以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。また実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図1は、本発明の実施の第1の形態である自動契約受付システム1の全体の構成を示す図である。なお、本実施の形態では、消費者金融機関に、本発明の自動契約受付システム1を適用した場合として説明する。
消費者金融機関では、会員として認められた特定の顧客に対してのみ融資サービスを提供することとしており、顧客は、融資サービスの提供を受ける前に、入会審査手続きを行う必要がある。入会審査手続きにおいては、その顧客が一定の入会資格を備えているか否かを、顧客の信用情報などの個人情報を参照することによって審査される。消費者金融機関は、入会審査手続きの結果、会員として認められた顧客との間で、入会後に提供される融資サービスに関する取決めを規定する、いわゆる入会契約を締結する。消費者金融機関との間で入会契約を締結した顧客は、入会契約の規定に従って、融資サービスの提供を受けることができる。各会員には、会員カードが発行され、会員カードは、各会員によって携帯される。本実施の形態において、会員カードは、磁気テープを備えたカード状の記録媒体であり、会員番号を記憶している。会員番号は、各会員を識別することができる各会員固有の番号である。本実施の形態において、会員番号は、8桁の数字列から構成される。
自動契約受付システム1は、顧客の入会審査手続きと入会契約の締結手続きとを行うために用いられ、顧客によって操作される受付装置2と、受付装置2と通信回線3を介して接続され、受付装置2とは隔離して設置される管理装置4とを含んで構成される。
受付装置2は、消費者金融機関の複数の店舗A,B,Cにそれぞれ設置される。受付装置2が配置される場所に、消費者金融機関の従業員は通常待機しない。これによって、顧客は、消費者金融機関の従業員と対面することなしに、受付装置2を操作して、気兼ねなく手続きを行うことができる。
管理装置4は、消費者金融機関の管理センタ内に設置される。本実施の形態において、管理装置4は、複数の管理端末装置5と、管理サーバ6とから構成される。複数の管理端末装置5と、管理サーバ6とは、LAN7を介して互いに接続される。各管理端末装置5は、それぞれに待機するオペレータによって操作される。
管理センタ内のLAN7は、外部のネットワークとの間でデータの送受信を中継するルータ8を介して、外部通信回線3に接続される。ルータ8は、伝送されるデータが目的の管理端末装置5もしくは管理サーバ6または外部ネットワークに送信されるように、IPアドレスに基づいて経路選択を行うことができる。各管理端末装置5は、所望の受付装置2との間で、LAN7および外部通信回線3を介して、各種データの送受信を可能とする。
管理サーバ6は、各種データを記憶しており、外部の装置からの要求に従って、記憶するデータを検索、抽出、更新もしくは削除、または新規のデータを追加するように構成される。
各管理端末装置5は、LAN7および外部通信回線3を介して、個人の信用情報を管理する信用情報管理サーバ9に接続される。信用情報管理サーバ9は、信用情報管理センタに設置され、複数の消費者金融機関から集められる個人の信用情報を管理し、各消費者金融機関からの要求に従って、特定の個人の信用情報を各消費者金融機関に送信するように構成される。
本実施の形態において用いられる外部通信回線3は、たとえば専用回線であり、ISDN回線などのデジタル回線が用いられるが、その他あらゆる通信回線を用いることができる。
図1において図示しないが、消費者金融機関の各店舗には、融資サービスに関する融資データの入力を受け付ける融資用端末装置が設置される。融資データは、借入金、返済金などの各会員の融資に関するデータを含む。融資用端末装置は、通信回線3を介して管理装置4に接続される。融資用端末装置は、管理サーバ6に対して、特定の会員に関するデータの送信を要求する。また、融資用端末装置は、入力された融資データに基づいて、管理サーバ6に対して、管理サーバ6によって記憶されるデータの更新を要求する。
図2は、図1の自動契約受付システム1に用いられる受付装置2の構成を示すブロック図である。図3は、図1の自動契約受付システム1に用いられる受付装置2の外観斜視図である。図2に示すとおり、受付装置2は、受付装置2全体に電力を供給する電源部11と、受付装置2を操作する顧客の顔画像を撮像する第1撮像部12と、受付装置2を操作する顧客の手元の画像を撮像する第2撮像部13と、各種画面およびデータを表示するとともに、顧客からの入力操作を受け付ける表示操作部14と、管理端末装置5を操作するオペレータとの間で通話を行うための通話部15と、各種書類の画像を読取る画像読取部16と、申込書および契約書を発行する書類発行部17と、会員カードを発行するカード発行部18と、管理装置4との間でデータの送受信を行う通信部19と、各種データおよびプログラムを記憶する記憶部20と、受付装置2全体を制御する制御部21とを含んで構成される。
第1撮像部12は、動画像を撮像可能な小型のCCDカメラを含んで構成され、受付装置2に向かって直立する顧客の顔の範囲と想定される範囲が少なくとも撮像可能な範囲に含まれるように設定される。図3に示すとおり、本実施の形態において、第1撮像部12のカメラは、受付装置2本体の正面上部付近に設けられ、表示操作部14が設けられる位置と同等の高さに設置される。
第2撮像部13は、第1撮像部12と同様に、動画像を撮像可能な小型のCCDカメラを含んで構成され、受付装置2の前方、すなわち正面が向かう方向の斜め下方を少なくとも撮像可能に設定される。これによって、受付装置2を操作する顧客の手元を撮像することができる。図3に示すとおり、本実施の形態において、第2撮像部13のカメラは、受付装置2本体の正面中央部付近に設けられる。
表示操作部14は、タッチパネル式液晶ディスプレイを含んで構成される。タッチパネル式液晶ディスプレイは、液晶ディスプレイを、接触を感知する素子を配列してなる透明のタッチパネルで覆って形成され、受付装置を操作する顧客は、液晶ディスプレイの表示画面を指で触れることによって、入力操作を行うことができる。また、表示操作部14に用いられる表示装置は、CRTであってもよい。
通話部15は、送話器と受話器とを有するハンドセットを含んで構成される。ハンドセットは、受付装置2本体とケーブルを介して接続される。通話部15は、制御部21の制御のもと、音声を送話器によって音声情報に変換する。通話部は、制御部21の制御のもと、受付装置2から受信した音声情報を、受話器によって音声に変換する。受付装置2を操作する顧客は、ハンドセットを手に取って、管理端末装置5を操作するオペレータと会話することができる。
画像読取部16は、スキャナを含んで構成される。画像読取部16のスキャナは、各種書類、たとえば入会申込書、契約書または身分証明書から画像を光学的に読取って、画像データとして生成することができる。
