JP2007205457A - 等速自在継手の内側継手部材と軸部材の嵌合構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 内輪の突起部の軸方向長さ(内輪幅)を短縮しても、サークリップの自動組み付けを容易にする。
【解決手段】 外輪との間で角度変位を許容しながらトルクを伝達する等速自在継手に装備された内輪とその内輪の内径に形成された軸孔にスプライン嵌合してサークリップにて抜け止めされたシャフト13とを備え、内輪の軸孔の一方の開口端部にチャンファを設け、そのチャンファにサークリップを自動調心させながらシャフト13を挿入し、そのシャフト13に形成された止め溝14にサークリップを嵌入させて軸孔の他方の開口端部に係合させた等速自在継手の内輪とシャフト13の嵌合構造であって、シャフト13の止め溝14よりも軸端側部位に、サークリップを仮止めする凹状の仮止め溝21を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 外輪との間で角度変位を許容しながらトルクを伝達する等速自在継手に装備された内輪とその内輪の内径に形成された軸孔にスプライン嵌合してサークリップにて抜け止めされたシャフト13とを備え、内輪の軸孔の一方の開口端部にチャンファを設け、そのチャンファにサークリップを自動調心させながらシャフト13を挿入し、そのシャフト13に形成された止め溝14にサークリップを嵌入させて軸孔の他方の開口端部に係合させた等速自在継手の内輪とシャフト13の嵌合構造であって、シャフト13の止め溝14よりも軸端側部位に、サークリップを仮止めする凹状の仮止め溝21を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用され、例えば4WD車やFR車などで使用されるドライブシャフトやプロペラシャフトに組み込まれる固定式あるいは摺動式等速自在継手の内側継手部材と軸部材の嵌合構造に関する。
例えば、自動車のドライブシャフト等の連結用継手として使用されている固定式等速自在継手(ツェパー型等速自在継手:BJ)は、球面状の内径面に曲線状のボール溝を軸方向に形成した外側継手部材としての外輪と、球面状の外径面に曲線状のボール溝を軸方向に形成した内側継手部材としての内輪と、外輪のボール溝とこれに対応する内輪のボール溝とが協働して形成されるトラックに配された複数のトルク伝達用ボールと、それらのボールを保持するポケットを備えた保持器とで構成される。複数のボールは、保持器に形成されたポケットに収容されて円周方向等間隔に配置されている。
この等速自在継手をドライブシャフトに使用する場合、外輪の一端から軸方向に一体的に延びる軸部(従動軸)を車輪軸受装置に連結すると共に、内輪の軸孔にスプライン嵌合された軸部材としてのシャフト(駆動軸)を摺動式等速自在継手に連結するようにしている。この外輪の軸部と内輪側のシャフトの二軸間で外輪と内輪とが角度変位すると、保持器のポケットに収容されたボールは常にどの作動角においても、その作動角の二等分面内に維持され、継手の等速性が確保される。ここで、作動角とは、外輪の軸部と内輪のシャフトとがなす角度を意味する。
前述したように等速自在継手の内輪の軸孔にシャフトがスプライン嵌合により連結されている。この内輪とシャフトの嵌合構造では、内輪の軸孔にシャフトがスプライン嵌合され、サークリップにて抜け止めされる(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示された嵌合構造では、サークリップの自動組み込みが容易なように内輪の軸孔のシャフト挿入側端部にチャンファを設けるようにしている。
図10〜図13は、特許文献1に開示された形状を有する内輪106にシャフト113を組み付ける要領を説明したものである。
同図に示すように内輪106の軸孔112の内周面にスプライン117が形成され、その軸孔112のシャフト挿入側端部にチャンファ120を設けている。そのチャンファ角βは、32.5°以下、好ましくは15°以上32.5°以下に設定している。また、チャンファ120の開口端半径R2は、シャフト113の端部に形成した止め溝114に予め取り付けられたサークリップ115がその自重により垂れ下がった状態でも、シャフト113を内輪106の軸孔112にそのまま挿入できるように、シャフト113にサークリップ115が自重で垂れ下がった時の半径R1よりも大きく設定している(図10参照)。
