JP2007245995A - ハイブリッド四輪駆動車両の制御装置 - Google Patents

ハイブリッド四輪駆動車両の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】砂上路面でも安定したクルーズ走行を可能にする。
【解決手段】前輪10a,10bをエンジン2、後輪26a,26bを電動機20により駆動するハイブリッド四輪駆動車両1の制御装置において、砂上路面判断手段と、クルーズ走行判断手段と、前後輪の駆動力配分を算出する駆動力配分算出手段と、前後輪の差回転数を算出する前後差回転数算出手段と、駆動力配分算出手段で算出された配分と前後差回転数算出手段で算出された前後輪の差回転数とに基づいてエンジン2と電動機20の各々の出力を算出する出力算出手段と、砂上路面をクルーズ走行していると判断された場合に前後輪の差回転数が、砂上路面以外の悪路をクルーズ走行する際に設定される差回転数に対して所定差回転数を加算した差回転数となるように駆動力配分算出手段が算出した前後駆動力配分を補正する駆動力配分補正手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、前後輪の一方をエンジンおよび/または電動機により駆動し他方を別の電動機により駆動するハイブリッド四輪駆動車両の制御装置に関するものである。
近年、前後輪の一方をエンジンおよび/または電動機により駆動し他方を別の電動機により駆動するハイブリッド四輪駆動車両(以下、単に四輪駆動車両ということもある)が開発されている。
この四輪駆動車両の走行安定性を向上する技術として、トラクション・コントロール・システム(以下、TCSと略す)がある。TCSは、従動輪(非主駆動輪)の回転速度から車体速度を検知し、従動輪に対する主駆動輪の車輪速度差を所定の閾値以下に保つように、主駆動輪の急激な回転上昇をブレーキで抑えるとともに、エンジン、電動機の出力を制御し、主駆動輪のトルクを制限する。つまり、TCSは、ブレーキと、エンジンおよび電動機とを協調制御することにより、雪上路など滑り易い路面状況下での主駆動輪の余分な空転を防止する。
また、ハイブリッド四輪駆動車両において電動機を保護する技術としては、悪路検出手段を備え、この悪路検出手段により路面の凹凸が激しい悪路を検出したときに、電動機による駆動が禁止したり、駆動領域を縮小するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許第3390475号公報
しかしながら、ブレーキとエンジン等を協調制御するTCSは、圧雪路面やウェットな舗装路面でのスリップ状態を主に想定しており、砂上走行までは詳細な検討はなされていない。圧雪路面や凍結路面など一般的な低μ路面での走行では、走行抵抗は通常の舗装路面と同等若しくはそれ以下であるが、砂上走行では走行抵抗が増大する。
この砂上走行での特殊事情について説明すると、図13に示すように乾燥した砂上を車両が走行する場合には、車輪が砂に埋もれるため、砂を押し潰し変形する仕事が発生するとともに、車輪と路面(砂)との接触面積が増加することにより接触面エネルギー損失が増大する。今、駆動輪の軸トルクをT(Nm)、駆動輪の回転速度をω(rsd/sec)、牽引力をP(N)、直進速度をV(m/sec)、砂を変形する仕事量をD(Nm)、接触面エネルギー損失をEf(Nm)とすると、式(1)が成立する。
Tω=PV+D+Ef ・・・ 式(1)
この式(1)において左辺は駆動輪からの入力エネルギーであり、右辺は出力エネルギーである。
したがって、砂上走行における走行抵抗は、圧雪路面や凍結路面に比べて増大する。一方、路面摩擦係数(以下、路面μと略す)については、砂上での路面μは砂対砂の摩擦係数により決まるため、圧雪路面や凍結路面の路面μと同様に見かけ上の路面μが低くなる場合がある。
このように、砂上走行時には走行抵抗が増大し、路面μが低下するので、TCSで対応すると、TCS制御のON/OFFが繰り返されることにより、回転変動が増大して走行フィーリングの悪化を招く虞がある。また、TCSでは駆動力を確保しつつ車両の走行を安定させることを目的としているため、TCS制御時の車両効率(エネルギー伝達効率)については考慮していない。
また、圧雪路面や凍結路面などでは走行抵抗が通常の舗装路面と同等若しくはそれ以下であるので、低速度でのクルージング(定速走行)時に必要な駆動力は小さくて済み、駆動力は主駆動輪による二輪駆動で確保可能であるが、砂上走行では走行抵抗が増加するので、低速度でのクルージング時にも四輪駆動での走行が必要になる。
そこで、この発明は、砂上路面でも安定したクルーズ走行を可能にするハイブリッド四輪駆動車両の制御装置を提供するものである。
