JP2007239936A - 焼結動圧軸受の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】含浸樹脂の硬化に伴う収縮現象で生じる気孔内隙間をより縮小又は閉塞した焼結動圧軸受を少ない工程で、比較的容易に品質を保って安定製造可能にする。
【解決手段】多孔質焼結体の気孔中にアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを主成分とする嫌気性樹脂のモノマーを含浸させる樹脂含浸、多孔質焼結体に付着した余剰の樹脂を洗浄する余剰樹脂洗浄、樹脂洗浄後の多孔質焼結体を樹脂の硬化温度以上に保持して気孔内に含浸した前記嫌気性樹脂のモノマーを硬化させる樹脂硬化を順に行う樹脂封孔工程を有する焼結動圧軸受の製造方法において、前記樹脂封孔工程を複数回行うとともに、少なくとも最後の樹脂封孔工程における樹脂含浸操作を0.1〜1質量%の有機過酸化物を含有する嫌気性樹脂のモノマーを用いて行う。
【選択図】 なし
【解決手段】多孔質焼結体の気孔中にアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを主成分とする嫌気性樹脂のモノマーを含浸させる樹脂含浸、多孔質焼結体に付着した余剰の樹脂を洗浄する余剰樹脂洗浄、樹脂洗浄後の多孔質焼結体を樹脂の硬化温度以上に保持して気孔内に含浸した前記嫌気性樹脂のモノマーを硬化させる樹脂硬化を順に行う樹脂封孔工程を有する焼結動圧軸受の製造方法において、前記樹脂封孔工程を複数回行うとともに、少なくとも最後の樹脂封孔工程における樹脂含浸操作を0.1〜1質量%の有機過酸化物を含有する嫌気性樹脂のモノマーを用いて行う。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ディスク駆動用スピンドルモータ等に好適とされる焼結軸受のうち、特に、多孔質焼結体の気孔を封孔した焼結動圧軸受の製造方法に関するものである。
最近の情報機器用モータは、記録の高密度化や情報の高速処理の点から高回転精度や高速安定性とともに低騒音化、量産性、低コスト化などが要求されている。そのような要求性能は、シャフトを支持する軸受にも課され、軸受構造として例えば、焼結軸受が軸受面に各種の動圧発生用溝を設けたもの、更にハウジング内に固定されるとともに潤滑油を充填してシャフトの回転時に動圧発生用溝の作用によってシャフトを非接触支持するものが提供されている。
そのような焼結動圧軸受では、動圧作用をより高くするため軸受のうち軸受面等の気孔を封鎖したり少なくされる。この封孔処理としては、焼結動圧軸受を高密度に成形する方法以外に、軸受を各種ブラストやタンブラー処理で封孔したり、樹脂を焼結体の気孔内に含浸硬化して封孔する方法が採用される(特許文献1等)。また、樹脂を焼結体の気孔内に含浸硬化して封孔する方法は、樹脂含浸、余剰樹脂の除去、樹脂硬化の手順で行われ、有機モノマー型含浸剤、有機ポリマー型含浸剤、溶剤カット型含浸剤、水性エマルジョン型含浸剤が使用される(特許文献2等)。さらに、樹脂を焼結体の気孔内に含浸硬化して封孔した後、焼結体を金型に入れ圧力を加える塑性加工により樹脂の硬化収縮等に起因して生じる気孔内の隙間を縮小又は閉塞することも提案されている(特許文献3)。
上記した焼結動圧軸受を高密度に成形する方法は、原料粉末を圧縮成形する際の加圧力を大きくして行う関係で、成形体に蓄積する歪み量が大きく寸法精度が悪くなるという問題がある。この場合、再圧縮により寸法を矯正するにしても素材が高密度であるため変形し難く精度よく矯正しきれない。また、軸受を各種ブラストやタンブラー処理で封孔する方法は、情報機器に使用される動圧軸受の小型化に伴って、ブラスト等のメディアを軸受内部に供給しにくく、無理に供給すると焼結軸受の内径面および/または端面に形成した動圧溝の形状が損なわれるという問題がある。
