JP2007208189A - 半導体基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 欠陥の充分少ない高品質な歪みSi基板を提供する。
【解決手段】 半導体基板の製造方法は、支持基板とは格子定数の異なるヘテロエピタキシャル層、多孔質層、Si層が順に積層された構造を少なくとも含む支持基板に、前記Si層の歪みを変化させるために、前記ヘテロエピタキシャル層の応力を変化させる工程を行なう。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体基板及びその製造方法に関する。
Si層に引っ張り歪みを与えると電子の移動度が増大し、半導体デバイスの動作速度を向上できることは報告されている(例えば特許文献1)。
一方、このような半導体デバイスを実現する基板としてSi基板上にSiGeのようなヘテロエピタキシャル層を形成して緩和させることで仮想基板とし、この上に薄いSi層を形成して歪みSi基板とする方法が知られている。そのような方法の一つとして特許文献2には、Ge濃度を深さ方向に変化させ、段階的に応力を緩和することで欠陥の成長方向を面に平行な方向に逸らし、最表面の貫通転位密度を減らす技術が開示されている。
特開平9−82944号公報 米国特許第6503773号公報
上述の特許文献2に記載された技術では、段階的な濃度変化を起こすためには、必然的にSiGe傾斜層を厚く堆積する必要があり、製造コストが増加する。また、欠陥を含む状態でSiGeを厚く堆積すると、必然的に表面の凹凸が大きくなるため、エピタキシャル工程後にCMP処理等の平坦化が必要になる。さらに、段階的に応力を緩和して欠陥の伝播方向をなるべく面に平行な方向に逸らして最表面に届く貫通転位密度を減らす工夫がなされているが、欠陥伝播を積極的に阻止するものがなく、現状では貫通転位密度を104/cm2以下にすることは難しい。
すなわち、特許文献2に基づいた技術では、歪み緩和に必要なSiGe層の厚みが多く必要となり製造コストが増加するとともに欠陥の充分少ない高品質の歪みSi基板を得ることが困難と思われる。
本発明は、上記のような課題認識を基礎としてなされたものであり、欠陥の少ない高品質な歪みSi基板を提供することを目的とする。
本発明の半導体基板の製造方法は、支持基板とは格子定数の異なるヘテロエピタキシャル層、多孔質層、Si層が順に積層された構造を少なくとも含む支持基板に、前記Si層の歪みを変化させるために、前記ヘテロエピタキシャル層の応力を変化させる工程を行なうことを特徴とする。
本発明の好適な実施形態によれば、前記ヘテロエピタキシャル層の応力を変化させる工程が、前記ヘテロエピタキシャル層に作用する内部応力を緩和することからなる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記ヘテロエピタキシャル層はSi基板上に形成されたSiGeからなる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記支持基板はSi基板からなる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記Si層は単結晶Siからなる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記Si層に半導体素子を造り込む工程を含みうる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記多孔質層はSiからなる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記多孔質層は酸化シリコンからなる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記ヘテロエピタキシャル層に作用する内部応力を緩和する工程は、加熱工程を含みうる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記加熱工程は、前記ヘテロエピタキシャル層を形成する工程における温度よりも高い温度で実施される。