この発明に係るハイブリッド四輪駆動車両の制御装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、前後輪の一方をエンジン(例えば、後述する実施例におけるエンジン2)、他方を電動機(例えば、後述する実施例における後輪用電動機20)により駆動するハイブリッド四輪駆動車両(例えば、後述する実施例における車両1)の制御装置において、砂上路面か否かを判断する砂上路面判断手段(例えば、後述する実施例におけるステップS102)と、車両がクルーズ走行しているか否かを判断するクルーズ走行判断手段(例えば、後述する実施例におけるステップS101)と、車両の総駆動力に対する前後輪の駆動力配分を算出する駆動力配分算出手段(例えば、後述する実施例におけるステップS103)と、前後輪の車輪速から前後輪の差回転数を算出する前後差回転数算出手段(例えば、後述する実施例におけるステップS301)と、前記駆動力配分算出手段で算出された配分と前記前後差回転数算出手段で算出された前後輪の差回転数とに基づいて前記エンジンと前記電動機の各々の出力を算出する出力算出手段(例えば、後述する実施例におけるステップS104)と、前記砂上路面判断手段により砂上路面と判断され、且つ、前記クルーズ走行判断手段によりクルーズ走行していると判断された場合に、前後輪の差回転数が、砂上路面以外の悪路をクルーズ走行する際に設定される差回転数に対して所定差回転数を加算した差回転数となるように前記駆動力配分算出手段が算出した前後駆動力配分を補正する駆動力配分補正手段(例えば、後述する実施例におけるステップS301〜S306)と、を備えることを特徴とする。
このように構成することにより、走行抵抗および総駆動力を増加させないで、砂上路面での安定したクルーズ走行の継続(連続性)が可能になる。しかも、電動機で駆動する車輪の駆動力分担を下げることができるので、電動機の連続運転出力を低減することができ、電動機の温度上昇を抑制することができる。なお、この出願において「砂上路面以外の悪路」とはウェット舗装路面や圧雪路面等を含み、要するに、砂上路面以外で前後輪に回転差が生じる総ての路面をいう。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記駆動力配分補正手段は、前記前後輪の差回転数が所定値を維持するように前後駆動力配分を補正することを特徴とする。
このように構成することにより、走行抵抗および総駆動力を増加させないで、砂上路面での安定したクルーズ走行の継続(連続性)が可能になる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記所定差回転数を加算した前記差回転数は車速に応じた所定値であることを特徴とする。
このように構成することにより、広い車速域において砂上路面での安定したクルーズ走行が可能になる。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の発明において、車両の舵角が所定値以上の場合には、前記舵角の増加量に応じて前記前後輪の差回転数を減少補正することを特徴とする。
このように構成することにより、車両旋回時に必要な横力を発生させることができ、砂上路面での旋回性能を良好に保つことができる。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の発明において、車両の舵角が所定値以内であって横加速度が所定値以上の場合には、前記横加速度の増加量に応じて前記前後輪の差回転数を減少補正することを特徴とする。
車両の舵角が所定値以内であって横加速度が所定値以上の場合には、車両がキャンバー走行していると考えられる。上記のように構成することにより、キャンバー走行時に必要な横力を発生させることができるので、砂上路面での安定したキャンバー走行を継続することが可能になる。
請求項6に係る発明は、請求項1に記載の発明において、車両の舵角が所定値以内であって車両のヨーレートが所定値以上の場合には、前記ヨーレートの増加量に応じて前記前後輪の差回転数を減少補正することを特徴とする。
車両の舵角が所定値以内であって車両のヨーレートが所定値以上の場合には、車両が大きな旋回半径で旋回していると考えられる。上記のように構成することにより、大旋回時に必要な横力を発生させることができるので、砂上路面での安定した大旋回が可能になる。
請求項7に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記電動機の温度上昇に応じて該電動機の出力を低減することを特徴とする。
このように構成することにより、電動機の温度上昇を抑制して、電動機の保護を図ることができる。
請求項8に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記電動機の電源として少なくとも前記エンジンの動力で発電可能な発電機(例えば、後述する実施例における前輪用電動機3)を備え、この発電機は該発電機の温度上昇に応じて発電量を低減し前記電動機に電力供給することを特徴とする。
このように構成することにより、発電機の温度上昇を抑制することができ、発電機の保護を図ることができる。
また、前述の如く電動機の出力を低減した場合には、電動機の電源である発電機の連続発電出力を抑制することができるので、発電機の温度上昇を抑制して、発電機の保護を図ることができる。
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の発明において、前記電動機の電源として前記発電機の外にバッテリ(例えば、後述する実施例におけるバッテリ12)を備え、前記発電機の発電量を低減させたときに前記電動機に対して不足する電力分を前記バッテリで補うことを特徴とする。
このように構成することにより、発電機が発電を制限されているときにも電動機に必要な電力を供給することが可能になる。
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の発明において、前記バッテリの残容量が所定値以下の場合、あるいは、前記バッテリの温度が所定値以上の場合には、残容量の低下に応じてあるいはバッテリ温度の上昇に応じて、前記バッテリの出力を低減することを特徴とする。
