JP2007220455A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池を高容量・高エネルギー密度化した場合においても、サイクル特性が劣化することなく、高温保存時の信頼性にも優れた非水電解液二次電池を提供することができる。
【解決手段】正極板、負極板およびセパレータを有する電極群と、非水電解液を備え、前記非水電解液量が、放電容量1mAh当たり1.3〜1.8μLとする。
正極板、負極板およびセパレータを有する電極群と、非水電解液を備えた非水電解液二次電池において、前記非水電解液の量が、放電容量1mAh当たり1.3〜1.8μLである非水電解液二次電池。
【選択図】図1

Description

本発明は非水電解液二次電池、特に非水電解液量に関する。
近年、電子機器のポータブル化、コードレス化が進んでおり、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギー密度を有する二次電池の要望が強まっている。高電圧、高エネルギー密度を有する非水電解液二次電池の中でも、とりわけリチウム二次電池に対する期待が大きくなっている。また、最近の電子機器は更なる高機能化、高電力化が進んでいて、リチウム二次電池の更なる高エネルギー密度化が求められている。
ところが、このリチウム二次電池には、次に説明する2つの問題があった。1つ目の問題は、この電池は充放電サイクルの進行に伴い非水電解液の一部が分解し消費されることから、極板中の非水電解液量が確保できなくなった場合、液枯れによりサイクル特性が低下するという問題があった。
2つ目の問題は、リチウム二次電池を高温雰囲気下に暴露した場合、非水電解液が電気化学的、熱的に分解されてガス化する。そのため電池の内圧が上昇して電池が膨れたり、防爆安全弁が誤作動し、電解液が漏れたりするといった問題があった。
このような問題の対策として、要するに充放電サイクル劣化や高温雰囲気下での安全弁誤作動を防止する手段として、単位体積当りの容量110mAh/cc以上の非水電解液二次電池における非水電解液量が、電池の放電容量1mAh当たり1.8〜2.4μLとすることが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2000−285959号公報
しかしながら、前述した従来の方法では、正負極板の高密度化により多孔度(極板中の隙間)が減少し、所定量の非水電解液が染み込み難かった。そのため、所定量の非水電解液を注入するのに膨大な時間を要し、生産性の向上に課題があった。また、単位体積当りの容量が120mAh/cc以上になった場合、電池内の一定体積中に正負極板が占有する体積が増え、所定量の非水電解液を染み込ませるだけの体積を確保できないという課題もあった。また、非水電解液が所定量より少ない場合や多い場合は以下のような不具合が発生する。非水電解液が所定量より少ない場合、充放電の繰り返しによる正負極板の膨張収縮に伴い、極板中の非水電解液量が不足し、サイクル特性が低下することとなる。非水電解液が所定量より多い場合、高温保存時において、電池内に余裕の体積がないため電池内圧の上昇を吸収することができず、安全弁が誤作動することとなる。
そこで、本発明は上記従来の問題点に鑑み、電池を高容量・高エネルギー密度化した場合においても、サイクル特性が劣化することなく、高温保存時の信頼性にも優れた非水電解液二次電池を提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明の非水電解液二次電池は、正極板、負極板およびセパレータを有する電極群と、非水電解液を備え、非水電解液量が放電容量1mAh当たり1.3〜1.8μLとするものである。
本発明によると、高容量・高エネルギー密度な非水電解液二次電池で、かつサイクル特性、高温保存時の信頼性に優れた非水電解液二次電池を提供することができる。
本発明の非水電解液二次電池は、正極板、負極板およびセパレータを有する電極群と、非水電解液を備え、非水電解液量が放電容量1mAh当たり1.3〜1.8μLとすることを特徴としている。
こうすることにより、高エネルギー密度で、サイクル特性、高温保存時の信頼性に優れた非水電解質二次電池を得ることができるようになる。非水電解液量を放電容量1mAh当たり1.3μL未満とした場合、充放電の繰り返しにより、正負極板中の非水電解液量が不足し、液枯れによるサイクル特性の低下が見られた。非水電解液量を放電容量1mAh当たり1.8μL以上とした場合、高温保存時に安全弁が誤作動を起こした。以上のことから、非水電解液は電池の放電容量1mAh当たり1.3〜1.8μLとなり、サイクル特性と高温保存時の信頼性の両立が可能となる。
