JP2007197509A - 潤滑油用スラッジ分散剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温時のCCS粘度が低く、スラッジ分散性能に優れ、剪断安定性と抗乳化性にも優れた潤滑油用スラッジ分散剤を提供する。
【解決手段】 重量平均分子量が1,000〜10,000であり、60〜99重量%の下記単量体(a)、1〜40重量%の下記単量体(b)および0〜11重量%の下記単量体(c)を構成単量体としてなる重合体(A)からなる潤滑油用スラッジ分散剤。
(a)炭素数8〜36のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート
(b)水酸基、アミノ基、アミド基または一般式(1)で示されるエーテル基を含有する単量体から選ばれる1種以上の単量体
CH2=C(R1)−COO(A−O)n−R2 (1)
[式中、R1は水素原子またはメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、R2は炭素数8〜36のアルキル基であり、nは1〜20の整数である。]
(c)炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート
【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油用スラッジ分散剤、潤滑油用スラッジ分散剤組成物、それらを含む潤滑油組成物に関する。
内燃機関(例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン)用潤滑油や駆動系潤滑油(例えば、自動車用などのギヤ油、作動油、自動変速機油、無断変速機油、パワーステアリング油など)は、長時間使用する場合、潤滑油の劣化に伴い、スラッジを生成することによる潤滑部位の汚れや摩耗の増大、動力損失を増大させる等、内燃機関や駆動系部位に対し種々の不具合を誘発する。特に、ディーゼルエンジン油の場合は、スーツの混入もあることから高い分散性能が要求されている。このため、スラッジやスーツを潤滑油中に分散させるための添加剤が種々提案されている。例えば、コハク酸イミド系化合物、コハク酸アミド系、またはこれらのホウ素化誘導体(特許文献1〜3参照);ポリ(メタ)アクリレート系化合物(特許文献−4参照)が挙げられる。
しかしながら、上記コハク酸系分散剤を含有する潤滑油組成物は、スラッジ分散性能は満足できるものであるが、低温時の粘度、特に低温のCCS(コールドクランキングシュミレーター)粘度が高いという問題があり、上記ポリ(メタ)アクリレート系分散剤を含有する潤滑油組成物は、スラッジ分散性能が十分ではなかった。
また、従来のポリ(メタ)アクリレート系分散剤は、一般的に、機械的剪断による剪断安定性が悪く、さらには、混入した水分によって乳化されやすい(抗乳化性が乏しい)という問題点があった。
特開平07−251056号公報 特開平9−176673号公報 特開2005−162968号公報 特開2002−145961号公報
低温時の粘度、特に低温のCCS粘度を低く維持でき、スラッジ分散性能にも優れ、さらには剪断安定性と抗乳化性にも優れた潤滑油用スラッジ分散剤を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねてきた結果、特定の重合体を使用することにより上記目的を達成することを見いだし本発明に到達した。
すなわち、本発明のスラッジ分散剤の特徴は、重量平均分子量が1,000〜10,000であり、60〜99重量%の下記単量体(a)、1〜40重量%の下記単量体(b)および0〜11重量%の下記単量体(c)を構成単量体としてなる重合体(A)からなる潤滑油用スラッジ分散剤である点を要旨とする。
さらに、本発明は、上記スラッジ分散剤と潤滑油基油からなる潤滑油用スラッジ分散剤組成物;および、これらを含有してなる潤滑油組成物である。
(a)炭素数8〜36のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート
(b)水酸基含有単量体、アミノ基含有単量体、アミド基含有単量体、および一般式(1)で示されるエーテル基含有単量体からなる群から選ばれる1種以上の極性基含有単量体
CH2=C(R1)−COO(A−O)n−R2 (1)
[式中、R1は水素原子またはメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、R2は炭素数8〜36のアルキル基であり、nは1〜20の整数である。]
(c)炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート
本発明の潤滑油用スラッジ分散剤および潤滑油組成物は、スラッジ分散性が良好であり、かつ低温でのCCS粘度を低く維持することができる。さらに、剪断安定性や抗乳化性にも優れる。
本発明における重合体(A)を構成する単量体のうちの1つである炭素数8〜36のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a)について説明する。
(a)には直鎖アルキル(メタ)アクリレートおよび分岐アルキル(メタ)アクリレートが含まれる。
