JP2007242181A - 光ディスク記録媒体、光ディスク製造方法 - Google Patents

光ディスク記録媒体、光ディスク製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】再生専用のROMディスクであって反射膜上にレーザ光照射によりマークが形成されてデータが追記される光ディスク記録媒体について、その海賊版ディスクの製造を防止する。
【解決手段】ピット転写基板上の第1の記録層以外に、ピット面が形成されたピット転写中間層を備えて多層ディスク構造とした上で、上記第1の記録層以外の他の記録層における反射膜に対してのみレーザ光の照射に伴うマークを形成する。従来の構成のように基板に対してマーク形成痕が与えられないので、基板表面を表出させてその物理形状を転写することによる海賊版ディスクの製造を防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ディスク記録媒体として特にピットにより情報が記録される記録層を複数備える光ディスク記録媒体と、そのような光ディスク記録媒体を製造するための光ディスク製造方法とに関する。
光ディスク記録媒体として、特に再生専用のROMディスクは、1つのスタンパからプラスチックの射出成形によって短時間で大量のレプリカ基板を安価に製造可能であることからパッケージメディアとして世界中で利用されている。例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等は、音楽や映像等の情報を記録するROMディスクとして広く一般に普及している。
従来より、このようにパッケージメディアとして販売されるROMディスクを基にその記録データを違法コピーしたいわゆる海賊版ディスクが作成されており、著作権の侵害が問題となっている。
一般的に海賊版ディスクは、正規版ディスクから再生した信号を基にマスタリング工程によりスタンパを作成して複製ディスクを製造するようにして作成される。或いは正規版ディスクから再生した信号を記録可能なディスクにコピーすることで作成される。
海賊版ディスク製造防止のためには種々の技術が提案されているが、その1つとして、例えばディスクごとに異なる識別情報を付加する技術が知られている。このようにディスク個々に異なる識別情報を付加することで、再生装置側が上記識別情報を読み取ってこれをネットワーク経由で外部のサーバ装置に送信するといったシステムを構築することができる。このようなシステムを用いれば、例えば海賊版ディスクが作成・販売された場合には上記サーバ装置にて同一の識別情報が大量に検出されるので、海賊版ディスクの存在を検知することができる。さらに、検出された識別情報を送信してきた再生装置を特定することで、海賊版業者を特定できる可能性もある。
但し、このようにディスク個々に固有となる識別情報であっても、市販のドライブ装置で簡易にコピーできないようにして記録されていることが、著作権保護として有用である。
そこで、例えば下記の特許文献1では、上記識別情報を、ディスクの反射膜にマークを形成して微少な反射率変化を与えることで記録するもとしている。すなわち、この特許文献1に記載のディスクでは、ピット及びランドの組み合わせにより主のデータ(コンテンツデータや管理情報等)が記録されると共に、所定のピット又はランド上の反射膜に対して微少な反射率変化を与えるマークを形成することで、上記主のデータ以外の副のデータを記録するようにされている。
反射膜に対するマークの記録は、再生時のレーザパワーよりも高い記録パワーによるレーザ照射により行われる。このとき、マークによる反射率変化は微少なものとなるようにされて、ピット・ランドの組み合わせにより記録される主データの再生に影響を与えることがないようにされている。すなわち、これによって主データについての通常の再生動作では副データが再生されないようになっている。
副データ自体の再生は、別途の再生系を設けて、主データの再生信号中のこのような微少な反射率変化が与えられた部分を多数サンプリングしてこれらの例えば積分値を求める等して行うことができる。
この場合、副データの記録装置側と再生装置側との間で予め定められた所定のアルゴリズムによって、副データの各値を挿入すべき位置が決定される。これにより、正規の再生装置では記録時に用いたものと同様のアルゴリズムを用いて各値が記録される位置を特定できるため、適正に副データとしての識別情報を再生することができる。
特許第3454410号公報
ところで、上記説明では、海賊版ディスクとしては正規版のROMディスクの再生信号から作成されることを前提としたが、他の手法として、ROMディスクの基板の物理的形状をそのまま転写してスタンパを作成する手法も考えられる。
具体的には、ディスクのカバー層、反射膜を基板から剥離することで、基板に形成されたピット及びランドの形状を表出させる。そして、このように表出させた凹凸形状を物理的に転写することで、ディスクに記録された内容を複製するといったものである。
上記特許文献1に記載のディスクでは、反射膜に対して形成したマークによりディスク個々の識別情報を記録するものである。これによれば、上記のようにして基板からカバー層と反射膜を剥離させる必要のある物理的転写の手法では、反射膜に形成されたマーク(識別情報)までを転写することができないことになるので、海賊版ディスクの製造を防止できると考えられる。
例えば、一般的に反射膜としては、スパッタリング法などによって基板との密着性が非常に強くなるように成膜されており、またその膜厚も数十nm程度と非常に薄いものとされていることから、基板の凹凸形状を傷つけずにこれを削ぎ取ることは極めて困難となる。そこで反射膜の剥離には溶剤を用いるようにされるのであるが、このように溶剤を用いた場合は反射膜自体が溶けてしまうので、そこに形成された副データとしてのマークまでは転写することはできず、結果として海賊版ディスクの製造が防止されると考えられるものである。
しかしながら、上述のようにして反射膜に対するマークの記録は、比較的高出力なレーザの照射により行われる。このような高出力なレーザ照射によっては、例えばマークを記録する部分での媒体温度が上昇することで例えば熱膨張等が生じ、基板に変形を与えてしまう可能性がある。
つまりは、反射膜にのみ形成されるべきマークが、基板に対して物理的に転写されてしまう可能性があり、さらにこの基板が物理的に転写されることで主データと共に副データまでが複製されてしまう可能性がある。
このことについて、次の図13を参照して説明する。
先ず、図13(a)では、上述のようにして反射膜に対してマークが形成された光ディスク記録媒体の断面構造を示している。
図示するようにして、この場合の光ディスク記録媒体は、スタンパの転写によってピット面が形成されたピット転写基板101と、このピット転写基板101の上記ピット面に対して成膜された反射膜102と、さらにその上層に積層されたカバー層103を少なくとも備えるようにされている。ピット転写基板101と反射膜102との間に形成される凹凸の断面形状が、ピットとランドの組み合わせにより主データが記録される部分である。
そして、上述もしているように、所定のピット又はランド上の反射膜に対して、副データとしてのマークが記録される(図中X)。図の例では、所定のランド上の反射膜に対してマークが記録される例を示している。
上記のようにして、副データとしてのマークの記録時には、比較的高出力なレーザが反射膜102に対して照射されることで、マークの形成箇所Xではその温度上昇に伴う熱膨張等による変形が生じる可能性がある。
この変形に伴い、ピット転写基板101の反射膜102と接する面には凹形状の窪みが転写されてしまう。つまり、この場合においてカバー層103、反射膜102を剥離して基板101を表出させると、図13(b)に示されるようにして、基板101の表面には反射膜102にのみ形成されるべきマークに応じた凹形状が転写されたものとなる。
転写された凹形状部分は、他のランド部分に対して反射率が微少に低下する部分となる。つまりは、このような基板101の凹形状がそのまま転写されて作成されたレプリカ基板としては、副データとしてのマークをそのまま再現したものとなってしまう。
そして、このようなレプリカ基板について通常の製造工程と同様に反射膜及びカバー層の積層を行えば、正規版のディスクに記録された主データと副データとをそっくりコピーした海賊版ディスクを製造することができてしまうものである。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、光ディスク記録媒体として以下のように構成することとした。
すなわち、本発明の光ディスク記録媒体は、ピット面が形成されたピット転写基板と、上記ピット転写基板の上記ピット面上に成膜された反射膜とが備えられて第1の記録層が形成されると共に、上記第1の記録層における上記反射膜の上層においてピット面を形成するために設けられるものであってピットパターンを転写できる程度に軟質とされ且つ転写されたピットパターンの形状を保持できる程度に硬質となるように変質可能な変質性材料で構成されてピット面が形成されたピット転写中間層と、このピット転写中間層の上記ピット面に対して成膜される透過性を有する反射膜と、による組が少なくとも1組以上備えられることで、ピットにより情報が記録される記録層を2層以上備えるようにされた光ディスク記録媒体であって、
上記第1の記録層以外の他の記録層における反射膜に対してのみレーザ光の照射に伴うマークが形成されているものである。
また、本発明では光ディスク製造方法として以下のようにすることとした。
つまり、ピット面が形成されたピット転写基板と、上記ピット転写基板の上記ピット面上に成膜された反射膜とが備えられて第1の記録層が形成されると共に、上記第1の記録層における上記反射膜の上層においてピット面を形成するために設けられるものであってピットパターンを転写できる程度に軟質とされ且つ転写されたピットパターンの形状を保持できる程度に硬質となるように変質可能な変質性材料で構成されてピット面が形成されたピット転写中間層と、このピット転写中間層の上記ピット面に対して成膜される透過性を有する反射膜と、による組が少なくとも1組以上備えられることで、ピットにより情報が記録される記録層を2層以上備えるようにされた光ディスク記録媒体を生成するディスク生成工程を備える。
