JP4055465B2 - プロジェクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクタに関し、特に、反射型液晶ライトバルブを利用した電気光学装置の画像を拡大投写するプロジェクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
反射型の液晶ライトバルブを用いた投射型表示装置(液晶プロジェクタ)は、高精細の表示が可能であることから注目されている。
【0003】
一般的に液晶ライトバルブに用いられる配向モードには、電圧無印加状態で液晶分子の長軸方向が基板面に略平行で基板面に垂直な方向に沿ってねじれた配向を持つツイステッド・ネマティック(Twisted Nematic,以下、TNと略記する)モードと、液晶分子が垂直に配向した垂直配向モードとがある。
【0004】
垂直配向モードでは、液晶分子が基板面に対して略垂直に配列した状態(基板の法線方向から見た光学的リターデーションが無い状態)を黒表示として用いるため、黒表示の質が良く、高いコントラスト比が得られる。また、正面コントラスト比に優れる垂直配向型LCDでは、一定のコントラスト比が得られる視角範囲はTNモードに比較して広くなる。この観点から、垂直配向モードの液晶ライトバルブは、近年、例えばリア型プロジェクションTVなどの映像向けの用途に注目されている。垂直配向モードを採用した反射型液晶ライトバルブを有するプロジェクタの例としては特開平10−161127号公報などが知られている。
【0005】
ところで液晶ライトバルブでは、画像の解像度を上げるために画素電極のピッチを小さくすると、隣接した画素電極間に生じる横方向電界が液晶に与える影響が大きくなり、特に垂直配向モードを採用した場合においてはその影響を受けやすく、配向の乱れによってディスクリネーションが発生する。そしてディスクリネーションが発生するとその領域の液晶の変調動作に異常が生じ、投写画像の明るさの低下や表示ムラを引き起こし画質の劣化を招く。
【0006】
そのため、あらかじめ配向膜の処理によって液晶分子を基板の法線に対して傾け、配向規制力を強くしてディスクリネーションの発生を防止する対策がとられている。なお、本明細書においては電圧無印加状態における基板面の法線と液晶分子の平均的な長軸方向とのなす角度のことを「プレチルト角」と定義する。
【0007】
しかし、プレチルト角を大きくすると電圧無印加状態においても液晶分子で比較的大きなリターデーションが発生し、理想的には直線偏光であるべき出射光が楕円偏光に変換されてしまうことにより黒表示状態でも光が漏れ出してしまう。その結果コントラストが低下し、垂直配向モードの特徴を生かせなくなってしまう。この問題を回避するために、特許第3019813号には1/4波長板を用いて、プレチルト角に起因して出射する楕円偏光を再び略直線偏光に変換する方法が開示されている。
【0008】
また、これとは別にディスクリネーションによる画質低下を抑制するために、特開平10−142605号には液晶の配向方向を画素電極の辺の方向に対して略平行または略直交するように設定する方法が開示されている。
【0009】
反射型の液晶ライトバルブを用いたプロジェクタの光学系の構成としては、各色毎、具体的にはR(赤)、G(緑)、B(青)用の液晶ライトバルブの各々に対して光を垂直に入射させ、反射光を再び垂直に出射させるもの、すなわち、入射光と反射光の光路が同軸上にある「オンアクシス光学系」を採用したものが一般的である。オンアクシス光学系の例としては特開昭63−39294号、特開昭63−228887号などが知られている。
【0010】
しかしながら、「オンアクシス光学系」を採用した場合、入射光と反射光を分離するのに偏光ビームスプリッタ(Polarized Beam Splitter,以下、PBSと略記する)を用いる必要があるが、PBSはコストが高いため、装置全体のコストが高くなるという問題があった。そこで、液晶ライトバルブの垂直方向からずれた角度から光を入射させ、その入射方向とは異なる方向に反射光を出射させる方式の「オフアクシス光学系」を採用したプロジェクタが提案されている。オフアクシス光学系ではPBSが不要となるため、装置のコストを低減することができる。オフアクシス光学系の例としては特開平6−342141号などが知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
プロジェクタでは、有限な大きさを有する光源からあらゆる方向に出射した光を集光して液晶ライトバルブに入射させる。その結果、液晶ライトバルブに入射する光線の入射方位および入射角度はある一定の範囲を有するものとなる。この範囲が広ければ広いほど投写画像は明るくなる。
【0012】
前述した1/4波長板を用いるコントラスト改善方法では、コントラスト改善が達成され得る光線入射方位の範囲および光線入射角度の範囲は狭く、かつ光線入射角度が小さな領域に限定されるため、投写画像を明るくしようとするとコントラストの改善が充分に達成されない。そのため、高いコントラストを実現するためには明るさを犠牲にせざるを得ないという課題があった。
【0013】
さらには光学系としてオフアクシス光学系を用いた場合は、液晶ライトバルブへの入射光の光軸が基板法線方向に対して斜めになるため光線入射角度が大きくなり、さらなるコントラストの低下をもたらすという課題があった。
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、垂直配向モードを採用した反射型ライトバルブを有するプロジェクタにおいて、明るさを犠牲にすること無く高いコントラスト比を得ることが可能な構成を提供することを目的とする。さらには高いコントラスト比が得られるオフアクシス光学系からなるプロジェクタを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1のプロジェクタは、照明手段と、該照明手段から出射された光の偏光方向を規制する直線偏光手段と、該直線偏光手段により偏光方向を規制された光を変調する光変調手段と、該光変調手段により変調された光を検光する検光手段と、該検光手段により検光された光を投射する投射手段とを有するプロジェクタであって、前記光変調手段は、一対の基板間に垂直配向モードの液晶層が挟持され、前記照明手段からの光を前記一対の基板のうちの一方の基板側から入射させ、他方の基板側で反射させた後、前記一方の基板から出射させる反射型の液晶ライトバルブを備え、前記液晶ライトバルブを構成する前記一方の基板の外面側に少なくとも一つの位相差板を備え、該第一の位相差板のいずれかの主屈折率方位を前記一方の基板の法線に略平行に配置したことを特徴とする。
【0016】
また、前記第一の位相差板は一軸性位相差板であり、その光学軸を前記一方の基板の法線に略平行に配置したことを特徴とする。
【0017】
また、前記第一の位相差板は二軸性位相差板であることを特徴とする。
【0018】
また、前記第一の位相差板の面内に含まれる主屈折をn1およびn2としたときに、n1≒n2であることを特徴とする。
【0019】
さらには前記垂直配向モードの液晶層の配向方向と略直交もしくは略平行な方位から前記液晶ライトバルブに入射する光線が、前記垂直配向モードの液晶に付与されているプレチルト角に基づく複屈折作用を受けた結果生じる楕円偏光を、最も直線偏光に近い偏光に変換するように、前記第一の位相差板の厚み方向のリターデーションを設定してあることを特徴とする。
【0020】
また、前記第一の位相差板の面内リターデーションを略1/4波長とし、かつ前記第一の位相差板の厚み方向のリターデーションを、前記第一の位相差板から前記検光手段側に向けて出射する楕円偏光の長軸方位が前記検光手段の偏光透過軸に対して略直行する方向に変換されるように設定したことを特徴とする。
【0021】
本発明者は、プロジェクタに対して垂直配向モードの反射型液晶ライトバルブを適用した場合、液晶ライトバルブの光線入射側の基板の外面側に、いずれかの主屈折率方位を前記一方の基板の法線に略平行に配置した位相差板を配置することにより、垂直配向モードのプレチルト角に起因して生じるコントラスト低下を、効果的に改善できることを見出し、さらに前記位相差板として一軸性位相差板および二軸性位相差板を用いた場合のそれらの好適な光学性能条件見出した。
【0022】
