JP2007238726A - 黒色インク組成物、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents

黒色インク組成物、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は上記従来のインク組成物が有する問題点を解消し、インクジェット記録方法により印字された印刷物のブロンズ現象の発生を抑制したインク組成物を提供すること。
【解決手段】 下記式1で表される化合物から選ばれる一種以上からなる着色剤と、タウリン誘導体とを含有することを特徴とする黒色インク組成物とする。
Figure 2007238726

(上記式1中、R1は、ハロゲン原子、H、SO3M、COOMのいずれかを示し、R2及びR3はそれぞれ独立に、H、SO3M、COOMのいずれかを示し、Mは、Li又はNaを示す。ただし、R2及びR3がいずれもHである場合はない。)

Description

本発明は、ブロンズ現象を抑制すると共に、記録物(印刷物)の堅牢性、特に耐光性、耐ガス性(耐オゾン性)に優れて美麗な黒色を長期に亘って持続し得る、インクジェット記録方法に好適な黒色インク組成物と、当該黒色インク組成物を含むインクセット、当該黒色インク組成物を収容したインクカートリッジ、並びにこれらを用いたインクジェット記録方法及び記録物に関するものである。
インクジェット記録方法は、微細なノズルヘッドからインク液滴を吐出して、文字や図形を紙などの記録媒体の表面に記録する方法である。インクジェット記録方法としては圧電素子を用いて電気信号を機械信号に変換し、ノズルヘッド部分に貯えたインク液滴を断続的に吐出して記録媒体表面に文字や記号を記録する方法や、ノズルヘッドの吐出部分に近い一部でインク液の一部を急速に加熱して泡を発生させ、その泡による体積膨張でインク液滴を断続的に吐出して、記録媒体表面に文字や記号を記録する方法などが実用化されている。
インクジェット記録用のインクとしては、安全性や印字特性の面から各種染料を水または有機溶剤、あるいはそれらの混合液に溶解させたものが一般的であるが、万年筆やボールペンの様な筆記具用インク組成物に比較し、より厳密な条件が要求される。
例えば、インク組成物を光沢紙等の記録媒体上にベタ印字(100%Dutyの塗りつぶし印刷)など高Dutyで印刷を行った場合、正反射光を見ると通常白色光に見えるところが着色して見える場合や、記録媒体自体(非印字部)との反射光の相違が起こり、あたかも印字部が浮いたような印象を与える場合がある。これは一般にブロンズ現象と呼ばれる色材の凝集によるもので、印刷された印字や描画が見難くなる要因となる。この現象は特に高耐候性色材において顕著に観られる場合が多く、その改善が望まれている。
特に黒色インクにおいては、ブロンズ現象により色相の変化と発色の低下が引き起こされる為、画像のしまりがなくなり、その改善は強く望まれ、アミノ酸添加によるブロンズ現象の改善も検討されている(特許文献1及び2参照)。
しかしながら、高耐候性を有する色材においては、その改善効果は充分なものでない場合が多かった。
特開平6−25575号公報 特開平7−228810号公報
本発明は高耐候性を有する式1の色材を使用した際に発生する上記問題点を解消し、インクジェット記録方法により印字された印刷物のブロンズ現象の発生を抑制すると共に、堅牢性、特に耐光性、耐ガス性(耐オゾン性)に優れて長期間に渡って美麗に発色した黒色の状態を維持することができるインク組成物を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下のような構成を採用した。
(1) 少なくとも水と、下記式1で表される化合物から選ばれる一種以上からなる着色剤と、タウリン誘導体とを含有することを特徴とする黒色インク組成物。
Figure 2007238726
(上記式1中、R1は、ハロゲン原子、H、SO3M、COOMのいずれかを示し、R2及びR3はそれぞれ独立に、H、SO3M、COOMのいずれかを示し、Mは、Li又はNaを示す。ただし、R2及びR3がいずれもHである場合はない。)
(2) インク組成物中におけるタウリン誘導体の含有量が、0.5〜10重量%である前記(1)に記載の黒色インク組成物。
(3) インク組成物中において、式1で表される着色剤とタウリン誘導体との重量比が、10:1〜1:2である前記(1)又は(2)に記載の黒色インク組成物。
(4) タウリン誘導体が、タウリン、ヒポタウリン、チオタウリンから選ばれる一種以上である前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の黒色インク組成物。
(5) ノニオン系界面活性剤を含有する前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の黒色インク組成物。
(6) ノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤である前記(5)に記載の黒色インク組成物。
(7) ノニオン系界面活性剤を0.1〜5重量%含有する前記(5)又は(6)に記載の黒色インク組成物。
