JP2007239136A - 分割型複合短繊維及び短繊維不織布 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリアミド系重合体Aとポリエステル系重合体Bの2成分からなる分割型複合繊維であって、繊維の長手方向に対して垂直に切断した断面において、一方の重合体の周囲に接して他方の重合体が複数配列された形状を呈しており、空気攪拌分割率が65%以上であり、繊維長が1.0〜30mm、単糸繊度が0.5〜20dtexである不織布用分割型複合短繊維。
【選択図】図1
Description
(ア)ポリアミド系重合体Aとポリエステル系重合体Bの2成分からなる分割型複合繊維であって、繊維の長手方向に対して垂直に切断した単糸の断面形状において、ポリエステル系重合体の周囲に接してポリアミド系重合体が複数個配列された形状を呈しており、空気攪拌分割率が65%以上であり、繊維長が1.0〜30mm、単糸繊度が0.5〜20dtexであることを特徴とする分割型複合短繊維。
(イ)(ア)記載の分割型分割型複合短繊維を40質量%以上含有してなることを特徴とする短繊維不織布。
空気攪拌分割率(%)=(分割された重合体Aの数/分割前の重合体Aの配列数)×100
例:図5の模式図において、分割された重合体Aの数=9、分割前の重合体Aの配列数=12、分割率(%)=(9/12)×100=75
(1)式:0.01T+0.10≦H/L≦0.02T+0.25
Tは単糸繊度のデシテックス(dtex)数
(1)式:0.01T+0.10≦H/L≦0.02T+0.25
(1)融点
示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC7)を用い、昇温速度20℃/分で測定した融解吸収曲線の極値を与える温度を融点とした。
(2)流動開始温度
フロテスター(島津製作所CFT−500型)を用い、荷重100Kgf/cm2、ノズル径0.5mmの条件で、初期温度50℃より10℃/分の割合で昇温していき、ポリマーがダイから流出し始める温度として求めた。
(3)相対粘度(ポリアミド)
96%硫酸を溶媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定した。
(4)相対粘度(ポリエステル)
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、温度20℃で測定した。
(5)繊度、繊維長、捲縮部のH/L、捲縮数、捲縮率
前記の方法で測定、算出した。
(6)空気攪拌分割率
前記の方法で測定、算出した。
(7)繊維塊の生成
得られた複合短繊維を上記空気攪拌分割率と同様の条件、方法で空気攪拌する。攪拌後の短繊維を取り出す際に短繊維を0.1g採取し、黒色紙の上に広げ、繊維塊の有無を目視にて評価した。
○:繊維塊が発生していない
△:繊維塊が少量発生している
×:繊維塊が大量発生している
(8)不織布の均一性、通気度、柔軟性
−均一性−
得られた乾式不織布の均一性の状態を目視にて観察し、以下のように3段階評価とした。
○:十分に解繊されて均一である
△:部分的に未解繊な部分がある
×:解繊が不十分で不均一である
−通気度−
得られた乾式不織布を、織物通気度試験機(大栄科学精器製作所製AP−360型)を用いて通気度を測定し、5点の平均値により以下のように3段階評価とした。
分割前の繊度が2.2dtexの場合
○:通気度が20.0cc/cm2/sec未満である。
△:通気度が20.0cc/cm2/sec以上、30.0cc/cm2/sec未満である。
×:通気度が30.0cc/cm2/sec以上である。
分割前の繊度が17dtexの場合
○:通気度が30.0cc/cm2/sec未満である。
△:通気度が30.0cc/cm2/sec以上、40.0cc/cm2/sec未満である。
×:通気度が40.0cc/cm2/sec以上である。
−柔軟性−
得られた乾式不織布を20cm×20cmに切り出してサンプルとし、パネラーによる感触で柔軟性を以下のように3段階評価とした。
○:良好
△:やや不良
×:不良
