JP2007236202A - 細菌検出装置及び細菌検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 細菌を十分に短時間で簡単に検出できる細菌検出装置及び細菌検出方法を提供すること。
【解決手段】 本発明は、チャネル幅dが1mm以下であるチャネル11を有するマイクロチャネルチップ10のチャネル11内で、細菌を含む検体液と、細菌から細菌内ATPを抽出させる抽出液と、細菌内ATPの存在下に発光する発光液とを混合し、抽出液により細菌から細菌内ATPを抽出し、細菌内ATPの存在下、発光液を発光させ、該発光を検出する細菌検出方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、細菌検出装置及び細菌検出方法に関する。
細菌の検出方法として、細菌内のATPを界面活性剤やエレクトロポレーション法などを用いて抽出(Lysis工程)し、これにルシフェラーゼ等の酵素を加えることにより発生する蛍光を、CCDやフォトダイオードなどで受光して計測することにより細菌の有無を検出する方法が知られている(例えば下記特許文献1参照)。
従来は、この一連の反応を、試験管などの中で進行させていた。この方法は細菌の検出方法としては、一般的な細菌検出法である培養法に比べ、培地を作成する必要が無く手軽で、且つ迅速に検出結果を得られるという利点を有する。
特開2000−189197号公報
しかしながら、前述した特許文献1に記載の細菌検出方法は、以下に示す課題を有していた。
即ち上記細菌検出方法では、反応時間が長く、検出に数時間を必要とするという問題がある。このような問題は特に食品業界等、多くの商品に対し細菌検出試験を要する場合においては深刻な問題であり、例えば新鮮な商品を迅速に出荷することができないという不具合があった。
また、上記細菌検出方法では、遊離ATPを除去するアピラーゼなどの成分、アピラーゼを不活性化する成分、ATPと反応して発光するルシフェラーゼなどの成分、細菌のフロックを分散する成分、細菌の細胞壁を壊す成分、その他必要な成分などを別に試薬瓶などに用意する必要があり、それぞれの試薬瓶から、マイクロシリンジなどを用いて規定量を分取し、サンプル管内に別々に滴下する必要があり、作業が極めて煩雑である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、細菌を十分に短時間で簡単に検出できる細菌検出装置及び細菌検出方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、上記のように細菌の検出に長時間がかかるのが、フラスコ等の反応容器で行われることに起因するのではないかと考えた。即ち本発明者らは、上記のような反応容器では、細菌内ATPとルシフェラーゼとの接触確率が不十分であることにより発光反応のスピードが遅くなり、細菌の検出に長時間がかかるのではないかと考えた。そして、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出した。
即ち本発明は、細菌を含む検体液を収容するための第1ウェル、前記細菌から細菌内ATPを抽出させる抽出液を収容するための第2ウェル、前記細菌内ATPの存在下で発光する発光液を収容するための第3ウェル、前記細菌内ATPと前記発光液とを接触させる発光部、前記第1ウェルと前記発光部とを接続する第1チャネル、前記第1チャネルの抽出液導入部と前記第2ウェルとを接続する第2チャネル、及び、前記第1チャネルの前記抽出液導入部よりも下流側の発光液導入部と前記第3ウェルとを接続する第3チャネルを有するマイクロチャネルチップと、前記細菌内ATPと前記発光液との接触により生じる光を検出する光検出手段と、前記第1ウェルに収容される液体を前記発光部に移送させ、前記第2、第3ウェルに収容される液体を前記第1チャネルに移送させるための移送手段とを備えており、且つ、前記第1チャネルのチャネル幅が1mm以下であることを特徴とする細菌検出装置である。
このような構造を有する細菌検出装置は、従来技術のような分取作業が不要となり、利便性が増すという効果を有する。すなわち、マイクロチャネルチップ内において、検体液を収容する第1ウェルと発光部とが第1チャネルで接続されているため、検体液を数秒で発光部に送流することができ、第2チャネル及び第3チャネルが第1チャネルに接続されているため、検体液が第1ウェルから発光部に送流される際に、第2ウェルに収容される抽出液と第3ウェルに収容される発光液とを順次第1チャネルに送流することができ、それぞれが第1チャネル内で混合されることにより、検体液との反応を効率よく行うことができる。
また、上記細菌検出装置は、前記ウェル中の液体を前記発光部に移送させる移送手段を備える。この場合、移送手段により、各ウェルからの液体を確実に第1チャネルに導入することができる。
更に、第1〜第3チャネルのチャネル幅が1mm以下であるため、検体液と抽出液及び発光液が混合すると、拡散が極めて短時間で行われることになり、この結果、反応を瞬時に行うことができる。その結果、従来は最速でも1〜2時間要していた細菌の検出を数秒で行うことができるようになる。
また、上記細菌検査装置においては、前記マイクロチャネルチップが、ATP除去剤を含む除去液を収容するための第4ウェルと、前記ATP除去剤を不活性化させる不活性化剤を含む不活性化液を収容するための第5ウェルと、前記第1チャネルの除去液導入部と前記第4ウェルとを接続する第4チャネルと、前記第1チャネルの不活性化液導入部と前記第5ウェルとを接続する第5チャネルとを更に備えており、前記第1チャネルにおいて、前記除去液導入部が前記抽出液導入部よりも上流側に設けられており、且つ前記不活性化液導入部が、前記除去液導入部の下流側であって前記抽出液導入部の上流側に設けられていることが好ましい。
この場合、遊離ATPを除去させる除去液が、第1チャネルに導入されることにより、遊離ATPが除去される。このため、遊離ATPによるノイズ光を除去して細菌内ATPによる光のみを検出することができ、細菌内ATPの測定精度を高めることができる。
更に、除去液が第1チャネルに導入されていつまでも残存していると、細菌内ATPが除去剤により破壊されるおそれがある。しかし、この発明によれば、不活性化剤が第1チャネルに導入されるため、細菌内ATPのみを検出することができ、細菌内ATPの測定精度を高めることができる。
また、除去液導入部が抽出液導入部よりも上流側に設けられ、不活性化液導入部が抽出液導入部よりも上流側であって、除去液導入部よりも下流側に設けられているため、検出液内の細菌の量が微量であっても、上記のように測定精度が高い場合にも、誤差を十分に小さく抑えることができる。
更に、この場合において、前記移送手段が第4及び第5ウェルに収容される液体も第1チャネル移送することが可能となっている。したがって、第1〜第5ウェルに収容される液体は、この移送手段により、各ウェルからの液体を確実に第1チャネルに導入することができる。
更にまた、前記第1チャネルにおいて、前記除去液導入部より下流側の少なくとも1部の温度を50℃以上に制御してATP除去剤を不活性化させる温度制御手段を更に備えることが好ましい。この場合、不活性化液を第1チャネルに導入せず温度を制御するだけで余分な除去液を不活性化することができる。従って、不活性化液が不要となるため、不活性化液を収容するためのウェルや不活性化液を送流するためのチャネルを省くことができ、マイクロチャネルチップの構造を簡素にすることができる。