(8) 更に、浸透促進剤を含有する前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の黒色インク組成物。
(9) 浸透促進剤がグリコールエーテル類である前記(8)に記載の黒色インク組成物。
(10) インクジェット記録方法に用いられるインクセットであって、前記(1)〜(9)のいずれか一つに記載された黒色インク組成物を構成成分として含んでなることを特徴とするインクセット。
(11) 黒色インク組成物以外の構成成分として、イエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、シアンインク組成物を含んでなることを特徴とする前記(10)に記載のインクセット。
(12) 前記(10)又は(11)に記載されたインクセットを一体的に又は独立に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
(13) 前記(10)又は(11)に記載のインクセット、若しくは前記(12)に記載のインクカートリッジを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
(14) 前記(1)〜(10)のいずれか一つに記載の黒色インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法。
(15) 圧電素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法である前記(14)に記載のインクジェット記録方法。
(16) JIS Z 8741に準拠した測定装置を用いて、測定角度60度で測定した光沢度が30以上である記録媒体に用いられる前記(14)又は(15)に記載のインクジェット記録方法。
(17) 前記(13)〜(16)のいずれか一つに記載されたインクジェット記録方法によって記録されたことを特徴とする記録物。
本発明によれば、高耐候性を有する式1の色材を使用した際に発生する上記問題点を解消し、前記インク組成物を用いて、インクジェット記録方法により印字された印刷物のブロンズ現象の発生を防止することができるばかりでなく、堅牢性、特に耐光性、耐ガス性(耐オゾン性)に優れて美麗に発色した黒色を長期間に亘って維持することができる。
本発明のインク組成物は、少なくとも水と、前記式1で表される化合物から選ばれる一種以上からなる着色剤と、タウリン誘導体とを含有し、必要に応じ、界面活性剤、浸透促進剤、その他の添加剤を含有させることができる。
(着色剤)
本発明の着色剤としては、下記式1に示される着色剤を使用する。また、前記着色剤は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
Figure 2007238726
(上記式1中、R1は、ハロゲン原子、H、SO3M、COOMのいずれかを示し、R2及びR3はそれぞれ独立に、H、SO3M、COOMのいずれかを示し、Mは、Li又はNaを示す。ただし、R2及びR3がいずれもHである場合はない。)
前記式1で表される着色剤としては、特に耐光性・耐ガス性の観点から、好ましくは、以下の式1−1、式1−2、式1−3に示すような着色剤が挙げられる。これらの着色剤は、1種のみ単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
Figure 2007238726
(式1−1において、Mは、Li又はNaを示す。ただし、全てのMがNaとなることはない。)
Figure 2007238726
(式1−2において、Mは、Li又はNaを示す。ただし、全てのMがNaとなることはない。)
Figure 2007238726
(式1−3において、Mは、Li又はNaを示す。ただし、全てのMがNaとなることはない。)
(タウリン誘導体)
本発明で使用するタウリン誘導体としては、N−置換タウリン、タウリン、ヒポタウリン、チオタウリン及びこれらの塩等が使用できる。N−置換タウリンとしては、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸、2[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸、2−モルフォリノエタンスルホン酸、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸およびそれらの塩が挙げられる。
前記タウリン誘導体の中でも、タウリン、ヒポタウリン、チオタウリンから選ばれる一種以上が耐光性及び耐ガス性(耐オゾン性)能力を劣化させることなく効果的にブロンズ防止を達成できる点で好ましく、特にタウリンが最も好ましい。
本発明において、インク組成物中におけるタウリン誘導体の含有量は、0.5〜10重量%であることが好ましい。インク組成物中のタウリン誘導体の含有量が0.5重量%以上であれば、インクジェット用記録媒体(特に光沢系記録媒体)にベタ印刷した際に現れる上記のブロンズ現象の抑制効果を顕著に確認でき、10重量%以下であれば、目詰まり性を良好なままに保てる。