本発明の好適な実施形態によれば、前記加熱工程は、温度を昇降させる工程を含みうる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記ヘテロエピタキシャル層に作用する内部応力を緩和する工程は、外部から力を印加することで行なう。
本発明の好適な実施形態によれば、前記Si層は分離層を介して結晶基板上に形成される工程、および前記ヘテロエピタキシャル層上へ転写される工程とを含みうる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記分離層は前記結晶基板の上に単層あるいは複数の多孔質層を形成することで得られる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記Si層の上に前記多孔質層が形成された後に、前記Si層が前記ヘテロエピタキシャル層上へ転写される。
本発明の半導体基板は、支持基板と、前記支持基板の上に形成されたヘテロエピタキシャル層と、前記ヘテロエピタキシャル層の上に形成された多孔質層と、さらに前期多孔質層の上に形成されたSi層とを備え、前記ヘテロエピタキシャル層は前記支持基板から応力的に分離され、かつ前記ヘテロエピタキシャル層から前記多孔質層、および前記Si層に歪みが印加されている構成からなる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記ヘテロエピタキシャル層は結晶SiGeである。
本発明の好適な実施形態によれば、前記支持基板はSi基板である。
本発明の好適な実施形態によれば、前記Si層は単結晶Siである。
本発明の好適な実施形態によれば、前記多孔質層はSiである。
本発明の好適な実施形態によれば、前記多孔質層は酸化シリコンである。
本発明の好適な実施形態によれば、 前記多孔質層の厚さは50nm以下であり、前記ヘテロエピタキシャル層によって主に前記Si層に歪みが印加される。
本発明によれば、Si基板上に形成されたヘテロエピタキシャル層がSi基板と応力的に分離して緩和する際に、多孔質層および半導体層に歪みを印加するので、ヘテロエピタキシャル層の材料や組成および膜厚等を適宜選ぶことで、多孔質層およびSi層に充分な歪み量を印加でき、かつヘテロエピタキシャル層が緩和する際に発生する欠陥の伝播を多孔質層で阻止できるので、高品質な歪みSi基板を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
図1は本発明の好適な実施形態の半導体基板の例を示す模式的断面図であり、図2は、本発明の好適な実施形態の半導体基板の製造方法の例を示す模式的断面図である。この製造方法では、まず、図2(a)に示す成長工程において、支持基板(例えば、単結晶シリコン基板)10の上にエピタキシャル成長法によってヘテロエピタキシャル層(例えば、SiGe)11を成長させる。ここで、支持基板10とヘテロエピタキシャル層11とは、格子定数及び/又は熱膨張係数が異なり、そのためにヘテロエピタキシャル層11に応力が作用する。例えば、支持基板10がSiであり、ヘテロエピタキシャル層11がSiGeである場合には、ヘテロエピタキシャル層11には、圧縮の内部応力が作用する。
ヘテロエピタキシャル層11の厚さは、後でSi層15に歪み印加する工程まで内部応力が緩和しないように決定される。例えば、ヘテロエピタキシャル層11を臨界膜厚以下とした場合、成長後はヘテロエピタキシャル層11には、格子欠陥は生じないか、生じたとしても無視可能であるが、その後に高温で熱処理することにより、ヘテロエピタキシャル層11と支持基板10との界面付近にミスフィット転位が導入されてヘテロエピタキシャル層11は緩和する。
次いで、図2(b)に示す多孔質層形成工程では、結晶基板13の表面に分離層14a、14bを形成する。分離層14a、14bは支持基板10と結晶基板13を貼り合せた後にこの部位で分離してSi層を支持基板10上に転写できるように形成される。分離層14a、14bは、典型的には多孔質層として形成されうる。多孔質層は、多数の孔を含む層であり、例えば、陽極化成、ステインエッチング、又は、イオン注入によって形成されうる。陽極化成及びステインエッチングでは、多孔質層は、結晶基板13の表面に形成される。イオン注入では、多孔質層は、結晶基板13の任意深さに形成されうる。分離層は単層でも複数でもよく、分離制御性を考慮して構造が決められる。図では多孔度の違う多孔質2層の例を示している。また上記多孔質は酸化雰囲気で表面を酸化処理して、酸化多孔質とすることもできる。