また、この温度制御手段は除去液導入部の下流側であって抽出液導入部の上流側の部分(以下「温度制御部」という。)の温度制御を行うことが好ましい。このように温度制御することによって上述した不活性化液を第1チャネルに導入した場合と同様の効果を得ることができる。
更に、前記移送手段により第4ウェルに収容される液体も第1チャネルに移送することが可能となっている。したがって、第1〜第4ウェルに収容される液体は、この移送手段により、各ウェルからの液体を確実に第1チャネルに導入することができる。
ここで、マイクロチャネルチップが、細菌内ATPを増幅させる増幅液を収容するための第6ウェルと、前記第1チャネルの増幅液導入部と前記第6ウェルとを接続する第6チャネルとを更に備えており、前記増幅液導入部が前記不活性化液導入部よりも下流側に設けられていることが好ましい。
この場合、遊離ATPを増幅させることなく、測定精度を更に高めることができる。更に、第6チャネルから増幅液が第1チャネルに導入されるため、発光し難い細菌(更に微量の細菌や栄養状態が優れない細菌)であっても、増幅液により増幅されるため、検出することが可能となる。ATP増幅試薬としては例えば特開2001−299390号公報で開示されているものが有る。
また、前記移送手段により第6ウェルに収容される液体も第1チャネルに移送することが可能となっている。したがって、第1〜第3、第6ウェルに収容される液体は、この移送手段により、各ウェルからの液体を確実に第1チャネルに導入することができる。
前記マイクロチャネルチップが、前記細菌のフロックを分解させる分解液を収容する第7ウェルと、前記第1チャネルの分解液導入部と前記第7ウェルとを接続する第7チャネルとを更に備えており、前記分解液導入部が、前記抽出液導入部よりも上流側に設けられていることが好ましい。
この場合、分解液を第7チャネルから第1チャネルに導入することができ、分解液により細菌のフロックを分散させることができる。これにより、細菌と抽出液の接触効率が上がり、抽出反応を促進することができる。
また、前記移送手段により第7ウェルに収容される液体も第1チャネルに移送することが可能となっている。したがって、第1〜第3、第7ウェルに収容される液体は、この移送手段により、各ウェルからの液体を確実に第1チャネルに導入することができる。
なお、上記細菌検出装置においては、前記抽出液導入部が前記発光液導入部よりも前記第1ウェルの下流側に設けられていてもよく、発光液導入部が前記抽出液導入部よりも前記第1ウェルの下流側に設けられていてもよい。
また、第2ウェル、第3ウェル、及び第6ウェルのうちのいずれか一つのウェルが他のウェルを兼ねていてもよい。この場合、装置構成を極めて簡単なものとすることができる。従って、安価で提供することも可能となる。
また、前記第2〜第7ウェルがそのウェルに対応する抽出液、発光液、除去液、不活性化液、増幅液、及び分解液を収容していることが好ましい。予めこれらの液を収容していれば、検体液を導入するのみで細菌検出を行うことができ、環境を選ばず、簡便に検出精度の高い測定ができる。
なお、これらのウェルは、検出する細菌の特性や検出値の精度に応じて必要とする液のみを収容することができ、不必要なウェルであれば当然そのウェルを省くことも可能である。
ここで、マイクロチャネルチップ内の液体の温度を制御する制御手段を備えることが好ましい。温度を制御することによって、本発明の装置内で行われる反応に最適な環境を提供することができる。例えば、温度を抽出液や発光液にとって最適な値とすることによって、反応速度を更に高めることができ、更には、温度をその値で維持することによって、反応を安定化することができる。
また、本発明は細菌を含む検体液を収容するための第1ウェル、前記細菌内ATPの存在下で発光する発光液を収容するための第3ウェル、前記細菌内ATPと前記発光液とを接触させる発光部、前記第1ウェルと前記発光部とを接続する第1チャネル、及び、前記第1チャネルの発光液導入部と前記第3ウェルとを接続する第3チャネルを有するマイクロチャネルチップと、前記細菌内ATPと前記発光液との接触により生じる光を検出する光検出手段と、前記第1ウェルに収容される液体を前記発光部に移送させ、前記第3ウェルに収容される液体を前記第1チャネルに移送させるための移送手段とを備えており、且つ、前記第1チャネルのチャネル幅が1mm以下であり、前記第1チャネルを加熱する加熱手段、前記第1チャネルに電界を印加する電界印加手段、及び前記第1チャネルに超音波を印加する超音波印加手段のうちの少なくとも1種以上の手段を更に備えることを特徴とする細菌検出装置である。
このような構造を有する細菌検出装置は、第2チャネル及び第2ウエルを持つ代わりに、第1チャネルの少なくとも一部に対して加熱、電界印加又は超音波印加を行う手段を備えている。すなわち、マイクロチャネルチップ内において、検体液を収容する第1ウェルと発光部とが第1チャネルで接続されているため、検体液を数秒で発光部に送流することができる。また、加熱、電界印加又は超音波印加を行う手段が第1チャネルに備えられているため、検体液が第1ウェルから発光部に送流される際に、検体液中の細菌から細菌内ATPを抽出することができる。更に、第3チャネルが第1チャネルに接続されているため、第3ウェルに収容される発光液を順次第1チャネルに送流することができ、第1チャネル内で該検体液と混合されることにより、細菌内ATPと発光液との反応を効率よく行うことができる。
したがって、これらの手段を備えることによって、抽出液を用いなくても細菌から細菌内ATPを抽出させることができる。なお、加熱、電界印加又は超音波印加の手段は複数あってもよい。
また、上記細菌検査装置においては、前記マイクロチャネルチップが、ATP除去剤を含む除去液を収容するための第4ウェルと、前記ATP除去剤を不活性化させる不活性化剤を含む不活性化液を収容するための第5ウェルと、前記第1チャネルの除去液導入部と前記第4ウェルとを接続する第4チャネルと、前記第1チャネルの不活性化液導入部と前記第5ウェルとを接続する第5チャネルとを更に備えており、前記第1チャネルにおいて、前記除去液導入部が前記加熱手段、電界印加手段又は超音波印加手段によって細菌から細菌内ATPを抽出する抽出部よりも上流側に設けられており、且つ前記不活性化液導入部が、前記除去液導入部の下流側であって前記抽出部の上流側に設けられていることが好ましい。
この場合、遊離ATPを除去させる除去液が、第1チャネルに導入されることにより、遊離ATPが除去される。このため、遊離ATPによるノイズ光を除去して細菌内ATPによる光のみを検出することができ、細菌内ATPの測定精度を高めることができる。
更に、除去液が第1チャネルに導入されていつまでも残存していると、細菌内ATPが除去剤により破壊されるおそれがある。しかし、この発明によれば、不活性化剤が第1チャネルに導入されるため、細菌内ATPのみを検出することができ、細菌内ATPの測定精度を高めることができる。
また、除去液導入部が抽出部よりも上流側に設けられ、不活性化液導入部が抽出部よりも上流側であって除去液導入部よりも下流側に設けられているため、検出液内の細菌の量が微量であっても、上記のように測定精度が高い場合にも、誤差を十分に小さく抑えることができる。
更に、前記移送手段により第4及び第5ウェルに収容される液体も第1チャネルに移送することが可能となっている。したがって、第1、第3〜第5ウェルに収容される液体は、この移送手段により、各ウェルからの液体を確実に第1チャネルに導入することができる。
