JP2007220581A - 非水二次電池用正極の製造方法、および非水二次電池 - Google Patents

非水二次電池用正極の製造方法、および非水二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 高容量の非水二次電池用正極を生産性よく製造する方法と、該方法により得られた正極を有する非水二次電池を提供する。
【解決手段】 正極合剤含有組成物を導電性基体に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成する工程を経由して非水二次電池用正極を製造するに当たり、正極活物質と導電助剤とを連続的に混合し、送り出す工程(A)と、上記工程(A)により得られた正極活物質と導電助剤の混合物と結着剤を二軸押出機に供給して混練し、更に該二軸押出機に溶剤を供給して混練することにより正極合剤含有組成物を調製する工程(B)を有することを特徴とする非水二次電池用正極の製造方法と、該製造方法で得られた正極を有する非水二次電池である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、非水二次電池用正極と、該正極を有する非水二次電池に関するものである。
近年、携帯電話などの携帯機器の加速度的な普及に伴い、その電源として、高エネルギー密度を有する非水二次電池の需要が急速に拡大している。こうした非水二次電池では、例えば、正極活物質を含有する正極合剤層を集電体表面に形成してなる正極と、負極活物質を含有する負極合剤層を集電体表面に形成してなる負極とを、セパレータを介して積層したり、更にこの積層体を巻回してなる電極体と、非水電解液とを、電池外装体内に装填してなる構造を有するものが一般的である。
そして、例えば、正極合剤層の形成に当たっては、正極活物質、導電助剤、結着剤などを含有し、これを溶剤に分散させてなる正極合剤含有組成物(ペースト、スラリーなど)を調製し、これを集電体表面に塗布し、乾燥して溶剤を除去する方法が採用されている。
正極合剤含有組成物の調製方法も種々提案されている。例えば、特許文献1には、正極活物質と導電助剤と結着剤とをプラネタリーミキサーで混合し、その後、この混合物を押出機で混練した後、この混練物と溶剤とを混合する方法が提案されている。
また、特許文献2には、導電助剤と結着剤と溶剤とを二軸押出機で混練し、得られた導電助剤含有分散液と正極活物質とを、二軸押出機で混練する方法や、正極活物質と導電助剤と結着剤と溶剤とを、二軸押出機で一度に混練する方法が提案されている。
特開2000−123879号公報(特許請求の範囲など) 特開2004−14206号公報(特許請求の範囲など)
ところで、最近では、非水二次電池の更なる高容量化を達成すべく、正極合剤層や負極合剤層の密度を大きくして、正極活物質や負極活物質の充填量を向上させる試みがなされている。正極合剤層の密度を高めるには、例えば、正極合剤含有組成物を集電体表面に塗布した後、カレンダー成形などのプレス処理により圧縮する方法が採用できる。その際、集電体表面に塗布する正極合剤含有組成物の固形分濃度が低い場合には、プレス処理による圧縮前の正極合剤層密度が低くなるため、プレス処理における圧縮力を大きくする必要がある。ところが、プレス処理における圧縮力をあまり大きくすると、集電体の破れが生じることがあり、正極の生産性が損なわれてしまう。よって、高密度の正極合剤層を有する正極を生産性よく製造するには、固形分濃度の高い正極合剤含有組成物を調製することが好ましい。しかし、正極合剤含有組成物の固形分濃度を高くすると、該組成物中の固形分を均一に分散することが困難となる。分散性が悪く、均一性の低い正極合剤含有組成物で形成した正極合剤層は、活物質、導電助剤および結着剤が不均一に分散しているため、その活物質利用率が低くなり、却って容量低下を引き起こす虞がある。
特許文献1に開示の正極合剤含有組成物の調製方法であれば、比較的固形分濃度の高い正極合剤含有組成物であっても、固形分を良好に分散させ得る可能性がある。しかしながら、特許文献1に開示の方法では、予め活物質と導電助剤と結着剤とを、バッチ式のプラネタリーミキサーで混合した後、二軸押出機に供給して混練するため、1段階目の混合工程の効率が悪く、正極合剤含有組成物の生産性、延いては非水二次電池の生産性を高めることが困難である。
これに対し、特許文献2に開示の正極合剤含有組成物の調製方法は、正極合剤含有組成物の調製に、連続式の二軸押出機を使用するため、正極合剤含有組成物や非水二次電池の生産性を高めることができる。しかし、特許文献2に開示の方法では、正極合剤含有組成物の分散性を維持しつつ固形分濃度を高くすることが困難である。従来程度の密度の正極合剤層を形成するための正極合剤含有組成物の調製方法としては、特許文献2の方法は非常に有効であるが、近年の高容量化の要請に対応するには、特許文献2の方法で可能な程度を超えた固形分濃度を有する正極合剤含有組成物を調製し、これにより高密度の正極合剤層を有する正極を生産性よく製造する方法の開発が望まれる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高容量の非水二次電池用正極を生産性よく製造する方法と、該方法により得られた正極を有する非水二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成し得た本発明の非水二次電池用正極の製造方法は、正極合剤含有組成物を導電性基体に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成する工程を経由して非水二次電池用正極を製造するに当たり、正極活物質と導電助剤とを連続的に混合し、送り出す工程(A)と、上記工程(A)により得られた正極活物質と導電助剤の混合物と結着剤を二軸押出機に供給して混練し、更に該二軸押出機に溶剤を供給して混練することにより正極合剤含有組成物(ペースト、スラリーなど)を調製する工程(B)を有することを特徴とする方法である。
