JP2007242438A - Icソケット - Google Patents

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均 鈴木
Susumu Ito
進 伊藤
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Abstract

【課題】 貫通孔と貫通孔との間の肉厚は薄くてもクラックが生じづらいICソケットを提供すること、換言すれば、プローブピン間の距離を短くしたICソケットを提供する。
【解決手段】 支持体(3)の貫通孔群(11)の各々に収納してあるプローブピン(13)と、保持部材(29)と、を含めて構成してある。また、当該プローブピン(13)各々は、プランジャー(15)と、フランジ(17)と、コイルバネ(23)と、支持部材(25)と、を含めて構成してある。貫通孔内壁(11w)全域には、プランジャーの突き出し後退及び支持部材の嵌め込みを円滑にさせるための滑走皮膜(21)を形成してある。したがって、プランジャー、コイルバネ、及び支持部材を貫通孔内に挿入する際に、圧入する必要がない。圧入しないから圧入したなら生じるであろうクラックが、貫通孔や貫通孔周辺に対して生じない。
【選択図】 図2

Description

本発明は、IC(Integrated Circuit)を試験する際に使用するプローブピンを備えたICソケットに関するものである。
ICには、たとえば、格子状に配したハンダボール端子を下面に有するBGA(Ball Grid Array)や、同じくバンプ(導体突起)を下面に有するCSP(Chip Size Package)がある。そのようなICを設計開発する際や完成品を出荷する際などにICの電気的特性等が試験される。その試験は試験装置によって行われ、その試験装置を構成する基板(ターゲットボード)へのICの接続は、ICソケットを介して行われる。
ICソケットには、たとえば、特許文献1に記載されたICソケット(以下、適宜「従来のソケット」という)がある。従来のソケットは、ICの接続端子(ハンダボールやバンプ等)と接続可能な複数のプロ−ブピンを備え、各プローブピンは、金属製の筒(チューブ)と、プランジャー(可動ピン)と、コイルバネと、から構成してある(以下、適宜「プローブピン」という)。この金属製プローブピンの各々が樹脂製の支持体(ハウジング、又は、筐体)に形成された貫通孔(スルーホール)の各々に圧入等されることで、当該プローブピンは樹脂製の当該支持体に固定される。
WO01/37381公報(第5頁第6〜20行、第6、7図)
上述した従来のソケットには、次の問題があった。電子機器部品の小型化・高密度化に合わせて、従来のソケットに対しても小型化・高密度化の強い要請がある。当該要請を同時に満たすためには、同じプローブピン数を、そのまま持たせるのであれば以前のものより支持体を小型化するか、同じ大きさの支持体をそのまま使うのであれば以前のものよりプローブピン数を多くする必要がある。しかし、何れにしろ、貫通孔と貫通孔との間の肉厚(以下「孔間肉厚」という)を薄くしなければならない。すなわち、プローブピン間の距離を短くしなければならない。ところが、孔間肉厚を薄くすると孔間肉厚の強度が保てない。これでは支持体の強度は不十分となるため、クラックが生じやすくなる。これが、従来のソケットが抱えている問題である。
本発明が解決しようとする課題は、上述した問題を解決することにある。すなわち、孔間肉厚は薄くてもクラックが生じづらいICソケットを提供すること、換言すれば、プローブピン間の距離を短くしたICソケットを提供することにある。
上記課題を解決するために発明者は、プローブピンが有する金属製の筒の代わりに、貫通孔内壁に滑走皮膜を形成することによって圧入不要のICソケットを開発した。その詳しい内容については、項を改めて説明する。なお、何れかの請求項記載の発明の構成を説明するに当たって行う用語の定義等は、その性質上可能な範囲において他の請求項記載の発明にも適用があるものとする。
(請求項1記載の発明の特徴)
請求項1記載の発明に係るICソケット(以下、適宜「請求項1のソケット」という)は、対向する一方の面と他方の面とを有する樹脂製の支持体と、当該支持体の一方の面から他方の面へ貫通する貫通孔群と、当該貫通孔各々の中に収納してあるプローブピンと、当該支持体の他方の面に取り外し可能に固定してある保持部材と、を含めて構成してある。また、当該プローブピン各々は、部分的に当該貫通孔各々の中に配した、とともに、部分的に当該一方の面から後退可能に突き出させた、プランジャーと、当該プランジャーのうち当該貫通孔各々の中に配した部分の外周に形成したフランジと、当該フランジに一端を当接させて当該プランジャーを突き出し方向に付勢させるためのコイルバネと、当該コイルバネの他端に当接可能、かつ、当該コイルバネのバネ力に抗しながら貫通孔各々の中に少なくとも挿入可能な支持部材と、を含めて構成してある。当該保持部材は、当該支持部材に当接させて少なくとも部分的に当該支持部材を当該貫通孔各々の中に保持可能に形成してある。当該貫通孔各々の内壁には、当該フランジと当接して当該プランジャーが当該貫通孔各々の中から当該一方の面方向へ抜けるのを阻止するための段部を形成してあり、当該内壁全域には、当該プランジャーの突き出し後退及び支持部材の嵌め込みを円滑にさせるための滑走皮膜を形成してあり、当該プランジャーから当該支持部材に至るまで導通可能に構成してあることを特徴とする。導通経路はプランジャーからコイルバネ経由で支持部材に至るように構成するのが一般的である。