直鎖アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばn−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシルメタクリレート、およびこれらに対応するアクリレートなどが挙げられる。
分岐アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばイソオクチル、2−エチルヘキシル、イソノニル、イソデシル、イソドデシル、2−メチルウンデシル、イソトリデシル、2−メチルドデシル、イソテトラデシル、2−メチルトリデシル、イソペンタデシル、2−メチルテトラデシル、2−ヘキシルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、、2−ヘキサデシルエイコシル(メタ)アクリレート、およびこれらに対応するアクリレートなどが挙げられる。
(a)は、上記の直鎖アルキル(メタ)アクリレートおよび分岐アルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる2種以上の併用であってもよい。
併用の場合は、2種以上のアルキル(メタ)アクリレートを混合してもよく、2種以上のアルコールの混合物と(メタ)アクリル酸もしくはそのエステル形成性誘導体から得られたアルキル(メタ)アクリレートであってもよい。
併用の場合の組み合わせとしては、直鎖と分岐の併用、直鎖のうちの2種以上の併用、分岐のうちの2種以上の併用、並びにこれらの組み合わせのいずれでもよい。
2種以上のアルコールの混合物としては、直鎖および分岐アルコ−ルの混合物、例えばオキソアルコールが挙げられ、オキソアルコールとしては、「ネオドール23」および「ネオドール45」(シェル化学株式会社製)、「ドバノール23」および「ドバノール45」(三菱化学株式会社製)、並びに「オキソコール1213」および「オキソコール1415」(日産化学株式会社製)などが挙げられる。
(a)のうちで好ましいのは、低温粘度の観点から、アルキル基の炭素数(以下において、単に「C」と表記する場合がある)が8〜17(さらに好ましくはC8〜15)のアルキル(メタ)アクリレートであり、さらに好ましくは、少なくとも1種の分岐アルキル(メタ)アクリレートを有するアルキル(メタ)アクリレートである。
本発明における重合体(A)を構成する単量体のうちの1つである単量体(b)について説明する。
(b)は、水酸基含有単量体(b1)、アミノ基含有単量体(b2)、アミド基含有単量体(b3)および一般式(1)で示されるエーテル基含有単量体(b4)からなる群から選ばれる1種以上の極性基含有単量体であり、これらはいずれも極性を有する基[例えば、水酸基含有単量体(b1)における水酸基、アミノ基含有単量体(b2)におけるアミノ基、アミド基含有単量体(b3)におけるアミド基、および一般式(1)で示される単量体(b4)におけるエーテル基もしくはポリエーテル基]を分子中に含有するという点において共通する。
CH2=C(R1)−COO(A−O)n−R2 (1)
式中、R1は水素原子またはメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、R2は炭素数8〜36のアルキル基であり、nは1〜20の整数である。
以下において(b1)〜(b4)を順に説明する。
水酸基含有単量体(b1)としては、以下の(b11)〜(b15)が挙げられる。
(b11)水酸基含有(メタ)アクリレート;
例えば、一般式(4)で示される(メタ)アクリレート、および3〜8個の水酸基を有する多価アルコールの(メタ)アクリレートが挙げられる。
CH2=C(R1)−COO−(A−O)m−H (4)
式中、R1およびAは一般式(1)におけると同じ、mは1〜20(好ましくは1)の整数である。
一般式(4)で示される(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシエトキシエチル(メタ)アクリレートなどのC2〜4ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、並びにポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(アルキレン基の数は2〜20)などが挙げられる。
3〜8個の水酸基を有する多価アルコールの(メタ)アクリレートを構成する3〜8個の水酸基を有する多価アルコールとしては、例えばC3〜12のアルカンポリオール、その分子内もしくは分子間脱水物、C2〜4のアルキレンオキサイド付加物、および糖類など(例えばグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン、蔗糖、メチルグルコシドなど)が挙げられ、それらの(メタ)アクリレートとしてはグリセリンモノ−およびジ−(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ−およびジ−(メタ)アクリレート並びに蔗糖(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(b12)炭素数2〜12のアルケノール;