また、上記製造方法により製造された正極を有する非水二次電池も本発明に包含される。
本発明によれば、高容量の非水二次電池用正極を生産性よく製造できる。また、本発明の製造方法により得られた正極を有する本発明の非水二次電池は、高容量で良好な電池特性を有するものである。
本発明の製造方法は、まず、正極活物質と導電助剤とを連続的に混合し、送り出し[工程(A)]、次に、二軸押出機を用いて、送り出された正極活物質と導電助剤との混合物と結着剤と混練し、更に、溶剤も二軸押出機に供給して混練することにより、正極活物質と導電助剤と結着剤と溶剤を含有する正極合剤含有組成物を調製し[工程(B)]、これを非水二次電池用正極の正極合剤層の形成に用いる点に特徴を有している。
正極合剤層において、正極活物質と導電助剤の分散が良好でない場合には、正極合剤層中における導電助剤が不均一になり、正極活物質の利用率が低下するため、喩え正極合剤層の密度を高めて正極活物質の充填性を向上させたとしても、このような正極合剤層を有する正極を用いた電池では、容量やインピーダンス特性が低下する虞がある。また、正極活物質や導電助剤は、粉体として供されるのが一般的であり、液体である溶剤の共存化で混合・混練を行って正極合剤含有組成物の調製を行うと、特に正極活物質や導電助剤などの固形分濃度が高い状況下では、組成物中における正極活物質や導電助剤の分散の均一性が低下してしまう。
例えば、上記特許文献2の方法によれば、固形分濃度が比較的低い正極合剤含有組成物については、各成分の分散性を良好にしつつ調製することができる。しかし、上述した通り、電池容量を向上させるべく高密度の正極合剤層を有する正極を製造するには、固形分濃度の低い正極合剤含有組成物を用いた場合、該組成物を集電体に塗布後、カレンダー成形などによるプレス処理によって圧縮する際の圧縮力を大きく必要があり、集電体の破れが生じやすく、正極の生産性が損なわれてしまう。
また、上記特許文献1の方法によれば、固形分濃度が比較的高い正極合剤含有組成物を、各成分の分散性を良好にしつつ調製できる可能性があるが、上述の通り、1段階目の混合がバッチ式であるため、非効率であり、正極の生産性を高めることができない。
よって、本発明では、まず、上記工程(A)において、粉体である正極活物質と導電助剤とを連続的に混合し、送り出すことにより、正極活物質と導電助剤との混合物を、両者の分散を良好にしつつ効率よく調製し、その後、上記工程(B)において、二軸押出機を用いてこの混合物と結着剤とを混練し、最後に該二軸押出機に溶剤を供給して混練することにより、高固形分濃度の正極合剤含有組成物を、各成分の分散性を高めつつ良好な生産性で調製することを可能とした。そして、この正極合剤含有組成物を正極合剤層の形成に用いることにより、プレス処理による正極合剤層の圧縮時における集電体の破れを抑制しつつ高密度の正極合剤層を有する正極の製造を可能とした。
工程(A)で使用する装置としては、正極活物質と導電助剤とを良好な分散性で連続的に混合し、送り出すことができる装置であれば特に制限はない。例えば、従来公知の一軸または二軸押出機が使用できる。なお、上記の通り、正極活物質や導電助剤は、粉体であるのが通常であるため、工程(A)で使用する装置には、こうした粉体同士を良好に混合し、送り出し得る装置であることが好ましい。このような装置としては、例えば、回転ブレードと固定ブレードの間で混合する機構を備えた押出機が挙げられる。
図1に、回転ブレードと固定ブレードの間で混練する機構を備えた一軸押出機の縦断面概略図を示す。図1の押出機は、粉体供給ユニット11、バレル17、混合物排出口18を有しており、バレル17は、フィールド部、混合分散部およびメーターリング部に分かれている。そして、バレル17の内部には、回転軸12を有するスクリューが備えられており、該スクリューのうち、フィールド部に当たる箇所にはフィールドスクリュー13が、メーターリング部に当たる箇所にはメーターリングスクリュー16が、それぞれ位置している。また、混合分散部に当たる箇所においては、スクリューは、回転ブレード14と固定ブレード15が交互に多段に重ねられて構成されており、回転ブレード14は回転軸12に固定されており、固定ブレード15はバレル17の内面に固定されている。そして、回転ブレード14の両面には放射状に山と谷が形成されており、固定ブレード15の両面にも放射状に山と谷が形成されていて、これらが交互に重ねられることで、各ブレードの両面にキャビティー(窪みの谷)が放射状に形成されている。
図1に示す一軸押出機の粉体供給ユニット11から供給された粉体状の正極活物質と粉体状の導電助剤は、フィールドスクリュー13により混合分散部に送られる。混合分散部では、回転ブレード14と固定ブレード15が重ねられることにより形成された上記キャビティーに供給された正極活物質と導電助剤とが、両者が互いに良好に分散して混合物となる。そして、これらの混合物が、メーターリングスクリュー16により送り出されて混合物排出部18から排出される。
また、工程(B)で使用する装置としては、従来公知の二軸押出機であれば、特に制限は無い。しかし、上述の通り、工程(B)では、まず、工程(A)で得られた混合物と結着剤とを二軸押出機に混練し、更にこの二軸押出機に溶剤を供給して混練して正極合剤含有組成物を調製する。そのため、工程(B)で使用する二軸押出機は、混練途中で溶剤を内部に供給できる機構を有していることが要求される。