請求項1のソケットによれば、孔間肉厚は薄くてもクラックが生じづらいソケットを提供できる。すなわち、請求項1のソケットでは、貫通孔に形成した滑走皮膜を、従来のプローブピンの筒の代わりに使用するため、金属製の筒を圧入する必要がない。その結果、孔間肉厚を薄くしても支持体にクラックが生じない。したがって、同じ数のプローブピンを、持たせるのであれば以前のものより支持体を小型化することが可能であり、一方、同じ大きさの支持体を使うのであれば以前のものより多数のプローブピンを取り付けることが可能である。ここで、請求項1のプローブピンは、貫通孔内壁に形成した滑走皮膜とプランジャーとコイルバネと支持部材とから構成してある。この点は上述した。つまり、プランジャーとコイルバネとは、突き出し後退を円滑にするために、滑走皮膜を形成した貫通孔よりも、径方向断面形状を小さく形成してある。したがって、プランジャー、コイルバネ、及び支持部材を貫通孔内に挿入する際に、圧入する必要がない。圧入しないから圧入したなら生じるであろうクラックが、貫通孔や貫通孔周辺に対して生じない。
(請求項2記載の発明の特徴)
請求項2記載の発明に係るICソケット(以下、適宜「請求項2のソケット」という)は、請求項1のソケットの基本構造に加え、前記支持体が、全芳香族ポリエステル系樹脂、又は、プラスチックフェノール樹脂(PF)、又は、ユリア樹脂(UF)、又は、メラミン樹脂(MF)、又は、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、又は、ジアリルフタレート樹脂(DAP)、又は、エポキシ樹脂(EP)、又は、ポリウレタン(PUR)、又は、ポリイミド(べスペル(PI))、又は、ポリエチレン(PE)、又は、高密度ポリエチレン(HDPE)、又は、中密度ポリエチレン(MDPE)、又は、低密度ポリエチレン(LDPE)、又は、ポリプロピレン(PP)、又は、ポリスチレン(PS)、又は、ABS樹脂(ABS)、又は、アクリル樹脂(PMMA)、又は、ポリ塩化ビニル(PVC)、又は、ポリアミド(ナイロン(PA))、又は、ポリアセタール(POM)、又は、ポリカーボネート(PC)、又は、ポリブチレン・テレフタレート(PBT,PBTP)、又は、ポリエチレン・テレフタレート(PET,PETP)、又は、ポリフェニレン・エーテル(PPE)、又は、ポリアミド・イミド(PAI)、又は、ポリエーテル・スルフォン(PES)、又は、ポリスルフォン(PSU)、又は、ポリエーテル・エーテルケトン(PEEK)、又は、ポリフェニレン・スルフイド(PPS)、又は、液晶ポリマー(LCP)、又は、ポリメチル・ペンテン(TPX)、又は、ポリテトラ・フルオロ・エチレン(PTFE)、のうちのいずれかにより構成してあることを特徴とする。
請求項2のソケットによれば、請求項1のソケットの作用効果に加え、前記支持体が、上記いずれかの樹脂から構成してあることにより、耐熱性、強度性等、樹脂の特性を生かした支持体を形成できる。たとえば、請求項2に記載の支持体に用いられる樹脂として、ガラスエポキシ樹脂等が一般的である。この他にも、全芳香族ポリエステル系樹脂、又は、プラスチックフェノール樹脂(PF)、又は、ユリア樹脂(UF)、又は、メラミン樹脂(MF)、又は、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、又は、ジアリルフタレート樹脂(DAP)、又は、エポキシ樹脂(EP)、又は、ポリウレタン(PUR)、又は、ポリイミド(又は、べスペル(PI))、又は、ポリエチレン(PE)、又は、高密度ポリエチレン(HDPE)、又は、中密度ポリエチレン(MDPE)、又は、低密度ポリエチレン(LDPE)、又は、ポリプロピレン(PP)、又は、ポリスチレン(PS)、又は、ABS樹脂(ABS)、又は、アクリル樹脂(PMMA)、又は、ポリ塩化ビニル(PVC)、又は、ポリアミド(又は、ナイロン(PA))、又は、ポリアセタール(POM)、又は、ポリカーボネート(PC)、又は、ポリブチレン・テレフタレート(PBT,PBTP)、又は、ポリエチレン・テレフタレート(PET,PETP)、又は、ポリフェニレン・エーテル(PPE)、又は、ポリアミド・イミド(PAI)、又は、ポリエーテル・スルフォン(PES)、又は、ポリスルフォン(PSU)、又は、ポリエーテル・エーテルケトン(PEEK)、又は、ポリフェニレン・スルフイド(PPS)、又は、液晶ポリマー(LCP)、又は、ポリメチル・ペンテン(TPX)、又は、ポリテトラ・フルオロ・エチレン(PTFE)、等のいずれか、からなる樹脂より、前記支持体を構成することができる。たとえば、ポリフェニレン・スルフイド(PPS)は耐熱性に優れている。液晶ポリマー(LCP)は、耐熱性に優れ滑らかな性質を有している。ABS樹脂は、比較的安価に形成できる。このような樹脂の材質や特性を利用して、寸法成形等に優れた支持体や経済的な支持体を形成できる。
(請求項3記載の発明の特徴)
請求項3記載の発明に係るICソケット(以下、適宜「請求項3のソケット」という)は、請求項1又は2のソケットの基本構造に加え、前記滑走皮膜が、無電解鍍金により構成してあることを特徴とする。
請求項3のソケットによれば、請求項1又は2のソケットの作用効果に加え、前記滑走皮膜が、無電解鍍金により構成してある。これにより、皮膜を形成しづらい縦長の孔の内壁にも、たとえば、塗布によるものに比べ容易に皮膜を形成できる。内壁に過分の負担を負わせることなく、貫通孔全体に皮膜形成できるため、貫通孔内壁は滑らかとなり、容易にプランジャー、コイルバネ、支持部材等の各部材を、挿入できる。内壁に過分の負担を負わせなくてすむので、孔間肉厚にクラックを生じさせるような応力が働かない。なお、無電解鍍金には、例えば、無電解銅鍍金、無電解ニッケル鍍金などがある。
(請求項4記載の発明の特徴)
請求項4記載の発明に係るICソケット(以下、適宜「請求項4のソケット」という)は、請求項1乃至3のいずれかのソケットの基本構造に加え、前記支持部材の各々には、後退した前記プランジャーを受け入れ可能とする凹部を設けて構成してあることを特徴とする。