これに対し、樹脂を用いて焼結体の気孔を封孔する方法は、上記したような問題がなく、また製造効率が他の封孔方法に比べて比較的良いが、樹脂の含浸量のばらつきとともに、気孔中に含浸された樹脂が硬化する際の収縮率の変動に起因して表面開口率または封孔度合を安定化し難い。この問題は、例えば、焼結動圧軸受を組み込んだ軸受ユニットに流体として潤滑油を供給する場合、封孔度合いがばらつくと焼結動圧軸受の油吸収量も部分的にばらつくこととなり、潤滑油が部分的に不足したり途切れ易くなるという最悪の事態を引き起こす。換言すると、焼結動圧軸受では、軸受表面の気孔に限らず軸受内部の気孔を含めた気孔全体に樹脂を含浸すれば、油吸収量の部分的なばらつきは抑えるられるが、樹脂硬化の際の収縮率つまり表面開口率の変動により油吸収量を安定化することはできない。
また、特許文献3の方法では、上記したような課題を克服するため樹脂の硬化収縮等に起因して生じる気孔内の隙間を塑性加工により封孔するが、新たに塑性加工が追加されることとなり製造費の増大は免れない。この対策としては、塑性加工という機械的な工程の追加を防ぐため樹脂含浸後の塑性加工工程と軸受面への動圧溝形成工程とを兼ねることも考えられる。しかし、その場合には、焼結体の気孔中で硬化した樹脂が焼結体の変形能を損なって精度良い動圧溝の形成が行えない。
本発明は以上のような課題を解消することを目的としている。具体的には、含浸樹脂の硬化に伴う収縮現象で生じる気孔内隙間をより縮小又は閉塞した焼結動圧軸受を少ない工程で、かつ比較的容易に品質を保って安定製造可能にする焼結動圧軸受の製造方法を提供することにある。
本発明に係る焼結動圧軸受の製造方法は、多孔質焼結体(例えば、気孔率が5〜20%のもの)の気孔中にアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを主成分とする嫌気性樹脂のモノマーを含浸させる樹脂含浸操作、多孔質焼結体の表面に付着した余剰の樹脂を洗浄する余剰樹脂洗浄操作、余剰樹脂洗浄後の多孔質焼結体を樹脂の硬化温度以上に保持して気孔内に含浸した前記嫌気性樹脂のモノマーを硬化させる樹脂硬化操作を順に行う樹脂封孔工程を有する焼結動圧軸受の製造方法において、前記樹脂封孔工程を複数回行うとともに、少なくとも最後の樹脂封孔工程における樹脂含浸操作を0.1〜1質量%の有機過酸化物を含有する嫌気性樹脂のモノマーを用いて行うことを特徴としている。
以上の発明方法において、嫌気性樹脂のモノマーは、空気(酸素を含む雰囲気)と遮断されると金属イオンの影響によって遊離基が形成され、それらの遊離基が自発的に重合開始して硬化する液状の樹脂ないしは接着剤であり、0.1〜1質量%有機酸化物を含有していると、空気遮断状態において、金属イオンと反応し易くなって多孔質焼結体の気孔中で活性に重合反応を生じる。
請求項1の発明では、樹脂硬化操作において樹脂が硬化収縮することで生じる隙間に、再度有機過酸化物を含有したモノマーを含浸するため、該モノマーが活性に重合して気孔を封孔するので、封孔が確実かつ安定に行える。そして、本発明により製造される焼結動圧軸受は、焼結体の気孔が完全に封孔されているので、流体として潤滑油等を用いる場合でも潤滑油の吸収量が極微量かつ吸収量のばらつきが安定しており、また使用時に動圧の抜けが全く生じないという優れた効果を有する。
請求項2の発明は、少なくとも最初の樹脂含浸操作に用いられる嫌気性樹脂のモノマーとして0.1〜0.5質量%のアゾ化合物を含有していると、重合反応が比較的高い温度で開始されるため含浸剤として多孔質焼結体の内部の気孔や気孔の奥深くまで進入されるようにする。換言すると、重合反応が低い温度で活性になるタイプだと、例えば、含浸操作の初期段階で気孔の入口側だけを封孔し気孔の内部まで進入不可能となるため、そのような不具合を解消する。
請求項3の発明は、最後の樹脂含浸操作で用いる含浸剤は重合反応が初期から活性になるよう成分調整したものであるため、複数回行う各樹脂封孔工程(樹脂含浸操作)に用いられる嫌気性樹脂のモノマーとして同じものを使用する場合、少なくとも最初の樹脂含浸操作では重合反応を抑制する条件下、つまり102〜103Paの減圧下で含浸を行うようにして多孔質焼結体の内部の気孔、気孔の奥深くまで進入し含浸されるようにする。
請求項4の発明は有機過酸化物の具体例を挙げたことに意義がある。請求項5の発明は、1質量%以下の有機金属化合物からなる硬化促進剤を含有していると、例えば、1回目の樹脂含浸操作で気孔表面が被覆されて金属イオンが届き難くなっているような場合にも確実に含浸硬化されるようにする。