図2に、本発明に係る工程(B)に好適に用い得る二軸押出機の縦断面概略図を示す。図2では、二軸押出機が有する2本のスクリューのうちの1本のみを図示している。なお、図2の二軸押出機では、便宜上、工程(A)で得られた混合物と結着剤とを混練するゾーンを「混練部」と称し、その後溶剤を供給して更に混練するゾーンを「希釈部」と称している。図2の二軸押出機は、正極活物質と導電助剤の混合物を供給するための粉体供給ユニット21、結着剤供給ユニット22、溶剤供給ユニット23、回転軸24、スクリュー25、バレル28、正極合剤含有組成物排出口29で構成されている。また、スクリュー25は、パドル26およびスペーサー27を有している。
まず、工程(A)で送り出された正極活物質と導電助剤の混合物を、粉体供給ユニット21を通じて連続的に二軸押出機に供給する。そして、結着剤供給ユニット22から結着剤を二軸押出機に供給し、混練部において正極活物質と導電助剤の混合物と、結着剤とを混練する。なお、結着剤供給ユニット22から供給される結着剤は、溶剤の一部を含有していてもよい(詳しくは後述する)。
続いて、溶剤供給ユニット23から溶剤を供給し、希釈部において、正極活物質、導電助剤および結着剤の混練物と、溶剤とを混練(希釈)して正極合剤含有組成物を調製し、排出口29から正極合剤含有組成物を排出する。
正極合剤含有組成物に係る正極活物質としては、特に限定されないが、例えば、LiMOまたはLiMで表されるリチウム含有金属酸化物であって、元素MがCo、Ni、Mn、Fe、Cuなどの金属元素の少なくとも1種であるもの、より具体的には、LiCoOなどのリチウムコバルト酸化物、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物、LiNiOなどのリチウムニッケル酸化物などのリチウム含有金属酸化物、またはこれらを基本構造とする複合酸化物(例えば、異種金属添加品);二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化物などの金属酸化物、またはこれらを基本構造とする複合酸化物;二硫化チタン、二硫化モリブデンなどの金属硫化物;などが挙げられる。これらの正極活物質は、1種単独で用いてもよく、例えば、混合物や固溶体として2種以上を併用しても構わない。特に、LiCoO、LiMnO、LiNiOなどの、充電時の開路電圧がLi基準で4V以上を示すリチウム含有複合酸化物を正極活物質として用いた場合には、より高エネルギー密度の電池を構成できることから好ましい。
正極合剤含有組成物に係る導電助剤としては、例えば、ファーネスブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック系導電助剤;アセチレンブラック;鱗片状黒鉛;繊維状炭素;活性炭;などが挙げられる。例えば、アセチレンブラックやカーボンブラック系導電助剤であれば、比表面積が50〜2000m/gであるものが好ましい。また、鱗片状黒鉛のような黒鉛系の導電助剤の場合には、比表面積が50〜500m/gであるものが好ましい。比表面積が小さすぎる導電助剤を用いると、正極活物質との接触面積が減少するため、導電性が低下して内部抵抗が上昇することがある。また、比表面積が大きすぎる導電助剤を用いると、正極合剤含有組成物における溶剤の必要量が増大することがあり、高固形分濃度の正極合剤含有組成物を調製することが困難となることがある。
正極合剤含有組成物に係る結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂系結着剤;エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエン、フッ素ゴムなどのゴム系結着剤;ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのセルロース樹脂などの多糖類;などが挙げられる。これらの結着剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても構わない。中でも、PVDFが特に好ましい。なお、正極合剤含有組成物の調製に当たっては、結着剤は、予め溶剤に溶解させた溶液として用いることもできる。結着剤を溶液として用いる場合には、例えば、溶液のハンドリング性を考慮すると、粘度が0.3〜3Pa・sとなるように調整することが好ましい。
正極合剤含有組成物に係る溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性有機溶媒を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
正極合剤含有組成物において、正極活物質、導電助剤および結着剤などの固形分の濃度は、例えば、70質量%以上、より好ましくは75質量%以上であって、85質量%以下、より好ましくは82質量%以下であることが望ましい。固形分濃度が低すぎる正極合剤含有組成物を用いて正極合剤層を形成すると、カレンダー成形などのプレス処理による圧縮前の密度が小さくなるため、高容量化を図るべく高密度の正極合剤層とするためには、プレス処理の際の圧縮力を大きくする必要があり、集電体の破れなどが生じてしまうことがある他、溶剤除去に要する時間や工程が長くなったり、所定量を塗布するための塗料の量が多くなり、また、固形分濃度が高すぎると、正極合剤含有組成物の粘度が高くなりすぎて、集電体への塗布性が損なわれることがある。
