JP2007220396A - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007220396A
JP2007220396A JP2006037583A JP2006037583A JP2007220396A JP 2007220396 A JP2007220396 A JP 2007220396A JP 2006037583 A JP2006037583 A JP 2006037583A JP 2006037583 A JP2006037583 A JP 2006037583A JP 2007220396 A JP2007220396 A JP 2007220396A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inverter
induction heating
output current
induction
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006037583A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Uchida
直喜 内田
Kazuhiro Ozaki
一博 尾崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd filed Critical Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Priority to JP2006037583A priority Critical patent/JP2007220396A/ja
Publication of JP2007220396A publication Critical patent/JP2007220396A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • General Induction Heating (AREA)

Abstract

【課題】コンパクトで安価、かつ高精度な加熱制御を可能とする誘導加熱装置を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するための誘導加熱装置100は、間接加熱源180と、前記間接加熱源180を誘導加熱するために、相互誘導が加極性となるように近接配置された複数の誘導加熱コイル152(152m,152s)と、前記複数の誘導加熱コイル152にそれぞれ接続された非共振型方形波電圧インバータ130(130m,130s)と、前記各インバータ130の出力電流が電圧に対して遅れ位相となるように制御すると共に、各インバータ130から各誘導加熱コイル152に出力される電流の位相を同期または設定された位相差に保つように制御する制御ユニット160(160m,160s)とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、近接して配置した複数の加熱コイルのそれぞれに対応して設けたインバータによって、各加熱コイルに給電する誘導加熱装置に係り、特に半導体基板や液晶基板の熱処理を行う場合に好適な誘導加熱装置に関する。
従来より、工業に用いられる誘導加熱装置、特に高周波電流を加熱コイルへ投入する誘導加熱装置の電源には、共振型インバータが使用されている。共振型インバータとしては、電圧型インバータと呼ばれるインバータを採用した直列共振の回路を構成するインバータが用いられることが多い。直列共振型の回路では、加熱コイルのインダクタンスに配線のインダクタンスを含めて考えることができ、外部配線の影響が少ないため制御特性を考える上で都合が良い。また、直列共振型のインバータでは、自己消弧能力を持つトランジスタが使われることから、制御応答性を良好に保つことが可能となるという利点がある。こうした直列共振型のインバータを用いた誘導加熱装置として、本願出願人は特許文献1に記載の誘導加熱装置を開発している。特許文献1に記載の誘導加熱装置は、従来より問題とされてきた近接して配置された誘導加熱コイル間に生じる相互誘導の影響を抑制し、各誘導加熱コイルによる加熱制御の精度を向上させて間接加熱源を高い精度で均一に加熱することを可能とした装置である。この誘導加熱装置の開発により、誘導加熱コイルを近接させて配置して間接加熱源を加熱する際の加熱制御が容易となり、製品の品質、歩留り等が向上した。