請求項4のソケットによれば、請求項1乃至請求項3のいずれかのソケットの作用効果に加え、コイルバネを支持する支持部材に凹部を設けることにより、当該プランジャーが貫通孔に後退した際に、当該プランジャーの少なくとも一部を凹部へ収納できる。換言すれば、その凹部に収納した分だけ、貫通孔の長さ方向に必要であった厚みがいらなくなるため支持体の厚みを薄くできる。支持体を薄くできる分、ICソケットの厚みを薄くできる。すなわち、同じ長さのプランジャーならば支持体の厚みを薄くでき、同じ厚みの支持体ならプランジャーの長さを長くできる。その結果、ICソケットを小型化できる。
本発明によれば、孔間肉厚は薄くてもクラックが生じないICソケットを提供することが可能である。すなわち、プローブピン間の距離を短くしたICソケットが提供できる。したがって、小型・高密度なICソケットが提供できる。
次に、各図を参照しながら、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。図1は、ICソケットの平面図である。図2は、図1に示すICソケットのA−A断面図である。図3は、ICソケットに構成部品を取り付ける際の斜視図である。図4は、ICソケットの底面図である。図5は、支持体にプローブピンを取り付ける様子を示す断面斜視図である。図6は、保持部材側からみた際のICソケットの斜視図である。図7は、ICソケットの構成を示した図である。図8は、プローブピンの動作を示したICソケットの縦断面の部分拡大図である。図9は、保持部材を取り付ける様子を示す断面図である。図10は、ドリルで支持体に貫通孔を開けた際の図である。図11は、ICソケットの使用方法を示した正面図である。図12は、本実施形態の第1変形例に係るICソケットの保持部材を取り付ける様子を示した断面図である。図13は、本実施形態の第2変形例に係るICソケットをターゲットボードに取り付ける様子を示した断面図である。なお、図1乃至図13に示すプローブピン群等は、ICソケットに対する大きさを実際よりも誇張して描いてある。
(ICソケットの全体構造)
図1乃至4に示すように、ICソケット1は、支持体3と、貫通孔11(貫通孔群11)とプローブピン13(プローブピン群13)と、保持部材29と、から概ね構成してある。支持体3、貫通孔11、プローブピン13、保持部材29、の各々については、後述する。なお、本明細書では、単一の貫通孔を示す場合は「貫通孔11」と、また、集合体である貫通孔を示す場合は「貫通孔群11」と、それぞれ表現している。同様に、単一のプローブピンを示す場合は「プローブピン13」と、また、集合体であるプローブピンを示す場合は「プローブピン群13」と、それぞれ表現する。
(支持体の構造)
図1乃至3に基づいて支持体の構造を説明する。図1乃至3に示すように、支持体3は平面視矩形の板状部材であって、一方の支持体5(以下、単に「支持体5」という)と、他方の支持体9(以下、単に「支持体9」という)と、それらの間に挟まれた中央の支持体7(以下、単に「支持体7」という)とから構成してある。これらの形状は、平面視同形状である。支持体5の一方の面は支持体3の一方面3aにあたり、支持体9の他方の面は支持体3の他方面3bにあたる。支持体5と支持体7と支持体9とは、接着により一つの支持体3として結合してある。このように、支持体3は、上記3つの支持体から構成されるだけでなく、たとえば、支持体9を省略して、支持体5と支持体7と、から作られる2つの支持体から構成することもできる。支持体3を構成する合成樹脂は、たとえば、ガラスエポキシ樹脂が一般的である。これは、エポキシ樹脂の特徴である電気特性、特に高周波特性、耐湿性、寸法安定性、耐アーク性などを生かすことができるからである。この他、全芳香族ポリエステル系樹脂、又は、プラスチックフェノール樹脂(PF)、又は、ユリア樹脂(UF)、又は、メラミン樹脂(MF)、又は、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、又は、ジアリルフタレート樹脂(DAP)、又は、エポキシ樹脂(EP)、又は、ポリウレタン(PUR)、又は、ポリイミド(又は、べスペル(PI))、又は、ポリエチレン(PE)、又は、高密度ポリエチレン(HDPE)、又は、中密度ポリエチレン(MDPE)、又は、低密度ポリエチレン(LDPE)、又は、ポリプロピレン(PP)、又は、ポリスチレン(PS)、又は、ABS樹脂(ABS)、又は、アクリル樹脂(PMMA)、又は、ポリ塩化ビニル(PVC)、又は、ポリアミド(又は、ナイロン(PA))、又は、ポリアセタール(POM)、又は、ポリカーボネート(PC)、又は、ポリブチレン・テレフタレート(PBT,PBTP)、又は、ポリエチレン・テレフタレート(PET,PETP)、又は、ポリフェニレン・エーテル(PPE)、又は、ポリアミド・イミド(PAI)、又は、ポリエーテル・スルフォン(PES)、又は、ポリスルフォン(PSU)、又は、ポリエーテル・エーテルケトン(PEEK)、又は、ポリフェニレン・スルフイド(PPS)、又は、ポリメチル・ペンテン(TPX)、又は、ポリテトラ・フルオロ・エチレン(PTFE)、等からなる樹脂を、それぞれ単独で用いて、又は、複合して用いて、支持体3を構成することができる。上記した樹脂のうち、たとえば、ポリフェニレン・スルフイド(PPS)は耐熱性に優れている。したがって、PPSから支持体3を形成する場合には、熱に晒される箇所に使用できる。また、LCPは、耐熱性に優れ滑らかな性質を有している。したがって、液晶ポリマーから形成した支持体3は、熱に晒される箇所や部材が引っ掛かりやすい箇所に使用できる。また、上記PPSやLCPは比較的高価であるので、耐熱性には比較的劣るものの安価であるABS樹脂(ABS)から支持体3を形成してもよい。さらに、支持体3を構成する支持体5と支持体9とを、PPS、又は、LCPにより形成し、支持体7をABSにより形成してもよい。熱や構成部品の挿入による摩擦等が生じやすい支持体には、耐熱性等に優れた樹脂を使用することで、熱に晒されて支持体を傷める危険を少なくできる。さらに、熱に晒されない箇所にはABSを使用することで、全体のコストダウンを図ることができる。このように、樹脂の材質や特性を利用して、耐熱性に優れた支持体や経済的な支持体等を形成できる。それぞれの部材に応じた使用環境の特性を選択すればよい。