そして、上記ディスク生成工程により生成した上記光ディスク記録媒体における上記第1の記録層以外の他の記録層に対してレーザ光の照射を行うことで、上記第1の記録層以外の他の記録層における反射膜に対してのみ上記レーザ光の照射に伴うマークを形成する情報追記工程を備えるようにしたものである。
このようにして本発明では、ピット面が形成されたピット転写中間層を設けて、そのピット面上に反射膜を成膜して記録層を形成することで、上記ピット転写基板による第1の記録層とは別にピットにより情報が記録される記録層を形成して多層ディスクを実現している。
その上で本発明は、副データとしてのマークについては、上記第1の記録層以外の他の記録層のみに形成するものとしている。すなわち、これによれば、第1の記録層の反射膜上に対してはマークが形成されないので、従来のようにマーク形成に伴う基板の変形は生じないようにすることができる。つまりこの点で、基板の凹凸形状を表出させて物理的転写を行うことによる海賊版ディスクの製造を防止することができる。
但し、このような構成とした場合、マークが形成されることで上記ピット転写中間層に対してマーク形成に応じた断面形状の変形が与えられる可能性がある。しかしながら、このピット転写中間層としては、上記のようにしてピットパターンの転写ができる程度に軟質とされ且つ転写されたピットパターンの形状を保持できる程度に硬質となるように変質可能な変質性材料が選定される。このような変質性材料とされれば、その厚みを薄く形成してもピット転写形状を保持することができる。すなわち、このような変質性材料が選定されていることで、ピット転写中間層としては、その厚みを例えばピット転写基板との比較では相当に薄く形成することができる。
このように厚みを薄くできることで、ピット転写中間層の上に成膜された反射膜をその下層のピット面形状を損なわずに剥離することは、ピット転写基板上の反射膜について同様に剥離する場合よりも極めて困難なものとすることができる。すなわち、このことにより、ピット転写中間層についてそのピット面形状を表出させてマーク形成痕も含めて物理的転写を行って海賊版ディスクを製造することを、極めて困難なものとすることができる。
このようにして本発明によれば、ピットにより情報が記録される記録層を有し、且つ記録層の反射膜上にレーザ光照射に伴うマークが形成されて例えば著作権保護などのための情報が追記される光ディスク記録媒体について、その海賊版ディスクの製造を効果的に防止することができる。
また、上記本発明の光ディスク製造方法によれば、このようにして海賊版ディスクの製造を効果的に防止することのできる光ディスク記録媒体を製造することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
図1は、実施の形態の光ディスク記録媒体としての光ディスク10の断面構造図である。
実施の形態の光ディスク10は、再生専用のROMディスクであり、具体的にはブルーレイディスク(Blu-Ray Disc:登録商標)と称されるディスクに準拠したディスク構造及びフォーマットが採用されたものとなる。また、実施の形態の光ディスク10としては、ピット(及びランド)により情報が記録される記録層を複数備えた多層ディスクとされる。
図1において、光ディスク10には、図示するようにしてその片面にピット面が形成されたピット転写基板1と、このピット転写基板1における上記ピット面側に対して成膜された第1反射膜2と、第1反射膜2上に形成され且つ第1反射膜2との接面とは逆側の面にピット面が形成されたピット転写中間層3と、ピット転写中間層3の上記ピット面に対して成膜された第2反射膜4と、第2反射膜4上に形成された例えば紫外線硬化樹脂などによるカバー層5とが備えられる。
先ず、上記ピット転写基板1は、例えばポリカーボネートやアクリル等による透明樹脂基板であり、そのピット面にとしては図示するように凹凸の断面形状が与えられたものとなる。凹状の断面部はピットであり、ピットの形成されない他の部分(凸状の断面部)はランドである。
ピット面においては、これらピットとランドの組み合わせ、具体的にはピットとランドのそれぞれの長さにより情報が記録される。
そして、第1反射膜2としても、このようなピット転写基板1のピット面における凹凸断面形状に応じた凹凸断面形状が与えらることになる。再生時においては、図示する対物レンズの方向からレーザ光が第1反射膜2上に合焦するように照射されることで、当該第1反射膜2の凹凸形状に応じた反射光が対物レンズ側に信号光として戻るようにされる。後述する副データ記録装置20及び再生装置50側では、照射したレーザ光のこの第1反射膜2からの反射光に基づき、上記ピット転写基板1のピット(及びランド)により記録される情報を検出することができる。
なお、ここでは、このようにピット面にて記録された情報がその上に成膜される反射膜に照射されるレーザ光の反射光に基づき検出されるという観点から、ピット面とその上に成膜される反射膜とで記録層が形成されているものとして捉える。
具体的に、上記ピット転写基板1のピット面とその上に成膜される第1反射膜2とにより形成される記録層については、図示するようにして第1記録層L0と呼ぶ。
また、この場合はピット転写中間層3にピット面が形成されることで、その上に成膜される上記第2反射膜4としても、このようなピット転写中間層3のピット面の断面形状に応じた凹凸形状が与えられている。すなわち、これらピット転写中間層3のピット面とその上に成膜された第2反射膜4とによっても記録層が形成される。このようにピット転写中間層3のピット面とその上に成膜された第2反射膜4とにより形成される記録層については、図示するように第2記録層L1と呼ぶ。
この場合、図示する対物レンズ側から再生のためのレーザ光が照射されるので、第1記録層L0に対しては、上記第2記録層を介してレーザ光が照射されるべきものとなる。このため、上記第2反射膜4としては、或る程度の透過率を有するようにされる必要がある。また、逆に第1記録層L0については、第1反射膜2からの上記第2反射膜4を介して得られる反射光を信号光として得なければならないので、第1反射膜2の反射率は高めとなるようにされるべきものとなる。
これらを考慮すると、光ディスク10のような多層ROMディスクに用いる反射膜としては、十分な反射率と透過率とが確保される必要がある。本例では、ブルーレイディスクを想定しており、レーザ光としては青色レーザ光(例えば波長λ=405nm)を用いるものとされる。このような波長域によるレーザ光照射に対し十分な反射率と透過率が得られる材料として、本例では第1反射膜2と第2反射膜4とについて、例えば銀合金を用いるようにされている。
また、第1記録層L0と第2記録層L1に記録された信号をそれぞれ同様に読み出すにあたっては、それらからの反射光は同等の光量を有するようにされる必要がある。
この場合、上記のようにして各反射膜(2,4)は共通の材料を用いるようにされているので、各反射膜からの反射光量の調整はその膜厚を調整することで行うようにされる。
つまり、第1反射膜2としては、第2反射膜4との比較で高反射率(低透過率)が得られるようにその膜厚設定が為される。また第2記録層4としては、第1記録層2との比較で低反射率(高透過率)となるようにその膜厚設定が為されている。これによって第1反射膜2にレーザ光のフォーカスが合わされたときにこの反射膜2で反射され第2反射膜4を透過して得られる反射光の光量と、第2反射膜4にレーザ光のフォーカスが合わされたときに当該反射膜4にて反射されて得られる反射光の光量とが同等となるように調整されている。
ここで、上記ピット転写中間層3としてはピット面を形成するようにされるので、ディスク製造工程において後述するようにスタンパにより転写されたピットパターン形状を保持できるようにその材料が選定される。
すなわち、成膜時においてはピットパターンの転写ができる程度に軟質とされ、且つピットパターンが転写されたときにその形状を保持できる程度に硬質となるように変質可能な変質性材料を用いるようにされている。
本実施の形態の場合、このような変質性材料としてはUV硬化材料(紫外線硬化材料)を用いるようにされる。より具体的には、例えばレジンなどの紫外線硬化樹脂を用いるようにされている。
この場合、ピット転写中間層3としては、後述もするが変質性材料としてのUV硬化樹脂を例えばスピンコート法などによって第1反射膜2上に対して塗布し、この塗布されたUV硬化材料に対しスタンパによりピットパターンを転写した後に、上記ピット転写基板1側から紫外線照射を行って硬化させることで形成される。
このように変質性材料を用いれば硬質に変質可能となるので、転写されたピットパターンの形状は有効に保持することができる。このため、ピット転写中間層3としては、その厚みはポリカーボネート等により形成される上記ピット転写基板1と比較すれば非常に薄く形成することができる。
なお、このようにして多層ディスクにおいて形成されるピット転写中間層3としては、ディスク規格の都合からも、上記のようにその厚みを薄くするようにされる必要がある。
例えば本例の場合において想定するブルーレイディスクの場合、規格上、ディスクの厚みはおよそ1.2mm程度と定められている。すなわち、記録層が単層とされる場合も多層とされる場合もディスク厚みはこの1.2mm程度の規格範囲に収まるようにされることが要請される。
本例の場合の光ディスク10において、ピット転写基板3の厚みは1.1mm程度に設定されている。このことから、多層ディスクの場合は、残りの約0.1mmの厚みで第1記録層以外の記録層とカバー層5を形成する必要がある。そこで多層ディスクにおいて形成されるべきピット転写中間層3としては、例えばピット転写基板1よりは相当に薄く形成することが必要であることになる。この場合、ピット転写中間層3の厚みは少なくとも30μm以下とされればよく、本例では例えば25μm程度に設定している。
そして、本実施の形態では、このようにして記録層を多層有する光ディスク10について、上記第2記録層L1における第2反射膜4上に対し、レーザ光の照射によりマークMを形成するものとしている。すなわち、従来の如くピット転写基板1上の第1記録層L0の第1反射膜2に対してマークMを形成するのではなく、第1記録層L0以外の他の記録層における反射膜上に対してレーザ光照射によるマークMを形成するものとしている。