分離層14aの上にSi層15をエピタキシャル成長させ、さらにSi層15の上に多孔質層12を形成する。ここで多孔質層12はSi層表面を酸化雰囲気中で熱処理して酸化シリコン層とすることができる。あるいはヘテロエピタキシャル層11の内部応力を緩和させない条件の下でヘテロエピタキシャル層11の表面に多孔質層12を形成することも可能である。
次いで、図2(c)に示すように、結晶基板上の多孔質層12と支持基板上のヘテロエピタキシャル層11を対向させて貼り合わせる。ここで貼り合わせ強度としては次の分離工程での分離強度よりも強ければよく、分離層形成条件との兼ね合いで決まる。貼り合わせ強度を調整する手段としては、多孔質層12やヘテロエピタキシャル層11への表面処理(親水処理、疎水処理、プラズマ処理等)や貼り合わせ後の熱処理条件がある。なおこの段階ではヘテロエピタキシャル層11の深い部分にはまだミスフィット転位(結晶欠陥)は導入されておらず、ヘテロエピタキシャル層11には内部応力が働いたままである。
次に分離手段を用いて分離層14a、14bで結晶基板13と支持基板10とを分離して、支持基板10上に多孔質層12、Si層15を転写する(図2(d))。ここで、分離手段としては、くさびあるいは液体や流体を利用したジェット等があり、これらを分離面に挿入することにより、容易に分離することができる。このときSi層15の表面には分離層14aの一部が残渣として残る場合があるが、選択エッチングにより除去可能である。
最後に得られた支持基板10/ヘテロエピタキシャル層11/多孔質層12/Si層15の積層構造体において、ヘテロエピタキシャル層に物理的変化を与えて支持基板から応力的に分離して緩和させる。例えば支持基板10が単結晶シリコン基板でヘテロエピタキシャル層11がSiGeである場合、高温で熱処理を行い、多孔質層12よりも深い部分、典型的には、支持基板10とヘテロエピタキシャル層11との界面及びその近傍、並びに、ヘテロエピタキシャル層11中に結晶欠陥16を発生させて、これによってヘテロエピタキシャル層11に作用する内部応力を緩和することができる。このときヘテロエピタキシャル層11が緩和すると同時に多孔質層12およびSi層15に歪みを印加することになる(図2(e))。
結晶欠陥16は、転位(例えば、ミスフィット転位)及び/又は積層欠陥を含みうる。結晶欠陥16が多孔質層12に向かって線状又は面状に延びる場合には、結晶欠陥16は、多孔質層12によって遮断される。ここで、多孔質層12は典型的にはシリコンで構成され、結晶欠陥16は多孔質層を構成する孔で終端されることによってその伝播が遮断され、Si層15への欠陥の影響が抑制される。したがってSi層15の欠陥は概ね分離層14a、14bを介した結晶基板13上でのエピタキシャル成長によって決まるので、適正な条件で成長を行なうことで表面が平滑で低欠陥のSi層(103/cm2以下)を得ることができる。
以上のように、支持基板10/ヘテロエピタキシャル層11の界面及びその近傍、並びに、ヘテロエピタキシャル層11中に結晶欠陥16を発生させることで、ヘテロエピタキシャル層11が支持基板10から応力的に分離・緩和し、多孔質層12およびSi層15に歪みを印加するとともに欠陥の伝播が多孔質層12で阻止されるので、結晶欠陥の少ない歪みSi基板が制御性よく形成できることが示される。
結晶欠陥は、種々の方法によって発生させることができる。結晶欠陥は、例えば、(A)基板を加熱すること、(B)基板の温度を昇降(加熱と冷却の繰り返し(1回以上))させること、或いは、外部から基板に物理的な力を印加することによって発生させることが可能である。
基板を加熱する方法においては、エピタキシャル成長工程(図2(a))よりも高い温度に基板を加熱することが好ましく、これにより内部応力を効果的に緩和することができる。ここで、エピタキシャル成長工程における温度と緩和工程における加熱温度との差が大きいほど応力の緩和に有利であり、その点において、エピタキシャル成長工程は、低い温度で実施した方がよい。