書類発行部17は、契約書および入会申込書を外部に排出し、かつ契約書を外部から取り込む書類入出口22と、契約書に印字するプリンタ(図示しない)と、契約書および入会申込書の用紙をそれぞれ収納する用紙収納部(図示しない)と、取り込んだ契約書を収納する契約書収納部(図示しない)と、書類入出口22、プリンタ、用紙収納部および契約書収納部の間で契約書用紙、入会申込書用紙または契約書を搬送する機構(図示しない)とを含んで構成される。
カード発行部18は、会員カードを外部から取り込み、かつ外部に排出するカード入出口23と、会員カードから各種情報を読取るカード読取部(図示しない)と、未発行の会員カードを収納するカード収納部(図示しない)と、カード入出口23、カード読取部およびカード収納部の間でカードを搬送する機構(図示しない)とを含んで構成される。
受付装置2の通信部19は、通信制御装置、データ回線終端装置などの各種通信装置を含んで構成され、制御部21の制御のもと、各種データおよび音声情報の送受信を行う。
受付装置2の記憶部20は、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリなどの補助記憶装置とを含んで構成され、制御部21に各種処理を実行させるプログラムと、表示操作部14に表示させる各種表示画面と、契約書などの書類に印字される各種印字データとを予め記憶している。
受付装置2の制御部21は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、記憶部20に記憶されたプログラムを読出し、そのプログラムの指示に従って、各種処理を実行するように構成される。
受付装置2の制御部21は、第1撮像部12および第2撮像部13を制御して、動画像を撮像させる。また、制御部21は、撮像された動画像を、動画像データとして生成し、通信部を制御して、管理端末装置5に送信する。制御部21は、画像読取部16を制御して、書類の画像を読取らせ、読取った画像を画像データとして生成し、通信部19を制御して、管理端末装置5に送信させる。制御部21は、通話部15によって変換された音声情報を、通信部19を制御して、管理端末装置5に送信させる。制御部21は、書類発行部17を制御して、用紙収納部から入会申込書用紙を搬出させ、書類入出口22から入会申込書用紙を排出させる。制御部21は、書類発行部17を制御して、用紙収納部から契約書用紙を搬出させ、プリンタに所定事項を印字させ、印字した契約書を書類入出口22から排出させる。制御部21は、書類発行部17を制御して、書類入出口22から契約書を取り込ませ、取り込んだ契約書を契約書収納部に収納させる。制御部21は、カード発行部18を制御して、カード収納部18から未発行の会員カードを搬出させ、取り出した未発行の会員カードに所定のデータを書き込ませ、カード入出口23から会員カードを排出させる。
図4は、図1の自動契約受付システム1に用いられる管理装置4の構成を示す図である。管理装置4は、前述のとおり、複数の管理端末装置5と、管理サーバ6とから構成される。図4においては、簡略化のために、1つの管理端末装置5および管理サーバ6の構成を図示する。各管理端末装置5はそれぞれ、同一の構成を有する。
図4に示すとおり、管理端末装置5は、管理端末装置5全体に電力を供給する電源部31と、オペレータからの入力操作を受け付ける入力部32と、各種画面を表示する表示部33と、受付装置2を操作する顧客との間で通話を行うための通話部34と、受付装置2、管理サーバ6および信用情報管理サーバ9との間で各種データの送受信を行う通信部35と、各種データおよびプログラムを記憶する記憶部36と、管理端末装置5全体を制御する制御部37とを含んで構成される。
入力部32は、キーボードおよびマウスなどの入力装置を含んで構成される。表示部33は、液晶ディスプレイなどの表示装置を含んで構成される。本実施の形態においては液晶ディスプレイを用いているが、CRTであってもよい。
管理端末装置5の通話部34は、受話器と送話器とを有するヘッドセットを含んで構成される。ヘッドセットは、ケーブルを介して管理端末装置5本体に接続される。通話部35は、制御部37の制御のもと、音声を送話器によって音声情報に変換する。通話部35は、制御部37の制御のもと、受付装置2から受信した音声情報を、受話器によって音声に変換する。オペレータは、ヘッドセットを頭部に装着して、受付装置2を操作する顧客と会話することができる。
管理端末装置5の通信部35は、通信制御装置、ネットワークインタフェースカードなどの各種通信装置を含んで構成され、制御部37の制御のもと、各種データおよび音声情報の送受信を行う。
管理端末装置5の記憶部36は、RAMなどの主記憶装置と、ROMと、ハードディスクなどの補助記憶装置とを含んで構成され、制御部37に各種処理を実行させるプログラムと、表示部33に表示させる各種表示画面とを予め記憶している。
管理端末装置5の制御部37は、CPUを含んで構成され、記憶部36に記憶されたプログラムを読出し、そのプログラムの指示に従って、後述する入会申込書確認処理、本人確認処理、顔画像認証処理、本審査処理および顔画像削除処理を実行するように構成される。
管理端末装置5の制御部37は、受付装置2から受信した顧客の動画像を、リアルタイムに、表示部33に表示させる。制御部37は、オペレータによる入力部32の操作に応答して、受付装置2の第1撮像部12によって撮像された顧客の顔画像と、受付装置2の第2撮像部13によって撮像された顧客の手元の画像とを、表示部33に選択的に表示させることができる。これによって、オペレータは、受付装置2を操作する顧客の状況を監視することができる。制御部37はまた、オペレータによる入力部32の操作に応答して、第1撮像部12によって撮像された動画像から、静止画像を取得することができる。これによってオペレータは、入力部32を操作することによって、顔画像認証処理に適した静止画像を取得することができる。
管理端末装置5の制御部37は、入力部32による予め定められる入力に応答して、通信部35を制御して、管理サーバ6から所望のデータを読み出すために、データの送信を管理サーバ6に対して要求することができ、管理サーバ6から取得したデータを、表示部33に表示させることができる。また、制御部37は、入力部32による予め定められる入力に応答して、通信部35を制御して、管理サーバ6に格納されるデータの更新もしくは削除を要求し、また、管理サーバ6に対して、データを伝送し、データの追加を要求することができる。制御部37はまた、通話部34によって変換された音声情報を、通信部35を制御して、受付装置2に送信させる。
図4に示すとおり、管理サーバ6は、データベース(「DB」とも称する。)41と、データベース41を管理するデータベース管理部42と、管理端末装置5および融資用端末装置などの各端末装置との間で各種データの送受信を行う通信部43とを含んで構成される。
データベース管理部42は、管理端末装置5または融資用端末装置などの各端末装置からの要求に応じて、各端末装置から伝送されたデータをデータベース41に追加し、データベース41に記憶されたデータを抽出、更新または削除するように構成される。また、データベース管理部42は、後述する顔画像削除処理を実行する。