このようにして本実施の形態の光ディスク10では、例えば著作権保護情報などとしての副データを、ピット転写基板1に形成されたピット面と第1反射膜2とによる第1記録層L0ではなく、それ以外の他の記録層(この場合は第2記録層L1)のみに形成したマークMにより記録することができる。つまり、当該光ディスク10では、第1記録層L0における第1反射膜2上に対してはマークMが形成されないので、従来のようにマーク形成に伴うピット転写基板1の変形は生じないようにすることができる。つまりこの点で、ピット転写基板1の凹凸断面形状を表出させて物理的転写を行うことによる海賊版ディスクの製造を防止することができる。
但し、このような構成とした場合、マークMが形成されることで上記ピット転写中間層3に対してマーク形成に伴う断面形状の変形が与えられる可能性があることになる。
しかしながら、このピット転写中間層3としては、上述もしたように変質性材料により構成したことでその厚みは非常に薄くすることができる。このように厚みを薄くできることで、当該ピット転写中間層3に形成されたピット面を損なわずにその上の反射膜4を剥離することは、ピット転写基板1上の反射膜2について同様に剥離する場合よりも極めて困難なものとすることができる。すなわち、このことにより、この場合においてピット転写中間層3のピット面の形状を表出させて、マーク形成痕も含めた物理的転写を行って海賊版ディスクを製造することは、極めて困難なものとすることができる。
この結果、本実施の形態の光ディスク10によれば、その海賊版ディスクの製造を効果的に防止することができる。
また、先にも述べたようにピット面に対する反射膜の成膜は例えばスパッタリング法などにより強固に固着されるように行われるため、反射膜を剥がすには溶剤を使用することが考えられる。
このような溶剤が使用された場合、その下地がポリカーボネイト等で強度のある基板であれば、ピット面を損なわずに反射膜を剥離することは比較的容易となるが、本例の場合のピット転写中間層3のように非常に薄く形成された下地である場合、溶剤を用いたとしても剥離作業中にその形状が損なわれ易くすることができる。すなわち、これによって溶剤を用いた手法による海賊版ディスクの製造についてもそれを効果的に防止することができる。
また、特に実施の形態の如く例えばレジンなどのUV硬化樹脂を用いれば、より確実に溶剤剥離による海賊版ディスク製造の防止を図ることができる。
つまり、実施の形態において選定される銀合金による反射膜を溶融可能な溶剤を用いて反射膜を剥離する実験を行ったところ、レジンも共に溶融してしまうことを確認した。すなわち、このように銀合金を反射膜とする場合においてピット転写中間層3にレジンを用いる本例では、溶剤を用いた剥離を行う場合、ピット面の断面形状を維持しつつ剥離を行うことをさらに困難とすることができる。すなわち、上記のようにしてピット転写中間層3の厚みが非常に薄くされたことによる剥離の困難性と合わせて、より強固に物理的転写による海賊版ディスクの製造防止を図ることができる。
また、図1に示した本実施の形態の光ディスク10のように、多層ディスクにおいて基板1上の第1記録層L0以外の他の記録層の反射膜(ここでは第2記録層L1における第2反射膜4)に対してマークMの形成による副データの追記を行うことによっては、マークMの形成に必要なレーザパワーは低く設定することができる。
すなわち、図1に示す光ディスク10において、基板1上の第1記録層L0を対象としてマークMによる副データの記録を行うとした場合には、レーザ光は第2記録層L1における反射膜4を透過させて照射せねばならず、このことで記録に必要なレーザパワーは第2記録層L1を対象とする場合よりも多く要するものとなる。このことから、本例のように基板1上の第1記録層L0以外の他の記録層の反射膜に対してマークMの形成による副データの追記を行うことによっては、その分記録に必要なレーザパワーを低くすることができる。
レーザパワーを多く要する場合、当然のことながら高出力のレーザ発光素子を用いることになるが、高出力なレーザ発光素子ほどそのサイズは大型化し、また価格も高くなる。上記のようにしてレーザパワーが抑えられれば、レーザ発光素子としても比較的低出力な素子を用いることができ、これによってレーザ発光素子の大型化を抑制できまた製造に要するコストについても削減できる。
続いて、図2は、図1に示した光ディスク10の製造工程(製造方法)について説明するための図である。
光ディスク10を製造するにあたっては、先ず図中のフォーマット化工程S11を実行するようにされる。このフォーマット化工程S11は、例えばコンピュータ等を用いて行うことになる。
このフォーマット化工程S11では、光ディスク10に対して記録されるべきコンテンツデータ(ユーザデータ)について、所定の規格に応じたフォーマットデータ列が得られるように変換動作を行う。すなわち、実施の形態の場合は、後の図3にて説明するようなブルーレイディスクの規格に応じたデータ列が得られるように変換動作を行う。また、実際には、ユーザデータに対する誤り検出符号及び誤り訂正符号の付加、インターリーブ処理、アドレス情報の付加処理等も行うようにされる。
可変長変調工程S12では、フォーマット化工程S11により生成されたデータ列に対して可変長変調処理を施す。実施の形態の場合では、RLL(1,7)PP(Parity preserve/prohibit、RLL:Run Length Limited)変調処理及びNRZI(Non Return to Zero Inverse)変調処理を施すことになる。この可変長変調工程S12により得られたデータ列の”0””1”パターンが、実際に光ディスク10に対して形成されるピットとランドのパターンとなる。
このようにユーザデータについてフォーマット化、可変長変調処理が施されて得られたデータを、ここでは主データと呼ぶ。
続いて、原盤生成工程S13を行う。原盤生成工程S13は、マスタリング装置を用いて行う。
特に、この場合の原盤生成工程S13としては、記録層が2層とされる光ディスク10を生成することに対応させて、それぞれ第1記録層L0に形成されるべきピットパターンを転写するための原盤(第1記録層用金属原盤D1-1)と第2記録層L1に形成されるべきピットパターンを転写するための原盤(第2記録層用金属原盤D1-2)との2枚を生成するようにされる。
具体的に、第1記録層用金属原盤D1-1の生成にあたっては、先ずガラス原盤に対してフォトレジストを塗布する。そして、このようにフォトレジストが塗布されたガラス原盤を回転駆動した状態で上記可変長変調工程S12にて生成した主データのうち、第1記録層L0に対して記録されるべきデータに応じてレーザ光を照射する。これによって上記レジスト上に、記録トラックに沿って第1記録層L0に記録されるべきデータに応じた凹凸のパターン(つまりピットとランド)を形成する。
次いで、このようにピットとランドが形成されたレジストを現像処理することでガラス原盤上に定着させ、さらに原盤表面に対して電解メッキを施すことで、第1記録層用金属原盤D1-1を生成する。
また、第2記録層用金属原盤D1-2については、レジストに対するレーザ光照射として、上記可変長変調工程S12にて生成した主データのうち第2記録層L1に対して記録されるべきデータに応じたレーザ光照射を行う以外は、上記第1記録層用金属原盤D1-1の生成手順と同様の手順を行って生成する。
そして、このように生成された第1記録層用金属原盤D1-1と第2記録層用金属原盤D1-2とを用いて、ディスク生成工程S14を行う。
ディスク生成工程S14では、先ず上記第1記録層用金属原盤D1-1をもとに第1記録層用のスタンパを作成する。また、同様に第2記録層用金属原盤D1-2をもとに第2記録層用のスタンパを生成する。
そして、先ずは上記第1記録層用のスタンパを成形金型内に配置して、射出成型機を用いてポリカーボネートやアクリル等の透明樹脂によりピット転写基板1を生成する。そして、このピット転写基板1に対して、この場合は銀合金による第1反射膜2を例えばスパッタリングや蒸着等により成膜する。
さらに、上記ピット転写基板1上に成膜された第1反射膜2に対して、変質性材料としてのUV硬化樹脂(この場合はレジン)を例えばスピンコート法などで一定厚となるように塗布する。そこに上記第2記録層用のスタンパを押し当て、上記ピット転写基板1側から紫外線照射を行って上記変質性材料としてのレジンを硬化させる。これによって第1反射膜2上には、図1に示したようなピット面が形成されたピット転写中間層3が設けられるもとなる。
そして、このピット転写中間層3から上記第2記録層用のスタンパを外した上で、当該ピット転写中間層3のピット面上に対し、例えば銀合金とされる第2反射膜4をスパッタリングや蒸着等で成膜し、その上にカバー層5として、例えば紫外線硬化樹脂をスピンコート法などで塗布して紫外線照射を行ってこれを硬化させる。
これによって図1に示したようなピット転写基板1→第1反射膜2→ピット転写中間層3→第2反射膜4→カバー層5の順で積層された構造による光ディスク記録媒体が生成される。すなわち、第1記録層L0と第2記録層L1として、ピットの形成により先の可変長変調工程S12を介して生成された主データのみが記録された光ディスク記録媒体(以下、主データ記録ディスクD2、又は単にディスクD2とも呼ぶ)が生成される。
続いて、副データ追記工程S15を実行する。
この副データ追記工程S15は、上記ディスク生成工程S14により生成された主データ記録ディスクD2に対し、例えば著作権保護情報としての副データを追記するための工程である。
本実施の形態の場合、上記副データとしては、そのデータ内容部分となる実データとして、主データ記録ディスクD2個々にユニークとなるシリアル番号情報を記録するものとしている。すなわち、これによって当該副データ追記工程S15により生成される各光ディスク10としては、その光ディスク10に固有の識別情報(識別番号)が付加されることになる。
また、副データとしては、上記実データとしての識別情報に加え、この場合はエラー訂正符号も付加するようにされる。このエラー訂正符号が付されることで、再生時に上記識別情報についてのエラー訂正処理を行うことが可能となる。
そして、上記副データとしては、後述するようにしてそれを追記すべきアドレス区間が予め定められている。なお、この場合、副データとしてのマークMは第2記録層L1を対象として記録するので、このようなアドレス区間としては少なくとも第2記録層L1上のアドレス区間が設定される。さらに、このような副データを追記すべき区間においては、副データを構成する各値を特定の位置に対して挿入するようにされている。
