JP2007202533A - 被覆生地用組成物と、該組成物を利用するプレミックス食品及び焼成食品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】家庭で手軽に、風味食感が良好なメロンパンなどの焼成食品を作ることができるようにすること。
【解決手段】パンその他の食材の焼成被覆生地(表面生地)用のベース組成物あって、小麦粉、糖類、膨張剤を少なくとも含んでおり、前記小麦粉は、タンパク含量(グルテン含量)に差がある薄力粉と強力粉とから構成され、前記膨張剤として、反応速度(ガス発生速度)が速効性の膨張剤を用いた被覆生地用組成物、該組成物を利用するプレミックス食品と焼成食品の製法を提供する。

Description

本発明は、食品の被覆生地部分を構成する組成物、並びにその関連技術に関する。より詳しくは、パンその他の食材の表面を被覆した後、その表面を焼成した上で食する食品(以下「焼成食品」という。)の前記表面生地部分のベース組成物、該組成物を利用するプレミックス食品、並びに焼成食品の製造方法に関する。
パンの製法の分野などでは、その表面の食感を変化させるために、内部生地をこれとは別配合の生地で包んだり、トッピングしたりする方法が知られている。メロンパンはその代表的なものである。このメロンパンは、小麦粉・砂糖・マーガリン・卵・色素・香料・ベーキングパウダー(即ち、膨張剤)などに水を加えて混捏したクッキー生地によって菓子パン生地を被覆、成形した後に、ホイロ後(発酵後)に焼成することによって作られている。この結果、メロン皮様の形態をなす表面のサクサク(又はカリカリ)とした食感と内部の柔らかい食感の変化を楽しむことができる。
表面部分を被覆する生地に係わる配合等の技術については、焼成後の経時的吸湿の抑制、保存性の向上、食感の維持などが従来からの主な課題となっている。特許文献1には、焼成後の経時的吸湿の抑制を達成し得るパン用被覆生地改良剤が開示されており、特許文献2には、保存性の向上を達成し得る被覆生地ベースが開示されており、特許文献3には、メロンパンの外皮の食感を維持することが可能な製造方法が開示されている。
また、特許文献4においては、メロンパンを家庭で手軽に作ることができるように、食パンやロールパン等の市販のパンを所定配合の生地で被覆してオーブントースターで焼成する技術が開示されている。この生地は、小麦粉と油脂が配合されており、小麦粉の配合量が5〜25%、小麦粉の配合量に対する乳糖の配合量が1.5倍以上であることなどを特徴としている。この生地配合では、小麦粉の配合量が少ない一方、総油脂含量が38%にも達し、全糖類含量も45%強となっている(特許文献4の実施例参照)。
加えて、ホットケーキミックスを利用してクッキー生地を調製し、これで市販の食パンやロールパンを包んでメロンパンを作る方法も知られている。ホットケーキミックスに配合されている膨張剤は、反応速度(ガス発生速度)の異なる数種の酸性剤とアルカリ性剤を組み合わせたものであり、さらに、その配合量が非常に多いため、例えば、油脂の配合量が多いクッキー生地を調製し、パンに被覆すると、焼成中にクッキー生地がダレて流れ落ちる他、膨張剤の反応残渣および(反応しきれずに残った)反応残留物の一部が生地に残って食味の著しく悪いメロンパンとなってしまう。
特開2003−333981号公報。 特開平08−332019号公報。 特開2002−306055号公報。 特開2005−27549号公報。
専門又は熟練の製法技術が求められるメロンパンに代表されるような焼成食品を、オーブン等を用いて家庭内でより手軽に作ることができるようにするためには、被覆生地の基本配合組成から根本的に見直して、これを改善する必要があると考えられる。