(貫通孔の構造)
図2、3、5乃至10に基づいて貫通孔の構造を説明する。貫通孔11は、支持体3の厚み方向に貫通形成してある。貫通孔11は複数の貫通孔11(貫通孔群11)から構成してあり、支持体3に貫通形成してある。貫通孔11の形状は、その径方向断面形状が略円形である。略円形であるのは、一般的には、ドリルで支持体3を押圧しながら掘削することにより、貫通孔11を形成するからである(図10参照)。したがって、プランジャー15とコイルバネ23の摺動を確保できる形状であれば円形に限らず、三角、四角、楕円形状等の貫通孔も含まれる。この貫通孔11は、一方の貫通孔11a(以下、単に「貫通孔11a」という。図8参照)と他方の貫通孔11b(以下、単に「貫通孔11b」という、図8参照)から構成してある。貫通孔11aは、支持体5に形成してあり、貫通孔11bは、支持体7及び支持体9に形成してある。貫通孔11aの内径D1(以下、「内径D1」という)は、後述するプランジャー15の一方の本体16aの径方向断面直径よりも大きく形成してある。これにより、一方の本体16aは、貫通孔11a内を突き出し後退可能となる。貫通孔11bの内径D2(以下、「内径D2」という)は、後述するフランジ17の径方向断面直径よりも大きく形成してある。これにより、フランジ17を形成してあるプランジャー15は、貫通孔11b内を長さ方向に摺動可能となる。ここで、内径D1は、後述するフランジ17の径方向断面直径よりも小さく形成してある。すなわち、内径D1よりも内径D2は大きく形成してある。したがって、内径D1と内径D2との差が生じることにより、段部19が形成される(図7参照)。段部19は、フランジ17に当接して、プランジャー15全体が抜けるのを阻止する抜け留め部材の機能を果たしている。この段部19は、フランジ17と当接して抜け留め部材としての機能を果たす形状であれば、図7に示した形状に限らない。
貫通孔11には、貫通孔内壁11w(以下、単に「内壁11w」という、図7参照)を形成してある。内壁11wは、貫通孔11aに形成された一方の貫通孔内壁11wa(以下、単に「内壁11wa」という)と、貫通孔11bに形成された他方の貫通孔内壁11wb(以下、単に「内壁11wb」という)と、から構成してある。この内壁11waと内壁11wbとには、後述する滑走皮膜21が形成してある(図5乃至7参照)。なお、図7に示す符号D1及びD2は、それぞれ、貫通孔11aに形成してある滑走皮膜21の膜厚を除く径方向断面の内径、貫通孔11bに形成してある滑走皮膜21の膜厚を除く径方向断面の内径、を示している。
(滑走皮膜の構造)
図5及び7に基づいて滑走皮膜21の構造を説明する。滑走皮膜21は、貫通孔11の内壁11wa及び内壁11wbに形成してある。貫通孔11に支持部材25等の各部材を挿入する際に、各部材を圧入せずに挿入できるよう滑走皮膜21を形成した。すなわち、内壁11wa及び内壁11wbに滑走皮膜21を形成してあるから、貫通孔11の挿入口部分は滑らかとなり、各部材の挿入を円滑に行うことができる。なお、この滑走皮膜21には、一般的に無電解銅鍍金、無電解ニッケル鍍金、無電解金鍍金等がある。ここで、無電解鍍金とは、金属、または、非金属の表面に、電流を流さずに金属を還元剤で還元するか、または、金属の置換により析出させる鍍金処理、および、析出した金属をいう。また、無電解銅鍍金とは、金属の還元反応により、銅化合物の水溶液中で、パネルの表面全体、または、導体パターンとなる部分などに電流を流すことなく金属を析出させること、または、析出したものをいう。この鍍金を使用することにより、滑走皮膜21を形成しづらい縦長の孔の内壁にも、たとえば、塗布によるものに比べ容易に滑走皮膜21を形成できる。上述した各部材を圧入せずに挿入できるというプラス効果の外に、副次的な効果として次の効果がある。すなわち、前述したように支持体3に、貫通孔11を形成する場合には、一般的にドリルにより行う。支持体3は樹脂製であるため、貫通孔11を形成する場合には、ドリル51と樹脂との間に摩擦熱が発生し易い。さらに、ドリル51の押圧等により、貫通孔11の内壁11wにはバリ53が発生し易い。このようなバリをそのまま放置すれば、プランジャー15やコイルバネ23の摺動を阻害し、ICソケットの機能を著しく損なわれる。しかし、内壁11wに滑走皮膜21を形成することで、プランジャー15やコイルバネ23のスムーズな摺動が可能となる。
(プローブピンの概略構造)
図2、7及び8に基づいてプローブピンの概略構造を説明する。プローブピン13は、プランジャー15とコイルバネ23と支持部材25と、から構成してある。プローブピン13は、支持体3に形成した貫通孔11内に収納してある。また、プランジャー15には、フランジ17が形成してある。以下、プランジャー15、コイルバネ23、支持部材25について説明する。
(プランジャーの構造)