管理サーバ6の通信部43は、通信制御装置、ネットワークインタフェースカードなどの各種通信装置を含んで構成され、データベース管理部42の制御のもと、データベース41から抽出したデータの管理端末装置5への送信、および管理端末装置5から伝送されたデータの受信を行う。
データベース41は、会員に関する情報を格納する会員データファイル44と、会員の顔画像を格納する顔画像データファイル45と、各会員の利用状況に関する情報を格納する利用データファイル46とを含んで構成される。
図5は、データベース41に格納される各ファイルの構成を示す図であり、図5(a)は、会員データファイル44のレコード構成を示し、図5(b)は、顔画像データファイル45のレコード構成を示し、図5(c)は、利用データファイル46のレコード構成を示す。
図5(a)の示すとおり、会員データファイル44は、会員番号と、その会員番号に対応する顧客データ、申込書画像データ、身分証明書画像データおよび契約書画像データとを格納する。顧客データは、顧客の氏名、住所、年齢、性別、生年月日、電話番号など、顧客の個人情報を含む。申込書画像データは、入会申込書の画像データである。身分証明書画像データは、運転免許証などの身分証明書の画像データである。契約書画像データとは、契約書の画像データである。
図5(b)に示すとおり、顔画像データファイル45は、会員番号と、その会員番号に対応する会員の顔画像データとを格納する。顔画像データファイル45は、n個のレコードを有し、各レコードには、1〜n番のレコード番号が与えられ、レコード番号の昇順に整列されている。会員の顔画像データは、静止画像の形式で記憶される。
図5(c)に示すとおり、利用データファイル46は、会員番号と、その会員番号に対応する債務データ、借入日データ、返済期限データ、および返済方法データとを格納する。債務データは、これまでに借り入れた金銭のうち、未だ返済されていない金額を示す。借入日データは、金銭を借り入れた日を示す。返済期限データは、借り入れた金銭の返済期限の日を示す。返済方法データは、借入金の返済方法を示し、本実施の形態において、返済方法には、一括払い、分割払いなどが含まれる。
図6は、受付装置2の入会審査処理の流れを示すフローチャートである。受付装置2の制御部21は、表示操作部14の予め定められる領域が押下されたことを検知すると、入会審査処理を開始する。
まず、制御部21は、書類発行部17を制御して、入会申込書用紙を書類入出口22から排出させることによって、入会申込書を発行する(ステップa1)。その後、制御部21は、顧客によって所定の事項が記入された入会申込書が画像読取部16にセットされるのを待機する状態となる。画像読取部16は、書類が予め定められる位置にセットされると、制御部21に対して信号を送信するように構成される。制御部21は、入会申込書が画像読取部16にセットされたか否かを、画像読取部16からの信号に基づいて判断する(ステップa2)。画像読取部16からの信号に基づいて、入会申込書がセットされたと判断すると(ステップa2のYES)、制御部21は、画像読取部16を制御して、入会申込書の画像を読取らせ、申込書画像データを生成した後、通信部19を制御して、申込書画像データを、管理センタ内の複数の管理端末装置5のうちいずれかに送信する(ステップa3)。なお、制御部21は、申込書画像データを送信するに際して、申込書画像データを受信可能な状態にある管理端末装置5を任意に選択し、受付装置2の制御部21は、選択した管理端末装置5のIPアドレスを記憶部20に記憶する。
その後、制御部21は、第1撮像部12および第2撮像部13を作動させ、これらを制御して、顧客の動画像を撮像させる(ステップa4)。制御部21は、第1撮像部12および第2撮像部13によって撮像された動画像を、動画像データとして生成し、通信部19を制御して、申込書画像データを送信した管理端末装置5、すなわち記憶部20に記憶したIPアドレスを有する管理端末装置5に送信する。第1撮像部12および第2撮像部13は、入会審査処理が終了するまで動画像を、管理端末装置5に対して送信し続けるように構成される。
その後、制御部21は、管理端末装置5からの申込書確認結果の受信を待機する状態となり、管理端末装置5から受信した申込書確認結果が「OK」であるか「NG」であるかを判断する(ステップa5)。「OK」であると判断した場合(ステップa5の「OK」)、制御部21は、表示操作部14を制御して、後述する申込書確認結果画面51を表示させる(ステップa6)。「NG」であると判断した場合(ステップa5の「NG」)、制御部21は、表示操作部14を制御して、後述する入会拒絶画面52を表示させ(ステップa7)、処理を終了する。
ステップa6において、申込書確認結果画面51が表示された後、制御部21は、身分証明書が画像読取部16にセットされるのを待機する状態となり、身分証明書が画像読取部16にセットされたか否かを、画像読取部16からの信号に基づいて判断する(ステップa8)。画像読取部16からの信号に基づいて、身分証明書がセットされたと判断した場合(ステップa8のYES)、制御部21は、画像読取部16を制御して、身分証明書の画像を読取らせ、読取った画像を身分証明書画像データとして生成し、通信部19を制御して、身分証明書画像データを管理端末装置5に送信する(ステップa9)。
その後、制御部21は、管理端末装置5からの身分証明書確認結果の受信を待機する状態となり、管理端末装置5から受信した身分証明書確認結果が「OK」であるか、または「NG」であるかを判断する(ステップa10)。「OK」であると判断した場合(ステップa10の「OK」)、制御部21は、表示操作部14を制御して、後述する身分証明書確認結果画面53を表示させる(ステップa11)。「NG」であると判断した場合(ステップa10の「NG」)、制御部21は、表示操作部14を制御して、後述する入会拒絶画面52を表示させ(ステップa7)、処理を終了する。
ステップa11において、身分証明書確認結果画面53が表示された後、制御部21は、管理端末装置5からの顔画像認証結果の受信を待機する状態となり、管理端末装置5から受信した顔画像認証結果が「OK」であるか、または「NG」であるかを判断する(ステップa12)。「OK」であると判断した場合(ステップa12の「OK」)、制御部21は、表示操作部14を制御して、後述する認証結果画面63を表示させる(ステップa13)。「NG」であると判断した場合(ステップa12の「NG」)、制御部21は、表示操作部14を制御して、後述する入会拒絶画面52を表示させ(ステップa7)、処理を終了する。
ステップa13において、認証結果画面63が表示された後、制御部21は、管理端末装置5からの本審査結果の受信を待機する状態となり、管理端末装置5から受信した本審査結果が「OK」であるか、または「NG」であるかを判断する(ステップa13)。「OK」であると判断した場合(ステップa13の「OK」)、制御部21は、表示操作部14を制御して、後述する入会審査結果画面54を表示させる(ステップa14)。「NG」であると判断した場合(ステップa13の「NG」)、制御部21は、表示操作部14を制御して、後述する入会拒絶画面52を表示させ(ステップa7)、処理を終了する。