ビニルアルコール(酢酸ビニル単位の加水分解により形成される)、C3〜12のアルケノール[(メタ)アリルアルコール、(イソ)プロペニルアルコール、クロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、1−ブテン−4−オール、1−オクテノール、1−ウンデセノールおよび1−ドデセノールなど]、およびこれらのC2〜4のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
(b13)炭素数4〜12のアルケンジオール;
2−ブテン−1,4−ジオールなどが挙げられる。
(b14)炭素数3〜12のアルケニル基を有する水酸基含有アルケニルエーテル;
例えばC1〜6ヒドロキシアルキルC3〜12アルケニルエーテル[例えば2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、並びに(b112)で挙げた多価アルコールのC3〜12アルケニルエーテル{トリメチロールプロパンモノ−およびジ−(メタ)アリルエーテルおよび蔗糖(メタ)アリルエーテルなど}]およびこれらのC2〜4のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
(b15)水酸基含有芳香族単量体;
o−、m−またはp−ヒドロキシスチレンなど、およびこれらのC2〜4のアルキレンオキサイド付加物がが挙げられる。
(b1)のうちで好ましいのは、低温粘度の観点から(b11)、(b12)、(b14)および(b15)、特に(b11)である。とりわけ好ましいのは2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび2−ヒドロキシエチルアクリレートである。
単量体(b)のうちのアミノ基含有単量体(b2)としては、以下の(b21)〜(b23)が挙げられる。
(b21)下記一般式(2)で示されるアミノ基含有(メタ)アクリレート;
式中、R1は水素原子またはメチル基、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であり、mは2〜6の整数である。
(b21)の具体例としては、[(モノ−C1〜4アルキル)アミノC2〜6アルキル(メタ)アクリレート{アミノエチル、アミノプロピル、メチルアミノエチル、エチルアミノエチル、ブチルアミノエチルおよびメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート}、ジ−C1〜4アルキルアミノC2〜6アルキル(メタ)アクリレート{ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート}]およびこれらの(メタ)アクリレートに対応するアミノ基含有(メタ)アクリルアミドなど。
(b22)アミノ基含有複素環式単量体;
アミノ基含有複素環式アクリル系単量体[モルホリノ−C2〜4アルキル(メタ)アクリレート{モルホリノエチル(メタ)アクリレート}]、ビニル置換複素環式アミン[ビニルピリジン(4−および2−ビニルピリジン)]、N−ビニルピロールおよびN−ビニルピロリジンなど。
(b23)アミノ基含有芳香族単量体;
アミノスチレン類[アミノスチレンおよび(ジ)メチルアミノスチレンなど]。
(b2)のうち、スラッジ分散性の観点から好ましいのは(b21)、さらに好ましいのは ジ−C1〜4アルキルアミノC2〜6アルキル(メタ)アクリレート、特にジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートである。
単量体(b)のうちのアミド基を含有する単量体(b3)としては、以下の(b31)および(b32)が挙げられる。
(b31)下記一般式(3)で示される単量体;
式中、R1は水素原子またはメチル基、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基およびジアルキル(炭素数1〜4)アミノメチレン(炭素数1〜4)基から選ばれる基である。
(b31)の具体例としては、以下の(b311)および(b312)が挙げられる。
(b311)非置換およびアルキル置換アクリルアミド;
例えば、アクリルアミド(以下、AAmと略記)、メタクリルアミド、N−モノ−C1〜4アルキルおよびN,N−ジ−C1〜4アルキル−置換(メタ)アクリルアミド[(ジ)メチル、(ジ)エチル、(ジ)イソプロピル、(ジ)n−ブチルおよび(ジ)イソブチル(メタ)アクリルアミドなど]。
(b312)ヒドロキシアルキル置換アクリルアミド;
例えば、N−モノ−C1〜4ヒドロキシアルキルおよびN,N−ジ−C1〜4ヒドロキシアルキル置換(メタ)アクリルアミド[N−ヒドロキシメチル、N,N−ジヒドロキシメチル、N,N−ジ−2−ヒドロキシエチル、N,N−ジ−4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミドなど]。
(b32)N−ビニルカルボン酸アミド:
例えば、アシル系N−ビニルカルボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルn−およびi−プロピオンアミド並びにN−ビニルヒドロキシアセトアミドなど]およびN−ビニルラクタム[N−ビニルピロリドンなど]。