このように構成することにより、バッテリの温度上昇を抑制することができ、バッテリの保護を図ることができる。
請求項1および請求項2に係る発明によれば、走行抵抗および総駆動力を増加させないで、砂上路面での安定したクルーズ走行の継続(連続性)が可能になる。しかも、電動機で駆動する車輪の駆動力分担を下げることができるので、電動機の連続運転出力を低減することができ、電動機の温度上昇を抑制することができる。
請求項3に係る発明によれば、広い車速域において砂上路面での安定したクルーズ走行が可能になる。
請求項4に係る発明によれば、砂上路面での旋回性能を良好に保つことができる。
請求項5に係る発明によれば、砂上路面での安定したキャンバー走行を継続することが可能になる。
請求項6に係る発明によれば、砂上路面での安定した大旋回が可能になる。
請求項7に係る発明によれば、電動機の温度上昇を抑制して、電動機の保護を図ることができる。
請求項8に係る発明によれば、発電機の温度上昇を抑制することができ、発電機の保護を図ることができる。
請求項9に係る発明によれば、発電機が発電を制限されているときにも電動機に必要な電力を供給することが可能になる。
請求項10に係る発明によれば、バッテリの温度上昇を抑制することができ、バッテリの保護を図ることができる。
以下、この発明に係るハイブリッド四輪駆動車両の制御装置の実施例を図1から図12の図面を参照して説明する。
図1は、ハイブリッド四輪駆動車両(以下、車両と略す)1の駆動系の概略構成図であり、車両1は前輪駆動系と後輪駆動系を備えている。
前輪駆動系は、エンジン2と、このエンジン2の出力軸上に配設されエンジン2に直結された発電可能な前輪用電動機(発電機)3と、エンジン2の出力軸に連結された変速機5と、変速機5の出力軸に図示しないクラッチ等を介して連結されたディファレンシャル機構8と、ディファレンシャル機構8に連結された左右のアクスルシャフト9a,9bと、アクスルシャフト9a,9bに連結された左右の前輪10a,10bとから構成されている。なお、変速機5としては、有段変速機、プーリ・ベルト式無段変速機のいずれも採用可能であり、さらに自動変速機あるいは手動変速機のいずれも採用可能である。
一方、後輪駆動系は、発電可能な後輪用電動機20と、後輪用電動機20の出力軸に図示しないクラッチ等を介して連結されたディファレンシャル機構24と、ディファレンシャル機構24に連結された左右のアクスルシャフト25a,25bと、アクスルシャフト25a,25bに連結された左右の後輪26a,26bとから構成されている。
前輪用電動機3と後輪用電動機20はいずれもパワーコントロールユニット(以下、PDUと略す)13を介して車載のバッテリ12に電気的に接続されており、PDU13は前輪用電動機3のためのインバータと、後輪用電動機20のためのインバータとを備えている。前輪用電動機3はPDU13を介しバッテリ12から電力を供給されて運転可能であるとともに、減速走行時に前輪10a,10b側からの回転駆動により回生動作を行ったり、エンジン2の動力により回生動作を行ってバッテリ12の充電(エネルギー回収)を行うことが可能である。また、後輪用電動機20もPDU13を介しバッテリ12から電力を供給されて運転可能であるとともに、減速走行時に後輪26a,26b側からの回転駆動により回生動作を行ってバッテリ12の充電(エネルギー回収)を行うことが可能である。
この車両1では、主駆動を前輪駆動系によって行い、したがって二輪駆動のときは前輪駆動系で駆動する。前輪駆動系においては、エンジン2と前輪用電動機3の少なくとも一方の動力を変速機5を介して前輪10a,10bに伝達することができる。後輪駆動系は、四輪駆動の際に後輪用電動機20の動力を後輪26a,26bに伝達する。また、四輪駆動の際には、前輪用電動機3はエンジン2の動力により回生動作を行ってバッテリ12を充電するように制御される。
なお、図示を省略するが、この車両1では、後述する砂上走行制御等のため、前輪用電動機3の温度を検出する温度センサ(温度検出手段)、後輪用電動機20の温度を検出する温度センサ(温度検出手段)、前輪用電動機3用の前記インバータの温度を検出する温度センサ(温度検出手段)、後輪用電動機20用のインバータの温度を検出する温度センサ(温度検出手段)、バッテリ12の温度を検出する温度センサ(温度検出手段)、バッテリ12の残容量(以下、SOCと略す)を検出する残容量センサ(残容量検出手段)、前輪10a,10bの車輪速を検出する車輪速センサ(車輪速検出手段)、後輪26a,26bの車輪速を検出する車輪速センサ(車輪速検出手段)、車両の舵角を検出する舵角センサ(舵角検出手段)、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ(ヨーレート検出手段)、車両の横加速度(横G)を検出する横加速度センサ(横加速度検出手段)等を備えており、これらセンサの出力が電子制御装置(ECU)50に入力される。
そして、これらセンサからの入力に基づいて、ECU50が、エンジン2の運転・停止・出力制御と、前輪用電動機3および後輪用電動機20の運転(力行・回生)・停止・出力制御を行う。
