JP2007218195A - 多段ルーツ式コンプレッサ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の段数を一体のケーシングに収めるルーツ式コンプレッサーのロータ及びケーシングの除熱と、吸入側と吐出側のガスの逆流を極度に小さくする隙間構造を確保してガスを圧縮する。
【解決手段】円筒一体型ケーシングとして、駆動ロータと従動ロータ及び上下分割シリンダ間で生じる面が交差するシール点をなくし、2面シールを確保し、シール性を高める。円筒形ケーシングに、上下分割のインロー型仕切板を埋め込み中空にしてガスの通過部としコンプレッサをコンパクトにして多段圧縮を可能にした。ルーツ式コンプレッサではロータのクリアランスを小さくしないと性能が維持できない。そのために本発明のルーツ式コンプレッサではロータ内部及びケーシングにジャケットを形成し冷却水などで冷却をし、熱変形を低減しロータクリアランスをできるだけ小さく維持して性能を確保する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ケーシングが分割されず、従来技術のように駆動ロータと従動ロータ及び上下分割式のシリンダとの間で生ずる3面の交差するシール点がなく、2面シールが確保でき、水冷却が十分にできてロータクリアランスを小さくでき、圧縮性能を向上できるコンパクトタイプの多段ルーツ式コンプレッサ及びその組立て方法に関する。
ケーシングのロータ回転室内で左右のルーツ式ロータを回転させて真空空気を形成する真空ブロアや真空ポンプは各種型式のものが開示されているが、ルーツ式のコンプレッサは存在していなかった。その理由としては一般に工場等において使用されるコンプレッサが中圧(7kg/cm程度)のものが殆どであり、この圧力の圧縮空気を作ることがルーツ式のものでは無理があるとの技術的理由によるものであった。しかしながら、圧縮空気の圧力としては更に低圧(3kg/cm程度)のものを使用する場合もかなり存在するため、ルーツ式のコンプレッサの市場もあり、本発明はその事情に対応すべく開発されたものである。
図6乃至図9は当初において開発された多段ルーツ式コンプレッサの概要構造を示すものである。このものは、左右一対の多段ロータ1a,1b(図示では4段式のロータからなる)を左右のサイドフレーム10a,9aにより枢支し、多段ロータ1a,1bを2つ割りのケーシング2aで被包し、各ケーシング2a間にロータの連結軸60aに嵌り込む2つ割りの仕切板3aを介在せしめて全体を固定連結したものからなる。吸入空気は1段目ケーシング2aAの導入口37aAからケーシングのロータ回転室27a内に導入され、ロータ間で圧縮空気となり1段目の仕切板3aAを介して隣のロータ回転室27aに送られ、次第に空気圧力を高めた状態で最後のケーシング2aDの排出口38aDから排出される構造からなる。
なお、前記の図6乃至図9で示した多段ルーツ式コンプレッサは公知技術ではないが、本発明に類似するルーツ式圧縮機やルーツ式真空ポンプとしては「特許文献1」及び「特許文献2」が挙げられる。
特開2004−360652号(図1) 特開2000−257580号(図1)
「特許文献1」の「特開2004−360652号の「ルーツ式圧縮機モジュール」は燃料電池車に備えられている燃料電池に酸素や水素を圧送するために用いるコンプレッサであり、ルーツ式のロータを使用するものであるが、本発明のように多段式のものでなく全体をコンパクトに形成することに特徴を有するものである。また、このコンプレッサにはマフラやフイルタ及びガスクーラが設けられ、コンプレッサ本体から排出される空気(ガス)を前処理して燃料電池側に送る機構からなり、装置構造が複雑となる問題点を有する。また、「特許文献2」の「特開2000−257580号」の「ルーツ式多段真空ポンプ」は、その図1に示すように多段式のものでなく、ケーシングは2つ割りのものからなり、後に説明する本発明のように一体式のケーシングを使用する多段ロータのコンプレッサとは全体構造において大きく相違するものである。
一方、図6乃至図9に示した多段ルーツ式コンプレッサは、前記のようにケーシング2aは2つ割りであり、これを仮りに一体式としても仕切板3aは2つ割りにすることが必要である。以上のように、ケーシング2a及び仕切板3aが分割式のため図8及び図9の丸印に示すように、3点の面シール部がどうしても形成される。この面シール部の構造ではシール性を確実に保持することが難しく、差圧の小さい真空ポンプの場合には大きな問題点とはならないが、差圧の高いコンプレッサの場合にはこの3点の面シール部の構造では圧縮空気(又はガス)がこの部分から外部に洩れる問題点が発生する。
以上のことから、多段ルーツ式コンプレッサとしてはケーシングは一体型であり、3点の面シール部をなくし2点面シールとし、各構成要素の加工精度を高め各部のクリアランスを極力小さくし、かつ全体が十分に冷却されるように冷却手段を形成してクリアランスを維持するようにすると共に、組立性のよいコンパクトタイプのルーツ式コンプレッサを開発することが要請される。
本発明は、以上の要請に鑑みて発明されたものであり、従来のガスコンプレッサにおいて必要であった凝縮性ガスを含むガス体の凝縮ガスを取り除くために吸引ガス中の凝縮ガスを取り除く前処理が必要であったが、この前処理を不要とするルーツ式のコンプレッサとして全体をまとめ、所望の圧縮空気(ガス)を形成する高精度の多段式のものとし、ケーシングを一体型とし2点面シールとしてシール性を向上せしめ、組立性がよく、全体がコンパクトにまとめられる多段ルーツ式コンプレッサ及びその組立て方法を提供することを目的とする。
本発明は、以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、複数のロータを所定間隔に配置し連結軸を有する左右一対の多段ロータと、前記多段ロータの夫々の前記左右の各段のロータの夫々を被包し前記ロータの回転するロータ回転室を形成すると共に空気の出入口を形成するケーシングと、該ケーシングに凹設される凹溝内に嵌入されると共に前記ロータの連結軸に嵌り込み前記ロータの側面との間に微少のクリアランスを形成し空気の流通路を形成する2つ割りの仕切板と、前記ロータ及びケーシングを冷却する水冷却手段とを有し、隣接する前記ケーシングはその側面を密着して互いに連結固定されることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、前記水冷却手段が、前記ロータの連結軸内及び前記ロータ内のジャケット室を流通するロータ冷却通路と、前記ケーシングのジャケット室を流通するケーシング冷却通路とからなり、これ等の冷却通路は冷却水供給部及び冷却水排出部に夫々連通することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、前記一体型の夫々のケーシングは互いに固定され、前記ケーシング内に回転する前記ロータは仕切板と微少のクリアランスを介して互いに側面を当接する2点面シール型式のものからなることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、前記請求項1乃至3に記載の多段ルーツ式コンプレッサの組立て方法であって、該方法は、左右のサイドフレームの1つに前記多段ロータの基端側を組み込んで全体を立設させる第1の手順と、前記多段ロータの1段目ロータにこれを被包する1段目ケーシングを挿着する第2の手順と、前記1段目ロータと次の2段目ロータとの間に一体的に形成されている連結軸に2つ割りの1段目仕切板を嵌め込みこれを前記1段目ケーシングに固定する第3の手順と、前記1段目仕切板をその前記凹溝に嵌め込ませながら2段目ロータを被包する2段目ケーシングを組み込み前記1段目ケーシングに当接する第4の手順と、引き続き2段目ロータと次の3段目ロータとの間に形成されている前記連結軸に2つ割りの2段目仕切板を嵌め込みこれを2段目ケーシングに固定する第5の手順と、以下多段ロータのロータの数だけ前記手順を繰り返し行って最後に前記サイドフレームと他のサイドフレームとを組み付けて全体を固定することを特徴とする。
本発明の請求項1の多段ルーツ式コンプレッサによれば、仕切板はケーシング内に収納され、仕切板とロータとの間のクリアランスを極力小さくでき、2点面シールが形成され、冷却性のよい冷却通路が形成されるため、高精度でコンパクトにまとめられたコンプレッサを形成することができる。
また、請求項2の多段ルーツ式コンプレッサによれば、冷却通路が多段ロータ内及びケーシング内に冷却性を向上すべく形成され、全体の熱変形によるクリアランスの変化を防止する。これにより高効率のコンプレッサを形成することができる。
また、請求項3の多段ルーツ式コンプレッサによれば、ロータと仕切板とが微少クリアランスを介して接続されるためリークや前戻りがなく結果として高効率性を確保することができる。
また、請求項4の多段ルーツ式コンプレッサの組立て方法によれば、高精度に形成された多段ロータ、一体型のケーシング及び仕切板を組立て手順によって組み付けることにより容易な組付けを高精度に実施することができ、高効率のコンプレッサを形成することができる。
以下、本発明の多段ルーツ式コンプレッサ及びその組立て方法の実施の形態を図面を参照して詳述する。
本発明の多段ルーツ式コンプレッサ100は、大別して中心軸5を有する多段ロータ1と、多段ロータ1の各ロータ6を被包しロータ回転室27や空気(ガス)の流出入路を形成するケーシング2と、ケーシング2の凹溝29に嵌入されロータ側面との間に微少のクリアランスを有して当接し空気の流通路を形成する2つ割りの仕切板3と多段ロータ1やケーシング2を冷却するための水冷却手段4等とからなる。以下、これ等の構成要素及びそれに関連する構成部品について順次説明する。
まず、図1及び図3により多段ロータ1を説明する。多段ロータ1は図3に示すように本実施例では4段のロータ6からなり、これ等は図3(a)に示すように一体的に形成される。なお、本実施例では1段目ロータ6Aは他のロータ6B,6C,6Dに較べて横巾の大きなものからなる。また、これ等のロータ6A,6B,6C,6Dは連結軸60により連結される。また、ロータ6の外郭形状としては図3(b)に示すようにルーツ型のものからなる。一体的形状からなる多段ロータ1の中心には中心軸5の嵌入される中心孔7が形成されると共にジャケット室8が夫々形成される。この多段ロータ1は左右一対ロータ6,6からなり、図2に示すように互いに噛合状態で配設される。
次に、多段ロータ1の中心孔7に嵌入される中心軸5等の構造を説明する。まず、図1に示すように、図の右端側に配置される1段目ケーシング2Aの側面には右サイドフレーム9が当接して配置され、図の左端側に配置される4段目ケーシング2Dの側面には左サイドフレーム10が当接して配置される。また、図1に示すように右サイドフレーム9の端面にはオイルケース11が連結され、オイルケース11には冷却室12が連結される。一方、左サイドフレーム10の側面にはギヤケース13が連結される。
中心軸5は前記の多段ロータ1の中心孔7を貫通して嵌入され、その右端は前記の右サイドフレーム9とオイルケース11及び冷却室12内に配置され、軸受14やオイルシール15等により支持される。また、中心軸5の右端は冷却室12内に開口している。一方、中心軸5の左端は前記の左サイドフレーム10とギヤケース13内に配置され軸受14等によら支持されると共にタイミングギヤ26が固定される。なお、このタイミングギヤは図略の駆動源に連結される。
図1に示すように、中心軸5にはその軸線に沿って冷却水用穴16が形成され、冷却状用穴16内に挿着されている冷却パイプ17の右端は図1に示すように冷却室12に開口する。また、冷却パイプ17の左側は冷却水用穴16の左端の閉止部内に開口される。中心軸5の冷却水用穴16を囲む肉厚部には、多段ロータ1の各ロータ6A,6B,6C,6Dのジャケット室8(8A,8B,8C,8D)と冷却水用穴16とを連通される連通孔18,19が形成される。なお、夫々の連通孔18と連通孔19との間には仕切壁20が形成される。
冷却室12は冷却水入口21と連通する冷却水流入室22と冷却水出口23に連通する冷却水流出室24に分割され、前記の冷却パイプ17は冷却水流入室22内に開口する。また、冷却水流出室24には中心軸5の肉厚部に開口された連通孔25が連通する。
以上の構造の冷却水通路が請求項1に記載の水冷却手段4の1つを形成するものであり、この水冷却手段における水冷却方法を以下に説明する。即ち、冷却水入口21から冷却水流入室22に導入された冷却水は、冷却パイプ17を通り、中空パイプ17内に図1における右端側から左端側に向かって進み、冷却水用穴16の左端からまず4段目ロータ6Dのジャケット室8Dに連通する連通孔18を介してジャケット室8D内に入り、ジャケット室8D内に充填された後、仕切壁20を介して連通孔18と隔離されている連通孔19を介して冷却水用穴16内に入り、次の3段用ロータ6C側に進み、その連通孔18を介して3段用ロータ6Cのジャケット室8C内に入り、連通孔19を介して再び冷却水用穴16内に送出される。以下同様の動作を繰返し行って1段用ロータ6Aを冷却し、1段用ロータ6Aの連通孔19から冷却水用穴16内に送出された冷却水は中心軸5の右端側に形成されている連通孔25から冷却水流出室22内に送出され冷却水出口23から廃水されて循環する。以上により、多段ロータ1は十分に冷却されることになる。