請求項6の発明は、多孔質焼結体が20質量%以上のCuを含有していると、イオン化しやすいCuの存在で上記の重合反応を活性化でき、また、Cuの添加形態として3〜30質量%の銅箔粉が用いられていると気孔表面に露出するFeの割合が低下して、金属イオンを発生し易いCuの露出量が増加するため上記の重合反応をより活性化できる。請求項7の発明は、焼結動圧軸受が高品質化を図る上で樹脂封孔工程前に寸法調整再圧縮工程と動圧溝形成再圧縮工程を経ていることが好ましい点を明瞭化したことに意義がある。
本発明に係る焼結動圧軸受の製造方法は、多孔質焼結体の気孔中にメタクリレートを主成分とする嫌気性樹脂のモノマーを含浸させる樹脂含浸操作、多孔質焼結体の表面に付着した余剰の樹脂(液)を洗浄する余剰樹脂洗浄操作、余剰樹脂洗浄後の多孔質焼結体を樹脂の硬化温度以上に保って気孔内に含浸した前記嫌気性樹脂のモノマーを硬化させる樹脂硬化操作を順に行う樹脂封孔工程を有している。そして、要部は、樹脂封孔工程を2回行うとともに、2回目の樹脂封孔工程における樹脂含浸操作を0.1〜1質量%の有機過酸化物を含有する嫌気性樹脂のモノマーを用いて行うことである。
ここで、対象の焼結動圧軸受は、原料粉末を圧縮形成する圧粉工程、得られた圧粉体を焼結する焼結工程、得られた焼結体をサイジング等の塑性加工により設計軸受形状に形成する再圧縮工程などにより作製された後、本発明の樹脂封孔工程を経ることで気孔が封孔される。ここで気孔の封孔状態としては気孔の容積に対して樹脂が100%充填されていることが好ましいが、気孔の容積に対して90%以上であれば、潤滑油の吸収量が極微量かつ吸収量のばらつきが安定するので使用上問題ない。
前記樹脂封孔工程中、樹脂含浸操作では含浸剤として、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを主成分とする嫌気性樹脂のモノマーを用いる。アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを主成分とする樹脂は、潤滑油との反応性が低く、かつ適当な強度を有しているため、この樹脂で気孔を封孔した焼結動圧軸受を、潤滑油中で使用したとき、潤滑油と反応して潤滑特性を劣化させたり、樹脂が劣化して潤滑油中に剥離脱落することがないので好適である。アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを主成分とする嫌気性樹脂のモノマーとは、嫌気性樹脂のモノマーとして公知であるアクリル酸またはメタクリル酸エステル、具体的にはポリグリコールジメタクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタアクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸エステルを含有し、必要によりその他のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを含有するモノマーである。なお、本願においては、発明の効果を損なわない範囲でこれらのモノマー以外にも嫌気性樹脂の改質を目的とするその他のモノマーを含有していてもよい。
また、嫌気性樹脂は、一般に有機過酸化物として過酸化触媒を含有するもので、空気(酸素を含む雰囲気)が遮断された状態で過酸化触媒が金属イオンによって遊離基に変化し、その遊離基によってモノマーが高分子へ重合して、いわゆる交差連結した強固な高分子を形成するものである。一方、大気中では一定の酸素の供給により安定しているため遊離基が生成せず、重合反応は開始されない。このような嫌気性樹脂において過酸化触媒は、重合反応の開始剤として重要な意味を持つ。すなわち、含浸剤として嫌気性樹脂のモノマーを用いた場合は、過酸化触媒が金属イオンと反応し易いものであると、重合反応は活性に進行するが、金属イオンと反応し難いものであると重合反応は緩やかに進行することとなる。
