JP2007243131A - リアクトル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】リアクトルの複数のコア部材間に作用する吸引力に起因した騒音を低減する。
【解決手段】巻線104に電流が流れる時の磁束により第1のコア部材109Bと第2のコア部材109A間に吸引力が作用する面109Bsと109Asとを曲面としたので、第1のコア部材109Bと第2のコア部材109A間に磁束により作用する吸引力が吸引力面109Bsと109Asの複数の方向に分散する結果、吸引力の集中を妨げ、第1及び第2のコア部材109B及び109A間の振動による騒音を低減可能となる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、例えば、昇圧回路、インバータ回路、アクティブフィルタ回路等に用いられるリアクトルに関し、特に、磁性体のコアに複数の磁気ギャップを有するリアクトル部品としてのコアに関する。
一般に、リアクトルは、巻線と磁性体のコアを備え、コアに巻線が巻回されてコイルを構成することによりインダクタンスを得る。従来、リアクトルは、昇圧回路、インバータ回路、アクティブフィルタ回路等に用いられているが、かかるリアクトルの部品としては、近年、巻線が巻回される巻回部を構成するコア部材と、巻線が巻回されない非巻回部を構成するコア部材とを含み、前記第1のコア部材と前記第2のコア部材がギャップを介して結合されると共に前記第1のコア部材に前記巻線が巻回されてコイルを形成する構造のものが多く用いられるようになっている。
図1は、かかる従来のリアクトル部品を示す斜視図である。図2は、図1に示したリアクトル部品の分解斜視図である。図1及び図2に示すように、従来のリアクトル部品は、コア9とコイル5を含み、巻線4が巻回される巻回部を構成するコア部材としての数個(6個)の磁性体のブロック3Bと、巻線4が巻回されない非巻回部を構成するコア部材としての2個の磁性体のブロック3Aがギャップ6を介して結合されてコア9を形成すると共に磁性体のブロック3Bに巻線4が巻回されてコイル5を形成している。このリアクトル部品9の形状は、全体として略リング状になっており、磁性体のブロック3Bから成る直線部は2ヶ所あり、各直線部に巻線4が巻回されて形成されたコイル5により、インダクタンス等の所定の電気特性が得られる。磁性体のブロック3Aは、磁性体のブロック3Bから成る各直線部と結合し、このコアを略リング状にしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−124039号公報
上述した従来のコア9では、磁性体のブロック3Aと3B間に作用する吸引力が平面同士に働くコア構造としている。即ち、図1に示すコア9では、巻線に電流が流れた時に発生する磁束により磁性体のブロック3Aと3B間に作用する電磁吸引力は、図2に示す磁性体のブロック3Aの平面3APと磁性体のブロック3Bの平面3BPとの間に発生する。この場合、上述したように略リング状に構成されるコア9において、磁束はリング(状)の内側を通る習性を有するため、磁束が上記した平面3APと平面3BPのかかる内側に集中してしまう。この結果、磁性体のブロック3Aと3B間に作用する電磁吸引力もこの内側部分に集中してしまうことから、電流が流れリアクトルとして動作している時に磁性体のブロック3Aと3Bの磁気ギャップ6の箇所で振動が生じて騒音が発生してしまうという問題があった。
一方、リアクトル等の電気部品には、主に使用する材料の耐熱グレードと仕様要求で決まる温度上昇値の上限があり、使用する材料の温度をその温度上昇値以下にする必要がある。例えば、昇圧回路、インバータ回路、アクティブフィルタ回路等の電気回路に使用される場合、従来のリアクトル部品に要求される電気的な所定の仕様を満足させようとすると、リアクトル部品、特に、そのコイルからの発熱が大きくなり、この発熱による温度上昇を上記温度上昇の上限値以下にしようとすると、コアを大きくする必要があり、その結果リアクトル部品のサイズも大きくなるという問題がある。従って、リアクトル部品において、コイルとコア間の放熱性を向上させることが望まれる。
本発明の第1の目的は、リアクトルの複数のコア部材間に作用する吸引力に起因した騒音を低減することが可能な技術を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、リアクトルのコイルとコア間の放熱性を向上させることが可能な技術を提供することにある。
本発明者は、巻線が巻回される巻回部を構成するコア部材と巻線が巻回されない非巻回部を構成するコア部材との間に作用する吸引力を一部に集中させずに分散させることに着眼し、そのためのコア構造を種々検討した結果、例えば、上記コア部材同士を平面ではなく曲面で結合させることで、吸引力を複数の方向に分散させ得ることを見出した。一方、平面では吸引力を複数の方向に分散させ得ないということではなく、例えば、上記コア部材同士を単一平面ではなく複数平面で結合させることによっても、少なくとも単一平面の場合よりは吸引力を分散させ得ることも見出した。併せて、本発明者は、巻線が巻回される巻回部を構成するコア部材の端部を巻線が巻回されない非巻回部を構成するコア部材により覆うことによってコイルとコア間の放熱性を向上させ得ることを見出した。
即ち、本発明の第1の様相によれば、上記第1の目的を達成するため、本発明のリアクトル部品は、少なくとも、巻線と磁性体のコアを備え、前記コアは前記巻線が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材と、前記巻線が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材とを含み、前記第1のコア部材と前記第2のコア部材がギャップを介して結合されると共に前記第1のコア部材に前記巻線が巻回されて形成されるリアクトル部品において、前記巻線に電流が流れる時の磁束により前記第1のコア部材と前記第2のコア部材間に吸引力が作用する面を曲面により構成することを特徴とする。