正極合剤層における導電助剤含有量、結着剤含有量、および正極活物質含有量は下記のようであることが好ましく、このような成分組成の正極合剤層が形成できるように、正極合剤含有組成物における成分組成を調整することが好ましい。正極合剤層における導電助剤含有量は、0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であって、8質量%以下、より好ましくは5質量%以下とすることが望ましい。導電助剤含有量が少なすぎると、正極合剤層における導電性の確保が困難となる場合があり、導電助剤含有量が多すぎると、正極合剤層における正極活物質含有量が減少するため、正極合剤層の単位質量および単位体積当たりの容量の低下を引き起こすため、電池の高容量化が困難となることがある。
また、正極合剤層における結着剤含有量は、0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上であって、3.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下であることが望ましい。結着剤含有量が少なすぎると、正極合剤層における正極活物質および導電助剤の結着性や、正極合剤層と集電体との接着性が不十分となることがあり、結着剤含有量が多すぎると、正極合剤層における正極活物質含有量が減少するため、正極合剤層の単位質量および単位体積当たりの容量の低下を引き起こすため、電池の高容量化が困難となることがある。
更に、正極合剤層における活物質含有量は、90質量%以上、より好ましくは95質量%以上であって、99質量%以下、より好ましくは98質量%以下であることが望ましい。活物質含有量が少なすぎると、正極合剤層の単位質量および単位体積当たりの容量の低下を引き起こすため、電池の高容量化が困難となることがあり、活物質含有量が多すぎると、正極合剤層の導電性が低下し、電池の負荷特性が悪くなることがある。
本発明に係る正極に用いる集電体としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼などの箔、エキスパンドメタル、網などを用い得るが、アルミニウム箔が特に好ましい。集電体の厚みは、例えば、5μm以上、より好ましくは8μm以上であって、60μm以下、より好ましくは40μm以下であることが望ましい。
正極の作製に当たっては、例えば、集電体の片面または両面に、正極合剤含有組成物を塗布し、乾燥して溶剤を除去した後、プレス処理により圧縮して正極合剤層の厚みと密度を調整する。正極合剤含有組成物の塗布方法としては、例えば、押出コーター、リバースコーター、ドクターブレードなどの公知の各種塗布方法が採用できる。
プレス処理による圧縮後の正極合剤層の厚みとしては、例えば、片面当たり、30μm以上、より好ましくは50μm以上であって、300μm以下、より好ましくは150μm以下とすることが望ましい。また、プレス処理による圧縮後の正極合剤層の密度は、例えば、3.55g/cm以上、より好ましくは3.75g/cm以上であって、4.0g/cm以下、より好ましくは3.95g/cm以下とすることが望ましい。よって、プレス処理時の圧縮条件は、圧縮後の正極合剤層の厚み、密度がこのような値となるように調整することが好ましい。
正極のリード体は、上記のようにして作製された正極に、抵抗溶接、超音波溶接などにより正極集電体の露出部分(正極合剤層を形成していない部分)に溶接される。リード体の断面積としては、大電流が流れた場合の抵抗を低減して発熱量を抑えるために、例えば、0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上であって、0.8mm以下、より好ましくは0.5mm以下とすることが望ましい。正極のリード体の材質としては、特に限定されないが、アルミニウムが一般に用いられる。
次に、本発明の非水二次電池の構成を詳細に説明する。本発明の非水二次電池は、上記本発明の製造方法によって製造される非水二次電池用正極を正極として有していればよく、その他の構成については特に限定されず、従来公知の非水二次電池における各種構成が採用できる。
負極としては、例えば、負極活物質や結着剤を含有する負極合剤層を、負極集電体の片面または両面に形成してなるものが使用できる。
負極活物質としては、リチウムイオンをドープ、脱ドープできるものであればよい。例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などの炭素材料;Si、Sn、Inなどの金属元素を含有する合金;Liに近い低電圧で充放電できるSi、Sn、Inなどの酸化物;などを用いることができる。
なお、負極活物質として上記例示の炭素材料を用いる場合、該炭素材料としては、(002)面の面間距離(d002)と、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が以下の数値を有するものが好ましく使用できる。d002については、0.35nm以下であることが好ましく、0.345nm以下であることがより好ましく、0.34nm以下であることが更に好ましい。また、Lcについては、3nm以上であることが好ましく、8nmであることがより好ましく、25nm以上であることが更に好ましい。また、上記例示の炭素材料の平均粒径としては、8μm以上、より好ましくは10μm以上であって、20μm以下、より好ましくは15μm以下であることが望ましく、その純度は、99.9質量%以上であることが好ましい。
負極は、例えば、上記の負極活物質および結着剤を有し、更に必要に応じて導電助剤も有し、これらが溶剤に分散・溶解してなる負極合剤含有組成物(ペースト、スラリーなど)を負極集電体の片面または両面に塗布し、乾燥して溶剤を除去した後、カレンダー成形などのプレス処理により負極合剤層を圧縮して、その厚みおよび密度を調整することで作製される。