前記位相差板の具体的な光学性能条件については[実施例]の項で詳述するが、特に、前記垂直配向モードの液晶層の配向方向と略直交もしくは略平行な方位から前記液晶ライトバルブに入射する光線が、前記垂直配向モードの液晶に付与されているプレチルト角に基づく複屈折作用を受けた結果生じる楕円偏光を、最も直線偏光に近い偏光に変換されるように、前記第一の位相差板の厚み方向のリターデーションを設定した場合、斜め方向から入射する光線のコントラストを大幅に改善することが可能となり、その結果オフアクシス光学系において高いコントラストを得ることが可能となる。
【0023】
また、本発明の第1のプロジェクタは、前記一方の基板の外面側に更に第2の位相差板を備え、該第2の位相差板は一軸性位相差板であり、その遅相軸が前記一方の基板と略平行な平面内に配置されていることを特徴とする。
【0024】
また、前記第2の位相差板が1/4波長板であることを特徴とする。
【0025】
さらに、前記垂直配向モードの液晶に付与されているプレチルト角に基づく複屈折作用に起因して出射される楕円偏光が最も直線偏光に近い偏光に変換されるように、前記1/4波長板の遅相軸方位を設定し、かつ、該楕円偏光の長軸方位が前記検光手段の偏光透過軸に対して略直行する方向に変換されるように、前記第一の位相差板の厚み方向のリターデーションを設定しことを特徴とする。
【0026】
本発明者は、プロジェクタに対して垂直配向モードの反射型液晶ライトバルブを適用した場合、前述のように液晶ライトバルブの光線入射側の基板の外面側に、いずれかの主屈折率方位を前記一方の基板の法線に略平行に配置した位相差板を配置した上で、さらに、遅相軸が前記一方の基板と略平行な平面内に配置されている一軸性位相差板からなる第2の位相差板を配置することにより垂直配向モードのプレチルト角に起因して生じるコントラスト低下を、効果的に改善できることを見出し、さらに前記第2の位相差板の好適例として1/4波長板を見出した。
【0027】
本構成では、従来例にあるように垂直配向モードのプレチルト角に起因して生じる楕円偏光を1/4波長板の機能によって略直線偏光に変換する。しかしこの直線偏光の方位は、液晶ライトバルブへの光線の入射方位および入射角度によってばらつきが出るために、検光手段で充分な消光を行うことが出来ずこのままでは高いコントラストを得ることは出来ない。そこで本発明においてはさらに主屈折率方位を前記一方の基板の法線に略平行に配置した位相差板を配置する。このような位相差板は光線の入射方位および入射角度毎に異なるリターデーションを光線に付与するので、該位相差板の厚み方向のレターデ−ションを適切に設定することにより、前記直線偏光の方位を略同一にかつ前記検光手段の偏光透過軸に対して略直行する方向にすることができる。その結果、高いコントラストを得ることが出来る。
【0028】
具体的な第一の位相差板の光学性能条件および1/4波長板の遅相軸方位設定については[実施例]の項で詳述する。なお、この1/4波長板と位相差板を用いたコントラスト改善機能とほぼ同等の機能は1枚の二軸性位相差板の光学性能条件を適切に設定することによっても実現することが可能であり、その詳細についても[実施例]の項で詳述する。
【0029】
上記課題を解決するため、本発明の第2のプロジェクタは、照明手段と、該照明手段から出射された光の偏光方向を規制する直線偏光手段と、該直線偏光手段により偏光方向を規制された光を変調する光変調手段と、該光変調手段により変調された光を検光する検光手段と、該検光手段により検光された光を投射する投射手段とを有するプロジェクタであって、前記光変調手段が、一対の基板間に垂直配向モードの液晶層が挟持され、前記照明手段からの光を前記一対の基板のうちの一方の基板側から入射させ、他方の基板側で反射させた後、前記一方の基板から出射させる反射型の液晶ライトバルブを備え、前記液晶ライトバルブを構成する前記一方の基板の外面側に1/4波長板を備え、前記垂直配向モードの液晶層の配向方向と略直交もしくは略平行な方位から前記液晶ライトバルブに入射する光線が、前記垂直配向モードの液晶に付与されているプレチルト角に基づく複屈折作用を受けた結果生じる楕円偏光を、最も直線偏光に近い偏光に変換するように、該1/4波長板の遅相軸の方位を設定したことを特徴とする。
【0030】
本構成によれば、斜め方向から入射する光線のコントラストを大幅に改善することが可能となり、その結果オフアクシス光学系において高いコントラストを得ることが可能となる。具体的な1/4波長板の方位設定については[実施例]の項で詳述する。
【0031】
また、本発明の第1及び第2のプロジェクタは、前記照明手段から前記液晶ライトバルブへの入射光の光軸と前記液晶ライトバルブから前記投射手段への反射光の光軸とが所定の角度をなすオフアクシス光学系の配置とされることを特徴とし、前記入射光の光軸と前記反射光の光軸を含む面が、前記垂直配向モードの液晶層の配向方向と略直交もしくは略平行に配置されていることを特徴とする。
【0032】
前記位相差板を備える前記液晶ライトバルブにおいては、垂直配向モードの液晶層の配向方向と略平行もしくは略直交する方位から入射する光線に対して最も高いコントラスト特性を示す。一方、オフアクシス光学系においては入射光の光軸と反射光の光軸を含む面内を進んで液晶ライトバルブに入射する光線の入射角が最も大きくなる。したがって、この光線入射方位と、液晶ライトバルブの最もコントラスト特性の高い方位を一致させることにより、オフアクシス光学系を採用したプロジェクタにおいて高いコントラスト特性を得ることが可能となる。
【0033】
また、本発明の第1及び第2のプロジェクタは、前記照明手段から前記液晶ライトバルブへの入射光の光路中に前記入射光の偏光方向を規制する直線偏光手段を配置し、前記液晶ライトバルブから前記投射手段への反射光の光路中に前記直線偏光手段に対して偏光透過軸が直交した検光手段を配置し、前記検光手段の前記投射手段側に第3の位相差板を配置し、該第3の位相差板により前記検光手段を透過した直線偏光の偏光方向を略45度回転することを特徴とする。さらには、前記直線偏光手段の前記液晶ライトバルブ側に第4の位相差板を配置し、該位相差板により前記直線偏光手段を透過した直線偏光の偏光方向を45度回転することを特徴とする。
【0034】
オフアクシス光学系においては、前記入射光の光軸と前記反射光の光軸を含む面を、前記液晶ライトバルブの短辺と平行に配置した場合光学系全体のサイズが最もコンパクトになる。また、高いコントラスト特性を得るためには、前記垂直配向モードの液晶層の配向方向と入射直線偏光の偏光方位は略45°の角度をなす必要がある。
【0035】
従って、前述した前記入射光の光軸と前記反射光の光軸を含む面が、前記垂直配向モードの液晶層の配向方向と略直交もしくは略平行に配置されている構成において光学系全体のサイズを最もコンパクトにするためには、前記液晶層の配向方向を液晶ライトバルブの長辺もしくは短辺と平行とする必要があり、必然的に入射直線偏光の偏光方位はそれらと略45°の角度をなす必要がある。
【0036】
一方、プロジェクタには光源から出射した白色光をR、G、Bの三原色成分に分解したり、逆に三原色成分を合成するためのダイクロイック光学素子が含まれるが、これらの色分離ないし合成特性は直線偏光の偏光方位が前記液晶ライトバルブの短辺と平行もしくは直交する場合に最も好ましい特性を示す。
【0037】
本発明では、前記検光子を透過後、液晶ライトバルブの短辺と45°の角度をなす直線偏光方位を第3の位相差板により45°回転して、色合成用のダイクロイック光学素子に入射する直線偏光の偏光方位を液晶ライトバルブの短辺と平行もしくは直交する方向に変換するので色再現性に優れたプロジェクタを実現することが出来る。また、同様の理由により、色分離用のダイクロイック光学素子を透過した光線のうち色再現性に優れた液晶ライトバルブの短辺と平行もしくは直交する直線偏光を第4の位相差板をもちいて45°回転して液晶ライトバルブへの望ましい入射直線方位に変換することが出来る。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるプロジェクタの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0039】
(実施の形態)
[プロジェクタの構成]
本実施の形態におけるプロジェクタ101の概略構成図を図1に示す。図1(a)はプロジェクタの上面図、(b)は側面図である。ここでは主に、(b)の側面図を参照しながらプロジェクタ101の概略構成を説明する。
【0040】