次に、ケーシング2の構造を図1,図2及び図4等により説明する。ケーシング2は多段ロータ1の各段のロータ6A,6B,6C,6Dを被包する一体的構造(2つ割りでない)の各段用のケーシング2A,2B,2C,2Dからなる。図2及び図4はその横断面構造を示すものであり、その中央には左右のロータ6,6の外郭が当接しながら回転するためのロータ回転室27が形成されると共にそのロータ回転室27を囲むフランジ部28にはジャケット室8が巾方向に貫通形成され、各段のケーシング2のジャケット8は夫々同一位置にあって互いに連通して配設される。また、このジャケット室8は図1に示すように冷却水流入室22に連通すると共に冷却水流出室24に連通する。以上によりケーシングの水冷却手段4が形成される。以上のジャケット8によりケーシング2は充分に冷却され、熱変形を低減することができる。また、ケーシング2には図1及び図2等に示すように仕切板3の嵌入される凹溝29の仕切板3の取付ねじ部30が形成される。また、フランジ部28には多段のケーシング2A,2B,2C,2Dと左右のサイドフレーム9,10やオイルケース11、冷却室12、ギヤケース13等を接合して固定するためのボルト孔31が貫通形成される。また、各ケーシング2A乃至2Dには空気の導入口37(37A,37B,37C)及び空気の排出口38(38A,38B,38C,38D)が開口形成される。但し、本実施例ではケーシング2Aに導入口37Aが形成され、ケーシング2Dに排出口37Dが形成され他の導入口37B,37C,37D及び他の排出口38A,38B,38Cは閉止される。
次に、図5(a),(b)及び図4により仕切板3を説明する。仕切板3は前記したように各段のケーシング2B,2C,2Dの凹溝29に嵌入されるグランド状の板体からなり、ケーシング2B,2C,2Dに対応する仕切板3B,3C,3Dからなる。この仕切板3は図5に示すように上下2つ割りの構造からなり、説明の都合上、上部仕切板3A及び下部仕切板3Bとする。この上部仕切板3aと下部仕切板3bとはほぼ同一の構造のものからなるが、冷却水の通る凹部32が互いに反対向きのものからなり上部凹部32aと下部凹部32bと説明の都合上称呼する。この上部凹部32aと下部凹部32bとは前記のように開口する向きが逆となるが、これ等は空気通路33により連通される。また、仕切板3には多段ロータ1の連結軸60に嵌り込む嵌合孔34(実際上この嵌合孔34は上部仕切板3a及び下部仕切板3bに形成される半円状の孔を合体したものからなる)。また、仕切板3のフランジ側にはケーシング2の取付ねじ孔30に対応する取付孔35が貫通形成される。
仕切板3は図1に示すようにケーシング2の凹溝29に夫々嵌り込んで取付けられるが、その側面は多段ロータ1の各段のロータ6A等の側面にほぼ当接して取付けられるが、仕切板3にロータ6との側面間には若干の隙間が実際上形成される。これは、熱変形時における相互の干渉を防止するためのものであり、コンプレッサの容量と形態に対応して実験的及び理論的に決められる。一例として前記の隙間は1mm以下のものからなる。
次に、以上の構成要素からなる多段ルーツ式コンプレッサ100の組立て方法を説明する。
まず、多段ロータ1に中心軸5を嵌入する。この状態にある多段ロータ1を右サイドフレーム9に挿入し立設する。次に、立設している多段ロータ1の1段目ロータ6Aに1段目ケーシング2Aを挿入する。次に、多段ロータ1の連結軸60に2つ割りの2段目仕切板2Bを嵌め込み、次に2段目ケーシング2Bを挿入し、2段目ロータ6B及び2段目仕切板2Bを被包すると共にその側面の1段目ケーシング2Aに当接する。次に、前記と同様に3段目仕切板3Cを多段ロータ1の連結軸60に嵌め込み3段目ケーシング2Cにより3段目ロータ6Cと3段目仕切板3Cを被包し、3段目ケーシング2Cの側面を2段目ケーシング2Bの側面に当接させる。次に、4段目仕切板3Dを多段ロータ1の連結軸60に嵌め込み、4段目ケーシング2Dで4段目ロータ6Dと4段目仕切板3Dを被包し4段目ケーシング2Dの側面を3段目ケーシング2Cの側面に当接させる。次に、左サイドフレーム10を4段目ケーシング4Dに当接する。次に、中心軸5に軸受14やオイルシール15、タイミングギヤ26等を組み込み、右側にオイルケース11や冷却室12を組み込み、左側にギヤケース13を組み込む。最後にボルト孔31に通しボルト36を挿入し、全体を固定する。以上により、請求項4に記載の第1の手順から第5の手順の組立てが行われ、更に、多段ルーツ式コンプレッサ100の全体としての組立てが終了する。
次に、本発明の多段ルーツ式コンプレッサの作用を説明する。
図略の駆動源の作動により、タイミングギヤ26が回転し中心軸5を介して多段ロータ1が回転する。空気は1段目ケーシング2Aの導入口37Aからロータ回転室27内に入り、1段目ロータ6Aによる空気の圧縮が行われる。この圧縮空気は2段目仕切板3Bの下部凹部32bに入り空気通路33を介して上部凹部32aに入り、次の2段目ロータ6B側に送られて更に圧縮される。以下、同様の工程を行って所望の圧縮圧力になった圧縮空気は4段目ロータ6Dから排出口38に送られて送出される。
一方、前記のように、冷却水入口21から冷却室12に入った冷却水は冷却パイプ17及びケーシング2のジャケット室8(8A,8B,8C,8D)に分かれて供給され、冷却パイプ17からの冷却水は多段ロータ1の多段ロータ6A等により最後に冷却水流出室24に送られる。一方、ケーシング2の各段のジャケット室8(8A,8B,8C,8D)に入った冷却水はジャケット室8を介して各ケーシング2(2A,2B,2C,2D)を冷却した後、冷却水流出室24に送られる。以上により、多段ルーツ式コンプレッサ100は十分に冷却されながら所望の圧縮空気を送出することができる。
以上で本発明の多段ルーツ式コンプレッサの一実施例を説明したが、本発明の多段ルーツ式コンプレッサは前記の構造に限定するものではなく、同一技術的範疇のものに適用されることは勿論である。また、送出される気体は空気に限定するものでなく、各種の気体、ガス体にも適用されることは勿論である。
圧縮空気のみならずガス等を用いるすべての型式のルーツ式コンプレッサや真空ポンプに適用され、その適用範囲は極めて広いと共に、このコンプレッサはバイオマスプラントに使用され環境資源の有効利用の処理機構部として重要な役目を果たすと共に腐食ガスを発生する箇所にも使用され、更にガス処理を必要とするプラントに適用され、空気輸送、炉、製紙、集じん、汚泥処理、電力、発酵、養殖、半導体プラント等における空気ガスの供給源として極めて広い範囲に使用される。
本発明の多段ルーツ式コンプレッサの全体概要構造を示す軸断面図。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサのケーシング及びロータ回転室内で回転する一対のロータを示す横断面図。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサのロータの軸断面図(a)及びA−A線断面図(b)。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサのケーシング及びこれに嵌入された仕切板を示す横断面図。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサの仕切板の平面図(a)及びB−B線断面図。 従来の多段ルーツ式コンプレッサの全体構造を示す軸断面図。 図6に示す多段ルーツ式コンプレッサのケーシング及びロータの噛合状態を示す断面図。 従来の多段ルーツ式コンプレッサの外観図。 従来の多段ルーツ式コンプレッサの外観図。
符号の説明
1 多段ロータ
2 ケーシング
2A 1段目ケーシング
2B 2段目ケーシング
2C 3段目ケーシング
2D 4段目ケーシング
3 仕切板
3B 2段目仕切板
3C 3段目仕切板
3D 4段目仕切板
3a 上部仕切板
3b 下部仕切板
4 水冷却手段
5 中心軸
6 ロータ
6A 1段目ロータ
6B 2段目ロータ
6C 3段目ロータ
6D 4段目ロータ
7 中心孔
8 ジャケット室
8A 1段目ジャケット室
8B 2段目ジャケット室
8C 3段目ジャケット室
8D 4段目ジャケット室
9 右サイドフレーム
10 左サイドフレーム
11 オイルケース
12 冷却室
13 ギヤケース
14 軸受
15 オイルシール
16 冷却水用穴
17 冷却パイプ
18 連通孔
19 連通孔
20 仕切壁
21 冷却水入口
22 冷却水流入室
23 冷却水出口
24 冷却水流出室
25 連通孔
26 タイミングギヤ
27 ロータ回転室
28 フランジ部
29 凹溝
30 取付ねじ部
31 ボルト孔
32 凹部
32a 上部凹部
32b 下部凹部
33 空気通路
34 嵌合孔
35 取付孔
36 通しボルト
37 導入口
37A 導入口
37B 導入口
37C 導入口
37D 導入口
38 排出口
38A 排出口
38B 排出口
38C 排出口
38D 排出口
60 連結軸
100 多段ルーツ式コンプレッサ
本発明は、従来技術にないルーツ式ロータを用いた多段ルーツ式コンプレッサに係り、真空ポンプにはない効率的な冷却手段を有し、各部の加熱量を低減せしめ各部のクリアランスを極力小さくでき、熱膨張率が高いステンレス鋼も使用できて耐錆性の向上も図れる多段シーツ式コンプレッサに関する。
ケーシングのロータ回転室内で左右のルーツ式ロータを回転させて真空空気を形成する真空ブロアや真空ポンプは各種型式のものが開示されているが、ルーツ式のコンプレッサは存在していなかった。その理由としては一般に工場等において使用されるコンプレッサが中圧(7kg/cm程度)のものが殆どであり、この圧力の圧縮空気を作ることがルーツ式のものでは無理があるとの技術的理由によるものであった。しかしながら、圧縮空気の圧力としては更に低圧(3kg/cm程度)のものを使用する場合もかなり存在するため、ルーツ式のコンプレッサの市場もあり、本発明はその事情に対応すべく開発されたものである。
図6乃至図9は同一出願人により当初において開発された多段ルーツ式コンプレッサの概要構造を示すものである。このものは、左右一対の多段ロータ1a,1b(図示では4段式のロータからなる)を左右のサイドフレーム10a,9aにより枢支し、多段ロータ1a,1bを2つ割りのケーシング2aで被包し、各ケーシング2a間にロータの連結軸60aに嵌り込む2つ割りの仕切板3aを介在せしめて全体を固定連結したものからなる。吸入空気は1段目ケーシング2aAの導入口37aAからケーシングのロータ回転室27a内に導入され、ロータ間で圧縮空気となり1段目の仕切板3aAを介して隣のロータ回転室27aに送られ、次第に空気圧力を高めた状態で最後のケーシング2aDの排出口38aDから排出される構造からなる。
また、ルーツ式コンプレッサではないが、本発明に比較的似ている公知技術として「特許文献1」及び「特許文献2」がある。
特開2000−9073号(図1) 特開昭62−189390号(図1)
図6乃至図9に示した多段ルーツ式コンプレッサは、前記のようにケーシング2aは2つ割りであり、これを仮りに一体式としても仕切板3aは2つ割りにすることが必要である。以上のように、ケーシング2a及び仕切板3aが分割式のため図7及び図8の丸印に示すように、3点の面シール部がどうしても形成される。この面シール部の構造ではシール性を確実に保持することが難しく、差圧の小さい真空ポンプの場合には大きな問題点とはならないが、差圧の高いコンプレッサの場合にはこの3点の面シール部の構造では圧縮空気(又はガス)がこの部分から外部に洩れる問題点が発生する。
以上のことから、多段ルーツ式コンプレッサとしてはケーシングは一体型であり、3点の面シール部をなくし2点面シールとし、各構成要素の加工精度を高め各部のクリアランスを極力小さくし、かつ全体が十分に冷却されるように冷却手段を形成してクリアランスを維持するようにすると共に、組立性のよいコンパクトタイプのルーツ式コンプレッサを開発することが要請される。
一方、「特許文献1」の「特開2000−9073号」の「多層式真空ポンプ及びその組み立て方法」はその「図1」に示すように、隔板(13)をカバー(12)(ケーシングに相当するもの)の凹溝内に挿入し、ロータ(18)と隔板(13)とを密接させる構造のものからなる。従ってこの公知技術は前記の2点面シールを満足する真空ポンプである。しかしながら、この真空ポンプの隔板(13)には空気の流通路がなく、空気流通路はカバー(12)に設けられている孔(122)からなる。よってカバー(12)は空気通路を通る加熱空気等により加熱される。また、この真空ポンプの場合、ロータ(18)やそのロータ軸を冷却する冷却手段はない。また、カバー(12)にも冷却手段がない。このため、この真空ポンプは作動時において発熱を低減させる手段がほとんどなく、この状態ではロータ(18)と隔板(13)とが焼付きを起す恐れがあり、これを防止するためにロータ(18)と隔板(13)との間に大きなクリアランスを設けるが、別体の冷却手段必要があり、真空ポンプとしての真空性能の低下を招く。
また、「特許文献2」の「特開昭62−189390号」の「ルーツ形ブロワー」は一段式のものであるが、回転軸(3)に冷却水の流路(3a)がありインペラー(ロータに相当するもの)(2)も冷却する構造のものからなる。しかしながら、この冷却手段では夫々の部分の冷却度が低く、このものをコンプレッサにそのまま利用した場合には、前記の真空ポンプと同様に各部の発熱によってトラブルを起す度合が高い。
本発明は、以上の事情に鑑みて発明されたものであり、コンプレッサを構成する主要素の多段ロータやケーシングの冷却効率を高め、ケーシングに空気通路を形成せずその低温化を図り、ロータと仕切板との間のクリアランスを極力小さくし、かつ耐錆性の高いステンレス鋼の使用ができ、全体としてコンパクトにまとめられる多段ルーツ式コンプレッサを提供することを目的とする。