負極合剤含有組成物に用い得る結着剤としては、正極合剤含有組成物に係る結着剤として上で例示した各種結着剤が使用できる。なお、正極合剤含有組成物の場合と同様に、結着剤は予め溶剤に溶解させた溶液の状態で用いることも好ましい。また、溶剤、および必要に応じて使用される負極用の導電助剤も、正極合剤含有組成物に係る溶剤や導電助剤として上で例示したものが使用できる。
負極に用いる集電体としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼などの箔、エキスパンドメタル、網などを用い得るが、銅箔が特に好ましい。集電体の厚みは、例えば、5μm以上、より好ましくは8μm以上であって、60μm以下、より好ましくは40μm以下であることが望ましい。
負極合剤含有組成物の調製方法については特に制限は無く、従来公知の分散機や混練機などを用いる調製方法が採用できる。また、本発明の正極の製造方法に係る正極合剤含有組成物の調製方法と同じ方法で負極合剤含有組成物を調製してもよい。
負極合剤含有組成物を集電体表面に塗布する方法としては、正極合剤含有組成物を集電体表面に塗布する方法として上で例示した各種塗布方法が採用できる。
また、プレス処理による圧縮後の負極合剤層の厚みとしては、例えば、片面当たり、30μm以上、より好ましくは50μm以上であって、300μm以下、より好ましくは150μm以下とすることが望ましい。また、プレス処理による圧縮後の負極合剤層の密度は、例えば、1.50g/cm以上、より好ましくは1.55g/cm以上であって、1.75g/cm以下、より好ましくは1.65g/cm以下とすることが望ましい。よって、プレス処理時の圧縮条件は、圧縮後の負極合剤層の厚み、密度がこのような値となるように調整することが好ましい。
負極のリード体は、上記のようにして作製された負極に、抵抗溶接、超音波溶接などにより負極集電体の露出部分(負極合剤層を形成していない部分)に溶接される。リード体の断面積としては、大電流が流れた場合の抵抗を低減して発熱量を抑えるために、例えば、0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上であって、1.0mm以下、より好ましくは0.7mm以下とすることが望ましい。負極のリード体の材質としては、ニッケルが一般に用いられるが、銅、チタン、ステンレス鋼なども用いることができる。
本発明の非水二次電池は、例えば、上記のようにして作製される正極(シート状正極)と負極(シート状負極)との間に、セパレータを介在させて渦巻状に巻回した渦巻状電極体、または積層した積層電極体を、ニッケルメッキを施した鉄やステンレス鋼製の電池ケース、若しくは金属ラミネートフィルム内に挿入し、非水電解質(以下、単に「電解質」という)を注入した後、封口する工程を経て作製される。また、上記電池には、通常、電池内部で発生したガスによって所定圧力まで内圧が上昇した段階で、該ガスを電池外部に排出して電池の破裂を防止するための公知の防爆構造が取り入れられる。
正極と負極との間に介在させるセパレータとしては、強度があり、しかも電解液を多く保持できるものが好ましく、そのような観点から、例えば、厚みが10〜50μmで、開孔率が30〜70%の微孔性フィルムや不織布などが好適である。また、セパレータの素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;などが挙げられる。
本発明の電池に係る電解質としては、通常、液状電解質(以下、「電解液」という)が用いられる。電解液としては、有機溶媒に溶質を溶解させた有機溶媒系の非水電解液が用いられる。電解液の溶媒は、特に制限は無いが、例えば、鎖状エステルを主溶媒して用いることが好ましい。電解液溶媒として好適な鎖状エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、酢酸エチル(EA)、プロピオン酸メチル(MP)などの鎖状のCOO−結合を有するものが挙げられる。なお、これらの鎖状エステルが電解液の主溶媒である、ということは、これらの鎖状エステルが、全電解液溶媒中の50体積%より多い体積を占めることを意味しており、特に鎖状エステルが、全電解液溶媒中の、65体積%以上を占めていることが好ましく、70体積%以上を占めていることがより好ましく、75体積%以上を占めていることが更に好ましい。
ただし、電池容量の向上を図る観点から、電解液溶媒としては、上記鎖状エステルのみで構成したものよりも、上記鎖状エステルに誘電率の高いエステル(例えば、誘電率が30以上のエステル)を混合した混合溶媒であることが好ましい。このような誘電率の高いエステルの全電解液溶媒中に占める量としては、例えば、10体積%以上であることが好ましく、20体積%以上であることが更に好ましい。
上記の誘電率の高いエステルとしては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、エチレングリコールサルファイト(EGS)などが挙げられる。中でも、EC、PCなどの環状構造を有するものが好ましく、環状カーボネートが更に好ましく、ECが特に好ましい。
また、上記の鎖状エステルおよび上記の誘電率の高いエステル以外に併用可能な溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシエタン(1,2−DME)、1,3−ジオキソラン(1,3−DO)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチル−テトラヒドロフラン(2−Me−THF)、ジエチルエーテル(DEE)などが挙げられる。その他、アミン系またはイミド系有機溶媒や、含イオウ系または含フッ素系有機溶媒なども用いることができる。