更にまた、前記第1チャネルにおいて、前記除去液導入部より下流側の少なくとも1部の温度を50℃以上に制御してATP除去剤を不活性化させる温度制御手段を更に備えることが好ましい。この場合、不活性化液を第1チャネルに導入せず温度を制御するだけで余分な除去液を不活性化することができる。従って、不活性化液が不要となるため、不活性化液を収容するためのウェルや不活性化液を送流するためのチャネルを省くことができ、マイクロチャネルチップの構造を簡素にすることができる。
また、この温度制御手段を温度制御部に設けると、温度制御することによって上述した不活性化液を第1チャネルに導入した場合と同様の効果を得ることができる。
更に、前記移送手段により第4ウェルに収容される液体も第1チャネルに移送することが可能となっている。したがって、第1、第3、第4ウェルに収容される液体は、この移送手段により、各ウェルからの液体を確実に第1チャネルに導入することができる。
ここで、マイクロチャネルチップが、細菌内ATPを増幅させる増幅液を収容するための第6ウェルと、前記第1チャネルの増幅液導入部と前記第6ウェルとを接続する第6チャネルとを更に備えており、前記増幅液導入部が前記不活性化液導入部よりも下流側に設けられていることが好ましい。
この場合、遊離ATPを増幅させることなく、測定精度を更に高めることができる。更に、第6チャネルから増幅液が第1チャネルに導入されるため、発光し難い細菌(更に微量の細菌や栄養状態が優れない細菌)であっても、増幅液により増幅されるため、検出することが可能となる。
また、前記移送手段により第6ウェルに収容される液体も第1チャネルに移送することが可能となっている。したがって、第1、第3、第6ウェルに収容される液体は、この移送手段により、各ウェルからの液体を確実に第1チャネルに導入することができる。
前記マイクロチャネルチップが、前記細菌のフロックを分解させる分解液を収容する第7ウェルと、前記第1チャネルの分解液導入部と前記第7ウェルとを接続する第7チャネルとを更に備えており、前記分解液導入部が、前記発光液導入部よりも上流側に設けられていることが好ましい。
この場合、分解液を第7チャネルから第1チャネルに導入することができ、分解液により細菌のフロックを分散させることができる。これにより、細菌と抽出液の接触効率が上がり、抽出反応を促進することができる。
また、前記移送手段により第7ウェルに収容される液体も第1チャネルに移送することが可能となっている。したがって、第1、第3、第7ウェルに収容される液体は、この移送手段により、各ウェルからの液体を確実に第1チャネルに導入することができる。
また、前記第3〜第7ウェルがそのウェルに対応する発光液、除去液、不活性化液、増幅液、及び分解液を収容していることが好ましい。予めこれらの液を収容していれば、検体液を導入するのみで細菌検出を行うことができ、環境を選ばず、簡便に検出精度の高い測定ができる。
なお、これらのウェルは、検出する細菌の特性や検出値の精度に応じて必要とする液を収容することが好ましく、不必要なウェルであれば当然そのウェルを省くことも可能である。
ここで、マイクロチャネルチップ内の液体の温度を制御する制御手段を備えることが好ましい。温度を制御することによって、本発明の装置内で行われる反応に最適な環境を提供することができる。例えば、温度を発光液にとって最適な値とすることによって、反応速度を更に高めることができ、更には、温度をその値で維持することによって、反応を安定化することができる。
また本発明は、チャネル幅が1mm以下であるチャネルを有するマイクロチャネルチップの前記チャネル内で、細菌を含む検体液と、前記細菌から細菌内ATPを抽出させる抽出液と、前記細菌内ATPの存在下に発光する発光液とを混合し、前記抽出液により前記細菌から前記細菌内ATPを抽出し、前記細菌内ATPの存在下、前記発光液を発光させ、該発光を検出することを特徴とする細菌検出方法である。
この細菌検出方法は、上記細菌検出装置で有効に実施することができる。
なお、チャネル内では、検体液と抽出液とを混合させた後に発光液と混合させる方法、マイクロチャネルチップ内で検体液と発光液とを混合させた後に抽出液と混合させる方法、及び抽出液と発光液とを混合させた後にマイクロチャネルチップ内で検体液と混合させる方法のいずれであってもよい。なお、発光液は細菌内ATPと反応するため、細菌内ATPを抽出する前の細菌と発光液とを混合させた場合には、その後に細菌と発光液に抽出液を混合すると、細菌内ATPが抽出されると同時に発光液が細菌内ATPと反応するため問題なく本発明の目的を達成することができる。
前記抽出液は、特定の細菌のみから選択的にATPを抽出する特定抽出液であることが好ましい。
細菌には多くの種類があり、特定の細菌のみを選択的に検出することが望まれる場合がある。したがって、抽出液が上記特定抽出液であれば、例えば、食品の検査において、食中毒を引き起こすおそれのある細菌(例えば腸炎ビブリオ、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、セレウス菌又はカンピロバクター菌)のみを選択的に検出することができる。
前記特定抽出液はファージ又は抗生物質であることが好ましい。特定抽出液がファージや抗生物質であると、ファージや抗生物質に感受性のある細菌のみ破壊されるので、ファージや抗生物質を選択することで、所望の細菌からのみ細菌内ATPを抽出することができる。
また、前記検体液を、前記抽出液と前記発光液に混合させる前に、ATP除去剤を含む除去液と混合して、前記除去液により前記検体液から遊離ATPを除去し、更に不活性化剤を含む不活性化液と混合して、前記除去液を不活性化させることが好ましい。
このように遊離ATPを除去させる除去液を導入することにより、上述したように遊離ATPによるノイズ光を除去することができ、更に、不活性化液を導入することで、除去液が細菌内ATPを破壊することを防止することができる。したがって、細菌内ATPの測定精度を高めることができる。
また、除去液及び不活性化液は検体液と抽出液を混合する前に導入する。そうすると不要な遊離ATPのみを除去することができ、細菌内ATPに悪影響を及ぼすことも防止することができる。
ここで、前記不活性化液の代わりに温度を50℃以上に制御してATP除去剤を不活性化させることも可能である。この場合、予め不活性化液を準備する必要が無く、温度管理のみで余分なATP除去剤を不活性化させることができるため、容易に細菌内ATPの測定精度を高めることできる。
またチャネル内で前記細菌内ATPを増幅させる増幅液を混合させてもよい。このとき、増幅液は除去液を不活性化させた後に導入する。そうすると、増幅液により細菌内ATPのみを増幅することができ、測定精度を更に高めることができる。また、前記チャネル内で前記細菌のフロックを分解させる分解液を更に混合させてもよい。このとき、分解液は細菌から細菌内ATPを抽出する前に行う。そうすると、分解液により細菌のフロックを分散させることができ、更に細菌と抽出液の接触効率が上がることとなるため抽出反応を促進することができる。
また、本発明は、チャネル幅が1mm以下であるチャネルを有するマイクロチャネルチップの前記チャネル内で、細菌を含む検体液に、加熱、電界印加および超音波印加のいずれか1つ以上を行うことにより前記細菌から前記細菌内ATPを抽出し、前記細菌内ATPの存在下、前記発光液を発光させ、該発光を検出させる細菌検出方法である。
この細菌検出方法は、上記細菌検出装置で有効に実施することができる。
すなわち、上記発明においては、抽出液に代えて前記検体液を加熱、電界印加および超音波印加のいずれか1つを行うことによって細菌から細菌内ATPを抽出させることができる。
また、前記検体液を、前記加熱、電界印加又は超音波印加を行う前に、ATP除去剤を含む除去液と混合して、前記除去液により前記検体液から遊離ATPを除去し、更に不活性化剤を含む不活性化液と混合して、前記除去液を不活性化させることが好ましい。