また、樹脂含浸操作は真空含浸法にて行われる。具体的には、例えば、含浸槽内の嫌気性樹脂モノマー中に多孔質焼結体を浸漬し、含浸槽を減圧して多孔質焼結体の気孔中の空気を除去した後、大気圧まで復帰させてモノマーを気孔中に吸引により含浸させる方法、含浸槽内のステージ上に多孔質焼結体を載置した状態で、含浸槽内を減圧して多孔質焼結体の気孔中の空気を除去し、次いでステージごと降下させて含浸槽内の嫌気性樹脂モノマー中に多孔質焼結体を浸漬した後、大気圧まで復帰させてモノマーを気孔中に吸引により含浸させる方法などである。それらの真空含浸法では、大気圧まで復帰した後さらに加圧するようにしてもよい。
ところで、焼結動圧軸受の封孔状態は、多孔質焼結体の内部の気孔、気孔の奥側まで完全に樹脂で封孔されていることが好ましい。すなわち、表面部および表面近傍の気孔、気孔の入口側だけが封孔されている態様では、多孔質焼結体の内部の気孔、気孔の奥側は樹脂含浸操作において脱気されて減圧状態となっているため、前記封孔が使用中に破れた場合、気孔中に潤滑油が吸引されて流体潤滑に必要な潤滑油が不足したりなくなる虞がある。
したがって、樹脂含浸操作では、重合反応が瞬時に活性化されると、樹脂含浸の初期に表面部および表面近傍の気孔、気孔の入口側だけが封孔されて、含浸剤が多孔質焼結体の内部の気孔や気孔の奥側まで到達できなくなるため好ましくない。この点から、1回目の樹脂含浸操作に用いる含浸剤としては、従来より用いられているメタクリル酸エステルを主成分とし、0.1〜0.5質量%のアゾ化合物を含有する嫌気性樹脂のモノマーを用いて含浸することが好ましい。一例を挙げると、特許文献1に記載のヘンケル社製レジノール90Cは、メタクリル酸エステルを主成分とし過酸化触媒としてアゾ化合物(2,2−アゾビス)を含有する嫌気性樹脂で、重合反応は主に90℃以上の温度で開始されるので、多孔質焼結体の内部の気孔、気孔の奥側まで含浸する上で好適なものである。
ただし、このような重合反応を抑制した含浸剤では、余剰樹脂洗浄後の加熱硬化操作において、樹脂が重合収縮するため該収縮により生じる隙間の発生は避けられなくなる。この隙間は、樹脂含浸操作を複数回行うことで完全に充填することが可能であるが、含浸操作を多数回行うことは時間およびコスト増となる。
そこで、本発明の製造方法は、より少ない樹脂含浸操作で隙間を充填して気孔に対する樹脂の容積率が90%以上とするため、少なくとも最初の樹脂含浸操作では多孔質焼結体の気孔のうち焼結体の内部の気孔、気孔の奥側まで含浸剤をできるだけ進入充填する。同時に、加熱硬化で発生する隙間については、2回目以降の樹脂含浸操作で用いる含浸剤を、1回目の含浸剤と異なるものを用いたり、1回目の減圧等の含浸条件と異なる条件で含浸操作することで確実に封孔できるようにしたものである。換言すると、本発明の工夫点は、少なくとも最後の樹脂含浸操作に用いる含浸剤として、0.1〜1質量%の有機過酸化物を含有する嫌気性樹脂のモノマーを用いて行う構成にある。有機過酸化物は、過酸化触媒のうちでも金属イオンと反応し易いもので、多孔質焼結体の気孔中で重合反応を活性に生じて硬化するに好適なものである。
上記の重合反応を適正な範囲で行うためには、嫌気性樹脂に添加する有機過酸化物は0.1質量%以上とする必要がある。0.1質量%に満たないと、重合反応が充分活性に生じなく、気孔の再封孔が不十分となる。また、1.0質量%を超えて添加すると、上記の重合反応が活性になりすぎて多孔質焼結体表面で樹脂が固化して余剰の樹脂分の除去が難しくなる。
このような重合反応をより活性に行うため、有機過酸化物の中でもハイドロパーオキサイド類を用いることが好ましい。ハイドロパーオキサイド類には、t−ブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどがあり、これらを選択的に用いたり複数組み合わせて用いるようにしてもよい。