プロジェクタ101は照明手段102、照明手段102から出射された光束をR,G,Bの3原色成分に分離する色分離光学手段103、前記光束の偏光方向を変換する第4の位相差板104、前記光束の偏光方向を規制する偏光板105、位相差板106、入射光束の偏光状態を変調する液晶ライトバルブ107、液晶ライトバルブ107により変調された光束を検光する検光手段108、検光手段108を透過した直線偏光の偏光方向を変換する第3の位相差板109、R,G,Bの3原色成分を合成する色合成手段110、色合成手段で合成された光束を図示しないスクリーンに投写する投写レンズ111を有している。また、照明光学手段102は白色光源112、白色光源112を出射した光束の強度分布を均一化するインテグレーターレンズ113、該光束を所望の偏光状態に変換する偏光変換素子114とを有している。
【0041】
プロジェクタ101の光学系全体は、照明手段102から液晶ライトバルブ107に入射する入射光の光軸L1と液晶ライトバルブ107から投写レンズ111に出射される反射光の光軸L2とが所定の角度をなすオフアクシス光学系の配置とされている。
【0042】
色分離手段103、色合成手段110はクロスダイクロイックプリズムやクロスダイクロイックミラーで構成される。なお、図には両手段を分離した構成例を示しているが、両手段が一つのクロスダイクロイックプリズムやクロスダイクロイックミラーで構成されていても構わない。
【0043】
第4の位相差板104、偏光板105、位相差板106、液晶ライトバルブ107、検光手段108、第3の位相差板109は、色分離手段103で分離された各三原色光束の光路にそれぞれに配置されるものであり、各三原色光束の波長にあわせて最適化した性能のものを使用することが望ましく、(a)の上面図においては各符号にR,G,Bの符号を添えて記載している。なお、(b)の側面図においては、説明を一般化するためにR,G,Bの符号を添えずに記載している。
【0044】
検光手段108は偏光板105に対してクロスニコル配置された偏光板であることが望ましく、これらの作用により、液晶ライトバルブ107によって変調された光の透過、遮断が選択され、明表示、暗表示が切り替わるようになっている。
【0045】
位相差板106は説明のために図では1枚の構成で示してあるが、複数枚で構成されていても良く、その詳細については実施例3の項で説明する。
【0046】
第4の位相差板104および第3の位相差板109は必ずしも設置しなければならないものではなく、その詳細についても実施例5の項で説明する。
【0047】
なお、本実施形態において、座標系はx−y−z右手系直交座標系を用い、図1の図中に示すごとく、z軸を液晶ライトバルブ107の法線に対して平行にかつ投写レンズ111の方向を正方向に向けて配置し、y軸は入射光の光軸L1と反射光の光軸L2が形成する面に含まれるように配置する。
【0048】
次に本実施の形態における光線の進行方向の定義について図2(a)を用いて説明する。本実施の形態においては光線201の進行方向を液晶ライトバルブ107にて反射直後の光線進行方向ORと定め、その方向を図1で説明したx−y−z直交座標系を用いて定義する。図2(a)において反射後の光線進行方向ORとz軸のなす角を極角θと定義する。また、線分O−Aは光線進行方向ORを含む面O―A―B―Cとx−y平面の交線であり、これとx軸のなす角をx軸を基点に反時計周りを正として方位角φと定義する。
【0049】
なお、以降の説明において光線進行方向毎の各種特性を図2(b)に示す視角特性図を用いて説明する。この視角特性図上のK点の特性値もしくは特性は、K点と原点の距離をθ、水平軸とK点のなす角をφとする光線の特性値もしくは特性を示している。なお、水平軸とK点のなす角φは視角特性図の水平軸を基点として反時計周りの方向を正とする。
【0050】
[液晶ライトバルブの構成]
本実施の形態における液晶ライトバルブの概略構成を図3に示す。図3(a)は液晶ライトバルブ107の断面図、(b)は光入射側から見た画素構成の平面拡大図である。液晶ライトバルブ107は表面上に反射画素電極303をマトリクス状に形成したシリコン基板302と、透明電極304を形成した透明基板305をスペーサー306を介して対向配置し、その間に液晶307が封入されている。なお、シリコン基板302には反射画素電極303を駆動するための図示しない駆動回路も形成されている。これら二つの基板302、305のそれぞれ対向する表面には液晶307を所定の方向に配向するための配向膜308,309が形成されている。
【0051】
個々の画素電極303は図3(b)に示すごとく、辺をx軸ないしy軸に対して略平行にしてマトリクス状に配置されている。
【0052】
図4(a)は電圧無印加時における垂直配向モードの液晶分子401の配向状態を示すものであり、液晶分子401はその長軸402が基板302ないし305の法線に対して所定の小さな角度を有する状態で互いに略平行に配向している。
【0053】
液晶分子401の配向状態の定義を図4(b)を用いて説明する。本定義においても図1で説明したx−y−z直交座標系を用いる。図において液晶分子の長軸402とz軸のなす角をプレチルト角と定義する。また、線分O−Aは液晶分子の長軸402を含む面O―A―B―Cとx−y平面の交線であり、これとx軸のなす角をx軸を基点に反時計周りを正として配向方位と定義し、φlcと記述する。
【0054】
[位相差板の構成]
本実施形態における位相差板106の構成について、以下の実施例で詳述するが、それに先立ち、本実施形態における位相差板106の機能を図23を用いて説明する。図23(a)(b)はいずれも液晶ライトバルブ107が暗表示状態における光線の偏光状態変化の様子を示すものであり(a)は位相差板106が無い場合の状態を(b)は位相差板106を配置した場合の状態を示している。入射側偏光板2301はその偏光透過軸2302が紙面内にあるため、それを透過した光線は紙面内に振動する直線偏光2303となる。なお、偏光透過軸2302の方位は、本説明の便宜上設定されたものであり、各実施例における偏光透過軸の方位については都度説明をする。液晶ライトバルブ107が暗表示の場合、液晶分子にはわずかな電圧がかかっているだけなので、液晶分子はほぼ図4に示したように基板305の法線に対してあらかじめ付与されたプレチルト角をもって配向されており、このプレチルト角に起因する複屈折作用によって、入射する偏光に位相差を付与する。図23(a)のように位相差板106が無い場合は、直線偏光2303が液晶分子によって位相差を付与され、液晶ライトバルブ107で反射された後は楕円偏光2304となって、引き続き偏光透過軸2306が入射側偏光板の偏光透過軸2302に対して略直交するようにクロスニコル配置された出射側偏光板(検光手段)2305に入射する。
【0055】
この楕円偏光2304は、偏光透過軸2306に平行な偏光成分とそれに直交する偏光成分の両偏光成分を有するため、前者が出射側偏光板2305を透過してしまう。その結果、液晶ライトバルブ107が黒表示状態にあるにもかかわらず投写画像が明るくなり、プロジェクタのコントラスト特性が著しく低下する。
【0056】
一方、図23(b)の位相差板106は、液晶分子のプレチルト角に起因する複屈折作用によって偏光に付与される位相差をおおむね打ち消す位相差を偏光に付与する機能を有している。本発明においてはこの機能を位相補償機能と称することにする。この位相補償機能は、位相差板106の複屈折特性により発現される。位相差板106に入射した直線偏光2303は位相差板106で位相差を付与され楕円偏光2307になる。楕円偏光2307は液晶分子のプレチルト角に起因する複屈折作用によってさらに位相差を付与され、反射後は楕円偏光2308となるが、再び位相差板106で位相差を付与される結果、直線偏光2303とおおむね等しい楕円偏光2309に戻って、出射側偏光板2305に入射する。楕円偏光2309は偏光透過軸2306に平行な偏光成分を極めてわずかしか有さないため、そのほとんどが出射側偏光板2305により吸収され、漏れ出す光はわずかなものとなる。結果として位相差板106が無い場合に比べてプロジェクタのコントラスト特性を大幅に向上させることができる。
【0057】
次に図24を用いて直線偏光2303とおおむね等しい楕円偏光2309の偏光状態の詳細を説明する。直線偏光2303は図24(a)に示すごとく、楕円率が0で、出射側偏光板2305の偏光透過軸2306に略直交している。なおここで楕円偏光の楕円率とは 楕円の短軸の長さをS、長軸の長さをLとしたときにS/Lであらわされる比率と定義する。