また、低周波(例えば200Hz程度)の電流・電圧を用いた誘導加熱技術では、PWM(Pulse Width Modulation)制御によりインバータの出力電流を制御し、近接配置した誘導加熱コイル間における相互誘導の影響を抑制する技術も提案されているが、PWMは加熱周波数の約10倍以上のスイッチング周波数により電力制御を行う手法であるため、ZVS(Zero Voltage Switching)運転ができない。このため、数十kHz以上の高周波の電流・電圧を用いる誘導加熱技術では、PWMインバータのスイッチング損失が大きくなり、電源装置の大型化、効率の低下、及びコストアップ等の問題がある。
このため、高周波電流を用いた誘導加熱技術では、上述した直列共振型のインバータを有する誘導加熱装置が特に有効であり、半導体や液晶分野等、急速・高精度な温度分布制御を要求される分野において利便性がある。
特表2005−529475号公報
上述したように、特許文献1に開示された誘導加熱装置は、間接加熱源に対する温度制御特性が非常に優れている。しかし、上記のような半導体や液晶分野における熱処理等は、清浄化されたクリーンルーム内で行われるため、国内外における工場等のプラント施設の設備事情が鑑みられ、装置の設置スペースの縮小化、安価な装置の提供という課題が課されるようになってきた。
そこで本発明では、近接して配置した誘導加熱コイルを稼動させる上での相互誘導を抑制することが可能であり、かつ、従来に比べて設置スペースを削減することができるコンパクトで安価な誘導加熱装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る誘導加熱装置は、間接加熱源と、前記間接加熱源を誘導加熱するために、相互誘導が加極性となるように近接配置された複数の加熱コイルと、前記複数の加熱コイルにそれぞれ接続された非共振型方形波電圧インバータと、前記各インバータの出力電流が電圧に対して遅れ位相となるように制御すると共に、各インバータから各加熱コイルに出力される電流の位相を同期または設定された位相差に保つように制御する制御ユニットと、を備えることを特徴とする。
また、上記のような構成の誘導加熱装置では、前記間接加熱源は、そのインピーダンスをR+jωLで示す時に、R若しくはωLの値が0.3R<ωL<3Rの関係を満たすようにすると良い。このような構成とすることにより、間接加熱源の加熱効率を向上させることができ、非共振型のインバータによっても間接加熱源を急速昇温させることが可能となる。
さらに上記のような構成の誘導加熱装置において前記制御ユニットは、各インバータからの出力電流ゼロクロスを検出し、基準信号または基準となるインバータの出力電流ゼロクロスと前記各インバータからの出力電流ゼロクロスとの位相差を検出し、前記位相差に基づいて各インバータの駆動パルスの出力を制御して各インバータからの出力電流ゼロクロス間の位相が同期または設定された位相差となるように制御することが望ましい。
上記のような構成の誘導加熱装置によれば、複数の加熱コイルを互いに近接させて配置した場合であっても、相互誘導の影響を抑制して運転することができる。また、複数の加熱コイルを近接させて配置することが可能となることより、隣り合う加熱コイルの間に生じていた温度ムラを解消することができる。また、非共振型のインバータを採用して間接加熱源を誘導加熱することにより、インバータと加熱コイルとの間に従来必要とされていた変圧器(トランス)等の共振設備が不要となった。これにより、誘導加熱装置自体の設置スペースを大幅に削減することが可能となる。また、共振設備を削除することにより、装置の製造コストも大幅に削減することが可能となる。
以下、本発明の誘導加熱装置に係る実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明に係る一部の実施形態を示すものであり、主要部を変えない限りにおいて本発明は種々の形態を採るものとする。
まず、図1を参照して本発明の誘導加熱装置に係る第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の誘導加熱装置を示すブロック図である。本実施形態の誘導加熱装置100は、図1から読み取れるように、近接して配置された複数(本実施形態では説明を簡単にするために2つ)の加熱ユニット110(110m,110s)と、この加熱ユニット110によって誘導加熱される間接加熱源180とを基本として構成される。
加熱ユニット110の構成は、電源部と、この電源部から電力が供給される負荷コイル部150(150m,150s)とに大別することができ、各加熱ユニット110には各電源部並びに各負荷コイル部の駆動を制御する制御ユニット160(160m,160s)が接続されている。