基板の温度を昇降(加熱と冷却の繰り返し(1回以上))させる方法では、支持基板10とヘテロエピタキシャル層11との熱膨張係数の差を利用して、温度の昇降の過程において、歪みの連続的な変化を引き起こし、これにより欠陥を発生させる。
多孔質層12としてはヘテロエピタキシャル層で発生する応力を効率良くSi層15に伝えられるもので、かつヘテロエピタキシャル層から伝播する欠陥を阻止できるような材料が好ましい。そのようなものとして、例えばSiや酸化シリコンが好適である。また、多孔質層の膜厚は応力をSi層に集中させるためには薄い方が好ましい。具体的には、50nm以下、より好ましくは20nm以下である。また多孔質12を通して基板裏面から電圧を印加してデバイス制御を行なうことも可能である。
図2(b)に示す分離層形成工程において形成される分離層14a、14bの構造や形成方法は、結晶基板13の厚さや材料、Si層15に要求される膜質等の種々の要素を考慮して決定される。例えば、分離層14a、14bとして多孔質層を形成する場合、孔数密度、空孔率、厚さを制御することによって、結晶品質の良いエピ成長と分離制御性向上の両方を満たすことができる。
多孔質層は、前述のように、例えば、陽極化成、ステインエッチング、又は、イオン注入によって形成することができる。
陽極化成によって多孔質層を形成する方法において、例えば、表面にSiやSiGeを有する基板の表面を陽極化成する場合は、基板表面を陽極とし、基板表面と陰極との間にHF含有溶液を通して電流を流すことによって基板表面を多孔質化することができる。その他、陽極化成が可能な素材として、SiC,GaAs,GaN,InP,GaP,CdTe,ZnTeを挙げることができる。
ステインエッチングによって多孔質層を形成する方法としては、HFと硝酸を含む溶液中に、表面にSiやSiGeを有する基板を浸漬する方法がある。Siについては、例えば、49%HFと70%硝酸と水を体積比1:3:5で混合した室温の溶液中に数秒〜数十秒浸漬することで多孔質層を形成することができる。SiGeについては、例えば、49%HFと70%硝酸と水を体積比4:1:4で混合した溶液を使用することができる。
イオン注入によって多孔質層を形成する方法としては、基板に水素またはヘリウムのイオンを打ち込む方法が好適である。
支持基板10、ヘテロエピタキシャル層11は、種々の材料で構成されうる。図4は、支持基板10、ヘテロエピタキシャル層11の材料の好適な組み合わせ例を示している。図4にヘテロエピタキシャル層11の材料として示した単結晶半導体は、いずれも、陽極化成による多孔質化が可能であることが知られている(Electrochemistry of Nanomaterials, Edited by Gary Hodes)。
Si層15に印加される歪み量としては、ヘテロエピタキシャル層11や多孔質層12とともにそれらの材料や組成で決まる物理的特性(弾性定数)や膜厚、互いの接合強度等によって決まってくる。例えばヘテロエピタキシャル層、Si層、多孔質層の弾性定数(ヤング率等)が近い場合には、Si層に有効に歪みを印加するにはSi層と多孔質層の厚みの和よりもヘテロエピタキシャル層の膜厚を厚くし、かつSi層よりも多孔質層の厚みを薄くするのが良い。
また、この実施の形態によれば、ヘテロエピタキシャル層に加わる応力を緩和するために、臨界膜厚を超えて単結晶半導体11を成長させる必要がないので、必要最小限の成長で済む。一方、特許文献2に記載された技術は、歪み緩和させるためにエピタキシャル成長膜を十分に厚くする必要があり、後で平坦化してから追加で行なうエピ層の厚みと合わせるとかなりの成長量が必要となる。
また、この実施の形態によれば、多孔質層の形成後に発生する欠陥が基板表面に伝播することが多孔質層によって遮断されるので、例えば、基板の完成後(例えば、デバイスプロセス中)において発生する欠陥についても遮断することができる。一方、特許文献2に記載された技術では、傾斜層のエピタキシャル成長工程においてエピタキシャル成長膜の応力が十分に緩和されていない場合には、基板の完成後に応力緩和に伴って生じうる欠陥については、その伝播を遮断するものが存在しないので、新たに生じた欠陥が悪影響を及ぼす場合がある。
まず、単結晶Si基板10上に、Geを20at%含むSiGe層11をエピタキシャル成長によって100nm成長させた(図2(a))。この時点で、SiGe層11が単結晶Si基板10に倣って圧縮の応力を受けていることをラマン散乱とインプレーンのXRDで確認した(図5)。またさらに700℃以上の高温でアニールした場合にはSiGe層11が緩和することもXRDで確認した。