また、多孔質焼結体の素材構成からは次のような点が重要となる。多孔質焼結体としては20質量%以上のCuが含有されていると、上記の重合反応を活性に行うことができる。すなわち、Cuはイオン化しやすい元素であるため、上記の2回目の樹脂封孔工程(の樹脂硬化操作)における重合反応を活性に行うことができる。また、Cuの添加形態については、3〜30質量%の銅箔粉を用いることが推奨される。理由は、例えば鉄銅系の多孔質焼結体を製造する場合、原料粉末に3〜30質量%の銅箔粉を使用すると、銅箔粉が鉄粉表面に付着して鉄粉表面を覆う状態となる。このような原料粉末を圧粉成形、焼結して得られる多孔質焼結体では、気孔内壁に露出するFeの割合が大幅に低下して、金属イオンを発生し易いCuの露出量が増加するためCu含有量が少なくてもCuイオンの供給量を稼ぐことができ、上記の重合反応をより一層活性化できる。ただし、銅箔粉の使用は3質量%に満たないと鉄粉を被覆する効果に乏しく、逆に30質量%を超えて与えても鉄粉被覆の効果の向上がそれ以上は認められないばかりかコスト増の一因となる。このため、銅箔粉量は3〜30質量%が適正な範囲である。
1回目の樹脂含浸操作から、含浸剤として最後の樹脂含浸操作で用いるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを主成分とし0.1〜1質量%の有機過酸化物を含有する嫌気性樹脂のモノマーを用いることができる。この場合は、気孔を封孔する樹脂が同一成分となるため樹脂の強度が異なる成分を含浸する場合より接着性が向上するため好ましい。ただし、最後の樹脂含浸操作で用いる含浸剤は、重合反応が活性になるよう成分調整したものであるため、1回目の樹脂含浸操作で用いる場合は、重合反応を抑制する条件下で含浸を行って、多孔質焼結体の内部の気孔、気孔の奥側まで含浸剤を進入充填しなければならない。重合反応の抑制は次のような方法で制御することが好ましい。すなわち、上記のように嫌気性樹脂は、外部の酸素が遮断された状態で、有機過酸化物(過酸化触媒)の酸素が金属イオンによって遊離基に変化することで重合反応が開始されるから、外部酸素の量を増加させれば重合反応を抑制することができる。具体的には、樹脂含浸操作における減圧を102〜103Paの条件として、含浸槽内の酸素をある程度の量を残存させることで、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを主成分とし0.1〜1質量%の有機過酸化物を含有する嫌気性樹脂のモノマーを用いても、多孔質焼結体の内部の気孔、気孔の奥側まで含浸剤を確実に進入充填することが可能となる。なお、最後の樹脂含浸操作においては、重合反応を活性に行って隙間を封孔しなければならないため、102Paより低い減圧下で行う必要がある。
樹脂含浸後は余剰樹脂洗浄操作にて表面に付着している余剰の樹脂を洗浄して除去し、その後、樹脂硬化操作により樹脂含浸した多孔質焼結体を加熱することで含浸した樹脂を重合して硬化する。このとき、最後の樹脂含浸操作においては、それ以前の樹脂含浸操作において生じた隙間を封孔しなくてはならないが、有機過酸化物を含有した嫌気性樹脂のモノマーを用いると、重合反応が活性に行えるため、樹脂硬化のための加熱温度を低くしてもよく、室温から加熱温度まで昇温する間の樹脂の熱膨張に伴う未硬化モノマーの吹き出しが少なくなるという利点も有する。
また、樹脂含浸操作に用いる含浸剤としては、一般の嫌気性樹脂で用いられているような1質量%以下の有機金属化合物からなる硬化促進剤を併用してもよい。特に、最後の樹脂含浸操作では、気孔内壁の大部分がそれ以前の樹脂含浸操作において被覆され金属イオンが届き難くなっているため有機金属化合物からなる硬化促進剤の使用が推奨される。ただし、過剰な有機金属化合物の添加は上記のモノマー含浸時の重合反応を過剰に引き起こすため、その添加は1質量%以下にするべきである。用いられる有機金属化合物としては、ジメチル銅酸リチウム、ジアセチルアセトン銅、炭化カルシウム、フェニルリチウム等が挙げられる。なお本発明においては発明の効果を損なわない範囲で、これ以外に有機および/または無機充填剤、粘度調節剤、安定剤等を配合することができる。
以上の樹脂含浸操作は、例えば、動圧溝を圧粉成形時に形成して、後に寸法調整および動圧溝形成の再圧縮工程を行わない場合は焼結工程の後に行えばよいが、焼結工程の後に再圧縮工程を行う場合には多孔質焼結体の気孔中で硬化した樹脂が焼結体の変形能を低下させて、精度よく調製し難くなることから、樹脂含浸操作は寸法調整および動圧溝形成の各再圧縮工程の後に行う必要がある。