かかる構成により、リアクトル部品の第1のコア部材と第2のコア部材間に磁束により作用する吸引力が曲面の複数の方向に分散するコア構造とすることができ、これにより吸引力の集中を妨げ、第1及び第2のコア部材間の吸引力に起因した騒音を低減することが可能となる。
尚、前記第1のコア部材を断面が円形から構成される筒型に形成することにより、前記巻線に電流が流れる時の磁束により前記第1のコア部材と前記第2のコア部材間に吸引力が作用する面を曲面により構成するようにしても良い。
また、前記第1のコア部材を断面が楕円形から構成される筒型に形成することにより、前記巻線に電流が流れる時の磁束により前記第1のコア部材と前記第2のコア部材間に吸引力が作用する面を曲面により構成するようにしても良い。
更に、上記第1の目的を達成するため、本発明のリアクトル部品は、少なくとも、巻線と磁性体のコアを備え、前記コアは前記巻線が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材と、前記巻線が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材とを含み、前記第1のコア部材と前記第2のコア部材がギャップを介して結合されると共に前記第1のコア部材に前記巻線が巻回されて形成されるリアクトル部品において、前記第1のコア部材を断面が少なくとも五角形以上の多角形から構成される筒型に形成することにより、前記巻線に電流が流れる時の磁束により前記第1のコア部材と前記第2のコア部材間に吸引力が作用する面を複数平面により構成することを特徴とする。
かかる構成により、リアクトル部品の第1のコア部材と第2のコア部材間に磁束により作用する吸引力が複数平面の当該複数の方向に分散するコア構造とすることができ、これにより吸引力の集中を妨げ、第1及び第2のコア部材間の吸引力に起因した騒音を低減することが可能となる。
また、上記第1及び第2の目的を達成するため、以上の構成において、前記第1のコア部材における前記吸引力が作用する面を前記第2のコア部材により覆うようにしても良い。
かかる構成により、騒音の低減効果が得られる上に、第1のコア部材から第2のコア部材への熱伝導性が高まる結果、コイルとコア間の放熱性を向上させることも可能となる。
また、本発明の第2の様相によれば、上記第2の目的を達成するため、本発明のリアクトル部品は、少なくとも、巻線と磁性体のコアを備え、前記コアは前記巻線が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材と、前記巻線が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材とを含み、前記第1のコア部材と前記第2のコア部材がギャップを介して結合されると共に前記第1のコア部材に前記巻線が巻回されて形成されるリアクトル部品において、前記第1のコア部材の端部を前記第2のコア部材により覆ったことを特徴とする。
かかる構成により、その周囲に巻線が巻回されてコイルを構成する第1のコア部材から第2のコア部材への熱伝導性が高まる結果、コイルとコア間の放熱性を向上させることができる。また、第1のコア部材に巻線が巻回されてコイルを形成した場合のコイルの外周面に対して第2のコア部材の大きさ(周面)がより大きくなるので、コイルから第2のコア部材への熱伝導性も高まり易くなり、この点からもコイルとコア間の放熱性が向上する。
本発明の実施形態に係るリアクトル部品について図面を参照して詳細に説明する。図3は、本発明の実施形態のリアクトル部品を含む一例としてのリアクトルの斜視図である。図3に示すリアクトル10は、例えば、強制冷却手段を有する機器の電気回路に使用され、後述するコア109(図5参照)に巻線2を巻回してコイル105を形成したリアクトル部品を熱伝導性ケース1に収納した後、充填材8を流し込み固定している。リード部5は、例えば、巻線2の被覆を剥離し、導体を剥き出しにしており、図示しない圧着端子等を設けて他の電気部品等と接続する。また、熱伝導性ケース1の4隅にあるリアクトル固定用穴13は、熱伝導性ケース1を、例えば、強制冷却された筐体等に固定するためのネジ穴である。
図4は、図3に示したリアクトルの分解斜視図である。図4に示すように、熱伝導性ケース1は熱伝導性ケース底面11を含んでいる。図3のリアクトルは熱伝導性ケース底面11のコイル105に対応する箇所に絶縁シート7を敷き、上述したようにコア109に巻線2を巻回してコイル105を形成したリアクトル部品を収納している。収納後、熱伝導性ケース底面11は絶縁シート7を介してリアクトル部品のコイル105の裏面と接触する。絶縁シート7は、熱伝導性ケース1とコイル105を電気的に絶縁するために、熱伝導性ケース底面11とコイル105間に挿入されている。収納後、充填材8を流し込み、リアクトル部品を熱伝導性ケース1に固定している。
図5は、本発明の第1の実施形態に係るリアクトル部品を示す図であり、(a)は、その正面図、(b)は、その側面図、(c)は、その平面図である。図6は、図5に示したリアクトル部品の斜視図であり、図7は、その分解斜視図である。図5乃至図7に示すように、本実施形態のリアクトル部品は、巻線104と磁性体のコア109を備え、コア109は巻線104が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材109Bと、巻線104が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材109Aとを含み、第1のコア部材109Bと第2のコア部材109Aがギャップ106を介して(磁気)結合されている。また、第1のコア部材109Bに巻回された巻線104がコイル105を形成し、このコイル105により、インダクタンス等の所定の電気特性が得られる。
尚、本実施形態に係るリアクトル部品のコア109は、いわゆるダストコアを用いている。
さて、本実施形態のリアクトル部品では、巻線104に電流が流れる時の磁束により第1のコア部材109Bと第2のコア部材109A間に吸引力が作用する面(以下、吸引力面と呼ぶ)109Bsと109Asとを曲面とした。