融点が216℃、相対粘度2.53のナイロン6を重合体Aとし、流動開始温度130℃、相対粘度が1.38のイソフタル酸を33mol%共重合したPETを重合体Bとし、これらを通常の複合溶融紡糸装置を用い、紡糸温度280℃、吐出量624g/min(ナイロン468g/min、ポリエステル152g/min)、紡糸速度800m/minの条件で溶融紡糸を行った。このとき、図1に示すような断面形状の繊維となるように複合紡糸を行い(紡糸孔数1014個の紡糸口金を使用)、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を11.5ktexのトウに集束した後、延伸倍率3.50倍、延伸温度50℃で延伸を行った。続いて押し込み式クリンパーで捲縮付与条件をニップ圧0.41MPa、スタフィング圧0.13MPaとして、捲縮を付与した。その後、仕上げ油剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする油剤を付着量0.2質量%となるように付与した後、切断して単糸繊度2.2dtex、繊維長5mmの複合短繊維を得た。
得られた複合短繊維のみを用い、図7、図8に示す簡易空気流撹拌試験機と簡易エアレイド試験機を用い、以下のようにして目付100g/m2の乾式不織布を得た。
まず、図7に示す簡易空気流撹拌試験機を用い、得られた複合短繊維のみをサンプル送り込み用ブロア3から空気流にて撹拌タンク1に投入し、撹拌用ブロア2から20m/秒の空気流を吹き込み、攪拌タンク1内で1分間撹拌(予備開繊)した。
次に、図8に示す簡易エアレイド試験機を用い、試料投入ブロア13より予備開繊した複合短繊維を投入し、解繊翼回転モータ15により解繊翼回転用スプロケット16を介して回転する、それぞれ5枚1組の第1解繊翼11と第2解繊翼12で解繊し、飛散落下させた。これにより、複合短繊維は重合体Aからなるポリアミド短繊維と重合体Bからなるポリエステル短繊維に分割された。そして、落下する短繊維を、下部にあるサクションボックス14で吸引しつつ、矢印方向に移動する集綿コンベア17の上に堆積させウェブを作製した。続いて、下流にある熱処理機18にて熱処理(熱処理温度:140℃)を施し、重合体Bからなるポリエステル短繊維をバインダー繊維として溶融させて、重合体Aからなるポリアミド短繊維を主体繊維とする乾式不織布を得た。このとき、不織布の目付調整は、集綿コンベア17の移動速度を変化させることで行った。
単糸の断面形状が表1に示すように図2、図4の形状となるように、それぞれ紡糸口金を変更した以外は、実施例1と同様に行って複合短繊維を得た。
次に、得られた複合短繊維を用い、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
押し込み式クリンパーで捲縮を付与する条件(ニップ圧、スタフィング圧)を表1に示すように種々変更し、表1に示す捲縮形態、捲縮数、捲縮率のものとした以外は、実施例1と同様に行って複合短繊維を得た。
次に、得られた複合短繊維を用い、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
融点が257℃、相対粘度2.50のナイロン66を重合体Aとし、流動開始温度130℃、相対粘度が1.38のイソフタル酸を33mol%共重合したPETを重合体Bとし、これらを通常の複合溶融紡糸装置を用い、紡糸温度290℃、吐出量660g/min(ナイロン495g/min、ポリエステル165g/min)、紡糸速度800m/minの条件で溶融紡糸を行った。このとき、図1に示すような断面形状の繊維となるように複合紡糸を行い(紡糸孔数1014個の紡糸口金を使用)、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を12.0ktexのトウに集束した後、延伸倍率3.70倍、延伸温度50℃で延伸を行った。続いて、押し込み式クリンパーで捲縮付与条件をニップ圧0.41MPa、スタフィング圧0.15MPaとして、捲縮を付与した。その後、仕上げ油剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、切断して単糸繊度2.2dtex、繊維長5mmの複合短繊維を得た。
次に、得られた複合短繊維を用い、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
単糸の断面形状が表1に示すように、図4に示す形状となるように紡糸口金を変更した以外は、実施例15と同様に行って複合短繊維を得た。
次に、得られた複合短繊維を用い、実施例15と同様にして乾式不織布を得た。
