、性能確保のためレンズ全体を大きくする必要が生じ、コストアップの要因となる。逆に下限を超えるとレンズのコンパクト化には有利であるが、第1群のパワーが強くなりすぎるため、コマフレアが大きくなり、特に低周波数でのコントラストが低下してしまう。また後者の条件式は、負のパワーを有する第2群と第3群の合成パワーを定めるもので、上限を超えると球面収差、像面湾曲共に補正過剰となり、周辺でのコマ収差が悪化してしまう。下限を超えると逆に球面収差、像面湾曲共に補正不足となり、中間画角での非点隔差が増大し、中間画角でのコマ収差が悪化するため、この条件式の範囲外では、全画面にわたって良好な結像性能を得ることができなくなる。
請求項5は、正の屈折力を有する第1レンズ、第2レンズ及び第5レンズのd線の屈折率の平均値をN凸、負の屈折力を有する第3レンズ及び第4レンズのd線の屈折率の平均値をN凹、正の屈折力を有する第1レンズ、第2レンズ、及び第5レンズのアッベ数の平均値をν凸、負の屈折力を有する第3レンズ及び第4レンズのアッベ数の平均値をν凹としたとき、−0.16<n凸−n凹<−0.12及び29.4<ν凸−ν凹<38.0の条件を満足することを特徴とする。
2つの条件式は、本レンズに使用する硝材の屈折率とアッベ数の範囲を定めるもので、前者の条件式の上限を超えると、ペッツバール和が小さくなりすぎ、像面が正の側に倒れ像面湾曲が大きくなる。下限を超えると逆に、ペッツバール和が大きくなりすぎ、像面が負の側に倒れ、非点隔差が大きくなり、この条件の範囲外では、全画面にわたって良好な結像性能を得ることができなくなる。また後者の条件式は、軸上の色収差を良好に補正する条件である。上限を超えると軸上の色収差が補正過剰になり主波長より短波長側で軸上の色収差が正の側に大きくなる。下限を超えると軸上の色収差が補正不足になり主波長より短波長側で負の側に軸上の色収差が大きくなってしまう。
請求項6は、前記第1レンズ乃至第5レンズが全てガラスレンズであり、そのガラス材料は鉛、砒素などの有害物質を含有していないことを特徴とする。
全てのレンズを化学的に安定で鉛や砒素等の有害物質を含まない光学ガラスで構成することにより、材料のリサイクル化が可能で、加工時の廃液による水質汚染が無く、更に従来6枚のレンズを5枚のレンズと構成間数を低減することで、省資源化や加工時に発生するCO2等を低減でき、地球環境を考慮した、小型で低コストな読取用レンズとする事ができる。
請求項7は、前記第4レンズの非球面形状は周辺部に行くに従い負のパワーが強くなる形状であることを特徴とする。
本発明のカラー読取レンズは、軸上の二次スペクトル補正のため、正レンズの部分分散偏差がプラスの材料を使用している。現在量産されている光学ガラスにおいて低分散で部分分散偏差がプラスの材料の屈折率は一般的に小さく、ペッツバール和が大きくなる傾向にあり、像面湾曲補正には不利となる。そこで、負レンズである第4レンズに少なくとも1面採用する非球面は、光軸近傍に対して周辺に行くに従い、負のパワーが強くなる形状とする。
請求項8は、請求項1乃至7の何れか一項に記載の読取レンズを、鏡筒に組付け一体化したことを特徴とする。
本発明の原稿読取レンズを鏡筒に組付け一体化する事で、低コスト、高性能で、かつ地球環境を考慮した、画像読取レンズユニットが得られる。
請求項9は、原稿上のカラー画像をフルカラーで読取る装置であって、原稿を支持する原稿支持手段と、該原稿支持手段に支持された原稿を照明する照明手段と、照明された原稿の像を結像させる原稿読取レンズと、該原稿読取レンズの結像光路上に配置された色分解手段と、前記原稿読取レンズにより結像された原稿の像を受光して電気信号に変換する撮像手段と、を備え、前記原稿読取レンズとして、請求項1乃至7の何れか一項に記載の読取レンズを用いたことを特徴とする。
「原稿支持手段」は、カラー画像を読取るべき原稿を支持する手段である。また「照明手段」は、原稿支持手段に支持された原稿を照明する手段である。また「原稿読取レンズ」は、照明された原稿の像を結像させる。また「色分解手段」は、原稿読取レンズの結像光路上に配置されて色分解を行う。また[撮像手段]は、原稿読取レンズにより結像された原稿の像(上記色分解手段により色分解されている)を受光して電気信号に変換する。そして、原稿読取レンズとして請求項1〜7記載の読取レンズが用いられる。
請求項10は、前記原稿支持手段が原稿を平面的に定置するコンタクトガラスであり、前記照明手段がコンタクトガラスに載置された原稿をスリット状に照明し、スリット状の照明部に交わる方向へ原稿を走査する手段を有し、前記撮像手段がラインセンサであることを特徴とする。