【0058】
一方、位相差板106が無い場合の楕円偏光2304は図24(b)に示すごとく、楕円率が大きく、かつその長軸方位2401が、偏光透過軸2306に直交する偏光吸収軸方位2402からずれている。出射側偏光板2305から漏れ出す偏光成分は、楕円偏光2304の偏光透過軸2306に平行な成分であり、これは楕円率が大きいほど大きくなり、かつ長軸方位2401と偏光吸収軸方位2402のなす角が大きくなればなるほど大きくなる。
【0059】
位相差板106で位相補償作用を受けた楕円偏光2309は、図24(c)に示すように、楕円偏光2304に比べて楕円率が小さくなった状態2403もしくは図24(d)に示すように、長軸方位2401と偏光吸収軸方位2402のなす角がより小さくなった状態2404、もしくはそれらのいずれをも備えた状態になる。その結果、出射側偏光板2305から漏れ出す偏光成分が小さくなりプロジェクタのコントラスト特性を大幅に向上させることができる。
【0060】
以下に述べる全ての実施例は、光学系のFナンバーをF3.5、入射光の光軸L1と液晶ライトバルブ107の法線がなす角を13°とした場合の例で説明してある。また、液晶材料としては、
液晶弾性定数k11: 1.3e-11 k22: 4.875e-12 k33: 1.95e-11
液晶比誘電率 ε(平行): 3.5 ε(垂直): 7.4
液晶屈折率 no: 1.475 ne:1.556
という特性を有するものを用い、液晶ライトバルブセル厚を3μmに設定した場合の例で説明してある。
【0061】
もちろんここに述べた以外の光学系Fナンバー、光軸L1と液晶ライトバルブの法線がなす角度、液晶材料およびセル構成をもちいても、位相差板106の特性をそれぞれの実施例の主旨に沿うよう適宜最適化することによって、それぞれの実施例に述べられている効果と同等の効果を得ることができる。
【0062】
(実施例1)
本実施例は位相差板106を、いずれかの主屈折率方位が液晶ライトバルブ107の法線に対して平行に配置された1枚の位相差板で構成した例である。
【0063】
一般に位相差板の光学的性質は互いに直交する方向の屈折率であるところの3つの主屈折率n1,n2,n3で表現される。これらの3つの主屈折率の大きさの関係に着目した場合、例えば、n1=n2≠n3のように2つの主屈折率が等しい場合は、位相差板は一軸性位相差板であり、n1≠n2≠n3のようにいずれも等しくない場合は二軸性位相差板である。
【0064】
ここでは説明を簡略化するために、まず一軸性位相差板を例にとって説明を行なう。この位相差板は主屈折率n3の方位を液晶ライトバルブ107の法線に対して、平行に配置する。また、3つの主屈折率の大小関係はn1=n2≠n3の関係にあるものとする。このような位相差板においては、光学軸が主屈折率n3の方向と一致する。
【0065】
一般に、位相差板に光線が入射した場合、位相差板の光学軸と入射光線が形成する面内に振動する偏光成分(異常光成分)とそれに直交して振動する偏光成分(常光成分)の間に位相差が発生し偏光状態が変化する。
【0066】
図5に、本実施例の位相差板に対する異常光成分の振動面方位と光線の方位角φの関係を示す。本実施例においては位相差板の光学軸が液晶ライトバルブ107の法線に対して平行に配置されているため、たとえば方位角60°の光線の異常光成分の振動面は501に示すように方位角60°の方向を向いている。また常光成分の振動面はそれに対して直交している。同様に方位角90°、120°の光線の異常光成分の振動面方位はそれぞれ502、503に示すように方位角90°、120°の方向を向いている。
【0067】
次に、図6(a)に示すように、液晶配向方位φlc601を180°に設定した場合を考える。この方位は、液晶ライトバルブの画素電極303の長辺に平行な方向であり、従来の技術の項で説明したように、ディスクリネーションによる画質劣化を抑制する上で有効な液晶配向方位である。この場合、入射側偏光板105の偏光透過軸方位は602に示すように方位角135°に設定されている。従って、位相差板106に入射する光線の直線偏光方位はいずれの方位角の光線においても603に示すようにほぼ方位角135°を向いている。なお、以降の説明において、入射する光線の直線偏光方位をφpolと記述する。また、図6(a)の直線偏光方位603については、説明の簡略化のため最大の極角θを有する光線についてのみ示したが、これより小さい極角θの光線についても同様である。
【0068】
従って、方位角φが135°の光線は、方位角φと直線偏光方位φpolが一致するため、位相差板106に対して異常光成分604しか有さない。従って、この方位角φを有する光線は位相差板106によって偏光状態が変化しない。同様に、方位角45°の光線は常光成分605しか有さないためこれも位相差板106によって偏光状態が変化しない。それ以外の方位角φの光線は異常光成分および常光成分の両方を有するため位相差板106によって偏光状態が変化する。この様子を図6(b)に模式的に示す。図中にハッチングで示す領域606ないし609は位相差板106によって偏光状態の変化を受け易い光線角度領域を示す。
【0069】
偏光状態の変化を受け易い領域606ないし609とは、液晶のプレチルト角に基づく複屈折作用を受けた結果生じる楕円偏光を位相差板106の位相補償機能によって直線偏光化しやすい領域であり、さらにいえばコントラスト性能を高めることができる領域である。この領域606ないし609は図から明らかなように液晶の配向方位φlc601と略平行もしくは略直交する方位を中心としてそのまわりに存在する。なお、ある一つの特性を有する位相差板106に対しては、領域606ないし609の全てにおいてコントラスト性能が改善されるわけではなく、いずれか一つの領域のコントラスト性能が選択的に改善される。位相差板106の特性を変化させると、それに応じてコントラスト性能が改善される領域も変化する。その詳細については後に述べる。
【0070】
本実施例の光学系の構成(FナンバーがF3.5、入射光の光軸L1と液晶ライトバルブ107の法線がなす角が13°)では、照明光束の光線角度が分布する領域はおおむね図7のハッチングで示した領域701になる。この領域は、概略、光線方位角φが60°〜120°、極角θが5°〜20°にまたがっており、液晶配向方向である方位角180°に対して略直交する方向に存在することから、それと位相差板106によってコントラスト領域を改善できる領域はおおむね一致する。したがって、位相差板106で発生する位相差をこの領域の光線の位相補償に必要とする量に適宜調整することによってプロジェクタのコントラスト特性を向上させることが可能となる。
【0071】
また、液晶配向方位φlcを270°に設定した場合は、光線の分布する角度領域701は液晶配向方位φlcと略平行な方位に存在することから、この場合も同様にコントラスト特性を向上させることが可能となる。
【0072】
なお、領域701の光線全体にわたりくまなく位相補償を行なうためには、位相差板106で発生する位相差を領域701の略中心にある光軸光線の位相補償に必要とする量にあわせ込むことが望ましい。
【0073】
以上の説明は、一軸性位相差板を例にとって説明してきたが、位相差板106としてn1≠n2≠n3の関係となる二軸性位相差板を使う場合においても、上記機能を実現する上でn1≒n2とみなせる限りは同様な説明が成り立つ。
【0074】
次に、位相差板106の構成について説明する。ここではより一般化した説明を行なうために二軸性位相差板を例にとって説明するが一軸性位相差板はその特殊な条件を満たす例として理解すれば良い。二軸性位相差板の光学的性質は互いに直交する方向の屈折率であるところの3つの主屈折率n1,n2,n3で表現される。本実施例では、位相差板106の厚み方向と主屈折率n3の方向が略一致するように構成する。その結果、n1,n2は位相差板106の面内における主屈折率となるが、ここでn1≧n2の関係を満足するようにその方向を定める。また、位相差板106で発生する位相差を定義するために、面内リターデーションRfと厚み方向リターデーションRpを以下の式に従って定義する。
Rf=(n1−n2)×d
Rp=[(n1+n2)/2−n3]×d
ここでdは位相差板106の厚さである。
【0075】