かかる構成により、本実施形態のリアクトル部品の第1のコア部材109Bと第2のコア部材109A間に磁束により作用する吸引力が曲面から成る吸引力面109Bsと109Asの複数の方向に分散するコア構造とすることができる。この結果、吸引力の集中を妨げ、第1及び第2のコア部材109B及び109A間の吸引力に起因した騒音を低減することが可能となる。以下、このようなコア構造の詳細を説明する。
まず、コア109において、巻線104が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材109Bは、図5(b)、(c)及び図7に示すように、それぞれ1個ずつの円筒形状の磁性体ブロック109bが左右に配置された構成を有する。即ち、第1のコア部材109Bは、合計2個の円筒形状の磁性体ブロック109bから成る。
次に、巻線104が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材109Aは、前後1個ずつの板状の磁性体ブロック109aが前後に配置された構成を有する。ここで、各磁性体ブロック109aは、それぞれ2個の円形穴(貫通穴)109hが形成されており、この円形穴(貫通穴)109hの穴径は、第1のコア部材109Bの円筒形状の磁性体ブロック109bの径よりわずかに大きく形成されている。即ち、円形穴(貫通穴)109hは、磁性体ブロック109bがギャップ106を介して嵌合するように形成されている。
ここで、板状の磁性体ブロック109aの厚さ、即ち、円形穴(貫通穴)109hの深さは、図7に示すように、各磁性体ブロック109bの前後の端部が嵌入するような大きさに形成されている。尚、磁性体ブロック109bは、円形穴(貫通穴)109hに接着剤等により結合され、或いはシート材等を介して結合される。
また、組立時に、各磁性体ブロック109bの前後の端部が磁性体ブロック109aの円形穴(貫通穴)109hから突出した状態で固定されないように、ストッパー様の部材を介して嵌入させるようにしても良く、このストッパー様の部材を磁気ギャップとして挿入するシート材と兼用しても良い。尚、まず、2つの円形穴(貫通穴)109hに亘ってキャップ状のシート材を嵌め込んだ後、各磁性体ブロック109bの前後の端部を磁性体ブロック109aの円形穴(貫通穴)109hに嵌め込むようにしても良い。このようなシート材には、セラミック製又はPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂製のものを用いることが可能である。
以上の構成により、図5(b)及び(c)並びに図7に示すように、2個の磁性体ブロック109bの前後の円筒端部の表面、並びに磁性体ブロック109aの2個の円形穴(貫通穴)109hの内周面がギャップ106を介して接合することになる。そして、これらの面により、上述した吸引力面109Bsと109Asとが、それぞれ形成される。上述したように、略リング状に形成されたコア109において、磁束は内側を通る性質を有するので、吸引力面109Bsと109Asは、主として上記円筒端部の表面と内周面の、ここにいう内側部分により構成されるということができる。
更に、コイル105は、第1のコア部材109Bの左右に配置されたそれぞれ1個ずつの円筒形状の磁性体ブロック109bに巻線104が巻回されることにより形成されており、このコイル105により、インダクタンス等の所定の電気特性が得られるようになっている。尚、第1のコア部材109Bの磁性体ブロック109bにボビン(図示せず)を介して巻線104が巻回されても良い。
更に、本実施形態のリアクトル部品では、第1のコア部材109Bにおける上記した吸引力面109Bsを第2のコア部材109Aにより覆う構造にもなっている。かかる構成により、騒音の低減効果が得られる。また、図1と図6を比較すれば明らかなように、第1のコア部材109Bに巻線が巻回されてコイル105を形成した場合のコイル105の外周面に対して第2のコア部材109Aの大きさ(周面)がより大きくなるので、コイル105から第2のコア部材109への熱伝導性も高まり易くなり、この点からもコイル105とコア109間の放熱性が向上する。
ここで、以上の構成を有する本実施形態のリアクトル部品(コア109とコイル105)を用いて図3に示したリアクトルを製作し、そのリアクトルを駆動した場合に生じる騒音を測定した。比較例として、図1及び図2に示した従来のリアクトル部品(コア9とコイル5)を用いて同様のリアクトルを製作し駆動した場合についても、同様の騒音を測定した。図8に、これらの騒音データの測定結果を示す。
図8から分かるように、本実施形態のリアクトル部品では、比較例に比べ全周波数範囲において騒音が略10dB程低下しており、特に、比較例では最高で83dBの騒音を生じたのに対し、本実施形態のリアクトル部品では、全周波数範囲において騒音を70dBより低く抑えることができた。これは、第1のコア部材109Bと第2のコア部材109A間に磁束により作用する吸引力が、図6及び図7に矢印で示すように、曲面から成る吸引力面109Bsと109Asの複数の方向に分散した結果、吸引力の集中が妨げられ、第1及び第2のコア部材109B及び109A間の吸引力に起因した振動による騒音が低減したためと理解される。
尚、上記本発明の第1の実施形態の変形例として、巻線104が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材109Bを分割型に形成しても良い。図9は、かかる本発明の第1の実施形態の変形例に係るリアクトル部品の分解斜視図である。この変形例に係るリアクトル部品及び該リアクトル部品を含むリアクトルの基本的構成は、図5乃至図7に示した第1の実施形態のものと略同様であるが、この変形例においては、図9に示すように、巻線104が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材109Bは、それぞれ3個ずつの円筒形状の磁性体ブロック109bがギャップ106を介して結合され、左右に配置された構成を有する。即ち、第1のコア部材109Bは、合計6個の円筒形状の磁性体ブロック109bから成る。従って、コア109は、全体として8分割に構成されている。
以上の構成を有する本変形例に係るリアクトル部品においても、上述した第1の実施形態の変形例に係るリアクトル部品と同様に、騒音の低減効果と放熱効果が得られることは勿論である。