副データ追記工程S15では、これらの条件が満たされるようにして、主データ記録ディスクD2に対する記録パワーによるレーザ光照射を行ってマークMの形成による副データの追記を行うようにされる。
この副データ記録工程S15としては、後の図4にて説明する副データ記録装置20によって行われることになる。
なお、上記副データとして、この場合は識別情報とエラー訂正符号のみを含むものとするが、他のデータを付加することもできる。
図3は、上記製造工程により製造される光ディスク10(主データ記録ディスクD2)に記録される主データのデータ構造について示している。
先ず、図示するようにしてRUBと称される1つの記録単位が定義される。1つのRUBは、16個のアドレスユニット(図中「sector」)と2つのリンキングフレームから成るようにされる。リンキングフレームは、各RUB間の緩衝領域として設けられている。
1アドレスユニットは、この場合1つのアドレス単位を形成する。
そして、それぞれのアドレスユニットは、図示するようにして31個のフレームから成る。さらに1つのフレームは1932チャンネルビットのデータから成る。
実施の形態で例示しているブルーレイディスクにおいて、主データはRLL(1,7)PP変調ルールに従ったものとなるで、符号”0”と”1”との連続数(つまりピット長とランド長)は何れも2T(チャンネルビット)から8Tの長さに制約されている。
各フレームの先頭に位置するsyncでは、この変調ルールに従わない9Tによる連続符号が挿入されて再生時のフレーム同期信号の検出に用いられる。
図4は、主データ記録ディスクD2に対して上述した副データを追記するための副データ記録装置20の内部構成を示すブロック図である。
先にも説明したように副データとしては、その実データ内容として各光ディスク10に固有となる識別情報を記録するものとしている。従ってこの副データ記録装置20の動作としては、装填される光ディスク10ごとに異なるパターンによる副データを記録するようにされる。
また、副データは、上述もしたように主データ記録ディスクD2上において予めこれを記録する区間が定められ、さらにこの区間内においてそれぞれのマークMを挿入する位置も予め定められている。副データ記録装置20としては、このような予め定められた特定の位置にマークMが記録できるように構成されている。
図4において、先ず主データ記録ディスクD2は、図示されないターンテーブルに載置された状態でスピンドルモータ21によって所定の回転駆動方式に従って回転駆動される。このように回転駆動されるディスクD2に対し、図示する光ピックアップOPが記録信号(主データ)の読み出しを行う。
この光ピックアップOPには、図示するようにしてレーザ光源となるレーザダイオードLD、レーザ光をディスクD2の記録層(この場合は特に第2記録層L1)に集光・照射するための対物レンズ22、ディスクD2からの上記レーザ光照射に基づく反射光を検出するフォトディテクタPD等が備えられている。
上記光ピックアップOP内のフォトディテクタPDによって検出された反射光情報は、IV変換回路23にて電気信号に変換された後、マトリクス回路24に供給される。マトリクス回路24は、IV変換回路23からの反射光情報に基づいて再生信号RF、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEを生成する。
サーボ回路25は、マトリクス回路24からのトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEに基づき、2軸駆動回路26が出力するトラッキングドライブ信号TD及びフォーカスドライブ信号FDを制御する。これらトラッキングドライブ信号TD・フォーカスドライブ信号FDは、光ピックアップOP内にて対物レンズ22を保持する2軸機構(図示せず)に対して供給され、これらの信号に基づき対物レンズ22がトラッキング方向、フォーカス方向に駆動されるようになっている。
これらサーボ回路25、2軸駆動回路26、2軸機構によるトラッキングサーボ・フォーカスサーボ系において、上記サーボ回路25が上記トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEに基づく制御を行うことで、ディスクD2に照射されるレーザ光のビームスポットがディスクD2に形成されるピット列(記録トラック)をトレースし且つ適正なフォーカス状態で維持されるように制御が行われるようになっている。
また、上記マトリクス回路24にて生成された再生信号RFは2値化回路27に供給され、ここで”0””1”の2値化データに変換される。この2値化データは同期検出回路28、及びPLL(Phase Locked Loop)回路29に対して供給される。
PLL回路29は、供給される2値化データに同期したクロックCLKを生成し、これを必要な各部の動作クロックとして供給する。特に、このクロックCLKは上記2値化回路27、及び次に説明する同期検出回路28、アドレス検出回路30、及び副データ発生回路31の動作クロックとしても供給される。
同期検出回路28は、供給される2値化データから先の図3に示したフレームごとに挿入されるsyncパターンを検出する。具体的には、この場合のsyncパターンとされる9T区間を検出してフレーム同期検出を行う。
フレーム同期信号はアドレス検出回路30を始めとした必要な各部に対して供給される。
アドレス検出回路30は、上記フレーム同期信号と供給される2値化データとに基づき、アドレス情報の検出を行う。検出されたアドレス情報は当該副データ記録装置20の全体制御を行う図示されないコントローラに供給されてシーク動作等に用いられる。また、このアドレス情報は、副データ発生回路31における記録パルス生成回路33に対しても供給される。
副データ発生回路31は、図示するようにして記録パルス生成回路33、RAM(Randam Access Memory)32を備えている。この副データ発生回路31は、入力される副データ、及び上記アドレス検出回路30から供給されるアドレス情報とPLL回路29から供給されるクロックCLKとに基づき、ディスクD2に対して記録されるべき副データを後の図5にて説明する形態により記録するための記録パルス信号Wrpを生成する。
なお、この副データ発生回路31による動作については後述する。
レーザパワー制御部34は、上記副データ発生回路31から出力される記録パルス信号Wrpに基づき、光ピックアップOP内のレーザダイオードLDのレーザパワーを制御する。具体的にこの場合のレーザパワー制御部34は、記録パルス信号WrpがLレベルのときは再生パワーによるレーザ出力が得られるように制御する。また、記録パルス信号WrpがHレベルのときは記録パワーとなるように制御を行う。
このレーザパワー制御部34の制御によって記録パワーによるレーザ照射が行われることで、このレーザ光が第2反射膜4上集光されるように照射された場合には、第2反射膜4上におけるこのレーザ光が照射された部分にマークMが形成されることになる。このように反射膜4に形成されるマークMによってディスクD2上に副データが記録されることになる。
図5は、上記した副データ発生回路31の動作によって実現しようとする副データの記録形態について説明するための図である。
この図5では、副データを構成する1ビットの符号として”0”を記録する場合と”1”を記録する場合のそれぞれの例を示している。
先ず、符号の表現方法としては、主データ中に存在する所定長のランドについて、隣接する奇数番目(odd)と偶数番目(even)とを1組として考える。そして、これら所定長のランドの隣接する奇数番目と偶数番目の1組ごとについて、奇数番目に対してマークMを記録した場合は符号”0”、偶数番目にマークMを記録した場合は”1”と定義付ける。
この図5の例では、所定長ランドとして、5Tのランドに対してマークMを記録する例を示している。
なお、ここではマークMの記録対象をランドとしているがピット部分に対してマークMを形成することもできる。
そして、この場合は、副データを構成する1ビットの符号の記録に割り当てる区間として、1アドレス単位となる1アドレスユニットを割り当てている。
つまり、この図に示されるようにして、1アドレスユニット内の隣接する奇数番目と偶数番目の所定長ランドの組ごとに、同一の符号を表現する形態でマークを記録していく。
具体的に、符号”0”を記録するとした場合は、図示するようにして1アドレスユニット内の所定長ランドの奇数番目のみにマークMを記録するようにされる。
また、符号”1”を記録するとしたときは1アドレスユニット内の所定長ランドの偶数番目に対してのみマークMを記録するようにする。
詳しくは後述するが、再生時においては、1アドレスユニット内の所定長ランドの隣接する奇数番目と偶数番目の組ごとに再生信号RFについてサンプリングを行い、奇数番目でサンプリングした再生信号RFの値から偶数番目でサンプリングした再生信号RFの値を減算する(「odd−even」)。
ここで、記録したマークMの再生信号レベルがマーク未記録部分での再生信号レベルに比べ低くなるとすると、奇数番目にのみマークMが記録された符号”0”の場合、このような「odd−even」の演算を行うと、理想的には隣接する所定長ランドごとに負の値が得られる。すなわち、このように各隣接する所定長ランドごとに演算された「odd−even」の値を積分すると、確実に負の値が得られこれを検出することができる。
逆に、偶数番目にのみマークMが記録される符号”1”の場合、隣接する所定長ランドごとに演算される「odd−even」の値は理想的には正の値となる。従ってこれを積分することで確実に正の値が得られてこれを検出することが可能となる。
ここで、上記のように特定の区間にわたって同一の記録パターンを繰り返して記録し、再生時にはこれら複数の同一記録パターンに基づいて1つの値を判定するようにされていることで、マークMの記録により与える反射率変化は微少なもので足ものとすることができる。このようにマークMの記録に伴う反射率変化を微小なものとできることで、記録されたマークMが主データの2値化処理に影響を与えないようにすることができる。
副データを構成する他の符号についても、上記と同様の手法によりマークMを記録していく。