本願発明者らが鋭意研究の上、策定した前記改善の方向は、(1)被覆生地由来の油分のパン表面からの垂れ落ち(発火の原因ともなり得る)を防止すること、(2)焼成中における油分の内部食材への移行が主因となって起こる被覆生地の焼成中の流れ落ち、焼成後の剥離、風味食感への悪影響などを有効に防ぐこと、(3)焼成後における膨張剤の残存影響を極力抑制して所望の風味食感を得ること、である。
そこで、本発明では、上記(1)〜(3)の技術的課題を全て解決することができる被覆生地用組成物等を提供することを主な目的とする。
本発明では、第一に、食材の焼成被覆生地用のベース組成物であって、小麦粉、糖類、膨張剤を少なくとも含んでおり、前記小麦粉は薄力粉と強力粉とから構成されており、前記膨張剤としてアルカリ性剤と酸性剤を組み合わせてなる速効性膨張剤が用いられた被覆生地用組成物を提供する。特に、本発明では、前記薄力粉が35〜55重量%の範囲内、前記強力粉が10〜30重量%の範囲内で含まれることで適度なグルテンバランスを有しており、加えて、前記アルカリ性剤である重曹と前記酸性剤の総含量が1重量%以下であり、かつ、前記重曹が0.1〜0.4重量%、前記酸性剤が0.1〜0.7重量%以下の範囲内で含まれている被覆生地用組成物を提供する。本組成物を所定の方法により調製して得た生地で被覆することが可能な食材は、特に限定されず、狭く解釈され得ないが、その好適例の一つとしてパンを挙げることができ、この場合、例えば、その表面をオーブン等で焼成すれば、食感良好なメロンパンや表面がサクサク食感のトースト食パンなどを家庭内で手軽に手作りすることができる。
本発明では、第二に、上記した被覆生地用組成物が所定量収容されたプレミックス食品を提供する。収容の方法や形態は特に限定されず、内容量についても、目的に応じて適宜決定することができる。なお、このプレミックス食品に、澱粉類、甘味料(乳糖、澱粉分解物等)、食塩、全粉乳、脱脂粉乳、卵黄粉、卵白粉、油脂類、乳化剤、香料、香辛料、着色料、増粘多糖類、ドライフルーツ、チョコチップなどのトッピング材などを添加するのは目的に応じて自由である。
本発明では、第三に、焼成食品の製造方法を提供する。具体的には、上記した被覆生地用組成物に、油脂及び卵を加えて混捏する手順と、この手順により得られた混捏物をシート状にする手順と、この手順により得られたシート状物を食材(例えば、ロールパンなどのパン)に被覆する手順と、この手順により得られる被覆物を焼成する手順と、を少なくとも行うことによって、焼成された被覆生地を表面に有する焼成食品(例えば、メロンパンやトースト食パン)の製造方法を提供する。なお、食材と被覆生地の間に卵液などのバインダーを介在させることにより、食材と被覆生地の剥離を有効に防止することができる。特に、艶出し用の卵液や油脂が表面に既に塗布してあるロールパンなどを被覆する場合では、前記バインダーを用いて一体化するのが好適である。
ここで、本発明において被覆対象となる「食材」は、その代表例はパン、特に食パン、ロールパン、フランスパン、クロワッサン、クリームパン、ジャムパン、あんパン、ぶどうパン、蒸しパン(カステラを含む。)などの焼成又は蒸し済みの市販の製品パンである。しかし、これらに特に狭く限定されることなく、パン以外の和洋菓子、果実、ジャム、餡、クリーム、ペースト、ドライフルーツ、ナッツ類、チョコレート、チーズ、野菜(例えば、さつまいも、かぼちゃ)、チーズなどを含む食品素材を広く含む。「被覆」の概念は、所望の食材の一部分又は全部の表面に被せたり、覆ったり、重ねたり、あるいはトッピングしたりすることなどを広く含む。
「薄力粉」とは、小麦粉の一種であり、軟質小麦を原料とし、タンパク質(グルテン)含量が6.5〜9.0%程度のもの、「強力粉」とは、硬質小麦を原料とし、タンパク質(グルテン)含量が10.5〜13.0%程度のものをいう。