図7及び8に基づいてプランジャー15の構造を説明する。プランジャー15を構成するプランジャー本体16は長手方向に突き出し後退可能に形成してあり、その径方向断面形状は、略円形に形成してある。径方向断面形状が略円形に形成してあるのは、前述した通り、貫通孔11が略円形に形成してあるからである。したがって、本体16の径方向断面形状は、摺動を確保できる形状であれば、たとえば円形状に限らず、三角形、四角形、楕円形等の形状でもよい。この本体16は、説明の便宜上、後述するフランジ17を間にして、貫通孔11aに少なくとも一部を収納してあるプランジャー本体16を、一方の本体16a(以下、単に「本体16a」という)といい、貫通孔11bに収納してあるプランジャー本体16を、他方の本体16b(以下、単に「本体16b」という)という。この本体16a,16bは、支持体3がドリルで掘削されるのが一般的であるから、その孔形状に合わせて、径方向断面が略円形に形成してある。したがって、本体16a,16bは、摺動を確保できれば、この略円形に限らず、径方向断面形状が三角形、四角形、楕円形等の形状でもよい。なお、本実施形態では、フランジ17は、プランジャーの本体16の略中央の外周に形成してあるが、フランジ17を別体に形成し、フランジ17の両端に本体16aと本体16bとを形成し、プローブピン15を構成してもよい。本体16aは、貫通孔11aを突き出し後退可能になるよう、内径D1より僅かに小さい外径(径方向断面直径)に形成してある。本体16bは、貫通孔11b内を摺動可能になるよう、内径D2より小さい外径(径方向断面直径)に形成してある。さらに、後述する支持部材25が筒状に形成してある場合には、この本体16bは、支持部材の内径D3よりも小さい外径(径方向断面直径)に形成してある。本体16bの外径が内径D3よりも小さく形成してあるのは、支持部材内に本体16bの少なくとも一部が収納可能になることで、貫通孔11の長さ方向の寸法を小さくできるからである。ここで、本体16の頂部には、すり鉢状に窪む凹部27が形成してある。すり鉢状に窪む凹部形状にしてあるのは、その窪みにより、ICの端末接続端子101(以下、単に「接続端子101」という、図11参照)をその窪みに導き易いからである。すなわち、凹部27を形成してあることにより、本体16の頂部に対する接続端子101の位置決めを容易にできる。また、接続端子101の形状が、一般的に凸形状であるため、凹部に接続端子101を接続した方が安定しやすいからである。これにより座りよい載置を可能とする。なお、このような凹部形状に限らず、接続端子101を安定的に接続できる形状であれば、丸、四角、三角等の形状でもよい。さらに、本体16は、安定的接続を確保するだけでなく、導通性を確保できるよう、たとえば、ベリリウム銅のような金属等により形成してある。導通し易い金属等の素材から本体16を形成することにより、一連の導通性を確保し易くする。
(フランジの構造)
図7及び8に基づいてフランジ17の構造を説明する。フランジ17は、本体16の外周に形成してある。その径方向断面形状は、略円形に形成してある。径方向断面形状が略円形に形成してあるのは、貫通孔11の径方向断面形状が円形だからである。なお、貫通孔11の径方向断面形状が円形であるのは前述した。ただし、当該フランジ17の形状は、既述した略円形に限られず、段部19と当接することにより、貫通孔11aからプランジャー15全体が抜けるのを阻止する形状、すなわち、抜け留め部材としての機能を果たす形状であればよい。したがって、たとえば、環状の突起形状、部分的に途切れている環状の突起形状等、上記の機能を果たす事ができればよい。ここで、フランジ17は、一方の端部17a(以下、単に「端部17a」という)と、他方の端部17b(以下、単に「端部17b」という)と、から構成してある。端部17aが段部19に当接することにより、本体16aがそれ以上突き出しできない。したがって、本体16は、少なくとも部分的に貫通孔11内に留まることができ、本体16が貫通孔11aから抜け出すこともない。このため、フランジ17は、段部19とともに、プランジャー15の抜け留め部材としての機能を果たすことが出来るのである。他方、端部17bは、後述するコイルバネ23と当接する。これにより、フランジ17は、コイルバネ23によって貫通孔11a方向に付勢される。コイルバネ23の付勢により、本体16aは、突き出し可能となり、接続端子101との電気的接続を可能とするのである。この電気的接続、すなわち、導通性を、確保するために、フランジ17は、たとえば、ベリリウム銅のような金属により形成してある。なお、安定した導通性を確保できる素材であればベリリウム銅に限らない。このフランジ17は、前記本体16とともに、プランジャー15を構成する。
(コイルバネの構造)
図7及び8に基づいて、コイルバネ23の構造を説明する。コイルバネ23は、線材をつる巻き状にした、圧縮ばねとして構成してある。コイルバネ23は、一方の端部23a(以下、単に「端部23a」という)と、他方の端部23b(以下、単に「端部23b」という)と、から構成してある。端部23a,23bのそれぞれは、線材の一巻きと一巻きとの間、すなわちピッチを狭くしてあり、その端面は平らに研削してある。前述したフランジ17に当接し易くするためであり、後述する支持部材25に載置し易くするためである。当該端面が平らに研削してある方が、一般的に当接や載置することに適しているからである。ただし、フランジ17を付勢できる形状であればこの形状に限らない。この端部23aから端部23bまでのコイルバネ23の内部は、プランジャー本体16の本体16bが挿入できるよう中空となっている。このコイルバネ23の外径は、貫通孔11bに圧入しないで挿入できるように、貫通孔11bの内径D2よりも小さく形成してあり、支持部材25の外径よりも小さく形成してある。さらに、コイルバネ23の内径は、本体16bが挿入できるように、本体16bの外径よりも大きく形成してある。このように、コイルバネ23の外径と内径の大きさを形成することで、コイルバネ23の端部23aは、フランジ17に当接可能となり、端部23bは支持部材25の上に載置可能となる。端部23aがフランジ17に当接することにより、コイルバネ23は、フランジ17を介して、プランジャー15を突き出し方向に付勢する。このコイルバネ23は、たとえば、ピアノ線等の金属から形成してある。したがって、コイルバネ23は導通性を有し、プランジャー15からの一連の導通経路を途絶えることなく、支持部材25に導通するように形成してある。
(支持部材の構造)