液晶プレチルト角5°、液晶配向方位φlcを180°に設定した液晶ライトバルブに、光線波長550[nm]、直線偏光方位φpolが135°の光束を入射し、位相差板106としてRf≒0[nm]、Rp=180[nm]の特性を有するものを使用した場合のコントラスト視角特性を図8(a)に示す。図中に示す曲線は等コントラスト曲線であり、濃い曲線がコントラスト3000の等コントラスト曲線、薄い曲線がコントラスト1000の等コントラスト曲線である。同一種類の等コントラスト曲線に囲まれた領域はその曲線が示すコントラスト値以上のコントラスト特性を有する領域である。図8(b)は、図8(a)のコントラスト視角特性と本実施例の光学構成における照明光束の光線角度分布領域701の関係を示す図であり、高コントラスト領域と、照明光束の光線角度分布領域が良く一致していることが分かる。この場合、プロジェクタのコントラスト特性値として1950が得られた。
【0076】
なお、本実施例においては、コントラスト視角特性図として波長550[nm]のものを示したが、位相差板の光学特性を適宜調整することにより、これ以外の波長でもほぼ同等の視角特性を得られることは言うまでもない。この事情は以降の実施例においても同様である。
【0077】
液晶のプレチルト角を1°、5°、7.5°の3水準に設定して位相差板106のRp値を変化させた場合の投射型表示装置のコントラスト特性変化を図9に示す。図9は縦軸にコントラスト値を横軸に位相差板106のRp値を取ったグラフでありRp値の単位は、使用波長に対する比率であるλを単位として表示してある。なお、いずれのRp値においてもRf≒0[nm]に設定されている。
【0078】
また、プレチルト1°において、Rp<0.41におけるデータは液晶配向方位φlc=180°、直線偏光方位φpol=135°の条件で得られた値、Rp≧0.41におけるデータは液晶配向方位φlc=270°、直線偏光方位φpol=225°の条件で得られた値である。同様にプレチルト5°および7.5°においてRp≦0.41におけるデータは液晶配向方位φlc=180°、直線偏光方位φpol=135°の条件で得られた値、Rp>0.41におけるデータは液晶配向方位φlc=270°、直線偏光方位φpol=225°の条件で得られた値である。
【0079】
これはRp値を変化させた場合、あるRp値を境に、コントラスト性能が改善される領域が液晶配向方向φlcに対して、直交する方向から平行な方向に90°移動するので、高コントラスト領域を光線角度分布領域701にあわせ込むためには、それに応じてφlcとφpolを90°回転させる必要があるためである。
【0080】
図9から明らかなように、本実施例の位相差板106を用いれば、プレチルト角を変化させても、広い範囲のRp値で1000以上の高いコントラスト特性が得られている。
【0081】
このような位相差板の好適な例として、住友化学工業株式会社製のVACフィルムがあげられる。VACフィルムは面内レターデーションRfが小さく、かつ面内の平均屈折率が厚み方向の屈折率より大きい二軸性位相差板であり、厚み方向レターデーションRpを任意に設定することができる。以下にいくつかの製品の具体的なレターデーション値を示す。
VAC−C30 Rf=6[nm]、Rp= 87.5[nm]
VAC−C60 Rf=6[nm]、Rp=133.9[nm]
VAC−C90 Rf=6[nm]、Rp=178.7[nm]
VAC−C190 Rf=6[nm]、Rp=330.2[nm]
これらの製品はいずれも本実施例に適用可能な特性を有している。
【0082】
(実施例2)
本実施例は位相差板106を1/4波長板で構成し、その遅相軸方位を特定の方位に配置することによって、実施例1とほぼ同等のコントラスト視角特性を実現する例である。
【0083】
1/4波長板の遅相軸方位とコントラスト視角特性の関係を図10を用いて説明する。いま、液晶のプレチルト角を5°とし、図10(a)に示すごとく液晶配向方位φlc 1001を135°、入射直線偏光方位φpol 1002を90°に設定した場合、1/4波長板の遅相軸の方位φqw 1003を89.5°近傍に設定することにより図10(b)のハッチングで示した領域1004のコントラスト特性を大幅に改善することができる。この領域1001は方位角0°、90°、180°、270°の方向に線状に広がっており、これと図7に示した照明光束の光線角度分布領域701がオーバーラップする領域は狭い。
【0084】
図11は1/4波長板の遅相軸方位を変化させた場合のコントラスト視角特性の変化の様子を説明する図である。図11(a)は図10(b)と同じくφqwを89.5°近傍に設定した場合のコントラスト視角特性である。φqwを89.5°より大きく設定していくと、図11(b)に示すごとく、高コントラスト領域1102および1103は液晶配向方位φlcと略直交する方位である方位角45°および225°の方向に移動し、かつ極角θの範囲が徐々に大きくなっていく。一方、φqwを89.5°より小さく設定していくと、図11(c)に示すごとく、高コントラスト領域1104および1105は液晶配向方位φlcと略平行な方位である方位角315°および135°の方向に移動し、かつ極角θの範囲が徐々に大きくなっていく。これは、1/4波長板の遅相軸方位を変化させるにともない、1/4波長板が光線に付与する位相差が変化し、その結果最も良く位相補償される光線角度分布領域が変化するためである。
【0085】
高コントラスト領域1102ないし1105はいずれも1004に比較すると分布領域が特定の範囲にまとまっていることから、これらを照明光束の光線角度分布領域701にあわせ込むことによって、オーバーラップ領域をより広くし、その結果オフアクシス光学系を用いたプロジェクタのコントラスト特性を改善することが可能になる。
【0086】
例えば、高コントラスト領域1102を照明光束の光線角度分布領域701にあわせ込むには、液晶配向方位φlcおよびφpolを図11(b)の配置に対して+45°回転して配置すれば良い。同様に高コントラスト領域1105を照明光束の光線角度分布領域701にあわせ込むには、液晶配向方位φlcおよびφpolを図11(c)の配置に対して−45°回転して配置すれば良い。
【0087】
なお、領域701の光線全体にわたりくまなく位相補償を行なうためには、領域701の略中心にある光軸光線を最もよく位相補償するように、1/4波長板の遅相軸方位を設定することが望ましい。
【0088】
液晶プレチルト角5°、φlc180°に設定した液晶ライトバルブに、光線波長550[nm]、φpol135°の光束を入射し、1/4波長板の遅相軸方位φqwを135.5°に設定した場合のコントラスト視角特性を図12(a)に示す。この例は、図11(b)の高コントラスト領域1102を+45°回転して光線角度分布領域701にあわせこむものである。
【0089】
また、液晶プレチルト角5°、φlc270°に設定した液晶ライトバルブに、光線波長550[nm]、φpol225°の光束を入射し、1/4波長板の遅相軸方位φqwを223.5°に設定した場合のコントラスト視角特性を図12(b)に示す。この例は、図11(c)の高コントラスト領域1104を+135°回転して光線角度分布領域701にあわせこむものである。
【0090】
いずれの視角特性においても、高コントラスト領域と、図7の照明光束の光線角度分布領域701が良く一致していることが分かる。この場合、プロジェクタのコントラスト特性値として図12(a)の場合は1760が、図12(b)の場合は1860が得られた。
【0091】
図13に1/4波長板の遅相軸方位φqwを変化させた場合のプロジェクタのコントラスト特性値を示す。このグラフの縦軸はプロジェクタのコントラスト値を、横軸は1/4波長板遅相軸方位φqwとφpolの差(φqw−φpol)をとっている。なお、液晶のプレチルト角としては5°、10°の2水準を設定した。また、プレチルト5°において、(φqw−φpol)≧−0.5°におけるデータは液晶配向方位φlc=180°、直線偏光方位φpol=135°の条件で得られた値、(φqw−φpol)<−0.5°におけるデータは液晶配向方位φlc=270°、直線偏光方位φpol=225°の条件で得られた値である。同様にプレチルト10°において(φqw−φpol)≧−2°におけるデータは液晶配向方位φlc=180°、直線偏光方位φpol=135°の条件で得られた値、(φqw−φpol)<−2°におけるデータは液晶配向方位φlc=270°、直線偏光方位φpol=225°の条件で得られた値である。
【0092】
プレチルト角5°の場合は1/4波長板の遅相軸方位を−1.5°および+0.5°に設定した場合もっとも高いコントラスト特性が得られており、プレチルト角10°の場合は1/4波長板の遅相軸方位を−3°および−1.5°に設定した場合もっとも高いコントラスト特性が得られている。