「膨張剤」とは、炭酸ガスやアンモニアガスによって生地の体積を膨張させて食感等を改質するための化学品であり、ふくらまし粉又はベーキングパウダーの概念を包含する。例えば、重曹(炭酸水素ナトリウム)、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、重炭酸アンモニウムなどのアルカリ性剤を単独で使用することができる。あるいは、これらのアルカリ性剤に炭酸ガスの発生を促進させる酸性剤として、酒石酸、酒石酸水素カリウム、フマル酸、フマル酸ナトリウム、第一リン酸カルシウム、第一リン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カルシウム、焼ミョウバン、焼アンモニウムミョウバン、グルコノデルタラクトン、塩化アンモニウムなどを組み合わせて使用することができる。本発明では、膨張剤の総含量が1重量%以下となるように配合上工夫する。
「速効性膨張剤」とは、水に対する溶解性が高く、アルカリ性剤とこのアルカリ性剤と低温でも反応性が高い酸性剤(以下、「速効性酸性剤」)とを組み合わせたものである。例えば、アルカリ性剤である重曹(炭酸水素ナトリウム)に、酒石酸や酒石酸水素カリウム、フマル酸、フマル酸ナトリウムなどの速効性酸性剤を組み合わせたものを挙げることができる。好適には、重曹と速効性酸性剤の総含量が1重量%以下であり、かつ、前記重曹が0.1〜0.4重量%、前記酸性剤が0.1〜0.7重量%以下の範囲内で含まれるように工夫し、さらには、酸性剤の配合量が重曹に対する中和反応等量に相当する量となるように工夫する。なお、参考のため、「遅効性膨張剤」とは、水に対する溶解性が低く、低温では重曹(炭酸水素ナトリウム)との反応性が低く、加熱によって反応性が高まる酸性剤を組み合わせたものであり、例えば、重曹(炭酸水素ナトリウム)に、酸性ピロリン酸ナトリウムや酸性ピロリン酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、焼ミョウバンなどを組み合わせたものを挙げることができる。さらに参考のため、「中間性膨張剤」とは、速効性と遅効性の中間の性質を示すものであり、例えば、重曹(炭酸水素ナトリウム)に、第一リン酸カルシウムや第一リン酸ナトリウムなどの酸性剤を組み合わせたものが挙げられる。
本発明に係る被覆生地用組成物によれば、該組成物から調製された被覆生地由来の油分の食材表面からの垂れ落ちを有効に防止することができる。また、焼成中における油分の内部食材への移行が主因となって起こる被覆生地の焼成中の流れ落ち、焼成後の剥離、風味食感への悪影響などをいずれも有効に防ぐことができる。さらに、焼成後における膨張剤の残存影響を極力抑制することにより、所望の風味食感を得ることができる。
より具体的には、組成物中の小麦粉を薄力粉と強力粉とから構成することにより適度なグルテンバランスに調整しておくことにより、該組成物から被覆生地を調製する過程において前記グルテンを生地全体に展開させて網目状の組織構造を適度に形成し、該組織構造中へ(添加又は配合された)油分を均一に分散させることが可能となる。この結果、被覆生地部分の焼成により、生地全体にわたってサクサクとした食感が得られる。また、油分が網目構造内に取り込まれているため、焼成過程で油脂が生地から分離し難いことから、該生地に被覆された食材へ油分が移行して浸透したり、垂れ落ちたりするなどが起こらないので、風味・食感を損ねてしまうことがない。
本発明に係る被覆生地用組成物を混捏等した後にシート状に形成した生地で、市販のロールパンや食パンなどの表面を被覆し、これをオーブン等で焼成する簡易な作業を行うだけで、例えば、適度に甘く、サクサク感のある被覆生地で被覆されたメロンパンやトースト食パンを手軽に作ることができる。
(1.第1試験のための被覆生地用組成物の基本配合)
本実施例に係わる<第1試験>のために準備した被覆生地用組成物の配合組成は、次の「表1」に示すとおりである。実施例1〜3は、総小麦粉含有が63.9重量%であり、小麦粉として薄力粉と強力粉のみを使用した。実施例1は薄力粉38.3重量%、強力粉25.6重量%、実施例2は薄力粉44.7重量%、強力粉19.2重量%、実施例3は薄力粉51.1重量%、強力粉12.8重量%である(表1参照)。実施例1〜3と比較例1〜6では、小麦粉以外の配合組成は全て一致している(表1参照)。なお、本試験で使用した速効性の酸性剤はフマル酸ナトリウムである。
