JP2007211450A - プレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋼材量を削減して、軽量化およびコストダウンすることができ、さらに、既存の製造ラインで成形可能なプレキャスト柱部材を用いることができるプレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造を提供することを目的としている。
【解決手段】複数の中空のプレキャスト柱部材3を軸線方向に継手してなるプレキャスト柱1に、少なくとも端部が鉄骨からなる鉄骨梁2を接合させるプレキャスト柱1と鉄骨梁との接合構造において、プレキャスト柱部材3の梁接合箇所に、コンクリート造の接合部6が外装され、接合部6の側面に鉄筋梁2の端面が接合されている。
【選択図】図1
【解決手段】複数の中空のプレキャスト柱部材3を軸線方向に継手してなるプレキャスト柱1に、少なくとも端部が鉄骨からなる鉄骨梁2を接合させるプレキャスト柱1と鉄骨梁との接合構造において、プレキャスト柱部材3の梁接合箇所に、コンクリート造の接合部6が外装され、接合部6の側面に鉄筋梁2の端面が接合されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、プレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造に関する。
構造物を構築する技術の一つとして、遠心成形により中空に成形された複数のプレキャスト柱部材を軸方向に継手してプレキャスト柱とし、このプレキャスト柱を複数立設し、隣り合うプレキャスト柱間に鉄骨梁を架設して架構を形成する技術がある。
従来、プレキャスト柱に鉄骨梁を接合させる接合構造として、プレキャスト柱部材の一部分、つまり、鉄骨梁が接合される梁接合箇所に、柱梁接合部パネルを一体に組み込み、この柱梁接合部パネルでプレキャスト柱と鉄骨梁とを接合する接合構造がある。この接合構造は、プレキャスト柱部材の梁接合箇所を鋼管巻きとするとともに、鋼管の外周に端部鉄骨材とダイヤフラムとをそれぞれ溶接しておき、端部鉄骨材の先端と鉄骨梁の端部とを2面摩擦接合等で接合するものである。
また、従来、中空のプレキャスト柱と鉄骨梁とを接合する接合構造として、プレキャスト柱部材の梁接合箇所を鋼管巻きにするとともに、その梁接合箇所の肉厚を他よりも内側に厚くする接合構造が提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平4−171559号公報
しかしながら、上記した前者の従来の接合構造では、当該接合構造の部分の鋼材量が多く、構造物全体の重量が大きくなるとともにコストアップになるという問題が存在する。また、上記した後者の従来の接合構造では、梁接合箇所の肉厚を他よりも厚くする必要があるため、梁接合箇所を含むプレキャスト柱部材の成形には特殊な形状の成形が必要であり、既存の製造ラインでは成形することができないという問題がある。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、鋼材量を削減して、軽量化およびコストダウンすることができ、さらに、既存の製造ラインで成形可能なプレキャスト柱部材を用いることができるプレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、複数の中空のプレキャスト柱部材を軸線方向に継手してなるプレキャスト柱に、少なくとも端部が鉄骨からなる鉄骨梁を接合させるプレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造において、プレキャスト柱部材の梁接合箇所に、コンクリート造の接合部が外装され、該接合部の側面に鉄筋梁の端面が接合されていることを特徴としている。
このような特徴により、鉄骨梁が接合される接合部がコンクリートからなり、柱梁接合箇所に使用される鋼材量が少ない。また、プレキャスト柱部材に、コンクリートからなる接合部を外装させる構成からなるため、プレキャスト柱部材自体を特殊な形状に成形する必要はなく、既製杭等と同様の配筋および製造方法によりプレキャスト柱部材が成形される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のプレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造において、接合部の中に、端部が接合部の側面に開放されたシース管が埋設され、該シース管の中にPC鋼材が挿通され、該PC鋼材に引張力が導入されているとともにPC鋼材の端部が鉄骨梁の端部に定着されることで、鉄骨梁の端面が接合部の側面に圧着されていることを特徴としている。