図7及び8に基づいて、支持部材の構造を説明する。支持部材25は、対向する一方の端部25a(以下、単に「端部25a」という)と他方の端部25b(以下、単に「端部25b」という)を有する円柱状の部材であって、長手方向に貫通している。端部25aは、貫通孔11(11b)内において、コイルバネ23を載置する。端部25bは、後述する保持部材29と当接する。当接することにより、支持部材25は、保持部材29により、少なくとも部分的に貫通孔11(貫通孔11b)内に保持される。支持部材25の形状は、本実施形態では円柱状であるが、抜け留め阻止部材としての機能を果たすことができれば、たとえば、棒形状、凹部又は中空部を有する形状等に形成してもよい。本実施形態では、支持部材25が貫通しているから、貫通孔11(貫通孔11b)内に後退するプランジャー15の少なくとも一部分を、その内部に収納できる。これにより、支持体の厚みを薄くできるため、副次的効果であるが、ICソケットの小型化にもなる。プランジャー15(プランジャーの本体16b)の少なくとも一部分を収納可能とするために、支持部材25の大きさは次のようになる。すなわち、支持部材25の外径は、貫通孔11の内径(内径D2)よりも小さく、かつ、コイルバネ23の外径よりも大きく形成されることに加えて、支持部材25の内径は、プランジャー15(プランジャーの本体16b)の外径よりも大きく形成される。これにより、圧入しないで支持部材25を挿入でき、コイルバネ23を載置できる上に、プランジャー15の摺動が阻害されない。この支持部材25は、たとえば、ベリリウム銅のような金属から形成してあり、導通性を確保している。
(保持部材の構造)
図2乃至9に基づいて保持部材の構造を説明する。保持部材29は、図3に示すように一方面31aと他方面31bとを有する保持体31とプラグピン35と、から構成してあり、止めピン39により、支持体3に取り外し可能に固定してある。保持体31は、平面視矩形の板状に形成してある。保持体31には、プラグピン35を嵌め込み固定できるように貫通孔33を形成してある。プラグピン35は、支持部材25を少なくとも部分的に貫通孔11b内に保持できるよう、保持体31に固定してある。すなわち、プラグピン35の端部35aは、支持部材25に当接するように形成してある。プラグピン35は、支持部材25が筒形状であるため、少なくとも筒の厚み部分に当接可能な形状に形成してある(図8参照)。当接可能としたのは、筒の厚み部分に当接しない形状であると、プラグピン35が筒内に収納されてしまう恐れがあり、支持部材25を保持できないからである。支持部材25が筒形状でない場合には、支持部材25を保持できる形状であればこの形状に限らない。プラグピン35の先端は、ターゲットボード81に固定したソケット109を介してターゲットボード81に接続される(図11参照)。これにより、接続端子101からターゲットボード81までの導通が確保される。
(ICソケットの組立て)
図3、5、及び6に基づいて、ICソケットの組立てについて説明する。まず、支持体5と支持体7と支持体9とに貫通孔11をドリルで形成する。支持体5と支持体7と支持体9と、を接着して支持体3を形成する。支持体3の一方面3aと他方面3bとをマスクし、無電解銅鍍金液中に浸す。無電解銅鍍金後、マスクを取り除く。他方面3bから貫通孔11b内に、プランジャー15、コイルバネ23、支持部材25を挿入する。保持体31にプラグピン35を嵌め込み固定した保持部材29を、支持体3の止め孔37a、及び保持体31の止め孔37bに止めピン39,・・を差し込み、支持体3のネジ孔45a、及び保持体31のネジ孔45bにナベ小ネジ41,・・をねじ込む。これにより保持部材29が支持体3に固定される。
(ICソケットの作動)
ICの接続端子101が、プランジャー15に形成した凹部27に接続され、押圧されたプランジャー15は、貫通孔11内に後退する。このときフランジ17は、貫通孔11に形成した段部19から離れ、フランジ17の端部17bはコイルバネ23を圧縮する。コイルバネ23は、支持部材25を他方面3b方向に付勢するが、支持部材25は保持部材29により、少なくとも部分的に貫通孔11内に保持される。ICの接続端子101とプランジャー15とコイルバネ23と支持部材25は、導通性を有している。これに対して、ICの接続端子101が、プランジャー15から離れた場合には、押されていたプランジャー15は元の位置に戻ろうとする。すなわち、接続端子101の押圧がなくなると、コイルバネ23は、フランジ17を介してプランジャー15を一方面3a方向に付勢するため、フランジ17が段部19に当接し、プランジャー15は元の位置に戻る。
(ICソケットの使用方法)
図11に基づいて説明する。符号85は、ICソケット1にIC83を接続するための接続補助具を示している。接続補助具85は、合成樹脂製のトップカバー87と、同じく合成樹脂製の案内板89と、から概ね構成してある。トップカバー87は、カバー板91と、カバー板91の下面に固定した板状の当接部93と、から構成してある。カバー板91は、それ自身をICソケット1に取り付けるための取り付け代を設ける等のためにICソケット1とほぼ同じ大きさに形成してある。当接部93は、IC83の上面全体を満遍なく押圧できるようにIC83とほぼ同じ大きさに形成してある。符号95,95は、カバー板91の幅方向両脇を貫通するボルト孔を示している。案内板89は、ICソケット1の上に載置しやすいようにICソケット1とほぼ同じ大きさに形成してあり、その中央領域には複数の案内孔97を、幅方向両脇には2個のボルト孔105,105を、それぞれ厚み方向に貫通形成してある。各案内孔97は、ICソケット1の上に載置したときにICソケット1の上面から突き出す各プランジャー15を各々孔の途中まで受け入れるための孔である。案内孔97がその途中までしかプランジャー15を受け入れないように構成したのは、案内孔97の中において受け入れたプランジャー15が及ばない部分(プランジャー15の上端から案内孔97の上端出口に至る空間)にICの接続端子101を受け入れられるようにするためである。接続端子101を受け入れ可能にすることによって、案内板89を介したICソケット1に対するICの水平方向の位置決めを確実に行うことができる。他方、ボルト孔105,105は固定部材として機能するボルト99,99を貫通させる孔である。ボルト孔95,95及びボルト孔105,105の位置は、それぞれICソケット1のネジ孔107,107に対応させてあり、これによって、これらの孔を貫通させたボルト99,99を、ネジ孔107,107に固定可能となっている。