(b3)のうちで好ましいのは(b311)、特に(メタ)アクリルアミドおよびN−ビニルピロリドンである。
単量体(b)のうちの、一般式(1)で示されるエーテル基含有単量体(b4)について説明する。
一般式(1)において、R1は好ましくはメチル基である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基であり、具体的にはエチレン基、1,2−および1,3−プロピレン基、1,2−、1,3−および1,4−ブチレン基が挙げられる。Aのうち好ましいのはエチレン基、1,2−プロピレン基およびこれらの併用である。
nは1〜20、好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10の整数である
2は炭素数8〜36の直鎖および分岐のアルキル基である。
直鎖アルキル基としては、例えばn−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−トリデシルおよびn−ペンタデシル基などが挙げられる。
分岐アルキル基としては、例えばイソオクチル、2−エチルヘキシル、イソノニル、イソデシル、イソドデシル、2−メチルウンデシル、イソトリデシル、2−メチルドデシル、イソテトラデシル、2−メチルトリデシル、イソペンタデシル、2−メチルテトラデシル、2−ヘキシルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、および2−ヘキサデシルエイコシル基が挙げられる。
2としてはさらに、直鎖C8〜36アルキル基および分岐C8〜36アルキル基の混合物が挙げられる。
2のうちで好ましいのは、低温のCCS粘度の観点から、C8〜17(さらにC8〜15)アルキル、特に分岐C8〜17(さらにC8〜15)アルキルである。
(b4)の具体例としては、(ポリ)オキシエチレンモノアルキル(C8〜15)エーテルのモノ(メタ)アクリレート、および(ポリ)オキシプロピレンモノアルキル(C8〜15)エーテルのモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(b)のうちで、分散性の観点から、好ましいのは(b1)および(b2)、特に(b2)が好ましい。
本発明における重合体(A)において必要により構成単量体として使用される、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(c)について説明する。
(c)としては、例えばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレートおよびブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらのうちで、低温粘度の観点から好ましいのはメチルメタクリレートである。
重合体(A)は、(A)の全構成単量体の重量に基づいて、(a)が60〜99%(以下において特に限定しない限り、%は重量%を表す)、好ましくは70〜99%、さらに好ましくは80〜99%であり、(b)が1〜40%、好ましくは1〜30%、さらに好ましくは1〜20%、特に好ましくは1〜15%、とりわけ好ましくは1〜8%であり、(c)が0〜11%、好ましくは0〜8%、さらに好ましくは0〜6%である。
(a)が60%未満では被分散物の凝集を促進させるため分散性が劣り、99%を越えると被分散物への吸着性が低くなり分散性が劣る。
(b)が1%未満では被分散物への吸着性が低くなるため分散性が劣り、40%を越えると被分散物の凝集を促進させるため分散性が劣る。
なお、(b)は、抗乳化性の観点からも上記範囲が好ましい。
(b)として(b1)〜(b3)のみを使用する場合は、(A)の全構成単量体の重量に基づいて、(b1)〜(b3)の合計は1〜40%、分散性の観点から好ましくは1〜20%、さらに好ましくは1〜10%、特に好ましくは1〜5%である。
(b)として(b4)のみを使用する場合は、(A)の全構成単量体の重量に基づいて、(b4)は1〜40%、分散性の観点から好ましくは1〜30%、さらに好ましくは1〜15%である。
(c)として、メチルメタクリレートを用いる場合は、分散性と低温でのCCS粘度の観点から、重合体(A)の全構成単量体の重量に基づいて、好ましくはメチルメタクリレートが10%以下、さらに好ましくは7%以下、特に好ましくは5%以下である。
本発明における重合体(A)は、必要により、さらにその他の単量体(d)から構成されていてもよい。 その他の単量体(d)としては、以下の(d1)〜(d7)が挙げられる。
(d1)アルキルアルケニルエーテル;
C1〜30の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルビニルエーテル、アルキル(メタ)アリルエーテル、アルキルプロペニルエーテルおよびアルキルイソプロペニルエーテルなどが挙げられる。具体的には、アルキルビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテルなど、アルキル(メタ)アリルエーテルとしては、n−プロピルアリルエーテル、n−ブチルアリルエーテルなどが挙げられる。これらのうちで好ましいものはアルキルビニルエーテル(さらに好ましいものは、C1〜8のアルキル基を有するもの、特にn−ブチルビニルエーテルおよびn−オクチルビニルエーテル)、およびアルキル(メタ)アリルエーテル(さらに好ましいものはn−プロピルアリルエーテル)である。