本実施形態の電源部は、三相交流電源112と、順変換部114と、チョッパ回路120(120m,120s)と、逆変換部(インバータ)130(130m,130s)とから構成される。前記三相交流電源112は、誘導加熱装置100全体に電力を供給する主電源の役割を担う。また、前記順変換部114は詳細を図示しないが、サイリスタによってブリッジ回路を形成した整流回路であり、前記三相交流電源112の出力側に接続されることで交流電流を直流電流へと変換する。なお、前記順変換部114の後段には平滑コンデンサ116,118と、インダクタンス(チョークコイル)122から成るフィルタが配されている。また、前記チョッパ回路120は、ダイオード124、及びトランジスタとダイオードの逆並列接続によって形成したチョップ部126とから構成される電圧調整回路であり、前記順変換部114の出力側に接続されることで後述するインバータ130に供給する電流電圧の大きさを変化させる。チョッパ回路120での電圧の調整は、前記チョップ部126のオン・オフ制御によりチョッパ回路120の通流率を変化させ、チョッパ回路120の出力側に設けたコンデンサ118の各端部に作用する電圧値を変化させることにより成される。また、前記インバータ130は、図2に詳細を示すように、アームが、トランジスタ等の半導体スイッチング素子134と、このスイッチング素子134に逆並列接続したダイオード136から成る半導体スイッチ132a,132cと、同じく半導体スイッチ132b,132dとによって構成されるブリッジ回路によって形成される逆変換回路であり、前記チョッパ回路120の出力側に接続されることで後述する負荷コイル部150に対して交流電流を供給する。
前記インバータ130の動作原理は次のようなものである。本実施形態のインバータ130では、半導体スイッチ132a,132dの組み合わせ(以下、A相という)、あるいは半導体スイッチ132b,132cの組み合わせ(以下、B相という)にゲートパルスが入力されることにより回路内に電圧が生じる。そして、A相にゲートパルスが入力されると、出力電流は、a1〜a4の経路に沿って流れることとなり、B相にゲートパルスが入力されると、出力電流はb1〜b4の経路に沿って流れることとなる。本実施形態で採用するインバータ130は、電圧型方形波インバータであり、後述する複数の誘導加熱コイル152はそれぞれ加極性となるように設けられているため、電流は、電圧に対して全運転範囲で遅れ位相となり、ZVS運転が行われる。これにより、高周波帯においてもスイッチング電力損失を少なくすることができる。なお、半導体スイッチ132としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、SIT(Static Induction Transistor)等を採用することができる。
なお、本実施形態の誘導加熱装置100では、設置スペースの縮小、設備コストの削減を目的として、前記三相交流電源112と前記順変換部114とを共通電源として、後段に接続された各回路部を加熱ユニット110として並列接続する構成を採用している。
前記負荷コイル部150は、加熱コイルである誘導加熱コイル152(152m,152s)を有することを基本とする。また、上述したように、本実施形態の誘導加熱装置100における誘導加熱コイル152m,152sは、それぞれ、加極性となるように配置されている。また、前記負荷コイル部150には、前記誘導加熱コイル152と直列に変流器154(154m,154s)が設けられ、前述したインバータ130からの出力電流を検出可能な構成とされている。このように、本実施形態の負荷コイル部150は、従来の誘導加熱装置と異なり、非共振型の回路を構成する。よって、本実施形態に採用されるインバータ130は、非共振型のインバータということになる。
前記制御ユニット160は、電力制御部164(164m,164s)と、電力設定器162(162m,162s)と、駆動制御部166(166m,166s)、及び位相検出器168(168m,168s)とより構成される。
前記電力制御部164には、前記電力設定器162からの出力信号が入力される。電力制御部164では、前記電力設定器162からの出力信号である設定電力に基づいてチョッパ回路120のチョップ部126のオン・オフ制御信号となるゲートパルスの長さを調整し、調整後のゲートパルスを前記チョッパ回路(チョップ部126)120へ出力する。これによりインバータ130からの出力電圧が設定される。なお、電力設定器162に与える設定電力は、予め定めることができる。
前記駆動制御部166には、入力側に接続された前記位相検出器168の出力信号が入力される。前記位相検出器168には、前記変流器154からの出力信号が入力される。図3、図4は、位相検出器168によって検出されたインバータ130m,130sからの出力電流の波形と、当該電流を励起する出力電圧の波形を示す図である。
位相検出器168は、変流器154によって検出されたインバータ130の出力電流のゼロクロスを検出し、両者の位相差を求める。図3では、インバータ130mの出力電流とインバータ130sの出力電流の位相差はΔθである。位相検出器168によって求められた位相差情報(例えば位相差Δθ)は、駆動制御部166へと出力される。