【0093】
このように、使用する液晶ライトバルブのプレチルト角に応じて適宜1/4波長板の遅相軸方位を設定することにより、高いコントラスト特性を有するプロジェクタを実現することができる。
【0094】
(実施例3)
本実施例は位相差板106を、いずれかの主屈折率方位が液晶ライトバルブ107の法線に対して平行に配置された位相差板と1/4波長板の2枚で構成した例である。その概略構成を図14(a)に示す。液晶ライトバルブ107の光線入射面側には位相差板1401と1/4波長板1402が配置されている。位相差板1401のいずれかの主屈折率方位1403は液晶ライトバルブの法線1404と略平行に配置されており、1/4波長板1402の遅相軸1405は略面内に配置されている。また図14(b)に示すごとく1/4波長板1402をz軸の正方向から見た場合、その遅相軸1408はx軸に対して所定の角度φqwをもって配置されている。
【0095】
なお、図14では説明の便宜上、位相差板1401と1/4波長板1402を分離して描いてあるが、両者を光学接着剤等を用いて一体化して、表面反射による光エネルギーロスを低減することができる。さらにはそのように一体化した位相差板106を液晶ライトバルブの透明基板305に一体化することにより、いっそうの光エネルギーロスを低減することが可能になる。
【0096】
また、図14では液晶ライトバルブ107から光源側に向かって、位相差板1401、1/4波長板1402の順で配置する構成を描いてあるが、それらの順は逆でも構わない。
【0097】
次に本実施例の位相差板の位相補償機能を説明する。本実施例の位相差板の位相補償機能は1/4波長板1402の単独の位相補償機能と位相差板1401のそれの協働作用として理解できる。
【0098】
まず、1/4波長板1402の単独の位相補償機能を説明する。実施例2において図10を用いて説明したごとく、液晶のプレチルト角を5°とし、φlcを135°、φpolを90°に設定した場合、1/4波長板1402の遅相軸の方位φqwを89.5°近傍に設定することによりハッチングで示した領域1004のコントラスト特性を大幅に改善することができる。一方で、それ以外の領域のコントラスト特性はあまり改善されない。この理由を図15を用いて説明する。
【0099】
図15は図10(a)に示した構成において、液晶ライトバルブ黒表示時に、1/4波長板を往復透過した後の光線の偏光状態を方位角毎に示す図である。これらの光線はいずれも等しい極角θを有している。図15における偏光状態の表示形態を、φ30°の光線の場合を例にとって説明する。φ30°の光線の偏光状態は楕円偏光1501で示されている。直線1502は、出射側偏光板の吸収軸方位を示している。また、楕円偏光1501の長軸方位を直線1503で示してある。他の方位角においてもこれと同じ形式で偏光状態を示してある。なお、図15に示した光線の偏光状態は、説明の便宜上、楕円偏光1501の楕円率および長軸1503の方位を誇張して描いてある。実際には楕円偏光1501の楕円率はより小さくほとんど直線偏光に近い。また、長軸1503と出射側偏光板の吸収軸方位1502のなす角は非常に小さい。
【0100】
φ0°、90°、180°、270°の光線の偏光状態を見ると、楕円偏光の長軸方位と出射側偏光板の吸収軸がほぼ一致している。一方、それ以外の方位の光線においては楕円偏光の長軸方位と出射側偏光板の吸収軸がある角度をなしていることが分かる。楕円偏光の楕円率がほぼ同等であれば、楕円偏光の長軸方位と出射側偏光板の吸収軸のなす角度が大きくなればなるほど出射側偏光板から漏れ出す光は多くなる。従って、φ0°、90°、180°、270°の光線に比べてそれ以外の方位の光線は出射側偏光板から漏れ出す光線が多く、コントラスト特性は相対的に悪化する。これが、1/4波長板を単独で使用した場合に、図10(b)に示すようなコントラスト特性分布が生じる理由である。
【0101】
図16は以上の内容をより定量的に説明するための図である。図16は極角θが13°の光線について、横軸に方位角φ、縦軸に図15の出射側偏光板の吸収軸方位1502と楕円偏光1501の長軸方位1503のなす角度(方位角度差)を示したものである。なお、この角度は出射側偏光板の吸収軸方位を基点として反時計廻り方向の角度を正にとってある。また、方位角φは説明を簡単にするために165°まで示しているがこれ以上の角度においても同様の傾向を示す。図16の点線の曲線は、1/4波長板を単体で使用した場合の角度差を示しており、図15で説明したごとく方位角0°、90°では0°となるが、それ以外の方位角においては角度差が大きくなる。
【0102】
次にいずれかの主屈折率方位が液晶ライトバルブ107の法線に対して平行に配置された位相差板単体の機能を説明する。これについては、すでに実施例1において図5ないし図6を用いて説明したように、液晶の配向方位φlcに対して略直交もしくは略平行な方位を中心とする範囲から入射する光線に対して位相補償機能を発現する。これを本実施例にあてはめると、本実施例では液晶の配向方位φlcを135°に設定してある例で説明しているので、方位角45°もしくは方位角135°を中心とする方位から入射する光線に対して位相補償機能を発現することになる。図16をみると、1/4波長板を単独で用いた場合には点線で示すように方位角45°、方位角135°の光線が最も大きい角度差を有している。従って位相差板の厚み方向のレターデーション値を適宜調節して、これらの方位角の光線の楕円長軸方位を出射側偏光板の吸収軸方位に近づけることによりプロジェクタのコントラスト特性を改善することができる。
【0103】
1/4波長板1002の遅相軸方位を89.5°、位相差板1401の厚み方向レターデーションRpを135nm、面内レターデーションRfを略0nmに設定した場合の出射側偏光板の吸収軸方位と楕円偏光の長軸方位のなす角度差を図16に実線でしめす。同図から明らかなように、位相差板1401を付加することによって角度差が極めて小さくなっていることが分かる。この場合のコントラスト視角特性を図17に示す。プロジェクタのコントラスト特性値として6500が得られた。
【0104】
図18に位相差板1401のRp値を変化させた場合のプロジェクタのコントラスト特性値を示す。同図は横軸にRp値、縦軸にコントラスト特性値を示したもので、広いRp値の範囲で高いコントラスト特性が得られている。なお、Rp値の単位は、使用波長に対する比率であるλを単位として表示してある。また、いずれのRp値においてもRf≒0[nm]に設定されている。
【0105】
図19に位相差板1401のRp値を約0.25λに設定し、液晶プレチルト角を変化させた場合のコントラスト特性値を示す。同図は横軸に液晶プレチルト角、縦軸にコントラスト特性値を示したもので、プレチルト角を大きくしても高いコントラスト特性が得られている。
【0106】
位相差板1401の好適な例としては実施例1で述べた、住友化学工業株式会社製のVACフィルムがあげられる。
【0107】
なお、本実施例では、プロジェクタの光学系としてオフアクシス光学系を用いた例を述べたが、本実施例の位相差板を使用する場合のコントラスト視角特性は図17に示すように高いコントラスト領域が広い方位に広がっているため、光学系としてオンアクシス光学系を用いたプロジェクタにおいても高いコントラスト特性を得られることは言うまでもない。また、液晶配向方位φlcとして135°の場合を説明したが、同様の理由によりこれを別の方位に設定しても高いコントラスト特性を得られることは言うまでもない。
【0108】
(実施例4)
本実施例は、実施例3で説明した位相差板1401と1/4波長板1402の協働作用による位相補償機能を1枚の二軸性位相差板で実現する例である。
【0109】
本実施例の二軸性位相差板における主屈折率n1、n2、n3の方位は実施例1で述べたものと同一であるのでここでは説明を省略する。本実施例の二軸性位相差板は面内リターデーションRfが略λ/4に設定されており、また、面内の主屈折率n1の方位が、所定の方位角に設置されている。これらの構成は、実施例3における1/4波長板1402の構成とほぼ同等である。厚み方向のレターデーションRpは実施例3の位相差板1401と略同等の機能を発現するよう適宜調整されている。本実施例の二軸性位相差板においては、面内位相差リターデーションRfが大きな値を有するため、位相差板1401と略同等の機能を発現するための厚み方向のレターデーションRpは、実施例3で述べた位相差板1401のRp値とは必然的に異なる値となる。