本発明は、以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、一対の連結軸に所定間隔で一体的に固着形成され互いに噛合するルーツ式ロータからなる左右の多段ロータと、該多段ロータのロータ回転室を形成すると共に該ロータ回転室に隣接する凹溝を形成するケーシングと、該ケーシングの前記凹溝に挿入され隣接する前記ルーツ式ロータ間の連結軸に嵌り込む2つ割りの仕切板と、前記多段ロータとケーシングを冷却する冷却手段等とを有する多段ルーツ式コンプレッサにおいて、前記冷却手段が、前記連結軸内にその軸線に沿って内挿され一端側を冷却水入口に連結する冷却パイプと、該冷却パイプに一端側を連通し前記冷却パイプを覆って前記連結軸内に形成され他端側を冷却水出口に連通する冷却水用穴と、前記夫々のルーツ式ロータ内に形成されるジャケット室と、該ジャケット室と前記冷却水用穴とを連通させる連通孔と、前記ケーシング内に形成され、一端側を冷却水入口に連通し他端側を冷却水出口に連通するケーシング冷却室とからなり、前記ケーシングには空気導入口と空気排出口のみが形成され、前記空気導入口と空気排出口との連通は、前記仕切板に形成されてロータ回転室に連通する上部及び下部凹部及び前記ロータ回転室とを介して行われることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、前記ルーツ式ロータのジャケットと前記冷却水用穴とを連通する連通孔は夫々のルーツ式ロータに対して一対のものからなり、一対の前記連通孔は仕切壁(ジャマ板)を介して非連通に形成されることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、前記ルーツ式ロータがステンレス鋼や鉄材から形成されることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、前記ルーツ式ロータと前記仕切板との間には微少クリアランスが形成されることを特徴とする。
本発明の請求項1の多段ルーツ式コンプレッサによれば、冷却手段として連結軸に冷却パイプ及び冷却水用穴を設け、連結軸の冷却を十分に行うと共に冷却水用孔内の冷却水をロータのジャケット室に導き、ロータの冷却を十分に行うことができる。また、ケーシングには圧縮空気が通る通路がなく、ケーシングには冷却室のみが設けられており、圧縮空気は仕切板とロータ回転室を介して流通する構造からなる。それにより、多段ロータ及びケーシングの冷却が十分にできるためルーツ式ロータと仕切板との間のクリアランスを極力小さくでき、圧縮効率の向上を図ることができる。また、仕切板がケーシングの凹溝内に収納されるため2点面シールが可能となりコンパクト化が図れる。
また、本発明の請求項2の多段ルーツ式コンプレッサによれば、冷却水用穴とルーツ式ロータのジャケットとは仕切壁(ジャマ板)を介して冷却水が流通するため、ジャケット内への冷却水の出入が効率的に行われ、ルーツ式ロータの冷却効率の向上が図れる。
また、本発明の請求項3の多段ルーツ式コンプレッサによれば、冷却効率がよいため、熱膨張率の高いステンレス鋼を使用でき、耐蝕性の向上が図れる。
また、本発明の請求項4の多段ルーツ式コンプレッサによれば、クリアランスの微少化により、圧縮効率の向上が図れる。
以下、本発明の多段ルーツ式コンプレッサの実施の形態を図面を参照して詳述する。
本発明の多段ルーツ式コンプレッサ100は、大別して中心軸5を有する多段ロータ1と、多段ロータ1の各ロータ6を被包しロータ回転室27や空気(ガス)の流出入路を形成するケーシング2と、ケーシング2の凹溝29に嵌入されロータ側面との間に微少のクリアランスを有して当接し空気の流通路を形成する2つ割りの仕切板3と多段ロータ1やケーシング2を冷却するための水冷却手段4等とからなる。以下、これ等の構成要素及びそれに関連する構成部品について順次説明する。
まず、図1及び図3により多段ロータ1を説明する。多段ロータ1は図3に示すように本実施例では4段のロータ6からなり、これ等は図3(a)に示すように一体的に形成される。なお、本実施例では1段目ロータ6Aは他のロータ6B,6C,6Dに較べて横巾の大きなものからなる。また、これ等のロータ6A,6B,6C,6Dは連結軸60により連結される。また、ロータ6の外郭形状としては図3(b)に示すようにルーツ型のものからなる。一体的形状からなる多段ロータ1の中心には中心軸5の嵌入される中心孔7が形成されると共にジャケット室8が夫々形成される。この多段ロータ1は左右一対ロータ6,6からなり、図2に示すように互いに噛合状態で配設される。
次に、多段ロータ1の中心孔7に嵌入される中心軸5等の構造を説明する。まず、図1に示すように、図の右端側に配置される1段目ケーシング2Aの側面には右サイドフレーム9が当接して配置され、図の左端側に配置される4段目ケーシング2Dの側面には左サイドフレーム10が当接して配置される。また、図1に示すように右サイドフレーム9の端面にはオイルケース11が連結され、オイルケース11には冷却室12が連結される。一方、左サイドフレーム10の側面にはギヤケース13が連結される。
中心軸5は前記の多段ロータ1の中心孔7を貫通して嵌入され、その右端は前記の右サイドフレーム9とオイルケース11及び冷却室12内に配置され、軸受14やオイルシール15等により支持される。また、中心軸5の右端は冷却室12内に開口している。一方、中心軸5の左端は前記の左サイドフレーム10とギヤケース13内に配置され軸受14等によら支持されると共にタイミングギヤ26が固定される。なお、このタイミングギヤは図略の駆動源に連結される。
図1に示すように、中心軸5にはその軸線に沿って冷却水用穴16が形成され、冷却状用穴16内に挿着されている冷却パイプ17の右端は図1に示すように冷却室12に開口する。また、冷却パイプ17の左側は冷却水用穴16の左端の閉止部内に開口される。中心軸5の冷却水用穴16を囲む肉厚部には、多段ロータ1の各ロータ6A,6B,6C,6Dのジャケット室8(8A,8B,8C,8D)と冷却水用穴16とを連通される連通孔18,19が形成される。なお、夫々の連通孔18と連通孔19との間は図10に示すように仕切壁(ジャマ板)20により遮断される。即ち、図10に示すように冷却パイプ17の外周にはこの外周と冷却用孔16の内周との管を遮断する仕切壁(ジャマ板)20が介設され、これにより連結孔18と連通孔19との連通は遮断される。そのため冷却パイプ17から流出した冷却水は、まず連通孔18に入り、ジャケット室8Dに入り、次に連通孔19から送り出され、冷却水用孔16に入り次のロータの連通孔18側に送られる。以上によりロータのジャケット室への冷却水の導入が確実に行われ、ロータの冷却効率を向上することができる。
冷却室12は冷却水入口21と連通する冷却水流入室22と冷却水出口23に連通する冷却水流出室24に分割され、前記の冷却パイプ17は冷却水流入室22内に開口する。また、冷却水流出室24には中心軸5の肉厚部に開口された連通孔25が連通する。
以上の構造の冷却水通路が請求項1に記載の水冷却手段4の1つを形成するものであり、この水冷却手段における水冷却方法を以下に説明する。即ち、冷却水入口21から冷却水流入室22に導入された冷却水は、冷却パイプ17を通り、中空パイプ17内を図1における右端側から左端側に向かって進み、冷却水用穴16の左端からまず4段目ロータ6Dのジャケット室8Dに連通する連通孔18を介してジャケット室8D内に入り、ジャケット室8D内に充填された後、仕切壁(ジャマ板)20を介して連通孔18と隔離されている連通孔19を介して冷却水用穴16内に入り、次の3段用ロータ6C側に進み、その連通孔18を介して3段用ロータ6Cのジャケット室8C内に入り、連通孔19を介して再び冷却水用穴16内に送出される。以下同様の動作を繰返し行って1段用ロータ6Aを冷却し、1段用ロータ6Aの連通孔19から冷却水用穴16内に送出された冷却水は中心軸5の右端側に形成されている連通孔25から冷却水流出室22内に送出され冷却水出口23から廃水されて循環する。以上により、多段ロータ1は十分に冷却されることになる。
次に、ケーシング2の構造を図1,図2及び図4等により説明する。ケーシング2は多段ロータ1の各段のロータ6A,6B,6C,6Dを被包する一体的構造(2つ割りでない)の各段用のケーシング2A,2B,2C,2Dからなる。図2及び図4はその横断面構造を示すものであり、その中央には左右のロータ6,6の外郭が当接しながら回転するためのロータ回転室27が形成されると共にそのロータ回転室27を囲むフランジ部28にはケーシング冷却室80が巾方向に貫通形成され、各段のケーシング2のケーシング冷却室80は夫々同一位置にあって互いに連通して配設される。また、このケーシング冷却室80は図1に示すように冷却水流入室22に連通すると共に冷却水流出室24に連通する。以上によりケーシングの水冷却手段4が形成される。以上のケーシング冷却室80によりケーシング2は充分に冷却され、熱変形を低減することができる。また、ケーシング2には図1及び図2等に示すように仕切板3の嵌入される凹溝29の仕切板3の取付ねじ部30が形成される。また、フランジ部28には多段のケーシング2A,2B,2C,2Dと左右のサイドフレーム9,10やオイルケース11、冷却室12、ギヤケース13等を接合して固定するためのボルト孔31が貫通形成される。また、各ケーシング2A乃至2Dには空気の導入口37(37A,37B,37C)及び空気の排出口38(38A,38B,38C,38D)のみが開口形成される。但し、本実施例ではケーシング2Aに導入口37Aが形成され、ケーシング2Dに排出口37Dが形成され他の導入口37B,37C,37D及び他の排出口38A,38B,38Cは閉止される。以上のように、ケーシング2には空気の導入口37や排出口38以外には空気通路がなく、ケーシング冷却室80があるためケーシング2は従来のものに較べて十分に冷却される。
次に、図5(a),(b)及び図4により仕切板3を説明する。仕切板3は前記したように各段のケーシング2B,2C,2Dの凹溝29に嵌入されるグランド状の板体からなり、ケーシング2B,2C,2Dに対応する仕切板3B,3C,3Dからなる。この仕切板3は図5に示すように上下2つ割りの構造からなり、説明の都合上、上部仕切板3A及び下部仕切板3Bとする。この上部仕切板3aと下部仕切板3bとはほぼ同一の構造のものからなるが、冷却水の通る凹部32が互いに反対向きのものからなり上部凹部32aと下部凹部32bと説明の都合上称呼する。この上部凹部32aと下部凹部32bとは前記のように開口する向きが逆となるが、これ等は空気通路33により連通される。また、仕切板3には多段ロータ1の連結軸60に嵌り込む嵌合孔34(実際上この嵌合孔34は上部仕切板3a及び下部仕切板3bに形成される半円状の孔を合体したものからなる)。また、仕切板3のフランジ側にはケーシング2の取付ねじ孔30に対応する取付孔35が貫通形成される。
仕切板3は図1に示すようにケーシング2の凹溝29に夫々嵌り込んで取付けられるが、その側面は多段ロータ1の各段のロータ6A等の側面にほぼ当接して取付けられるが、仕切板3にロータ6との側面間には若干の隙間が実際上形成される。これは、熱変形時における相互の干渉を防止するためのものであり、コンプレッサの容量と形態に対応して経験的に決められる。一例として前記の隙間は0.08mmから1mm程度のものからなる。
次に、以上の構成要素からなる多段ルーツ式コンプレッサ100の組立て方法を説明する。
まず、多段ロータ1に中心軸5を嵌入する。この状態にある多段ロータ1を右サイドフレーム9に挿入し立設する。次に、立設している多段ロータ1の1段目ロータ6Aに1段目ケーシング2Aを挿入する。次に、多段ロータ1の連結軸60に2つ割りの2段目仕切板2Bを嵌め込み、次に2段目ケーシング2Bを挿入し、2段目ロータ6B及び2段目仕切板2Bを被包すると共にその側面の1段目ケーシング2Aに当接する。次に、前記と同様に3段目仕切板3Cを多段ロータ1の連結軸60に嵌め込み3段目ケーシング2Cにより3段目ロータ6Cと3段目仕切板3Cを被包し、3段目ケーシング2Cの側面を2段目ケーシング2Bの側面に当接させる。次に、4段目仕切板3Dを多段ロータ1の連結軸60に嵌め込み、4段目ケーシング2Dで4段目ロータ6Dと4段目仕切板3Dを被包し4段目ケーシング2Dの側面を3段目ケーシング2Cの側面に当接させる。次に、左サイドフレーム10を4段目ケーシング4Dに当接する。次に、中心軸5に軸受14やオイルシール15、タイミングギヤ26等を組み込み、右側にオイルケース11や冷却室12を組み込み、左側にギヤケース13を組み込む。最後にボルト孔31に通しボルト36を挿入し、全体を固定する。以上により、請求項4に記載の第1の手順から第5の手順の組立てが行われ、更に、多段ルーツ式コンプレッサ100の全体としての組立てが終了する。
次に、本発明の多段ルーツ式コンプレッサの作用を説明する。
図略の駆動源の作動により、タイミングギヤ26が回転し中心軸5を介して多段ロータ1が回転する。空気は1段目ケーシング2Aの導入口37Aからロータ回転室27内に入り、1段目ロータ6Aによる空気の圧縮が行われる。この圧縮空気は2段目仕切板3Bの下部凹部32bに入り空気通路33を介して上部凹部32aに入り、次の2段目ロータ6B側に送られて更に圧縮される。以下、同様の工程を行って所望の圧縮圧力になった圧縮空気は4段目ロータ6Dから排出口38に送られて送出される。
一方、前記のように、冷却水入口21から冷却室22に入った冷却水は、冷却パイプ17とケーシング2のケーシング冷却室80とに分かれて入り、冷却パイプ17に入った冷却水は冷却水用孔16に入り、多段ロータ1の多段のジャケット室8等に入り、多段ロータ1のロータ6等を冷却し冷却水用孔16を介して冷却水流出室24に送られる。一方、ケーシング2のケーシング冷却室80に入った冷却水は各段のケーシング2A,2B,2C,2Dを冷却し同じく冷却水流出室24に送られる。以上により、多段ロータ1の全体とケーシング2の全体が冷却水により十分に冷却され、圧縮空気による発生熱を十分に冷却し、全体の温度上昇を低下させる。そのため、ロータ6と仕切板3との間のクリアランスを極力小さくすることができ、熱膨張率の高いステンレス鋼をロータ6等に使用しても熱膨張度を低減することができる。