なお、余剰樹脂洗浄操作では余剰の樹脂が完全に除去されるが、極微量の余剰樹脂が残留する場合には、樹脂含浸操作の後に、メディアとしてφ0.1〜1.0mm程度、好ましくは0.1〜0.6mm程度のステンレスピンを用いて磁気バレルないしは電磁バレル加工によって軸受表面を機械的に打撃することで残余の樹脂を完全に除去することが好ましい。
以上の焼結動圧軸受の製造方法により得られる焼結動圧軸受は、内部の気孔、気孔の奥から入口まで全ての気孔空間にアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを主成分とする嫌気性樹脂のポリマーが完全に含浸硬化されているため、例えば、軸受ユニットに組み込まれて流体として潤滑油を供給する場合にも、動圧の抜けおよび潤滑油の吸収がない優れたものとなる。
実施例では、原料粉末として、鉄粉、電解銅粉、銅箔粉、錫粉、黒鉛粉を用意し、表1に示す配合割合で添加混合して原料粉末を調整した後、内径2.5mm、外径7mm、高さ5mmの軸受形状に密度比85%になるよう圧粉成形し、アンモニア分解ガス雰囲気中770℃で30分保持して焼結を行った。次いで、その焼結体は、寸法調整を目的とした再圧縮工程と、軸受内径面に5つの円弧状の動圧形状を付与する動圧溝形成再圧縮工程とを行い、合計、55個の多孔質焼結体を作製した。
嫌気性樹脂として特許文献1に記載されているポリグリコールジメタクリレートを主成分とし、過酸化触媒としてアゾ化合物(2,2−アゾビス)を0.3質量%含有するヘンケル社製レジノール90C(商品名)を用意した(以下、嫌気性樹脂1と称す)。また、嫌気性樹脂としてポリグリコールジメタクリレートを主成分とし、過酸化触媒としてキュメンハイドロパーオキサイドを0.8質量%含有するヘンケル社製PMS−50E(商品名)を用意した(以下、嫌気性樹脂2と称す)。
上記により作製した55個の多孔質焼結体につき、表2に示す嫌気性樹脂および減圧圧力の組み合わせで各11個ずつ樹脂封孔工程を行い試料A〜Eを作製した。なお、樹脂封孔工程は次のような手順で行った。すなわち、樹脂含浸操作では、含浸槽内のステージ上に多孔質焼結体を載置して含浸槽内を減圧し多孔質焼結体の気孔中の空気を除去してから、ステージを降下させて含浸槽内の嫌気性樹脂モノマー中にステージ上の多孔質焼結体を浸漬した後、加圧してモノマーを気孔中に吸引することで含浸を行った。樹脂含浸の後は、多孔質焼結体の表面に付着した余剰の樹脂液を洗浄し、その後、嫌気性樹脂1については90℃、嫌気性樹脂2については50℃(いずれもメーカ推奨温度)の温水中に保持して気孔内に含浸した前記嫌気性樹脂のモノマーを硬化させた。
作製した各試料から組織観察用に各々1個の試料について切断、研磨して断面の封孔状態を表層部および内部について顕微鏡により観察した。その結果を表2の「封孔状態」の欄に示す。なお、この観察結果は、顕微鏡観察により樹脂による封孔が確認された場合「○」、樹脂が存在しない場合「×」と記した。
また、各試料の残余の各10個の試料について重量を測定し、その後、ビーカーに満たした潤滑油中に浸漬し5Paに減圧してから大気圧に復帰した後、重量を再び測定し、試験前後における各試料の重量の差(潤滑油の吸収の有無)を調べる潤滑油吸収試験を繰り返し行った。繰り返し回数5回の試験で重量の増加(潤滑油の吸収)が認められない場合は、さらに5回繰り返して試験を行い(計10回)、同様に重量の増加の有無について調べた。このときの試験結果について、10個の試料について潤滑油の吸収(重量の増加)が認められた場合「×」、数個について潤滑油の吸収が認められた場合「△」、全く重量の増加が認めらない場合「○」と評価して表2の「油吸収の有無」の欄に記載した。
表2より、1回目の樹脂封孔工程において、過酸化触媒としてアゾ化合物を含有する嫌気性樹脂1を用いた試料(試料A〜C)はいずれも多孔質焼結体の内部の気孔まで樹脂が含浸され封孔されていることが確認された。一方、過酸化触媒として有機過酸化物を含有する嫌気性樹脂2を用い、50Paの減圧条件で樹脂封孔工程を行った試料Dは重合反応が含浸初期より活性に生じて表面部の気孔が初期段階で封孔されて、多孔質焼結体の内部の気孔まで樹脂が含浸されないことが確認された。ただし、同じ嫌気性樹脂2でも、減圧圧力が200Paの条件下で樹脂封孔工程を行った試料Eでは、酸素分圧の増加により重合反応が抑制されて、多孔質焼結体の内部の気孔まで樹脂を充填できていることが確認された。