電解液の溶質としては、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)などが挙げられ、これらを1種単独で、または2種以上を併用して用いることができる。特にLiPFやLiCSOなどが、電池の充放電特性をより良好にできることから好ましい。電解液中における溶質の濃度は、特に制限は無いが、例えば、0.3mol/l以上、より好ましくは0.4mol/l以上であって、1.7mol/l以下、より好ましくは1.5mol/l以下とすることが望ましい。
また、上記電解液には、添加剤としてベンゼン環にアルキル基が結合した化合物を含有させておくことが好ましい。ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物は、過充電時における電池の安全性の向上に寄与し得るものである。これは、非水二次電池が過充電状態になると、ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物が、正極側で酸化されて重合し、二量体異常のオリゴマーまたはポリマーを正極表面に生成し、このオリゴマーまたはポリマーにより正極表面に皮膜が形成されることで、過充電に対する安全性が向上するものと考えられる。
ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物としては、例えば、シクロヘキシルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、オクチルベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。特に、ベンゼン環に結合しているアルキル基において、ベンゼン環と直接結合している炭素原子が少なくとも1個の水素原子と結合していることが、過充電時における電池の安全性向上の観点から、より好ましい。また、上記アルキル基は、炭素数が4以上であるなど、ある程度長いことが好ましく、更に、分岐構造を有するなどにより立体的に嵩張る構造のものであることが好ましい。このような理由から、ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物としては、シクロヘキシルベンゼンが特に好ましい。
ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物の電解液中の含有量は、多いほど効果が大きくなるが、多すぎると電解液のイオン伝導性を低下させる傾向にある。そのため、ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物の電解液中の含有量は、例えば、1質量%以上であって、10質量%以下、より好ましくは5質量%以下とすることが望ましい。
また、上記電解液には、ベンゼン環にアルキル基を結合した化合物と共に、ビニレンカーボネートなどの、充放電サイクル特性の向上に寄与し得る添加剤を含有させてもよい。このビニレンカーボネートなどの電解液中の含有量は、例えば、0.1質量%以上であって、5質量%以下、より好ましくは2質量%以下とすることが望ましい。
本発明の電池では、電解質としては、上記の電解液以外にも、固体状またはゲル状の電解質を用いることができる。このような電解質としては、公知の無機固体電解質の他、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドまたはこれらの誘導体などを主剤とする有機固体電解質などが挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
<正極の作製>
まず、図1に示す構造の一軸押出機を用いて、正極活物質と導電助剤を混合した。正極活物質として、LiCoO(平均粒径:10μm、比表面積0.4m/g):163質量部と、導電助剤であるケッチェンブラック:3.2質量部を、粉体供給ユニット11にある定量フィーダー内に投入し、一軸押出機に供給した。一軸押出機の回転軸12の回転数は200rpmとし、回転ブレード14と固定ブレード15とのクリアランスは1mmとした。なお、一軸押出機の混合物排出口18は、次工程で使用する図2に示す構造の二軸押出機の粉体供給ユニット21に合うように設置している。
一軸押出機で連続的に混合し、送り出した正極活物質と導電助剤との混合物を、二軸押出機の粉体供給ユニット21に連続的に供給し、更に、二軸押出機の結着剤供給ユニット22に、PVDFのNMP溶液(固形分濃度が12質量%)を投入し、二軸押出機の混練部で粉体と結着剤溶液との混練を行った。更に、二軸押出機の溶剤供給ユニット23に、溶剤であるNMPを、定量ポンプを用いて投入し、二軸押出機の希釈部で、粉体と結着剤溶液との混練物と、溶剤との混練を行い、正極合剤含有組成物を調製した。なお、二軸押出機の回転軸24の回転数は100rpmとした。また、粉体投入量と結着剤供給ユニット22に供給する結着剤溶液の量を調整して、二軸押出機の混練部における粉体と結着剤溶液との混練物の固形分濃度が常に94質量%となるように制御した。そして溶剤供給ユニット23に供給するNMPの量を調整して、最終的に得られる正極合剤含有組成物の固形分濃度が80質量%となるように制御した。正極合剤含有組成物の粘度は8Pa・sであった。