ところで、この車両1では、砂上走行時にも駆動力伝達を安定させ、且つ車両効率(エネルギー伝達効率)の悪化を防止し、走行性能を損なうことなく四輪駆動車両としての走破性を維持できるようにするために、砂上走行時には以下の制御を行っている。
(1)車両が砂上路面をクルーズ走行しているときには、前後輪の差回転数(以下、前後差回転数という)が、TCSにおいて砂上路面以外の悪路をクルーズ走行する際に設定される差回転数に対して所定差回転数を加算した差回転数となるように、前輪駆動力分を増加させ後輪駆動力分を減少させるように、前後輪の駆動力配分を補正し、且つ、実際の前後差回転数(後述する実前後差回転数)が所定のスリップ率(差回転数)を維持するように前後輪の駆動力配分を補正する。これにより、走行抵抗および総駆動力を増加させないで、砂上路面での安定したクルーズ走行の継続(連続性)を可能にする。しかも、後輪の駆動力分担を下げることができるので、後輪用電動機20の連続運転出力を低減することができ、後輪用電動機20およびそのインバータが必要以上に発熱するのを抑制する。なお、前記「砂上路面以外の悪路」はウェット舗装路面や圧雪路面等を含み、要するに、砂上路面以外で前後輪に回転差が生じる総ての路面をいう。
(2)前記所定差回転数を加算した差回転数は、車速に応じて予め設定された所定値とする。これにより、広い車速域で砂上路面での安定したクルーズ走行を可能にする。
(3)車両の舵角が所定値以上の場合には、舵角の増加量に応じて前後輪の差回転数を減少補正する。これにより、車両旋回時に必要な横力を発生させて、砂上路面での旋回性能を確保する。
(4)車両の舵角が所定値以内であって横加速度が所定値以上の場合には、横加速度の増加量に応じて前後差回転数を減少補正する。この状況は車両がキャンバー走行していると考えられるが、前後差回転数をこのように補正することにより、キャンバー走行時に必要な横力を発生させて、砂上路面でのキャンバー走行の継続性を確保する。
(5)車両の舵角が所定値以内であって車両のヨーレートが所定値以上の場合には、前記ヨーレートの増加量に応じて前記前後輪の差回転数を減少補正する。この状況は車両が大きな旋回半径で旋回していると考えられるが、前後差回転数をこのように補正することにより、大旋回時に必要な横力を発生させて、砂上路面での大旋回を実現可能にする。
(6)後輪用電動機20の温度上昇あるいは後輪用電動機20用のインバータの温度上昇に応じて、後輪用電動機20の出力を低減する。これにより、後輪用電動機20の温度上昇を抑制し、後輪用電動機20の保護を図る。また、後輪用電動機20の出力低減により、後輪用電動機20の電源である前輪用電動機3の連続発電出力を抑制することができるので、前輪用電動機3の発熱を抑制し、前輪用電動機3の温度上昇を抑制して、前輪用電動機3の保護を図ることができる。
(7)前輪用電動機3の温度上昇あるいは前輪用電動機3用のインバータの温度上昇に応じて、前輪用電動機3の発電量を低減して後輪用電動機20に電力を供給する。これにより、前輪用電動機3の発熱を抑制し、前輪用電動機3の温度上昇を抑制して、前輪用電動機3の保護を図ることができる。
(8)前輪用電動機3の発電量を低減させて後輪用電動機20に電力供給するときには、後輪用電動機20に不足する電力分をバッテリ12で補う。これにより、前輪用電動機3の発電が制限されているときにも後輪用電動機20に必要な電力を供給可能にし、後輪側に必要な駆動力を確保する。
(9)ただし、バッテリ12の残容量(以下、SOCと略す)が所定値以下の場合、あるいは、バッテリ12の温度が所定値以上の場合には、SOCの低下に応じてあるいはバッテリ12の温度上昇に応じて、バッテリ12の出力を低減する。これにより、バッテリ12の温度上昇を抑制し、バッテリ12の保護を図る。
次に、この実施例における砂上走行制御について、図2のフローチャートに従って説明する。
図2のフローチャートに示す砂上走行制御ルーチンは、ECU50によって一定時間毎に実行される。
まず、ステップS101において、クルーズ走行か否かのクルーズ走行判断処理を実行する。クルーズ走行判断処理は、後輪26a,26bの車輪速センサの出力値に基づいて車体速(車速)を算出し、所定の一定時間内における車速の変化が所定範囲内に収まっている場合にはクルーズ走行と判定し、前記所定範囲内に収まらない場合にはクルーズ走行でないと判定する。ステップS101においてクルーズ走行と判断された場合には、ステップS102に進み、砂上路面か否かの砂上路面判断処理を実行する。砂上路面判断処理については後で詳述する。
ステップS102において砂上路面判断処理を実行した結果、砂上路面と判断された場合には、砂上路面クルーズ走行であるので、ステップS103に進み、車両に要求される総駆動力に対し四輪駆動時の基本前後輪駆動力配分比を算出する。
次に、ステップS104に進み、後述する前後差回転数制御におけるステップS301で算出した実前後差回転数と、ステップS103において算出した基本前後輪駆動力配分比に基づいて、エンジン2と後輪用電動機20の各々の出力を算出する。
次に、ステップS105に進み、舵角センサの出力値に基づいて車両の舵角が所定値より小さいか否かを判定する。
ステップS105における判定結果が「YES」(舵角<所定値)である場合は、ステップS106に進み、横加速度センサの出力値に基づいて車両の横加速度が所定値よりも大きいか否かを判定する。
ステップS106における判定結果が「NO」(横加速度≦所定値)である場合は、ステップS107に進み、ヨーレートセンサの出力値に基づいて車両のヨーレートが所定値よりも大きいか否かを判定する。