本発明の好ましい実施の形態における非水電解液二次電池は、正極活物質を一般式LixNiy1-y2(x:0.95≦x≦1.10、MはCo、Mn、Cr、Fe、Mg、TiおよびAlの少なくとも1種類以上、y:0.3≦y≦0.95)で表されるリチウム複合ニッケル酸化物が好ましい。
こうすることにより、正極活物質にリチウム複合コバルト酸化物(以下、LiCoO2と略す)を用いた場合は単位体積当りの容量120mAh/cc程度であるが、正極活物質の一般式がLixNiy1-y2(x:0.95≦x≦1.10、MはCo、Mn、Cr、Fe、Mg、TiおよびAlからなるいずれか1種類以上、y:0.3≦y≦0.95)で表されるリチウム複合ニッケル酸化物を用いることにより単位体積当りの容量130mAh/cc以上の高エネルギー密度の非水電解液二次電池を得ることができる。
特に、正極活物質を一般式LixNiy1-y2(x:0.95≦x≦1.10、MはCo、Mn、Cr、Fe、Mg、TiおよびAlの少なくとも1種類以上、y:0.3≦y≦0.95)で表されるリチウム複合ニッケル酸化物の代表として、LiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiNi0.6Co0.3Al0.12、LiNi0.6Co0.3Ti0.12、およびLiNi0.5Co0.52が挙げられる。
本発明の好ましい実施の形態における非水電解液二次電池は、正極活物質としてリチウム複合ニッケル酸化物を用い、一次粒子が凝集した構造で、二次粒子が球状、もしくは楕円球状であることが好ましい。
こうすることにより、正極板で非水電解液の液保持性が向上し、少ない非水電解液量でも優れたサイクル特性を発揮できる非水電解液二次電池を得ることができるようになる。
電池放電容量において、LiCoO2は単位体積当りの容量120mAh/cc程度に対し、一般式LixNiy1-y2のリチウム複合ニッケル酸化物は単位体積当りの容量130mAh/cc以上であり、一般式LixNiy1-y2の方が高容量・高エネルギー密度の正極活物質である。一般式LixNiy1-y2を用いてLiCoO2と同じ密度の正極板を作製した場合、一般式LixNiy1-y2の代表例であるLiNi1/3Co1/3Mn1/32(図2の○印)とLiNi0.6Co0.3Al0.12(図2の△印)を用いた電池はLiCoO2(図2の□印)を用いた電池に比べ、非水電解液量が少なくても優れたサイクル特性を発揮することを見出した。
このような効果が得られる理由については、必ずしも発明者の理論に拘束されるのを好むものではないが、発明者は次のように推察している。電池放電容量に関与する正極活物質の反応活性点の視点から次のように説明できると考えている。すなわち、一般式LixNiy1-y2を用いてLiCoO2と同じ密度の正極板を作製し、同量の非水電解液を入れた場合、一般式LixNiy1-y2の方が電解液に接触できる正極活物質の反応活性点が多く、電池の充放電により正極板が膨張収縮しても電解液が保持されている状態を維持できるためと考えている。
これを裏付けることとして以下のように考えている。LiCoO2を正極活物質に用いた場合、電池の充放電により正極板が膨張収縮することにより正極板中に保持されている非水電解液量が少なくなり、サイクル特性が劣化すると言われている。しかし、図3(a)に示した正極活物質LiCoO2の電子顕微鏡(以下、SEMと略す)観察写真から、LiCoO2は表面が平滑である。それに対し、一般式LixNiy1-y2の代表例であるLiNi1/3Co1/3Mn1/32とLiNi0.6Co0.3Al0.12は一次粒子が凝集した構造で、かつ二次粒子が球状もしくは楕円球状をしている(図3(b)および(c)に示したSEM観察写真を参照)ことから、電池の充放電により正極板が膨張収縮しても正極活物質自体が保液し易い形状のためにサイクル特性が劣化し難いと考えている。
また、二次粒子が球状もしくは楕円球状の正極活物質を得るためには、出発原料に球状もしくは楕円球状の水酸化ニッケルを用いると良いことが知られている。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に、本発明の実施例である円筒形リチウム二次電池の縦断面概略図を示す。