続いて、本発明の第2の実施形態に係るリアクトル部品について説明する。図10は、本発明の第2の実施形態に係るリアクトル部品を示す図であり、(a)は、その正面図、(b)は、その側面図、(c)は、その平面図である。図11は、図10に示したリアクトル部品の斜視図であり、図12は、その分解斜視図である。図10乃至図12に示すように、本実施形態のリアクトル部品は、巻線104と磁性体のコア109を備え、コア109は巻線104が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材109Bと、巻線104が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材109Aとを含み、第1のコア部材109Bと第2のコア部材109Aがギャップ106を介して(磁気)結合されている。また、第1のコア部材109Bに巻回された巻線104がコイル105を形成し、このコイル105により、インダクタンス等の所定の電気特性が得られる。
さて、本実施形態のリアクトル部品においても、巻線104に電流が流れる時の磁束により第1のコア部材109Bと第2のコア部材109A間に吸引力が作用する面(以下、吸引力面と呼ぶ)109Bsと109Asとを曲面としたので、本実施形態のリアクトル部品の第1のコア部材109Bと第2のコア部材109A間に磁束により作用する吸引力が曲面から成る吸引力面109Bsと109Asの複数の方向に分散するコア構造とすることができる。この結果、吸引力の集中を妨げ、第1及び第2のコア部材109B及び109A間の吸引力に起因した騒音を低減することが可能となる。以下、このようなコア構造の詳細を説明する。
まず、コア109において、巻線104が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材109Bは、図10(b)、(c)及び図12に示すように、それぞれ3個ずつの円筒形状の磁性体ブロック109bがギャップ106を介して結合され、左右に配置された構成を有する。即ち、第1のコア部材109Bは、合計6個の円筒形状の磁性体ブロック109bから成る。
次に、巻線104が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材109Aは、前後1個ずつの長円筒形状の磁性体ブロック109aが前後に配置された構成を有する。ここで、各磁性体ブロック109aは、それぞれ2個の円形穴(非貫通穴)109hが形成されており、この円形穴(非貫通穴)109hの穴径は、第1のコア部材109Bの円筒形状の磁性体ブロック109bの径よりわずかに大きく形成されている。即ち、円形穴(非貫通穴)109hは、磁性体ブロック109bがギャップ106を介して嵌合するように形成されている。
ここで、円形穴(非貫通穴)109hの深さは、図10(b)及び(c)に示すように、前後1個の円筒形状の磁性体ブロック109bが略半分以上嵌入するような深さに形成されている。尚、磁性体ブロック109bは、円形穴(非貫通穴)109hに接着剤等により結合され、或いはシート材等を介して結合される。従って、図10(b)及び(c)に示すように、前後4個の磁性体ブロック109bの円筒上面(又は底面)と略半分以上の円筒表面、並びに磁性体ブロック109aの2個の円形穴(非貫通穴)109hの穴底面と内周面がギャップ106を介して接合することになる。
そして、これらの面のうち、磁性体ブロック109bの略半分以上の円筒表面と磁性体ブロック109aの円形穴(非貫通穴)109hの内周面により、上述した吸引力面109Bsと109Asとが、それぞれ形成される。上述したように、略リング状に形成されたコア109において、磁束は内側を通る性質を有するので、吸引力面109Bsと109Asは、主として上記円筒表面と内周面の、ここにいう内側部分により構成されるということができる。
更に、コイル105は、第1のコア部材109Bの左右に配置されたそれぞれ3個ずつの円筒形状の磁性体ブロック109bに巻線104が巻回されることにより形成されており、このコイル105により、インダクタンス等の所定の電気特性が得られるようになっている。
更に、本実施形態のリアクトル部品においても、第1のコア部材109Bにおける上記した吸引力面109Bsを第2のコア部材109Aにより覆う構造にもなっている。かかる構成により、騒音の低減効果が得られる上に、第1のコア部材109Bから第2のコア部材109Aへの熱伝導性が高まる結果、コイルとコア間の放熱性を向上させることも可能となる。
次に、本発明の第3の実施形態に係るリアクトル部品について説明する。図13は、本発明の第3の実施形態に係るリアクトル部品の斜視図であり、図14は、その分解斜視図である。図13及び図14に示すように、本実施形態のリアクトル部品は、巻線104と磁性体のコア209を備え、コア209は巻線104が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材209Bと、巻線104が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材209Aとを含み、第1のコア部材209Bと第2のコア部材209Aがギャップ106を介して(磁気)結合されている。また、第1のコア部材209Bに巻回された巻線104がコイル105を形成し、このコイル105により、インダクタンス等の所定の電気特性が得られる。
尚、本実施形態に係るリアクトル部品のコア209は、いわゆるダストコアを用いている。
さて、上述した第1及び第2の実施形態では、第1のコア部材109Bを断面が円形から構成される筒型(即ち、円筒型)に形成することにより、巻線104に電流が流れる時の磁束により第1のコア部材109Bと第2のコア部材109A間の吸引力面109Bsと109Asを曲面により構成するようにしたが、本実施形態のリアクトル部品では、第1のコア部材209Bを断面が楕円形から構成される筒型(即ち、楕円筒型)に形成することにより、巻線104に電流が流れる時の磁束により第1のコア部材209Bと第2のコア部材209A間の吸引力面209Bsと209Asを曲面により構成するようにした。