(d2)炭素数5〜7のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;
例えば、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(d3)脂肪酸ビニルエステル;
脂肪酸を構成するアルキル基のCが1〜30(直鎖もしくは分岐アルキル基)の脂肪酸のビニルエステルが含まれ、該アルキル基としては前述の(d1)のアルキルと同様の基、好ましくはCが1〜22、さらに好ましくは1〜10のアルキル基が挙げられる。具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニルおよびn−オクタン酸ビニルなどが挙げられる。
(d4)脂肪族および脂環式炭化水素系不飽和単量体:
C2〜20のアルケン(エチレン、プロピレン、イソブチレンなど)、C4〜12のアルカジエン(ブタジエン、イソプレンなど)、C2〜16のアセチレンおよび置換アセチレン、並びに脂環式炭化水素系ビニル単量体(シクロヘキセン、ジシクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセンなど)が挙げられる。
(d5)芳香族炭化水素系ビニル単量体:
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−フェニルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ベンジルスチレン、4−クロチルベンゼン、および2−ビニルナフタレンなどである。
(d6)ビニルケトン類:例えば、C1〜8のアルキルもしくはアリールのビニルケトン[メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニルケトンなど]。
(d7)不飽和ジカルボン酸のジエステル;例えば、不飽和ジカルボン酸[マレイン酸、フマール酸、イタコン酸など]のアルキル(C1〜12)、シクロアルキル(C4〜24)およびアラルキル(C7〜18)のジエステルが挙げられ、これらのうちC1〜8のアルキルジエステル[ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルマレエート、ジオクチルマレエートなど]が好ましい。
(d)のうち好ましいものは、(d2)、(d5)およびこれらのうちの2種以上の併用である。
重合体(A)が、その他の単量体(d)を構成単量体とする場合は、重合体(A)の全構成単量体の重量に基づいて、好ましくは(d)が30%以下、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下である。
また、重合体(A)の全構成単量体の重量に基づいて、(a)および(b)の合計は70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
(a)と(b)の合計が70%以上であると、さらに分散性が向上しやすい。
重合体(A)は、分散性、剪断安定性および抗乳化性の観点から、重量平均分子量は通常1,000〜10,000、好ましくは3,000〜10,000、さらに好ましくは5,000〜10,000である。
また、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、好ましくは1.1〜2.0、さらに好ましくは1.1〜1.6、特に好ましくは1.1〜1.4である。重量平均分子量(以下Mwと略記する)、および数平均分子量(以下Mnと略記する)は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによるポリスチレンに換算し求めた数値である。
重合体(A)は、公知のラジカル重合により製造することができる。ラジカル重合の様式としては、溶液重合、塊状重合、乳化重合などが挙げられ、好ましくは溶液重合である。溶液重合は、通常、単量体混合物を、重合開始剤、有機溶媒、および必要により連鎖移動剤の存在下に加熱、撹拌することによりできる。重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤、有機ハロゲン化合物開始剤からなる群より選ばれる開始剤が含まれる。アゾ系開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩(例えば塩酸塩)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド、2,2′−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド等が挙げられる。