この内輪106の軸孔112にシャフト113を組み付けるに際しては、まず、図10に示すように内輪106の軸孔112に対してシャフト113を同軸上に配置すると、そのシャフト113の軸端部にサークリップ115が垂れ下がった状態となる。
この状態から、図11に示すように内輪106の軸孔112にシャフト113を挿入すると、サークリップ115は内輪106のチャンファ120のテーパ面に案内されて自動調心される。
その後、図12に示すように内輪106の軸孔112にシャフト113をさらに挿入すると、サークリップ115は内輪106のスプライン小径まで縮径されて軸孔112を通過する。
そして、図13に示すようにシャフト113の軸端部を内輪106から突出する位置まで挿入すると、サークリップ115は内輪106の軸孔開口端に形成された段部116の位置で拡径されて、シャフト113がこのサークリップ115にて抜け止めされる。
特許第3188001号公報
ところで、前述した等速自在継手では、サークリップ115の自動組み込みを行うに際して、内輪106のチャンファ120のテーパ面長さを稼いでサークリップ115が自動調心されながらスムーズに縮径するように、その内輪106のシャフト挿入側端部に突起部119を設けている。なお、内輪106の端部を突起形状としているのは、内輪106とケージの組み込み性を考慮したものである。
一方、サークリップ115の自動組み込み性を向上させるためには、内輪106のチャンファ120におけるテーパ角、つまりチャンファ角βを小さくするほうがよい。しかしながら、内輪106のスプライン有効嵌合長を確保したまま、チャンファ角βを小さくすればするほど、前述した突起部119の軸方向長さが大きくなり、その結果、内輪106の軸方向長さ、つまり内輪幅が拡大することになる。これは、継手の製造面においてコストアップを招き、継手全体の重量増加にもなる。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、内輪の突起部の軸方向長さ(内輪幅)を短縮しても、サークリップの自動組み込みを容易にし得る等速自在継手の内側継手部材と軸部材の嵌合構造を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、外側継手部材との間で角度変位を許容しながらトルクを伝達する等速自在継手に装備された内側継手部材とその内側継手部材の内径に形成された軸孔にスプライン嵌合して係止部材にて抜け止めされた軸部材とを備え、内側継手部材の軸孔の一方の開口端部にチャンファを設け、そのチャンファに係止部材を自動調心させながら軸部材を挿入し、その軸部材に形成された止め溝に係止部材を嵌入させて軸孔の他方の開口端部に係合させた等速自在継手の内側継手部材と軸部材の嵌合構造であって、軸部材の止め溝よりも軸端側部位に、係止部材を仮止めする凹状の仮止め溝を設けたことを特徴とする。
この等速自在継手の内側継手部材と軸部材の嵌合構造では、軸部材の止め溝よりも軸端側部位に設けられた仮止め溝が以下のような機能を発揮する。
まず、軸部材の仮止め溝に係止部材を拡径させた状態で仮止めし、この状態から軸部材を内側継手部材の軸孔に挿入すると、係止部材が軸孔の一方の開口端部に位置するチャンファに当接する。さらに軸部材を軸孔に挿入すると、係止部材がチャンファで反軸端側へ押されることにより仮止め溝から離脱し、その仮止め溝の反軸端側に位置する止め溝へ移動すると共に縮径して止め溝に嵌まり込む。
その後は従来と同様にして、係止部材は、軸孔の内径に押されて縮径しながらその軸孔を通過してその他方の開口端部で拡径する。これにより、その係止部材で軸部材が内側継手部材に抜け止めされる。
以上のように内側継手部材の軸孔に軸部材を挿入するに際して、係止部材を軸部材の仮止め溝に嵌め込んで仮止めすることにより、軸孔の一方の開口端部に設けられたチャンファの開口径を従来よりも小さくすることができる。その結果、内側継手部材の軸方向長さを短縮しても、軸部材の軸孔への挿入がスムーズかつ確実に行えて従来と同等となるような係止部材の自動組み込み性が得られる。
前述した内側継手部材と軸部材の嵌合構造において、仮止め溝の深さを0.2〜0.5mmとすることが望ましい。