駆動制御部166は、前記位相検出器168によって与えられた位相差情報に基づき、インバータ130を構成している半導体スイッチ132に出力するゲートパルス(駆動信号)の位相(出力タイミング)を、遅れ位相、あるいは進み位相となるように調整し、前記位相検出器168によって検出される位相差がゼロとなるように制御を行う。当該制御は、位相差情報に基づいてゲートパルスの調整値を算出して行っても良いし、フィードバック制御によって行っても良い。
本実施形態の場合、ゲートパルスの調整値を算出し、インバータ130mの出力電流の波形を基準としてインバータ130Sの出力電流の波形をインバータ130mの出力電流の波形に同期させる構成としている。例えば図3に示す波形の場合、インバータ130sのA相に与えるゲートパルスの位相をΔθだけ進ませることにより、インバータ130sの出力電圧の立上り時間を早め、電圧に追従する電流の立上りを早めることにより、出力電流の位相をインバータ130mの出力電流の位相に同期させるように制御することで、図4に示す波形のように補正している。
このようにインバータ間の出力電流の同期制御を行うことにより、各加熱ユニット110の誘導加熱コイル152に対する負荷状態が変化した場合であっても、出力電流は安定した状態を維持することとなるため、各誘導加熱コイル152間における相互誘導の状態が変化することを防止することができる。よって、各誘導加熱コイルを近接配置した場合であっても、各誘導加熱コイル152に供給する電流は、負荷状態の変化による影響を受けることが無く、温度制御を容易、確実に行えるようになるのである。また、各誘導加熱コイル152の近接配置を可能としたことから、各誘導加熱コイル152の境界部における温度の低下も防ぐことができるようになる。
このような構成の加熱ユニット110によって加熱する間接加熱源180について本実施形態では、薄肉に形成したグラファイト等の高抵抗物質としている。さらに言及すると、間接加熱源180であるグラファイトにおけるインピーダンスのインダクタンス成分であるX(ωL)と、抵抗成分であるRとの比が1:1となるようにグラファイトの形状、肉厚等を設定するようにする。
上記のような誘導加熱装置100によれば、間接加熱源180を効率良く均一に急速加熱することが可能となる。また、このような誘導加熱装置100によれば、従来の誘導加熱装置に比べ、共振コンデンサやトランス等の共振設備を配置するスペース、及びコストを削減することが可能となり、小型で安価な誘導加熱装置を実現することが可能となる。
以下、上記構成の誘導加熱装置を非共振型とすることができる理由について説明する。
ここで、誘導加熱コイルを間接加熱源に近接して配置した場合には、結合係数が高くなるため、インバータ側から見た負荷コイル部のインピーダンスXは、グラファイトチューブの自己インダクタンスLとその抵抗値Rによって導き出されるものとほぼ等しくなるといえる。
従来の共振型誘導加熱装置で一般的に間接加熱源とされていたのは、SUS等の一般金属である。例えばSUSを円筒状に形成したSUSチューブを間接加熱源として採用する場合、高温加熱による変形等を考慮してその肉厚は3mm(3t)以上のものが採用される。ここで、一例として500φ×3tのSUSチューブを20kHzで誘導加熱する例を挙げると、SUSチューブの加熱に起因する電力である有効電力(i・R)とSUSチューブの加熱に起因しない電力である無効電力(i・X)との比は1:30にもなる。つまり、誘導加熱コイルにはSUSチューブを加熱するために実質的に必要とされる電力の30倍もの電力を投入する必要が生じるのである。このため、従来の誘導加熱装置には、無効電力分の電力を供給するための共振コンデンサが必要とされていたのである。
また、インバータを電圧型とする場合には、共振コンデンサは誘導加熱コイルに直列に配置されることとなる。このとき、誘導加熱装置の共振先鋭度Qは
Figure 2007220396
と示すことができるため、誘導加熱コイルの端子電圧を600〜800V程度とした場合には、共振コンデンサの1次側の電圧、すなわちインバータの出力電圧は
Figure 2007220396
で示すことができるため、20〜25V程度となる。このため、誘導加熱コイルとインバータとの間には、インバータの出力電圧と誘導加熱コイルの端子電圧とのマッチングを図るためのトランス等の変圧設備が必要とされていたのである。