圧縮空気のみならずガス等を用いるすべての型式のルーツ式コンプレッサや真空ポンプに適用され、その適用範囲は極めて広いと共に、このコンプレッサはバイオマスプラントに使用され環境資源の有効利用の処理機構部として重要な役目を果たすと共に腐食ガスを発生する箇所にも使用され、更にガス処理を必要とするプラントに適用され、空気輸送、炉、製紙、集じん、汚泥処理、電力、発酵、養殖、半導体プラント等における空気ガスの供給源として極めて広い範囲に使用される。
本発明の多段ルーツ式コンプレッサの全体概要構造を示す軸断面図。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサのケーシング及びロータ回転室内で回転する一対のロータを示す横断面図。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサのロータの軸断面図(a)及びA−A線断面図(b)。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサのケーシング及びこれに嵌入された仕切板を示す横断面図。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサの仕切板の平面図(a)及びB−B線断面図。 従来の多段ルーツ式コンプレッサの全体構造を示す軸断面図。 図6に示す多段ルーツ式コンプレッサのケーシング及びロータの噛合状態を示す断面図。 従来の多段ルーツ式コンプレッサの外観図。 従来の多段ルーツ式コンプレッサの外観図。
符号の説明
1 多段ロータ
2 ケーシング
2A 1段目ケーシング
2B 2段目ケーシング
2C 3段目ケーシング
2D 4段目ケーシング
3 仕切板
3B 2段目仕切板
3C 3段目仕切板
3D 4段目仕切板
3a 上部仕切板
3b 下部仕切板
4 水冷却手段
5 中心軸
6 ロータ
6A 1段目ロータ
6B 2段目ロータ
6C 3段目ロータ
6D 4段目ロータ
7 中心孔
8 ジャケット室
8A 1段目ジャケット室
8B 2段目ジャケット室
8C 3段目ジャケット室
8D 4段目ジャケット室
9 右サイドフレーム
10 左サイドフレーム
11 オイルケース
12 冷却室
13 ギヤケース
14 軸受
15 オイルシール
16 冷却水用穴
17 冷却パイプ
18 連通孔
19 連通孔
20 仕切壁(ジャマ板)
21 冷却水入口
22 冷却水流入室
23 冷却水出口
24 冷却水流出室
25 連通孔
26 タイミングギヤ
27 ロータ回転室
28 フランジ部
29 凹溝
30 取付ねじ部
31 ボルト孔
32 凹部
32a 上部凹部
32b 下部凹部
33 空気通路
34 嵌合孔
35 取付孔
36 通しボルト
37 導入口
37A 導入口
37B 導入口
37C 導入口
37D 導入口
38 排出口
38A 排出口
38B 排出口
38C 排出口
38D 排出口
60 連結軸
80 ケーシング冷却室
100 多段ルーツ式コンプレッサ
本発明は、従来技術にないルーツ式ロータを用いた多段ルーツ式コンプレッサに係り、真空ポンプにはない効率的な冷却手段を有し、各部の加熱量を低減せしめ各部のクリアランスを極力小さくでき、熱膨張率が高いステンレス鋼も使用できて耐錆性の向上も図れる多段シーツ式コンプレッサに関する。
ケーシングのロータ回転室内で左右のルーツ式ロータを回転させて真空空気を形成する真空ブロアや真空ポンプは各種型式のものが開示されているが、ルーツ式のコンプレッサは存在していなかった。その理由としては一般に工場等において使用されるコンプレッサが中圧(7kg/cm程度)のものが殆どであり、この圧力の圧縮空気を作ることがルーツ式のものでは無理があるとの技術的理由によるものであった。しかしながら、圧縮空気の圧力としては更に低圧(3kg/cm程度)のものを使用する場合もかなり存在するため、ルーツ式のコンプレッサの市場もあり、本発明はその事情に対応すべく開発されたものである。
図6乃至図9は同一出願人により当初において開発された多段ルーツ式コンプレッサの概要構造を示すものである。このものは、左右一対の多段ロータ1a,1b(図示では4段式のロータからなる)を左右のサイドフレーム10a,9aにより枢支し、多段ロータ1a,1bを2つ割りのケーシング2aで被包し、各ケーシング2a間にロータの連結軸60aに嵌り込む2つ割りの仕切板3aを介在せしめて全体を固定連結したものからなる。吸入空気は1段目ケーシング2aAの導入口37aAからケーシングのロータ回転室27a内に導入され、ロータ間で圧縮空気となり1段目の仕切板3aAを介して隣のロータ回転室27aに送られ、次第に空気圧力を高めた状態で最後のケーシング2aDの排出口38aDから排出される構造からなる。
また、ルーツ式コンプレッサではないが、本発明に比較的似ている公知技術として「特許文献1」及び「特許文献2」がある。
特開2000−9073号(図1) 特開昭62−189390号(図1)
図6乃至図9に示した多段ルーツ式コンプレッサは、前記のようにケーシング2aは2つ割りであり、これを仮りに一体式としても仕切板3aは2つ割りにすることが必要である。以上のように、ケーシング2a及び仕切板3aが分割式のため図7及び図8の丸印に示すように、3点の面シール部がどうしても形成される。この面シール部の構造ではシール性を確実に保持することが難しく、差圧の小さい真空ポンプの場合には大きな問題点とはならないが、差圧の高いコンプレッサの場合にはこの3点の面シール部の構造では圧縮空気(又はガス)がこの部分から外部に洩れる問題点が発生する。
以上のことから、多段ルーツ式コンプレッサとしてはケーシングは一体型であり、3点の面シール部をなくし2点面シールとし、各構成要素の加工精度を高め各部のクリアランスを極力小さくし、かつ全体が十分に冷却されるように冷却手段を形成してクリアランスを維持するようにすると共に、組立性のよいコンパクトタイプのルーツ式コンプレッサを開発することが要請される。
一方、「特許文献1」の「特開2000−9073号」の「多層式真空ポンプ及びその組み立て方法」はその「図1」に示すように、隔板(13)をカバー(12)(ケーシングに相当するもの)の凹溝内に挿入し、ロータ(18)と隔板(13)とを密接させる構造のものからなる。従ってこの公知技術は前記の2点面シールを満足する真空ポンプである。しかしながら、この真空ポンプの隔板(13)には空気の流通路がなく、空気流通路はカバー(12)に設けられている孔(122)からなる。よってカバー(12)は空気通路を通る加熱空気等により加熱される。また、この真空ポンプの場合、ロータ(18)やそのロータ軸を冷却する冷却手段はない。また、カバー(12)にも冷却手段がない。このため、この真空ポンプは作動時において発熱を低減させる手段がほとんどなく、この状態ではロータ(18)と隔板(13)とが焼付きを起す恐れがあり、これを防止するためにロータ(18)と隔板(13)との間に大きなクリアランスを設けるが、別体の冷却手段必要があり、真空ポンプとしての真空性能の低下を招く。
また、「特許文献2」の「特開昭62−189390号」の「ルーツ形ブロワー」は一段式のものであるが、回転軸(3)に冷却水の流路(3a)がありインペラー(ロータに相当するもの)(2)も冷却する構造のものからなる。しかしながら、この冷却手段では夫々の部分の冷却度が低く、このものをコンプレッサにそのまま利用した場合には、前記の真空ポンプと同様に各部の発熱によってトラブルを起す度合が高い。
本発明は、以上の事情に鑑みて発明されたものであり、コンプレッサを構成する主要素の多段ロータやケーシングの冷却効率を高め、ケーシングに空気通路を形成せずその低温化を図り、ロータと仕切板との間のクリアランスを極力小さくし、かつ耐錆性の高いステンレス鋼の使用ができ、全体としてコンパクトにまとめられる多段ルーツ式コンプレッサを提供することを目的とする。
本発明は、以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、一対の連結軸に所定間隔で一体的に固着形成され互いに噛合するルーツ式ロータからなる左右の多段ロータと、該多段ロータのロータ回転室を形成すると共に該ロータ回転室に隣接する凹溝を形成するケーシングと、該ケーシングの前記凹溝に挿入され隣接する前記ルーツ式ロータ間の連結軸に嵌り込む2つ割りの仕切板と、前記多段ロータとケーシングを冷却する冷却手段等とを有する多段ルーツ式コンプレッサにおいて、前記冷却手段が、前記連結軸内にその軸線に沿って内挿され一端側を冷却水入口に連結する冷却パイプと、該冷却パイプに一端側を連通し前記冷却パイプを覆って前記連結軸内に形成され他端側を冷却水出口に連通する冷却水用穴と、前記夫々のルーツ式ロータ内に形成されるジャケット室と、該ジャケット室と前記冷却水用穴とを連通させる連通孔と、前記ケーシング内に形成され、一端側を冷却水入口に連通し他端側を冷却水出口に連通するケーシング冷却室とからなり、前記ケーシングには空気導入口と空気排出口のみが形成され、前記空気導入口と空気排出口との連通は、前記仕切板に形成されてロータ回転室に連通する上部及び下部凹部及び前記ロータ回転室とを介して行われることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、前記ルーツ式ロータのジャケットと前記冷却水用穴とを連通する連通孔は夫々のルーツ式ロータに対して一対のものからなり、一対の前記連通孔は仕切壁(ジャマ板)を介して非連通に形成されることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、前記ルーツ式ロータがステンレス鋼や鉄材から形成されることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、前記ルーツ式ロータと前記仕切板との間には微少クリアランスが形成されることを特徴とする。
本発明の請求項1の多段ルーツ式コンプレッサによれば、冷却手段として連結軸に冷却パイプ及び冷却水用穴を設け、連結軸の冷却を十分に行うと共に冷却水用孔内の冷却水をロータのジャケット室に導き、ロータの冷却を十分に行うことができる。また、ケーシングには圧縮空気が通る通路がなく、ケーシングには冷却室のみが設けられており、圧縮空気は仕切板とロータ回転室を介して流通する構造からなる。それにより、多段ロータ及びケーシングの冷却が十分にできるためルーツ式ロータと仕切板との間のクリアランスを極力小さくでき、圧縮効率の向上を図ることができる。また、仕切板がケーシングの凹溝内に収納されるため2点面シールが可能となりコンパクト化が図れる。
また、本発明の請求項2の多段ルーツ式コンプレッサによれば、冷却水用穴とルーツ式ロータのジャケットとは仕切壁(ジャマ板)を介して冷却水が流通するため、ジャケット内への冷却水の出入が効率的に行われ、ルーツ式ロータの冷却効率の向上が図れる。
また、本発明の請求項3の多段ルーツ式コンプレッサによれば、冷却効率がよいため、熱膨張率の高いステンレス鋼を使用でき、耐蝕性の向上が図れる。
また、本発明の請求項4の多段ルーツ式コンプレッサによれば、クリアランスの微少化により、圧縮効率の向上が図れる。
以下、本発明の多段ルーツ式コンプレッサの実施の形態を図面を参照して詳述する。
本発明の多段ルーツ式コンプレッサ100は、大別して中心軸5を有する多段ロータ1と、多段ロータ1の各ロータ6を被包しロータ回転室27や空気(ガス)の流出入路を形成するケーシング2と、ケーシング2の凹溝29に嵌入されロータ側面との間に微少のクリアランスを有して当接し空気の流通路を形成する2つ割りの仕切板3と多段ロータ1やケーシング2を冷却するための水冷却手段4等とからなる。以下、これ等の構成要素及びそれに関連する構成部品について順次説明する。
まず、図1及び図3により多段ロータ1を説明する。多段ロータ1は図3に示すように本実施例では4段のロータ6からなり、これ等は図3(a)に示すように一体的に形成される。なお、本実施例では1段目ロータ6Aは他のロータ6B,6C,6Dに較べて横巾の大きなものからなる。また、これ等のロータ6A,6B,6C,6Dは連結軸60により連結される。また、ロータ6の外郭形状としては図3(b)に示すようにルーツ型のものからなる。一体的形状からなる多段ロータ1の中心には中心軸5の嵌入される中心孔7が形成されると共にジャケット室8が夫々形成される。この多段ロータ1は左右一対ロータ6,6からなり、図2に示すように互いに噛合状態で配設される。
次に、多段ロータ1の中心孔7に嵌入される中心軸5等の構造を説明する。まず、図1に示すように、図の右端側に配置される1段目ケーシング2Aの側面には右サイドフレーム9が当接して配置され、図の左端側に配置される4段目ケーシング2Dの側面には左サイドフレーム10が当接して配置される。また、図1に示すように右サイドフレーム9の端面にはオイルケース11が連結され、オイルケース11には冷却室12が連結される。一方、左サイドフレーム10の側面にはギヤケース13が連結される。
中心軸5は前記の多段ロータ1の中心孔7を貫通して嵌入され、その右端は前記の右サイドフレーム9とオイルケース11及び冷却室12内に配置され、軸受14やオイルシール15等により支持される。また、中心軸5の右端は冷却室12内に開口している。一方、中心軸5の左端は前記の左サイドフレーム10とギヤケース13内に配置され軸受14等によら支持されると共にタイミングギヤ26が固定される。なお、このタイミングギヤは図略の駆動源に連結される。