つまりこの場合、副データとしては、これを構成する符号と同数のアドレスユニットにわたって記録されることになる。
このように副データを記録する区間(以下、副データ記録対象区間とも呼ぶ)は、予め副データ記録装置20と再生装置との間で定められている。従って副データ記録装置20では、このように予め定められた副データ記録対象区間としての複数のアドレスユニットにわたって上述したマークMの記録を実行するように構成されている。
ここで、上記の記録手法において、注意すべきは、所定長ランドに対して記録するマークMがエッジ部分に対して記録されてしまった場合には、主データの2値化が適正に行われなくなってしまう可能正があるということである。すなわち、このようにして所定長ランドのエッジ部分にマークMが記録された場合、マーク記録部分では反射率がその分低下する傾向となるので、2値化処理において誤ったランド長(又はピット長)が検出されてしまう可能性がある。
そこでマークMとしては、記録対象となるランドの中央部に記録するものとしている。これによればエッジ部分は通常どおり得ることができるので、この点でも2値化処理に影響を与えないように図られている。
以上のような形態による記録動作が得られるように、図4に示した副データ発生回路31内の記録パルス生成回路33は、図5中に示されるようなタイミングによる記録パルス信号Wrpを生成する。つまりは、符号”0”に対応しては、奇数番目の所定長ランドにおける中央部のみでHレベルとなる記録パルス信号Wrpを生成する。また符号”1”に対応しては偶数番目の所定長ランドにおける中央部のみでHレベルとなる記録パルス信号Wrpを生成する。
上記説明による記録手法を実現するための構成及び動作について、次の図6及び図7を用いて説明する。
先ず、上記もしているように、副データの記録は、予め定められたディスクD2上の副データ記録対象区間において行われるものである。特に本実施の形態の場合は、マーク形成による副データの追記を、第1記録層L0を対象としてではなくそれ以外の記録層を対象として行うので、副データ記録対象区間としては第2記録層L1上の所定のアドレス区間が設定されている。
ここで、このように定められた副データ記録対象区間において、先に説明したように各アドレスユニット内の所定長ランドの奇数番目或いは偶数番目にのみマークMを記録するにあたっては、このような副データ記録対象区間内における各アドレスユニット内の主データの内容を把握する必要がある。
そこで、図4に示した副データ発生回路31では、このような記録対象区間内の各アドレスユニットごとの主データの内容を、予めRAM32内に格納しておくものとされる。
図6は、RAM32内のデータ構造を示している。
先ず、図示するアドレスは、副データ記録対象区間内の各アドレスユニットのアドレス情報を示している。そして、このアドレスごとに、それぞれのアドレスユニットで記録される主データの内容が格納されている。
なお、確認のために述べておくと、副データ記録装置20としては、ディスクD2(光ディスク10)の製造業者側で用いられる装置である。このため、上記のようにしてRAM32に対し実際にディスクD2に記録される主データの内容を格納することができる。
また、このRAM32に対しては、さらにアドレス対応にそのアドレスに記録すべき副データの値が格納される。RAM32への副データの各値の格納は、記録パルス生成回路33によって行われる。記録パルス生成回路33は、外部から供給される副データの各値を、副データ記録対象区間において先頭となるアドレスから順にRAM32に格納していく。
このようにしてRAM32に格納されるデータ内容により、記録パルス生成回路33では、主データ中の所定長のランド部分を特定し、さらにその奇数番目と偶数番目を特定することができる。
また、これと共に、上記のようにしてアドレス対応に格納された副データの値を参照することで、特定された所定長ランドの奇数番目と偶数番目のうちマークMを挿入すべき方を特定できる。
具体的に、そのアドレスに対応付けられて格納された値が”0”であった場合は、先の図5にて示したようにして、そのアドレスのアドレスユニット内では奇数番目の所定長ランドに対してマークMを挿入すべきものとなり、また”1”であった場合は偶数番目に挿入すべきものとして認識することができる。
さらに、この場合マークMは、上述もしたように記録対象ランドの中央部分に挿入すべきものとされている。従って、上記のように記録対象ランドを特定した上で、マークMがそのランドの中央部に記録されるタイミングでHレベルとなる記録パルス信号Wrpを生成するようにされる。
このような記録パルス信号Wrpの生成の具体例としては、先ず1アドレスユニット分のチャンネルビット数によるALL0データを用意する。そして、このALL0データについて、上記のように特定されるタイミングで符号”1”を挿入したデータ列を生成すればよい。つまりは、1アドレスユニット分のデータ列として、マークMを挿入すべきビット位置のみが”1”とされ、それ以外がすべて”0”となるデータ列を生成する。
このようなデータ列に基づくことで、記録パルス生成回路33は、先の図5において示したような然るべきマーク記録位置のタイミングでのみHレベルとなる記録パルス信号Wrpをレーザパワー制御部34に供給することができる。
続いて、図7のフローチャートを用いて、副データ記録装置20にて行われる副データの記録動作についてより詳細に説明する。
先ず、ステップS101では、ディスクD2が装填される。また、ステップS102では副データが入力される。副データ記録装置20に対して入力された副データは、図4においても示したように副データ発生回路31に供給される。
先にも述べたように、ここで入力される副データとしては、ディスクD2(光ディスク10)ごとに固有となる識別情報とエラー訂正符号とを含むデータとなる。
なお、ここでは副データの入力がディスクD2の装填後に行われるものとしているがこれらが前後しても構わない。
ステップS103においては、副データの各値をアドレスごとに格納する。
つまり、このステップS103の動作は、副データ発生回路31内の記録パルス生成回路33が入力された副データの各値を、先の図6に示したようにRAM32に対してアドレスごとに格納する動作に相当する。
ステップS104では、アドレス値Nを初期値N0に設定する。
このステップS104は、記録パルス生成回路33が、以下で説明するようにして各アドレスごとにデータ列を生成する動作を行うにあたり、内部のカウンタの値を初期値N0に設定する動作である。
ステップS105では、Nアドレスに記録すべき副データの値を判別する動作を行う。つまりこのステップS105の動作として、記録パルス生成回路33は、RAM32内にアドレス対応に格納される副データの値のうち、上記したカウンタの値に基づく該当アドレスに対応付けられた値の”0””1”を判別する。
副データの値が”1”であったと判別した場合、記録パルス生成回路33は、Nアドレス内の主データ中の所定長ランドについて、その偶数番目の中央部となる位置に”1”を挿入したデータ列を生成する(ステップS106)。
つまり、これによって1アドレスユニット分のチャンネルビット数によるデータ列として、上記のように偶数番目となる所定長ランドの中央部となるタイミングでのみ”1”となり、それ以外の符号がすべて”0”となるデータ列が生成される。
一方、副データの値が”0”であったと判別した場合、記録パルス生成回路33は、Nアドレス内の主データ中の所定長ランドについて、その奇数番目の中央部となる位置に”1”を挿入したデータ列を生成する(ステップS107)。つまり、これによって1アドレスユニット分のチャンネルビット数によるデータ列として、上記のように奇数番目の所定長ランドの中央部となるタイミングでのみ”1”となり、それ以外の符号がすべて”0”となるデータ列が生成される。
先の説明からも理解されるように、このようなデータ列の生成は、記録パルス生成回路33が、RAM32に各アドレス対応に格納される主データの内容に基づき、偶数番目或いは奇数番目の所定長ランドの特定、及びそのランドの中央部となるビット位置を特定することで行うことができる。
そして、このように1アドレスユニット分のデータ列を生成すると、記録パルス生成回路33は、アドレスが終了したか否かについて判別する(S108)。つまり、副データ記録対象区間内の全てのアドレスユニットについて上記データ列の生成が完了したか否かを判別するものである。このステップS108動作は、記録パルス生成回路33が先のステップS104にて初期値N0としたカウンタの値が予め設定された所定値に達したか否かについて判別することで行う。
カウンタの値が上記所定値に達していないとして否定結果が得られた場合は、アドレス値Nを1インクリメント(ステップS109)した後、先のステップS105に戻るようにされる。これによって副データ記録対象区間の全てのアドレスユニットについて上記データ列を生成する動作を行うようにされる。
ステップS108において、カウンタの値が上記所定値に達してアドレスが終了したとされた場合は、ステップS110において副データの記録が開始となる。
この副データの記録開始に応じては、先ず、第2記録層における副データ記録対象区間の先頭アドレスにシークする動作を行う(ステップS111)。このステップS111のシーク動作は、例えば副データ記録装置20の全体制御を行うコントローラが、予め定めれた第2記録層L1上の副データ記録対象区間のアドレス情報に基づいて必要な各部を制御することで行うことができる。
そして、このように副データ記録対象区間の先頭アドレスへのシーク動作が行われたことに応じて、副データ発生回路33は、先のステップS106、S107の動作によってアドレスユニットごとに生成したデータ列に基づく記録パルス信号Wrpを生成し、これをレーザパワー制御部34に対して出力する(ステップS112)。このデータ列に基づく記録パルス信号Wrpの生成は、再生される主データとの同期がとられるようにクロックCLKのタイミングに基づいて行う。
また、この記録パルス信号Wrpの出力は、アドレス検出回路30から供給されるアドレス情報として、上記記録対象区間の先頭アドレスの情報が供給されたことをトリガとして開始する。