ここで、上記した構成を有する接続補助具85を用いてIC83をICソケット1に接続する。具体的には、まず、案内板89を、ICソケット1の上面(支持体3の一方面3a)に載置する。この載置は、各案内孔97の中にICソケット1のプランジャー15の各々が入るように行う。ボルト孔105,105とネジ孔107,107との位置合わせも併せて行う。次に、IC83を案内板89の上に載置する。この載置は、IC83の各接続端子101が案内板89の各案内孔97内に入るように行う。各案内孔97内に入れた各接続端子101は、各案内孔97内で待ちうける各プランジャー15の凹部27に受け入れられて位置決めがなされ、その結果、案内板89に対するIC83の位置決めがなされる。ここで、トップカバー87(当接部93)をIC83の上に載置する。載置されたトップカバー87は、IC83とともにプローブピン群13(各プローブピン13)によって下方から支持された状態にある。ボルト孔95,95を、案内板89のボルト孔105,105に合わせてボルト99,99を差し込み、差し込んだボルト99,99の先端をICソケット1のネジ孔107,107にねじ込む。
ボルト99,99のネジ作用は、トップカバー87をICソケット1に向かって徐々に押し下げる。この押し下げ力は、当接部93を介してIC83を押し下げる。IC83の押し下げは、各プローブピン13が有するコイルバネ23の付勢力に抗して行われる。つまり、IC83が押し下げられると、コイルバネが圧縮されるが、その反作用としての付勢力が各プランジャー15及び各接続端子101を介してIC83を押し上げる。この付勢力によって、ICの各接続端子101はICソケット1の各プローブピン13に物理的・電気的にしっかりと接続される。各プローブピン13が、支持部材25を介して、プラグピン35に物理的・電気的に接続される。プラグピン35の先端は、ターゲットボード81に固定したソケット109を介してターゲットボード81に接続されている。すなわち、ソケット109の他端に取り付けられた半田ボール111がリフローにより溶融し、ソケット109はターゲットボード81に固定される。固定された結果、プラグピン35は、ソケット109の接続構造(図示省略)を介してターゲットボード81上のパターン(図示を省略)と電気的に接続される。これにより、接続端子101からターゲットボード81上のパターンまでの導通が確保され、ターゲットボード81へのIC83の取り付けを完了する。IC83の取り外しは、ボルト99,99を弛めて外し、トップカバー87を取り外すことによってIC83が自由な状態となるから、極めて簡単に行うことができる。
(ICソケットの第1変形例)
図12を参照しながら、第1変形例に係るICソケットについて説明する。ここでは、本変形例に係るICソケットが本実施形態と相違する点についてのみ説明し、両者共通する点については、図9に用いた符号と同じ符号を図12において使用するに止め、それらの点についての説明は省略する。(後述する第2変形例についても同じとする)。本実施形態と第1変形例とは、前者が有する支持部材25とプラグピン35の代わりに、後者が筒ピン57を使用している点で相違する。図12に示すように、筒ピン57は、本実施形態の支持部材25(図9参照)にピンを取り付けた形状をしている。この筒ピン57は、筒57aとピン57bとから構成されている。筒57aは、支持部材25と長手方向に貫通させた孔の代わりに凹部61を有している点で異なる。すなわち、筒ピン57は、コイルバネ23を載置する端部から凹部61を形成してある。筒ピン57は、貫通させていない。プランジャー15の本体16bを、少なくとも部分的に収納できればよいからである。また、ピン57bは、プラグピン35と同様の機能を有している。したがって、筒ピン57を使用すれば、機能を損なわせることなく部品点数を減らすことができる。なお、筒ピン57は上記形状に限らず、たとえば、部分的に本体16bを収納可能な形状を採用することもできる。ここで、符号29は、筒ピン57を貫通孔11b内に保持するため保持部材を示している。保持部材29には、ピン57bを貫通させるための筒貫通孔63を厚み方向に形成してある。筒貫通孔63が、ピン57bの出没を許容する内径寸法を有している。これにより、ピン57bの先端を、筒貫通孔63を抜け、保持部材29の他方面31bから後退可能に突き出させてある。突き出させたのは、ピン先端とターゲットボードの電気的接続を確保するためである。なお、保持部材29の取り付けは、本実施形態と同じ方法で行うことができる。
(ICソケットの第2変形例)
図13を参照しながら、第2変形例に係るICソケットについて説明する。本実施形態と第2変形例との相違点は、本実施形態に設けてあった保持部材29の代わりに、第2変形例ではターゲットボード81´を流用し、これに上記保持部材29と同様の機能を持たせてある。すなわち、支持体3にネジ(図示を省略)固定されたターゲットボード81´は、支持部材25を貫通孔11bの中に保持する機能を有している。ターゲットボード81´に固定された支持部材25は、その端部25bがターゲットボード81´の上面にあるパッド65に当接する。パッド65から見たターゲットボード81´の裏側には、半田ボール67が取り付けてあり、半田ボール67とパッド65の間には、内壁に導電性鍍金が施され樹脂が充填されたスルーホール(貫通孔)69を形成してある。以上の構成により、プランジャー13から端部25b及びパッド65を抜け、半田ボール67に至るまで導通状態となる。上記したターゲットボードはあくまでも例示であり、上記ターゲットボードと構成を異にしたターゲットボードも使用可能であることは言うまでもない。以上のように、第2変形例を使用すれば、ICソケットを固定する新たな保持部材を使用せず、その代わりにターゲットボードを流用することができる。ターゲットボードの流用によって、部品点数を減らすことができ、減らした分だけ取り付けスペースを小さくすることができる。言い換えれば、小さいスペースの中にもICソケットを取り付けできる。
