JP2007218411A - 回転出力装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前記スピンドル3の回転を反転させて前記コントロールリング43に伝達する反転機構40とを備え、該反転機構40を、コントロールリング43と一体回転するアウタリング42a及びスピンドル3と一体回転するインナリング42cの両方に接触する鋼球42bと、該鋼球42bの周方向の位置を保持する固定ゲージ41とで構成し、前記スピンドル3からの回転で、径内方側にあるフロートギア34を径外方側へ案内するロック機構を、コントロールリング43の誘導溝43aおよび前記コイルスプリング35で構成した。
【選択図】図4
Description
この特許文献1に記載されているロック機構は、出力軸と入力軸の間に遊び角を設け、径外方(ロック方向)側へ付勢され、固定部材に係合してロックするロック板と、このロック板の位置をガイド溝によって拘束する保持板とを、出力軸側に設けて構成している。
それは、モータの回転スピードが遅い状態で回転停止した時等の「慣性による回動」が十分に生じない場合に、自動ロックが掛からないという問題である。
回転出力装置であることを特徴とする。
前記接触は、点接触、あるいは線接触であることを含む。
また、回転駆動力を入力する回転入力体側からの回転で、自動的に移動ロック板を径内方側に案内して固定部材との係合固定を解除してリリース状態とすることができる。
これにより、回転出力手段の回転を誘導手段に確実に伝達することができる。したがって、回転出力手段の回転を反転して誘導手段に伝達する転動体への負荷が低減され、反転機構の耐久性を向上させることができる。
これにより、転動体の形状による強度を向上させることができ、さらに、耐久性のある反転機構を構成することができる。さらに、転動体は前記誘導手段及び前記回転出力手段の両方と接触するため、回転入力体からの回転出力手段の回転中において、前記回転出力手段とともに、転動体を摺動して回転する誘導手段の摺動抵抗が低減できる。したがって、回転入力体からの回転力の損失を低減することができる。また、移動ロック板を径外方向に誘導するための回転出力手段の回転負荷を低減することができ、利用者の満足度を向上することができる。
これにより、前記転動保持部を固定部材に固定でき、固定部材に固定された転動保持部材によって、前記転動体を転動体遊嵌溝で遊嵌して、周方向に等間隔で保持することができる。したがって、確実に、転動体の周方向の位置を保持することができるとともに、確実に回転出力手段の回転を反転して誘導手段に伝達することができる。
これにより、転動体を前記誘導手段及び前記回転出力手段の両方にさらに確実に接触させることができる。
これにより、前記誘導部側接触部及び前記出力体側接触部との転動体の接触圧力を、適宜の弾性力を有する弾性材を用いることで、容易に増加させることができる。
これにより、前記リリース機構及び前記誘導手段をそれぞれ溝で形成しているため、別部材を設けてリリース機構及び前記誘導手段を構成する場合と比較して、コンパクトな回転出力装置を構成することができる。
これにより、複数の移動ロック板が前記固定部材と係合固定するため、係合箇所における剛性が高まり、ロック時のロックトルクを高めることができ、さらに、確実且つ安定したロック機能を得ることができる。
これにより、電動工具等のロック時の操作を極めて容易に行うことができる。
図1は本発明の回転出力装置を採用した電動工具を示す。この電動工具は図1に示す如く、利用者が使用時に握るハンドル部1aを備えたハウジング1、該ハンドル部1aの下部に設けた電源コード2、該ハウジング1前方に設けたスピンドル3、そのスピンドル3に装着したチャック4、そのチャック4で支持したドリルビット5とを具備する。
また、ハウジング1のハンドル部1a前面上方には、モータMの駆動信号を入力するスイッチハンドル6を設けている。
なお、本明細書の以下において、前記軸心方向を前後方向という。
なお、小判断面連結部3dの長さ方向中心よりわずかにチャック側に、後述するフロートギア34の嵌合固定溝34iが嵌合する切込部3fを備えている。
なお、出力ギア31の正面図は、スパーギアの刃先形状を簡略して歯31aを円形で示している。
また、ピン挿入穴31cの略二等辺三角形状の頂点部分である径外中央円弧部分に前記係止ピンが嵌合している場合、フロートギア34はロックリング33と係合固定する前記径外回転固定位置にある。上記ピン挿入穴31cの底辺側左右の径内側方円弧部分に前記係止ピンが嵌合している場合、フロートギア34はロックリング33と係合固定を解除した前記径内固定解除位置にある。
また、ピン挿入穴31cは、出力ギア31を貫通する孔で形成してもよい。
なお、嵌着ツメ32cは後述するチャック側出力リング32bの嵌着孔32fと嵌着する。
なお、三方向の円弧のうち底側に形成する左右の径内側方円弧部分の中心間隔は、上記遊び角βの2倍に対応する幅である。
また、上記係合ピン34fの突出長は、フロートギア34をロック機構部10Aに組付けた際に、コントロールリング43の誘導溝43aに係止できるとともに、出力ギア31のピン挿入穴31cに係止できる長さである。