表2より、嫌気性樹脂1を用いて樹脂封孔工程を1回だけ行った試料A(従来例)では、潤滑油吸収試験を5回行った段階で、10個の全数について潤滑油の吸収が確認され、顕微鏡観察の結果ではわからなかったものの、気孔と樹脂の間に隙間が発生していることが確認された。また、嫌気性樹脂1を用いて樹脂封孔工程を2回行った試料Bについても、5回の潤滑油吸収試験を行った後に潤滑油の吸収が認められ、1回目の封孔工程において発生した隙間を2回目の樹脂封孔工程において完全に封孔できない場合があることが確認された。さらに、嫌気性樹脂2を用いて樹脂封孔工程を1回だけ行った試料Dでは、5回目の潤滑油吸収試験では潤滑油の吸収が確認されなかったが、10回の潤滑油吸収試験の後では、1個の試料について潤滑油の吸収が認められ、封孔状態の安定性については問題があることが確認された。一方、2回目の樹脂封孔工程を嫌気性樹脂2を用いて行った試料C、Eでは、10回の潤滑油吸収試験を繰り返しても潤滑油の吸収が確認されず、良好かつ安定な封孔状態であることが確認された。以上より、2回の樹脂封孔工程のみで多孔質焼結体の気孔の封孔を行う場合、2回目の樹脂含浸操作を有機過酸化物を含有する嫌気性樹脂のモノマーを用いて行うと、気孔の封孔が確実かつ安定に行えることが確認された。
Claims (7)
- 多孔質焼結体の気孔中にアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを主成分とする嫌気性樹脂のモノマーを含浸させる樹脂含浸操作、多孔質焼結体の表面に付着した余剰の樹脂を洗浄する余剰樹脂洗浄操作、余剰樹脂洗浄後の多孔質焼結体を樹脂の硬化温度以上に保持して気孔内に含浸した前記嫌気性樹脂のモノマーを硬化させる樹脂硬化操作を順に行う樹脂封孔工程を有する焼結動圧軸受の製造方法において、
前記樹脂封孔工程を複数回行うとともに、少なくとも最後の樹脂封孔工程における樹脂含浸操作を0.1〜1質量%の有機過酸化物を含有する嫌気性樹脂のモノマーを用いて行うことを特徴とする焼結動圧軸受の製造方法。 - 少なくとも最初の樹脂封孔工程における樹脂含浸操作を0.1〜0.5質量%のアゾ化合物を含有する嫌気性樹脂のモノマーを用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の焼結動圧軸受の製造方法。
- 1回目の樹脂封孔工程における樹脂含浸操作を0.1〜1質量%の有機過酸化物を含有する嫌気性樹脂のモノマーを用い、102〜103Paに減圧して行うことを特徴とする請求項1に記載の焼結動圧軸受の製造方法。
- 前記有機過酸化物が、t−ブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドのうち少なくとも1種のハイドロパーオキサイド類であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の焼結動圧軸受の製造方法。
- 前記メタクリレートを主成分とする嫌気性樹脂のモノマーが1質量%以下の有機金属化合物からなる硬化促進剤を含有していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の焼結動圧軸受の製造方法。
- 前記多孔質焼結体は、銅鉄系からなるとともに、原料粉末が3〜30質量%の銅箔粉を含有したもので作製されて、Cu含有量が20質量%以上になっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の焼結動圧軸受の製造方法。
- 前記多孔質焼結体は、樹脂封孔工程の前に、多孔質焼結体の寸法を調整する寸法調整再圧縮工程と、多孔質焼結体の内径面および/または端面に塑性加工によって動圧発生用の溝を設ける動圧溝形成再圧縮工程とが施されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の焼結動圧軸受の製造方法。
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