ステップa14において、入会審査結果画面54が表示された後、制御部21は、書類発行部17を制御して、契約書用紙を書類入出口22から排出することによって、契約書を発行する(ステップa15)。次いで、制御部21は、契約書が画像読取部16にセットされるのを待機する状態となり、顧客により所定の事項が記入された契約書が画像読取部16にセットされたか否かを、画像読取部16からの信号に基づいて判断する(ステップa16)。画像読取部16からの信号に基づいて契約書が画像読取部16にセットされたと判断した場合(ステップa16のYES)、制御部21は、画像読取部16を制御して、契約書の画像を読取り、読取った画像を契約書画像データとして生成し、通信部19を制御して、契約書画像データを管理端末装置5に送信する(ステップa17)。次いで、制御部21は、書類発行部17を制御して、書類入出口22から契約書を取り込み、契約書収納部に搬送して収納する(ステップa18)。その後、制御部21は、カード発行部18を制御して、会員カードを発行し、カード入出口23から会員カードを排出するとともに、書類発行部17を制御して、画像読取部16によって生成された契約書画像データに基づいて、所定事項を契約書用紙に印字し、印字された契約書用紙を、契約書控として発行し、発行された契約書控を書類入出口22から排出し(ステップa19)、処理を終了する。
図7は、受付装置2の表示操作部14が表示する画面の一例を示す図であり、図7(a)は、申込書確認結果画面51の一例を示し、図7(b)は、身分証明書確認結果画面53の一例を示し、図7(c)は、認証結果画面63の一例を示し、図7(d)は、入会審査結果画面54の一例を示し、図7(e)は、入会拒絶画面52の一例を示す。
申込書確認結果画面51は、「入会申込書を確認しました!」の確認メッセージ表示領域55と、「身分証明書をスキャナにセットしてください。」の案内メッセージ表示領域56とから構成される。顧客は、申込書確認結果画面51を参照して、入会申込書が確認されたことを認識することができ、身分証明書を画像読取部16のスキャナにセットするよう促され、次のステップに案内されることができる。
身分証明書確認結果画面53は、「身分証明書を確認しました!」の確認メッセージ表示領域57と、「本人確認中です。そのままお待ちください。」の案内メッセージ表示領域58とから構成される。顧客は、身分証明書確認結果画面53を参照して、身分証明書が確認されたことを認識することができ、本人確認結果の待ち状態にあることを認識することができる。
認証結果画面63は、「本人確認完了しました!」の確認メッセージ表示領域64と、「審査中です。そのままお待ちください。」の案内メッセージ表示領域65とから構成される。顧客は、認証結果画面63を参照して、本人確認が完了したことを認識することができ、審査結果の待ち状態にあることを認識することができる。
入会審査結果画面54は、「審査が完了しました!」の結果メッセージ表示領域59と、「契約書に必要事項を記入のうえ、スキャナにセットしてください。」の案内メッセージ表示領域60とから構成される。顧客は、入会審査結果画面54を参照して、入会審査をパスしたことを認識することができ、契約書に記入して画像読取部16のスキャナにセットするよう促され、次のステップに案内されることができる。
入会拒絶画面52は、「入会できません。」の結果メッセージ表示領域61と、「受付を終了します…」の終了メッセージ表示領域62とから構成される。顧客は、入会拒絶画面52を参照して、入会審査をパスしなかったことを認識することができ、入会申込みの受付が終了されることを認識することができる。
図8は、申込書確認処理における管理端末装置5の制御部37の動作を示すフローチャートである。管理端末装置5の制御部37は、受付装置2からの申込書画像データの受信を検知すると、申込書確認処理の実行を開始する。
図8に示すとおり、まず制御部37は、申込書画像データを取得し(ステップb1)、申込書画像データから、氏名、住所、電話番号など、入会申込書に記入された事項を、OCRソフトウェアを用いて文字データに変換し、これらの文字データを顧客データとして生成し、表示部33に、これらの顧客データと、申込書画像データとを表示させる(ステップb2)。制御部37は、入力部32による「OK」または「NG」の入力を待機する状態となる。管理端末装置5を操作するオペレータは、表示部33に表示されたデータに不備がないかどうかを判断し、入力部32を操作して、「OK」または「NG」を選択入力する。本実施の形態において、「OK」または「NG」は、入力部32のキーボードの予め定められるキーを押下することによって選択入力される。制御部37は、入力部32によって「OK」が入力されたか、「NG」が入力されたかを判断し(ステップb3)、「OK」が入力されたと判断すると(ステップb3の「OK」)、通信部35を制御して、「OK」の申込書確認結果を受付装置2に送信する(ステップb4)。次いで、制御部37は、申込書画像データと顧客データとを記憶部36に記憶させ(ステップb5)、処理を終了する。他方、入力部32によって「NG」が入力されたと判断すると(ステップb3の「NG」)、制御部37は、通信部35を制御して、「NG」の申込書確認結果を受付装置2に送信し(ステップb6)、処理を終了する。
図9は、身分証明書確認処理における管理端末装置5の制御部37の動作を示すフローチャートである。管理端末装置5の制御部37は、受付装置2からの身分証明書画像データの受信を検知すると、身分証確認処理の実行を開始する。
図9に示すとおり、まず制御部37は、身分証明書画像データを取得した後(ステップc1)、記憶部36から顧客データを読み出し(ステップc2)、読み出した顧客データに基づいて、信用情報管理サーバ9に対し、顧客データに対応する人物の個人信用情報の送信を要求する(ステップc3)。制御部37は、個人信用情報を受信すると、表示部33に、読み出した顧客データと身分証明書画像データと受信した個人信用情報とを表示させる(ステップc4)。制御部37は、入力部32による「OK」または「NG」の入力を待機する状態となる。管理端末装置5のオペレータは、表示部33に表示された内容を点検し、入力部32を操作して、「OK」または「NG」を選択入力する。本実施の形態において、「OK」または「NG」は、入力部32のキーボードの予め定められるキーを押下することによって選択入力される。制御部37は、入力部32によって「OK」が入力されたか、「NG」が入力されたかを判断し(ステップc5)、「OK」が入力されたと判断すると(ステップc5の「OK」)、通信部35を制御して、「OK」の身分証明書確認結果を受付装置2に送信する(ステップc6)。次いで、制御部37は、身分証明書画像データと個人信用情報とを顧客データに対応付けて記憶部36に記憶させ(ステップc7)、処理を終了する。他方、入力部32によって「NG」が入力されたと判断すると(ステップc5の「NG」)、制御部37は、通信部35を制御して、「NG」の身分証明書確認結果を受付装置2に送信し(ステップc8)、処理を終了する。