本発明の原稿読取装置では「コンタクトガラスに平面的に定置された原稿が照明手段により照明走査される」が、「照明装置と原稿読取レンズとラインセンサとの位置関係を固定し、読取るべき原稿をラインセンサに共役な位置におかれたコンタクトガラス上においてスリット状に照明しつつ、原稿をスリット状の照明位置に交わる方向へ移動させて原稿の照明走査を行う」ように構成してもよい。この場合のコンタクトガラスは「細幅のもので原稿を照明するのに必要な幅」を有していればよい。また「読取るべき原稿を原稿ガラス上に平面的に定置して原稿全面を所定の照度分布で照明し、原稿全面の縮小画像を原稿読取レンズによりエリアセンサの受光面上に結像させて原稿の全面を同時に読取る」ように構成することも可能である。また、色分解手段として、原稿の照明光を赤・緑・青の順に高速で切り替えるようにして行うものを用いることもできる。
請求項11は、走査光を像担持体上に走査して画像を形成する画像形成装置であって、原稿画像をフルカラーにより読取って画像信号化する手段として、請求項9又は10に記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする。
この画像形成装置において、画像信号の書込みは、インクジェット方式やインクリボン方式、感熱方式等、公知の種々の方法で行うことができる。
請求項12は、前記走査光を像担持体上に走査して潜像を形成する手段を、光書込み手段により行うことを特徴とする。
本発明はレーザダイオードによる光書込み手段を使用する。レーザダイオード以外にライン状のLED書込み手段により行うこともできる。
請求項1、2の発明によれば、4群5枚構成で、接合レンズの負レンズ(第3レンズ)の部分分散偏差をプラスとし、請求項2の条件式の範囲内とすることで、軸上色収差の二次スペクトルを小さく抑えることができる。例えばR、G、Bに分解したときの各色毎のピント面を一致することができ、原稿情報をフルカラーで良好に読取ることができる。
請求項3の発明では、全てのレンズをメニスカス形状とすることで、第2群と第3群の間に配置した絞りに対し、できる限り光線がコンセントリックに入射するようにすると共に、絞りに対しての対称性が保てるため、球面収差や歪曲収差、および倍率の色収差を小さく抑えることが可能となり、歪みや色にじみがなく、読み取り範囲全体に亘って、均一で良好な性能を有することができる。更に、非球面を絞りに隣接したレンズに配置することにより、非球面レンズを低コストでかつ高精度とすることができ、レンズの低コスト化と高性能化を達成することができる。
請求項4の発明では、第1群および第2群と第3群の合成焦点距離を条件式の範囲内にすることで、レンズの長大化する事なしに、像面湾曲を非常に小さく抑えることが可能となり、かつコマフレアも小さく保てるため、読取範囲全域に亘って、主走査方向と副走査方向共に均一で、高いコントラストの読取レンズが得られる。
請求項5の発明では、軸上の色収差及び像面湾曲が非常に小さく、更にコマフレアも良好に補正され、半画角18゜程度の画角全体に亘って高周波数領域でも均一で高いコントラストの読取レンズが得られる。
請求項6の発明では、非球面レンズを含め全てのレンズを鉛や砒素など有害物質を含まないガラス材料とすることで、リサイクルが容易で、加工時の廃液による水質汚染などを発生させない、地球環境を保全に貢献できる。更に現在量産されている中で比較的安価で、加工性にも優れたな硝材を使用することで、材料費、加工費共に安価な読取レンズが得られる。
請求項7の発明では、第4レンズの非球面形状を周辺に行くに従い負のパワーが強くなるような形状とすることで、像面湾曲を非常に小さく抑えることが可能となり、読取範囲全域に渡って、主走査方向と副走査方向共に均一で、高いコントラストの読取が行える。
請求項8の発明では、原稿読取レンズを鏡筒に組付け一体化するので、低コスト、高性能で、かつ地球環境を考慮した、画像読取レンズユニットが得られる。
請求項9、10の発明では、コンパクトで低コストな上記読取レンズを具備することにより、原稿情報を良好に読み取ることが可能な、低コスト、コンパクトな画像読取装置が得られる。
請求項11、12の発明では、上記読取レンズを使用した画像読取装置を具備する事により、良好な読み取り画像品質を基に画像を形成するため、高画質な画像形成装置が低コストで得られるものである。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の読取レンズの概念図である。尚、本発明の読取レンズの記号の意味は下記の通りである。以下、各実施例において図1の概念図を共通に使用して説明する。
ri(i=1〜10):物体側から数えてi番目のレンズ面の曲率半径
di(i=1〜9) :物体側から数えてi番目の面間隔
nj(j=1〜5) :物体側から数えてj番目のレンズの材料の屈折率
vj(j=1〜5) :物体側から数えてj番目のレンズの材料のアッベ数
rc1 :コンタクトガラスの物体側の曲率半径
rc2 :コンタクトガラスの像側の曲率半径