これに対し、間接加熱源をグラファイトとした場合、固有抵抗はSUSの約10倍となる(SUSの固有抵抗=約100μΩ・cm グラファイトの固有抵抗=約1000μΩ・cm)。また、例えばグラファイトを円筒状に形成したグラファイトチューブを間接加熱源として採用する場合、高温加熱による変形等はSUSチューブに比べて少ないため、その肉厚は1/3程度、つまり1mm(1t)程度とすることができる。したがってSUSチューブを採用する場合と比べた等価抵抗値Rは約30倍となり、グラファイトチューブのインピーダンス成分の比ωL:Rは、ほぼ1:1となる。このため、数式1によって導き出される有効電力と無効電力との比も略、1:1となり、Q≒1となる。この場合、誘導加熱コイルの端子電圧を600〜800V程度とすると、インバータの出力電圧は、600〜800V程度となる。よって、インバータの出力電圧と誘導加熱コイルの端子電圧とのマッチングを図る必要が無く、トランスや共振コンデンサ等の共振設備が不要となるのである。なお、上記説明において、誘導加熱コイルの端子電圧を600〜800V程度としたのは、コイル配置環境下におけるパッシェン放電の発生の可能性を考慮した場合、誘導加熱コイルに投入する電流の電圧は、上記電圧以下とすることが好ましいことに起因する。
次に、ωL=Rの条件にて加熱効率が良好となる理由について説明する。図5に示す模式図において、間接加熱源(導電性物質)に近接して配置したソレノイド状の誘導加熱コイルに電流iを流すと、誘導加熱コイルの周囲には磁界が発生し、この磁界によって間接加熱源には誘起電圧Vが発生する。
電圧Vが間接加熱源に生ずることによって、間接加熱源には電流iが流れ、抵抗Rの影響により電力Wが発生する。図6は、間接加熱源を示す等価回路図である。ここで、電力Wは、
Figure 2007220396
と示すことができ、iは、
Figure 2007220396
と示すことができる。したがって、数式3を数式4に代入すると、電力Wは、
Figure 2007220396
と示すことができる。ここで、数式5に種々の数値を代入した場合、Vを一定とする時、Wが最大となるのはωL=Rとした時となる。したがってωL:R=1:1とした時に間接加熱源の加熱効率が最も高くなり、共振回路を排除した場合であっても、間接加熱源を急速加熱することが可能となる。なお、間接加熱源の形状、大きさ等を変えることにより抵抗値Rが変化した場合であっても、ωLとRとの関係が、
Figure 2007220396
の範囲内にあれば、間接加熱源に対する電力投入率、すなわち加熱効率は、56%以上となり、十分な加熱効率を得ることができる。
したがって、上記のような条件を満たすことにより、間接加熱源を所定の温度分布、あるいは均一に急速加熱することができる非共振型の誘導加熱装置が実現し、かつ誘導加熱装置の小型化、低コスト化を図ることができるようになる。なお、本実施形態では、加熱ユニット110を2つとして、インバータ130sの出力電流をインバータ130mの出力電流に同期させるよう制御していたが、加熱ユニットの数を増やした場合であっても、同様の同期制御を行うことができる。また、本実施形態の誘導加熱装置では、各インバータからの出力電流を同期させるように出力電流を制御する旨記載したが、各インバータからの出力電流がそれぞれ、予め定められた位相差を保つように出力電流を制御した場合であっても、上記と同様に間接加熱源の加熱制御を容易確実に行うことができるようになる。このような制御を行った場合であっても、各インバータからの出力電流は安定した状態を維持することとなるため、各誘導加熱コイル間における相互誘導の状態が変化することを防止することができるからである。
次に、図7を参照して、本発明の誘導加熱装置に係る第2の実施形態について説明する。図7に示す本実施形態の誘導加熱装置の基本的構成は、上述した第1の実施形態の誘導加熱装置と同じである。したがってその機能を同様とする箇所には図1と同一の符号を附してその詳細な説明は省略することとする。なお、本実施形態では、加熱ユニットに対して上位、下位の概念は無いため、符号に対するm、s等は附さないこととする。
本実施形態の誘導加熱装置100は、第1の実施形態と比べ、インバータ130からの出力電流の同期制御を行う上での制御形態を異にしたことを特徴としている。すなわち、第1の実施形態の誘導加熱装置では、インバータ130mの出力電流を基準としてインバータ130sの出力電流を同期させるように制御していた。これに対し、本実施形態の誘導加熱装置100では、予め定められた基準信号を基準とし、この基準信号に対して各インバータからの出力電流を同期させるように制御を行うのである。このため、本実施形態の誘導加熱装置100は、第1の実施形態に係る誘導加熱装置と比べて制御ユニット160の構成を異にし、基準信号となる波形を出力するための基準信号発生部170を設けることとした。
なお、本実施形態の誘導加熱装置100における制御ユニット160の構成要素については、電力制御部164、電力設定器162、駆動制御部166、及び位相検出器168であり、第1の実施形態と変わりは無い。本実施形態では、位相検出器168に対して、変流器154によって検出されたインバータ130からの出力電流の信号に加え、前記基準信号発生部170から出力される基準信号が入力されることとなる。