図10は、顔画像認証処理における管理端末装置5の制御部37の動作を示すフローチャートである。管理端末装置5の制御部37は、受付装置2からの顧客の動画像データの受信を検知すると、顔画像認証処理の実行を開始する。なお、顔画像認証処理は、申込書確認処理および身分証明書確認処理と同時並行で実行されてもよい。
図10に示すとおり、まず制御部37は、オペレータによる入力部32の操作に応答して、顧客の動画像データから静止画像である顧客の顔画像を取得し、顧客の顔画像データとして、記憶部36に記憶させる(ステップd1)。次いで、制御部37は、整数型の変数であるレコード番号iに1を代入して初期化し(ステップd2)、管理サーバ6から、レコード番号iの会員の顔画像データ、すなわち顔画像データファイル45のi番目のレコードに含まれる会員の顔画像データ[i]を読み出す(ステップd3)。次いで、制御部37は、読み出した会員の顔画像データ[i]と、取得した顧客の顔画像データとを比較、照合し、一致度を百分率で算出する(ステップd4)。本実施の形態において、一致度は、顔を構成する目、鼻、口などの各所の特徴点の位置を検出し、各特徴点間の空間的位置情報から、顔の類似度を判定することによって算出される。一致度を算出した後、制御部37は、算出された一致度が、予め定められる閾値、たとえば60%以上であるか否かを判断する(ステップd5)。一致度が、閾値以上であると判断した場合(ステップd5のYES)、制御部37は、レコード番号iと算出された一致度とを関連付けて記憶部36に記憶させる(ステップd6)。ステップd6の後、またはステップd5において一致度が閾値以上でないと判断した場合(ステップd5のNO)、制御部37は、レコード番号iが、顔画像データファイル45に格納されるレコード数nと等しいか否か、すなわち全ての会員顔画像データとの比較照合を終了したか否かを判断する(ステップd7)。iとnとが等しくないと判断した場合(ステップd7のNO)、制御部37は、レコード番号iを1インクリメントし(ステップd8)、ステップd3に戻る。こうして、全ての会員顔画像データとの比較照合が終了するまで、ステップd3〜ステップd8までの処理を繰り返す。ステップd7において、iとnとが等しいと判断した場合(ステップd7のYES)、制御部37は、記憶部36にレコード番号iと一致度とが記憶されているか否かを点検することによって、一致度が閾値以上の会員の顔画像データが存在したか否かを判断する(ステップd9)。一致度が閾値以上の会員の顔画像データが存在しなかったと判断した場合(ステップd9のNO)、制御部37は、同一人物による重複入会ではないと判断して、通信部35を制御して、受付装置に対し、「OK」の顔画像確認結果を送信させる(ステップd10)。ステップd9において、一致度が閾値以上の会員の顔画像データが存在すると判断した場合(ステップd9のYES)、制御部37は、通信部35を制御して、記憶部36に記憶されたレコード番号iに基づいて、管理サーバ6の顔画像データファイル45のi番目のレコードに含まれる会員の顔画像データと、その顔画像データに対応する会員番号と、管理サーバ6の会員データファイル44に格納されるその会員番号に対応する顧客データと、身分証明書画像データとを読み出す(ステップd11)。なお、管理サーバ6のデータベース管理部42は、管理端末装置5からの読み出し要求に従って、データベース41の各ファイル44,45からこれらのデータを抽出し、通信部35を制御して、これらのデータを互いに関連付けて管理端末装置5に伝送する。
管理端末装置5の制御部37は、管理サーバ6から読み出したデータを、記憶部36においてレコード番号iに関連付けられた一致度の降順に、予め定められる整列アルゴリズムを用いて整列し、記憶部36に記憶する(ステップd12)。制御部37は、表示部33を制御して、ステップd11において管理サーバ6から読み出したデータと、ステップd1において取得した顧客の顔画像データとに基づいて、後述する顔画像比較画面71を表示する(ステップd13)。顔画像比較画面71においては、最も一致度の高い会員の顔画像データがまず表示され、入力部32を操作することによって、ステップd12おいて整列した順に、その他の会員の顔画像データが順次的に表示されるように構成される。顔画像比較画面71を表示している期間中、制御部37は、入力部32による「OK」または「NG」の入力を待機する状態となる。顔画像比較画面71を参照して、管理端末装置5を操作するオペレータは、顧客がすでに入会済みの会員であるか否かを判断し、入力部32を操作して、「OK」または「NG」を選択入力する。制御部37は、入力部32によって「OK」が入力されたか、「NG」が入力されたかを判断する(ステップd14)。「OK」が入力されたと判断した場合(ステップd14の「OK」)、制御部37は、通信部35を制御して、受付装置2に対し、「OK」の顔画像認証結果を送信する(ステップd10)。ステップd14において、「NG」が入力されたと判断した場合(ステップd14の「NG」)、制御部37は、通信部35を制御して、受付装置2に対し、「NG」の顔画像認証結果を送信し(ステップd15)、処理を終了する。
ステップd10において「OK」の顔画像認証結果が送信された後、制御部37は、記憶部36から顧客の顔画像データと、顧客データと、申込書画像データと、身分証明書画像データとを読出し、通信部35を制御して、これらのデータを管理サーバ6に対して伝送し、これらのデータに基づいてデータベース41の対応するファイル44,45にレコードを追加するよう要求する(ステップd16)。次いで、制御部37は、本審査処理を実行する(ステップd17)。本審査処理において、制御部37は、記憶部36に記憶される個人信用情報を読出し、表示部33に表示させ、入力部32による「OK」または「NG」の入力を待機する状態となる。管理端末装置5を操作するオペレータは、表示された個人信用情報を参照して、顧客が会員としての資格を有するか否かを判断し、入力部32を操作して、「OK」または「NG」を選択入力する。制御部37は、入力部32によって「OK」が入力されたか、「NG」が入力されたかを判断する。「OK」が入力されたと判断した場合、制御部37は、通信部35を制御して、受付装置2に対し、「OK」の入会審査結果を送信し、本審査処理を終了する。「NG」が入力されたと判断した場合、制御部37は、通信部35を制御して、受付装置2に対し、「NG」の入会審査結果を送信し、本審査処理を終了する。
制御部37は、本審査処理を実行した後、処理を終了する。なお、管理サーバ6のデータベース管理部42は、管理端末装置5からのレコード追加要求に従って、伝送されたこれらのデータに基づいて、データベース41に格納される会員データファイル44および顔画像データファイル45にレコードをそれぞれ追加する。