rc3 :CCDカバーガラスの物体側の曲率半径
rc4 :CCDカバーガラスの像側の曲率半径
dc1 :コンタクトガラスの肉厚
dc3 :CCDカバーガラスの肉厚
nc1 :CCDカバーガラスの屈折率
nc3 :コンタクトガラスの屈折率
vc1 :コンタクトガラスのアッベ数
vc3 :CCDカバーガラスのアッベ数
図1の読取レンズは、物体側から、正の第1レンズ11からなる第1群、正の第2レンズ12と負の第3レンズ13が接合された第2群、負の第4レンズ14からなる第3群、正の第5レンズ15からなる第4群とで構成された4群5枚構成で、第2群と第3群の間に絞り16を有するカラー読取レンズである。そして第3レンズ13の材料の部分分散(θgd)の基準線からの偏差(δθgd)が、負であることを特徴としている。
但し、部分分散(θgd)は、d線(587.56nm)の屈折率をnd、c線(656.27nm)の屈折率をnc、F線(486.13nm)の屈折率をnF、g線(435.83nm)の屈折率をngとしたとき、θgd=(ng−nd)/(nF−nc) により定義され、基準線は、基準材料K7とF2の部分分散θgdとアッベ数νdを結んだ直線である。
一般的に像面湾曲を小さく補正するために、ペッツバール和をある程度小さし、かつ軸上の色収差補正のためには、正レンズに高屈折率、低分散(アッベ数が大きい)、負レンズに低屈折率、高分散(アッベ数が小さい)材料を使用する必要がある。また、色収差の二次スペクトルを小さく抑えるためには、基準線(基準材料K7とF2の部分分散θgdとアッベ数νdを結んだ直線)からの各材料の部分分散の偏差を正レンズがプラス、負レンズがマイナスとすると良い。
しかし、現在量産されている光学ガラスを見ると、正レンズとして使用する頻度の高い、高屈折率で低分散のランタンクラウン系やタンタルクラウン系の材料は、部分分散偏差がマイナスであり、負レンズとして使用する頻度の高い低屈折率高分散の重フリント系の材料は、部分分散偏差がプラスと、ペッツバール和、軸上色収差および軸上色収差の二次スペクトルの3つの収差を良好に補正することが困難であった。
本発明においては、現在量産されている硝材の範囲で、ペッツバール和と軸上色収差の二次スペクトルを小さく抑えるために、第2群の接合レンズの負レンズ(第3レンズ)の部分分散偏差がプラスの硝材とすることで、ペッツバール和、軸上色収差および軸上色収差の二次スペクトルの3つの収差を良好に補正でき、フルカラー用として用いる場合に、各色のピント位置が一致して、光軸近傍から原稿の最周辺まで均一でコントラストの高い良好な性能のレンズを、4群5枚構成と少ない構成であるため、低コストかつコンパクトで達成できる。
また本発明は図1の読取レンズにおいて、下記の条件を満足することを特徴としている。
(1)0.0<δθgd2−δθgd3<0.06
但し、
δθgd2:第2群の接合レンズの正レンズ(第2レンズ)の部分分散の基準線からの偏差の和
δθgd3:第2群の接合レンズの負レンズ(第3レンズ)の部分分散の基準線からの偏差の和
即ち、条件式(1)は、接合レンズの正レンズ(第2レンズ12)と負レンズ(第3レンズ13)の部分分散の差を定義するもので、接合レンズの負レンズの部分分散偏差を負として軸上色収差の二次スペクトルを小さく抑える場合に、条件式(1)の範囲に接合レンズの部分分散をすることで、更に良好に軸上色収差の2次スペクトルが補正可能となる。
また条件式(1)の上限を超えると、補正過剰となり、主波長と軸上の色収差補正をしている波長の外側の範囲の二次スペクトルが正で大きくなってしまう。逆に下限を超えると、主波長と軸上の色収差を補正している波長の間の二次スペクトルがマイナスで大きくなりすぎる。
また本発明は図1の読取レンズにおいて、緒収差を良好に補正するために絞りに各レンズ形状を定めるもので、第1レンズ11は物体側に凸面を向けて配置したメニスカス形状であり、第2レンズ12と第3レンズ13の接合後の第2群は全体で負の屈折力を有し、物体側に凸面を向けて配置したメニスカス形状であり、第4レンズ14は物体側に凹面を向けて配置したメニスカス形状で、少なくとも一面非球面を有し、第5レンズ15は、物体側に凹面を向けて配置したメニスカス形状であることを特徴としている。
上記のように、全てのレンズをメニスカス形状とすることで、第2群と第3群の間に配置した絞り16に対し、全てのレンズでできる限り光線がコンセントリックに入射するようにすると共に、絞り16に対しての対称性を保ち、球面収差や歪曲収差、および倍率の色収差を小さく抑えることが可能となる。
現在デジタルカメラなどに非球面レンズが採用されているが、非球面レンズはレンズ外径が大きくなると、成型時に時間を要し、加工コストがアップしたり、面形状が良好に保てなくなる。そこで、本発明の読取レンズは、絞り16に接して配置された第4レンズ14に少なくとも一面非球面を採用し、緒収差の良好な補正と、レンズの低コスト化を達成している。