このように遊離ATPを除去させる除去液を導入することにより、上述したように遊離ATPによるノイズ光を除去することができ、更に、不活性化液を導入することで、除去液が細菌内ATPを破壊することを防止することができる。したがって、細菌内ATPの測定精度を高めることができる。
ここで、前記不活性化液の代わりに温度を50℃以上に制御してATP除去剤を不活性化させることも可能である。この場合、予め不活性化液を準備する必要が無く、温度管理のみで余分なATP除去剤を不活性化させることができるため、容易に細菌内ATPの測定精度を高めることできる。
またチャネル内で前記細菌内ATPを増幅させる増幅液を混合させてもよい。このとき、増幅液は除去液を不活性化させた後に導入する。そうすると、増幅液により細菌内ATPのみを増幅することができ、測定精度を更に高めることができる。また、前記チャネル内で前記細菌のフロックを分解させる分解液を更に混合させてもよい。このとき、分解液は細菌から細菌内ATPを抽出する前に行う。そうすると、分解液により細菌のフロックを分散させることができ、更に細菌と抽出液の接触効率が上がることとなるため抽出反応を促進することができる。
本発明によれば、細菌を十分に短時間で簡単に検出できる細菌検出装置及び細菌検出方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る細菌検出装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の細菌検出装置の第1実施形態の主要部であるマイクロチャネルチップを示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態の細菌検出装置は、マイクロチャネルチップ10を有しており、マイクロチャネルチップ10は矩形平板状の本体部10aと、本体部10aの表面を覆うカバー10bとを有している。本体部10aの一面には、両端部にそれぞれ第1ウェル1と、反応場(発光部)8とが形成されており、第1ウェル1には細菌を含む検体液が収容されるようになっている。また、第1ウェル1と反応場8とは、本体部10aの一面に形成される第1チャネル11で接続されており、第1ウェル1に検体液を導入することによって、検体液が第1ウェル1から第1チャネル11を経て反応場8に送流されるようになっている。
更に本体部10aには、第2ウェル2と、第3ウェル3とが第1チャネル11に沿って形成されており、第2ウェル2には細菌から細菌内ATPを抽出させる抽出液が、第3ウェル3には、細菌内ATPの存在下に発光する発光液が収容されるようになっている。
また、第2ウェル2は第1チャネル11の抽出液導入部31aと第2チャネル12によって接続され、第3ウェル3は、反応場8と第3チャネルによって接続されている。第2チャネル12及び第3チャネル13は、いずれも本体部10aの一面上に形成されている。そして、反応場8は、抽出液導入部31aよりも下流側に配置されている。従って、検体液が第1チャネル11を通じて反応場8に送流される際に、第2ウェル2から第2チャネル12を通じて抽出液が送流され、更に第3ウェル3から第3チャネル13を通じて発光液が送流される。送流された抽出液及び発光液は第1チャネル11内で検出液と混合されて所望の反応が行われる。なお、本実施形態の細菌検出装置において、反応場8は発光液導入部31bを兼ねている。
図2は、本体部10aの厚さ方向に沿った部分断面図である。図2において、第1チャネル11の断面形状は四角形であり、第1チャネル11のチャネル幅dは、1mm以下である。なお、「チャネル幅」とは、本体部の厚さ方向に対して垂直の方向の長さをいう。第1チャネル11の断面形状が四角形の場合は横の長さをいい、台形や三角形の場合は前記方向に対して最も長い長さをいう。また、円形や半円形の場合は直径の長さ、楕円形の場合は前記方向に対して最も長い径の長さをいう。なお、図示しないが、第2チャネル12及び第3チャネル13の断面形状も第1チャネル11と同様であり、チャネル幅も第1チャネル11と同様である。
これらの第1ウェル1、第2ウェル2及び第3ウェル3は検体液、抽出液及び発光液を収容できるように表面から垂直方向に沿って形成された孔である。
更に、本体部10aには、反応場8に対して第1ウェル1と反対側に配置される空洞部35が形成されている。そして、空洞部35には、本体部10aの縁部まで延びる空気抜き孔36が形成されている。
また上記マイクロチャネルチップ10においては、反応場8に隣接して光検出手段(図示しない)が配置されている。
更に、上述したカバー10bは、第2ウェル2、第3ウェル3、第1チャネル11、第2チャネル12及び第3チャネル13を密閉するように設けられている。またカバー10bは、透光性であることが好ましい。この場合、各ウェル1,2,3内の液体が第1チャネル11に導入されかどうかを目視で確認することができ、便利である。
このように構成された細菌検出装置においては、第2ウェル2に抽出液を、第3ウェル3に発光液を収容して本体部10aをカバー10bで覆う。カバー10bにおいて空洞部35の部分を指で押圧し、空洞部35の空間から空気抜き孔36を通して空気を逃がし、何らかの方法で空気抜き穴36を塞ぐ。第1ウェル1に検体液を垂らした後に指を離すと、空洞部35の空間が負圧となるため、第1ウェル1の検体液、第2ウェル2の抽出液、第3ウェル3の発光液が空洞部35に引き込まれる。その結果、まず検体液と抽出液が抽出液導入部31aで混合されて、検体液中の細菌から細菌内ATPが抽出され、次にその混合液と発光液が発光液導入部31bで混合されて、細菌内ATPが発光液と反応し発光する。この発光が、図示しない光検出手段で検出される。
このような構造を有する細菌検出装置によれば、従来技術のような分取作業が不要となり、利便性が増すという効果を有する。すなわち、マイクロチャネルチップ10内において、検体液を収容する第1ウェル1と反応場8とが第1チャネル11で接続されているため、検体液を数秒で反応場8に送流することができ、第2チャネル12及び第3チャネル13が第1チャネル11に接続されているため、検体液が第1ウェル1から反応場8に送流される際に、第2ウェル2に収容される抽出液と第3ウェル3に収容される発光液とを順次第1チャネル11に送流することができ、それぞれが第1チャネル11内で混合されることにより、検体液との反応を効率よく行うことができる。
更に、第1〜第3チャネル11〜13のチャネル幅dが1mm以下であるため、検体液と抽出液及び発光液が混合すると、拡散が極めて短時間で行われることになり、この結果、反応を瞬時に行うことができる。その結果、従来は最速でも1〜2時間要していた細菌の検出を数秒で行うことができるようになる。また、チャネル幅dが0.1〜500μmであると更に好ましい。
また上記マイクロチャネルチップ10では、本体部10aがカバー10bで密閉されているため、外部からの細菌の進入が十分に抑制される。従って、従来のようにクリーン環境中での検査や厳密な消毒等が不要であるため、極めて利便性に優れる。
上記光検出手段は、公知のものを用いることができ、例えばCCD、フォトダイオードや光電子増倍管を使用することができる。光検出手段は、反応場8にて細菌内ATPが発光液と反応することによって生じる光を検出する。したがって、光検出手段の設置位置は特に限定はしないが、反応場8の近くに設置することが好ましい。なお、マイクロチャネルチップ10の本体部10a内に設置することも可能である。