上記のように記録パルス生成回路33にて上記データ列に基づいて生成される記録パルス信号Wrpとしては、図5に示したような然るべきタイミングでHレベルとなる信号が得られる。従ってこの記録パルス信号Wrpに基づいてレーザパワー制御部34がレーザダイオードLDのレーザ出力を再生パワーから記録パワーに制御することで、ディスクD2に対しては、入力された副データの値に応じた適正な位置にマークMを記録することができる。
また、この際、このようなマーク記録が行われる副データ記録対象区間としては、第2記録層L1上のアドレス区間が設定される。これによって副データとしてのマークMは、先の図1に示したようにして第2記録層L1の第2反射膜4上に対して形成されることになる。
なお、副データは外部から入力されるものとしたが、ディスクD2の装填ごとに新たなシリアル番号を生成する回路を設け、この回路から入力される識別情報に基づく副データをRAM32に格納する構成とすることもできる。
また、図示による説明は省略するが、記録される主データの内容が同一となる、同一タイトルによるディスクD2については、RAM32内に格納する主データは同一内容のままで副データの記録を行うことができるが、異なるタイトルのディスクD2について副データを記録するときは、RAM32内に格納される主データの内容をそのディスクD2に記録される主データの内容に応じて更新するものとすればよい。
続いては、これまでの説明のようにしてマークMの形成によって副データが追記される本実施の形態の光ディスク10について再生を行う再生装置50の構成について、次の図8のブロック図を参照して説明する。
なお、図8では、主に副データの再生に係る部分のみを抽出して示しており、主データの再生系の構成として特に2値化処理後段の復調系の構成については省略している。
この再生装置50において、光ディスク10は、図示されないターンテーブルに載置された状態でスピンドルモータ2によって所定の回転駆動方式に従って回転駆動される。この回転駆動される光ディスク10に対し、この場合も図示する光ピックアップOPが記録信号(主データ)の読み出しを行う。
なお、図示は省略したが、この場合の光ピックアップOPにおいても、レーザ光源となるレーザダイオード、レーザ光を光ディスク10の記録層に集光・照射するための対物レンズ、対物レンズをトラッキング方向及びフォーカス方向に変位可能に保持する2軸機構、光ディスク10からの上記レーザ光照射に基づく反射光を検出するフォトディテクタ等が備えられている。
また、確認のために述べておくと、再生装置50において光ディスク10に照射するレーザ光は記録パワーよりも相当に低い再生パワーによるものである。
上記光ピックアップOP内のフォトディテクタによって検出された反射光情報は、IV変換回路53にて電気信号に変換された後、マトリクス回路54に供給される。マトリクス回路54は、IV変換回路53からの反射光情報に基づいて再生信号RFを生成する。
また、図示はしていないが、このマトリクス回路54にて生成される信号としてはトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEもある。これらは図示されないサーボ回路に供給されてそれぞれトラッキングサーボ、フォーカスサーボ制御動作に用いられる。
マトリクス回路54にて生成された再生信号RFは、2値化回路55に供給されると共に、後述するA/Dコンバータ61に対しても分岐して供給される。
2値化回路55は、供給される再生信号RFを”0””1”の2値化データに変換する。そして、この2値化データをPLL回路58、同期検出回路59、アドレス検出回路60に対して供給する。
また、2値化データは後述する検出パルス生成部62内の検出パルス生成回路62aに対しても供給される。
PLL回路58は、供給される2値化データに同期したクロックCLKを生成し、これを必要な各部の動作クロックとして供給する。特に、この場合のクロックCLKは上記検出パルス生成回路62aに対しても供給される(図示せず)。
同期検出回路59は、供給される2値化データから先の図3に示したフレームごとに挿入されるsync部分を検出する。具体的には、この場合のsyncパターンとされる9T区間を検出してフレーム同期検出を行う。
フレーム同期信号はアドレス検出回路60を始めとした必要な各部に供給される。
アドレス検出回路60は、上記フレーム同期信号に基づき、供給される2値化データからアドレス情報の検出を行う。検出されたアドレス情報は当該再生装置50の全体制御を行う図示されないコントローラに供給されてシーク動作等に用いられる。また、このアドレス情報は、検出パルス生成部62内の検出パルス生成回路62aに対しても供給される。
なお、確認のために述べておくと、これまでに説明した光ピックアップOP、IV変換回路53、マトリクス回路54、2値化回路55、PLL回路58、同期検出回路59、アドレス検出回路60は、光ディスク10に対して記録された主データについての再生時にも用いられる部分である。つまりはこれらの各部は、副データの再生にあたり主データの再生系の構成を共用している部分である。
検出パルス生成部62は、副データとしての識別情報の再生にあたり、先の副データ記録装置20との間で共通となるようにして定められた、マークMの記録方法に応じた検出ポイントを示す検出パルス信号Dpを生成する。
この検出パルス生成部62内には、検出パルス生成回路62aとRAM62bとが備えられる。検出パルス生成回路62aは、RAM62bに格納した情報に基づいて上記検出パルスDpを生成する。そして、生成した検出パルス信号DpをA/Dコンバータ61に対して供給する。
A/Dコンバータ61にはマトリクス回路54からの再生信号RFが供給されている。このA/Dコンバータ61は、供給される再生信号RFを上記検出パルス信号Dpによって指示されるタイミングでサンプリングし、その値を副データ検出回路63に供給する。
副データ検出回路63は、A/Dコンバータ61から供給される値について所定演算を行って副データの各値を検出する。つまり、例えばこの場合は先に述べた「odd−even」に対応する演算を行った結果に基づいて副データの各値を検出することになる。
なお、これら検出パルス生成部62、A/Dコンバータ61、副データ検出回路63により行われる副データの値の検出動作については後述する。
副データ検出回路63にて検出された副データの値は、ECC(Error Correcting Code)回路64に供給される。
この場合の副データとしては、識別情報とエラー訂正符号を含むものである。このECC回路64では、副データ中の上記エラー訂正符号に基づきエラー訂正処理を行うことによって上記識別情報を再生する。
再生された識別情報は、図示するホストコンピュータ56に供給される。
ホストコンピュータ56は、当該再生装置50の全体制御を行う図示されないコントローラに対してコマンドの送出を行って各種の動作を指示する。例えば、光ディスク10に記録される主データの再生を指示するコマンドの送出を行う。これに応じて光ディスク10から再生された主データは、2値化回路55にて2値化された後に図示されない復調系にて復調(RLL1−7PP復調)やエラー訂正処理等が為されてこのホストコンピュータ56に供給されることになる。
また、このホストコンピュータ56に対しては、所要のネットワークを介したデータ通信を行うためのネットワークインタフェース57が備えられている。これによりホストコンピュータ56は例えばインターネット等の所定のネットワークを介した外部機器、特に図示する管理サーバ70との間でデータ通信が可能とされている。
上記構成による再生装置50において行われる副データの値の検出動作について、次の図9を参照して説明する。
図9では、光ディスク10上の1アドレスユニットに対し、副データの1ビットの値としてそれぞれ”0”が割り当てられた場合と”1”が割り当てられた場合とでのマークMの記録状態を示している。なお、この図では説明のため、主データとしてのピットとランドが同じパターンで形成された場合を示している。
先ず、先にも説明したように副データとしては、この場合は光ディスク10の第2記録層L1における所定の副データ記録対象区間において、各アドレスユニットごとにそれぞれ1ビットの情報を割り当てるようにして記録される。
また、符号の表現方法としては、この場合、所定長のランドのうち奇数番目にマークMを記録した場合は”0”、偶数番目にマークMを記録した場合は”1”を定義している。つまり、図示するようにして符号”0”のときは、そのアドレスユニット内では所定長のランドのうちの奇数番目にのみマークMが記録される。また、符号”1”のとき、そのアドレスユニット内では所定長のランドのうちの偶数番目にのみマークMが記録されたものとなる。
ここで、マークMが記録された部分では反射率が微少に低下する部分となるとすると、再生信号RFの波形としては、図示するようにしてマークMの記録された部分でそのレベルが微少に低下することになる。
副データの再生では、このようなマーク記録部分での微少な反射率の変化に基づき各値を判定する動作を行うことになる。
なお、先にも説明したように、副データの記録時において各マークMは所定長ランドの中央部に対して記録するようにされている。このようにランドの中央部にマークMが記録されることで、この図に示される再生信号RFの波形を参照してわかるように、マークMが記録されるランドではその中央部のみでレベルが低下するようにされてエッジ部分の波形は通常どおり得られる。このことで、先に述べたようにして主データの2値化に影響を与えないようにすることができる。
ここで、上記説明によれば、符号”0”のときは奇数番目の所定長ランドでのみ再生信号RFの値が微少に低下することになる。また、符号”1”のときは偶数番目の所定長ランドでのみ再生信号RFの値が微少に低下する。
従ってこの場合、各アドレスユニットに割り与えられた副データの各値を判定するにあたっては、そのアドレスユニット内の所定長ランドについて奇数番目と偶数番目のどちらの方で再生信号RFの値が低下しているかを検出すればよいことになる。
マーク記録部分での再生信号RFの値の低下は、例えばマーク未記録部分での再生信号RFの値からの差を求めることで検出できる。
この際、上述のようにして符号”0”のときは奇数番目のみ、符号”1”のときは偶数番目のみにマークMが記録されるということは、換言すれば、符号”0”のときは必ず偶数番目が未記録部分、”1”のときは奇数番目が必ず未記録部分となることがわかる。