また本発明は図1の読取レンズにおいて、下記の条件を満足することを特徴としている。
(2) 0.54<f1/f<1.14
(3)−0.50<f24/f<−0.43
但し、
f :全系のe線の合成焦点距離
f1 :第1群(第1レンズ)のe線の焦点距離
f24:第2群(第2、3レンズ)と第3群(第4レンズ)のe線の合成焦点距離
上記読取レンズにおいて、条件式(2)、(3)を満足することで、更に各収差を良好に補正することが可能となり、高性能でかつコンパクト、低コストな読取レンズを得ることができる。
また条件式(2)は、第1群のパワーを定めるもので、上限を超えると第1群のパワーが弱くなりすぎため、性能確保のためレンズ全体を大きくする必要が生じ、コストアップの要因となる。逆に下限を超えるとレンズのコンパクト化には有利であるが、第1群のパワーが強くなりすぎるため、コマフレアが大きくなり、特に低周波数でのコントラストが低下してしまう。
また条件式(3)は、負のパワーを有する第2群と第3群の合成パワーを定めるもので、上限を超えると球面収差、像面湾曲共に補正過剰となり、周辺でのコマ収差が悪化してしまう。下限を超えると逆に球面収差、像面湾曲共に補正不足となり、中間画角での非点隔差が増大し、中間画角でのコマ収差が悪化するため、この条件式の範囲外では、全画面にわたって良好な結像性能を得ることができなくなる。
また本発明は図1の読取レンズにおいて、下記の条件を満足することを特徴としている。
(4)−0.16<N凸−N凹<−0.12
(5)29.4<ν凸−ν凹<38.0
但し、
N凸:正の屈折力を有するレンズ(第1、第2、第5レンズ)のd線の屈折率の平均値
N凹:負の屈折力を有するレンズ(第3、第4レンズ)のd線の屈折率の平均値
ν凸:正の屈折力を有するレンズ(第1、第2、第5レンズ)のアッベ数の平均値
ν凹:負の屈折力を有するレンズ(第3、第4レンズ)のアッベ数の平均値
上記条件式は、本レンズに使用する硝材の屈折率とアッベ数の範囲を定めるもので、条件式(4)の上限を超えると、ペッツバール和が小さくなりすぎ、像面が正の側に倒れ像面湾曲が大きくなる。下限を超えると逆に、ペッツバール和が大きくなりすぎ、像面が負の側に倒れ、非点隔差が大きくなり、この条件の範囲外では、全画面にわたって良好な結像性能を得ることができなくなる。
また条件式(5)は、軸上の色収差を良好に補正する条件である。上限を超えると軸上の色収差が補正過剰になり主波長より短波長側で軸上の色収差が正の側に大きくなる。下限を超えると軸上の色収差が補正不足になり主波長より短波長側で負の側に軸上の色収差が大きくなってしまう。
以上のように、読取レンズの性能を良好に保つためには、本レンズに使用する硝材を上記条件式(4)、(5)の範囲とすることが望ましい。
また本発明は図1の読取レンズにおいて、5枚のレンズが全てガラスレンズであり、そのガラス材料は鉛、砒素などの有害物質を含有していないことを特徴としている。全てのレンズを化学的に安定で鉛や砒素等の有害物質を含まない光学ガラスで構成することにより、材料のリサイクル化が可能で、加工時の廃液による水質汚染が無く、更に従来6枚のレンズを5枚のレンズと構成間数を低減することで、省資源化や加工時に発生するCO2等を低減でき、地球環境を考慮した、小型で低コストな読取用レンズとする事ができる。
また本発明は図1読取レンズにおいて、第4面の非球面形状は周辺部に行くに従い、負のパワーが強くなる形状であることを特徴とするカラー読取レンズである。
本カラー読取レンズは、軸上の二次スペクトル補正のため、正レンズの部分分散偏差がプラスの材料を使用している。現在量産されている光学ガラスにおいて低分散で部分分散偏差がプラスの材料の屈折率は一般的に小さく、ペッツバール和が大きくなる傾向にあり、像面湾曲補正には不利となる。そこで、負レンズである第4レンズに少なくとも1面採用する非球面は、光軸近傍に対して周辺に行くに従い、負のパワーが強くなる形状とする。具体的には、メニスカス形状の第4レンズ14の第1面に非球面を採用する場合には、第1面は負のパワーを有するため、周辺に行くに従い、曲率半径が小さくなる形状とし、第2面に費勇面を採用する場合には、第2面が正のパワーを有しているため、周辺に行くに従い曲率半径が緩くなる形状とする。このような形状とすることで、像面湾曲を良好に補正可能とすることができる。
また本発明は図1の原稿読取レンズを鏡筒に組付け一体化する事で、低コスト、高性能で、かつ地球環境を考慮した、画像読取レンズユニットが得られる。
次に本発明の読み取りレンズの実施例について以下に説明する。各実施例における記号の意味は下記のとおりである。
f :全系のe線の合成焦点距離
FNo :Fナンバ
m :縮率
ω :半画角(度)
Y :物体高