図1に示すように、中心軸5にはその軸線に沿って冷却水用穴16が形成され、冷却状用穴16内に挿着されている冷却パイプ17の右端は図1に示すように冷却室12に開口する。また、冷却パイプ17の左側は冷却水用穴16の左端の閉止部内に開口される。中心軸5の冷却水用穴16を囲む肉厚部には、多段ロータ1の各ロータ6A,6B,6C,6Dのジャケット室8(8A,8B,8C,8D)と冷却水用穴16とを連通される連通孔18,19が形成される。なお、夫々の連通孔18と連通孔19との間は図10に示すように仕切壁(ジャマ板)20により遮断される。即ち、図10に示すように冷却パイプ17の外周にはこの外周と冷却用孔16の内周との管を遮断する仕切壁(ジャマ板)20が介設され、これにより連結孔18と連通孔19との連通は遮断される。そのため冷却パイプ17から流出した冷却水は、まず連通孔18に入り、ジャケット室8Dに入り、次に連通孔19から送り出され、冷却水用孔16に入り次のロータの連通孔18側に送られる。以上によりロータのジャケット室への冷却水の導入が確実に行われ、ロータの冷却効率を向上することができる。
冷却室12は冷却水入口21と連通する冷却水流入室22と冷却水出口23に連通する冷却水流出室24に分割され、前記の冷却パイプ17は冷却水流入室22内に開口する。また、冷却水流出室24には中心軸5の肉厚部に開口された連通孔25が連通する。
以上の構造の冷却水通路が請求項1に記載の水冷却手段4の1つを形成するものであり、この水冷却手段における水冷却方法を以下に説明する。即ち、冷却水入口21から冷却水流入室22に導入された冷却水は、冷却パイプ17を通り、中空パイプ17内を図1における右端側から左端側に向かって進み、冷却水用穴16の左端からまず4段目ロータ6Dのジャケット室8Dに連通する連通孔18を介してジャケット室8D内に入り、ジャケット室8D内に充填された後、仕切壁(ジャマ板)20を介して連通孔18と隔離されている連通孔19を介して冷却水用穴16内に入り、次の3段用ロータ6C側に進み、その連通孔18を介して3段用ロータ6Cのジャケット室8C内に入り、連通孔19を介して再び冷却水用穴16内に送出される。以下同様の動作を繰返し行って1段用ロータ6Aを冷却し、1段用ロータ6Aの連通孔19から冷却水用穴16内に送出された冷却水は中心軸5の右端側に形成されている連通孔25から冷却水流出室22内に送出され冷却水出口23から廃水されて循環する。以上により、多段ロータ1は十分に冷却されることになる。
次に、ケーシング2の構造を図1,図2及び図4等により説明する。ケーシング2は多段ロータ1の各段のロータ6A,6B,6C,6Dを被包する一体的構造(2つ割りでない)の各段用のケーシング2A,2B,2C,2Dからなる。図2及び図4はその横断面構造を示すものであり、その中央には左右のロータ6,6の外郭が当接しながら回転するためのロータ回転室27が形成されると共にそのロータ回転室27を囲むフランジ部28にはケーシング冷却室80が巾方向に貫通形成され、各段のケーシング2のケーシング冷却室80は夫々同一位置にあって互いに連通して配設される。また、このケーシング冷却室80は図1に示すように冷却水流入室22に連通すると共に冷却水流出室24に連通する。以上によりケーシングの水冷却手段4が形成される。以上のケーシング冷却室80によりケーシング2は充分に冷却され、熱変形を低減することができる。また、ケーシング2には図1及び図2等に示すように仕切板3の嵌入される凹溝29の仕切板3の取付ねじ部30が形成される。また、フランジ部28には多段のケーシング2A,2B,2C,2Dと左右のサイドフレーム9,10やオイルケース11、冷却室12、ギヤケース13等を接合して固定するためのボルト孔31が貫通形成される。また、各ケーシング2A乃至2Dには空気の導入口37(37A,37B,37C)及び空気の排出口38(38A,38B,38C,38D)のみが開口形成される。但し、本実施例ではケーシング2Aに導入口37Aが形成され、ケーシング2Dに排出口37Dが形成され他の導入口37B,37C,37D及び他の排出口38A,38B,38Cは閉止される。以上のように、ケーシング2には空気の導入口37や排出口38以外には空気通路がなく、ケーシング冷却室80があるためケーシング2は従来のものに較べて十分に冷却される。
次に、図5(a),(b)及び図4により仕切板3を説明する。仕切板3は前記したように各段のケーシング2B,2C,2Dの凹溝29に嵌入されるグランド状の板体からなり、ケーシング2B,2C,2Dに対応する仕切板3B,3C,3Dからなる。この仕切板3は図5に示すように上下2つ割りの構造からなり、説明の都合上、上部仕切板3A及び下部仕切板3Bとする。この上部仕切板3aと下部仕切板3bとはほぼ同一の構造のものからなるが、冷却水の通る凹部32が互いに反対向きのものからなり上部凹部32aと下部凹部32bと説明の都合上称呼する。この上部凹部32aと下部凹部32bとは前記のように開口する向きが逆となるが、これ等は空気通路33により連通される。また、仕切板3には多段ロータ1の連結軸60に嵌り込む嵌合孔34(実際上この嵌合孔34は上部仕切板3a及び下部仕切板3bに形成される半円状の孔を合体したものからなる)。また、仕切板3のフランジ側にはケーシング2の取付ねじ孔30に対応する取付孔35が貫通形成される。
仕切板3は図1に示すようにケーシング2の凹溝29に夫々嵌り込んで取付けられるが、その側面は多段ロータ1の各段のロータ6A等の側面にほぼ当接して取付けられるが、仕切板3にロータ6との側面間には若干の隙間が実際上形成される。これは、熱変形時における相互の干渉を防止するためのものであり、コンプレッサの容量と形態に対応して経験的に決められる。一例として前記の隙間は0.08mmから1mm程度のものからなる。
次に、以上の構成要素からなる多段ルーツ式コンプレッサ100の組立て方法を説明する。
まず、多段ロータ1に中心軸5を嵌入する。この状態にある多段ロータ1を右サイドフレーム9に挿入し立設する。次に、立設している多段ロータ1の1段目ロータ6Aに1段目ケーシング2Aを挿入する。次に、多段ロータ1の連結軸60に2つ割りの2段目仕切板2Bを嵌め込み、次に2段目ケーシング2Bを挿入し、2段目ロータ6B及び2段目仕切板2Bを被包すると共にその側面の1段目ケーシング2Aに当接する。次に、前記と同様に3段目仕切板3Cを多段ロータ1の連結軸60に嵌め込み3段目ケーシング2Cにより3段目ロータ6Cと3段目仕切板3Cを被包し、3段目ケーシング2Cの側面を2段目ケーシング2Bの側面に当接させる。次に、4段目仕切板3Dを多段ロータ1の連結軸60に嵌め込み、4段目ケーシング2Dで4段目ロータ6Dと4段目仕切板3Dを被包し4段目ケーシング2Dの側面を3段目ケーシング2Cの側面に当接させる。次に、左サイドフレーム10を4段目ケーシング4Dに当接する。次に、中心軸5に軸受14やオイルシール15、タイミングギヤ26等を組み込み、右側にオイルケース11や冷却室12を組み込み、左側にギヤケース13を組み込む。最後にボルト孔31に通しボルト36を挿入し、全体を固定する。以上により、請求項4に記載の第1の手順から第5の手順の組立てが行われ、更に、多段ルーツ式コンプレッサ100の全体としての組立てが終了する。
次に、本発明の多段ルーツ式コンプレッサの作用を説明する。
図略の駆動源の作動により、タイミングギヤ26が回転し中心軸5を介して多段ロータ1が回転する。空気は1段目ケーシング2Aの導入口37Aからロータ回転室27内に入り、1段目ロータ6Aによる空気の圧縮が行われる。この圧縮空気は2段目仕切板3Bの下部凹部32bに入り空気通路33を介して上部凹部32aに入り、次の2段目ロータ6B側に送られて更に圧縮される。以下、同様の工程を行って所望の圧縮圧力になった圧縮空気は4段目ロータ6Dから排出口38に送られて送出される。
一方、前記のように、冷却水入口21から冷却室22に入った冷却水は、冷却パイプ17とケーシング2のケーシング冷却室80とに分かれて入り、冷却パイプ17に入った冷却水は冷却水用孔16に入り、多段ロータ1の多段のジャケット室8等に入り、多段ロータ1のロータ6等を冷却し冷却水用孔16を介して冷却水流出室24に送られる。一方、ケーシング2のケーシング冷却室80に入った冷却水は各段のケーシング2A,2B,2C,2Dを冷却し同じく冷却水流出室24に送られる。以上により、多段ロータ1の全体とケーシング2の全体が冷却水により十分に冷却され、圧縮空気による発生熱を十分に冷却し、全体の温度上昇を低下させる。そのため、ロータ6と仕切板3との間のクリアランスを極力小さくすることができ、熱膨張率の高いステンレス鋼をロータ6等に使用しても熱膨張度を低減することができる。
圧縮空気のみならずガス等を用いるすべての型式のルーツ式コンプレッサや真空ポンプに適用され、その適用範囲は極めて広いと共に、このコンプレッサはバイオマスプラントに使用され環境資源の有効利用の処理機構部として重要な役目を果たすと共に腐食ガスを発生する箇所にも使用され、更にガス処理を必要とするプラントに適用され、空気輸送、炉、製紙、集じん、汚泥処理、電力、発酵、養殖、半導体プラント等における空気ガスの供給源として極めて広い範囲に使用される。
本発明の多段ルーツ式コンプレッサの全体概要構造を示す軸断面図。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサのケーシング及びロータ回転室内で回転する一対のロータを示す横断面図。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサのロータの軸断面図(a)及びA−A線断面図(b)。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサのケーシング及びこれに嵌入された仕切板を示す横断面図。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサの仕切板の平面図(a)及びB−B線断面図。 従来の多段ルーツ式コンプレッサの全体構造を示す軸断面図。 図6に示す多段ルーツ式コンプレッサのケーシング及びロータの噛合状態を示す断面図。 従来の多段ルーツ式コンプレッサの外観図。 従来の多段ルーツ式コンプレッサの外観図。 中心軸及びケーシングの冷却構造を詳細に説明するための部分拡大断面図。
符号の説明
1 多段ロータ
2 ケーシング
2A 1段目ケーシング
2B 2段目ケーシング
2C 3段目ケーシング
2D 4段目ケーシング
3 仕切板
3B 2段目仕切板
3C 3段目仕切板
3D 4段目仕切板
3a 上部仕切板
3b 下部仕切板
4 水冷却手段
5 中心軸
6 ロータ
6A 1段目ロータ
6B 2段目ロータ
6C 3段目ロータ
6D 4段目ロータ
7 中心孔
8 ジャケット室
8A 1段目ジャケット室
8B 2段目ジャケット室
8C 3段目ジャケット室
8D 4段目ジャケット室
9 右サイドフレーム
10 左サイドフレーム
11 オイルケース
12 冷却室
13 ギヤケース
14 軸受
15 オイルシール
16 冷却水用穴
17 冷却パイプ
18 連通孔
19 連通孔
20 仕切壁(ジャマ板)
21 冷却水入口
22 冷却水流入室
23 冷却水出口
24 冷却水流出室
25 連通孔
26 タイミングギヤ
27 ロータ回転室
28 フランジ部
29 凹溝
30 取付ねじ部
31 ボルト孔
32 凹部
32a 上部凹部
32b 下部凹部
33 空気通路
34 嵌合孔
35 取付孔
36 通しボルト
37 導入口
37A 導入口
37B 導入口
37C 導入口
37D 導入口
38 排出口
38A 排出口
38B 排出口
38C 排出口
38D 排出口
60 連結軸
80 ケーシング冷却室
100 多段ルーツ式コンプレッサ
本発明は、従来技術にないルーツ式ロータを用いた多段ルーツ式コンプレッサに係り、真空ポンプにはない効率的な冷却手段を有し、各部の加熱量を低減せしめ各部のクリアランスを極力小さくでき、熱膨張率が高いステンレス鋼も使用できて耐錆性の向上も図れる多段シーツ式コンプレッサに関する。
ケーシングのロータ回転室内で左右のルーツ式ロータを回転させて真空空気を形成する真空ブロアや真空ポンプは各種型式のものが開示されているが、ルーツ式のコンプレッサは存在していなかった。その理由としては一般に工場等において使用されるコンプレッサが中圧(7kg/cm程度)のものが殆どであり、この圧力の圧縮空気を作ることがルーツ式のものでは無理があるとの技術的理由によるものであった。しかしながら、圧縮空気の圧力としては更に低圧(3kg/cm程度)のものを使用する場合もかなり存在するため、ルーツ式のコンプレッサの市場もあり、本発明はその事情に対応すべく開発されたものである。
図6乃至図9は同一出願人により当初において開発された多段ルーツ式コンプレッサの概要構造を示すものである。このものは、左右一対の多段ロータ1a,1b(図示では4段式のロータからなる)を左右のサイドフレーム10a,9aにより枢支し、多段ロータ1a,1bを2つ割りのケーシング2aで被包し、各ケーシング2a間にロータの連結軸60aに嵌り込む2つ割りの仕切板3aを介在せしめて全体を固定連結したものからなる。吸入空気は1段目ケーシング2aAの導入口37aAからケーシングのロータ回転室27a内に導入され、ロータ間で圧縮空気となり1段目の仕切板3aAを介して隣のロータ回転室27aに送られ、次第に空気圧力を高めた状態で最後のケーシング2aDの排出口38aDから排出される構造からなる。
また、ルーツ式コンプレッサではないが、本発明に比較的似ている公知技術として「特許文献1」及び「特許文献2」がある。
特開2000−9073号(図1) 特開昭62−189390号(図1)
図6乃至図9に示した多段ルーツ式コンプレッサは、前記のようにケーシング2aは2つ割りであり、これを仮りに一体式としても仕切板3aは2つ割りにすることが必要である。以上のように、ケーシング2a及び仕切板3aが分割式のため図7及び図8の丸印に示すように、3点の面シール部がどうしても形成される。この面シール部の構造ではシール性を確実に保持することが難しく、差圧の小さい真空ポンプの場合には大きな問題点とはならないが、差圧の高いコンプレッサの場合にはこの3点の面シール部の構造では圧縮空気(又はガス)がこの部分から外部に洩れる問題点が発生する。