ステップS107における判定結果が「NO」(ヨーレート≦所定値)である場合は、舵角が所定値より小さく、且つ、横加速度およびヨーレートがそれぞれ設定された所定値以下であることから、砂上路面を直進している状態であると判断し、図3に示す砂上路面前後差回転数テーブル(図3において実線)を参照して車速に応じた前後差回転数を算出し、これを砂上路面直進クルーズ走行時の目標前後差回転数に設定する。
この実施例における砂上路面前後差回転数テーブルでは、車速が所定値に達するまでは車速にかかわらず前後差回転数は一定であり、車速が前記所定値以上になると車速が高くなるにしたがって前後差回転数も大きくなっていく。ただし、全車速領域においてこのテーブルにおける前後差回転数は、図3において点線で示すTCSにおいて砂上路面以外の悪路をクルーズ走行する際に設定される差回転数(以下、ベースTCS目標差回転数と称す)よりも所定の差回転数だけ加算した値に設定されている。
一方、ステップS105における判定結果が「NO」(舵角≧所定値)である場合は、砂上路面で旋回している状態であると判断して、ステップS109に進み、舵角が大きくなるにしたがって目標前後差回転数を減少補正し、舗装路面を車両が旋回するときに舵角や車速に応じて生じる前後輪の差回転数とベースTCS目標差回転数との和を、目標前後差回転数に設定する。したがって、結果的には、砂上路面旋回走行時の目標前後差回転数は、砂上路面直進クルーズ走行時の目標前後差回転数よりも小さい値に設定されることになる。
車両旋回時には横力が要求されるが、このように、前後差回転数を直進時よりも低減し、前輪のスリップ率を抑えることによって、操舵力を回復することができ、砂上路面での旋回性能を確保することができる。
一方、ステップS106における判定結果が「YES」(横加速度≦所定値)である場合は、舵角が所定値より小さいにもかかわらず横加速度が所定値より大きいことから、車幅方向に傾斜する砂上路面を直進している状態、所謂キャンバー走行状態であると判断して、ステップS110に進み、このときの目標前後差回転数を横加速度に応じて設定する。詳述すると、横加速度が大きくなるにしたがって目標前後差回転数が小さくなるように設定する。その結果、このときの目標前後差回転数は、同一車速における砂上路面直進クルーズ走行時の目標前後差回転数よりも小さい値に設定される。
キャンバー走行時には横力が要求されるが、このように、前後差回転数を直進時よりも低減し、前輪のスリップ率を抑えることによって、操舵力を回復することができ、砂上路面でのキャンバー走行の継続性を確保することができる。
また、ステップS107における判定結果が「YES」(ヨーレート>所定値)である場合は、舵角が所定値よりも小さく、横加速度も所定値以下であるにもかかわらず、ヨーレートが所定値より大きいことから、大きな旋回半径で旋回している状態であると判断して、ステップS110に進み、このときの目標前後差回転数をヨーレートに応じて設定する。詳述すると、ヨーレートが大きくなるにしたがって目標前後差回転数が小さくなるように設定する。その結果、このときの目標前後差回転数は、同一車速における砂上路面直進クルーズ走行時の目標前後差回転数よりも小さい値に設定される。
大旋回時にも横力が要求されるが、このように、前後差回転数を直進時よりも低減し、前輪のスリップ率を抑えることによって、操舵力を回復することができ、砂上路面での大旋回の継続性を確保することができる。
ステップS108〜S110において目標前後差回転数を設定した後、ステップS111に進み、前輪10a,10bの駆動力(すなわちエンジン2による駆動力)と、後輪26a,26bの駆動力(すなわち後輪用電動機20による駆動力)を算出し、これら駆動力を合計して総駆動力を算出する。
次に、ステップS112に進み、前後差回転数制御を実行し、実際の前後輪の前後差回転数が、ステップS108〜S110において設定された目標前後差回転数に一致するように前後駆動力の配分比を制御する。前後差回転数制御については後で詳述する。
次に、ステップS113に進み、前後電動機出力リミット制御を実行して、前輪用電動機3と後輪用電動機20の出力リミットを検索し、前輪用電動機3と後輪用電動機20の出力制御を実行して、本ルーチンの実行を終了する。前後電動機出力リミット制御については後で詳述する。
なお、この実施例において、ECU50がステップS101の処理を実行することによりクルーズ走行判断手段が実現され、ステップS102の処理を実行することにより砂上路面判断手段が実現され、ステップS103の処理を実行することにより駆動力配分算出手段が実現され、ステップS104の処理を実行することにより出力算出手段が実現される。
次に、ステップS102において実行する砂上路面判断処理を図4のフローチャートにしたがって説明する。
図4のフローチャートに示す砂上路面判断処理ルーチンは、ECU50によって一定時間毎に実行される。
初めに、ステップS201において、前輪10a,10bの駆動力(すなわちエンジン2による駆動力)と、後輪26a,26bの駆動力(すなわち後輪用電動機20による駆動力)を算出し、これら駆動力を合計して総駆動力を算出する。
次に、ステップS202に進み、後輪26a,26bの車輪速センサの出力値に基づいて、車体速(車速)と、前後方向の車体の加速度を算出する。