検体液に含まれる細菌としては、特に限定されないが食中毒を引き起こすおそれのある細菌(例えば腸炎ビブリオ、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、セレウス菌又はカンピロバクター菌)等が挙げられる。
また、抽出液に含まれる成分としては、細菌内ATPを抽出できるものであれば良く、リゾチーム、エタノールとアンモニアの混合液、メタノール、エタノール、界面活性剤(塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、トリトンX−100等)、トリクロル酢酸、過塩素酸、ファージ、抗生物質等が挙げられる。
更に、発光液に含まれる成分としては、ATPの存在下に発光するものであればよく、例えばルシフェラーゼ及びルシフェリンが挙げられる。
なお、これらの検体液、抽出液及び発光液は液状であればよく、サスペンションやエマルジョンであってもよい。
図3(a)及び(b)は、第1チャネル11、第2チャネル12及び第3チャネル13の第2〜第3の態様を示す断面図である。
図3(a)に示す、第2の態様のチャネル21aは、二つの基材を積層して形成される流路である。すなわち、一方の基材23aの下部と、他方の基材23bの上部とにそれぞれ溝を設け、貼り合わせることによってチャネル21aが形成される。図3(b)に示す、第3の態様のチャネル21bは、三つの基材を積層して形成されたものである。すなわち、中間層である基材24bに貫通溝を設け、その上部と下部に、基材24bを挟持するように基材24a及び24cを積層してチャネル21bが形成される。なお、チャネル21a及びチャネル21bはそれぞれ第1チャネル11、第2チャネル12、第3チャネル13に相当するものである。
これらの基材23a,23b,24a〜24cは任意に定めることができ、石英ガラス又はパイレックス(登録商標)ガラス等のガラス、PDMS、ポリカーボネート又はポリイミド等のポリマー、鉄、ステンレス、アルミニウム、ニッケル又は銅等のメタル、又はシリコン等を使用することができ、積層する場合のそれぞれの基材は、同一の種類であっても異なった種類であってもよい。
また、第1チャネル11、第2チャネル12及び第3チャネル13のチャネル幅は1mm以下である。
チャネル幅が上記の範囲であるため、このチャネル内で検体液、抽出液及び発光液が混合した場合には、単位体積あたりの接触表面積が増加するため、反応を促進することができる。すなわち拡散が極めて短時間で行われることになり、この結果、反応を瞬時に行うことができる。一方チャネル幅が1mmを超えると十分に拡散律速を低減することができないので、本発明の目的を達成することができない。更に好ましくはチャネル幅が0.1〜500μmのときである。
また、第1実施形態に係るマイクロチャネルチップ10は、第2ウェル2に抽出液を、第3ウェル3に発光液を収容させているが、これらは逆にすることもでき、混合して使用することもできる。
すなわち、第1ウェル1の検体液が第1チャネル11を通じて反応場8に送流される際に、第2ウェル2から第2チャネル12を通じて発光液が送流され、更に第3ウェル3から第3チャネル13を通じて抽出液が送流されてもよく、同様に第1ウェル1の検体液が第1チャネル11を通じて反応場8に送流される際に、第2ウェル2から第2チャネル12を通じて抽出液及び発光液の混合液が送流されてもよい。
これは抽出液が細菌内ATPを抽出するための液であるため、細菌を含まない発光液と混合しても反応することは無く、一方で発光液はATPの存在下に発光するための液であるため、ATPを含まない抽出液と混合しても反応することはないからである。また、検体液と発光液とを混合させた後、抽出液と混合させると、検体液から細菌内ATPが抽出されると同時に発光させることができる。また、抽出液と発光液とを混合してから検体液と混合させるとウェルの数やチャネルの数を減らすことができ、細菌検出装置を簡略化できる。
図4(a)は、上記第1実施形態に係る細菌検出装置を示す概略図、図4(b)〜(g)及び図5は本発明の細菌検出装置に係る第2〜第8実施形態を示す概略図である。
図4(b)は本発明に係る細菌検出装置の第2実施形態を示す概略図である。図4(b)は、第1実施形態に係るマイクロチャネルチップ10の第1チャネル11が第1チャネル11とチャネル11bに枝分かれした態様であり、一方は第1実施形態と同様であるが、他方はウェル2bとウェル3bと反応場8とを備え、ウェル2bとチャネル11bとはチャネル12bで接続され、ウェル3bとチャネル11bとはチャネル13bで接続されている。ウェル2bには特定の細菌から細菌内ATPを抽出させる特定抽出液が、ウェル3bには細菌内ATPを発光させる発光液が収容されている。したがって、一方では検体液に含まれる細菌を検出することができ、他方では検体液に含まれる特定の細菌を検出することができる。
図4(c)は本発明に係る細菌検出装置の第3実施形態を示す概略図である。図4(c)は、第1実施形態に係るマイクロチャネルチップの第1チャネル11が第1チャネル11とチャネル11cに枝分かれした態様で、一方は第1実施形態と同様であるが、他方はウェル3cと反応場8とを備え、ウェル3cとチャネル11cとはチャネル13cで接続されている。ウェル3cには細菌内ATPを発光させる発光液が収容されている。したがって、一方では検体液に含まれる細菌を検出することができ、他方では検体液に含まれる遊離ATPを検出することができ、測定精度を高めることができる。
図4(d)は本発明に係る細菌検出装置の第4実施形態を示す概略図である。図4(d)は、第1実施形態に係るマイクロチャネルチップに加え、第4ウェル4と、第5ウェル5とを備え、第4ウェル4には遊離ATPを除去させる除去液が、第5ウェル5には除去液を不活性化させる不活性化液が収容されている。また、第4ウェル4は最上流で第1チャネル11と第4チャネル14で接続され、第5ウェル5は第4ウェル4よりも下流側で且つ第2ウェル2よりも上流側で第1チャネル11と第5チャネル15で接続されている。したがって、検体液が第1チャネル11を通じて反応場8に送流される際に、第4ウェル4から第4チャネル14を通じて除去液が送流されると、測定精度を低下させる遊離ATPを除去することができ、更に第5ウェル5から第5チャネル15を通じて不活性化液が送流されると、余分な除去液を不活性化させることができる。すなわち、遊離ATPを除去し正確な細菌内ATPを検出することができるため、測定精度を高めることができる。
除去液に含まれる成分としては、アデノシンリン酸デアミナーゼ、アピラーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ヘキソキナーゼ及びアデノシントリホスファターゼ等が挙げられる。
また、不活性化液に含まれる成分としては、例えばコホルマイシン、EDTA、ジチオスレイトール、硫酸アンモニウム、HEPES、MES、Tricine等が挙げられる。
図4(e)は本発明に係る細菌検出装置の第5実施形態を示す概略図である。図4(e)は、第1実施形態に係るマイクロチャネルチップに加え、第6ウェル6を備え、第6ウェル6には細菌内ATPを増幅させる増幅液が収容されている。また、第6ウェル6は第2ウェル2よりも上流側で第1チャネル11と第6チャネル16で接続されている。したがって、検体液が第1チャネル11を通じて反応場8に送流される際に、第6ウェル6から第6チャネル16を通じて増幅液が送流されると、細菌内ATPを増量することができる。すなわち、微量の細菌や栄養状態に優れない細菌であっても顕著に発光させることができ、これらの細菌を検出することができるため、測定精度を高めることができる。