ri(i=1〜10):物体側から数えてi番目のレンズ面の曲率半径
di(i=1〜9) :物体側から数えてi番目の面間隔
nj(j=1〜5) :物体側から数えてj番目のレンズの材料の屈折率
vj(j=1〜5) :物体側から数えてj番目のレンズの材料のアッベ数
rc1 :コンタクトガラスの物体側の曲率半径
rc2 :コンタクトガラスの像側の曲率半径
rc3 :CCDカバーガラスの物体側の曲率半径
rc4 :CCDカバーガラスの像側の曲率半径
dc1 :コンタクトガラスの肉厚
dc3 :CCDカバーガラスの肉厚
nc1 :CCDカバーガラスの屈折率
nc3 :コンタクトガラスの屈折率
vc1 :コンタクトガラスのアッベ数
vc3 :CCDカバーガラスのアッベ数
nd :d線(587.56nm)の屈折率
ne :e線(546.07nm)の屈折率
ng :g線(435.83nm)の屈折率
nF :F線(486.13nm)の屈折率
nC :C線(656.27nm)の屈折率
δθgdj(j=1〜5):物体側から数えてj番目のレンズの材料の部分分散偏差
δθgd2−3 :第2レンズと第3レンズの部分分散偏差の差
非球面は下式で表す。
X={((1/R)×Y2)/(1+SQRT(1−(1+K)×(Y/R)2))}+A4×Y4+A6×Y6+A8×Y8+A10×Y10
ここで、
X:光軸から高さYにおける非球面の非球面頂点における接平面からの距離
Y:光軸からの高さ
R:非球面の近軸曲率半径
K:円錐乗数
A4,A6,A8,A10:非球面係数
SQRT:平方根の意味
また、数値例の中で、E−XYは、10-XYの意味である。
また、収差図において、eはe線(546.07nm)、gはg線(436.83nm)、cはc線(656.27nm)、FはF線(486.13nm)を示す。また、球面収差の図で、波線は正弦条件、非点収差の図で、実線はサジタル光線、点線はメリディオナル光線を示す。
図2は実施例1に係る読み取りレンズ各収差図である。図2(a)は球面収差、(b)は非点収差、(c)は歪曲収差、(d)はコマ収差を示す図である。以下に各値を一覧表にして示す。
f=44.985、F=4.91、m=0.11102、Y=152.4、ω=18.7
Figure 2006323288
<非球面係数>
Figure 2006323288
図3は実施例2に係る読み取りレンズ各収差図である。図3(a)は球面収差、(b)は非点収差、(c)は歪曲収差、(d)はコマ収差を示す図である。以下に各値を一覧表にして示す。
f=45.413、F=4.95、m=0.11102、Y=152.4、ω=18.5
Figure 2006323288
<非球面係数>
Figure 2006323288
図4は実施例3に係る読み取りレンズ各収差図である。図4(a)は球面収差、(b)は非点収差、(c)は歪曲収差、(d)はコマ収差を示す図である。以下に各値を一覧表にして示す。
f=45.398、F=5.00、m=0.11102、Y=152.4、ω=18.5
Figure 2006323288
<非球面係数>
Figure 2006323288
図5は実施例4に係る読み取りレンズ各収差図である。図5(a)は球面収差、(b)は非点収差、(c)は歪曲収差、(d)はコマ収差を示す図である。以下に各値を一覧表にして示す。
f=45.328、F=4.95、m=0.11102、Y=152.4、ω=18.6
Figure 2006323288
<非球面係数>
Figure 2006323288

<条件式(1)の値>
Figure 2006323288

<条件式(2)、(3)の値>
Figure 2006323288




<条件式(4)、(5)の値>
Figure 2006323288
図6は本発明の原稿読取装置の構成を示す図である。この原稿読取装置200は、読取られるべき原稿2は、原稿支持手段としてのコンタクトガラス1上に平面的に定置され、コンタクトガラス1の下部に配置された図示されない照明光学系により「図面に直交する方向に長いスリット状部分」が照明される。原稿1の照明された部分からの反射光は、第1走行体3に設けられた第1ミラー3aにより反射された後、第2走行体4に設けられた第2ミラー4a、第2ミラー4bにより順次反射され、原稿読取レンズユニット5の鏡筒に組付けられた原稿読取レンズを透過し、撮像手段としてのラインセンセ6の受光部上に原稿の縮小像として結像する。
また「原稿読取レンズ」としては、本発明の原稿読取レンズが使用される。第1走行体3、第2走行体4は、図示されない駆動手段により、それぞれ矢印方向(図の右方)へ走行させられる。第1走行体3の走行速度は「V」、第2走行体4の走行速度は「V/2」である。この走行により、第1走行体3、第2走行体4は、それぞれ破線で示す位置まで変位する。