次いで、別の単結晶Si基板13の表面に、陽極化成により多孔質Siからなる分離層14a、および14bを形成した。陽極化成条件は、42.5%のHFと、9.2%のIPAと、水から成る混合液中で、基板に50mA/cmの電流を150秒間、続けて29mA/cmの電流を60秒間流した。その後Si層15をエピタキシャル成長法によって35nm成長させた。このときのSi層の欠陥は、別のサンプル(同構成)でSi層を500nmと厚く成長したもので〜10/cm程度であった。さらにSi層15の表面に陽極化成により多孔質層12を10nm形成した(図2(b))。このときの陽極化成条件としては、20%のHFと、9.2%のIPAと、水から成る混合液中で、基板に3mA/cmの電流を3秒間流した。
次いで、単結晶Si基板10、13をそれぞれ通常半導体プロセスで用いられる洗浄で洗浄したのち、それぞれの表面に窒素プラズマ処理を施した。そののち、再び純水洗浄して付着した異物を除去したのち、SiGe層11と多孔質層12と対向させてはりあわせた。この段階で両ウェーハはファンデルワールス力ではりあった。このウェーハ組みの接着強度を増すために、500℃で1時間加熱(アニール)した。この段階ではSiGe層11の深い部分にはまだミスフィット転位(結晶欠陥)は導入されておらず、SiGe層11には歪み(応力)が働いたままであったことを電子機顕微鏡観察、X線回折等で確認した(図2(c))。
くさびあるいはウオータージェット等の手段により、分離層14a、および14bの部分で基板10、13を分離し、基板10上に多孔質層12、Si層15、および分離層14aの一部を転写した(図2(d))。
次いで、選択エッチングにより分離層14aの残渣を除去した後、基板10を水素雰囲気中で1000℃でアニール処理した。このアニールによりSi層15の表面の凹凸が平坦化されるが、それに加えて、Si層15に格子歪みが印加される。Si層15への歪みの印加は、インプレーンのXRDで確認したところ、歪み量としては約0.7%であり、ヘテロエピタキシャル層であるSiGe層の緩和で発生する応力の約90%が印加されていた。断面TEM観察をしたところ、SiGe層11とSi基板10との界面及びその近傍には多くのミスフィット転位が生じていた。ミスフィット転位から基板の表面方向に向かう貫通転位16の発生が確認されたが、貫通転位は多孔質層12で遮断され、Si層15への欠陥伝播は観察した範囲では観られなかった。すなわち、SiGe層11の深い部分、すなわちSiGe層11と基板10との界面付近にミスフィット転位が導入され、SiGe11の格子歪みが緩和するとともに多孔質層12およびSi層15に格子歪みが印加された(図2(e))。
以上の工程により、Si基板10上に、欠陥が少ない歪みSi層を有する半導体基板が得られた。このようにして得られた歪みSi基板は通常の半導体プロセスと同様にしてデバイス(半導体素子)形成ができる。
また、歪みを印加するタイミングとしては、Si層15を転写して分離層14aの残渣を除去して一旦半導体基板を得た後、Si層15にデバイスを形成する最中(例えばソース・ドレイン形成時)あるいはデバイス形成後にアニール処理することで歪みを印加するようにしてもよい。
なお、上述の実施例では単結晶Si基板10上に、エピタキシャル成長によって単結晶SiGe層11を形成した場合を示したが、ヘテロエピタキシャル層としては多結晶SiGeであってもよい。
単結晶Si基板10上に、Geを30at%含むSiGe層11をエピタキシャル成長法によって550℃で150nm成長させた(図2(a))。この時点で、SiGe層11の格子はSi基板10のそれに倣っており、SiGe層11は圧縮の応力を受けていることをラマン散乱とインプレーンのXRDで確認した。
次いで、別の単結晶Si基板13の表面に、陽極化成により多孔質Siからなる分離層14a、および14bを形成した。陽極化成条件は、20%のHFと、9.2%のIPAと、水から成る混合液中で、基板に3.0mA/cmの電流を190秒間、続けて95mA/cmの電流を6秒間流した。その後Si層15をエピタキシャル成長法によって35nm成長させた。このときのSi層の欠陥は、別のサンプル(同構成)でSi層を500nmと厚く成長したもので〜10/cm程度であった。