この仮止め溝は、軸部材を内側継手部材の軸孔に挿入するに際して、係止部材を軸部材に仮止めし、かつ、係止部材が軸孔の開口端部のチャンファで押された時にその係止部材を離脱させる機能を持つ。
このことから、仮止め溝の深さが0.2mmより小さいと、係止部材を軸部材に仮止めすることが困難となり、逆に、0.5mmより大きいと、チャンファで押された時に係止部材を離脱させることが困難となる。
また、内側継手部材と軸部材の嵌合構造において、仮止め溝の反軸端側にテーパを設けることが望ましい。
前述したように軸部材を内側継手部材の軸孔に挿入するに際して、係止部材が軸孔の開口端部のチャンファで押された時に係止部材を仮止め溝から離脱させるようにすることから、仮止め溝の反軸端側にテーパを設けておけば、係止部材を仮止め溝から容易に離脱させることができる。
さらに、内側継手部材と軸部材の嵌合構造において、仮止め溝のテーパの切り上がり位置を止め溝よりも軸端側に配置することが望ましい。
つまり、仮止め溝のテーパの切り上がり位置と止め溝を軸方向で離間させるようにする。この仮止め溝のテーパが止め溝に繋がるように連続して形成されていると、軸部材を内側継手部材に係止部材で抜け止めした後、止め溝に嵌まり込んだ係止部材の引っ掛かりが少なくなり、小さな力で軸部材が抜脱する可能性がある。
そこで、仮止め溝のテーパの切り上がり位置と止め溝を軸方向で離間させてその仮止め溝と止め溝を独立させて形成しておけば、軸部材を内側継手部材に係止部材で抜け止めした状態で、止め溝に嵌まり込んだ係止部材の引っ掛かりが大きく、軸部材の抜け止めが強固となる。
本発明によれば、軸部材の止め溝よりも軸端側部位に、係止部材を仮止めする凹状の仮止め溝を設けたことにより、従来品と同等となるような係止部材の自動組み込み性を確保することができると共に、内側継手部材の軸方向長さの短縮化により、内側継手部材の軽量化および低コスト化を図ることができ、係止部材の自動組み込み性が良好で軽量コンパクトな等速自在継手を提供できる。
本発明の実施形態を以下に詳述する。なお、以下の実施形態は、固定式(ツェパー型)等速自在継手(BJ)に適用した場合を例示するが、他の等速自在継手、例えば、固定式(アンダーカットフリー型)等速自在継手(UJ)、摺動式(クロスグルーブ型)等速自在継手(LJ)や摺動式(ダブルオフセット型)等速自在継手(DOJ)、摺動式(トリポード型)等速自在継手(TJ)も適用可能である。
図8および図9に示す実施形態の等速自在継手は、球面状の内径面1に曲線状のボール溝2を軸方向に形成した外側継手部材としての外輪3と、球面状の外径面4に曲線状のボール溝5を軸方向に形成した内側継手部材としての内輪6と、外輪3のボール溝2とこれに対応する内輪6のボール溝5とが協働して形成されるトラックに配された8個のトルク伝達用ボール7と、それらのボール7を保持するポケット8を備えた保持器9とで構成される。8個のボール7は、保持器9に形成されたポケット8に一個ずつ収容されて円周方向等間隔に配置されている。なお、ボール7の数は、8個に限らず6個でもよい。
外輪3のボール溝2の曲率中心O1と内輪6のボール溝5の曲率中心O2とは、ボール7の中心を含む継手中心Oに対して軸方向に等距離だけ反対側にオフセットされ、そのため、トラックは開口側が広く奥側に向かって漸次縮小した楔形状になっている。また、外輪3の内径面1および内輪6の外径面4の球面中心はいずれも継手中心Oと一致する。
前述の構成からなる等速自在継手を自動車のドライブシャフトに使用する場合、前述の外輪3のマウス部10の底部から一体的に延びる軸部11(従動軸)を車輪軸受装置(図示せず)に連結すると共に、内輪6の軸孔12にスプライン嵌合された軸部材としてのシャフト13(駆動軸)を摺動型等速自在継手(図示せず)を連結する。この内輪6とシャフト13をスプライン嵌合により連結したことにより両者間でトルク伝達可能となっている。
この等速自在継手では、外輪3の軸部11と内輪側のシャフト13の二軸間で作動角度変位を許容しながらトルク伝達が可能な構造となっている。つまり、外輪3と内輪6とが角度θだけ角度変位すると、保持器9に案内されたボール7は常にどの作動角θにおいても、その作動角θの二等分面(θ/2)内に維持され、継手の等速性が確保される。