Figure 2007202533
(2.生地の調製)
前掲する「表1」に示された実施例1〜3、比較例1〜6の各配合組成物(被覆生地用組成物)130gに対して、溶かしバター40gと卵25gを加えて混捏し、被覆用生地を調製した。これを32〜33g/個に分割した後、直径9cmの円形に薄く延ばしシート状にした後、冷蔵庫で15分間冷やした。その後、冷蔵庫からシート状物を取り出して、その表面に卵液(バインダー)を塗布してからロールパンの表面を被覆し、180℃に予熱したオーブンで15分間焼成してメロンパンを作製した。
(3.評価)
上記メロンパンについて、以下の5項目と各基準で評価した。第1評価項目は、「生地の延ばし易さ」であり、◎:非常に生地が延ばし易い、○:生地が延ばし易い、△:やや生地が延ばし難い、×:非常に生地が延ばし難い、以上の四段階の基準で評価した。第2評価項目は、「生地をパンに被覆し、焼成したときの生地の流れ落ち易さ」であり、◎:パンの表面から生地が流れ落ちなかった、○:パンの表面から生地が少し流れ落ちた、△:パンの表面から生地がかなり流れ落ちた、×:パンの表面から生地が大部分流れ落ちた、以上の四段階の基準で評価した。第3評価項目は、「生地をパンに被覆し、焼成したときの生地の剥がれ易さ」であり、◎:パンの表面から生地が全く剥がれなかった、○:パンの表面から生地が少し剥がれた、△:パンの表面から生地がかなり剥がれた、×:パンの表面から生地が完全に剥がれた、以上の四段階の基準で評価した。第4評価項目は、「生地を被覆し、焼成したときの食感(焼きたてのサクサク感)」であり、◎:非常にサクサク感がある、○:サクサク感がある、△:ややサクサク感に欠ける、×:非常にサクサク感に欠ける、以上の四段階の基準で評価した。第5評価項目は、「生地を被覆し、焼成したときの食味(焼きたての粉っぽさ)」であり、◎:非常に生の小麦粉の粉っぽさがない、○:生の小麦粉の粉っぽさがない、△:やや生の小麦粉の粉っぽさがある、×:非常に生の小麦粉の粉っぽさがある、以上の四段階の基準で評価した。以下の「表2」に、「表1」の実施例1から3、比較例1〜6に対応するメロンパンについての評価をまとめた。
Figure 2007202533
(4.結果)
前掲した「表2」の結果からもわかるように、比較例1、2、5、6の配合組成(表1参照)からなる被覆生地を用いて作製した各メロンパンは、生地が柔らかくベタついて延ばし難いため、作業性に劣っていた。また、焼成中に被覆した生地のつながりが弱く、ダレが発生してパンの表面から流れ落ちたり、あるいは、流れ落ちなくても食味の悪かったりなどの現象が起きており、全体として、メロンパンとして好ましい品質のものが得られなかった。比較例3、4の場合は、生地が硬すぎて延ばし難く作業性に劣っており、食味も良好とは言えなかった。
これに対し、実施例1〜3の配合組成(表1参照)からなる被覆生地を用いて作製したメロンパンは、サクサクとした表面生地の食感とふんわりとしたパンの食感を併せ持ちつつ、小麦粉の粉っぽさがなく、メロンパン特有の甘くて香ばしいバターの風味を有するとともに、内側のパン(ロールパン)と表面生地が剥離することなく一体化し、外観上も極めて好ましいものであった。
これらの結果から、小麦粉を60重量%以上含有しており、加えて、この小麦粉が薄力粉と強力粉とから構成され、この薄力粉が35〜55重量%の範囲内、強力粉が10〜30重量%の範囲内で含まれており、さらに膨張剤として速効性膨張剤が用いられた被覆生地用組成物が好適であることを確認することができた。
続いて、本発明に係る被覆生地用組成物中の適切な膨張剤を検討するとともに、該膨張剤の適切な添加量を確認するための<第2試験>を行なった。