二軸押出機の排出口29から排出された正極合剤含有組成物を、70メッシュの網を通過させて大きな未分散体を取り除いた後、リバースコーター塗布機を用いて、厚みが15μmのアルミニウム箔である正極集電体の両面に均一に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成した。正極合剤含有組成物の乾燥後の塗布量は、片面当たり22.4mg/mとした。次にプレス処理により正極合剤層を圧縮して、その厚みと密度を調整した後、所定の電極幅に切断し、集電体の露出部分にアルミニウム製リード体を溶接して、正極合剤層を両面に有するシート状正極を得た。
<負極の作製>
負極活物質として黒鉛系炭素材料(平均粒径:18μm)300質量部を、CMC水溶液(固形分濃度:1.2質量%)300質量部とSBR系樹脂の水分散体(固形分濃度:40質量%)6.5質量部を混合して負極合剤含有組成物(ペースト)を調製した。さらに水を加え、粘度を調整した。この負極合剤含有組成物の固形分濃度は45質量%であり、塗料粘度は9Pa・sであった。この負極合剤含有組成物を、70メッシュの網を通過させて大きな未分散体を取り除いた後、厚みが10μmの帯状の銅箔からなる負極集電体の両面に均一に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成した。次にプレス処理により負極合剤層を圧縮して、その厚みと密度を調整した後、所定の電極幅に切断し、集電体の露出部分にニッケル製リード体を溶接して、負極合剤層を両面に有するシート状負極を得た。
<電解液の調製>
MECとECとを体積比2:1で混合した混合溶媒に、LiPFを1.2mol/lの濃度となるように溶解し、更に2質量%のシクロヘキシルベンゼンを添加して電解液を調製した。
<非水二次電池の作製>
上記の正極および負極を乾燥処理した。その後、正極と負極を、厚みが20μmの微孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介して重ね、これを渦巻き状に巻回し、巻回電極体とした。この巻回電極体を、アルミニウム製の角形缶内に挿入し、正極リード体を蓋に、負極リード体を、蓋にパッキングを介して取り付けられている端子に取り付けられているリード板に溶接した後、蓋と缶とをシーム溶接した。その後、蓋に設けられた電解液注入口から上記電解液を注入し、該注入口を封止した後、3時間室温で放置して正負極およびセパレータに電解液を十分に含浸させて、高さ 50mm×幅 34mm×厚み 4.6mmで容量が900mAhの角形非水二次電池を作製した。
比較例1
正極活物質であるLiCoO:163質量部と、導電助剤であるケッチェンブラック:3.2質量部との混合を、プラネタリーミキサーを用い、30rpmの回転数で30分間の条件で実施し、この混合物粉末をプラネタリーミキサーから取り出して二軸押出機の粉体供給ユニット21に供給した以外は、実施例1と同様にして正極合剤含有組成物の調製、正極の作製、および非水二次電池の作製を行った。最終的に得られた正極合剤含有組成物の粘度は、9Pa・sであった。
比較例2
正極活物質であるLiCoO:184質量部と、導電助剤であるケッチェンブラック:6質量部とを、予備混合することなく、それぞれ直接に二軸押出機の粉体供給ユニット21に供給した以外は、実施例1と同様にして正極合剤含有組成物の調製、正極の作製、および非水二次電池の作製を行った。ただし、二軸押出機での混練を終えて得られた正極合剤含有組成物は、粘度が高すぎて、集電体であるアルミニウム箔への塗布が困難であったため、粘度を調整すべく、更にNMPを加えて正極合剤含有組成物の固形分濃度を78質量%にした後に、正極の作製に供した。なお、粘度調整後の正極合剤含有組成物の粘度は、9.5Pa・sであった。
比較例3
まず、導電助剤分散液の調製を、実施例1で使用したものと同じ二軸押出機を用いて以下のように行った。導電助剤であるケッチェンブラック:10質量部を粉体供給ユニット21から、結着剤であるPVDFのNMP溶液(固形分濃度が12質量%):37.5質量部を結着剤供給ユニット22から、更に溶剤であるNMP:52.5質量部を溶剤供給ユニット23から、それぞれ二軸押出機に投入し、回転軸24の回転数を100rpm地として混練を行い、導電助剤分散液を調製した。
次に、実施例1で使用したものと同じ二軸押出機をもう1台用意しておき、その粉体供給ユニット21からLiCoO:163質量部を、また、結着剤供給ユニット22から上記導電助剤分散液:32.8質量部を、それぞれ二軸押出機に供給し、回転軸24の回転数を100rpmとして混練を行い、スラリー状の正極合剤含有組成物を調製した。この際、粉体投入量と結着剤供給ユニット22に供給する導電助剤分散液の量を調整して、二軸押出機の混練部におけるLiCoOと導電助剤分散液との混練物の固形分濃度が常に86質量%となるように制御した。そして溶剤供給ユニット23に供給するNMPの量を調整して、最終的に得られる正極合剤含有組成物の固形分濃度が80質量%となるように制御した。しかし、二軸押出機での混練を終えて得られた正極合剤含有組成物は、粘度が高すぎて、集電体であるアルミニウム箔への塗布が困難であったため、粘度を調整すべく更にNMPを加えて正極合剤含有組成物の固形分濃度を75質量%にした。粘度調整後の正極合剤含有組成物の粘度は9Pa・sであった。この正極合剤含有組成物を用いた他は、実施例1と同様にして、正極の作製および非水二次電池の作製を行った。
比較例4
比較例3と同じ方法で、二軸押出機の混練部におけるLiCoOと導電助剤分散液との混練物の固形分濃度が、実施例1と同じ94質量%の正極合剤含有組成物を調製するために、実施例1で使用したものと同じ二軸押出機を用い、導電助剤であるケッチェンブラック:20質量部を粉体供給ユニット21から、結着剤であるPVDFのNMP溶液(固形分濃度が12質量%):37.5質量部を結着剤供給ユニット22から、更に溶剤であるNMP:47.5質量部を溶剤供給ユニット23から、それぞれ二軸押出機に投入し、回転軸24の回転数を100rpmとして混練を行った。しかし、ケッチェンブラックの比表面積が大きいために、この比率が高くなることでケッチェンブラックがNMPを吸収してしまい、導電助剤分散液を作製することができなかった。