図1において、正極板5と、負極板6と、および両極の間にセパレータとしてポリプロピレン製セパレータ7を介在させ、それらを渦巻き状に捲回し、極板群4を構成している。極板群4は、直径13.8mm、高さ50mmのステンレス鋼板からなる電池ケース1に挿入する。正極板5からは正極リード5aが引き出され、封口板2に溶接により接続されている。負極板6からは負極リード6aが引き出され、電池ケース1の底部に溶接により接続されている。封口板2は、絶縁パッキング3を介して電池ケース1でかしめによる封口されている。また、絶縁リング8は、極板群4の上下にそれぞれ設けられている。
以下、正極板5、負極板6、非水電解液について説明する。
正極板5は、正極活物質であるコバルト酸リチウム(以下、LiCoO2と略す)の粉末100重量部と、導電材としてアセチレンブラックを5重量部、および結着剤としてポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略す)を5重量部、および適量のN−メチルピロリドン(以下、NMPと略す)の有機溶剤に添加して、ペースト状の正極合剤を調整する。この正極合剤を厚さ0.010mmのアルミニウム(以下、Alと略す)箔表面に塗着し、乾燥した。乾燥後、ロールプレス機によって圧延し、幅35mm、長さ250mmの大きさに切り出し正極板5とする。
負極板6は、負極活物質であるコークスを加熱処理して得た炭素粉末100重量部に、結着剤としてスチレン系結着剤を10重量部混合し、これをカルボキシメチルセルロースの水溶液に懸濁させてペースト状の負極合剤を調整する。この負極合剤を厚さ0.015mmの銅箔の表面に塗着し、乾燥した。乾燥後、ロールプレス機によって厚さ0.2mmに圧延し、幅37mm、長さ280mmの大きさに切り出し、負極板とする。
非水電解液は、炭酸エチレン(以下、ECと略す)と炭酸ジエチル(以下、DECと略す)の等容積混合溶媒に、電解質塩として六フッ化燐酸リチウム(以下、LiPF6と略す)1.0mol/Lで溶解する。所定量の非水電解液を極板群4に注入する。
非水電解液の注入後、封口板をケースにかしめて密閉する。このようにして、定格容量が850mAh、サイズが直径14mm、高さ50mm、いわゆる14500サイズの円筒形リチウム二次電池を作製する。
以下に非水電解液量について詳細に述べる。
(実施例1)
非水電解液量を1mAh当たり1.3μL添加した。
(実施例2)
非水電解液量を1mAh当たり1.8μL添加したこと以外は、実施例1と同様に電池を作製した。
(比較例1)
非水電解液量を1mAh当たり1.2μL添加したこと以外は、実施例1と同様に電池を作製した。
(比較例2)
非水電解液量を1mAh当たり1.9μL添加したこと以外は、実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例3)
正極活物質にLiNi1/3Co1/3Mn1/32を用いたこと以外は、実施例1と同様に電池を作成した。
(実施例4)
正極活物質にLiNi1/3Co1/3Mn1/32を用いたこと以外は、実施例2と同様に電池を作成した。
(比較例3)
正極活物質にLiNi1/3Co1/3Mn1/32を用いたこと以外は、比較例1と同様に電池を作成した。
(比較例4)
正極活物質にLiNi1/3Co1/3Mn1/32を用いたこと以外は、比較例2と同様に電池を作成した。
(実施例5)
正極活物質にLiNi0.6Co0.3Al0.12を用いたこと以外は、実施例1と同様に電池を作成した。
(実施例6)
正極活物質にLiNi0.6Co0.3Al0.12を用いたこと以外は、実施例2と同様に電池を作成した。
(比較例5)
正極活物質にLiNi0.6Co0.3Al0.12を用いたこと以外は、比較例1と同様に電池を作成した。
(比較例6)
正極活物質にLiNi0.6Co0.3Al0.12を用いたこと以外は、比較例2と同様に電池を作成した。
(実施例7)
正極活物質にLiNi0.5Co0.52を用いたこと以外は、実施例1と同様に電池を作成した。
(実施例8)
正極活物質にLiNi0.5Co0.52を用いたこと以外は、実施例2と同様に電池を作成した。
(比較例7)
正極活物質にLiNi0.5Co0.52を用いたこと以外は、比較例1と同様に電池を作成した。
(比較例8)
正極活物質にLiNi0.5Co0.52を用いたこと以外は、比較例2と同様に電池を作成した。
また、実施例1〜8および比較例1〜8の円筒形リチウム二次電池について、充放電サイクル特性試験、高温保存時における安全弁誤遮断発生確率試験、非水電解液保持量試験、および正極活物質のSEM観察を行った。それら試験方法について以下に説明する。
<充放電サイクル特性試験>
環境温度20℃において、充放電サイクル特性の評価を以下の条件で行った。
充電条件は、定電流850mAで電池電圧4.2Vまで充電し、電池電圧が4.2Vに到達した後、充電時間の総計が2時間になるように定電圧4.2Vで充電した。