また、インク組成物中において、式1で表される着色剤とタウリン誘導体含有量との重量比が、10:1〜1:2であることが好ましい。インク組成物中において、全着色剤量を1とした場合に、タウリン誘導体含有量が0.1以上あれば、インクジェット記録媒体にベタ印刷した際に現れるブロンズ現象を抑制する効果を顕著に確認でき、タウリン誘導体含有量が2以下であれば、必要以上に添加することがない為、目詰まり性を良好なままに保てる。
(界面活性剤)
本発明に使用される界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤が挙げられるが、これらの中でも、ノニオン系界面活性剤が、インクの速やかな定着性(浸透性)を得ると同時に、1ドットの真円度を保つのに効果的な添加剤であるため、好ましい。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤として、具体的には、サーフィノール465、サーフィノール104(以上、エアープロダクツ社製)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(以上、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
インク組成物中における前記ノニオン系界面活性剤の添加量は、0. 1〜5重量%が好ましく、0. 5〜2重量%がより好ましい。インク組成物中における前記ノニオン系界面活性剤の添加量が、0.1重量%以上であれば、本発明のインク組成物を用いて印刷した場合に、被印刷物に対する十分な浸透性を得ることができ、5重量%以下であれば、画像のにじみを良好なまま保つことができる。
(浸透促進剤)
本発明で使用される浸透促進剤としては、特に限定されないが、中でもグリコールエーテル類が好ましい。
前記グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。中でも、トリエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
インク組成物中の前記浸透促進剤の添加量が3重量%以上であれば、本発明のインク組成物を用いてベタ印刷を行った場合の黒色色材のブリードを防ぐことができ、30重量%以下であれば、これらグリコールエーテル類を油状分離させることなく保つことができる。
(その他の添加剤)
本発明のインク組成物には、pH調整剤を添加することができる。
前記pH調整剤としては、特に制限されず、種々の化合物を使用することができるが、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、アンモニア、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、アジピン酸、クエン酸、コハク酸等が挙げられる。
本発明のインク組成物には、酸化防止剤・紫外線吸収剤を添加することができる。
前記酸化防止剤・紫外線吸収剤としては、特に制限されず、種々の化合物を使用することができるが、例えば、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩等が挙げられる。
本発明のインク組成物には、防腐剤・防かび剤を添加することができる。
前記防腐剤・防かび剤としては、特に限定されず、種々の化合物を使用することができるが、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(Avecia社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等が挙げられる。
また、本発明のインク組成物に含有される主溶媒は水である。
この水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水などを用いることができる。特に紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理した水を用いることが、カビやバクテリアの発生を防止してインク組成物の長期保存を可能にする点で好ましい。
本発明のインクセットは、本発明の黒色インク組成物と、他の色のインク組成物とを組み合わせることによって得られる。前記他の色のインク組成物としては、一般に使用されているイエローインク組成物とマゼンタインク組成物とシアンインク組成物とを組み合わせることによって得ることができる。
また、本発明のインクカートリッジは、前記各インク組成物を一体に、仕切を有する一つの容器(カートリッジ)に収容して得ることもできるし、前記各インク組成物を独立に、別々の容器(カートリッジ)に収容して得ることもできる。前記容器としては、インクカートリッジとして一般に使用されているものが使用でき、中でもインクジェットプリンタ用インクカートリッジであることが好ましい。
本発明のインク組成物はペン等の筆記具類、スタンプ等に好適に使用することができるが、インクジェット記録用インク組成物としてさらに好適に使用できる。
本発明においてインクジェット記録方法とは、インク組成物を微細なノズルより液滴として吐出して、その液滴を記録媒体に付着させる方法を意味する。具体例を以下に説明する。
第一の方法としては、静電吸引方式があり、この方式はノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印加し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する方式、あるいはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式である。