かかる構成により、本実施形態のリアクトル部品の第1のコア部材209Bと第2のコア部材209A間に磁束により作用する吸引力が曲面から成る吸引力面209Bsと209Asの複数の方向に分散するコア構造とすることができる。この結果、吸引力の集中を妨げ、第1及び第2のコア部材209B及び209A間の吸引力に起因した騒音を低減することが可能となる。このようなコア構造の詳細を説明する。
まず、コア209において、巻線104が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材209Bは、図14に示すように、それぞれ1個ずつの楕円筒形状の磁性体ブロック209bが左右に配置された構成を有する。即ち、第1のコア部材209Bは、合計2個の楕円筒形状の磁性体ブロック209bから成る。
次に、巻線104が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材209Aは、前後1個ずつの板状の磁性体ブロック209aが前後に配置された構成を有する。ここで、各磁性体ブロック209aは、それぞれ2個の楕円形穴(貫通穴)209hが形成されており、この楕円形穴(貫通穴)209hの穴径は、第1のコア部材209Bの楕円筒形状の磁性体ブロック209bの径よりわずかに大きく形成されている。即ち、楕円形穴(貫通穴)209hは、磁性体ブロック209bがギャップ106を介して嵌合するように形成されている。
尚、本実施形態では、2個の楕円筒形状の磁性体ブロック209bは、図14から明らかなように、楕円の長軸方向が水平になるように配置され、また、これに対応する各磁性体ブロック209aの2個の楕円形穴(貫通穴)209hも楕円の長軸方向が水平になるように形成されているが、楕円の長軸方向が垂直になるように配置・形成しても良い。
ここで、板状の磁性体ブロック209aの厚さ、即ち、楕円形穴(貫通穴)209hの深さは、図14に示すように、各磁性体ブロック209bの前後の端部が嵌入するような大きさに形成されている。尚、磁性体ブロック209bは、楕円形穴(貫通穴)209hに接着剤等により結合され、或いはシート材等を介して結合される。
以上の構成により、図13及び図14に示すように、2個の磁性体ブロック209bの前後の楕円筒端部の表面、並びに磁性体ブロック209aの2個の楕円形穴(貫通穴)209hの内周面がギャップ106を介して接合することになる。そして、これらの面により、上述した吸引力面209Bsと209Asとが、それぞれ形成される。略リング状に形成されたコア209において、磁束は内側を通る性質を有するので、吸引力面209Bsと209Asは、主として上記楕円筒端部の表面と内周面の、ここにいう内側部分により構成されるということができる。
更に、コイル105は、第1のコア部材209Bの左右に配置されたそれぞれ1個ずつの楕円筒形状の磁性体ブロック209bに巻線104が巻回されることにより形成されており、このコイル105により、インダクタンス等の所定の電気特性が得られるようになっている。尚、第1のコア部材209Bの磁性体ブロック209bにボビン(図示せず)を介して巻線104が巻回されても良い。
更に、本実施形態のリアクトル部品においても、第1のコア部材209Bにおける上記した吸引力面209Bsを第2のコア部材209Aにより覆う構造にもなっている。かかる構成により、騒音の低減効果が得られる。また、図1と図13を比較すれば明らかなように、第1のコア部材209Bに巻線が巻回されてコイル105を形成した場合のコイル105の外周面に対して第2のコア部材209Aの大きさ(周面)がより大きくなるので、コイル105から第2のコア部材209への熱伝導性も高まり易くなり、この点からもコイル105とコア209間の放熱性が向上する。
尚、上記本発明の第3の実施形態の変形例として、巻線104が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材209Bを分割型に形成しても良い。図15は、かかる本発明の第3の実施形態の変形例に係るリアクトル部品の分解斜視図である。この変形例に係るリアクトル部品及び該リアクトル部品を含むリアクトルの基本的構成は、図13及び図14に示した第3の実施形態のものと略同様であるが、この変形例においては、図15に示すように、巻線104が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材209Bは、それぞれ3個ずつの楕円筒形状の磁性体ブロック209bがギャップ106を介して結合され、左右に配置された構成を有する。即ち、第1のコア部材209Bは、合計6個の楕円筒形状の磁性体ブロック209bから成る。従って、コア209は、全体として8分割に構成されている。
以上の構成を有する本変形例に係るリアクトル部品においても、上述した第3の実施形態に係るリアクトル部品と同様に、騒音の低減効果と放熱効果が得られることは勿論である。
続いて、本発明の第4の実施形態に係るリアクトル部品について説明する。図16は、本発明の第4の実施形態に係るリアクトル部品の斜視図であり、図17は、その分解斜視図である。図16及び図17に示すように、本実施形態のリアクトル部品は、巻線104と磁性体のコア309を備え、コア309は巻線104が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材309Bと、巻線104が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材309Aとを含み、第1のコア部材309Bと第2のコア部材309Aがギャップ106を介して(磁気)結合されている。また、第1のコア部材309Bに巻回された巻線104がコイル105を形成し、このコイル105により、インダクタンス等の所定の電気特性が得られる。
尚、本実施形態に係るリアクトル部品のコア309は、いわゆるダストコアを用いている。