過酸化物系開始剤としては無機過酸化物[過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等]、有機過酸化物[過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート等]が挙げられる。 レドックス系触媒としては、アルカリ金属の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩(例えば、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウムなど)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、アスコルビン酸などの還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、有機過酸化物など酸化剤との組合せよりなるもの等が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば高沸点溶剤として溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよび/または水素化分解による高粘度指数油、炭化水素系合成油、エステル系合成油、ナフテン油、その他の炭化水素系溶剤(ペンタン、ヘキサン等)、芳香族系溶剤(トルエン、キシレン等)、アルコール系溶媒(オクタール、ブタノール等)、ケトン系溶媒(メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、スルホキシド系溶媒(ジメチルスルホキシド等)をあげることができる。
連鎖移動剤としては、例えばチオカルボン酸類(n−ラウリルメルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール等)、チオール酸類(チオグリコール酸、チオリンゴ酸等)、2級アルコール類(イソプロパノ−ル等)、アミン類(ジブチルアミン等)、次亜燐酸塩類(次亜燐酸ナトリウム等)等を挙げることができ、低分子重合物を得る場合の連鎖移動剤の量は、全単量体の重量に対して、通常0.1〜10%、好ましくは1〜5%である。重合温度としては、30〜140℃、好ましくは50〜130℃、特に好ましくは70〜120℃である。また、熱による重合開始の方法の他に、放射線、電子線、紫外線などを照射して重合を開始させる方法を採ることもできる。好ましいものは温度制御した溶液重合法である。さらに、共重合としては、ランダム付加重合または交互共重合のいずれでもよく、また、グラフト共重合またはブロック共重合のいずれでもよい。
本発明の潤滑油用スラッジ分散剤は、通常、重合体(A)のみからなる。
本発明の潤滑油用スラッジ分散剤は、潤滑油組成物中の成分として添加されて、潤滑油組成物のスラッジ分散効果のみでなく、潤滑油組成物の低温時の粘度、特に低温(例えば−40や−35℃)のCCS粘度を低く維持できる。さらに抗乳化性にも優れる。
また、本発明の潤滑油用スラッジ分散剤は剪断安定性に優れており、JASO M347−95の方法によって測定される、重合体(A)の10重量%鉱物油溶液の100℃での動粘度低下率は好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である。
上記の測定に使用される鉱物油としては「YUBESE3」(SKコーポレーション社製)が使用できる。動粘度低下率が少なく、剪断安定性が優れていることにより、機械剪断による粘度低下が小さいため潤滑油組成物の寿命が延びる。
本発明の潤滑油用スラッジ分散剤は、重合体(A)をそのまま基油に添加してもよいが、以下の潤滑油用スラッジ分散剤組成物の形態で添加されてもよい。
本発明の潤滑油用スラッジ分散剤組成物は、重合体(A)からなるスラッジ分散剤並びに希釈剤および/または他の添加剤からなる。すなわち、本発明の潤滑油用スラッジ分散剤組成物は、重合体(A)と希釈剤、重合体(A)と他の添加剤、または重合体(A)と希釈剤と他の添加剤、のいずれかである。
希釈剤としては、上記した重合工程で使用できる有機溶媒と同様のもの、または後述の潤滑油基油を挙げることができる。
他の添加剤としては、従来から公知の以下のものが使用できる。
粘度指数向上剤[ポリアルキル(メタ)アクリレート、オレフィンコポリマー、ポリイソブチレン類など];本発明以外の分散剤[ポリアルケニルコハク酸イミド(ビス−およびモノ−ポリブテニルコハク酸イミド類)、マンニッヒ縮合物およびボレート類など];清浄剤[塩基性、過塩基性または中性の金属塩{スルフォネート(石油スルフォネート、アルキルベンゼンスルフォネート、アルキルナフタレンスルフォネートなど)の過塩基性またはアルカリ土類金属塩}、サリシレート類、フェネート類、ナフテネート類、カーボネート類、フォスフォネート類およびこれらの混合物など];酸化防止剤[ヒンダードフェノール類、芳香族2級アミン類およびこれらの混合物など];消泡剤[シリコン油、金属石けん、脂肪酸エステルおよびフォスフェート化合物など];油性向上剤[長鎖脂肪酸およびそれらのエステル(オレイン酸およびオレイン酸エステルなど)、長鎖アミンおよびそれらのアミドなど(オレイルアミンおよびオレイルアミドなど)];摩擦摩耗調整剤[モリブデン系および亜鉛系化合物など(