第二の方法としては、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式である。噴射したインク滴は噴射と同時に帯電させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する。
第三の方法は圧電素子(ピエゾ素子)を用いる方式であり、インク液に圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インク滴を噴射・記録させる方式である。
第四の方式は熱エネルギーの作用によりインク液を急激に体積膨張させる方式であり、インク液を印刷情報信号に従って微小電極で加熱起泡させ、インク滴を噴射・記録させる方式である。
以上のいずれの方式も本発明のインクを用いたインクジェット記録方法に使用することができ、それぞれの方式のインクジェットカートリッジに充填することができる。
また、本発明における記録媒体とは、例えば、紙(ゼロックスP(商品名:富士ゼロックス社製)、Xerox 4024(商品名:Xerox Co.(米国))、写真用紙クリスピア<高光沢>(商品名:セイコーエプソン社製)など)等が挙げられるが、特に、JIS Z 8741に準拠した測定装置を用いて、測定角度60度で測定した光沢度が30以上である記録媒体が好ましい。
本発明の記録物は、前述の構成のインク組成物を用いて、上記インクジェット記録方法により記録が行われたものである。
この記録物は、本発明のインク組成物を用いることにより、印字品質が良好で、優れた印字安定性を示し、美麗な発色状態を呈し、しかもこの美麗な発色状態を長期間に渡って維持することができる。
次に、本発明の実施例と比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
なお、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
[実施例1〜9及び比較例1〜5]
実施例1〜9及び比較例1〜5のインク組成物を表1に示す配合割合で各成分を混合して溶解させ、孔径1μmのメンブランフィルターにて加圧濾過を行って、インク組成物を調製した。なお、表1において、式1−1、式1−2、式1−3の塩は、Li:Na=8:2であるものを使用した。
また、比較例4及び比較例5では、色材として、下記式2及び式3で示される化合物を使用した。
Figure 2007238726
Figure 2007238726
Figure 2007238726
なお、表中に示すインク組成物の各成分はインク組成物全量に対する各成分の重量%を示し、残量は水である。
上記の実施例1〜9及び比較例1〜5に記載のインク組成物を、インクジェットプリンタPM−A700(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、これの専用カートリッジ(ブラック)に充填して、インクジェット専用記録媒体(写真用紙クリスピア<高光沢>型番KA420SCK:セイコーエプソン株式会社製、JIS Z 8741に準拠した光沢度計(PG−1M:日本電色工業株式会社製)を用いて、測定角度60度で測定した光沢度が63)に印字し、以下の各評価を行った。得られた結果を表2に示す。
Figure 2007238726
《ブロンズ評価》
上記のカートリッジを用い、1インチ平米当たり1.5〜2.2mgの打ち込み量になるようにベタ印字し得られた印刷物を、以下の判定基準に基づき目視により判定した。印字環境は、23℃,50%RHと32℃,65%RHの環境で行った。
A:ブロンズ化現象が全く見られない。
B:ややブロンズ化現象が見られる。
C:ブロンズ化現象が目立つ。
《耐光性評価》
上記のカートリッジを用い、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印加Dutyを調整して印刷を行って得られた印刷物を、蛍光灯耐光性試験機SFT−II(商品名:スガ試験機株式会社製)を使用し、温度が24℃、湿度が60%RH、照度70000luxの条件下で21日間曝露した。
曝露後、それぞれの印刷物のODを、濃度計(Spectrolino:Gretag社製)を用いて測定し、次式により光学濃度残存率(ROD)を求め、下記判定基準により、評価した。
ROD(%)=(D/D0)×100
D:曝露試験後のOD
0:曝露試験前のOD
(但し、測定条件は、Filter:Red、光源:D50、視野角2度)
[判定基準]
評価A:RODが80%以上
評価B:RODが60%以上80%未満
評価C:RODが40%以上60%未満
評価D:RODが40%未満
《耐目詰まり性評価》
上記のカートリッジを用い、10分間連続して印刷し、全てのノズルが正常吐出していることを確認後、60℃15%RHの環境に21日間放置した。放置後、全ノズルが初期と同等に吐出するまでクリーニング動作を繰り返し、下記判定基準により評価した。
判定基準
A:電源ON、またはクリーニング動作1〜4回で初期と同等に回復
B:クリーニング動作5〜8回で初期と同等に回復