実施例1と同様のナイロン6を重合体Aとし、実施例1と同様のポリエステルを重合体Bとし、これらを通常の複合溶融紡糸装置を用い、紡糸温度280℃、吐出量432g/min(ナイロン324g/min、ポリエステル108g/min)、紡糸速度700m/minの条件で溶融紡糸を行った。このとき、図1に示すような断面形状の繊維となるように複合紡糸を行い(紡糸孔数90個の紡糸口金を使用)、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を12.4ktexのトウに集束した後、延伸倍率4.03倍、延伸温度55℃で延伸を行った。続いて、押し込み式クリンパーで捲縮付与条件をニップ圧0.52MPa、スタフィング圧0.23MPaとして、捲縮を付与した。その後、仕上げ油剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、切断して単糸繊度17.0dtex、繊維長5mmの複合短繊維を得た。
次に、得られた複合短繊維を用い、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
単糸の断面形状が表1に示すように図2、図4に示す形状となるように、それぞれ紡糸口金を変更した以外は、実施例16と同様に行って複合短繊維を得た。
次に、得られた複合短繊維を用い、実施例16と同様にして乾式不織布を得た。
押し込み式クリンパーで捲縮を付与する条件(ニップ圧、スタフィング圧)を表1に示すように種々変更し、表1に示す捲縮形態、捲縮数、捲縮率のものとした以外は、実施例16と同様に行って複合短繊維を得た。
次に、得られた複合短繊維を用い、実施例16と同様にして乾式不織布を得た。
実施例15と同様のナイロン66を重合体Aとし、実施例1と同様のポリエステルを重合体Bとし、これらを通常の複合溶融紡糸装置を用い、紡糸温度290℃、吐出量456g/min(ナイロン342g/min、ポリエステル114g/min)、紡糸速度700m/minの条件で溶融紡糸を行った。このとき、このとき、図1に示すような断面形状の繊維となるように複合紡糸を行い(紡糸孔数90個の紡糸口金を使用)、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を12.4ktexのトウに集束した後、延伸倍率4.26倍、延伸温度55℃で延伸を行った。続いて、押し込み式クリンパーで捲縮付与条件をニップ圧0.52MPa、スタフィング圧0.26MPaとして、捲縮を付与した。その後、仕上げ油剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、切断して単糸繊度17dtex、繊維長5mmの複合短繊維を得た。
次に、得られた複合短繊維を用い、実施例16と同様にして乾式不織布を得た。
繊維の断面形状が表1に示すように図4に示す形状となるように、紡糸口金を変更した以外は、実施例30と同様に行って複合短繊維を得た。
次に、得られた複合短繊維を用い、実施例30と同様にして乾式不織布を得た。
切断時の繊維長を変更し、表1に示す繊維長とした以外は、実施例1と同様に行って複合短繊維を得、さらに実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
実施例1と同様のナイロン6を重合体Aとし、実施例1と同様のポリエステルを重合体Bとし、これらを通常の複合溶融紡糸装置を用い、紡糸温度280℃、吐出量268g/min(ナイロン201g/min、ポリエステル67g/min)、紡糸速度1200m/minの条件で溶融紡糸を行った。このとき、図1に示すような断面形状の繊維となるように複合紡糸を行い(紡糸孔数2000個の紡糸口金を使用)、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を11.8ktexのトウに集束した後、延伸倍率2.79倍、延伸温度50℃で延伸を行った。続いて押し込み式クリンパーで捲縮付与条件をニップ圧0.32MPa、スタフィング圧0.10MPaとして、捲縮を付与した。その後、仕上げ油剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする油剤を付着量0.2質量%となるように付与した後、切断して単糸繊度0.4dtex、繊維長5mmの複合短繊維を得た。
次に、得られた複合短繊維を用い、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