放電条件は、定電流850mAで、電池の放電終始電圧が3.0Vになるまで放電した。
これら充電と放電を1サイクルとし、100サイクル繰り返した。1サイクル目の放電容量と、100サイクル目の放電容量から、次式により放電容量維持率を計算した。
放電容量維持率(%)=100サイクル目の容量(mAh)/1サイクル目の容量(mAh)×100
<高温保存時における安全弁誤遮断発生確率試験>
それぞれの円筒形リチウム二次電池を環境温度20℃において、充電条件を定電流850mAで電圧4.20Vまで充電し、電圧4.20Vに到達した後、充電時間の総計が2時間になるように定電圧4.20Vで充電を行った。その後、環境温度100℃において5時間電池を放置し、電池安全弁の遮断率を測定した。試験は各ロットそれぞれ20個試験を実施した。
<非水電解液保持量試験>
それぞれの正極活物質を10g秤量し、環境温度20℃において、非水電解液中に1分間浸した。非水電解液を含浸した正極活物質を再び秤量し、活物質1gあたりの非水電解
液保持量を測定した。
充放電サイクル試験、高温保存時の安全弁誤遮断発生確率、および正極活物質1g当たりの非水電解液保持量の結果を表1に示す。
<正極活物質のSEM観察>
SEM観察には電子顕微鏡(日立製、型番:S−4500)を用いた。正極活物質の粉末を試料台に設置した後、試料表面をOsコーティングし、SEM観察用サンプルを作製した。SEM観察条件として、加速電圧5kV、観察倍率5000倍もしくは10000倍で観察した。
正極活物質LiCoO2のSEM観察を図3(a)に、LiNi1/3Co1/3Mn1/32,のSEM観察を図3(b)に、LiNi0.6Co0.3Al0.12のSEM観察を図3(c)に示す。
表1の結果から、比較例1は、実施例1、2、および比較例2と比べ、充放電サイクル特性の維持率が低下していた。また、比較例3、5、および7のように、非水電解液量を電池放電容量1mAh当たり1.2μLした場合、充放電サイクル特性の低下が観察された。
比較例2は高温での放置試験にて、安全弁の誤遮断が20%発生した。比較例4、6、および8のように、非水電解液量を電池放電容量1mAh当たり1.9μLとした場合、安全弁の誤遮断が確認された。よって、充放電サイクル特性の維持率と高温保存時の安全弁誤遮断発生確率の視点から、非水電解液量は電池放電容量1mAh当たり1.3〜1.8μLが良いと言える。
正極活物質LiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiNi0.6Co0.3Al0.12、およびLiNi0.5Co0.52は、単位体積当りの放電容量が大きいため、高容量、高密度エネルギー電池を実現するための正極活物質として望ましい。実施例では電池容量を850mAhになるようにするため、LiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiNi0.6Co0.3Al0.12、ならびにLiNi0.5Co0.52、を用いた実施例3〜8は正極活物質の塗着重量(極板重量)を軽くした。そのため、正極活物質にLiNi1/3Co1/3Mn1/32とLiNi0.6Co0.3Al0.12を用いた実施例3〜8は、電池の中に残った空間(残空間)が大きくなった。ここで残空間とは電池内体積から電池構成材料の占める体積を差し引いた空間のことを言う。そのため非水電解液量を放電容量1mAh当たり1.9μLとした比較
例2、4、6および8を比べた場合、LiCoO2よりLiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiNi0.6Co0.3Al0.12、LiNi0.5Co0.52の方が安全弁誤遮断率が良くなっている。つまり、正極活物質にLiNi1/3Co1/3Mn1/32とLiNi0.6Co0.3Al0.12、LiNi0.5Co0.52を用いた場合、LiCoO2を用いた場合より高温保存時の信頼性を更に高めることができると言える。
正極活物質の非水電解液の保持量は、一次粒子が凝集した構造で二次粒子が球状をしている(図3のSEM観察写真を参照のこと)LiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiNi0.6Co0.3Al0.12、LiNi0.5Co0.52が良好な結果となった。これは一次粒子の凝集体の方が非水電解液を保持できる細孔が多く存在しているためであると推測できる。
LiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiNi0.6Co0.3Al0.12、LiNi0.5Co0.52は、非水電解液の保持量が良好なため、非水電解液量を放電容量当たり1.2μLとした、比較例1、3、5、7、を比較した場合、LiCoO2と比べ充放電サイクル特性が良くなったと考えられる。また非水電解液量を放電容量1mAh当たり1.8μLとした、実施例2、4、6、8でも同様にLiCoO2と比べ充放電サイクル特性が良化した。以上のことから、充放電サイクル特性はリチウム複合ニッケル酸化物の一次粒子が凝集した構造で、二次粒子が球状、もしくは楕円球状であることが好ましい。
なお、本実施例において、円筒形リチウム二次電池を用いて評価を行った結果について説明したが、角形、コイン形、ボタン形、およびラミネート形など電池形状が異なっても同様の効果が得られる。
本実施例において、円筒形リチウム二次電池の定格容量を850mAhのもので説明したが、850mAh以外の容量の電池を用いてもよい。
本実施例において、正極活物質としてLiCoO2およびLiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiNi0.6Co0.3Al0.12、LiNi0.5Co0.52について説明したが、この正極活物質に限定されるものではない。
本実施例において、リチウムと可逆的に反応する負極材料として、コークスを用いたが、黒鉛系、非晶質系等の炭素材料あるいはその混合体、シリサイドなどの金属酸化物あるいはその混合体を用いてもよい。
また、本実施例において、隔離膜としてポリプロピレン製セパレータを用いて評価を行ったが、ポリエチレンなどの有機微多孔膜あるいは、無機微多孔膜を用いてもよい。例えば、無機微多孔膜は、アルミナやシリカなどの無機フィラーと、無機フィラーを結着させるための有機系バインダーを結着剤として混合した膜である。無機微多孔膜は正極と負極との間に介在していればよい。それら極板の間に介在させる方法として、正極の表面に無機微多孔膜を形成させたり、負極の表面に無機微多孔膜を形成させたりしてもよい。また、無機微多孔膜と有機微多孔膜との両方を用いてもよい。
さらに、本実施例においては電解質塩としてLiPF6を用いたが、他のリチウム塩として、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)等でもよい。また、電解質塩の濃度を1.0mol/Lとしたが、塩濃度を0.5〜2.0mol/Lのものを用いてもよい。また、非水電解液としてECとDECの1:1(容積比)混合溶媒を用いたが、他の非水溶媒として、例えば、プロピレンカーボネート(PC)などの環状エステル、テトラヒドロフラン(THF)などの環状エーテル、ジメトキシエタン(DME)などの鎖状エーテル、プロピオン酸メチル(MP)などの鎖状エステルなどの非水溶媒や、また、これら多元系混合溶媒を用いてもよい。
また、非水電解液二次電池として、リチウム二次電池について説明したが、リチウム二次電池以外のマグネシウム二次電池などの非水電解液二次電池においても、同様の効果が得られるものである。
本発明による非水電解液二次電池は、高容量で高信頼性を求められるポータブル電気機器用電源等として有用であり、自動車用の駆動電源やエレベータ等の住宅設備などの駆動用電源としても有用である。
本発明の実施例における円筒形リチウム電池の断面概略図 実施例1、実施例3、および実施例5の充放電サイクル試験結果の図 (a)正極活物質LiCoO2のSEM観察写真、(b)正極活物質LiNi1/3Co1/3Mn1/32のSEM観察写真、(c)正極活物質LiNi0.6Co0.3Al0.12のSEM観察写真
符号の説明
1 電池ケース
2 封口板
3 絶縁パッキング
4 極板群
5 正極板
5a 正極リード
6 負極板
6a 負極リード
7 セパレータ
8 絶縁リング

Claims (3)

  1. 正極板、負極板およびセパレータを有する電極群と、非水電解液を備えた非水電解液二次電池において、前記非水電解液量が、放電容量1mAh当たり1.3〜1.8μLである非水電解液二次電池。
  2. 前記正極板の正極活物質は、一般式LixNiy1-y2(x:0.95≦x≦1.10、MはCo、Mn、Cr、Fe、Mg、TiおよびAlの少なくとも1種類以上、y:0.3≦y≦0.95)で表されるリチウム複合ニッケル酸化物である請求項1記載の非水電解液二次電池。
  3. 前記リチウム複合ニッケル酸化物は、一次粒子が凝集した構造で、二次粒子が球状、もしくは楕円球状である請求項1記載の非水電解液二次電池。
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