C:クリーニング動作9〜12回で初期と同等に回復
D:クリーニング動作13回で回復しない
《耐オゾン性評価》
上記のカートリッジを用い、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印加Dutyを調整して印刷を行って得られた印刷物を、OMS−H(スガ試験機株式会社製)を使用し、温度が24℃、湿度が60%RH、曝露濃度40ppm環境下に12時間曝露した。
曝露後、それぞれの印刷物のODを、濃度計(Spectrolino:Gretag社製)を用いて測定し、次式により光学濃度残存率(ROD)を求め、下記判定基準により、評価した。
ROD(%)=(D/D0)×100
D:曝露試験後のOD
D0:曝露試験前のOD
(但し、測定条件は、Filter:Red,光源:D50,視野角:2度)
[判定基準]
評価A:RODが70%以上
評価B:RODが50%以上70%未満
評価C:RODが50%未満
本発明の黒色インク組成物、インクセット及びインクカートリッジは、特にインクジェットプリンタ用の黒色インク組成物、インクセット及びインクカートリッジとして利用可能である。また、前記黒色インク組成物を用いたインクジェット記録方法及び記録物は、ブロンズ現象を抑制したインクジェット記録方法及び記録物として利用可能である。

Claims (17)

  1. 少なくとも水と、下記式1で表される化合物から選ばれる一種以上からなる着色剤と、タウリン誘導体とを含有することを特徴とする黒色インク組成物。
    Figure 2007238726
    (上記式1中、R1は、ハロゲン原子、H、SO3M、COOMのいずれかを示し、R2及びR3はそれぞれ独立に、H、SO3M、COOMのいずれかを示し、Mは、Li又はNaを示す。ただし、R2及びR3がいずれもHである場合はない。)
  2. インク組成物中におけるタウリン誘導体の含有量が、0.5〜10重量%である請求項1に記載の黒色インク組成物。
  3. インク組成物中において、式1で表される着色剤とタウリン誘導体との重量比が、10:1〜1:2である請求項1又は2に記載の黒色インク組成物。
  4. タウリン誘導体が、タウリン、ヒポタウリン、チオタウリンから選ばれる一種以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の黒色インク組成物。
  5. ノニオン系界面活性剤を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の黒色インク組成物。
  6. ノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤である請求項5に記載の黒色インク組成物。
  7. ノニオン系界面活性剤を0.1〜5重量%含有する請求項5又は6に記載の黒色インク組成物。
  8. さらに、浸透促進剤を含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の黒色インク組成物。
  9. 浸透促進剤がグリコールエーテル類である請求項8に記載の黒色インク組成物。
  10. インクジェット記録方法に用いられるインクセットであって、請求項1〜9のいずれか一項に記載された黒色インク組成物を構成成分として含んでなることを特徴とするインクセット。
  11. 黒色インク組成物以外の構成成分として、イエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、シアンインク組成物を含んでなることを特徴とする請求項10に記載のインクセット。
  12. 請求項10又は11に記載されたインクセットを一体的に又は独立に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
  13. 請求項10又は11に記載のインクセット、若しくは請求項12に記載のインクカートリッジを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
  14. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の黒色インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法。
  15. 圧電素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法である請求項14に記載のインクジェット記録方法。
  16. JIS Z 8741に準拠した測定装置を用いて、測定角度60度で測定した光沢度が30以上である記録媒体に用いられる請求項14又は15に記載のインクジェット記録方法。
  17. 請求項13〜16のいずれか一項に記載されたインクジェット記録方法によって記録されたことを特徴とする記録物。
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JPH06107986A (ja) * 1992-09-29 1994-04-19 Pentel Kk 記録液
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