次に、ステップS203に進んで走行抵抗を算出し、さらにステップS204に進み、走行抵抗から空気抵抗と加速抵抗等を減算して転がり抵抗を算出する。
次に、ステップS205に進み、ステップS204で算出した転がり抵抗が所定値より大きいか否かを判定する。
ステップS205における判定結果が「YES」(転がり抵抗>所定値)である場合は、ステップS206に進み、前後差回転数が所定値より大きく且つ転がり抵抗が所定値より大きいことから、砂上路面であると判断し、本ルーチンの実行を終了する。
ステップS205における判定結果が「NO」(転がり抵抗≦所定値)である場合は、ステップS207に進んで砂上路面でないと判断し、本ルーチンの実行を終了する。
次に、ステップS112において実行する前後差回転数制御を図5のフローチャートにしたがって説明する。
図5のフローチャートに示す前後差回転数制御ルーチンは、ECU50によって一定時間毎に繰り返し実行される。
まず、ステップS301において、前輪10a,10bの車輪速センサの出力値と後輪26a,26bの車輪速センサの出力値に基づいて、現時点の実際の前後差回転数(以下、実前後差回転数という)を算出する。この実施例において、ECU50がステップS301の処理を実行することにより、前後差回転数算出手段が実現される。
次に、ステップS302に進み、ステップS301で算出した実前後差回転数が、前述した砂上走行制御におけるステップS108〜S110で設定した目標前後差回転数に一致しているか否かを判定する。
ステップS302における判定結果が「NO」(実前後差回転数≠目標前後差回転数)である場合は、ステップS303に進み、実前後差回転数が目標前後差回転数よりも小さいか否かを判定する。
ステップS303における判定結果が「NO」(実前後差回転数≧目標前後差回転数)である場合は、ステップS304に進み、前後差回転数を減少させるべく、後輪駆動力配分を増大させて、本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS302における判定結果が「YES」(実前後差回転数=目標前後差回転数)である場合は、ステップS305に進み、砂上路面クルーズ判定後の(換言すると、砂上路面クルーズ走行での差回転数拡大前の)総駆動力に対する現在の総駆動力の上昇率が所定値以下か否かを判定する。
ステップS305における判定結果が「YES」(総駆動力上昇率≦所定値)である場合は、現状を維持して、本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS305における判定結果が「NO」(総駆動力上昇率>所定値)である場合は、このままの状態を維持すると前後差回転の拡大制御が走行抵抗の増大につながるため、ステップS304に進み、総駆動力が増大するのを抑制するために前後差回転を縮小すべく、後輪駆動力配分を増大させ、本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS303における判定結果が「YES」(実前後差回転数<目標前後差回転数)である場合は、ステップS306に進み、前後差回転数を増大させるべく、後輪駆動力配分を減少させて、本ルーチンの実行を一旦終了する。
なお、この実施例において、ECU50がステップS301〜S306の一連の処理を実行することにより、駆動力配分補正手段が実現される。
次に、ステップS113において実行する前後電動機出力リミット制御を図6のフローチャートにしたがって説明する。
図6のフローチャートに示す前後電動機出力リミット制御ルーチンは、ECU50によって一定時間毎に実行される。
まず、ステップS401において、図7に示す後輪電動機温度出力制限テーブルを参照して、後輪用電動機20の温度に基づき、後輪用電動機20の出力補正係数(S−Km)を検索する。
なお、この実施例における後輪電動機温度出力制限テーブルでは、制限開始温度以下では出力補正係数(S−Km)は100%(すなわち、補正なし)であり、制限開始温度以上では温度が上昇するにしたがって出力補正係数(S−Km)が減少していき、駆動禁止温度以上では出力補正係数(S−Km)は0%(後輪用電動機20の出力停止)になる。
次に、ステップS402に進み、図8に示す後輪インバータ温度出力制限テーブルを参照して、後輪用電動機20用のインバータの温度に基づき、後輪用電動機20の出力補正係数(S−Ki)を検索する。
なお、この実施例における後輪インバータ温度出力制限テーブルでは、制限開始温度以下では出力補正係数(S−Ki)は100%(すなわち、補正なし)であり、制限開始温度以上では温度が上昇するにしたがって出力補正係数(S−Ki)が減少していき、駆動禁止温度以上では出力補正係数(S−Ki)は0%(後輪用電動機20の出力停止)になる。
次に、ステップS403に進み、ステップS401で検索した出力補正係数(S−Km)とステップS402で検索した出力補正係数(S−Ki)を比較し、いずれか小さい方の出力補正係数を採用して、その出力補正係数に基づき後輪用電動機20の出力上限値Aを設定する。
次に、ステップS404に進み、図9に示す前輪電動機温度出力制限テーブルを参照して、前輪用電動機3の温度に基づき、前輪用電動機3の出力補正係数(E−Km)を検索する。