さて、上述した第1乃至第3の実施形態では、巻線104に電流が流れる時の磁束により第1のコア部材109B、209Bと第2のコア部材109A、209A間の吸引力面109Bs、209Bsと109As、209Asを曲面により構成することで吸引力を複数の方向に分散させるようにしたが、本実施形態のリアクトル部品では、第1のコア部材309Bを断面が十二角形から構成される筒型(即ち、角筒型)に形成することにより、巻線104に電流が流れる時の磁束により第1のコア部材309Bと第2のコア部材309A間の吸引力面309Bsと309Asを複数平面により構成するようにした。かかる構成により、リアクトル部品の第1のコア部材309Bと第2のコア部材309A間に磁束により作用する吸引力が複数平面の当該複数の方向に分散するコア構造とすることができ、これにより吸引力の集中を妨げ、第1及び第2のコア部材間の吸引力に起因した騒音を低減することが可能となる。このようなコア構造の詳細を説明する。
まず、コア309において、巻線104が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材309Bは、図17に示すように、それぞれ1個ずつの十二角筒形状の磁性体ブロック309bが左右に配置された構成を有する。即ち、第1のコア部材309Bは、合計2個の十二角筒形状の磁性体ブロック309bから成る。
次に、巻線104が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材309Aは、前後1個ずつの板状の磁性体ブロック309aが前後に配置された構成を有する。ここで、各磁性体ブロック309aは、それぞれ2個の十二角形穴(貫通穴)309hが形成されており、この十二角形穴(貫通穴)309hの穴径は、第1のコア部材309Bの十二角筒形状の磁性体ブロック309bの径よりわずかに大きく形成されている。即ち、十二角形穴(貫通穴)309hは、磁性体ブロック309bがギャップ106を介して嵌合するように形成されている。
ここで、板状の磁性体ブロック309aの厚さ、即ち、十二角形穴(貫通穴)309hの深さは、図17に示すように、各磁性体ブロック309bの前後の端部が嵌入するような大きさに形成されている。尚、磁性体ブロック309bは、十二角形穴(貫通穴)309hに接着剤等により結合され、或いはシート材等を介して結合される。
以上の構成により、図16及び図17に示すように、2個の磁性体ブロック309bの前後の十二角筒端部の表面、並びに磁性体ブロック309aの2個の十二角形穴(貫通穴)309hの内周面がギャップ106を介して接合することになる。そして、これらの面により、上述した吸引力面309Bsと309Asとが、それぞれ形成される。略リング状に形成されたコア309において、磁束は内側を通る性質を有するので、吸引力面309Bsと309Asは、主として上記十二角筒端部の表面と内周面の、ここにいう内側部分により構成されるということができる。
更に、コイル105は、第1のコア部材309Bの左右に配置されたそれぞれ1個ずつの十二角筒形状の磁性体ブロック309bに巻線104が巻回されることにより形成されており、このコイル105により、インダクタンス等の所定の電気特性が得られるようになっている。尚、第1のコア部材309Bの磁性体ブロック309bにボビン(図示せず)を介して巻線104が巻回されても良い。
更に、本実施形態のリアクトル部品においても、第1のコア部材309Bにおける上記した吸引力面309Bsを第2のコア部材309Aにより覆う構造にもなっている。かかる構成により、騒音の低減効果が得られる。また、図1と図16を比較すれば明らかなように、第1のコア部材309Bに巻線が巻回されてコイル105を形成した場合のコイル105の外周面に対して第2のコア部材309Aの大きさ(周面)がより大きくなるので、コイル105から第2のコア部材309への熱伝導性も高まり易くなり、この点からもコイル105とコア309間の放熱性が向上する。
尚、上記本発明の第4の実施形態の変形例として、巻線104が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材309Bを分割型に形成しても良い。図18は、かかる本発明の第4の実施形態の変形例に係るリアクトル部品の分解斜視図である。この変形例に係るリアクトル部品及び該リアクトル部品を含むリアクトルの基本的構成は、図16及び図17に示した第4の実施形態のものと略同様であるが、この変形例においては、図18に示すように、巻線104が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材309Bは、それぞれ3個ずつの十二角筒形状の磁性体ブロック309bがギャップ106を介して結合され、左右に配置された構成を有する。即ち、第1のコア部材309Bは、合計6個の十二角筒形状の磁性体ブロック309bから成る。従って、コア309は、全体として8分割に構成されている。
以上の構成を有する本変形例に係るリアクトル部品においても、上述した第4の実施形態に係るリアクトル部品と同様に、騒音の低減効果と放熱効果が得られることは勿論である。
更に、本発明の第5の実施形態に係るリアクトル部品について説明する。図19は、本発明の第5の実施形態に係るリアクトル部品の斜視図であり、図20は、その分解斜視図である。図19及び図20に示すように、本実施形態のリアクトル部品は、巻線104と磁性体のコア309を備え、コア309は巻線104が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材309Bと、巻線104が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材309Aとを含み、第1のコア部材309Bと第2のコア部材309Aがギャップ106を介して(磁気)結合されている。また、第1のコア部材309Bに巻回された巻線104がコイル105を形成し、このコイル105により、インダクタンス等の所定の電気特性が得られる。