上記実施例1および比較例1〜3の非水二次電池に係る正極におけるプレス処理による圧縮前後の正極合剤層密度を以下のようにして求めた。正極を所定面積で切り取り、その重量を、最小目盛り1mgの電子天秤を用いて測定し、この重量から集電体の重量を差し引いて正極合剤層の重量を算出した。また、上記正極の全厚を最小目盛り1μmのマイクロメーターで10点測定し、この厚みから集電体の厚みを差し引いて正極合剤層の厚みを算出し、その平均値と面積から正極合剤層の体積を算出し、この体積で上記の正極合剤層の重量を割ることにより、正極合剤層の密度を算出した。その結果を表1に示す。なお、表1には、実施例および比較例における二軸押出機での混練の際の、混練部での混練物の固形分濃度と、最終的に得られた正極合剤含有組成物の固形分濃度を併記する。
また、実施例1および比較例1〜3の非水二次電池について、以下の電池特性評価を行った。まず充放電電流をCで示した場合、900mAを1Cとして、1Cの電流で、4.2Vまで充電を行い、0.2Cの電流で3.0Vまで放電し、初期放電容量を求めた。
更に、1Cの電流で4.2Vまで充電を行い、1Cで放電する充放電サイクル試験を行った。400サイクル目の放電容量および内部インピーダンスを測定し、400サイクル目の放電容量については、これを1サイクル目の放電容量で除した容量維持率で評価した。更に、この容量維持率および内部インピーダンスの結果は、比較例1の電池を100とした場合の相対比で評価した。結果を表2に示す。
Figure 2007220581
Figure 2007220581
表1および表2から、以下のことが分かる。正極合剤層と導電助剤を予め連続的に混合し、送り出す上記の工程(A)と、該工程(A)で得られた混合物と結着剤を二軸押出機で混練し、更に溶剤を該二軸押出機に供給して混練する工程(B)を経て調製した正極合剤含有組成物を用いて作製した実施例1に係る正極では、プレス処理による圧縮前の正極合剤層密度が高く、プレス処理による圧縮処理後の正極合剤密度も高くなっている。そして、この正極を用いた実施例1の非水二次電池では、放電容量が高く、また、正極合剤層中における正極活物質と導電助剤との分散が良好であることから、400サイクル後の容量維持率および内部インピーダンスも良好である。
これに対し、工程(A)に代えて、正極活物質と導電助剤の混合を、バッチ式のプラネタリーミキサーで行った比較例1では、正極合剤含有組成物の調製工程が非効率で生産性が劣っている。また、比較例1では、実施例1に比べて正極合剤含有組成物の混練度合いが低く、これを用いて作製した正極を有する非水二次電池では、実施例1の非水二次電池に比べて、放電容量やインピーダンス特性が劣っている。
また、工程(A)に相当する工程を経ずに調製した正極合剤含有組成物を用いた比較例2では、正極活物質と導電助剤との分散が劣っており、圧縮前後のいずれにおいても、正極合剤層の密度が小さくなり、この正極を用いた非水二次電池では、放電容量、400サイクル目における容量維持率および内部インピーダンスのいずれもが、実施例1の非水二次電池に比べて劣っている。
更に、予め導電助剤分散液を調製してから正極合剤含有組成物を調製し、これを正極の作製に用いた比較例3では、正極合剤含有組成物の固形分濃度が小さいために、プレス処理による圧縮前の正極合剤層密度が低く、正極集電体の破損を防止しつつプレス処理を行うと、圧縮後の正極合剤層密度を、実施例1の程度にまで高めることはできなかった。そのため、この正極を用いた非水二次電池では、実施例1の非水二次電池に比べて放電容量が劣っている。また、正極合剤含有組成物の練りの程度が低いために、実施例1の非水二次電池に比べて、特にインピーダンス特性が劣っている。なお、上記の通り、比較例3における正極合剤含有組成物の調製方法と同じ方法で、実施例1に係る正極合剤含有組成物と同じ高固形分濃度の正極合剤含有組成物の調製を試みた比較例4では、正極合剤含有組成物が調製できなかった。
工程(A)に用い得る押出機の一例を示す縦断面概略図である。 工程(B)に用い得る二軸押出機の一例を示す縦断面概略図である。
符号の説明
11、21 粉体供給ユニット
12 24 回転軸
13 フィールドスクリュー
14 回転ブレード
15 固定ブレード
16 メーターリングスクリュー
17、28 バレル
18 混合物排出口
22 結着剤供給ユニット
23 溶剤供給ユニット
25 スクリュー
26 パドル
27 スペーサー
29 正極合剤含有組成物排出口

Claims (2)

  1. 正極合剤含有組成物を導電性基体に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成する工程を経由して非水二次電池用正極を製造するに当たり、
    正極活物質と導電助剤とを連続的に混合し、送り出す工程(A)と、
    上記工程(A)により得られた正極活物質と導電助剤の混合物と結着剤を二軸押出機に供給して混練し、更に該二軸押出機に溶剤を供給して混練することにより正極合剤含有組成物を調製する工程(B)を有することを特徴とする非水二次電池用正極の製造方法。
  2. 請求項1に記載の正極を有することを特徴とする非水二次電池。
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