図11は、管理端末装置5の表示部33が表示する顔画像比較画面71の一例を示す。図11の示すとおり、顔画像比較画面71は、顧客の顔画像の表示領域72と、会員の顔画像の表示領域73と、顧客の身分証明書の表示領域74と、会員の身分証明書の表示領域75と、会員の顧客データの表示領域76と、一致度の表示領域77と、一致度の順位を表示する順位表示領域78と、「OK」の表示領域79と、「NG」の表示領域80と、「次へ」の表示領域81とを含んで構成される。顧客の顔画像の表示領域72と、会員の顔画像の表示領域73とは、表示部33の画面上の互いに重ならない領域に設けられる。これによって、オペレータは、顔画像比較画面71を一見することによって、両顔画像を比較することができる。順位表示領域78には、表示されている会員に対応する一致度の順位と、一致度が閾値以上であると判断された会員の数とが表示される。オペレータが、入力部32のマウスを操作して、「次へ」の表示領域81にカーソルを合わせ、クリックすることによって、次点の一致度が算出された会員の顔画像とそれに対応する顧客データなどのデータとが各表示領域に表示される。オペレータは、表示された両方の顔画像を対比して、また、表示された一致度を参照して、入会を申込もうとする顧客がすでに入会済みの会員であるか否かを判断することができる。オペレータが、入力部32のマウスを操作して、「OK」または「NG」の表示領域79,80にカーソルを合わせてクリックすると、図10のステップd14のとおり、管理端末装置5の制御部37は、「OK」の入力があったか、あるいは「NG」の入力があったかを判断し、それ以降の処理を実行することができる。
図12は、管理サーバ6の画像削除処理におけるデータベース管理部42の動作を示すフローチャートである。管理サーバ6のデータベース管理部42は、融資用端末装置からのデータベース41の利用データファイル46に含まれる債務データの更新要求を検知すると、処理を開始する。
まず、データベース管理部42は、融資用端末装置からの債務データの更新要求に従って、更新されるべき債務データをデータベース41の利用データファイル46において検索する(ステップe1)。次いで、データベース管理部42は、検索された債務データを、更新要求に従って更新する(ステップe2)。その後、データベース管理部42は、更新された債務データが示す借入金額が、0(ゼロ)であるかどうか、すなわち借入金が完済されたかどうかを判断する(ステップe3)。借入金が完済されたと判断した場合(ステップe3のYES)、データベース管理部42は、データベース41の顔画像データファイル45から、更新された債務データに対応する会員番号に基づいて、会員番号に対応する顔画像データを検索し、その顔画像データが含まれるレコードを削除する(ステップe4)。その後、データベース管理部42は、処理を終了する。ステップe3において、借入金が完済されていないと判断した場合(ステップe4のNO)、データベース管理部42は、処理を終了する。
本発明の実施の第1の形態の自動契約受付システム1によれば、管理端末装置5を操作するオペレータは、表示部33に表示された顧客の顔画像と会員の顔画像とを比較することができる。比較の結果、受信した顧客の顔画像が、会員の顔画像と一致すると判断される場合、オペレータは、同一人物による重複入会であると判断して、その顧客からの入会の申込みを拒絶することができる。このようにして、同一人物による重複入会であるか否かの審査をより確実に行うことができ、同一人物による重複入会を回避することができる。同一人物による重複入会を回避することによって、同一人物による異なる名義に基づく契約の締結を防止することができる。したがって、債権の回収が不能となる危険を回避することができるとともに、会員毎に設定されるサービスの限度範囲を超えてサービスが過剰に提供されることを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、顧客の顔画像と会員の顔画像とを照合して一致度を算出し、算出した一致度が予め定められる閾値以上であるかどうかを判断することができる。また、一致度が予め定められる閾値以上であると判断された会員の顔画像データがデータベース41に存在しない場合、同一人物による重複入会ではない旨の判定を行うことができる。これによって、顔画像の比較および入会審査手続きの合格判定を自動化することができる結果、入会審査手続きにおける作業負担が軽減されるとともに、入会審査手続きを迅速に行うことができる。
さらに、閾値以上の一致度を有する会員の顔画像データが抽出され、表示部33によって表示されるように構成されるので、その顧客と同一人物である可能性が高いと判断された会員の顔画像を表示して、同一人物か否かの判断を実施することができ、また、オペレータによる顔画像の比較回数が少なくすることができる。したがって、入会審査手続きをさらに迅速かつ簡便に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、入会審査手続きの結果、会員として認められた顧客の顔画像データを、会員の顔画像データとして顔画像データファイル45に追加する。これによって、入会審査手続きによって新規の顧客が入会する度に、顔画像データファイル45に記憶される会員の顔画像データを追加することができる。したがって、同一人物による重複入会であるか否かの審査を漏れなく、かつ確実に行うことが可能となる。
さらに、顔画像データファイル45において、会員の顔画像データが、会員番号に関連付けて記憶されるので、一致すると判断した会員の顔画像データに対応する会員を、会員番号を用いて特定することができる。こうして、重複入会を実行しようとした会員を特定することができる。
さらにまた、管理サーバ6は、会員が債務を完済したと判断すると、その会員の会員番号に対応する会員の顔画像データを、顔画像データファイル45から削除するので、データベース41が記憶する会員の顔画像データを、重複入会を行おうとする可能性の高い未弁済者の顔画像に限定することが可能となる。その結果、顔画像の比較回数を少なくすることができるのみならず、データベース41によって記憶されるデータの量を抑制することができる。
図13は、本発明の実施の第2の形態の自動契約受付システム1における管理端末装置5の顔画像認証処理の流れを示すフローチャートである。実施の第2の形態の自動契約受付システム1は、実施の第1の形態の自動契約受付システム1と構成が同一であり、管理端末装置5の制御部37の動作のみが異なる。したがって実施の第2の形態の自動契約受付システム1においては、実施の第1の形態の自動契約受付システム1と異なる点についてだけ説明し、同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