したがって、前記上側フロートギア34aと前記下側フロートギア34bとは、それぞれのリング部34e部分で径方向にスライドするような態様で径内方側と径外方側とを移動する。
また、ロックリング33は、所定の径でチャック側にプレス加工して突出させた正面視円形の固定凸部33bをロックリング33を略均等で周方向に3分割する3方向位置に備え、モータの出力軸M1(図2)との干渉を防ぐためのロックリング33の外周部の左下の一部(正面視約4時方向)を径内方側に凸状の円弧形状の切欠き部33cを備えている。
なお、上記固定凸部33bは、上記ギアケース12(図2)にロックリング33を係合固定するための凸部である。
なお、前記ピン挿入穴31cと、前記中央ピン貫通孔32eとは、それぞれ、中心からの同一位置となるようにそれぞれに配している。
なお、ベアリング42は上述したようにラジアルベアリングで構成しているが、スラストベアリングで構成してもよい。
なお、本実施例において、鋼球42bを周方向等間隔で11個具備しているが、これに限定されず、11個より多く具備してもよいし、少なく具備してもよい。
固定ゲージ41のモータ側面には、ベアリング42のアウタリング42a内周側面とインナリング42cの外周側面との間に挿入するリングゲージ部41aを備え、リングゲージ部41aのモータ側面端部には、鋼球42bが遊嵌する11箇所の遊嵌凹部41bを等間隔に形成している。
前記リング縁部36aには固定凸部33bが貫通する取付貫通孔36bを、固定凸部33bのそれぞれに対応する位置に備えるとともに、前記モータMの出力軸M1(図2)との干渉を防止する径内方側に凸状の円弧形状の切欠き部36cを備えている。
図11、図14、図15、ならびに図18は各状態の出力ギア31のチャック側からの正面図を示し、図12、図17及び図19は各状態のロック機構部10Aに組付けられたコントロールリング43部分のチャック側からの正面図を示し、図13、及び図16は、各状態のロック機構部10Aに組付けられたベアリング42部分のチャック側からの正面図を示す。なお、図11、図14、図15ならびに図18においては、ピン挿入穴31cと出力リング32の中央ピン貫通孔32eとの位置関係を示すためにチャック側出力リング32bを点線で示している。
利用者がスイッチハンドル6(図1)を操作して駆動信号を入力すると、モータMは回転駆動し、モータMの回転駆動力は入力ギアM2(図2)と噛合している歯31aを介して出力ギア31に伝達される。以下の説明において、モータMの回転は、チャック側から見て左回転(反時計回り)に出力ギア31を回転される回転駆動力とする。
出力ギア31がα度の左回転をしたことによって、ピン挿入穴31cの径外中央円弧部分にあった係合ピン34fは、ピン挿入穴31cの回転方向後方の側面(右側側面)によって左回転方向に押圧される。
上述したように、モータ停止後、慣性力回転が生じない場合は、フロートギア34が径内方側の前記径内固定解除位置にあり、図15、図16及び図17に示す状態で停止し、この状態では、噛合部34dと内面ギア33aとは噛合していないため、スピンドル3は回転自在な状態である。
まず、利用者によって、スピンドル3をモータMによってそれまで回転していた方向と同方向である左回転した場合について説明する。
図16中矢印Aに示すようにスピンドル3を右回転すると、スピンドル3と回転固定されている出力リング32はスピンドル3と一体的に右回転し、フロートギア34は、係合ピン34fが中央ピン貫通孔32eの回転方向後方の側面(左側面)によって押圧されるため、スピンドル3と一体的に回転する。ここで、左回転した場合と異なり、右側回転の場合、出力ギア31の軸通孔31bとスピンドル3の小判断面連結部3dとの間の回転方向前方には遊び角αがないため、図18に示すように、スピンドル3と出力ギア31とは一体的に回転する。しかし、スピンドル3を右回転することによって、貫通孔42dで小判断面連結部3dと嵌合固定しているインナリング42cは右回転し、インナリング42cの右回転は鋼球42bを介してアウタリング42aを図16中矢印Bに示すように左回転させる。この反転機構40の反転効果によって、アウタリング42aと回転固定されたコントロールリング43は図17中矢印Cに示すように、左回転する。
よって、上述したように、利用者がビット交換等のためにスピンドル3を回転させた場合であっても、スピンドル3の回転が固定され、利用者は安全にビット交換等を行うことができる。
また、2つのフロートギア34が前記ロックリング33と噛合固定するため、係合箇所における剛性が高まり、ロック時のロックトルクを高めることができ、さらに、確実且つ安定したロック機能を得ることができる。
またインナリング42’cの転がり溝42eは、断面円形溝の頂点からチャック側に軸心方向に直線で延伸した略J字型の溝形状である。
以下同様に、
回転入力体は、出力ギア31に対応し、
遊び角は、遊び角αに対応し、
回転出力手段は、スピンドル3およびアウタリング42aに対応し、