次いで、Si層15の表面に陽極化成により多孔質層12を形成した(図2(b))。陽極化成工程では、20%のHFと、9.2%のIPAと、水から成る混合液中で、基板に3mA/cmの電流を3秒間流した。次に800℃でDRY酸化を行い、酸化シリコンからなる多孔質層12を20nm形成した。
次いで、単結晶Si基板10、13をSiGe層11と多孔質層12とを対向させてはりあわせた。このとき、予めSiGe層11と多孔質層12の各々の表面に対して窒素雰囲気中でプラズマ処理を施しておいてから貼り合わせを行い、接合強度の増加を図った。続いて500℃で1時間加熱(アニール)し、さらに接合強度を増加させたこの段階ではSiGe層11の深い部分にはまだミスフィット転位(結晶欠陥)は導入されておらず、SiGe層11には内部応力が働いたままであった(図2(c))。
くさびあるいはウオータージェット等の手段により、分離層14a、および14bの部分で基板10、13を分離し、基板10上に多孔質層12、Si層15、および分離層14aの一部を転写した(図2(d))。
次いで、選択エッチングにより分離層14aの残渣を除去した後、基板20を水素雰囲気中で温度を昇降(750‐1000‐750‐1000‐750℃)させて熱処理を行なった。これにより、SiGe層11の深い部分、すなわちSiGe層11と基板10との界面付近からミスフィット転位が導入され、SiGe層11は緩和するとともに、多孔質層12とSi層15に歪みが印加された。Si層15への歪みの印加は、インプレーンのXRDで確認された。断面TEM観察をしたところ、SiGe層11とSi基板10との界面及びその近傍には多くのミスフィット転位が生じていた。ミスフィット転位から基板の表面方向に向かう貫通転位16の発生が確認されたが、貫通転位は多孔質層12で遮断され、Si層15への欠陥伝播は観察した範囲では観られなかった
まず、単結晶Si基板20上に、Geを30at%含むSiGe層21をエピタキシャル成長法によって550℃で150nm成長させた(図3(a))。この時点で、SiGe層21の格子はSi基板20のそれに倣っており、SiGe層21は圧縮の応力を受けていることをラマン散乱とインプレーンのXRDで確認した。
次いで、別の単結晶Si基板23の表面に、陽極化成により多孔質Siからなる分離層24a、および24bを形成した。陽極化成条件は、42.5%のHFと、9.2%のIPAと、水から成る混合液中で、基板に50mA/cmの電流を150秒間、続けて29mA/cmの電流を60秒間流した。その後Si層25をエピタキシャル成長法によって30nm成長させた。このときのSi層の欠陥は、別のサンプル(同構成)でSi層を500nmと厚く成長したもので〜15/cm程度であった。
次いで、Si層25の表面に陽極化成により多孔質層22を形成した。陽極化成条件は、25%のHFと、9.2%のIPAと、水から成る混合液中で、基板に2.5mA/cmの電流を6秒間流し、多孔質層を20nm形成した(図3(b))。
次いで、単結晶Si基板20、23を多孔質層22とSi層25とを対向させて貼り合せ、500℃で1時間加熱(アニール)して接合強度を増大させた。この段階ではSiGe層21の深い部分にはまだミスフィット転位(結晶欠陥)は導入されておらず、SiGe層21には内部応力が働いたままであった(図3(c))。
くさびあるいはウオータージェット等の手段により、分離層24a、および24bの部分で基板20、23を分離し、基板20上に多孔質層22、Si層25、および分離層24aの一部を転写した(図3(d))。
次いで、選択エッチングにより分離層24aの残渣を除去した後、基板を図6に示す治具に装着して基板中心部に裏面側から点接触で荷重を3kgf掛けて表面側が凸となるように基板全体を反らせ、多孔質層22よりも深い部分にミスフィット転位(結晶欠陥)を導入し、SiGe層21の応力を緩和させた。さらにその後基板20を水素雰囲気中で1000℃2秒でアニール処理し、多孔質層22とSi層25との接合強度をさらに増大させた。(図3(e))。Si層25への歪みの印加は、インプレーンのXRDで確認したところ、歪み量としては約1.03%であり、ヘテロエピタキシャル層であるSiGe層21の緩和で発生する応力の約86%が印加されていた。断面TEM観察をしたところ、SiGe層21とSi基板20との界面及びその近傍には多くのミスフィット転位が生じていた。ミスフィット転位から基板の表面方向に向かう貫通転位の発生が確認されたが、貫通転位は多孔質層22で遮断されていた。