管理端末装置5の制御部37の動作は、実施の第1の形態の管理端末装置5の制御部37の動作のうち、顔画像認証処理が異なる。したがって以下においては、管理端末装置5の制御部37の顔画像認証処理における動作についてのみ説明する。管理端末装置5の制御部37は、受付装置2からの顧客の動画像データの受信を検知すると、顔画像認証処理の実行を開始する。なお、顔画像認証処理は、申込書確認処理および身分証明書確認処理と同時並行で実行されてもよい。
図13に示すとおり、まず制御部37は、オペレータによる入力部32の操作に応答して、顧客の動画像データから静止画像である顧客の顔画像を取得し、顧客の顔画像データとして、記憶部36に記憶させる(ステップf1)。次いで、制御部37は、整数型の変数であるレコード番号iに1を代入して初期化し(ステップf2)、管理サーバ6から、レコード番号iの会員の顔画像データ、すなわち顔画像データファイル45のi番目のレコードに含まれる会員の顔画像データ[i]を読み出す(ステップf3)。次いで、制御部37は、読み出した会員の顔画像データ[i]と、取得した顧客の顔画像データとを比較、照合し、一致度を百分率で算出する(ステップf4)。本実施の形態において、一致度は、顔を構成する目、鼻、口などの各所の特徴点の位置を検出し、各特徴点間の空間的位置情報から、顔の類似度を判定することによって算出される。一致度を算出した後、制御部37は、算出された一致度が、予め定められる閾値、たとえば60%以上であるか否かを判断する(ステップf5)。一致度が、閾値以上であると判断した場合(ステップf5のYES)、制御部37は、その顧客の入会を拒絶する旨判定し、通信部35を制御して、受付装置2に対し、「NG」の顔画像認証結果を送信し(ステップf6)、処理を終了する。ステップd5において一致度が閾値以上でないと判断した場合(ステップf5のNO)、制御部37は、レコード番号iが、顔画像データファイル45に格納されるレコード数nと等しいか否か、すなわち全ての会員顔画像データとの比較照合を終了したか否かを判断する(ステップf7)。iとnとが等しくないと判断した場合(ステップf7のNO)、制御部37は、レコード番号iを1インクリメントし(ステップf8)、ステップf3に戻る。こうして、ステップf4において閾値以上の一致度が算出されない限り、全ての会員顔画像データとの比較照合が終了するまで、ステップf3〜ステップf8までの処理を繰り返す。ステップf7において、iとnとが等しいと判断した場合(ステップf7のYES)、制御部37は、同一人物による重複入会ではない旨判定し、通信部35を制御して、受付装置に対し、「OK」の顔画像確認結果を送信させる(ステップf9)。
ステップf9において「OK」の顔画像認証結果が送信された後、制御部37は、記憶部36から顧客の顔画像データと、顧客データと、申込書画像データと、身分証明書画像データとを読出し、通信部35を制御して、これらのデータを管理サーバ6に対して伝送し、これらのデータに基づいてデータベース41の対応するファイル44,45にレコードを追加するよう要求し(ステップf10)、前述の本審査処理を実行した後(ステップf11)、処理を終了する。なお、管理サーバ6のデータベース管理部42は、管理端末装置5からのレコード追加要求に従って、伝送されたこれらのデータに基づいて、データベース41に格納される会員データファイル44および顔画像データファイル45にレコードをそれぞれ追加する。
実施の第2の形態の自動契約受付システム1によれば、算出された一致度が予め定める閾値以上であると判断された場合、その顧客の入会を拒絶する旨判定することができ、他方、一致度が予め定める閾値以上であると判断された会員の顔画像データがデータベース41に存在しない場合、同一人物による重複入会ではない旨判定することができる。これによって、同一人物による重複入会であるか否かの審査をより確実に行うことができ、同一人物による重複入会を回避することができる同一人物による重複入会を回避することによって、同一人物による異なる名義を用いた契約の締結を防止することができるとともに、会員毎に設定されるサービスの限度範囲を超えてサービスが過剰に提供されることを防止することができる。さらに、顔画像の比較と入会審査手続きの合否判定とを自動化することができるので、入会審査手続きにおける作業負担が軽減されるとともに、入会審査手続きをより迅速に行うことができる。
図14は、本発明の実施の第3の形態の自動契約受付システム1における管理端末装置5の顔画像認証処理の流れを示すフローチャートである。実施の第3の形態の自動契約受付システム1は、実施の第1の形態の自動契約受付システム1と構成が同一であり、管理端末装置5の制御部37の動作のみが異なる。したがって実施の第3の形態の自動契約受付システム1においては、実施の第1の形態の自動契約受付システム1と異なる点についてだけ説明し、同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
管理端末装置5の制御部37の動作は、実施の第1の形態の管理端末装置1の制御部37の動作のうち、顔画像認証処理が異なる。したがって、以下においては、管理端末装置5の制御部37の顔画像認証処理における動作についてのみ説明する。管理端末装置5の制御部37は、受付装置2からの顧客の動画像データの受信を検知すると、顔画像認証処理の実行を開始する。なお、顔画像認証処理は、申込書確認処理および身分証明書確認処理と同時並行で実行されてもよい。
図14に示すとおり、制御部37は、オペレータによる入力部32の操作に応答して、受信した顧客の動画像データから静止画像である顧客の顔画像を取得し、記憶部36に記憶させる(ステップg1)。次いで、制御部37は、整数型の変数であるレコード番号iに1を代入して初期化し(ステップg2)、管理サーバ6から、レコード番号iの会員の顔画像データ、すなわち顔画像データファイルのi番目のレコードに含まれる会員の顔画像データ[i]を読み出す(ステップg3)。次いで、制御部37は、読み出した会員の顔画像データ[i]と、取得した顧客の顔画像データとを比較、照合し、一致度を百分率で算出する(ステップg4)。本実施の形態において、一致度は、顔を構成する目、鼻、口などの各所の特徴点の位置を検出し、各特徴点間の空間的位置情報から、顔の類似度を判定することによって算出される。一致度を算出した後、制御部37は、レコード番号iと算出された一致度とを関連付けて記憶部36に記憶させる(ステップg5)。その後、制御部37は、レコード番号iが、顔画像データファイル45に格納されるレコード数nと等しいか否か、すなわち全ての会員顔画像データとの比較照合を終了したか否かを判断する(ステップg6)。iとnとが等しくないと判断した場合(ステップg6のNO)、制御部37は、レコード番号iを1インクリメントし(ステップg7)、ステップg3に戻る。こうして、全ての会員顔画像データとの比較照合が終了するまで、ステップg3〜ステップg7までの処理を繰り返す。ステップ g6において、iとnとが等しいと判断した場合(ステップg6のYES)、制御部37は、記憶部36に記憶された一致度を、一致度の高い方から降順に、予め定められる整列アルゴリズムを用いて整列し、表示部33を制御して、後述する一致度一覧画面91を表示させる(ステップg8)。