(A.第2試験のための被覆生地用組成物の基本配合)
本第2試験で使用した実施例4〜6、比較例7〜10のそれぞれの被覆生地の配合組成を次の「表3」に示す。なお、本試験で採用した遅効性酸性剤は酸性ピロリン酸ナトリウムと焼ミョウバンの組み合わせ、中間性酸性剤は第一リン酸カルシウム、速効性酸性剤はフマル酸ナトリウムである。
Figure 2007202533
(B.生地の調製)
前掲する「表3」に示された実施例4〜6、比較例7〜10の各配合組成物(被覆生地用組成物)130gに対して、溶かしバター40gと卵25gを加えて混捏し、被覆生地を調製した。これを32〜33g/個に分割した後、直径9cmの円形に薄く延ばしてシート状とし、これを冷蔵庫で15分間冷やした。その後に、冷蔵庫から前記シート状物を取り出し、その表面に卵液を塗布した上でロールパン表面を被覆し、180℃に予熱したオーブンで15分間焼成した。
(C.評価)
得られた上記メロンパンについて、第1試験における第2、第4評価項目及び基準に加え、「生地を被覆し、焼成したときの食味(後味)」を、◎:膨張剤の風味がかなり弱く、後味が非常によい、○:膨張剤の風味がやや弱く、後味がよい、△:膨張剤の風味がやや強く、後味があまりよくない、×:膨張剤の風味がかなり強く、後味が非常によくない、以上の四段階で評価した。評価結果を次の「表4」にまとめた。
Figure 2007202533
(D.結果)
比較例7〜10の配合組成(表3参照)からなる被覆生地を用いて作製した各メロンパンは、焼成中に被覆した生地がだれてパンの表面から流れ落ちたり、あるいは膨張剤の反応残留物などのために後味が悪かったり、あるいは、食感が良くないなど、メロンパンとして好ましいものが得られなかった。
これに対し、実施例4〜6の配合組成(表3参照)からなる被覆生地を用いて作製した各メロンパンは、メロンパンとして外観、食味、食感のいずれにおいても好ましいものを得ることができた。
これらの結果から、小麦粉の総含量が60重量%以上であり、かつ、膨張剤の総含量が1重量%以下であり、かつ、該膨張剤を構成する重曹が0.1〜0.4重量%、前記酸性剤が0.1〜0.7重量%以下の範囲内で含まれている被覆生地用組成物を用いたメロンパンの品質は良好であることを確認できた。
(E.総合考察)
さらに、本第2試験の結果と上記第1試験の結果を総合的に判断すれば、本発明において特に好適な被覆生地用組成物は、(1)小麦粉、糖類、膨張剤を少なくとも含んでおり、(2)小麦粉が60重量%以上であり、(3)小麦粉が薄力粉と強力粉とから構成され、(4)小麦粉中の薄力粉が35〜55重量%の範囲内、強力粉が10〜30重量%の範囲内で含まれ、(4)膨張剤はアルカリ性剤と酸性剤を組み合わせてなる速効性膨張剤が用いられ、(5)膨張剤の総含量は1重量%以下であり、(6)膨張剤を構成する重曹が0.1〜0.4重量%、前記酸性剤が0.1〜0.7重量%以下であり、(7)膨張剤の配合は、アルカリ性剤である重曹(炭酸水素ナトリウム)と反応性の高い酸性剤であるフマル酸ナトリウムの組み合わせからなる速効性膨張剤が特に良好であり、(8)さらに重曹とフマル酸ナトリウムの重量%比は、1:1.5〜1:2.0の範囲が、特に好ましいことがわかった。
本発明に係る被覆生地用組成物を引き延ばす際に混合され得る油脂は、特に限定されないが、菜種油や大豆油、コーン油、ひまわり油、紅花油、綿実油およびこれらを精製したサラダ油などの植物性油脂や、バターや牛脂、豚脂などの動物性油脂、及びこれらの油脂の水素添加油、さらにこれらを原料としたマーガリン、ショートニング、調合油などが挙げられる。望ましい生地の延ばし易さや焼成した際のサクサク感を得るためには、植物性油脂よりも融点の高い動物性油脂やショートニングなどの固形脂が好ましい。
本発明に係る被覆生地用組成物は、タンパク含量(グルテン含量)の異なる2種類の小麦粉(薄力粉と強力粉)を配合することにより適度に強くてしなやかなグルテンを形成し、シート状に延ばし易く、かつ焼成中に生地がダレ難い被覆生地を得ることができる。