【0110】
具体的な数値の一例として、液晶方位角φlc 135°、液晶プレチルト角 5°、入射偏光軸方位φpol 90°の場合、二軸性位相差板の主屈折率をn1=1.50074、n2=1.499122、n3=1.495696、n1の方位角を89.5°、厚さをd=85μmに設定した。この構成において、波長550nmに対する二軸性位相差板の面内レターデーションRfは約λ/4、厚み方向レターデーションRpは約0.65λとなっている。本構成のコントラスト視角特性を図20に示す。この場合、プロジェクタのコントラスト特性値として6400が得られた。
【0111】
図21に二軸性位相差板Rp値を変化させた場合のプロジェクタのコントラスト特性値を示す。同図は横軸にRp値、縦軸にコントラスト特性値を示したもので、広いRp値の範囲で高いコントラスト特性が得られている。なお、Rp値の単位は、使用波長に対する比率であるλを単位として表示してある。また、いずれのRp値においてもRf≒λ/4に設定されている。
【0112】
図22に二軸性位相差板のRp値を約0.65λに設定した場合に、液晶プレチルト角を変化させた場合のコントラスト特性値を示す。同図は横軸に液晶プレチルト角、縦軸にコントラスト特性値を示したもので、プレチルト角を大きくしても高いコントラスト特性が得られている。
【0113】
なお、本実施例では、プロジェクタの光学系としてオフアクシス光学系を用いた例を述べたが、本実施例の二軸性位相差板を使用する場合のコントラスト視角特性は図17に示すように高いコントラスト領域が広い方位に広がっているため、光学系としてオンアクシス光学系を用いたプロジェクタにおいても高いコントラスト特性を得られることは言うまでもない。
【0114】
(実施例5)
実施例1ないし2で説明したような、液晶配向方位φlcを180°にする構成においては、入射偏光軸方位φpolを135°に設定する必要があり、従って出射側偏光板108の偏光透過軸方位はそれと直交する45°に設定される。
【0115】
ところで、プロジェクタの小型化をはかる上では、クロスダイクロイックプリズムやクロスダイクロイックミラー等で構成される色合成手段110のダイクロイック面の法線をx−z面に平行に配置することが望ましい。この配置においては、色合成手段110は、直線偏光方位が0°もしくは90°の直線偏光に対して最も優れた色合成機能を発現する。従って、出射側偏光板108の偏光透過軸方位を45°に配置した場合には充分に優れた色合成特性を得ること難しく、プロジェクタの画質低下が生じる。
【0116】
本実施形態においては、この問題を回避するために、出射側偏光板108と色合成手段110の間に第三の位相差板109を備えている。この第三の位相差板109は出射側偏光板108を透過した直線偏光方位が45°の直線偏光の偏光軸を+45°ないしは−45°回転させることにより、色合成手段に入射する直線偏光の偏光軸方位を0°もしくは90°に変換する機能を有する。このような位相差板としては、遅相軸方位を22.5°もしくは67.5°に設定した1/2波長板が好適な例としてあげられる。
【0117】
以上の事情は色分離手段103に対しても成り立つ。色分離手段103においては、直線偏光方位が0°もしくは90°の直線偏光に対して最も優れた色分離機能を発現するので、そのような偏光方位を有する直線偏光が、偏光透過軸方位を135°に設定した入射側偏光板105を透過するように、色分離手段103と入射側偏光板105の間に第四の位相差板104を備えている。この第四の位相差板としても遅相軸方位を適宜設定した1/2波長板が好適な例としてあげられる。
【0118】
なお、液晶配向方位φlcを45°、135°、225°、315°に設定した場合は入射偏光軸方位φpolおよび出射側偏光板108を透過した直線偏光軸方位が0°もしくは90°となるので、第三の位相差板109、第四の位相差板104は必ずしも必要ではなく省略することも可能である。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、垂直配向モードの液晶層を有する反射型の液晶ライトバルブを備えたプロジェクタにおいて、いずれかの主屈折率方位を前記液晶ライトバルブの法線に略平行に配置した位相差板を備え、該位相差板の厚み方向のリターデーションを適宜調節することによって、とりわけ大きな入射角を有する光束のコントラスト特性を改善することができるので、オフアクシス光学系を採用したプロジェクタのコントラスト特性を改善することができる。同様の効果は位相差板として1/4波長板を使用しその遅相軸方位を適切に設定することによっても実現することができる。
【0120】
さらに、いずれかの主屈折率方位を前記液晶ライトバルブの法線に略平行に配置した位相差板と1/4波長板を併用し、前記位相差板の厚み方向のリターデーションと1/4波長板の遅相軸方位を適切に設定することによって、プロジェクタのコントラスト特性をさらに改善することができる。、同様の効果は面内リターデーションを略1/4波長とし厚み方向のリターデーションを適切に設定した二軸位相差板によっても実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプロジェクタの光学系の概略構成図。
【図2】本発明の実施形態における光線進行方向の定義図および視角特性図の説明図。
【図3】反射型液晶ライトバルブの概略構成図。
【図4】電圧無印加時における垂直配向モードの液晶分子配向状態の説明図。
【図5】実施例1における異常光成分の振動面方位と光線方位角の関係図。
【図6】実施例1における直線偏光方位と光線方位角の関係図。
【図7】実施例における照明光束の光線角度分布領域の説明図。
【図8】実施例1におけるコントラスト特性視角特性図。
【図9】実施例1における位相差板のRpとプロジェクタのコントラスト特性の関係図。
【図10】1/4波長板によるコントラスト特性視角特性図。
【図11】1/4波長板の遅相軸を変化させた場合のコントラスト特性視角特性図。
【図12】実施例2におけるコントラスト特性視角特性図。
【図13】実施例2における1/4波長板の遅相軸方位とプロジェクタのコントラスト特性の関係図。
【図14】実施例3における位相差板の概略構成図。
【図15】1/4波長板を透過した後の偏光状態と光線方位角の関係図。
【図16】位相差板を透過した後の楕円偏光の長軸方位と光線方位角の関係図。
【図17】実施例3におけるコントラスト特性視角特性図。
【図18】実施例3における位相差板のRpとプロジェクタのコントラスト特性の関係図。
【図19】実施例3における液晶プレチルト角とプロジェクタのコントラスト特性の関係図。
【図20】実施例4におけるコントラスト視角特性図。
【図21】実施例4における位相差板のRpとプロジェクタのコントラスト特性の関係図。
【図22】実施例4における液晶プレチルト角とプロジェクタのコントラスト特性の関係図。
【図23】位相差板の機能の説明図。
【図24】偏光状態の詳細の説明図。
【符号の説明】
101 プロジェクタ
102 照明手段
103 色分離光学手段
104 第四の位相差板
105 偏光板
106、106R,106G,106B 位相差板
107、107R,107G,107B 反射型液晶ライトバルブ
108、108R,108G,108B 検光手段
109、109R,109G,109B 第三の位相差板
110 色合成手段
111 投写レンズ
112 白色光源
113 インテグレーターレンズ
114 偏光変換素子
201 光線
302 シリコン基板
303 反射画素電極
304 透明電極
305 透明基板
306 スペーサー
307 液晶
308 配向膜
309 配向膜
401 液晶分子
402 液晶分子の長軸
501 異常光成分の振動面
502 異常光成分の振動面
503 異常光成分の振動面
601 液晶配向方位
602 偏光透過軸方位
603 直線偏光方位
604 異常光成分
605 常光成分
606 偏光状態の変化を受け易い領域
607 偏光状態の変化を受け易い領域
608 偏光状態の変化を受け易い領域
609 偏光状態の変化を受け易い領域
701 照明光束の光線角度分布領域
1001 液晶配向方位
1002 入射直線偏光方位
1003 1/4波長板の遅相軸方位
1004 コントラスト特性が改善される領域
1102 高コントラスト領域
1103 高コントラスト領域
1104 高コントラスト領域