さて、本実施形態のリアクトル部品においても、第1のコア部材309Bを断面が十二角形から構成される筒型(即ち、角筒型)に形成することにより、巻線104に電流が流れる時の磁束により第1のコア部材309Bと第2のコア部材309A間の吸引力面309Bsと309Asを複数平面により構成したので、リアクトル部品の第1のコア部材309Bと第2のコア部材309A間に磁束により作用する吸引力が複数平面の当該複数の方向に分散するコア構造とすることができ、これにより吸引力の集中を妨げ、第1及び第2のコア部材間の吸引力に起因した騒音を低減することが可能となる。本実施形態のリアクトル部品においては、第1のコア部材309Bの構成は、図18に示した第4の実施形態の変形例のものと全く同様であるので、その説明を省略する。さて、本実施形態のリアクトル部品においては、第2のコア部材309Aは、前後1個ずつの長円筒形状の磁性体ブロック309aが前後に配置された構成を有する。ここで、各磁性体ブロック309aは、それぞれ2個の十二角形穴(非貫通穴)309hが形成されており、この十二角形穴(非貫通穴)309hの穴径は、第1のコア部材309Bの十二角筒形状の磁性体ブロック309bの径よりわずかに大きく形成されている。即ち、十二角形穴(非貫通穴)309hは、磁性体ブロック309bがギャップ106を介して嵌合するように形成されている。
ここで、十二角形穴(非貫通穴)309hの深さは、図20に示すように、前後1個の十二角筒形状の磁性体ブロック309bが略半分以上嵌入するような深さに形成されている。尚、磁性体ブロック309bは、十二角形穴(非貫通穴)309hに接着剤等により結合され、或いはシート材等を介して結合される。従って、図20に示すように、前後4個の磁性体ブロック309bの十二角筒上面(又は底面)と略半分以上の十二角筒表面、並びに磁性体ブロック309aの2個の十二角形穴(非貫通穴)309hの穴底面と内周面がギャップ106を介して接合することになる。
そして、これらの面のうち、磁性体ブロック309bの略半分以上の十二角筒表面と磁性体ブロック309aの十二角形穴(非貫通穴)309hの内周面により、上述した吸引力面309Bsと309Asとが、それぞれ形成される。略リング状に形成されたコア309において、磁束は内側を通る性質を有するので、吸引力面309Bsと309Asは、主として上記十二角筒表面と内周面の、ここにいう内側部分により構成されるということができる。
更に、本実施形態のリアクトル部品においても、第1のコア部材309Bにおける上記した吸引力面309Bsを第2のコア部材309Aにより覆う構造にもなっている。かかる構成により、騒音の低減効果が得られる上に、第1のコア部材309Bから第2のコア部材309Aへの熱伝導性が高まる結果、コイルとコア間の放熱性を向上させることも可能となる。
尚、以上に述べた第1乃至第5の実施形態におけるコアは磁気ギャップを含む4分割型又は8分割型に構成されているが、本発明は、4分割、8分割以外の分割数による分割型のコアにも勿論適用可能である。
また、例えば、第1の実施形態と第2の実施形態の組み合わせに係る変形例とも言えるが、2個の円筒形状の磁性体ブロック109bから成る第1のコア部材109Bを、それぞれ2個の円形穴(非貫通穴)109hが形成された磁性体ブロック109aから成る第2のコア部材109Aにギャップを介して結合させる構成も可能である。非貫通穴のために、2個の円筒形状の磁性体ブロック109bの両端部が第2のコア部材109Aにより完全に覆われるので、騒音の低減効果が向上する場合も考えられる。同様に、第1のコア部材を2個の楕円筒形状又は十二角筒形状の磁性体ブロックから形成し、第2のコア部材をそれぞれ2個の楕円形穴(非貫通穴)又は十二角形穴(非貫通穴)が形成された2個の磁性体ブロック109aから形成する変形例を構成することも可能である。
但し、本発明の第1の様相は、分割されていない一体型のコアには適用されない。即ち、本発明の第1の様相は、第1のコア部材と第2のコア部材とがギャップ箇所で電磁吸引力により振動することにより生じる騒音を低減するものであるため、本発明が適用されるコアであるためには、少なくとも、巻線が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材と巻線が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材とを含み、第1のコア部材と第2のコア部材がギャップを介して結合されるものである必要がある。
尚、本発明の第1の様相は、第1のコア部材と第2のコア部材とがギャップ箇所で電磁吸引力により振動することにより生じる騒音を低減するものであるから、上述した実施形態の他に、例えば、第1のコア部材の全体を円筒形等の磁性体ブロックにより形成するのではなく、第2のコア部材の非貫通穴(貫通穴でも可)に嵌入する部分だけを半円筒形等(断面は半円形等)に形成しても良い。即ち、内側の吸引力面だけが半円筒形等(断面は半円形等)の曲面部又は複数平面部となるような形状にしても良い。この場合、第1のコア部材の巻線が巻回される部分は、例えば四角形でも構わない。しかしながら、本発明の第1の様相の本質は、吸引力面を曲面或いは複数平面とすることで吸引力を分散させることにあるから、第1のコア部材の全体を四角形の磁性体ブロックにより形成する場合を含まないのは勿論である。即ち、第1のコア部材における第2のコア部材の非貫通穴(貫通穴でも可)に嵌入する部分は、少なくとも五角形以上の多角形から構成する必要がある。尚、第4及び第5の実施形態では、十二角形としたが、少なくとも五角形以上の多角形であれば良く、例えば、五角形乃至十一角形のように十二角形より少ない角数や十三角形以上の多角形でも良い。但し、より角数の多い方が、上述した吸引力の分散効果は高まることが推察できる。
尚、上述した実施形態では、上記のような内側の吸引力面を曲面或いは複数平面とするために、製造のし易さ等を考慮して第2のコア部材の円形等の穴に円筒形状等の第1のコア部材の端部を嵌め込むような形状としたが、かかる形状は、実施形態の一例に過ぎず、本発明の本質である吸引力を分散させ得る構造であれば他の形状でも構わない。
一方、上述したコイルとコア間の放熱性の向上を課題とする本発明の第2の様相は、例えば、第2の実施形態における第2のコア部材の非貫通穴を円形穴ではなく矩形(角型)状に形成し、この第2のコア部材の矩形(角型)状の非貫通穴に、円筒形ではなく角柱形の第1のコア部材109Bを嵌め込む構造にも適用可能である。角柱形の第1のコア部材109Bの端部を第2のコア部材により完全に覆うので、放熱性が高まる場合も考えられる。