また図示されない照明光学系は第1走行体3と一体的に移動し、コンタクトガラス1上の原稿2の全体を「照明走査」する。第1、第2走行体の移動速度比は「V:V/2」であるので、照明走査される原稿部分から原稿読取レンズに至る光路長は不変に保たれる。
またラインセンサ6は「色分解手段として赤、緑、青のフィルタを持った受光素子を、1チップに3列に配列させた所謂3ラインCCD(3ラインのラインセンサ)」であり、原稿2の照明走査に伴い、原稿画像を画像信号化する。このようにして原稿2の読取が実行され、原稿2のカラー画像は、赤、緑、青の3原色に色分解して読取られる。
即ち、図6に示す原稿読取装置200は、原稿上のカラー画像をフルカラーで読取る装置であって、原稿2を支持する原稿支持手段1と、この原稿支持手段1に支持された原稿2を照明する照明手段(図示されない照明光学系と、第1、第2走行体3、4と、これら走行体に保持された第1〜第3ミラー3a、4a、4bと、上記走行体を走行させる図示されない駆動手段により構成される。)と、照明された原稿2の像を結像させる原稿読取レンズ(原稿読取レンズユニット5の鏡筒に組付けられている。)と、原稿読取レンズユニット5の結像光路中に設けられた「色分解手段(前記3ラインCCDに設けられた赤、緑、青のフィルタ)」と、上記原稿読取レンズにより結像された原稿の像を受光して電気信号に変換する撮像手段6とを有し、原稿読取レンズとして、図1の読取レンズを用いたものである。
また、「原稿支持手段」が、原稿2を平面的に定置するコンタクトガラス1であり、照明手段が、コンタクトガラス1に載置された原稿2をスリット状に照明し、スリット状の照明部に交わる方向へ原稿を走査する手段を有し、「撮像手段」がラインセンサ6である。
また原稿読取装置の他の形態として「コンタクトガラス上の原稿をスリット状に照明する照明手段と、ラインセンサと、原稿の非照明部からラインセンサに至る結像光路を形成する複数のミラーと、上記結像光路上に配置される原稿読取レンズと」を相互に一体化した読取ユニットを、駆動手段により原稿に相対的に走行させることにより原稿を読取走査するようにした形態のものとすることもできる。
また、原稿読取レンズは、原稿送り装置(所謂ADF)内に配置して、原稿の両面読取時の「原稿裏面読取用」としても使用可能である。
「色分解」は、上記とは別に、原稿読取レンズとラインセンサ(CCD)との間に色分解プリズムやフィルタを選択的に挿入し、R(赤)、G(緑)、B(青)に色分解する方法や、「R、G、Bの光源を順次点灯させ原稿を照明する方法」を用いることができる。
図7は本発明の原稿読取装置200を備えた画像形成装置の一例を示す図である。同じ構成要素には同じ参照番号を付して説明する。この画像形成装置300は、装置上部に位置する原稿読取装置200と、その下位に位置する「画像形成部」100とを有する。原稿読取装置200の部分は、図6に即して説明したのと同様のものであり、各部には図6と同じ符号を付してある。
画像読取装置200における3ラインのラインセンサ(撮像手段)6から出力される画像信号は図示しない信号処理部に送られ、信号処理部において処理されて「書込み用の信号(イエロー・マゼンタ・シアン・黒の各色を書込むための信号)」に変換される。
画像形成部100は、「潜像担持体」として円筒状に形成された光導電性の感光体110を有し、その周囲に、帯電手段としての帯電ローラ111、リボルバ式の現像装置113、転写ローラ114、クリーニング装置115が配設されている。帯電手段としては帯電ローラ111に代えて「コロナチャージャ」を用いることもできる。
信号処理部から書込み用の信号を受けて光走査により感光体110に書込みを行う光走査装置117は、帯電ローラ111と現像装置113との間において感光体110の光走査を行うようになっている。符号116は定着装置、符号118はカセット、符号119はレジストローラ対、符号120は給紙コロ、符号121はトレイ、符号Sは「記録媒体」としての転写紙を示している。
画像形成を行うときは、光導電性の感光体110が時計回りに等速回転され、その表面が帯電ローラ111により均一帯電され、光走査装置117のレーザビームの光書込による露光を受けて静電潜像が形成される。形成された静電潜像は所謂「ネガ潜像」であって画像部が露光されている。
「画像の書込み」は、感光体110の回転に従い、イエロー画像、マゼンタ画像、シアン画像、黒画像の順に行われ、形成された静電潜像はリボルバ式の現像装置113の各現像ユニットY(イエロートナーによる現像を行う)、M(マゼンタトナーによる現像を行う)、C(シアントナーによる現像を行う)、K(黒トナーによる現像を行う)により順次反転現像されてポジ画像として可視化され、得られた各色トナー画像は、転写ローラ114上により転写されてカラー画像となる。