なお、第5実施形態に係る第6ウェル6の増幅液については、第2ウェル2の抽出液や第3ウェル3の発光液との送流順序が異なってもよい。
また、増幅液に含まれる成分としては、特に限定されないがアデニル酸キナーゼ、ポリリン酸キナーゼ、ポリリン酸、アデノシンモノリン酸、ピルべートオルトホスフェートジキナーゼ、ホスホエノールピルビン酸、ピロリン酸、マグネシウムイオン等が挙げられる。
図4(f)は本発明に係る細菌検出装置の第6実施形態を示す概略図である。図4(f)は、第4実施形態に係る第4ウェル4及び第5ウェル5と第5実施形態に係る第6ウェル6を備えたマイクロチャネルチップである。したがって、遊離ATPを除去することができると同時に細菌内ATPを増幅させることができるため、測定精度を高めることができる。なお、送流順序には留意を要する。すなわち、遊離ATPを増幅させないためにも、遊離ATPを除去し、除去液を不活性化させた後に増幅液、抽出液及び発光液を送流する必要がある。
図4(g)は本発明に係る細菌検出装置の第7実施形態を示す概略図である。図4(g)は、第1実施形態に係るマイクロチャネルチップに加え、第7ウェル7を備え、第7ウェル7には細菌のフロックを分解させる分解液が収容されている。また、第7ウェル7は第2ウェル2よりも上流側で第1チャネル11と第7チャネル17で接続されている。したがって、検体液が第1チャネル11を通じて反応場8に送流される際に、第7ウェル7から第7チャネル17を通じて分解液が送流されると、細菌のフロックを分解することができ、細菌のフロックを分散することができるため、細菌と抽出液の接触効率が上がり、抽出反応を促進させることができる。
また、分解液に含まれる成分としては、特に限定されないがTris−Hcl、HEPES、PBS、MES、Tricine等が挙げられる。
図5は本発明に係る細菌検出装置の第8実施形態を示す概略図である。図5は、検体液を収容する第1ウェル1に検体液を導入すると、第一〜第五の経路A〜Eに送流され、それぞれで個別の検出を行うことができる装置である。まず、導入された検体液は、フィルタ30を通して不溶成分を排除し、次いで除去液と混合して遊離ATPを除去し、更に不活性化液と混合して、余分な除去液を不活性化させる。更に分解液で細菌のフロックを分散させる。こうして得られた混合液を第一〜第五経路A〜Eに分岐させる。そして、第一経路Aにおいては、増幅液と抽出液により細菌内ATPを抽出、増幅させ、発光液により発光させ、光検出手段8aにより、細菌を検出することができる。また、第二経路Bにおいては、増幅液と特定抽出液Aにより特定の細菌Aの細菌内ATPを抽出、増幅させ、発光液により発光させ、光検出手段8aにより、細菌Aを検出することができる。更に、第三経路Cにおいては、増幅液と特定抽出液Bにより特定の細菌Bの細菌内ATPを抽出、増幅させ、発光液により発光させ、光検出手段8aにより、細菌Bを検出することができる。また、第四経路Dにおいては、増幅液と発光液により遊離ATPを検出することができる。そして、第五経路Eにおいては、ATPを導入し増幅液と発光液により試薬の活性度を確認することができる。
したがって、経路Aによってすべての細菌を検出することができ、経路B及びCによって特定の細菌A及びBを検出することができ、経路D及びEによって遊離ATPの検出及び試薬の活性度の確認を行うことができる。また、この経路は拡散が極めて短時間で行われることになり、この結果、反応を瞬時に行うことができ、迅速且つ正確に細菌を検出することができる。
本発明の細菌検出装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記第1実施形態では、カバー10bを指で押圧することにより空洞部35に負圧部を作り、それによって各ウェルからの液体を第1チャネル11に導入している。すなわち、カバー10b、空洞部35及び空気抜き孔36が移送手段を構成しているが、本発明の細菌検出装置は、移送手段としてバルブやポンプ等が用いられてもよい。このような場合でも、各ウェルからの液体を確実且つ容易に第1チャネルに導入することができる。また、逆止弁を設けることも有用である。なお、これらはマイクロチャネルチップ内に設置することも可能である。
このように移送手段を設けることによって、各ウェルに収容される液体を発光部に移送させることが容易となる。なお、これらの移送手段はウェル数やチャネル数に影響することなく、各ウェルからの液体を確実に第1チャネルに導入することができる。
また本発明の細菌検出装置は、第1チャネル11を加熱する加熱手段、第1チャネル11に電界を印加する電界印加手段、及び第1チャネル11に超音波を印加する超音波印加手段のうちの少なくとも1種以上を備えることが好ましい。
細菌検出装置がこれらの手段を備えることにより、抽出液に代えて、これらの手段で細菌から細菌内ATPを抽出することができる。したがって、第2ウェルが不要となるため、更に装置構造を簡単にすることができる。なお、これらは抽出反応のみならず、発光させる反応等にも応用させることができる。また、これらの手段は複数並列して設置することもでき、マイクロチャネルチップ内に設置することも可能である。
更にまた、前記第1チャネルにおいて、前記除去液導入部より下流側の少なくとも1部の温度を50℃以上に制御してATP除去剤を不活性化させる温度制御手段を更に備えることが好ましい。この場合、温度を制御するだけで余分な除去液を不活性化させることができる。従って、不活性化液が不要となるため、不活性化液を収容するためのウェルや不活性化液を送流するためのチャネルを省くことができ、マイクロチャネルチップの構造を簡素にすることができる。
また上記実施形態では、細菌の検出の際に第2ウェル、第3ウェルに抽出液、発光液をそれぞれ収容しているが、第2ウェル及び第3ウェルには、予め抽出液と発光液を収容させておくのが好ましい。予め抽出液と発光液を収容していれば、検体液を第1ウェルに導入するのみで細菌検出を行うことができ、環境を選ばず、簡便に検出精度の高い測定ができる。更に、除去液、不活性化、増幅液、分解液も必要に応じて予め収容させておくことも可能である。
更にこの場合、抽出液と発光液の温度を制御する制御手段を備えることが好ましい。温度制御手段はマイクロチャネルチップをヒーターブロックで上下から挟むように設置することができ、ヒーターブロックには温度センサが電気的に接続される。そして、温度センサで得られた温度に基づいてヒーターブロックの温度が制御される。
このように温度を制御することによって、本発明の装置内で行われる反応に最適な環境を提供することができる。例えば、温度を抽出液や発光液等にとって最適な値とすることによって、反応速度を更に高めることができ、更には、温度をその値で維持することによって、反応を安定化することができる。
また、マイクロチャネルチップは冷凍装置(温度制御手段)等によって冷凍して保存することが好ましい。冷凍保存を行えば、細菌が増殖したり不活性化することなく長期間保存することができる。また、冷凍したマイクロチャネルチップは解凍することにより用いることができる。
本発明の細菌検出装置の第1実施形態の主要部であるマイクロチャネルチップを示す斜視図である。 図1のマイクロチャネルチップを構成する本体部の厚さ方向に沿った部分断面図である。 図3(a)及び(b)は、第1チャネル、第2チャネル及び第3チャネルの第1及び第2の態様を示す断面図である。 図4(a)は、本発明の細菌検出装置の第1実施形態を示す概略図、図4(b)〜(g)は本発明の細菌検出装置に係る第2〜第7実施形態を示す概略図である。 図5は、本発明の細菌検出装置に係る第8実施形態を示す概略図である。