なお、この実施例における前輪電動機温度出力制限テーブルでは、制限開始温度以下では出力補正係数(E−Km)は100%(すなわち、補正なし)であり、制限開始温度以上では温度が上昇するにしたがって出力補正係数(E−Km)が減少していき、駆動禁止温度以上では出力補正係数(E−Km)は0%(前輪用電動機3の発電停止)になる。
次に、ステップS405に進み、図10に示す前輪インバータ温度出力制限テーブルを参照して、前輪用電動機3用のインバータの温度に基づき、前輪用電動機3の出力補正係数(E−Ki)を検索する。
なお、この実施例における前輪インバータ温度出力制限テーブルでは、制限開始温度以下では出力補正係数(E−Ki)は100%(すなわち、補正なし)であり、制限開始温度以上では温度が上昇するにしたがって出力補正係数(E−Ki)が減少していき、駆動禁止温度以上では出力補正係数(E−Ki)は0%(前輪用電動機3の発電停止)になる。
次に、ステップS406に進み、ステップS404で検索した出力補正係数(E−Km)とステップS405で検索した出力補正係数(E−Ki)を比較し、いずれか小さい方の出力補正係数を採用して、その出力補正係数に基づき前輪用電動機3の発電上限値Bを設定する。
次に、ステップS407に進み、図11に示すバッテリ温度出力制限テーブルを参照して、バッテリ12の温度に基づき、バッテリ12の出力補正係数(E−Kb)を検索する。
なお、この実施例におけるバッテリ温度出力制限テーブルでは、制限開始温度以下では出力補正係数(E−Kb)は100%(すなわち、補正なし)であり、制限開始温度以上では温度が上昇するにしたがって出力補正係数(E−Kb)が減少していき、駆動禁止温度以上では出力補正係数(E−Kb)は0%(バッテリ出力停止)になる。
次に、ステップS408に進み、図12に示すバッテリSOC出力制限テーブルを参照して、バッテリ12のSOCに基づき、バッテリ12の出力補正係数(E−Ks)を検索する。
なお、この実施例におけるバッテリSOC出力制限テーブルでは、SOCが所定値B1以上では出力補正係数(E−Ks)は100%(すなわち、補正なし)であり、SOCが所定値B1以下ではSOCが減少するにしたがって出力補正係数(E−Ks)が減少していき、SOCが所定値B2以下では出力補正係数(E−Ks)は0%(バッテリ出力停止)になる。
次に、ステップS409に進み、ステップS407で検索した出力補正係数(E−Kb)とステップS408で検索した出力補正係数(E−Ks)を比較し、いずれか小さい方の出力補正係数を採用し、その出力補正係数に基づいてバッテリ出力上限値Cを設定する。
次に、ステップS410に進み、後輪用電動機20の出力を設定して、本ルーチンの実行を終了する。後輪用電動機20の出力設定は次のように行う。ステップS406で設定した発電上限値Bの下で前輪用電動機3が発電した電気と、ステップS409で設定したバッテリ出力上限値Cの下でバッテリ12が出力する電気を同時に後輪用電動機20に供給したときの後輪用電動機20の出力(以下、「電力供給制限に基づく出力」と称す)を算出し、この「電力供給制限に基づく出力」と、ステップS403で設定した後輪用電動機20の出力上限値Aとを比較して、いずれか小さい方の出力を後輪用電動機20の出力に設定する。
このように前後電動機出力リミット制御を実行すると、後輪用電動機20の出力は次のようになる。
後輪用電動機20は、後輪用電動機20の温度あるいは後輪用電動機20用のインバータの温度がともにそれぞれの制限開始温度以下である場合には、基本的には出力制限はなく、後輪用電動機20の温度あるいは後輪用電動機20用のインバータの温度の少なくともいずれかが制限開始温度以上になると、出力が制限される。
しかしながら、後輪用電動機20の温度あるいは後輪用電動機20用のインバータの温度がともにそれぞれの制限開始温度以下であっても、前輪用電動機3の温度あるいは前輪用電動機3用インバータの温度の少なくともいずれかが制限開始温度以上になると、その温度に応じて前輪用電動機3が出力制限(発電制限)されるので、結果的に、この前輪用電動機3を電源とする後輪用電動機20の出力も制限される場合もある。
すなわち、バッテリ12の温度が制限開始温度以下で且つバッテリ12のSOCが所定値B1以上の場合には、バッテリ12に出力制限はないので、前輪用電動機3の発電量では不足する電力分の全量をバッテリ12で補うことができ、その場合には後輪用電動機20は出力制限されることがない。しかしながら、バッテリ12の温度が制限開始温度以上であるか、あるいは、バッテリ12のSOCが所定値B1以下である場合には、バッテリ12の出力制限が行われるので、前輪用電動機3の発電量では不足する電力分をバッテリ12で総て補うことができなくなるときもあり、その場合には結果的に、バッテリ12で補えない分だけ後輪用電動機20は出力制限を受けることになる。
また、バッテリ12の温度が駆動禁止温度以下、あるいは、バッテリ12のSOCが所定値B2以下の場合には、バッテリ12は出力停止となるので、この場合も同様に、バッテリ12で補えない分だけ後輪用電動機20は出力制限を受けることになる。
なお、前輪用電動機3の温度あるいは前輪用電動機3用のインバータの温度の少なくともいずれか一方が駆動禁止温度以上で、且つ、バッテリ12の温度が駆動禁止温度以上あるいはバッテリ12のSOCがB2以下である場合は、前輪用電動機3は発電停止となり且つバッテリ12は出力停止となるので、後輪用電動機20は電源を失うこととなり、結果的に後輪用電動機20は運転停止となり、車両1はエンジン2の動力による前輪10a,10bの二輪駆動となる。