また、反応速度(ガス発生速度)が速効性の膨張剤を配合することにより、短時間の焼成時間で効率よく水分と炭酸ガスを発生させ、サクサクとした食感と焼成中の被覆生地からの油分のダレを有効に抑制できる被覆生地を得ることができる。
さらに、シート状に延ばした被覆生地に卵液等のバインダー液を塗布してからロールパン等を被覆することによって、焼成中に生地が流れ落ちることなく、ロールパン等と表面の被覆生地とを一体化させることができる。
なお、本発明に係る被覆生地用組成物から調製される生地には、卵やバターの他に、果汁などの液体や、ココアや抹茶などの粉末状にしたもの、ドライフルーツやチョコレート、ナッツなどを細片状にしたものを配合することができる。また、同生地で、ロールパンの他にぶどうパンや適当な大きさに切った食パン、フランスパンの他にクロワッサンやクリームパン、ジャムパン、あんパン、蒸しパンなどを被覆することも自由である。
このうち、食パンやフランスパンなどはそのまま生地で被覆することにより、生地とパンを一体化させることができる。例えば、ロールパンなどのように、その表面に艶出し用の卵液や油脂が塗布してあり、生地が滑り易く、剥離し易いものを被覆対象の食材とする場合は、生地の表面に、例えば卵液などの80℃以下で凝固するバインダー液を薄く塗布してから被覆することによって、生地と食材とを一体化させることができる。さらに、同生地だけを適当な大きさに成型してオーブンで焼成することによりクッキーとしても利用することも自由である。
本発明に係る被覆生地用組成物は、メロンパンを代表例とする焼成食品などを家庭内で手軽に手作りする場合の当該焼成食品の表面生地部分用のプレミックス粉として利用することができ、メロンパンだけに留まらず、本被覆生地用組成物を用いて、表面をオーブンなどで焼成してから食する様々な食品を作るときのプレミックス粉として広く利用することができる。

Claims (10)

  1. 食材の焼成被覆生地用のベース組成物であって、小麦粉、糖類、膨張剤を少なくとも含んでおり、
    前記小麦粉は薄力粉と強力粉とから構成され、前記膨張剤はアルカリ性剤と酸性剤を組み合わせてなる速効性膨張剤である被覆生地用組成物。
  2. 前記薄力粉が35〜55重量%の範囲内、前記強力粉が10〜30重量%の範囲内で含まれることを特徴とする請求項1記載の被覆生地用組成物。
  3. 前記アルカリ性剤である重曹と前記酸性剤の総含量が1重量%以下であり、かつ、前記重曹が0.1〜0.4重量%、前記酸性剤が0.1〜0.7重量%以下の範囲内で含まれている請求項1記載の被覆生地用組成物。
  4. 前記食材は、パンであることを特徴とする請求項1記載の被覆生地用組成物。
  5. メロンパンの表面生地として用いられることを特徴とする請求項1記載の被覆生地用組成物。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の被覆生地用組成物が所定量収容されたことを特徴とするプレミックス食品。
  7. 請求項1から5のいずれか一項に記載の被覆生地用組成物に、油脂及び卵を加えて混捏する手順と、
    前記手順により得られた混捏物をシート状にする手順と、
    前記手順により得られたシート状物を食材に被覆する手順と、
    前記手順により得られる被覆物を焼成する手順と、
    を少なくとも行うことにより、焼成された被覆生地を表面に有する焼成食品を製造する方法。
  8. 前記食材は、パンであることを特徴とする請求項7記載の焼成食品の製造方法。
  9. 前記パンは、ロールパンであることを特徴とする請求項8記載の食品の製造方法。
  10. 前記焼成食品は、メロンパンであることを特徴とする請求項8記載の製造方法。
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