転写紙Sを収納したカセット118は、画像形成装置本体に脱着可能であり、図のごとく装着された状態において、収納された転写紙Sの最上位の1枚が給紙コロ120により給紙され、給紙された転写紙Sはその先端部をレジストローラ対119に捕えられる。
レジストローラ対119は、転写ローラ114上のトナーによるカラー画像が転写位置へ移動するのにタイミングを合わせて転写紙Sを転写部へ送り込む。送り込まれた転写紙Sは、転写ローラ114においてカラー画像と重ね合わせられカラー画像を静電転写される。
カラー画像を転写された転写紙Sは定着装置116へ送られ、定着装置116においてカラー画像を定着され、図示されないガイド手段による搬送路121を通り、排紙ローラ対122によりトレイ123上に排出される。各色トナー画像が転写されるたびに、感光体110の表面はクリーニング装置115によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。
即ち、図7に実施の形態を示した画像形成装置は、画像信号に対応する画像を書込んで画像を形成する画像形成装置であって、原稿画像を画像信号化する手段として図7の画像読取装置200を有する。また、画像信号に対応する画像の書込みを光書込みにより行い、光書込みにより、光導電性の感光体110に、形成すべき画像に対応する静電潜像を形成する。
以上の通り本発明によれば、4群5枚構成で、接合レンズの負レンズ(第3レンズ)の部分分散偏差をプラスとし、条件式(1)の範囲内とすることで、軸上色収差の二次スペクトルを小さく抑えることができる。例えばR、G、Bに分解したときの各色毎のピント面を一致することができ、原稿情報をフルカラーで良好に読取ることができる。
また、全てのレンズをメニスカス形状とすることで、第2群と第3群の間に配置した絞りに対し、できる限り光線がコンセントリックに入射するようにすると共に、絞りに対しての対称性が保てるため、球面収差や歪曲収差、および倍率の色収差を小さく抑えることが可能となり、歪みや色にじみがなく、読み取り範囲全体に亘って、均一で良好な性能を有することができる。更に、非球面を絞りに隣接したレンズに配置することにより、非球面レンズを低コストでかつ高精度とすることができ、レンズの低コスト化と高性能化を達成することができる。
また、第1群および第2群と第3群の合成焦点距離を条件式(2)、(3)の範囲内にすることで、レンズの長大化する事なしに、像面湾曲を非常に小さく抑えることが可能となり、かつコマフレアも小さく保てるため、読取範囲全域に亘って、主走査方向と副走査方向共に均一で、高いコントラストの読取レンズが得られる。
また、軸上の色収差及び像面湾曲が非常に小さく、更にコマフレアも良好に補正され、半画角18゜程度の画角全体に亘って高周波数領域でも均一で高いコントラストの読取レンズが得られる。
また、非球面レンズを含め全てのレンズを鉛や砒素など有害物質を含まないガラス材料とすることで、リサイクルが容易で、加工時の廃液による水質汚染などを発生させない、地球環境を保全に貢献できる。更に現在量産されている中で比較的安価で、加工性にも優れたな硝材を使用することで、材料費、加工費共に安価な読取レンズが得られる。
また、第4レンズの非球面形状を周辺に行くに従い負のパワーが強くなるような形状とすることで、像面湾曲を非常に小さく抑えることが可能となり、読取範囲全域に渡って、主走査方向と副走査方向共に均一で、高いコントラストの読取が行える。
また、原稿読取レンズを鏡筒に組付け一体化するので、低コスト、高性能で、かつ地球環境を考慮した、画像読取レンズユニットが得られる。
また、コンパクトで低コストな上記読取レンズを具備することにより、原稿情報を良好に読み取ることが可能な、低コスト、コンパクトな画像読取装置が得られる。
また、上記読取レンズを使用した画像読取装置を具備する事により、良好な読み取り画像品質を基に画像を形成するため、高画質な画像形成装置が低コストで得られるものである。
本発明の読取レンズの概念図である。 本発明の実施例1に係る読み取りレンズ各収差図である。 本発明の実施例2に係る読み取りレンズ各収差図である。 本発明の実施例3に係る読み取りレンズ各収差図である。 本発明の実施例4に係る読み取りレンズ各収差図である。 本発明の原稿読取装置の構成を示す図である。 本発明の原稿読取装置200を備えた画像形成装置の一例を示す図である。
符号の説明
1 原稿支持手段、2 原稿、3 第1走行体、4 第2走行体、3a、4a、4b 第1〜第3ミラー、5 原稿読取レンズユニット、6 撮像手段、11 正の第1レンズ、12 正の第2レンズ、13 負の第3レンズ、14 負の第4レンズ、15 正の第5レンズ、16 絞り、200 原稿読取装置

Claims (12)

  1. 物体側から、正の第1レンズからなる第1群レンズと、正の第2レンズ及び負の第3レンズが接合された第2群レンズと、負の第4レンズからなる第3群レンズと、正の第5レンズからなる第4群レンズと、を順次配置した構成を備え、前記第2群レンズと第3群レンズとの間に絞りを有する読取レンズにおいて、