実施例1と同様のナイロン6を重合体Aとし、実施例1と同様のポリエステルを重合体Bとし、これらを通常の複合溶融紡糸装置を用い、紡糸温度280℃、吐出量528g/min(ナイロン396g/min、ポリエチレン132g/min)、紡糸速度600m/minの条件で溶融紡糸を行った。このとき、図1に示すような断面形状の繊維となるように複合紡糸を行い(紡糸孔数90個の紡糸口金を使用)、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を12.4ktexのトウに集束した後、延伸倍率4.42倍、延伸温度55℃で延伸を行った。続いて、押し込み式クリンパーで捲縮付与条件をニップ圧0.58MPa、スタフィング圧0.30MPaとして、捲縮を付与した。その後、仕上げ油剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、切断して単糸繊度22dtex、繊維長5mmの複合短繊維を得た。
次に、得られた複合短繊維を用い、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。
融点が216℃、相対粘度2.52のナイロン6を、通常の溶融紡糸装置を用い、紡糸温度270℃、吐出量404g/min、紡糸速度1000m/minの条件で溶融紡糸を行った。このとき、丸型断面形状となるように、紡糸孔数518個の紡糸口金を使用し、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を12.3ktexのトウに集束した後、延伸倍率3.55倍、延伸温度50℃で延伸を行った。続いて、押し込み式クリンパーで捲縮付与条件をニップ圧0.43MPa、スタフィング圧0.15MPaとして捲縮を付与した。その後、仕上げ油剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする油剤を0.2質量%の付着量となるように付与した後、切断して単糸繊度2.2dtex、繊維長5mmの短繊維を得た。
実施例1の分割型複合短繊維と、他の繊維として先に示した参考例1の短繊維を用い、これらの質量比(実施例1の分割型複合短繊維/参考例1の短繊維)を表2に示すように種々変更し、両繊維を図7に示す簡易空気流撹拌試験機に投入し、実施例1と同様にして乾式不織布を得た。このとき、不織布を構成する主体繊維は、重合体Aからなるポリアミド短繊維と参考例1の短繊維であり、バインダー繊維は、重合体Bからなるポリエステル短繊維であった。
実施例16の分割型複合短繊維と、他の繊維として参考例1の短繊維を用い、これらの質量比(実施例1の分割型複合短繊維/参考例1の短繊維)を表2に示すように種々変更し、両繊維を図7に示す簡易空気流撹拌試験機に投入し、実施例16と同様にして乾式不織布を得た。このとき、不織布を構成する主体繊維は、重合体Aからなるポリアミド短繊維と参考例1の短繊維であり、バインダー繊維は、重合体Bからなるポリエステル短繊維であった。
Claims (6)
- ポリアミド系重合体Aとポリエステル系重合体Bの2成分からなる分割型複合繊維であって、繊維の長手方向に対して垂直に切断した単糸の断面形状において、ポリエステル系重合体Bの周囲に接してポリアミド系重合体Aが複数個配列された形状を呈しており、空気攪拌分割率が65%以上であり、繊維長が1.0〜30mm、単糸繊度が0.5〜20dtexであることを特徴とする分割型複合短繊維。
- 捲縮が付与されており、単糸の捲縮形態が捲縮部の最大山部において、山部の頂点と隣接する谷部の底点2点を結んだ三角形の高さ(H)と底辺(L)の比(H/L)が下記(1)式を満足する請求項1記載の分割型複合短繊維。
(1)式:0.01T+0.10≦H/L≦0.02T+0.25
Tは単糸繊度のデシテックス(dtex)数 - 捲縮数と捲縮率が下記(2)及び(3)式を同時に満足する請求項1〜2のいずれかに記載の分割型複合短繊維。
(2)式:0.1T+3.8≦捲縮数≦0.3T+7.3
(3)式:0.8T+0.3≦捲縮率≦1.0T+4.9
ただし、捲縮数は繊維長25mm当たりの数、Tは単糸繊度のデシテックス(dtex)数 - ポリアミド系重合体の融点が200℃以上である請求項1〜3のいずれかに記載の分割型複合短繊維。
- ポリエステル系重合体の融点又は流動開始温度が、ポリアミド系重合体の融点よりも50〜150℃低いものである、請求項1〜4のいずれかに記載の分割型複合短繊維。
- 請求項1〜5いずれかに記載の分割型複合短繊維を40質量%以上含有してなることを特徴とする短繊維不織布。
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