ICソケットの平面図である。 図1に示すICソケットのA−A断面図である。 ICソケットに構成部品を取り付ける際の斜視図である。 ICソケットの底面図である。 支持体にプローブピンを取り付ける様子を示す断面斜視図である。 保持部材側からみた際のICソケットの斜視図である。 ICソケットの構成を示した図である。 プローブピンの動作を示したICソケットの縦断面の部分拡大図である。 保持部材を取り付ける様子を示す断面図である。 ドリルで支持体に貫通孔を開けた際の図である。 ICソケットの使用方法を示した正面図である。 本実施形態の第1変形例に係るICソケットの保持部材を取り付ける様子を示した断面図である。 本実施形態の第2変形例に係るICソケットをターゲットボードに取り付ける様子を示した断面図である。
符号の説明
1 ICソケット
3 支持体
3a 一方面
3b 他方面
5 一方の支持体
7 中央の支持体
9 他方の支持体
11 貫通孔(貫通孔群)
11a 一方の貫通孔
11b 他方の貫通孔
11w 貫通孔内壁
13 プローブピン(プローブピン群)
15 プランジャー
16 プランジャー本体
16a 一方の本体
16b 他方の本体
17 フランジ
17a 一方の端部
17b 他方の端部
19 段部
21 滑走皮膜
23 コイルバネ
23a 一方の端部
23b 他方の端部
25 支持部材
25a 一方の端部
25b 他方の端部
27 凹部
29 保持部材
31 保持体
31a 一方面
31b 他方面
35 プラグピン
37a 支持体の小ネジ孔
37b 保持体の小ネジ孔
39 止めピン
41 ナベ小ネジ
45 ネジ孔
45a 支持体ネジ孔
45b 保持体ネジ孔
51 ドリル
53 バリ
57 筒ピン
57a 筒
57b ピン
63 筒貫通孔
65 パッド
67 半田ボール
69 スルーホール
81,81´ ターゲットボード
83 IC
85 接続補助具
87 トップカバー
89 案内板
91 カバー板
93 当接部
95 ボルト孔
97 案内孔
99 ボルト
101 接続端子
105 ボルト孔
107 ネジ孔
109 ソケット
111 半田ボール

Claims (4)

  1. 対向する一方の面と他方の面とを有する樹脂製の支持体と、当該支持体の一方の面から他方の面へ貫通する貫通孔群と、当該貫通孔各々の中に収納してあるプローブピンと、当該支持体の他方の面に取り外し可能に固定してある保持部材と、を含めて構成してあり、
    当該プローブピン各々は、
    部分的に当該貫通孔の中に配した、とともに、部分的に当該一方の面から後退可能に突き出させた、プランジャーと、
    当該プランジャーのうち当該貫通孔の中に配した部分の外周に形成したフランジと、
    当該フランジに一端を当接させて当該プランジャーを突き出し方向に付勢させるためのコイルバネと、
    当該コイルバネの他端に当接可能、かつ、当該コイルバネのバネ力に抗しながら貫通孔の中に少なくとも挿入可能な支持部材と、を含めて構成してあり、
    当該保持部材は、当該支持部材に当接させて少なくとも部分的に当該支持部材を当該貫通孔の中に保持可能に形成してあり、
    当該貫通孔の内壁には、当該フランジと当接して当該プランジャーが当該貫通孔の中から当該一方の面方向へ抜けるのを阻止するための段部を形成してあり、
    当該内壁全域には、当該プランジャーの突き出し後退及び支持部材の嵌め込みを円滑にさせるための滑走皮膜を形成してあり、
    当該プランジャーから当該支持部材に至るまで導通可能に構成してあることを特徴とするICソケット。
  2. 前記支持体が、全芳香族ポリエステル系樹脂、又は、プラスチックフェノール樹脂、又は、ユリア樹脂、又は、メラミン樹脂、又は、不飽和ポリエステル樹脂、又は、ジアリルフタレート樹脂、又は、エポキシ樹脂、又は、ポリウレタン、又は、ポリイミド、又は、ポリエチレン、又は、高密度ポリエチレン、又は、中密度ポリエチレン、又は、低密度ポリエチレン、又は、ポリプロピレン、又は、ポリスチレン、又は、ABS樹脂、又は、アクリル樹脂、又は、ポリ塩化ビニル、又は、ポリアミド、又は、ポリアセタール、又は、ポリカーボネート、又は、ポリブチレン・テレフタレート、又は、ポリエチレン・テレフタレート、又は、ポリフェニレン・エーテル、又は、ポリアミド・イミド、又は、ポリエーテル・スルフォン、又は、ポリスルフォン、又は、ポリエーテル・エーテルケトン、又は、ポリフェニレン・スルフイド、又は、液晶ポリマー、又は、ポリメチル・ペンテン、又は、ポリテトラ・フルオロ・エチレン、のうちのいずれかにより構成してあることを特徴とする請求項1記載のICソケット。
  3. 前記滑走皮膜が、無電解鍍金により構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のICソケット。
  4. 前記支持部材の各々には、後退した前記プランジャーを受け入れ可能とする凹部を設けて構成してあることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかのICソケット。
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