以上の工程により、Si基板20上に欠陥が少ない歪みSi層を有する半導体基板が得られた。
まず、単結晶Si基板10上に、Geを20at%含むSiGe層11をエピタキシャル成長よって100nm成長させた(図2(a))。この時点で、SiGe層11は単結晶Si基板10に倣って圧縮の応力を受けていることをラマン散乱とインプレーンのXRDで確認した(図5)。
次いで、別の単結晶Si基板13の表面に、陽極化成により多孔質Siからなる分離層14a、および14bを形成した。陽極化成条件は、20%のHFと、9.2%のIPAと、水から成る混合液中で、基板に3.0mA/cmの電流を190秒間、続けて93mA/cmの電流を7秒間流した。その後Si層15をエピタキシャル成長法によって50nm成長させ、さらにその表面に陽極化成により多孔質層12を形成した。陽極化成条件は、20%のHFと、9.2%のIPAと、水から成る混合液中で、基板に3mA/cmの電流を9秒間流して多孔質層を30nm形成した(図2(b))。このときのSi層の欠陥は、別のサンプル(同構成)でSi層を500nmと厚く成長したもので〜10/cm程度であった。
次いで、単結晶Si基板10、13をSiGe層11と多孔質層12とを対向させて貼り合せた。500℃で1時間加熱(アニール)して接合強度を増大させた。この段階ではSiGe層11の深い部分にはまだミスフィット転位(結晶欠陥)は導入されておらず、SiGe層11には歪み(応力)が働いたままであった(図2(c))。
くさびあるいはウオータージェット等の手段により、分離層14a、および14bの部分で基板10、13を分離し、基板10上に多孔質層12、Si層15、および分離層14aの一部を転写した(図2(d))。
次いで、選択エッチングにより分離層14aの残渣を除去した後、基板10を超音波振動子を配した層の中に入れ、超音波エネルギーを印加して、多孔質層12よりも深い部分にミスフィット転位(結晶欠陥)を導入し、SiGe層11の応力を緩和させた。このとき、多孔質層12およびSi層15に歪みが印加された。Si層15への歪みの印加は、インプレーンのXRDで確認され、歪み量としては約0.57%であり、ヘテロエピタキシャル層であるSiGe層11の緩和で発生する応力の約71%が印加されていた。また断面TEM観察により、SiGe層11とSi基板10との界面及びその近傍には多くのミスフィット転位が生じていることが分かった。ミスフィット転位から基板の表面方向に向かう貫通転位16の発生が確認されたが、貫通転位は多孔質層12で遮断され、Si層15への欠陥伝播は観察した範囲では観られなかった。
以上の工程により、Si基板10上に、欠陥が少ない歪みSi層を有する半導体基板が得られた。
本発明の好適な実施形態の半導体基板の例を示す模式的に示す図である。 本発明の好適な実施形態の半導体基板の製造方法の例を示す模式的断面図である。 本発明の別の好適な実施形態の半導体基板の製造方法の例を示す模式的断面図である。 支持基板、ヘテロエピタキシャル層の材料の好適な組み合わせ例を示している。 SiGe層の圧縮応力とその緩和の例を示す図である。 SiGe層を緩和させる治具の例を示す図である。
符号の説明
10、20 支持基板
11、21 ヘテロエピタキシャル層
12、22 多孔質層
13、23 結晶基板
14a、14b、24a、24b 分離層
16 結晶欠陥
61 単結晶Si基板
62 荷重受け治具
63 荷重印加ニードル

Claims (22)

  1. 半導体基板の製造方法であって、
    支持基板とは格子定数の異なるヘテロエピタキシャル層、多孔質層、Si層が順に積層された構造を少なくとも含む支持基板に、前記Si層の歪みを変化させるために、前記ヘテロエピタキシャル層の応力を変化させる工程を行なう、ことを特徴とする半導体基板の製造方法。