このような特徴により、PC鋼材によってプレストレスが付与され、鉄骨梁の端面が接合部の側面に圧着される。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のプレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造において、接合部の中に、端部が接合部の側面に開放されたシース管が埋設され、該シース管の中に、長尺ボルトが挿通され、該長尺ボルトの端部が鉄骨梁の端部にナットによって締め付けられることで、鉄骨梁の端面が接合部の側面に圧着されていることを特徴としている。
このような特徴により、緊張装置などを用いることなく、ナットを締め付けるだけで、鉄骨梁の端面が接合部の側面に圧着される。また、施工後に圧着力が低下した場合でも、ナットを締め付けるだけで圧着力が向上される。
本発明に係る中空プレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造によれば、鋼材量を削減して、軽量化およびコストダウンすることができる。また、プレキャスト柱部材自体を特殊な形状に成形する必要はないため、既製杭等を成形するための既存の製造ラインで、プレキャスト柱部材を成形することができる。
また、接合部の中にシース管を埋設し、このシース管の中にPC鋼材を挿通し、PC鋼材に引張力を導入するとともにPC鋼材の端部を鉄骨梁の端部に定着させて、鉄骨梁の端面を接合部の側面に圧着させる構成とすることで、鉄骨梁の端面を接合部の側面に容易に圧着させることができ、工期を短縮することができる。
また、接合部の中にシース管を埋設し、このシース管の中に長尺ボルトを挿通し、長尺ボルトの端部を鉄骨梁の端部にナットによって締め付けて、鉄骨梁の端面を接合部の側面に圧着させる構成とすることで、鉄骨梁の端面を接合部の側面に一層容易に圧着させることができ、工期をさらに短縮することができる。また、施工後の再度の締め付けも容易に行うことができ、柱梁の接合箇所のメンテナンスを容易に行うことができる。
以下、本発明に係るプレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造の第1、第2の実施の形態について、図面に基いて説明する。
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態におけるプレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造の構成について説明する。
図1は本実施の形態におけるプレキャスト柱1の立面図である。図1に示すように、本実施の形態における接合構造は、プレキャスト柱1の両側に鉄骨梁2,2をそれぞれ接合させる接合構造である。
まず、第1の実施の形態におけるプレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造の構成について説明する。
図1は本実施の形態におけるプレキャスト柱1の立面図である。図1に示すように、本実施の形態における接合構造は、プレキャスト柱1の両側に鉄骨梁2,2をそれぞれ接合させる接合構造である。
プレキャスト柱1は、複数のプレキャスト柱部材3…を軸線方向に継手した構成からなっている。プレキャスト柱部材3は、予め工場等で成形された中空の鉄筋コンクリート造のプレキャスト部材であり、遠心成形により成形された円筒形状の部材である。また、プレキャスト柱部材3は、構造物一層分の高さに相当する長さの部材であり、プレキャスト柱1は一層一節で構築されている。プレキャスト柱部材3,3の継手位置は、各層の階高の中央位置にあり、上下のプレキャスト柱部材3,3同士は、機械式又は無溶接継手により継手されている。
鉄骨梁2…は、プレキャスト柱1に直交する方向にそれぞれ延在されており、プレキャスト柱1を挟んで両側にそれぞれ配設されているとともに、各層ごとにそれぞれ設けられている。また、プレキャスト柱1の両側に配設された2本の鉄骨梁2,2は、互いに同軸上に延在されている。鉄骨梁2は、長尺の鋼材4(本実施の形態ではH形鋼)の端部に鋼板等のエンドプレート5が付設された構成からなる。エンドプレート5は、鉄骨梁1(鋼材4)の軸線方向に対して垂直に配置されており、鋼材4の端面に溶接接合されている。このエンドプレート5が鉄骨梁2の端部となり、エンドプレート5のプレキャスト柱1側の面が鉄骨梁2の端面となる。
なお、本発明に係る鉄骨梁2は、端部が鉄骨造からなる梁であればよく、梁全体が鉄骨(S)造のもの以外に、端部が鉄骨造で、梁中間部がそれ以外の構造、例えば、プレストレスト鉄筋コンクリート(PRC)造や鉄筋コンクリート(RC)造、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造、鋼管コンクリート(SC)造からなる梁構造体も含む概念である。
各層の鉄骨梁2…は、接合部6…を介してプレキャスト柱1にそれぞれ接合されている。接合部6は、プレキャスト柱部材3に外装されたコンクリート体であり、鉄骨梁2…が接合される箇所(以下、梁接合箇所と記す。)、つまり、各プレキャスト柱部材3…の中央部分の位置にそれぞれ形成されている。