1105 高コントラスト領域
1401 位相差板
1402 1/4波長板
1403 主屈折率方位
1404 液晶ライトバルブの法線
1405 遅相軸
1406 入射光線
1407 出射光線
1408 遅相軸
1501 楕円偏光
1502 出射側偏光板の吸収軸方位
1503 楕円偏光の長軸
2301 入射側偏光板
2302 偏光透過軸
2303 直線偏光
2304 楕円偏光
2305 出射側偏光板
2306 偏光透過軸
2307 楕円偏光
2308 楕円偏光
2309 楕円偏光
2401 楕円偏光の長軸
2402 偏光吸収軸方位
2403 楕円偏光
2404 楕円偏光

Claims (12)

  1. 照明手段と、
    該照明手段から出射された光を変調する複数の光変調手段と、
    前記光変調手段に入射する光の偏光方向を規制し、前記光変調手段により変調された光を検光する偏光手段と、
    ダイクロイック面を有し、前記偏光手段により検光された光を合成する色合成手段と、
    前記色合成手段で合成された光を投射する投射手段と
    を有するプロジェクタであって、
    前記光変調手段は、一対の基板間に垂直配向モードの液晶層が挟持され、前記照明手段からの光を前記一対の基板のうちの一方の基板側から入射させ、他方の基板側で反射させた後、前記一方の基板から出射させる反射型の液晶ライトバルブを備え、
    前記液晶ライトバルブを構成する前記一方の基板と前記偏光手段の間に第一の位相差板を備え、該第一の位相差板のいずれかの主屈折率方位を前記一方の基板の法線に略平行に配置し
    前記偏光手段と前記色合成手段の間に更に第3の位相差板を配置し、該第3の位相差板により、前記偏光手段を出射した直線偏光の偏光方向を、前記ダイクロイック面の法線と前記一方の基板の法線で定義される面に対し、平行または垂直になるようにすることを特徴とするプロジェクタ。
  2. 照明手段と、
    該照明手段から出射された光を複数の色光に分離する色分離手段と、
    前記色分離手段から出射された複数の色光を変調する複数の光変調手段と、
    前記色分離手段により分離され前記光変調手段に入射する光の偏光方向を規制し、前記光変調手段により変調された光を検光する偏光手段と、
    ダイクロイック面を有し、前記偏光手段により検光された光を合成する色合成手段と、
    前記色合成手段で合成された光を投射する投射手段と、
    を有するプロジェクタであって、
    前記光変調手段は、一対の基板間に垂直配向モードの液晶層が挟持され、前記照明手段からの光を前記一対の基板のうちの一方の基板側から入射させ、他方の基板側で反射させた後、前記一方の基板から出射させる反射型の液晶ライトバルブを備え、
    前記液晶ライトバルブを構成する前記一方の基板と前記偏光手段の間に第一の位相差板を備え、該第一の位相差板のいずれかの主屈折率方位を前記一方の基板の法線に略平行に配置し、
    前記照明手段は、光を所望の直線偏光に変換する偏光変換手段を有し、
    前記色分離手段と前記偏光手段の間に更に第4の位相差板を配置し、該第4の位相差板により、前記色分離手段を出射した直線偏光の偏光方向を、前記偏光手段を出射し前記液晶ライトバルブに入射するような偏光方向とすることを特徴とするプロジェクタ。
  3. 前記第一の位相差板は一軸性位相差板であり、その光学軸を前記一方の基板の法線に略平行に配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のプロジェクタ。
  4. 前記第一の位相差板は二軸性位相差板であることを特徴とする請求項1または2に記載のプロジェクタ。
  5. 前記第一の位相差板の面内に含まれる主屈折をn1およびn2としたときに、n1≒n2であることを特徴とする請求項に記載のプロジェクタ。
  6. 前記垂直配向モードの液晶層の配向方位と略直交もしくは略平行な方位から前記液晶ライトバルブに入射する光線が、前記垂直配向モードの液晶に付与されているプレチルト角に基づく複屈折作用を受けた結果生じる楕円偏光を、最も直線偏光に近い偏光に変換するように、前記第一の位相差板の厚み方向リターデーションを設定してあることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のプロジェクタ。
  7. 前記一方の基板の外面側に更に第2の位相差板を備え、該第2の位相差板は一軸性位相差板であり、その遅相軸が前記一方の基板と略平行な平面内に配置されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のプロジェクタ。
  8. 前記第2の位相差板が1/4波長板であることを特徴とする請求項7に記載のプロジェクタ。
  9. 照明手段と、
    該照明手段から出射された光を変調する複数の光変調手段と、
    前記光変調手段に入射する光の偏光方向を規制し、前記光変調手段により変調された光を検光する偏光手段と、
    ダイクロイック面を有し、前記偏光手段により検光された光を合成する色合成手段と、
    前記色合成手段で合成された光を投射する投射手段と
    を有するプロジェクタであって、
    前記光変調手段、一対の基板間に垂直配向モードの液晶層が挟持され、前記照明手段からの光を前記一対の基板のうちの一方の基板側から入射させ、他方の基板側で反射させた後、前記一方の基板から出射させる反射型の液晶ライトバルブを備え、
    前記液晶ライトバルブを構成する前記一方の基板と前記偏光手段との間に1/4波長板を備え、前記垂直配向モードの液晶層の配向方向と略直交もしくは略平行な方位から前記液晶ライトバルブに入射する光線が、前記垂直配向モードの液晶に付与されているプレチルト角に基づく複屈折作用を受けた結果生じる楕円偏光を、最も直線偏光に近い偏光に変換するように、該1/4波長板の遅相軸の方位を設定し
    前記偏光手段と前記色合成手段の間に更に第3の位相差板を配置し、該第3の位相差板により、前記偏光手段を出射した直線偏光の偏光方向を、前記ダイクロイック面の法線と前記一方の基板の法線で定義される面に対し、平行または垂直になるようにすることを特徴とするプロジェクタ。
  10. 照明手段と、
    該照明手段から出射された光を複数の色光に分離する色分離手段と、
    前記色分離手段から出射された複数の色光を変調する複数の光変調手段と、
    前記色分離手段により分離され前記光変調手段に入射する光の偏光方向を規制し、前記光変調手段により変調された光を検光する偏光手段を更に有し、
    ダイクロイック面を有し、前記偏光手段により検光された光を合成する色合成手段と、
    前記色合成手段で合成された光を投射する投射手段と、
    を有するプロジェクタであって、
    前記光変調手段は、一対の基板間に垂直配向モードの液晶層が挟持され、前記照明手段からの光を前記一対の基板のうちの一方の基板側から入射させ、他方の基板側で反射させた後、前記一方の基板から出射させる反射型の液晶ライトバルブを備え、
    前記液晶ライトバルブを構成する前記一方の基板と前記偏光手段との間に1/4波長板を備え、前記垂直配向モードの液晶層の配向方向と略直交もしくは略平行な方位から前記液晶ライトバルブに入射する光線が、前記垂直配向モードの液晶に付与されているプレチルト角に基づく複屈折作用を受けた結果生じる楕円偏光を、最も直線偏光に近い偏光に変換するように、該1/4波長板の遅相軸の方位を設定し、
    前記照明手段は、光を所望の直線偏光に変換する偏光変換手段を有し、
    前記色分離手段と前記偏光手段の間に更に第4の位相差板を配置し、該第4の位相差板により、前記色分離手段を出射した直線偏光の偏光方向を、前記偏光手段を出射し前記液晶ライトバルブに入射するような偏光方向とすることを特徴とするプロジェクタ。
  11. 前記照明手段から前記液晶ライトバルブへの入射光の光軸と前記液晶ライトバルブから前記投射手段への反射光の光軸とが所定の角度をなすオフアクシス光学系の配置とされることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のプロジェクタ。
  12. 前記入射光の光軸と前記反射光の光軸を含む面が、前記垂直配向モードの液晶層の配向方向と略直交もしくは略平行に配置されていることを特徴とする請求項11に記載のプロジェクタ。
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