また、本発明のリアクトル部品におけるコアは、上述した実施形態で用いたダストコアに限らず、積層型のコアにも適用可能である。しかしながら、ダストコアを用いれば、コア材の粉末をプレスして製作するので、円筒形状等の磁性体ブロックや円形等の穴を製作し易いというメリットもあるため、本発明のリアクトル部品におけるコアにはダストコアを用いるのが好適である。
以上、本発明について実施の形態をもとに説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の要旨を逸脱しない範囲で種々変更することができる。
本発明は、少なくとも、巻線が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材と巻線が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材とを含み、第1のコア部材と第2のコア部材がギャップを介して結合されるリアクトル部品であれば、リアクトルケースの有無、コアの縦置き或いは横置き等を問わず、広く適用可能である。
従来のリアクトル部品の斜視図である。 図1に示した従来のリアクトル部品の分解斜視図である。 本発明の実施形態のリアクトル部品を含む一例としてのリアクトルの斜視図である。 図3に示したリアクトルの分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るリアクトル部品を示す図であり、(a)は、その正面図、(b)は、その側面図、(c)は、その平面図である。 図5に示したリアクトル部品の斜視図である。 図5に示したリアクトル部品の分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るリアクトル部品を用いたリアクトルを駆動した場合の騒音データの測定結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係るリアクトル部品の分解斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るリアクトル部品を示す図であり、(a)は、その正面図、(b)は、その側面図、(c)は、その平面図である。 図10に示したリアクトル部品の斜視図である。 図10に示したリアクトル部品の分解斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るリアクトル部品の斜視図である。 図13に示したリアクトル部品の分解斜視図である。 本発明の第3の実施形態の変形例に係るリアクトル部品の分解斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係るリアクトル部品の斜視図である。 図16に示したリアクトル部品の分解斜視図である。 本発明の第4の実施形態の変形例に係るリアクトル部品の分解斜視図である。 本発明の第5の実施形態に係るリアクトル部品の斜視図である。 図19に示したリアクトル部品の分解斜視図である。104 巻線、 109、209、309 コア、109B、209B、309B 第1のコア部材、109A、209A、309A 第2のコア部材、 6、106 ギャップ、109Bs、209Bs、309Bs、109As、209As、309As 吸引力面

Claims (6)

  1. 少なくとも、巻線と磁性体のコアを備え、前記コアは前記巻線が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材と、前記巻線が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材とを含み、前記第1のコア部材と前記第2のコア部材がギャップを介して結合されると共に前記第1のコア部材に前記巻線が巻回されて形成されるリアクトル部品において、前記巻線に電流が流れる時の磁束により前記第1のコア部材と前記第2のコア部材間に吸引力が作用する面を曲面により構成することを特徴とするリアクトル部品。
  2. 請求項1に記載のリアクトル部品において、前記第1のコア部材を断面が円形から構成される筒型に形成することにより、前記巻線に電流が流れる時の磁束により前記第1のコア部材と前記第2のコア部材間に吸引力が作用する面を曲面により構成することを特徴とするリアクトル部品。
  3. 請求項1に記載のリアクトル部品において、前記第1のコア部材を断面が楕円形から構成される筒型に形成することにより、前記巻線に電流が流れる時の磁束により前記第1のコア部材と前記第2のコア部材間に吸引力が作用する面を曲面により構成することを特徴とするリアクトル部品。
  4. 少なくとも、巻線と磁性体のコアを備え、前記コアは前記巻線が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材と、前記巻線が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材とを含み、前記第1のコア部材と前記第2のコア部材がギャップを介して結合されると共に前記第1のコア部材に前記巻線が巻回されて形成されるリアクトル部品において、前記第1のコア部材を断面が少なくとも五角形以上の多角形から構成される筒型に形成することにより、前記巻線に電流が流れる時の磁束により前記第1のコア部材と前記第2のコア部材間に吸引力が作用する面を複数平面により構成することを特徴とするリアクトル部品。
  5. 請求項1乃至4に記載のリアクトル部品において、前記第1のコア部材における前記吸引力が作用する面を前記第2のコア部材により覆ったことを特徴とするリアクトル部品。
  6. 少なくとも、巻線と磁性体のコアを備え、前記コアは前記巻線が巻回される巻回部を構成する第1のコア部材と、前記巻線が巻回されない非巻回部を構成する第2のコア部材とを含み、前記第1のコア部材と前記第2のコア部材がギャップを介して結合されると共に前記第1のコア部材に前記巻線が巻回されて形成されるリアクトル部品において、前記第1のコア部材の端部を前記第2のコア部材により覆ったことを特徴とするリアクトル部品。
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