このように後輪用電動機20の出力を設定することにより、前輪用電動機3、後輪用電動機20、バッテリ12の過熱を防止しつつ、後輪用電動機20の出力を可能な限り確保することができる。
この発明に係る制御装置を備えたハイブリッド四輪駆動車両の実施例の駆動系概略構成図である。 実施例における砂上走行制御を示すフローチャートである。 実施例において使用する砂上路面前後差回転数テーブルである。 実施例における砂上路面判断処理を示すフローチャートである。 実施例における前後差回転数制御を示すフローチャートである。 実施例における前後電動機出力リミット制御を示すフローチャートである。 実施例において使用する後輪電動機温度出力制限テーブルである。 実施例において使用する後輪インバータ温度出力制限テーブルである。 実施例において使用する前輪電動機温度出力制限テーブルである。 実施例において使用する前輪インバータ温度出力制限テーブルである。 実施例において使用するバッテリ温度出力制限テーブルである。 実施例において使用するバッテリSOC出力制限テーブルである。 砂上路面走行時におけるエネルギー損失を説明するための模式図である。
符号の説明
1 ハイブリッド四輪駆動車両
2 エンジン
3 前輪用電動機(発電機)
10a,10b 前輪
12 バッテリ
20 後輪用電動機(電動機)
26a,26b 後輪
S101 クルーズ走行判断手段
S102 砂上路面判断手段
S103 駆動力配分算出手段
S104 出力算出手段
S301 前後差回転数算出手段
S301〜S306 駆動力配分補正手段

Claims (10)

  1. 前後輪の一方をエンジン、他方を電動機により駆動するハイブリッド四輪駆動車両の制御装置において、
    砂上路面か否かを判断する砂上路面判断手段と、
    車両がクルーズ走行しているか否かを判断するクルーズ走行判断手段と、
    車両の総駆動力に対する前後輪の駆動力配分を算出する駆動力配分算出手段と、
    前後輪の車輪速から前後輪の差回転数を算出する前後差回転数算出手段と、
    前記駆動力配分算出手段で算出された配分と前記前後差回転数算出手段で算出された前後輪の差回転数とに基づいて前記エンジンと前記電動機の各々の出力を算出する出力算出手段と、
    前記砂上路面判断手段により砂上路面と判断され、且つ、前記クルーズ走行判断手段によりクルーズ走行していると判断された場合に、前後輪の差回転数が、砂上路面以外の悪路をクルーズ走行する際に設定される差回転数に対して所定差回転数を加算した差回転数となるように前記駆動力配分算出手段が算出した前後駆動力配分を補正する駆動力配分補正手段と、
    を備えることを特徴とするハイブリッド四輪駆動車両の制御装置。
  2. 前記駆動力配分補正手段は、前記前後輪の差回転数が所定値を維持するように前後駆動力配分を補正することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド四輪駆動車両の制御装置。
  3. 前記所定差回転数を加算した前記差回転数は車速に応じた所定値であることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド四輪駆動車両の制御装置。
  4. 車両の舵角が所定値以上の場合には、前記舵角の増加量に応じて前記前後輪の差回転数を減少補正することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド四輪駆動車両の制御装置。
  5. 車両の舵角が所定値以内であって横加速度が所定値以上の場合には、前記横加速度の増加量に応じて前記前後輪の差回転数を減少補正することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド四輪駆動車両の制御装置。
  6. 車両の舵角が所定値以内であって車両のヨーレートが所定値以上の場合には、前記ヨーレートの増加量に応じて前記前後輪の差回転数を減少補正することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド四輪駆動車両の制御装置。
  7. 前記電動機の温度上昇に応じて該電動機の出力を低減することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド四輪駆動車両の制御装置。
  8. 前記電動機の電源として少なくとも前記エンジンの動力で発電可能な発電機を備え、この発電機は該発電機の温度上昇に応じて発電量を低減し前記電動機に電力供給することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド四輪駆動車両の制御装置。
  9. 前記電動機の電源として前記発電機の外にバッテリを備え、前記発電機の発電量を低減させたときに前記電動機に対して不足する電力分を前記バッテリで補うことを特徴とする請求項8に記載のハイブリッド四輪駆動車両の制御装置。
  10. 前記バッテリの残容量が所定値以下の場合、あるいは、前記バッテリの温度が所定値以上の場合には、残容量の低下に応じてあるいはバッテリ温度の上昇に応じて、前記バッテリの出力を低減することを特徴とする請求項9に記載のハイブリッド四輪駆動車両の制御装置。
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