このことから、隣合う奇数番目(odd)と偶数番目(even)について、「odd−even」による演算を行うことで、oddとevenのどちらで再生信号RFの値が低下している(マークMが記録されている)かを調べることができる。
具体的に、この「odd−even」が負の値であれば、奇数番目での再生信号RFの値が低下しているものであり、よって奇数番目にマークMが記録されていることがわかる。逆に「odd−even」が正の値であれば偶数番目の値の低下となり、偶数番目にマークMが記録されていることがわかる。
但し、実際において、再生信号RFにはノイズ成分が重畳される。上記もしているようにマーク記録部分での再生信号RFの値の低下は微少なものであり、このようなノイズ成分に埋もれる可能性もある。従って所定長ランドの隣り合う偶数番目の1組についてのみ上記「odd−even」による検出を行ったのでは確実に値を判定することが困難となる。
このため、副データの再生動作としては、上記のように隣り合う奇数番目と偶数番目の組ごとに算出した「odd−even」の値を積分し、この積分値に基づいてそのアドレスユニットに割り当てられた1ビットの値を判定するものとしている。このようにすることで、副データの値をより確実に検出することができる。
ところで、上記のような「odd−even」の算出のためには、oddとeven、すなわち奇数番目と偶数番目の双方の所定長ランドの中央部分で得られる再生信号RFの値をサンプリングする必要がある。この「odd−even」算出のためのサンプリングタイミングを指示するための信号として、図8に示した検出パルス生成部12は、図中検出パルス信号Dpを生成する。
ここで、上記のような「odd−even」算出のための検出パルス信号Dpとしては、図9を参照してわかるように、主データ中に得られる所定長ランドの中央部でのみHレベルとなる信号を生成すればよい。
そして、このような検出パルス信号Dpの生成にあたっては、先の副データ記録装置20の場合での記録パルス信号Wrpの生成と同様に、光ディスク10上の副データ記録対象区間において記録される主データの内容から該当するタイミングを生成すればよい。
但し、再生装置50としては、副データ記録装置20の場合のようにディスク製造側で使用されるものではないことから、光ディスク10に記録されている内容を予め装置内部に格納するということはできない。そこで再生装置50の場合は、装填された光ディスク10から副データ記録対象区間の主データを読み出し、これを装置内部に格納して上記検出パルス信号Dpの生成に用いるようにしている。
このように読み出された副データ記録対象区間の主データを格納するためのメモリとして、再生装置50では、図8に示した検出パルス生成部62内のRAM62bを設けている。そのデータ構造は、次の図10に示されるように、各アドレス対応に読み出された主データが格納されるものとなる。
検出パルス生成部62内の検出パルス生成回路62aでは、このようにRAM62bに格納される記録対象区間内の主データの内容に基づいて、先の記録パルス信号Wrp生成の場合と同様に、該当するタイミングでのみ”1”となりそれ以外が全て”0”となるデータ列を生成する。そして、このように生成したデータ列に基づく検出パルス信号Dpを生成してこれをA/Dコンバータ61に供給する。この検出パルス信号Dpにより指示されるタイミングでA/Dコンバータ61が再生信号RFの値をサンプリングすることで、先の図9に示したような適切なタイミングで再生信号RFの値をサンプリングすることができる。
続いて、次の図11のフローチャートにより、再生装置50において行われる副データ再生時のより詳細な動作について説明する。
先ずステップS201において光ディスク10が装填されると、ステップS202におて、光ディスク10上の副データ記録対象区間について、アドレスごとに主データを格納する動作を行う。
ここで、光ディスク10の装填に応じては、例えば図8に示したホストコンピュータ56の指示に応じて、予め副データ記録装置20との間で定められた副データ記録対象区間の先頭アドレスにシークして当該記録対象区間に記録される主データを読み出す動作が実行される。このように読み出される主データについて、図8に示した検出パルス生成回路62aは、2値化回路55から供給される2値化データを、アドレス検出回路60から供給されるアドレス情報に基づき各アドレスごとにRAM62b内に格納する。
ステップS203では、アドレス値Nを初期値N0に設定する。
このステップS203は、検出パルス生成回路62aが再生信号RFのサンプリングタイミングを示すデータ列を、次に説明するようにして各アドレスユニットごとに生成する動作を行うにあたり、内部のカウンタの値を初期値N0に設定する動作である。
ステップS204では、Nアドレス内の主データ中の所定長ランドについて、その中央部となる位置に”1”を挿入したデータ列を生成する。
このステップS204の動作は、検出パルス生成回路62aがRAM62b内に格納した主データの内容を参照して行う。つまり、検出パルス生成回路62aは、RAM62b内においてNアドレスに対応づけられて格納された主データについて、その中の所定長ランドの中央部となる位置のみが”1”となりそれ以外が全て”0”によるデータ列を生成する。例えばこの場合では、5Tのランドに対してマークMを記録するようにされているので、この5T区間の3番目となるビット位置のみが”1”となり、それ以外が全て”0”となるデータ列を生成すればよい。
このような動作により、Nアドレスのアドレスユニット内でのサンプリングポイントを示すデータ列が生成される。
そして、このように1アドレスユニット分のサンプリングポイントを示すデータ列を生成すると、検出パルス生成回路62aは、アドレスが終了したか否かについて判別を行う(S205)。つまり、副データ記録対象区間内の全てのアドレスユニットについて上記データ列の生成が完了したか否かを判別するものである。このステップS205動作は、検出パルス生成回路62aが先のステップS203にて初期値N0としたカウンタの値が予め設定された所定値に達したか否かについて判別することで行う。
カウンタの値が上記所定値に達していないとして否定結果が得られた場合は、アドレス値Nを1インクリメント(ステップS206)した後、ステップS204に戻るようにされる。これによって副データ記録対象区間の全てのアドレスユニットについて上記データ列を生成する動作を行うようにされる。
ステップS207において、カウンタの値が上記所定値に達してアドレスが終了したとされた場合は、ステップS208において副データの再生が開始となる。
この副データの再生開始に応じては第2記録層における副データ記録対象区間の先頭アドレスにシークする動作が行われる(ステップS209)。このステップS209のシーク動作は、例えば図8に示したホストコンピュータ56が予め定めれた第2記録層L1における副データ記録対象区間のアドレス情報に基づき、先に述べたコントローラ(図示せず)に対する指示を行うことで実現される。
そして、このように副データ記録対象区間の先頭アドレスへのシーク動作が行われたことに応じて、検出パルス生成回路62aは、先のステップS204の動作によってアドレスユニットごとに生成したデータ列に基づく検出パルス信号Dpを生成し、これをA/Dコンバータ61に対して出力する(ステップS209)。この生成データ列に基づく検出パルス信号Dpの生成は、再生される主データとの同期がとられるようにクロックCLKのタイミングに基づいて行う。
また、この検出パルス信号Dpの出力は、アドレス検出回路60から供給されるアドレス情報として、上記記録対象区間の先頭アドレスの情報が供給されたことをトリガとして開始する。
続くステップS210では、上記検出パルス信号Dpに基づいてサンプリングされた値について「odd−even」に基づく演算により副データの値を検出する動作を行う。
このステップS210の動作は、A/Dコンバータ61と副データ検出回路63によって行われる。
つまり、A/Dコンバータ61は、上記検出パルス生成回路62aから供給される検出パルス信号Dpにより指示されるタイミングでマトリクス回路54から供給される再生信号RFの値をサンプリングする。そしてその値を副データ検出回路63に出力する。
副データ検出回路63では、A/Dコンバータ61から供給される値について奇数番目に供給された値から偶数番目に供給された値を減算することで図9にて説明した「odd−even」の演算を行う。そしてこのように演算された「odd−even」の値を1アドレスユニットごとに積分し、この積分値に基づいて副データの値を検出する。
このように検出された副データの各値は、ECC回路64に供給され、この副データ中のエラー訂正符号に基づくエラー訂正処理が行われて識別情報が再生される。そして、再生された識別情報はホストコンピュータ56に供給され、著作権保護のための情報として使用されることになる。
なお、上記説明では、簡単のために副データとしてのマークMはそれぞれ隣接する所定長のランドの奇数番目と偶数番目とを1組として、何れにマークMを挿入するかによって符号”0””1”を表現するものとしたが、実際には、第3者によるこのような記録パターンの特定が困難となるように、例えばM系列乱数を用いる等他のアルゴリズムに基づいてマークMの挿入位置を決定することもできる。
この場合としても、副データ記録装置20と再生装置50側とで共通となるように、上記のような符号の表現方法、及び副データの1ビットに割り当てる区間についての規則が定められていれば、再生装置50において副データを適正に再生することができる。
また、上記説明では「odd−even」のようにマークMの記録部分(形成部分)とマークMの未記録部分(未形成部分)との減算結果に基づいて極性判別を行うものとしたが、マークMが形成されていない部分の再生信号レベルを或る値に固定とし、マーク記録部分での再生信号レベルとこの固定値との減算結果に基づいて極性を判別するように構成することもできる。なお、この場合の上記固定値は、マークMの記録対象とされたランド部分の長に応じて設定されるべきものとなる。
ここで、これまでの説明からも理解されるように、本実施の形態の光ディスク10において第2反射膜4に形成されるマークMは、ピットとランドの組み合わせにより記録される主データの再生に影響を与えないように記録することができる。このことから、主データについて再生するのみでは副データが再生されてしまわないようにすることができ、従ってこのような反射膜4上のマークMにより記録される副データが、光ディスク10から再生された主データをコピーすることによってそのままコピーされて海賊版ディスクが製造されしまうことを効果的に防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した実施の形態に限定されるべきものではない。