符号の説明
1…第1ウェル、2…第2ウェル、3…第3ウェル、4…第4ウェル、5…第5ウェル、6…第6ウェル、7…第7ウェル、8…反応場(発光部)、8a…光検出手段、10…マイクロチャネルチップ、10a・・・本体部、10b・・・カバー、11…第1チャネル、12…第2チャネル、13…第3チャネル、14…第4チャネル、16…第6チャネル、17…第7チャネル、21a,21b・・・チャネル、31a…抽出液導入部、31b…発光液導入部、31c…除去液導入部、31d…不活性化液導入部、31e…増幅液導入部、31f…分解液導入部、35・・・空洞部、36・・・空気抜き孔、d…チャネル幅。

Claims (27)

  1. 細菌を含む検体液を収容するための第1ウェル、
    前記細菌から細菌内ATPを抽出させる抽出液を収容するための第2ウェル、
    前記細菌内ATPの存在下で発光する発光液を収容するための第3ウェル、
    前記細菌内ATPと前記発光液とを接触させる発光部、
    前記第1ウェルと前記発光部とを接続する第1チャネル、
    前記第1チャネルの抽出液導入部と前記第2ウェルとを接続する第2チャネル、及び、
    前記第1チャネルの発光液導入部と前記第3ウェルとを接続する第3チャネル
    を有するマイクロチャネルチップと、
    前記細菌内ATPと前記発光液との接触により生じる光を検出する光検出手段と、
    前記第1ウェルに収容される液体を前記発光部に移送させ、前記第2、及び第3ウェルに収容される液体を前記第1チャネル移送させるための移送手段と、
    を備えており、且つ、
    前記第1チャネルのチャネル幅が1mm以下であることを特徴とする細菌検出装置。
  2. 前記マイクロチャネルチップが、
    ATP除去剤を含む除去液を収容するための第4ウェルと、
    前記ATP除去剤を不活性化させる不活性化剤を含む不活性化液を収容するための第5ウェルと、
    前記第1チャネルの除去液導入部と前記第4ウェルとを接続する第4チャネルと、
    前記第1チャネルの不活性化液導入部と前記第5ウェルとを接続する第5チャネルと、
    を更に備えており、
    前記第1チャネルにおいて、前記除去液導入部が前記抽出液導入部よりも上流側に設けられており、
    前記不活性化液導入部が前記除去液導入部の下流側であって前記抽出液導入部の上流側に設けられており、且つ、
    前記移送手段が前記第4及び第5ウェルに収容される液体を前記第1チャネルに移送することが可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の細菌検出装置。
  3. 前記マイクロチャネルチップが、
    ATP除去剤を含む除去液を収容するための第4ウェルと、
    前記第1チャネルの除去液導入部と前記第4ウェルとを接続する第4チャネルと、
    前記除去液を温度50℃以上に制御してATP除去剤を不活性化させる温度制御手段と、
    を更に備えており、
    前記第1チャネルにおいて、前記除去液導入部が前記抽出液導入部よりも上流側に設けられており、
    前記温度制御手段によって温度が制御される温度制御部が前記除去液導入部の下流側であって前記抽出液導入部の上流側の部分の温度を制御することが可能であり、且つ、
    前記移送手段が前記第4ウェルに収容される液体を前記第1チャネルに移送することが可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の細菌検出装置。
  4. 前記マイクロチャネルチップが、
    細菌内ATPを増幅させる増幅液を収容するための第6ウェルと、
    前記第1チャネルの増幅液導入部と前記第6ウェルとを接続する第6チャネルと、
    を更に備えており、
    前記第1チャネルにおいて、前記増幅液導入部が前記不活性化液導入部の下流側に設けられおり、且つ、
    前記移送手段が前記第6ウェルに収容される液体を前記第1チャネルに移送することが可能となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の細菌検出装置。
  5. 前記マイクロチャネルチップが、
    前記細菌のフロックを分解させる分解液を収容する第7ウェルと、
    前記第1チャネルの分解液導入部と前記第7ウェルとを接続する第7チャネルと、
    を更に備えており、
    前記第1チャネルにおいて、前記分解液導入部が前記抽出液導入部よりも上流側に設けられており、且つ、
    前記移送手段が前記第7ウェルに収容される液体を前記第1チャネルに移送することが可能となっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の細菌検出装置。
  6. 前記マイクロチャネルチップにおいて、前記第2ウェル、前記第3ウェル、及び前記第6ウェルのうちのいずれか一つのウェルが他のウェルを兼ねていることを特徴とする請求項4に記載の細菌検出装置。
  7. 前記マイクロチャネルチップが、
    細菌内ATPを増幅させる増幅液を収容するための第6ウェルと、
    前記細菌のフロックを分解させる分解液を収容する第7ウェルと、
    前記第1チャネルの増幅液導入部と前記第6ウェルとを接続する第6チャネルと、
    前記第1チャネルの分解液導入部と前記第7ウェルとを接続する第7チャネルと、
    を更に備えており、
    前記第1チャネルにおいて、前記分解液導入部が前記抽出液導入部よりも上流側に設けられており、
    前記第1チャネルにおいて、前記増幅液導入部が前記不活性化液導入部の下流側に設けられおり、且つ、
    前記第2ウェル、前記第3ウェル、前記第4ウェル、前記第5ウェル、前記第6ウェル、及び前記第7ウェルからなる群より選ばれる少なくとも1つのウェルに、そのウェルに対応する前記抽出液、前記発光液、前記除去液、前記不活性化液、前記増幅液、及び前記分解液が収容されていることを特徴とする請求項2に記載の細菌検出装置。
  8. 更にマイクロチャネルチップ内の液体の温度を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の細菌検出装置。
  9. 細菌を含む検体液を収容するための第1ウェル、
    前記細菌内ATPの存在下で発光する発光液を収容するための第3ウェル、
    前記細菌内ATPと前記発光液とを接触させる発光部、
    前記第1ウェルと前記発光部とを接続する第1チャネル、及び、
    前記第1チャネルの発光液導入部と前記第3ウェルとを接続する第3チャネル
    を有するマイクロチャネルチップと、
    前記細菌内ATPと前記発光液との接触により生じる光を検出する光検出手段と、
    前記第1ウェルに収容される液体を前記発光部に移送させ、前記第3ウェルに収容される液体を前記第1チャネルに移送させるための移送手段と、
    を備えており、且つ、
    前記第1チャネルのチャネル幅が1mm以下であり、
    前記第1チャネルを加熱する加熱手段、前記第1チャネルに電界を印加する電界印加手段、及び前記第1チャネルに超音波を印加する超音波印加手段のうちの少なくとも1種以上の手段を更に備えることを特徴とする細菌検出装置。
  10. 前記マイクロチャネルチップが、
    ATP除去剤を含む除去液を収容するための第4ウェルと、
    前記ATP除去剤を不活性化させる不活性化剤を含む不活性化液を収容するための第5ウェルと、
    前記第1チャネルの除去液導入部と前記第4ウェルとを接続する第4チャネルと、