図2は本実施の形態におけるプレキャスト柱と鉄骨梁と接合構造を表す横断面図であり、図3は本実施の形態におけるプレキャスト柱と鉄骨梁と接合構造を表す縦断面図である。図2,図3に示すように、接合部6は、プレキャスト柱部材3の外周を囲うように成形された矩形断面を有する六面体であり、その外縁は矩形になっている。接合部6の中には、プレキャスト柱部材3に直交する方向に延在する複数のシース管7…が埋設されている。シース管7は、両端が開放された筒状の部材であり、例えば鋼管パイプなどからなる。シース管7…は、プレキャスト柱部材3を貫通せず、プレキャスト柱部材3の側方に配置されている。シース管7…には、鉄骨梁2,2の軸線延長線に沿って延在する第1のシース管7a…と、鉄骨梁2,2の軸線延長線の直交方向に延在する第2のシース管7b…とがあり、複数のシース管7…は、プレキャスト柱部材3の梁接合箇所を囲うように平面視井桁状に配置されている。また、井桁状に配置されたシース管7…は、鉛直方向に複数配設されている。
シース管7の両端面は、接合部6の側面にそれぞれ面一になっており、シース管7の両端は接合部6の側方に向けてそれぞれ開放されている。複数のシース管7…の中には、PC鋼材8…が所定の引張力が導入された状態でそれぞれ挿設されている。これらのPC鋼材8は、接合部6にプレストレスを付与するための緊張材であり、例えば、高張力鋼からなる鋼棒、鋼線、鋼より線、或いは鋼線や鋼より線を束ねたケーブル等である。
第1のシース管7a…に挿通されたPC鋼材8…の両端は、当該シース管7a…の両端(接合部6の梁接合側の側面6a,6a)からそれぞれ突出されており、エンドプレート5,5に形成された図示せぬ孔にそれぞれ挿通されてエンドプレート5,5をそれぞれ貫通している。一方のエンドプレート5を貫通したPC鋼材8の一端部には、エンドプレート5,5に係止される頭部8aが形成されており、他方のエンドプレート5を貫通したPC鋼材8の他端部には、PC鋼材8の端部を掴持して固定する定着具9が取り付けられており、このPC鋼材8は、引張力が導入された状態で、その両端が鉄骨梁2,2のエンドプレート5,5にそれぞれ定着されている。これにより、鉄骨梁2,2の端面が接合部6の梁接合側の側面6a,6aに圧着されている。
一方、鉄骨梁2に直交する鉄骨梁がプレキャスト柱1に接合されていない場合、鉄骨梁2,2が接合されない側の接合部6の側面6b,6bには、エンドプレート5と同等なプレート10,10が接面されている。そして、第2のシース管7b…に挿通されたPC鋼材8…の両端は、当該シース管7b…の両端(接合部6の非梁接合側の側面6b,6b)からそれぞれ突出されており、プレート10,10に形成された図示せぬ孔にそれぞれ挿通されてプレート10,10をそれぞれ貫通している。一方のプレート10を貫通したPC鋼材8の一端部には、プレート10に係止される頭部8aが形成されており、他方のプレート10を貫通したPC鋼材8の他端部には、PC鋼材8の端部を掴持して固定する定着具9が取り付けられており、このPC鋼材8は、引張力が導入された状態で、その両端がプレート10,10にそれぞれ定着されている。
なお、接合部6の梁接合側の側面6a,6aとエンドプレート5,5との間に、モルタル等からなる図示せぬ充填材が介在されている。また、図2における符号11は鉄骨梁2の端部を補剛するサイドプレートを示しており、符号12は補剛リブを示している。
次に、上記した構成からなるプレキャスト柱1と鉄骨梁2,2との接合構造の施工方法について説明する。
まず、工場等で、接合部6を一体に組み込んだプレキャスト柱部材3を製造する。具体的には、PHC(プレストレス・ハイストレングス・コンクリート)杭等の既製杭と同様の配筋および遠心成形により製造する。また、プレキャスト柱部材3の成形時に、プレキャスト柱部材3の梁接合箇所に接合部6を成形する。このとき、接合部6の中に予め複数のシース管7…を所定の位置に埋設しておく。
次に、製造された複数のプレキャスト柱部材3…を現場に搬入し、現場にてプレキャスト柱部材3…を継手してプレキャスト柱1を構築する。具体的には、既に立設された下層のプレキャスト柱部材3の上に新たなプレキャスト柱部材3を載せて継手する。
次に、プレキャスト柱部材3に外装された接合部6の側方に鉄骨梁2を配置する。このとき、図示せぬ仮受け部材により鉄骨梁2を仮支持するとともに、鉄骨梁2の位置合わせを行う。具体的には、鉄骨梁2のエンドプレート5を接合部6の梁接合側の側面6aに対向させるとともに、エンドプレート5に形成された図示せぬ孔を、接合部6の中に埋設された第1のシース管7aの端部に孔合わせする。
次に、複数の第1のシース管7a…の中にPC鋼材8…をそれぞれ挿通させた後、接合部6の梁接合側の側面6a,6aとエンドプレート5,5との間に図示せぬ充填材を充填する。そして、図示せぬ充填材の硬化後、エンドプレート5から突出したPC鋼材8の他端部に図示せぬ緊張装置を装着し、この緊張装置によりPC鋼材8を引っ張ってPC鋼材8に引張力を導入する。PC鋼材8に所定の引張力が導入されたところで、PC鋼材3の他端部に定着具9を取り付け、その後、図示せぬ緊張装置をPC鋼材8から取り外す。これにより、接合部6にプレストレスが付与され、両側の鉄骨梁2,2のエンドプレート5,5が接合部6の梁接合側の側面6a,6aにそれぞれ圧着される。なお、上記した緊張作業は、複数のPC鋼材8…について1本づつ緊張させてもよく、或いは、2本以上のPC鋼材8…をまとめて一度に緊張させてもよい。