このとき、オペレータは、入力部33を操作することによって、制御部37の制御のもと、取得した顧客の顔画像データおよび身分証明書画像データを記憶部36から抽出して表示部33に表示させることができる。また、オペレータは、入力部32を操作して、制御部37の制御のもと、所望の会員の顔画像データおよび顧客データを、管理サーバ6から読み出し、表示部33に表示させることができる。一致度一覧画面91を表示している期間中、制御部37は、入力部32による「OK」または「NG」の入力を待機する状態となる。表示部33に表示された一致度、およびこれらのデータを参照して、管理端末装置5のオペレータは、顧客がすでに入会済みの会員であるか否かを判断し、入力部32を操作して、「OK」または「NG」を選択入力する。制御部37は、入力部32によって「OK」が入力されたか、「NG」が入力されたかを判断する(ステップg9)。「OK」が入力されたと判断した場合(ステップg9の「OK」)、制御部37は、通信部35を制御して、受付装置2に対し、「OK」の顔画像認証結果を送信する(ステップg10)。ステップg9において、「NG」が入力されたと判断した場合(ステップg9の「NG」)、制御部37は、通信部35を制御して、受付装置2に対し、「NG」の顔画像認証結果を送信する(ステップg11)。
ステップg10において「OK」の顔画像認証結果が送信された後、制御部37は、記憶部36から顧客の顔画像データと、顧客データと、申込書画像データと、身分証明書画像データとを読出し、通信部35を制御して、管理サーバ6に対して伝送し、これらのデータに基づいてデータベースの対応するファイル44,45にレコードを追加するよう要求し(ステップg12)、前述の本審査処理を実行した後(ステップg13)、処理を終了する。管理サーバ6のデータベース管理部42は、管理端末装置6からのレコード追加要求に従って、伝送されたデータに基づいて、データベース41に格納される会員データファイル44および顔画像データファイル45にレコードをそれぞれ追加する。
図15は、管理端末装置5の表示部33が表示する一致度一覧画面91の一例を示す図である。図15に示すとおり、一致度一覧画面91は、一致度一覧表の表示領域92と、顧客の顔画像の表示領域93と、会員の顔画像の表示領域94と、一致度の表示領域95と、「OK」の表示領域96と、「NG」の表示領域97とを含んで構成される。一致度一覧表は、複数の行と列とから構成され、一致度の順位を表示する列98と、一致度を表示する列99と、会員番号を表示する列100とを含む。一致度一覧表には、予め定められる数のデータ、または予め定められる閾値以上の一致度に対応するデータが、一致度の高い方から順に表示される。顧客の顔画像の表示領域93と、会員の顔画像の表示領域94とは、表示部33の画面上の互いに重ならない領域に設けられる。これによって、オペレータは、一致度一覧画面91を一見することによって、両顔画像を比較することができる。顧客の顔画像の表示領域93には、記憶部36から読み出された顧客の顔画像データに基づいて、顧客の顔画像が表示される。会員の顔画像の表示領域94には、管理サーバ6から受信した会員の顔画像データに基づいて、会員の顔画像が表示される。具体的には、オペレータによって、入力部32のマウスが操作され、カーソルを各行に合わせてクリックされると、制御部37は、通信部35を制御して、管理サーバ6に対して、クリックされた行に表示される会員番号に対応する会員の顔画像データを送信するよう要求し、管理サーバ6から顔画像データを受信すると、表示部33を制御して、会員の顔画像の表示領域94に、顔画像を表示させる。顔画像が表示されている会員に対応する一致度一覧表の行には、網掛け101が施される。これによって、オペレータは、現在表示されている顔画像に対応する会員を認識することができる。オペレータは、表示された一致度を参照して、また、必要に応じて、表示された両方の顔画像を対比して、入会を申込もうとする顧客がすでに入会済みの会員であるか否かを判断することができる。オペレータが、入力部32のマウスを操作して、「OK」または「NG」の表示領域96,97にカーソルを合わせてクリックすると、図14のステップg9のとおり、管理端末装置5の制御部37は、「OK」の入力があったか、あるいは「NG」の入力があったかを判断し、それ以降の処理を実行することができる。
実施の第3の形態の自動契約受付システム1によれば、管理端末装置5を操作するオペレータは、表示部33に表示された一致度を参照して、同一人物による重複入会であるか否かを判断することができる。オペレータは、同一人物による重複入会であると判断する場合、その顧客からの入会の申込みを拒絶することができる。このようにして、同一人物による重複入会であるか否かの審査をより確実に行うことができ、同一人物による重複入会を回避することができる。同一人物による重複入会を回避することによって、同一人物による異なる名義に基づく契約の締結を防止することができる。したがって、債権の回収が不能となる危険を回避することができるとともに、会員毎に設定されるサービスの限度範囲を超えてサービスが過剰に提供されることを防止することができる。
本実施の形態において、顧客と会員との照合の対象となる生体情報として、顔画像を用いるけれども、人物を識別可能な生体情報であれば、いかなる情報を用いてもよく、たとえば、指紋、掌形、網膜、虹彩、声紋を用いてもよい。また、生体情報の比較照合には、照合対象となる生体情報に応じて、適切な手法が用いられ得る。
本実施の形態において、管理装置4は、複数の管理端末装置5と、管理サーバ6とを備え、これらを互いにLANで接続して構成されるけれども、本実施の形態において管理端末装置5および管理サーバ6にそれぞれ割り当てられる機能を一体的な装置に集約して構成されてもよい。
本実施の形態において、債務を完済したことを条件として、対応する会員の顔画像データを、顔画像データファイル45から削除するように構成されるけれども、その他の条件であってもよく、たとえば、会員が退会したことを条件としてもよい。また、債務を完済したことを条件として、対応する会員の顔画像データを、顔画像データファイル45から削除し、別の記憶手段、たとえば別のデータベース(図示しない)に移動させてもよい。この場合、顔画像認証処理における顔画像の比較照合は、顔画像データファイル45に格納される会員顔画像データを優先して行われ、顔画像データファイル45中に一致度の高い会員の顔画像データが存在しない場合に、移動先の別のデータベースに格納される会員の顔画像データについても、任意に、または自動的に顔画像の比較照合を行うようにしてもよい。
本実施の形態において、自動契約受付システムは、消費者金融機関における入会契約に適用されるが、所定の審査の後、所定の契約締結手続きが行われるものであれば、いかなる業種にも適用可能である。たとえば、会員制のスポーツジムにおいて新規顧客の入会を受け付けるシステムとして、または会員優待制度を有する百貨店において、新規顧客の入会を受け付けるシステムとして適用可能である。