内輪6の軸孔12に挿入されてスプライン嵌合したシャフト13は、その先端部に設けられた環状の止め溝14に嵌め込まれた係止部材としてのサークリップ15を、内輪6の軸孔12の奥側に位置する開口端部に設けられた段部16に係止させることにより、抜け止めされている。
図1はサークリップ15の自動組み込み性を従来品と同等となるような形状としたシャフト13で、同図(a)はシャフト13の挿入側軸端部、同図(b)はサークリップ15の止め溝14および仮止め溝21を示す。また、図2は図1のシャフト13を使用した場合の実施形態における内輪形状を従来品と比較するため、軸線より上半分に実施形態の内輪6を示し、軸線より下半分に従来の内輪106を示す。さらに、図3はこの実施形態で使用するサークリップ15を示し、自然状態で半径R5を有する。
この実施形態における内輪6とシャフト13の嵌合構造では、図1(a)に示す形状を具備したシャフト13を使用する。シャフト13は、従来と同様に設けられた止め溝14よりも軸端側部位に、サークリップ15を仮止めする凹状の仮止め溝21を有する。一方、内輪6は、図2に示すようにその軸孔12の内周面にスプライン17が形成され、その軸孔12のシャフト挿入側に位置する開口端部に、シャフト13の挿入時にサークリップ15を自動調心するためのチャンファ20が設けられている。このチャンファ20は、サークリップ15の縮径を容易にするため、従来品と同等の15°〜32.5°のチャンファ角βを有する。
図1(b)に示すように、この仮止め溝21の深さnは、0.2〜0.5mmとする。この仮止め溝21は、シャフト13を内輪6の軸孔12に挿入するに際して、サークリップ15をシャフト13に仮止めし、かつ、サークリップ15が軸孔12の開口端部のチャンファ20で押された時にそのサークリップ15を離脱させる機能を持つ。このことから、仮止め溝21の深さnが0.2mmより小さいと、サークリップ15をシャフト13に仮止めすることが困難となり、逆に、0.5mmより大きいと、チャンファ20で押された時にサークリップ15を離脱させることが困難となる。
また、仮止め溝21のシャフト反軸端側、つまり、止め溝側にテーパ22を設ける。シャフト13を内輪6の軸孔12に挿入するに際して、サークリップ15が軸孔12の開口端部のチャンファ20で押された時に、仮止め溝21の止め溝側にテーパ22を設けておけば、サークリップ15を仮止め溝21から容易に離脱させることができる。なお、そのテーパ角度αとしては、例えば15°程度が好適である。
この仮止め溝21のテーパ22の切り上がり位置は、止め溝14よりもシャフト軸端側に配置する。つまり、仮止め溝21のテーパ22の切り上がり位置と止め溝14を軸方向で離間させるようにする。この仮止め溝21のテーパ22が止め溝14に繋がるように連続して形成されていると、シャフト13を内輪6にサークリップ15で抜け止めした後、止め溝14に嵌まり込んだサークリップ15の引っ掛かりが少なくなり、小さな力でシャフト13が抜脱する可能性がある。
そこで、仮止め溝21のテーパ22の切り上がり位置と止め溝14を軸方向で離間させてその仮止め溝21と止め溝14を独立させて形成しておけば、シャフト13を内輪6にサークリップ15で抜け止めした状態で、止め溝14に嵌まり込んだサークリップ15の引っ掛かりが大きく、シャフト13の抜け止めが強固となる。
図4〜図7は、この実施形態の内輪6にシャフト13を組み付ける要領を説明したものである。この内輪6とシャフト13の嵌合構造では、シャフト13の止め溝14よりも軸端側部位に設けられた仮止め溝21が以下のように機能する。
この内輪6の軸孔12にシャフト13を組み付けるに際しては、まず、図4に示すようにシャフト13の仮止め溝21にサークリップ15を拡径させた状態で仮止めして内輪6の軸孔12に対してシャフト13を同軸上に配置する。
この時、仮止め溝21の深さを0.2〜0.5mmと設定したことにより、シャフト13を内輪6の軸孔12に挿入するに際して、サークリップ15をシャフト13に確実に仮止めすることができる。ここで、シャフト13に仮止めされたサークリップ15の最大半径R0は、内輪6の開口端部のチャンファ20の開口端半径R3よりも小さく設定されている。