一方、接合部6の非梁接合側の側面6b,6bにプレート10,10をそれぞれ配置する。このとき、プレート10に形成された図示せぬ孔を、接合部6の中に埋設された第2のシース管7bの端部に孔合わせする。そして、複数の第2のシース管7b…の中にPC鋼材8…をそれぞれ挿通させ、上記した第1のシース管7a…の中に挿通されたPC鋼材8…と同様に、PC鋼材3の他端部に定着具9を取り付け、図示せぬ緊張装置により緊張作業を行う。これにより、接合部6にプレストレスが付与される。
上記した構成からなるプレキャスト柱1と鉄骨梁2,2との接合構造によれば、整合構造における鋼材量が削減されるため、構造物全体の軽量化およびコストダウンを図ることができる。また、プレキャスト柱部材3自体を特殊な形状に成形する必要はないため、既製杭等を成形するための既存の製造ラインで、プレキャスト柱部材3を成形することができる。また、プレキャスト柱1が中空のプレキャスト柱部材3…からなるため、軽量化が可能である。
また、接合部6の中に、梁軸方向に延在する第1のシース管7a…を複数埋設し、これらの第1のシース管7a…の中にPC鋼材8…をそれぞれ挿通し、これらのPC鋼材8…に引張力をそれぞれ導入するとともにPC鋼材8…の端部を鉄骨梁2のエンドプレート5にそれぞれ定着させることで、鉄骨梁2の端面を接合部6の側面6aに圧着させるため、鉄骨梁2の端面を接合部6の側面6aに容易に圧着させることができ、工期を短縮することができる。また、PC鋼材8を用いた圧着方法により鉄骨梁2,2を接合させると、鉄骨梁2やプレキャスト柱部材3のリユースが可能である。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態におけるプレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造の構成について説明する。
なお、第2の実施の形態は、上記した第1の実施の形態におけるPC鋼材8…に代えてロング高力ボルト8´…(長尺ボルト)を用いる形態であり、その他の構成は上記した第1の実施の形態と同様である。したがって、上記した第1の実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その説明は省略する。
次に、第2の実施の形態におけるプレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造の構成について説明する。
なお、第2の実施の形態は、上記した第1の実施の形態におけるPC鋼材8…に代えてロング高力ボルト8´…(長尺ボルト)を用いる形態であり、その他の構成は上記した第1の実施の形態と同様である。したがって、上記した第1の実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その説明は省略する。
図4に示すように、第2の実施の形態における接合構造では、複数の第1のシース管7a…の中にロング高力ボルト8´…がそれぞれ挿通され、これらのロング高力ボルト8´…の両端部にナット9´…がそれぞれ螺合されている。これらのナット9´…を締め付けてロング高力ボルト8´…の両端部を鉄骨梁2,2のエンドプレート5,5に緊結することで、鉄骨梁2,2のエンドプレート5,5が接合部6の梁接合側の側面6a,6aに圧着されている。
第2の実施の形態における接合構造の施工方法としては、複数の第1のシース管7a…の中にロング高力ボルト8´…をそれぞれ挿通させた後、接合部6の梁接合側の側面6a,6aとエンドプレート5,5との間に図示せぬ充填材を充填する。そして、図示せぬ充填材の硬化後、エンドプレート5から突出したロング高力ボルト8´…の両端部に螺合されたナット9´…をそれぞれ締め付けていく。これにより、接合部6にプレストレスが付与され、両側の鉄骨梁2,2のエンドプレート5,5が接合部6の梁接合側の側面6a,6aにそれぞれ圧着される。
上記したプレキャスト柱1と鉄骨梁2,2との接合構造によれば、鉄骨梁2,2の端面を接合部6の側面6a,6aに圧着させる作業が一層容易になる。これにより、工期をさらに短縮することができる。また、ロング高力ボルト8´を用いた圧着方法により鉄骨梁2,2を接合させると、鉄骨梁2やプレキャスト柱部材3のリユースが可能である。また、施工後の再度の締め付けも容易に行うことができ、柱梁の接合箇所のメンテナンスを容易に行うことができる。
以上、本発明に係る中空プレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では、プレキャスト柱部材3が、構造物一層分の高さに相当する長さの部材であり、プレキャスト柱1が一層一節で構築されているが、本発明は、図5に示すように、構造物複層分(図5では2層分)の高さに相当する長さのプレキャスト柱部材3´が用いられ、プレキャスト柱1が多層(図5では2層)一節で構築されていてもよい。なお、図5では、図1〜図4に表したものと同一のものについては同一の符号を付す。