以上のことから、多段ルーツ式コンプレッサとしてはケーシングは一体型であり、3点の面シール部をなくし2点面シールとし、各構成要素の加工精度を高め各部のクリアランスを極力小さくし、かつ全体が十分に冷却されるように冷却手段を形成してクリアランスを維持するようにすると共に、組立性のよいコンパクトタイプのルーツ式コンプレッサを開発することが要請される。
一方、「特許文献1」の「特開2000−9073号」の「多層式真空ポンプ及びその組み立て方法」はその「図1」に示すように、隔板(13)をカバー(12)(ケーシングに相当するもの)の凹溝内に挿入し、ロータ(18)と隔板(13)とを密接させる構造のものからなる。従ってこの公知技術は前記の2点面シールを満足する真空ポンプである。しかしながら、この真空ポンプの隔板(13)には空気の流通路がなく、空気流通路はカバー(12)に設けられている孔(122)からなる。よってカバー(12)は空気通路を通る加熱空気等により加熱される。また、この真空ポンプの場合、ロータ(18)やそのロータ軸を冷却する冷却手段はない。また、カバー(12)にも冷却手段がない。このため、この真空ポンプは作動時において発熱を低減させる手段がほとんどなく、この状態ではロータ(18)と隔板(13)とが焼付きを起す恐れがあり、これを防止するためにロータ(18)と隔板(13)との間に大きなクリアランスを設けるが、別体の冷却手段必要があり、真空ポンプとしての真空性能の低下を招く。
また、「特許文献2」の「特開昭62−189390号」の「ルーツ形ブロワー」は一段式のものであるが、回転軸(3)に冷却水の流路(3a)がありインペラー(ロータに相当するもの)(2)も冷却する構造のものからなる。しかしながら、この冷却手段では夫々の部分の冷却度が低く、このものをコンプレッサにそのまま利用した場合には、前記の真空ポンプと同様に各部の発熱によってトラブルを起す度合が高い。
本発明は、以上の事情に鑑みて発明されたものであり、コンプレッサを構成する主要素の多段ロータやケーシングの冷却効率を高め、ケーシングに空気通路を形成せずその低温化を図り、ロータと仕切板との間のクリアランスを極力小さくし、かつ耐錆性の高いステンレス鋼の使用ができ、全体としてコンパクトにまとめられる多段ルーツ式コンプレッサを提供することを目的とする。
本発明は、以上の目的を達成するために、一対の連結軸に所定間隔で一体的に固着形成され互いに噛合するルーツ式ロータからなる左右一対の多段ロータと、該多段ロータのロータ回転室を形成すると共に該ロータ回転室に隣接する凹溝を形成するケーシングと、該ケーシングの前記凹溝に挿入され隣接する前記ルーツ式ロータ間の連結軸に嵌り込む2つ割りの構造からなり、ロータ回転室に連通する上部及び下部凹部を有する仕切板と、前記多段ロータとケーシングを冷却する冷却手段等とを有する多段ルーツ式コンプレッサにおいて、前記冷却手段が、前記連結軸内にその軸線に沿って内挿され一端側を冷却水入口に連結する冷却パイプと、該冷却パイプに一端側を連通し前記冷却パイプを覆って前記連結軸内に形成され他端側を冷却水出口に連通する冷却水用穴と、前記夫々のルーツ式ロータ内に形成されるジャケット室と、該ジャケット室と前記冷却水用穴とを連通させる連通孔と、前記ケーシング内に形成され、一端側を冷却水入口に連通し他端側を冷却水出口に連通するケーシング冷却室とからなり、前記冷却パイプには前記冷却水用穴への水の流通を阻害する仕切壁(ジャマ板)が各段ごとに設けられ、前記連結軸には前記ジャマ板を挟んで前後に連通孔が形成され、前記連通孔は前記冷却水用穴と前記ジャケット室とに連通することを特徴とする。前記ケーシングは一段目のロータ回転室に連通する空気導入口と最終段目のロータ回転室に連通する空気排出口が形成されることを特徴とする。
本発明の請求項1の多段ルーツ式コンプレッサによれば、冷却手段として連結軸に冷却パイプ及び冷却水用穴を設け、連結軸の冷却を十分に行うと共に冷却水用孔内の冷却水をロータのジャケット室に導き、ロータの冷却を十分に行うことができる。また、ケーシングには圧縮空気が通る通路がなく、ケーシングには冷却室のみが設けられており、圧縮空気は仕切板とロータ回転室を介して流通する構造からなる。それにより、多段ロータ及びケーシングの冷却が十分にできるためルーツ式ロータと仕切板との間のクリアランスを極力小さくでき、圧縮効率の向上を図ることができる。また、仕切板がケーシングの凹溝内に収納されるため2点面シールが可能となりコンパクト化が図れる。
以下、本発明の多段ルーツ式コンプレッサの実施の形態を図面を参照して詳述する。
本発明の多段ルーツ式コンプレッサ100は、大別して中心軸5を有する多段ロータ1と、多段ロータ1の各ロータ6を被包しロータ回転室27や空気(ガス)の流出入路を形成するケーシング2と、ケーシング2の凹溝29に嵌入されロータ側面との間に微少のクリアランスを有して当接し空気の流通路を形成する2つ割りの仕切板3と多段ロータ1やケーシング2を冷却するための水冷却手段4等とからなる。以下、これ等の構成要素及びそれに関連する構成部品について順次説明する。
まず、図1及び図3により多段ロータ1を説明する。多段ロータ1は図3に示すように本実施例では4段のロータ6からなり、これ等は図3(a)に示すように一体的に形成される。なお、本実施例では1段目ロータ6Aは他のロータ6B,6C,6Dに較べて横巾の大きなものからなる。また、これ等のロータ6A,6B,6C,6Dは連結軸60により連結される。また、ロータ6の外郭形状としては図3(b)に示すようにルーツ型のものからなる。一体的形状からなる多段ロータ1の中心には中心軸5の嵌入される中心孔7が形成されると共にジャケット室8が夫々形成される。この多段ロータ1は左右一対ロータ6,6からなり、図2に示すように互いに噛合状態で配設される。
次に、多段ロータ1の中心孔7に嵌入される中心軸5等の構造を説明する。まず、図1に示すように、図の右端側に配置される1段目ケーシング2Aの側面には右サイドフレーム9が当接して配置され、図の左端側に配置される4段目ケーシング2Dの側面には左サイドフレーム10が当接して配置される。また、図1に示すように右サイドフレーム9の端面にはオイルケース11が連結され、オイルケース11には冷却室12が連結される。一方、左サイドフレーム10の側面にはギヤケース13が連結される。
中心軸5は前記の多段ロータ1の中心孔7を貫通して嵌入され、その右端は前記の右サイドフレーム9とオイルケース11及び冷却室12内に配置され、軸受14やオイルシール15等により支持される。また、中心軸5の右端は冷却室12内に開口している。一方、中心軸5の左端は前記の左サイドフレーム10とギヤケース13内に配置され軸受14等によら支持されると共にタイミングギヤ26が固定される。なお、このタイミングギヤは図略の駆動源に連結される。
図1に示すように、中心軸5にはその軸線に沿って冷却水用穴16が形成され、冷却状用穴16内に挿着されている冷却パイプ17の右端は図1に示すように冷却室12に開口する。また、冷却パイプ17の左側は冷却水用穴16の左端の閉止部内に開口される。中心軸5の冷却水用穴16を囲む肉厚部には、多段ロータ1の各ロータ6A,6B,6C,6Dのジャケット室8(8A,8B,8C,8D)と冷却水用穴16とを連通される連通孔18,19が形成される。なお、夫々の連通孔18と連通孔19との間は図10に示すように仕切壁(ジャマ板)20により遮断される。即ち、図10に示すように冷却パイプ17の外周にはこの外周と冷却用孔16の内周との管を遮断する仕切壁(ジャマ板)20が介設され、これにより連結孔18と連通孔19との連通は遮断される。そのため冷却パイプ17から流出した冷却水は、まず連通孔18に入り、ジャケット室8Dに入り、次に連通孔19から送り出され、冷却水用孔16に入り次のロータの連通孔18側に送られる。以上によりロータのジャケット室への冷却水の導入が確実に行われ、ロータの冷却効率を向上することができる。
冷却室12は冷却水入口21と連通する冷却水流入室22と冷却水出口23に連通する冷却水流出室24に分割され、前記の冷却パイプ17は冷却水流入室22内に開口する。また、冷却水流出室24には中心軸5の肉厚部に開口された連通孔25が連通する。
以上の構造の冷却水通路が請求項1に記載の水冷却手段4の1つを形成するものであり、この水冷却手段における水冷却方法を以下に説明する。即ち、冷却水入口21から冷却水流入室22に導入された冷却水は、冷却パイプ17を通り、冷却パイプ17内を図1における右端側から左端側に向かって進み、冷却水用穴16の左端からまず4段目ロータ6Dのジャケット室8Dに連通する連通孔18を介してジャケット室8D内に入り、ジャケット室8D内に充填された後、仕切壁(ジャマ板)20を介して連通孔18と隔離されている連通孔19を介して冷却水用穴16内に入り、次の3段用ロータ6C側に進み、その連通孔18を介して3段用ロータ6Cのジャケット室8C内に入り、連通孔19を介して再び冷却水用穴16内に送出される。以下同様の動作を繰返し行って1段用ロータ6Aを冷却し、1段用ロータ6Aの連通孔19から冷却水用穴16内に送出された冷却水は中心軸5の右端側に形成されている連通孔25から冷却水流出室22内に送出され冷却水出口23から廃水されて循環する。以上により、多段ロータ1は十分に冷却されることになる。
次に、ケーシング2の構造を図1,図2及び図4等により説明する。ケーシング2は多段ロータ1の各段のロータ6A,6B,6C,6Dを被包する一体的構造(2つ割りでない)の各段用のケーシング2A,2B,2C,2Dからなる。図2及び図4はその横断面構造を示すものであり、その中央には左右のロータ6,6の外郭が当接しながら回転するためのロータ回転室27が形成されると共にそのロータ回転室27を囲むフランジ部28にはケーシング冷却室80が巾方向に貫通形成され、各段のケーシング2のケーシング冷却室80は夫々同一位置にあって互いに連通して配設される。また、このケーシング冷却室80は図1に示すように冷却水流入室22に連通すると共に冷却水流出室24に連通する。以上によりケーシングの水冷却手段4が形成される。以上のケーシング冷却室80によりケーシング2は充分に冷却され、熱変形を低減することができる。また、ケーシング2には図1及び図2等に示すように仕切板3の嵌入される凹溝29の仕切板3の取付ねじ部30が形成される。また、フランジ部28には多段のケーシング2A,2B,2C,2Dと左右のサイドフレーム9,10やオイルケース11、冷却室12、ギヤケース13等を接合して固定するためのボルト孔31が貫通形成される。また、各ケーシング2A乃至2Dには空気の導入口37(37A,37B,37C)及び空気の排出口38(38A,38B,38C,38D)のみが開口形成される。但し、本実施例ではケーシング2Aに導入口37Aが形成され、ケーシング2Dに排出口37Dが形成され他の導入口37B,37C,37D及び他の排出口38A,38B,38Cは閉止される。以上のように、ケーシング2には空気の導入口37や排出口38以外には空気通路がなく、ケーシング冷却室80があるためケーシング2は従来のものに較べて十分に冷却される。
次に、図5(a),(b)及び図4により仕切板3を説明する。仕切板3は前記したように各段のケーシング2B,2C,2Dの凹溝29に嵌入されるグランド状の板体からなり、ケーシング2B,2C,2Dに対応する仕切板3B,3C,3Dからなる。この仕切板3は図5に示すように上下2つ割りの構造からなり、説明の都合上、上部仕切板3A及び下部仕切板3Bとする。この上部仕切板3aと下部仕切板3bとはほぼ同一の構造のものからなるが、空気の通る凹部32が互いに反対向きのものからなり上部凹部32aと下部凹部32bと説明の都合上称呼する。この上部凹部32aと下部凹部32bとは前記のように開口する向きが逆となるが、これ等は空気通路33により連通される。また、仕切板3には多段ロータ1の連結軸60に嵌り込む嵌合孔34(実際上この嵌合孔34は上部仕切板3a及び下部仕切板3bに形成される半円状の孔を合体したものからなる。)また、仕切板3のフランジ側にはケーシング2の取付ねじ孔30に対応する取付孔35が貫通形成される。
仕切板3は図1に示すようにケーシング2の凹溝29に夫々嵌り込んで取付けられるが、その側面は多段ロータ1の各段のロータ6A等の側面にほぼ当接して取付けられるが、仕切板3にロータ6との側面間には若干の隙間が実際上形成される。これは、熱変形時における相互の干渉を防止するためのものであり、コンプレッサの容量と形態に対応して経験的に決められる。一例として前記の隙間は0.08mmから1mm程度のものからなる。
次に、以上の構成要素からなる多段ルーツ式コンプレッサ100の組立て方法を説明する。
まず、多段ロータ1に中心軸5を嵌入する。この状態にある多段ロータ1を右サイドフレーム9に挿入し立設する。次に、立設している多段ロータ1の1段目ロータ6Aに1段目ケーシング2Aを挿入する。次に、多段ロータ1の連結軸60に2つ割りの2段目仕切板2Bを嵌め込み、次に2段目ケーシング2Bを挿入し、2段目ロータ6B及び2段目仕切板2Bを被包すると共にその側面の1段目ケーシング2Aに当接する。次に、前記と同様に3段目仕切板3Cを多段ロータ1の連結軸60に嵌め込み3段目ケーシング2Cにより3段目ロータ6Cと3段目仕切板3Cを被包し、3段目ケーシング2Cの側面を2段目ケーシング2Bの側面に当接させる。次に、4段目仕切板3Dを多段ロータ1の連結軸60に嵌め込み、4段目ケーシング2Dで4段目ロータ6Dと4段目仕切板3Dを被包し4段目ケーシング2Dの側面を3段目ケーシング2Cの側面に当接させる。次に、左サイドフレーム10を4段目ケーシング4Dに当接する。次に、中心軸5に軸受14やオイルシール15、タイミングギヤ26等を組み込み、右側にオイルケース11や冷却室12を組み込み、左側にギヤケース13を組み込む。最後にボルト孔31に通しボルト36を挿入し、全体を固定する。以上により、請求項4に記載の第1の手順から第5の手順の組立てが行われ、更に、多段ルーツ式コンプレッサ100の全体としての組立てが終了する。