例えば実施の形態では、本発明の光ディスク記録媒体が、ピット転写基板1上の第1記録層を含めて記録層が2層のみ備えられる場合を例示したが、記録層を3層以上備えるように構成することもできる。
図12は、このように記録層を3層以上備える変形例としての光ディスク記録媒体の断面構造の一例を示した図である。
この図12の変形例では、記録層が3層備えられる場合を示している。すなわち、この場合は図1に示した光ディスク10の構成について、第2記録層L1を構成する第2反射膜4上に対し、さらに第3記録層L2を構成すべきピット面が形成されたピット転写中間層6を設け、このピット転写中間層6のピット面上に第3反射膜7を成膜するものとしている。そして、この第3反射膜7上にカバー層5を成膜するものとしている。
その上で、副データとしてのマークMは、ピット転写基板1上の第1記録層L0から最も遠くに位置する第3記録層L2上の第3反射膜7に対して形成するものとしている。
ここで、この図12の例のように記録層を3層以上として、基板1上に形成された第1記録層L0以外に記録層を複数設ける場合には、マークMを形成すべき記録層を選択することができる。上記のようにして第1記録層L0から最も遠い記録層(つまりレーザ光の入射側に最も近い記録層)における反射膜に対しマークMを形成すれば、マークMの形成に要するレーザパワーを最も低くすることができる。
なお、例えばこのようなレーザパワーの問題について考慮しないとした場合等には、第1記録層L0を除く他の記録層(この場合は第2記録層L1)に対してマークMを形成することもできる。
或いは、このようにして第1記録層L0以外の他の何れか1つの記録層の反射膜上に対してのみマークMを記録する以外にも、特に図12に示すように3層以上のディスクとする場合には、ピット転写基板上の第1記録層L0以外の他の複数の記録層を対象としてそれぞれマークMを形成するようにもできる。すなわち、この図12の例で言えば、第2記録層L1における第2反射膜4と第3記録層L2における第3反射膜7の双方に対してマークMを形成するといったものである。
なお、上記図12に示されるようにして記録層を3層以上とする光ディスクを製造するにあっては、先の図2に示した製造工程において、先ず原盤生成工程S13では追加する記録層の数の分だけ金属原盤を追加生成する。つまり図12の例に対応する場合には、さらに第3記録層L2に記録されるべき主データに応じてレーザ光照射によるピット形成を行った第3記録層用金属原盤を生成するといったものである。
さらに、ディスク生成工程S14では、各金属原盤をもとにスタンパを生成してピット転写基板1の生成→第1反射膜2の成膜→ピット転写中間層3の生成→第2反射膜4の成膜までは共通となるが、その後は、「ピット転写中間層としての変質性材料の塗布→その記録層用のスタンパを用いたピット面の形成(UV硬化材料の場合は紫外線照射による硬質化作業も含む)→ピット面上への反射膜の成膜」を、追加する記録層の数に応じた回数分行うようにされる。そして、その後にカバー層5の成膜を行うようにすればよい。
その上で、副データ追記工程S15においては、少なくともピット転写基板1上の第1記録層L0以外の他の記録層の反射膜上に対し、マークMを形成して副データを追記する。
特に、先の説明したように第1記録層L0から最も遠い記録層の反射膜上に対してマークMを形成するものとすれば、マークMの形成のためのレーザパワーは最も低く設定することができ、これによってレーザ発光素子の小型化(つまり副データ記録装置20の小型化)及びコスト削減が図られる。
また、実施の形態では、ピット転写中間層の材料として選定する変質性材料をレジンのようなUV硬化樹脂とする場合を例示したが、このようなピット転写中間層として用いるUV硬化樹脂としては、レジン以外の他のUV硬化可能な粘着材を選定することもできる。
また、本発明で言う変質性材料としては、このような樹脂によるものに限らず、他の材質に属するものを選定することもできる。また、変質性材料としては紫外線照射に応じて硬質化する材料(UV硬化材料)とする場合を例示したが、ピットパターンの転写ができる程度に軟質とされ且つ転写されたピットパターンの形状を保持できる程度に硬質となるように変質可能な材料とされれば、UV硬化材料以外の他の材料を使用することによっても、同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態では、光ディスク10が例えばブルーレイディスクに準拠した多層ROMディスクとされる場合を例示したが、本発明の光ディスク記録媒体としては、少なくともピット面が形成されたピット転写基板とこのピット転写基板のピット面上に成膜された反射膜とが備えられて第1の記録層が形成されると共に、その上層に対してピット面が形成された中間層とそのピット面上に反射膜が成膜されて他の記録層が形成された光ディスク記録媒体であれば、好適に適用することができる。
本発明の実施の形態としての光ディスク記録媒体の断面構図である。 実施の形態の光ディスク記録媒体の製造工程(製造方法)について説明するための図である。 実施の形態の光ディスク記録媒体に対して記録される主データのデータ構造について説明するためのデータ構造図である。 実施の形態の光ディスク記録媒体に対して副データを追記するための副データ記録装置の構成を示すブロック図である。 副データの記録形態について説明するための図である。 副データ記録装置内に格納されるべきデータ内容を示すデータ構造図である。 副データ記録装置が行う副データの記録動作について説明するためのフローチャートである。 実施の形態の光ディスク記録媒体に追記された副データの再生を行う再生装置の構成を示すブロック図である。 副データの再生動作について説明するための図である。 再生装置内に格納されるべきデータ内容を示すデータ構造図である。 再生装置が行う副データの再生動作について説明するためのフローチャートである。 変形例としての光ディスク記録媒体の断面構造図である。 マーク記録に伴い基板が変形する可能性があることについて説明するための図である。
符号の説明
1 光ディスク、2 第1反射膜、3、6 ピット転写中間層、4 第2反射膜、5 カバー層、6 第3反射膜、L0 第1記録層、L1 第2記録層、L2 第3記録層、M マーク、D2 主データ記録ディスク、20 主データ記録装置、21 スピンドルモータ、22 対物レンズ、23 IV変換回路、24 マトリクス回路、25 サーボ回路、26 2軸駆動回路、27 2値化回路、28 同期検出回路、29 PLL回路、30 アドレス検出回路、31 副データ発生回路、32 RAM、33 記録パルス生成回路、34 レーザパワー制御部

Claims (6)

  1. ピット面が形成されたピット転写基板と、上記ピット転写基板の上記ピット面上に成膜された反射膜とが備えられて第1の記録層が形成されると共に、
    上記第1の記録層における上記反射膜の上層においてピット面を形成するために設けられるものであってピットパターンを転写できる程度に軟質とされ且つ転写されたピットパターンの形状を保持できる程度に硬質となるように変質可能な変質性材料で構成されてピット面が形成されたピット転写中間層と、このピット転写中間層の上記ピット面に対して成膜される透過性を有する反射膜と、による組が少なくとも1組以上備えられることで、ピットにより情報が記録される記録層を2層以上備えるようにされた光ディスク記録媒体であって、
    上記第1の記録層以外の他の記録層における反射膜に対してのみレーザ光の照射に伴うマークが形成されている、
    ことを特徴とする光ディスク記録媒体。
  2. 上記ピット転写中間層は、紫外線硬化樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク記録媒体。
  3. 上記ピット転写中間層とそのピット面に対して成膜された反射膜とによる組が1組のみ備えられて、上記ピットにより情報が記録される記録層を2層のみ備えるようにされる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク記録媒体。
  4. 上記ピット転写中間層とそのピット面に対して成膜された反射膜とによる組が2組以上備えられて、上記ピットにより情報が記録される記録層を3層以上備えるようにされる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク記録媒体。
  5. 上記マークが、上記ピット転写中間層のピット面とそこに成膜された反射膜とにより形成される記録層のうち、上記第1の記録層から最も離れた記録層における反射膜上に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光ディスク記録媒体。
  6. ピット面が形成されたピット転写基板と、上記ピット転写基板の上記ピット面上に成膜された反射膜とが備えられて第1の記録層が形成されると共に、上記第1の記録層における上記反射膜の上層においてピット面を形成するために設けられるものであってピットパターンを転写できる程度に軟質とされ且つ転写されたピットパターンの形状を保持できる程度に硬質となるように変質可能な変質性材料で構成されてピット面が形成されたピット転写中間層と、このピット転写中間層の上記ピット面に対して成膜される透過性を有する反射膜と、による組が少なくとも1組以上備えられることで、ピットにより情報が記録される記録層を2層以上備えるようにされた光ディスク記録媒体を生成するディスク生成工程と、
    上記ディスク生成工程により生成した上記光ディスク記録媒体における上記第1の記録層以外の他の記録層に対してレーザ光の照射を行うことで、上記第1の記録層以外の他の記録層における反射膜に対してのみ上記レーザ光の照射に伴うマークを形成する情報追記工程と、
    を少なくとも備えることを特徴とする光ディスク製造方法。
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