また、上記した第1の実施の形態では、PC鋼材8の一端部に、エンドプレート5,5に係止される頭部8aが形成され、PC鋼材8の他端部に、PC鋼材8の端部を掴持して固定する定着具9が取り付けられた構成からなるが、PC鋼材の両端に定着具が取り付けられた構成であってもよい。また、上記した第2の実施の形態では、ロング高力ボルト8´の両端部にナット9´,9´がそれぞれ螺合された構成からなるが、本発明は、ロング高力ボルトの一方の端部に、エンドプレート(鉄骨梁の端部)に係止される頭部が形成され、ロング高力ボルトの他方の端部にのみナットが螺合された構成であってもよい。
また、上記した実施の形態では、プレキャスト柱部材3の成形時に接合部6を成形しているが、本発明は、プレキャスト柱部材の梁接合箇所に付着溝を形成しておき、プレキャスト柱部材を形成した後に、型枠により接合部を成形してもよい。
また、上記した実施の形態では、プレキャスト柱1の両側に鉄骨梁2,2が配設されているが、本発明は、プレキャスト柱の一方の側方に鉄骨梁が配設されている場合であってもよい。さらに、本発明は、互いに直交する方向に延在されている複数の鉄骨梁がプレキャスト柱にそれぞれ接合され、鉄骨梁がプレキャスト柱を中心にして平面視L字状又は平面視T字状に配設されていてもよく、或いは、鉄骨梁がプレキャスト柱を中心にして平面視十字状に配設されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、シース管7の両端面が接合部6の側方にそれぞれ開放され、PC鋼材8は接合部6を貫通した状態で設置されており、PC鋼材8の両端が接合部6の外で定着されているが、本発明は、PC鋼材又は長尺ボルトを接合部に貫通させずに、シース管の一方の端面だけが接合部の側方に開放され、PC鋼材等の一方の端部が接合部の外で定着されており、PC鋼材等の他方の端部が接合部の内部に定着されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、円筒形状のプレキャスト柱部材3…が用いられているが、本発明は、断面矩形のプレキャスト柱部材であってもよい。また、上記した実施の形態では、接合部6が六面体になっているが、本発明は、接合部が如何なる形状であってもよく、例えば、八面体の接合部であってもよい。その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成を周知の構成に置き換えることは可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせることも可能である。
1 プレキャスト柱
2 鉄骨梁
3 プレキャスト柱部材
5 エンドプレート(鉄骨梁の端部)
6 接合部
7 シース管
7a 第1のシース管(シース管)
8 PC鋼材
8´ ロング高力ボルト(長尺ボルト)
2 鉄骨梁
3 プレキャスト柱部材
5 エンドプレート(鉄骨梁の端部)
6 接合部
7 シース管
7a 第1のシース管(シース管)
8 PC鋼材
8´ ロング高力ボルト(長尺ボルト)
Claims (3)
- 複数の中空のプレキャスト柱部材を軸線方向に継手してなるプレキャスト柱に、少なくとも端部が鉄骨からなる鉄骨梁を接合させるプレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造において、
プレキャスト柱部材の梁接合箇所に、コンクリート造の接合部が外装され、該接合部の側面に鉄筋梁の端面が接合されていることを特徴とするプレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造。 - 請求項1記載のプレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造において、
接合部の中に、端部が接合部の側面に開放されたシース管が埋設され、該シース管の中にPC鋼材が挿通され、該PC鋼材に引張力が導入されているとともにPC鋼材の端部が鉄骨梁の端部に定着されることで、鉄骨梁の端面が接合部の側面に圧着されていることを特徴とするプレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造。 - 請求項1記載のプレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造において、
接合部の中に、端部が接合部の側面に開放されたシース管が埋設され、該シース管の中に、長尺ボルトが挿通され、該長尺ボルトの端部が鉄骨梁の端部にナットによって締め付けられることで、鉄骨梁の端面が接合部の側面に圧着されていることを特徴とする柱梁接合構造。
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