位相検出器168では、インバータからの出力電流の波形におけるゼロクロスと、基準信号の波形におけるゼロクロスとを検出して両者間の位相差を求め、求めた位相差情報を駆動制御部166へと出力する。駆動制御部166では、上述した第1の実施形態と同様に、インバータに与えるゲートパルスを調整し、インバータからの出力電流の波形を基準信号の波形に同期させるように制御が行われる。なお、基準信号発生部170から出力される基準信号については、予めその周期を設定することができる。また、いずれかの加熱ユニットからインバータの出力電流を検出し、これに基づいて基準信号を生成する構成としても良い。
このような制御形態を採る誘導加熱装置であっても、上述した第1の実施形態に係る誘導加熱装置と同様の効果を奏することができる。また、このような制御形態を採る本実施形態の誘導加熱装置によれば、各インバータからの出力電流の同期対象が、一括出力される基準信号となるため、加熱ユニットの増減を行う場合であってもその設定等を容易に行うことが可能となる。なお、その他の構成等については第1の実施形態に示した誘導加熱装置と同様である。
次に、図8を参照して本発明の誘導加熱装置に係る第3の実施形態について説明する。本実施形態の誘導加熱装置も、第2の実施形態に係る誘導加熱装置と同様に、その基本的構成は上述した第1の実施形態の誘導加熱装置と同じである。したがってその機能を同様とする箇所には図7に示した符号と同一の符号を図面に附してその詳細な説明は省略することとする。
本実施形態の誘導加熱装置100も、第1、第2の実施形態に示した誘導加熱装置と比べ、インバータ130からの出力電流の同期制御を行う上での制御形態を異にしたことを特徴としている。具体的には、本実施形態の誘導加熱装置100は、複数の加熱ユニット110に接続された制御ユニット160に個別に設けられていた位相検出器168を単一化する構成を採り、各加熱ユニット110に取り付けられた変流器154によって検出された各インバータからの出力電流のゼロクロスを一括して検出するようにした。そして、複数のインバータ130からの出力電流相互間における位相差の平均値を求め、この平均値に各インバータの出力電流を同期させるように、各加熱ユニット110のインバータ130に与えるゲートパルスを制御するのである。
このような制御形態を採る誘導加熱装置100であっても、上述した第1、第2の実施形態に係る誘導加熱装置と同様の効果を奏することができる。なお、その他の構成等については第1の実施形態に示した誘導加熱装置と同様である。
上記実施形態においてはいずれも、負荷コイル部には基本的に誘導加熱コイルのみを設ける旨記載した。しかしながら、誘導加熱コイルの端子電圧を上げたい、換言するならば、インバータの出力電圧を下げたい場合には、負荷コイル部に昇圧コンデンサを設けるようにしても良い。この場合には、インバータからの出力電流の周波数は、共振周波数を外すようにすれば良い。このような構成の誘導加熱装置であっても、従来に比べて小型で低コストな誘導加熱装置とすることができるため、本発明に係る誘導加熱装置とみなすことができる。
また、間接加熱源に関してはいずれの実施形態においてもグラファイトとして説明をしていたが、固有抵抗の高い物質であれば、他の物質によって構成しても良い。間接加熱源を構成する物質の例としては、スチール(鋼)、タングステン、磁性体物質、導電性セラミック、GLC(Graphite Like Carbon)、DLC(Diamond Like Carbon)等を挙げることができる。なお、いずれの物質で間接加熱源を構成する場合であっても、上記インピーダンス成分における条件を満たすことにより、上述した実施形態と同様に、非共振型のインバータにて有効に加熱されることができることとなる。
本発明の誘導加熱装置に係る第1の実施形態を示す図である。 誘導加熱装置におけるインバータの構成及び動作説明のための図である。 同期制御を行う前の各インバータからの出力電流の様子を示す図である。 同期制御後の各インバータからの出力電流の様子を示す図である。 間接加熱源と誘導加熱コイルとの関係の一例を模式的に示した図である。 誘導加熱時における間接加熱源の様子を等価回路として示した図である。 本発明の誘導加熱装置に係る第2の実施形態を示す図である。 本発明の誘導加熱装置に係る第3の実施形態を示す図である。
符号の説明
100………誘導加熱装置、110………加熱ユニット、112………三相交流電源、114………順変換部、120(120m,120s)………チョッパ回路、130(130m,130s)………インバータ(逆変換部)、150(150m,150s)………負荷コイル部、152(152m,152s)………誘導加熱コイル、160(160m,160s)………制御ユニット、180………間接加熱源。