    d線(587.56nm)の屈折率をnd、c線(656.27nm)の屈折率をnc、F線(486.13nm)の屈折率をnF、g線(435.83nm)の屈折率をngとしたとき、
    θgd=(ng−nd)/(nF−nc)
    により定義される前記第3レンズの材料の部分分散(θgd)の基準線からの偏差(δθgd3)が負であることを特徴とする読取レンズ。
  2. 前記第2群レンズの接合レンズを構成する正の第2レンズの部分分散の基準線からの偏差の和をδθgd2、前記第2群レンズの接合レンズを構成する負の第3レンズの部分分散の基準線からの偏差の和をδθgd3としたとき、
    0.0<δθgd2−δθgd3<0.06
    の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の読取レンズ。
  3. 前記第1レンズは物体側に凸面を向けて配置したメニスカス形状であり、前記第2レンズと第3レンズとの接合後の第2群レンズは全体で負の屈折力を有し、物体側に凸面を向けて配置したメニスカス形状であり、前記第4レンズは物体側に凹面を向けて配置したメニスカス形状で少なくとも一面非球面を有し、前記第5レンズは、物体側に凹面を向けて配置したメニスカス形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の読取レンズ。
  4. 全系のe線の合成焦点距離をf、前記第1群レンズのe線の焦点距離をf1、前記第2群レンズと第3群レンズのe線の合成焦点距離をf24としたとき、
    0.54<f1/f<1.14
    及び
    −0.50<f24/f<−0.43
    の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の読取レンズ。
  5. 正の屈折力を有する第1レンズ、第2レンズ及び第5レンズのd線の屈折率の平均値をN凸、負の屈折力を有する第3レンズ及び第4レンズのd線の屈折率の平均値をN凹、正の屈折力を有する第1レンズ、第2レンズ、及び第5レンズのアッベ数の平均値をν凸、負の屈折力を有する第3レンズ及び第4レンズのアッベ数の平均値をν凹としたとき、
    −0.16<n凸−n凹<−0.12
    及び
    29.4<ν凸−ν凹<38.0
    の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の読取レンズ。
  6. 前記第1レンズ乃至第5レンズが全てガラスレンズであり、そのガラス材料は鉛、砒素などの有害物質を含有していないことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の読取レンズ。
  7. 前記第4レンズの非球面形状は周辺部に行くに従い負のパワーが強くなる形状であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の読取レンズ。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の読取レンズを、鏡筒に組付け一体化したことを特徴とする画像読取レンズユニット。
  9. 原稿上のカラー画像をフルカラーで読取る装置であって、原稿を支持する原稿支持手段と、該原稿支持手段に支持された原稿を照明する照明手段と、照明された原稿の像を結像させる原稿読取レンズと、該原稿読取レンズの結像光路上に配置された色分解手段と、前記原稿読取レンズにより結像された原稿の像を受光して電気信号に変換する撮像手段と、を備え、
    前記原稿読取レンズとして、請求項1乃至7の何れか一項に記載の読取レンズを用いたことを特徴とする画像読取装置。
  10. 前記原稿支持手段が原稿を平面的に定置するコンタクトガラスであり、前記照明手段がコンタクトガラスに載置された原稿をスリット状に照明し、スリット状の照明部に交わる方向へ原稿を走査する手段を有し、前記撮像手段がラインセンサであることを特徴とする請求項9記載の画像読取装置。
  11. 走査光を像担持体上に走査して画像を形成する画像形成装置であって、原稿画像をフルカラーにより読取って画像信号化する手段として、請求項9又は10に記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  12. 前記走査光を像担持体上に走査して潜像を形成する手段を、光書込み手段により行うことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
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