    前記第1チャネルの不活性化液導入部と前記第5ウェルとを接続する第5チャネルと、
    を更に備えており、
    前記第1チャネルにおいて、前記除去液導入部が前記加熱手段、前記電界印加手段又は前記超音波印加手段によって細菌から細菌内ATPを抽出する抽出部よりも上流側に設けられており、
    前記不活性化液導入部が前記除去液導入部の下流側であって前記抽出部の上流側に設けられており、且つ、
    前記移送手段が前記第4及び第5ウェルに収容される液体を前記第1チャネルに移送することが可能となっていることを特徴とする請求項9に記載の細菌検出装置。
  11. 前記マイクロチャネルチップが、
    ATP除去剤を含む除去液を収容するための第4ウェルと、
    前記第1チャネルの除去液導入部と前記第4ウェルとを接続する第4チャネルと、
    前記除去液を温度を50℃以上に制御してATP除去剤を不活性化させる温度制御手段と、
    を更に備えており、
    前記第1チャネルにおいて、前記除去液導入部が前記加熱手段、前記電界印加手段又は前記超音波印加手段によって細菌から細菌内ATPを抽出する抽出部よりも上流側に設けられており、
    前記温度制御手段によって温度が制御される温度制御部が前記除去液導入部の下流側であって前記抽出部の上流側の部分の温度を制御することが可能であり、且つ、
    前記移送手段が前記第4ウェルに収容される液体を前記第1チャネルに移送することが可能となっていることを特徴とする請求項9に記載の細菌検出装置。
  12. 前記マイクロチャネルチップが、
    細菌内ATPを増幅させる増幅液を収容するための第6ウェルと、
    前記第1チャネルの増幅液導入部と前記第6ウェルとを接続する第6チャネルと、
    を更に備えており、
    前記第1チャネルにおいて、前記増幅液導入部が前記不活性化液導入部の下流側に設けられおり、且つ、
    前記移送手段が前記第6ウェルに収容される液体を前記第1チャネルに移送することが可能となっていることを特徴とする請求項9又は10に記載の細菌検出装置。
  13. 前記マイクロチャネルチップが、
    前記細菌のフロックを分解させる分解液を収容する第7ウェルと、
    前記第1チャネルの分解液導入部と前記第7ウェルとを接続する第7チャネルと、
    を更に備えており、
    前記第1チャネルにおいて、前記分解液導入部が前記加熱手段、前記電界印加手段又は前記超音波印加手段によって細菌から細菌内ATPを抽出する抽出部よりも上流側に設けられており、且つ、
    前記移送手段が前記第7ウェルに収容される液体を前記第1チャネルに移送することが可能となっていることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の細菌検出装置。
  14. 前記マイクロチャネルチップが、
    細菌内ATPを増幅させる増幅液を収容するための第6ウェルと、
    前記細菌のフロックを分解させる分解液を収容する第7ウェルと、
    前記第1チャネルの増幅液導入部と前記第6ウェルとを接続する第6チャネルと、
    前記第1チャネルの分解液導入部と前記第7ウェルとを接続する第7チャネルと、
    を更に備えており、
    前記第1チャネルにおいて、前記分解液導入部が前記加熱手段、前記電界印加手段又は前記超音波印加手段によって細菌から細菌内ATPを抽出する抽出部よりも上流側に設けられており、
    前記第1チャネルにおいて、前記増幅液導入部が前記不活性化液導入部の下流側に設けられおり、且つ、
    前記第3ウェル、前記第4ウェル、前記第5ウェル、前記第6ウェル、及び前記第7ウェルからなる群より選ばれる少なくとも1つのウェルに、そのウェルに対応する前記発光液、前記除去液、前記不活性化液、前記増幅液、及び前記分解液が収容されていることを特徴とする請求項10に記載の細菌検出装置。
  15. 更にマイクロチャネルチップ内の液体の温度を制御する制御手段を更に備えることを特徴とする請求項9〜14のいずれか一項に記載の細菌検出装置。
  16. チャネル幅が1mm以下であるチャネルを有するマイクロチャネルチップの前記チャネル内で、細菌を含む検体液と、前記細菌から細菌内ATPを抽出させる抽出液と、前記細菌内ATPの存在下に発光する発光液とを混合し、前記抽出液により前記細菌から前記細菌内ATPを抽出し、前記細菌内ATPの存在下、前記発光液を発光させ、該発光を検出することを特徴とする細菌検出方法。
  17. 前記抽出液が特定の細菌のみから選択的にATPを抽出する特定抽出液であることを特徴とする請求項16に記載の細菌検出方法。
  18. 前記特定抽出液がファージ又は抗生物質であることを特徴とする請求項17に記載の細菌検出方法。
  19. 前記検体液を、前記抽出液と前記発光液に混合させる前に、ATP除去剤を含む除去液と混合して、前記除去液により前記検体液から遊離ATPを除去し、更に不活性化剤を含む不活性化液と混合して、前記除去液を不活性化させることを特徴とする請求項16〜18のいずれか一項に記載の細菌検出方法。
  20. 前記検体液を、前記抽出液と前記発光液に混合させる前に、ATP除去剤を含む除去液と混合して、前記除去液により前記検体液から遊離ATPを除去し、更に前記除去液との混合液の温度を50℃以上に制御して前記ATP除去剤を不活性化させることを特徴とする請求項16〜18のいずれか一項に記載の細菌検出方法。
  21. 前記検体液を、前記除去液を不活性化させた後に細菌内ATPを増幅させる増幅液と混合して、前記検体液に含まれる細菌の細菌内ATPを増幅させることを特徴とする請求項19に記載の細菌検出方法。
  22. 前記検体液を、前記抽出液と前記発光液に混合させる前に、細菌のフロックを分解させる分解液と混合して、前記分解液により前記検体液から細菌のフロックを分解させることを特徴とする請求項16〜21のいずれか一項に記載の細菌検出方法。
  23. チャネル幅が1mm以下であるチャネルを有するマイクロチャネルチップの前記チャネル内で、細菌を含む検体液に加熱、電界印加および超音波印加のいずれか1つ以上を行うことにより前記細菌から前記細菌内ATPを抽出し、前記細菌内ATPの存在下、前記発光液を発光させ、該発光を検出させる細菌検出方法。
  24. 前記検体液に前記加熱、前記電界印加又は前記超音波印加を行う前に、ATP除去剤を含む除去液と混合して、前記除去液により前記検体液から遊離ATPを除去し、更に不活性化剤を含む不活性化液と混合して、前記除去液を不活性化させることを特徴とする請求項23に記載の細菌検出方法。
  25. 前記検体液に前記加熱、前記電界印加又は前記超音波印加を行う前に、ATP除去剤を含む除去液と混合して、前記除去液により前記検体液から遊離ATPを除去し、更に前記除去液との混合液の温度を50℃以上に制御して前記ATP除去剤を不活性化させることを特徴とする請求項23に記載の細菌検出方法。
  26. 前記検体液を、前記除去液を不活性化させた後に細菌内ATPを増幅させる増幅液と混合して、前記検体液に含まれる細菌の細菌内ATPを増幅させることを特徴とする請求項24に記載の細菌検出方法。
  27. 前記検体液に前記加熱、前記電界印加又は前記超音波印加を行う前に、細菌のフロックを分解させる分解液と混合して、前記分解液により前記検体液から細菌のフロックを分解させることを特徴とする請求項23〜26のいずれか一項に記載の細菌検出方法。
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