次に、本発明の多段ルーツ式コンプレッサの作用を説明する。
図略の駆動源の作動により、タイミングギヤ26が回転し中心軸5を介して多段ロータ1が回転する。空気は1段目ケーシング2Aの導入口37Aからロータ回転室27内に入り、1段目ロータ6Aによる空気の圧縮が行われる。この圧縮空気は2段目仕切板3Bの下部凹部32bに入り空気通路33を介して上部凹部32aに入り、次の2段目ロータ6B側に送られて更に圧縮される。以下、同様の工程を行って所望の圧縮圧力になった圧縮空気は4段目ロータ6Dから排出口38に送られて送出される。
一方、前記のように、冷却水入口21から冷却室22に入った冷却水は、冷却パイプ17とケーシング2のケーシング冷却室80とに分かれて入り、冷却パイプ17に入った冷却水は冷却水用孔16に入り、多段ロータ1の多段のジャケット室8等に入り、多段ロータ1のロータ6等を冷却し冷却水用孔16を介して冷却水流出室24に送られる。一方、ケーシング2のケーシング冷却室80に入った冷却水は各段のケーシング2A,2B,2C,2Dを冷却し同じく冷却水流出室24に送られる。以上により、多段ロータ1の全体とケーシング2の全体が冷却水により十分に冷却され、圧縮空気による発生熱を十分に冷却し、全体の温度上昇を低下させる。そのため、ロータ6と仕切板3との間のクリアランスを極力小さくすることができ、熱膨張率の高いステンレス鋼をロータ6等に使用しても熱膨張度を低減することができる。
圧縮空気のみならずガス等を用いるすべての型式のルーツ式コンプレッサや真空ポンプに適用され、その適用範囲は極めて広いと共に、このコンプレッサはバイオマスプラントに使用され環境資源の有効利用の処理機構部として重要な役目を果たすと共に腐食ガスを発生する箇所にも使用され、更にガス処理を必要とするプラントに適用され、空気輸送、炉、製紙、集じん、汚泥処理、電力、発酵、養殖、半導体プラント等における空気ガスの供給源として極めて広い範囲に使用される。
本発明の多段ルーツ式コンプレッサの全体概要構造を示す軸断面図。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサのケーシング及びロータ回転室内で回転する一対のロータを示す横断面図。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサのロータの軸断面図(a)及びA−A線断面図(b)。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサのケーシング及びこれに嵌入された仕切板を示す横断面図。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサの仕切板の平面図(a)及びB−B線断面図。 従来の多段ルーツ式コンプレッサの全体構造を示す軸断面図。 図6に示す多段ルーツ式コンプレッサのケーシング及びロータの噛合状態を示す断面図。 従来の多段ルーツ式コンプレッサの外観図。 従来の多段ルーツ式コンプレッサの外観図。 中心軸及びケーシングの冷却構造を詳細に説明するための部分拡大断面図。
符号の説明
1 多段ロータ
2 ケーシング
2A 1段目ケーシング
2B 2段目ケーシング
2C 3段目ケーシング
2D 4段目ケーシング
3 仕切板
3B 2段目仕切板
3C 3段目仕切板
3D 4段目仕切板
3a 上部仕切板
3b 下部仕切板
4 水冷却手段
5 中心軸
6 ロータ
6A 1段目ロータ
6B 2段目ロータ
6C 3段目ロータ
6D 4段目ロータ
7 中心孔
8 ジャケット室
8A 1段目ジャケット室
8B 2段目ジャケット室
8C 3段目ジャケット室
8D 4段目ジャケット室
9 右サイドフレーム
10 左サイドフレーム
11 オイルケース
12 冷却室
13 ギヤケース
14 軸受
15 オイルシール
16 冷却水用穴
17 冷却パイプ
18 連通孔
19 連通孔
20 仕切壁(ジャマ板)
21 冷却水入口
22 冷却水流入室
23 冷却水出口
24 冷却水流出室
25 連通孔
26 タイミングギヤ
27 ロータ回転室
28 フランジ部
29 凹溝
30 取付ねじ部
31 ボルト孔
32 凹部
32a 上部凹部
32b 下部凹部
33 空気通路
34 嵌合孔
35 取付孔
36 通しボルト
37 導入口
37A 導入口
37B 導入口
37C 導入口
37D 導入口
38 排出口
38A 排出口
38B 排出口
38C 排出口
38D 排出口
60 連結軸
80 ケーシング冷却室
100 多段ルーツ式コンプレッサ
本発明は、従来技術にないルーツ式ロータを用いた多段ルーツ式コンプレッサに係り、真空ポンプにはない効率的な冷却手段を有し、各部の加熱量を低減せしめ各部のクリアランスを極力小さくできる多段シーツ式コンプレッサに関する。
ケーシングのロータ回転室内で左右のルーツ式ロータを回転させて真空空気を形成する真空ブロアや真空ポンプは各種型式のものが開示されているが、ルーツ式のコンプレッサは存在していなかった。その理由としては一般に工場等において使用されるコンプレッサが中圧(7kg/cm程度)のものが殆どであり、この圧力の圧縮空気を作ることがルーツ式のものでは無理があるとの技術的理由によるものであった。しかしながら、圧縮空気の圧力としては更に低圧(3kg/cm程度)のものを使用する場合もかなり存在するため、ルーツ式のコンプレッサの市場もあり、本発明はその事情に対応すべく開発されたものである。
図6乃至図9は同一出願人により当初において開発された多段ルーツ式コンプレッサの概要構造を示すものである。このものは、左右一対の多段ロータ1a,1b(図示では4段式のロータからなる)を左右のサイドフレーム10a,9aにより枢支し、多段ロータ1a,1bを2つ割りのケーシング2aで被包し、各ケーシング2a間にロータの連結軸60aに嵌り込む2つ割りの仕切板3aを介在せしめて全体を固定連結したものからなる。吸入空気は1段目ケーシング2aAの導入口37aAからケーシングのロータ回転室27a内に導入され、ロータ間で圧縮空気となり1段目の仕切板3aAを介して隣のロータ回転室27aに送られ、次第に空気圧力を高めた状態で最後のケーシング2aDの排出口38aDから排出される構造からなる。
また、ルーツ式コンプレッサではないが、本発明に比較的似ている公知技術として「特許文献1」及び「特許文献2」がある。
特開2000−9073号(図1) 特開昭62−189390号(図1)
図6乃至図9に示した多段ルーツ式コンプレッサは、前記のようにケーシング2aは2つ割りであり、これを仮りに一体式としても仕切板3aは2つ割りにすることが必要である。以上のように、ケーシング2a及び仕切板3aが分割式のため図7及び図8の丸印に示すように、3点の面シール部がどうしても形成される。この面シール部の構造ではシール性を確実に保持することが難しく、差圧の小さい真空ポンプの場合には大きな問題点とはならないが、差圧の高いコンプレッサの場合にはこの3点の面シール部の構造では圧縮空気(又はガス)がこの部分から外部に洩れる問題点が発生する。
以上のことから、多段ルーツ式コンプレッサとしてはケーシングは一体型であり、3点の面シール部をなくし2点面シールとし、各構成要素の加工精度を高め各部のクリアランスを極力小さくし、かつ全体が十分に冷却されるように冷却手段を形成してクリアランスを維持するようにすると共に、組立性のよいコンパクトタイプのルーツ式コンプレッサを開発することが要請される。
一方、「特許文献1」の「特開2000−9073号」の「多層式真空ポンプ及びその組み立て方法」はその「図1」に示すように、隔板(13)をカバー(12)(ケーシングに相当するもの)の凹溝内に挿入し、ロータ(18)と隔板(13)とを密接させる構造のものからなる。従ってこの公知技術は前記の2点面シールを満足する真空ポンプである。しかしながら、この真空ポンプの隔板(13)には空気の流通路がなく、空気流通路はカバー(12)に設けられている孔(122)からなる。よってカバー(12)は空気通路を通る加熱空気等により加熱される。また、この真空ポンプの場合、ロータ(18)やそのロータ軸を冷却する冷却手段はない。また、カバー(12)にも冷却手段がない。このため、この真空ポンプは作動時において発熱を低減させる手段がほとんどなく、この状態ではロータ(18)と隔板(13)とが焼付きを起す恐れがあり、これを防止するためにロータ(18)と隔板(13)との間に大きなクリアランスを設けるが、別体の冷却手段必要があり、真空ポンプとしての真空性能の低下を招く。
また、「特許文献2」の「特開昭62−189390号」の「ルーツ形ブロワー」は一段式のものであるが、回転軸(3)に冷却水の流路(3a)がありインペラー(ロータに相当するもの)(2)も冷却する構造のものからなる。しかしながら、この冷却手段では夫々の部分の冷却度が低く、このものをコンプレッサにそのまま利用した場合には、前記の真空ポンプと同様に各部の発熱によってトラブルを起す度合が高い。
本発明は、以上の事情に鑑みて発明されたものであり、コンプレッサを構成する主要素の多段ロータやケーシングの冷却効率を高め、ロータと仕切板との間のクリアランスを極力小さくし、かつ全体としてコンパクトにまとめられる多段ルーツ式コンプレッサを提供することを目的とする。
本発明は、以上の目的を達成するために、一対の連結軸に所定間隔で一体的に固着形成され互いに噛合するルーツ式ロータからなる左右一対の多段ロータと、該多段ロータのロータ回転室を形成すると共に該ロータ回転室に隣接する凹溝を形成するケーシングと、該ケーシングの前記凹溝に挿入され隣接する前記ルーツ式ロータ間の連結軸に嵌り込む2つ割りの構造からなり、ロータ回転室に連通する上部及び下部凹部を有する仕切板と、前記多段ロータとケーシングを冷却する冷却手段とを有する多段ルーツ式コンプレッサにおいて、前記冷却手段が、前記連結軸内にその軸線に沿って内挿され一端側を冷却水入口に連結する冷却パイプと、該冷却パイプに一端側を連通し前記冷却パイプを覆って前記連結軸内に形成され他端側を冷却水出口に連通する冷却水用穴と、前記夫々のルーツ式ロータ内に形成されるジャケット室と、該ジャケット室と前記冷却水用穴とを連通させる連通孔と、前記ケーシング内に形成され、一端側を冷却水入口に連通し他端側を冷却水出口に連通するケーシング冷却室とからなり、前記冷却パイプには前記冷却水用穴への水の流通を阻害する仕切壁(ジャマ板)が各段ごとに設けられ、前記連結軸には前記ジャマ板を挟んで前後に連通孔が形成され、前記連通孔は前記冷却水用穴と前記ジャケット室とに連通することを特徴とする。前記ケーシングは一段目のロータ回転室に連通する空気導入口と最終段目のロータ回転室に連通する空気排出口が形成されることを特徴とする。
本発明の請求項1の多段ルーツ式コンプレッサによれば、冷却手段として連結軸に冷却パイプ及び冷却水用穴を設け、連結軸の冷却を十分に行うと共に冷却水用孔内の冷却水をロータのジャケット室に導き、ロータの冷却を十分に行うことができる。また、ケーシングには一段目のローラ回転室に連通する空気導入口と最終段目のロータ回転室に連通する空気排出口が形成されると共にケーシング冷却室が設けられており、圧縮空気は仕切板とロータ回転室を介して流通する構造からなる。それにより、多段ロータ及びケーシングの冷却ができるためルーツ式ロータと仕切板との間のクリアランスを極力小さくでき、圧縮効率の向上を図ることができる。また、仕切板がケーシングの凹溝内に収納されるため2点面シールが可能となりコンパクト化が図れる。
以下、本発明の多段ルーツ式コンプレッサの実施の形態を図面を参照して詳述する。
本発明の多段ルーツ式コンプレッサ100は、大別して中心軸5を有する多段ロータ1と、多段ロータ1の各ロータ6を被包しロータ回転室27や空気(ガス)の流出入路を形成するケーシング2と、ケーシング2の凹溝29に嵌入されロータ側面との間に微少のクリアランスを有して当接し空気の流通路を形成する2つ割りの仕切板3と多段ロータ1やケーシング2を冷却するための水冷却手段4等とからなる。以下、これ等の構成要素及びそれに関連する構成部品について順次説明する。
まず、図1及び図3により多段ロータ1を説明する。多段ロータ1は図3に示すように本実施例では4段のロータ6からなり、これ等は図3(a)に示すように一体的に形成される。なお、本実施例では1段目ロータ6Aは他のロータ6B,6C,6Dに較べて横巾の大きなものからなる。また、これ等のロータ6A,6B,6C,6Dは連結軸60により連結される。また、ロータ6の外郭形状としては図3(b)に示すようにルーツ型のものからなる。一体的形状からなる多段ロータ1の中心には中心軸5の嵌入される中心孔7が形成されると共にジャケット室8が夫々形成される。この多段ロータ1は左右一対ロータ6,6からなり、図2に示すように互いに噛合状態で配設される。
次に、多段ロータ1の中心孔7に嵌入される中心軸5等の構造を説明する。まず、図1に示すように、図の右端側に配置される1段目ケーシング2Aの側面には右サイドフレーム9が当接して配置され、図の左端側に配置される4段目ケーシング2Dの側面には左サイドフレーム10が当接して配置される。また、図1に示すように右サイドフレーム9の端面にはオイルケース11が連結され、オイルケース11には冷却室12が連結される。一方、左サイドフレーム10の側面にはギヤケース13が連結される。
中心軸5は前記の多段ロータ1の中心孔7を貫通して嵌入され、その右端は前記の右サイドフレーム9とオイルケース11及び冷却室12内に配置され、軸受14やオイルシール15等により支持される。また、中心軸5の右端は冷却室12内に開口している。一方、中心軸5の左端は前記の左サイドフレーム10とギヤケース13内に配置され軸受14等によら支持されると共にタイミングギヤ26が固定される。なお、このタイミングギヤは図略の駆動源に連結される。