  2. 前記ヘテロエピタキシャル層の応力を変化させる工程が、前記ヘテロエピタキシャル層に作用する内部応力を緩和することであることを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の製造方法。
  3. 前記ヘテロエピタキシャル層が単結晶Si基板上に形成された単結晶SiGeであることを特徴とする請求項1および2に記載の半導体基板の製造方法。
  4. 前記支持基板がSi基板であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の半導体基板の製造方法。
  5. 前記Si層が単結晶Siであることを特徴とする請求項1乃至4に記載の半導体基板の製造方法。
  6. 前記Si層に半導体素子を造り込む工程を含むことを特徴とする請求項1乃至5に記載の半導体基板の製造方法。
  7. 前記多孔質層は、Siであることを特徴とする請求項1乃至6に記載の半導体基板の製造方法。
  8. 前記多孔質層は、酸化シリコンであることを特徴とする請求項1乃至6に記載の半導体基板の製造方法。
  9. 前記ヘテロエピタキシャル層に作用する内部応力を緩和する工程が、加熱工程を含むことを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれか1項に記載の半導体基板の製造方法。
  10. 前記加熱工程を、前記ヘテロエピタキシャル層を形成する工程における温度よりも高い温度で実施することを特徴とする請求項9に記載の半導体基板の製造方法。
  11. 前記加熱工程は、温度を昇降させる工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の半導体基板の製造方法。
  12. 前記ヘテロエピタキシャル層に作用する内部応力を緩和する工程は、外部から力を印加することで行なうことを特徴とする請求項1乃至請求項8に記載の半導体基板の製造方法。
  13. 前記Si層は分離層を介してSi結晶基板上に形成される工程、および前記ヘテロエピタキシャル層上へ転写される工程とを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項12に記載の半導体基板の製造方法。
  14. 前記分離層は前記Si結晶基板の上に単層あるいは複数の多孔質層を形成することで得られることを特徴とする請求項13に記載の半導体基板の製造方法。
  15. 前記Si層の上に前記ヘテロエピタキシャル層が形成された後に、前記Si層が前記ヘテロエピタキシャル層上へ転写されることを特徴とする請求項1乃至14に記載の半導体基板の製造方法。
  16. 半導体基板であって、
    支持基板と、
    前記支持基板の上に形成されたヘテロエピタキシャル層と、
    前記ヘテロエピタキシャル層の上に形成された多孔質層と、
    さらに前期多孔質層の上に形成されたSi層とを備え、
    前記ヘテロエピタキシャル層は前記支持基板から応力的に分離され、かつ前記ヘテロエピタキシャル層から前記多孔質層、および前記Si層に歪みが印加されていることを特徴とする半導体基板。
  17. 前記ヘテロエピタキシャル層が結晶SiGeであることを特徴とする請求項16に記載の半導体基板。
  18. 前記支持基板がSi基板であることを特徴とする請求項16乃至17に記載の半導体基板。
  19. 前記Si層が単結晶Siであることを特徴とする請求項16乃至18に記載の半導体基板。
  20. 前記多孔質層は、Siであることを特徴とする請求項16乃至19に記載の半導体基板。
  21. 前記多孔質層は、酸化シリコンであることを特徴とする請求項16乃至19に記載の半導体基板。
  22. 前記多孔質層の厚さは50nm以下であり、前記ヘテロエピタキシャル層によって主に前記Si層に歪みが印加されていることを特徴とする請求項16に記載の半導体基板。
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JP2009272504A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Univ Nagoya 多層膜構造体およびその形成方法

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