固定部材は、ロックリング33に対応し、
移動ロック板は、フロートギア34に対応し、
付勢体は、コイルスプリング35に対応し、
誘導手段は、コントロールリング43及びインナリング42c、42’cに対応し、
反転機構は、反転機構40に対応し、
転動体保持部は、固定ゲージ41に対応し、
リリース機構は、ピン挿入穴31cに対応し、
転動体遊嵌溝は、遊嵌凹部41bに対応し、
取付部は、固定プレート36に対応し、
転動体は、鋼球42bに対応し、
回転出力体は、スピンドル3に対応し、
出力体側接触部は、アウタリング42aに対応し、
誘導部は、コントロールリング43に対応し、
誘導部側接触部は、インナリング42c、42’cに対応し、
組立体は、ベアリング42に対応し、
予圧手段は、バックアップリング44に対応し、
係合凸部は、係合ピン34fに対応し、
リリース溝は、ピン挿入穴31cに対応し、
誘導溝は、誘導溝43aに対応し、
遊嵌部は、遊嵌部34jに対応し、
嵌合溝は、嵌合固定溝34iに対応し、
ガイド保持板は、出力リング32に対応し、
嵌合部は、切込部3fに対応し、
囲繞部は、リング部34eに対応するも、
この発明は、前述の実施態様の構成のみに限定されるものではない。
3f…切込部
10…回転出力装置
31…出力ギア
31c…ピン挿入穴
32…出力リング
33…ロックリング
34…フロートギア
34e…リング部
34f…係合ピン
34i…嵌合固定溝
34j…遊嵌部
35…コイルスプリング
36…固定プレート
40…反転機構
41…固定ゲージ
41b…遊嵌凹部
42…ベアリング
42a…アウタリング
42b…鋼球
42c、42’c…インナリング
43…コントロールリング
43a…誘導溝
44…バックアップリング
α…遊び角
Claims (12)
- 回転駆動力を入力する回転入力体と、
該回転入力体と同軸芯上に配置され、所定角度の遊び角を持って該回転入力体からの駆動力を受けて回転力を出力する回転出力手段と、
前記回転出力手段の外周部に配置され、回転を固定した固定部材と、
径外方側へ移動して前記固定部材に対して係合固定する移動ロック板と、
該移動ロック板を径外方側に付勢する付勢体と、
移動ロック板の径外方側への移動を誘導する誘導手段と、
前記回転出力手段の回転を反転させて前記誘導手段に伝達する反転機構とを備え、
該反転機構を、
前記誘導手段及び前記回転出力手段の両方に接触する転動体と、該転動体の周方向の位置を保持する転動体保持部とで構成し、
回転入力体側からの回転で、移動ロック板を径内方側に案内して固定部材との係合固定を解除するリリース機構を前記回転入力体に設け、
前記回転出力手段からの回転で、径内方側にある移動ロック板を径外方側へ案内するロック機構を、前記反転機構、前記誘導手段ならびに前記付勢体で構成した
回転出力装置。 - 前記転動体を、周方向に複数設けた
請求項1に記載の回転出力装置。 - 前記転動体を、球体で形成した
請求項1または2に記載の回転出力装置。 - 前記転動体保持部に、
前記転動体を遊嵌する、周方向で等間隔に配した転動体遊嵌溝と、
前記固定部材に取付ける取付部を設けた
請求項2または3に記載の回転出力装置。 - 前記回転出力手段を、回転出力体と、該回転出力体と一体回転する出力体側接触部とで構成し、
前記誘導手段を、誘導部と、該誘導部と一体回転する誘導部側接触部とで構成し、
前記転動体、前記出力体側接触部ならびに前記誘導部側接触部を組立体として構成した
請求項1から4のいずれかに記載の回転出力装置。 - 前記反転機構に、
前記誘導部側接触部及び前記出力体側接触部との転動体の接触圧力を増加させる予圧手段を備えた
請求項5に記載の回転出力装置。 - 前記予圧手段を、弾性材で構成した
請求項6に記載の回転出力装置。 - 前記移動ロック板に係合凸部を備え、
前記誘導部に前記係合凸部が係合する誘導溝を備え、
前記リリース機構を、前記係合凸部が係合するリリース溝で構成した
請求項5、6あるいは7に記載の回転出力装置。 - 前記移動ロック板と回転出力体との間には、
径内方側位置にある前記移動ロック板と前記回転出力体とが相対回転可能とする遊嵌部と、
径外方側位置にある前記移動ロック板と前記回転出力体とが嵌合する嵌合溝とを形成した
請求項5〜8のいずれかに記載の回転出力装置。 - 前記回転出力体に固定されて、該回転出力体と一体に回転するガイド保持板を備え、
周方向に複数設けた前記移動ロック板を、一体的に回転するように前記ガイド保持板に保持した
請求項5〜9のいずれかに記載の回転出力装置。 - 前記回転出力体に、前記嵌合溝に嵌合する嵌合部を備え、
前記移動ロック板に、前記嵌合部を囲繞する囲繞部を備え、
前記嵌合溝を、前記移動ロック板の径外方側の移動方向と反対側の前記囲繞部の内周側に備え、
2つの移動ロック板を、前記移動方向上で、前記回転出力体の軸心に対して対称な位置及び向きで配した
請求項5〜10のいずれかに記載の回転出力装置。 - 請求項1〜11のうちの1つに記載の回転出力装置を出力系に介装した電動工具。
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