図1に示すように、中心軸5にはその軸線に沿って冷却水用穴16が形成され、冷却状用穴16内に挿着されている冷却パイプ17の右端は図1に示すように冷却室12に開口する。また、冷却パイプ17の左側は冷却水用穴16の左端の閉止部内に開口される。中心軸5の冷却水用穴16を囲む肉厚部には、多段ロータ1の各ロータ6A,6B,6C,6Dのジャケット室8(8A,8B,8C,8D)と冷却水用穴16とを連通される連通孔18,19が形成される。なお、夫々の連通孔18と連通孔19との間は図10に示すように仕切壁(ジャマ板)20により遮断される。即ち、図10に示すように冷却パイプ17の外周にはこの外周と冷却用孔16の内周との管を遮断する仕切壁(ジャマ板)20が介設され、これにより連結孔18と連通孔19との連通は遮断される。そのため冷却パイプ17から流出した冷却水は、まず連通孔18に入り、ジャケット室8Dに入り、次に連通孔19から送り出され、冷却水用孔16に入り次のロータの連通孔18側に送られる。以上によりロータのジャケット室への冷却水の導入が確実に行われ、ロータの冷却効率を向上することができる。
冷却室12は冷却水入口21と連通する冷却水流入室22と冷却水出口23に連通する冷却水流出室24に分割され、前記の冷却パイプ17は冷却水流入室22内に開口する。また、冷却水流出室24には中心軸5の肉厚部に開口された連通孔25が連通する。
以上の構造の冷却水通路が請求項1に記載の水冷却手段4の1つを形成するものであり、この水冷却手段における水冷却方法を以下に説明する。即ち、冷却水入口21から冷却水流入室22に導入された冷却水は、冷却パイプ17を通り、冷却パイプ17内を図1における右端側から左端側に向かって進み、冷却水用穴16の左端からまず4段目ロータ6Dのジャケット室8Dに連通する連通孔18を介してジャケット室8D内に入り、ジャケット室8D内に充填された後、仕切壁(ジャマ板)20を介して連通孔18と隔離されている連通孔19を介して冷却水用穴16内に入り、次の3段用ロータ6C側に進み、その連通孔18を介して3段用ロータ6Cのジャケット室8C内に入り、連通孔19を介して再び冷却水用穴16内に送出される。以下同様の動作を繰返し行って1段用ロータ6Aを冷却し、1段用ロータ6Aの連通孔19から冷却水用穴16内に送出された冷却水は中心軸5の右端側に形成されている連通孔25から冷却水流出室22内に送出され冷却水出口23から廃水されて循環する。以上により、多段ロータ1は十分に冷却されることになる。
次に、ケーシング2の構造を図1,図2及び図4等により説明する。ケーシング2は多段ロータ1の各段のロータ6A,6B,6C,6Dを被包する一体的構造(2つ割りでない)の各段用のケーシング2A,2B,2C,2Dからなる。図2及び図4はその横断面構造を示すものであり、その中央には左右のロータ6,6の外郭が当接しながら回転するためのロータ回転室27が形成されると共にそのロータ回転室27を囲むフランジ部28にはケーシング冷却室80が巾方向に貫通形成され、各段のケーシング2のケーシング冷却室80は夫々同一位置にあって互いに連通して配設される。また、このケーシング冷却室80は図1に示すように冷却水流入室22に連通すると共に冷却水流出室24に連通する。以上によりケーシングの水冷却手段4が形成される。また、ケーシング2には図1及び図2等に示すように仕切板3の嵌入される凹溝29の仕切板3の取付ねじ部30が形成される。また、フランジ部28には多段のケーシング2A,2B,2C,2Dと左右のサイドフレーム9,10やオイルケース11、冷却室12、ギヤケース13等を接合して固定するためのボルト孔31が貫通形成される。また、各ケーシング2A乃至2Dには空気の導入口37(37A,37B,37C)及び空気の排出口38(38A,38B,38C,38D)が開口形成される。但し、本実施例ではケーシング2Aに導入口37Aが形成され、ケーシング2Dに排出口37Dが形成され他の導入口37B,37C,37D及び他の排出口38A,38B,38Cは閉止される。以上のように、ケーシング2はケーシング冷却室80があるため冷却が十分に行われる。
次に、図5(a),(b)及び図4により仕切板3を説明する。仕切板3は前記したように各段のケーシング2B,2C,2Dの凹溝29に嵌入されるグランド状の板体からなり、ケーシング2B,2C,2Dに対応する仕切板3B,3C,3Dからなる。この仕切板3は図5に示すように上下2つ割りの構造からなり、説明の都合上、上部仕切板3A及び下部仕切板3Bとする。この上部仕切板3aと下部仕切板3bとはほぼ同一の構造のものからなるが、空気の通る凹部32が互いに反対向きのものからなり上部凹部32aと下部凹部32bと説明の都合上称呼する。この上部凹部32aと下部凹部32bとは前記のように開口する向きが逆となるが、これ等は空気通路33により連通される。また、仕切板3には多段ロータ1の連結軸60に嵌り込む嵌合孔34(実際上この嵌合孔34は上部仕切板3a及び下部仕切板3bに形成される半円状の孔を合体したものからなる)がある。また、仕切板3のフランジ側にはケーシング2の取付ねじ孔30に対応する取付孔35が貫通形成される。
仕切板3は図1に示すようにケーシング2の凹溝29に夫々嵌り込んで取付けられるが、その側面は多段ロータ1の各段のロータ6A等の側面にほぼ当接して取付けられるが、仕切板3にロータ6との側面間には若干の隙間が実際上形成される。これは、熱変形時における相互の干渉を防止するためのものであり、コンプレッサの容量と形態に対応して経験的に決められる。一例として前記の隙間は0.08mmから1mm程度のものからなる。
次に、以上の構成要素からなる多段ルーツ式コンプレッサ100の組立て方法を説明する。
まず、多段ロータ1に中心軸5を嵌入する。この状態にある多段ロータ1を右サイドフレーム9に挿入し立設する。次に、立設している多段ロータ1の1段目ロータ6Aに1段目ケーシング2Aを挿入する。次に、多段ロータ1の連結軸60に2つ割りの2段目仕切板2Bを嵌め込み、次に2段目ケーシング2Bを挿入し、2段目ロータ6B及び2段目仕切板2Bを被包すると共にその側面の1段目ケーシング2Aに当接する。次に、前記と同様に3段目仕切板3Cを多段ロータ1の連結軸60に嵌め込み3段目ケーシング2Cにより3段目ロータ6Cと3段目仕切板3Cを被包し、3段目ケーシング2Cの側面を2段目ケーシング2Bの側面に当接させる。次に、4段目仕切板3Dを多段ロータ1の連結軸60に嵌め込み、4段目ケーシング2Dで4段目ロータ6Dと4段目仕切板3Dを被包し4段目ケーシング2Dの側面を3段目ケーシング2Cの側面に当接させる。次に、左サイドフレーム10を4段目ケーシング4Dに当接する。次に、中心軸5に軸受14やオイルシール15、タイミングギヤ26等を組み込み、右側にオイルケース11や冷却室12を組み込み、左側にギヤケース13を組み込む。最後にボルト孔31に通しボルト36を挿入し、全体を固定する。以上により、請求項4に記載の第1の手順から第5の手順の組立てが行われ、更に、多段ルーツ式コンプレッサ100の全体としての組立てが終了する。
次に、本発明の多段ルーツ式コンプレッサの作用を説明する。
図略の駆動源の作動により、タイミングギヤ26が回転し中心軸5を介して多段ロータ1が回転する。空気は1段目ケーシング2Aの導入口37Aからロータ回転室27内に入り、1段目ロータ6Aによる空気の圧縮が行われる。この圧縮空気は2段目仕切板3Bの下部凹部32bに入り空気通路33を介して上部凹部32aに入り、次の2段目ロータ6B側に送られて更に圧縮される。以下、同様の工程を行って所望の圧縮圧力になった圧縮空気は4段目ロータ6Dから排出口38に送られて送出される。
一方、前記のように、冷却水入口21から冷却室22に入った冷却水は、冷却パイプ17とケーシング2のケーシング冷却室80とに分かれて入り、冷却パイプ17に入った冷却水は冷却水用孔16に入り、多段ロータ1の多段のジャケット室8等に入り、多段ロータ1のロータ6等を冷却し冷却水用孔16を介して冷却水流出室24に送られる。一方、ケーシング2のケーシング冷却室80に入った冷却水は各段のケーシング2A,2B,2C,2Dを冷却し同じく冷却水流出室24に送られる。以上により、多段ロータ1の全体とケーシング2の全体が冷却水により十分に冷却され、圧縮空気による発生熱を十分に冷却し、全体の温度上昇を低下させる。そのため、ロータ6と仕切板3との間のクリアランスを極力小さくすることができる。
圧縮空気のみならずガス等を用いるすべての型式のルーツ式コンプレッサや真空ポンプに適用され、その適用範囲は極めて広いと共に、このコンプレッサはバイオマスプラントに使用され環境資源の有効利用の処理機構部として重要な役目を果たすと共に腐食ガスを発生する箇所にも使用され、更にガス処理を必要とするプラントに適用され、空気輸送、炉、製紙、集じん、汚泥処理、電力、発酵、養殖、半導体プラント等における空気ガスの供給源として極めて広い範囲に使用される。
本発明の多段ルーツ式コンプレッサの全体概要構造を示す軸断面図。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサのケーシング及びロータ回転室内で回転する一対のロータを示す横断面図。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサのロータの軸断面図(a)及びA−A線断面図(b)。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサのケーシング及びこれに嵌入された仕切板を示す横断面図。 本発明の多段ルーツ式コンプレッサの仕切板の平面図(a)及びB−B線断面図。 従来の多段ルーツ式コンプレッサの全体構造を示す軸断面図。 図6に示す多段ルーツ式コンプレッサのケーシング及びロータの噛合状態を示す断面図。 従来の多段ルーツ式コンプレッサの外観図。 従来の多段ルーツ式コンプレッサの外観図。 中心軸及びケーシングの冷却構造を詳細に説明するための部分拡大断面図。
符号の説明
1 多段ロータ
2 ケーシング
2A 1段目ケーシング
2B 2段目ケーシング
2C 3段目ケーシング
2D 4段目ケーシング
3 仕切板
3B 2段目仕切板
3C 3段目仕切板
3D 4段目仕切板
3a 上部仕切板
3b 下部仕切板
4 水冷却手段
5 中心軸
6 ロータ
6A 1段目ロータ
6B 2段目ロータ
6C 3段目ロータ
6D 4段目ロータ
7 中心孔
8 ジャケット室
8A 1段目ジャケット室
8B 2段目ジャケット室
8C 3段目ジャケット室
8D 4段目ジャケット室
9 右サイドフレーム
10 左サイドフレーム
11 オイルケース
12 冷却室
13 ギヤケース
14 軸受
15 オイルシール
16 冷却水用穴
17 冷却パイプ
18 連通孔
19 連通孔
20 仕切壁(ジャマ板)
21 冷却水入口
22 冷却水流入室
23 冷却水出口
24 冷却水流出室
25 連通孔
26 タイミングギヤ
27 ロータ回転室
28 フランジ部
29 凹溝
30 取付ねじ部
31 ボルト孔
32 凹部
32a 上部凹部
32b 下部凹部
33 空気通路
34 嵌合孔
35 取付孔
36 通しボルト
37 導入口
37A 導入口
37B 導入口
37C 導入口
37D 導入口
38 排出口
38A 排出口
38B 排出口
38C 排出口
38D 排出口
60 連結軸
80 ケーシング冷却室
100 多段ルーツ式コンプレッサ

Claims (4)

  1. 複数のロータを所定間隔に配置し連結軸を有する左右一対の多段ロータと、前記多段ロータの夫々の前記左右の各段のロータの夫々を被包し前記ロータの回転するロータ回転室を形成すると共に空気の出入口を形成するケーシングと、該ケーシングに凹設される凹溝内に嵌入されると共に前記ロータの連結軸に嵌り込み前記ロータの側面との間に微少のクリアランスを形成し空気の流通路を形成する2つ割りの仕切板と、前記ロータ及びケーシングを冷却する水冷却手段とを有し、隣接する前記ケーシングはその側面を密着して互いに連結固定されることを特徴とする多段ルーツ式コンプレッサ。
  2. 前記水冷却手段が、前記ロータの連結軸内及び前記ロータ内のジャケット室を流通するロータ冷却通路と、前記ケーシングのジャケット室を流通するケーシング冷却通路とからなり、これ等の冷却通路は冷却水供給部及び冷却水排出部に夫々連通することを特徴とする請求項1に記載の多段ルーツ式コンプレッサ。
  3. 前記一体型の夫々のケーシングは互いに固定され、前記ケーシング内に回転する前記ロータは仕切板と微少のクリアランスを介して互いに側面を当接する2点面シール型式のものからなることを特徴とする請求項1に記載の多段ルーツ式コンプレッサ。
  4. 前記請求項1乃至3に記載の多段ルーツ式コンプレッサの組立て方法であって、該方法は、左右のサイドフレームの1つに前記多段ロータの基端側を組み込んで全体を立設させる第1の手順と、前記多段ロータの1段目ロータにこれを被包する1段目ケーシングを挿着する第2の手順と、前記1段目ロータと次の2段目ロータとの間に一体的に形成されている連結軸に2つ割りの1段目仕切板を嵌め込みこれを前記1段目ケーシングに固定する第3の手順と、前記1段目仕切板をその前記凹溝に嵌め込ませながら2段目ロータを被包する2段目ケーシングを組み込み前記1段目ケーシングに当接する第4の手順と、引き続き2段目ロータと次の3段目ロータとの間に形成されている前記連結軸に2つ割りの2段目仕切板を嵌め込みこれを2段目ケーシングに固定する第5の手順と、以下多段ロータのロータの数だけ前記手順を繰り返し行って最後に前記サイドフレームと他のサイドフレームとを組み付けて全体を固定することを特徴とする多段ルーツ式コンプレッサの組立て方法。
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