この状態からシャフト13を内輪6の軸孔12に挿入すると、図5に示すようにサークリップ15は内輪6の一方の開口端部に位置するチャンファ20のテーパ面に当接する。さらにシャフト13を軸孔12に挿入すると、図6に示すようにサークリップ15はチャンファ20でシャフト反軸端側へ押されることにより仮止め溝21から離脱し、その仮止め溝21のシャフト反軸端側に位置する止め溝14へ移動する。
この時、仮止め溝21の深さnを0.2〜0.5mmと設定したことにより、サークリップ15がチャンファ20のテーパ面で押された時にそのサークリップ15を仮止め溝21から容易に離脱させることができる。また、仮止め溝21のシャフト反軸端側にテーパ22を設けたことにより、サークリップ15の仮止め溝21からの離脱をより一層容易にすることができる。
そして、図7に示すようにサークリップ15はチャンファ20のテーパ面に案内されて自動調心されながら縮径して止め溝14に嵌まり込む。その後は従来と同様にして、サークリップ15を縮径させた状態で軸孔12を通過させ、シャフト13の軸端部が内輪6から突出する位置に達すると、サークリップ15は内輪6の軸孔12の開口端部に形成された段部16の位置で拡径され、シャフト13がこのサークリップ15にて抜け止めされる(図12および図13参照)。
この内輪6の開口端部でサークリップ15がシャフト13の止め溝14に嵌まり込むと共に段部16で係止されることにより、シャフト13が内輪6に対して抜け止めされた状態では、仮止め溝21のテーパ22の切り上がり位置を止め溝14よりもシャフト軸端側に配置して離間させるようにしていることから、シャフト13に軸方向の引張力が作用しても、サークリップ15が止め溝14から離脱して仮止め溝21へ移動することなく、止め溝14に嵌まり込んだサークリップ15の引っ掛かりが大きく、シャフト13の抜け止めが強固となっている。
以上のように内輪6の軸孔12にシャフト13を挿入するに際して、サークリップ15をシャフト13の仮止め溝21に嵌め込んで仮止めすることにより、従来のようにサークリップ115の自重による垂れ下がりがなくなるため(図4と図10の比較参照)、図2に示すように軸孔12の一方の開口端部に設けられたチャンファ20の開口端半径R3を従来におけるチャンファ120の開口径R2よりも小さくすることができる(R3<R2)。
そのチャンファ20の開口端半径を小さくすることができる分、図2に示すように内輪6の突起部19の軸方向長さm1(内輪幅L1)を従来品における内輪106の突起部119の軸方向長さm2(内輪幅L2)よりも短くすることができる(m1<m2,L1<L2)。その結果、内輪6の軸方向長さを短縮しても、シャフト13の軸孔12への挿入がスムーズかつ確実に行えて従来と同等となるようなサークリップ15の自動組み込み性が得られる。
3 外側継手部材(外輪)
6 内側継手部材(内輪)
7 トルク伝達部材(ボール)
12 軸孔
13 シャフト
14 止め溝
15 係止部材(サークリップ)
20 チャンファ
21 仮止め溝
22 テーパ
6 内側継手部材(内輪)
7 トルク伝達部材(ボール)
12 軸孔
13 シャフト
14 止め溝
15 係止部材(サークリップ)
20 チャンファ
21 仮止め溝
22 テーパ
Claims (4)
- 外側継手部材との間で角度変位を許容しながらトルクを伝達する等速自在継手に装備された内側継手部材とその内側継手部材の内径に形成された軸孔にスプライン嵌合して係止部材にて抜け止めされた軸部材とを備え、前記内側継手部材の軸孔の一方の開口端部にチャンファを設け、そのチャンファに係止部材を自動調心させながら軸部材を挿入し、その軸部材に形成された止め溝に前記係止部材を嵌入させて軸孔の他方の開口端部に係合させた等速自在継手の内側継手部材と軸部材の嵌合構造であって、
前記軸部材の止め溝よりも軸端側部位に、前記係止部材を仮止めする凹状の仮止め溝を設けたことを特徴とする等速自在継手の内側継手部材と軸部材の嵌合構造。 - 前記仮止め溝の深さを0.2〜0.5mmとした請求項1に記載の等速自在継手の内側継手部材と軸部材の嵌合構造。
- 前記仮止め溝の反軸端側にテーパを設けた請求項1又は2に記載の等速自在継手の内側継手部材と軸部材の嵌合構造。
- 前記仮止め溝のテーパの切り上がり位置を止め溝よりも軸端側に配置した請求項3に記載の等速自在継手の内側継手部材と軸部材の嵌合構造。
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