Claims (3)

  1. 間接加熱源と、
    前記間接加熱源を誘導加熱するために、相互誘導が加極性となるように近接配置された複数の加熱コイルと、
    前記複数の加熱コイルにそれぞれ接続された非共振型方形波電圧インバータと、
    前記各インバータの出力電流が電圧に対して遅れ位相となるように制御すると共に、各インバータから各加熱コイルに出力される電流の位相を同期または設定された位相差に保つように制御する制御ユニットと、
    を備えることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 前記間接加熱源は、そのインピーダンスをR+jωLで示す時に、R若しくはωLの値が
    0.3R<ωL<3R
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 前記制御ユニットは、各インバータからの出力電流ゼロクロスを検出し、基準信号または基準となるインバータの出力電流ゼロクロスと前記各インバータからの出力電流ゼロクロスとの位相差を検出し、前記位相差に基づいて各インバータの駆動パルスの出力を制御して各インバータからの出力電流ゼロクロス間の位相が同期または設定された位相差となるように制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の誘導加熱装置。
JP2006037583A 2006-02-15 2006-02-15 誘導加熱装置 Pending JP2007220396A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006037583A JP2007220396A (ja) 2006-02-15 2006-02-15 誘導加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006037583A JP2007220396A (ja) 2006-02-15 2006-02-15 誘導加熱装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007220396A true JP2007220396A (ja) 2007-08-30

Family

ID=38497454

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006037583A Pending JP2007220396A (ja) 2006-02-15 2006-02-15 誘導加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007220396A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009140708A (ja) * 2007-12-05 2009-06-25 Meleagros Corp 誘導加熱装置および誘導加熱装置に使用される加熱容器
JP2010287447A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 誘導加熱装置、誘導加熱方法、及びプログラム
JP2012243692A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Kitashiba Electric Co Ltd 誘導溶解炉の制御装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001297868A (ja) * 2000-04-14 2001-10-26 Nippon Steel Corp ロールの低周波漸進誘導加熱方法および装置
JP2003323970A (ja) * 2002-04-30 2003-11-14 Harison Toshiba Lighting Corp 誘導加熱装置、定着装置、および画像形成装置
JP2004241302A (ja) * 2003-02-07 2004-08-26 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 半導体製造装置の温度制御方法
JP2005529475A (ja) * 2002-06-26 2005-09-29 三井造船株式会社 誘導加熱方法および装置
JP2006040693A (ja) * 2004-07-27 2006-02-09 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 誘導電圧検出方法および装置、並びに誘導加熱システム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001297868A (ja) * 2000-04-14 2001-10-26 Nippon Steel Corp ロールの低周波漸進誘導加熱方法および装置
JP2003323970A (ja) * 2002-04-30 2003-11-14 Harison Toshiba Lighting Corp 誘導加熱装置、定着装置、および画像形成装置
JP2005529475A (ja) * 2002-06-26 2005-09-29 三井造船株式会社 誘導加熱方法および装置
JP2004241302A (ja) * 2003-02-07 2004-08-26 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 半導体製造装置の温度制御方法
JP2006040693A (ja) * 2004-07-27 2006-02-09 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 誘導電圧検出方法および装置、並びに誘導加熱システム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009140708A (ja) * 2007-12-05 2009-06-25 Meleagros Corp 誘導加熱装置および誘導加熱装置に使用される加熱容器
JP2010287447A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 誘導加熱装置、誘導加熱方法、及びプログラム
JP2012243692A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Kitashiba Electric Co Ltd 誘導溶解炉の制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5923658B2 (ja) 工業用誘電体バリア放電発生器用途向けの多目的ゼロ電圧スイッチ共振インバータ
JP5677203B2 (ja) 誘導加熱調理器
EP2589139B1 (en) Feed forward control for a cyclo-converter
KR20000022900A (ko) 자기 공진 결상 코일에 대한 연속적인 임의 파형을생성하는 스위칭 증폭기
US9344007B2 (en) Auxiliary resonant commutated pole converter with voltage balancing circuit
JPS6070698A (ja) X線管フイラメント加熱装置
JP3683318B2 (ja) X線管給電用電源部よりなるx線装置
JP2009277577A (ja) 誘導加熱用電源装置の運転方法
JP5656695B2 (ja) 電動機駆動装置および空気調和装置
JP2007220396A (ja) 誘導加熱装置
Wagner et al. Efficiency improvements for high frequency resistance spot welding
KR20130135784A (ko) 단상 교류를 발생시키기 위한 인버터를 구비한 파워 서플라이 시스템
JP2008243546A (ja) 誘導加熱装置
JP2011150797A (ja) 誘導加熱調理器
JP5223315B2 (ja) 誘導加熱装置
JP5491075B2 (ja) 電力変換装置
JP2015050871A (ja) インバータ回路の制御回路、この制御回路を備えたインバータ装置、このインバータ装置を備えた誘導加熱装置、および、制御方法
JP6397772B2 (ja) インバータ装置
JP6154216B2 (ja) インバータ回路の制御回路、この制御回路を備えたインバータ装置、このインバータ装置を備えた誘導加熱装置、および、制御方法
JP2020187854A (ja) 電磁誘導加熱装置
JP2004297900A (ja) 交流電圧調整装置
JP2011150799A (ja) 誘導加熱装置
JP2012230874A (ja) 誘導加熱調理器
JP2009163894A (ja) 誘導加熱調理器
JP6854428B2 (ja) インバータ装置およびその制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20080402

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100406

A521 Written amendment

Effective date: 20100527

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101117