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメートおよびジンクジアルキルジチオフォスフェートなど)];極圧剤[硫黄系化合物(モノ−およびジ−スルフィド、スルフォキシドおよび硫黄フォスファイド化合物)、フォスファイド化合物および塩素系化合物(塩素化パラフィン)など];抗乳化剤[第4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩)、硫酸化油、フォスフェート(ポリオキシエチレン含有非イオン性界面活性剤のフォスフェート)など];腐食防止剤[窒素原子含有化合物(ベンゾトリアゾールおよび1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート)など]。
潤滑油用スラッジ分散剤組成物における本発明のスラッジ分散剤、希釈剤および他の添加剤のスラッジ分散剤組成物の全重量に基づくそれぞれの含有量は、スラッジ分散剤が好ましくは0.1〜99%、さらに好ましくは1〜90%、希釈剤が好ましくは1〜99.9%、さらに好ましくは10〜99%、他の添加剤が好ましくは1〜50%、さらに好ましくは2〜30%である。
なお、他の添加剤は、その一部または全部が後述の潤滑油組成物の調製の工程で添加されてもよい。
本発明の潤滑油組成物は、潤滑油基油と本発明の潤滑油用スラッジ分散剤を必須成分とし、重合体(A)の含有量は潤滑油組成物の重量にもとづいて、通常0.01〜30%、好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは1〜10%である。
本発明の潤滑油用スラッジ分散剤組成物の希釈剤、または潤滑油組成物に使用できる潤滑油基油としては、パラフィン、イソパラフィン、ナフテンを主成分とする溶剤精製油、水素化処理油、水素化分解油、およびエステル系やポリαオレフィン系の合成油などが挙げられ、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
潤滑油基油は潤滑油組成物の重量に基づいて通常50〜99%、好ましくは60〜99%、さらに好ましくは70〜99%である。
本発明における潤滑油基油の100℃の動粘度は通常1〜10mm2/s、好ましくは1〜8mm2/s、特に好ましくは2〜5mm2/sであり、粘度指数は通常80以上、好ましくは100〜250である。該基油の動粘度が1mm2/s未満になると使用中、温度上昇により著しく油分の蒸発がみられたり、潤滑部分で高圧にさらされ油膜切れを生じ焼きつけを起こし易い。また10mm2/sを越えると粘性抵抗が大きくなり、エネルギーロスを起こし易い。基油の粘度指数が80未満では粘度−温度特性が悪くなる。
また、基油の流動点(JIS K2269)は−5℃以下、さらに−10℃〜−70℃が好ましい。基油の流動点がこの範囲であるとワックスの析出量が少なく低温粘度が良好である。
本発明の潤滑油組成物中における上記の他の添加剤の含有量は、以下の通りである。
粘度指数向上剤は0〜30%、好ましくは1〜20%、さらに好ましくは1〜10%、特に好ましくは1〜5%;本発明以外の分散剤は0〜15%、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%;清浄剤は0〜15%;酸化防止剤は0.1〜3%;消泡剤は2〜1500ppm;油性向上剤は0〜3%;摩擦摩耗調整剤は0〜8%;極圧剤は0〜25%;抗乳化剤は0〜7%;腐食防止剤は0〜5%;他の添加剤の合計は0〜30%、好ましくは0〜25%である。
本発明の潤滑油組成物は、スラッジ分散効果のみでなく、低温時の粘度、特に低温(例えば−40や−35℃)のCCS粘度を低く維持できる。さらに、抗乳化性にも優れ、かつ、機械剪断による粘度低下が少ないため潤滑油組成物の寿命が長い。
本発明の潤滑油組成物は、ギヤー油(工業用、自動車用)、変速機油[自動変速機油(オートマチックトランスミッション油、トロイダルCVT油、ベルトCVT油)マニュアルトランスミッション油など]、トラクション油、作動油(油圧作動油、パワーステアリング油、ショックアブソーバー油など)、およびエンジン油(ガソリン用、ディーゼル用など)などの用途に幅広く好適に用いることができる。
特に好ましくは、変速機油およびエンジン油、とりわけ好ましくはガソリンエンジン油およびディーゼルエンジン油、最も好ましくは、自動車用ガソリンエンジン油およびディーゼルエンジン油の低粘度グレード(0Wおよび5W)への使用であり、潤滑油の長寿命化や省燃費性の向上が図れる。
<実施例>
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、製造例、実施例、比較例中の部は重量部を表す。
(GPCによる重量平均分子量の測定法)
装置 : 東ソー製 GPC HLC−8020
ガードカラム : HxlH 1本
カラム : TSK gel GMHxl 2本
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF溶液
溶液注入量 :100μl
検出装置 : 屈折率検出器
標準 : ポリスチレン
<重合体および希釈剤からなるスラッジ分散剤組成物の製造>
実施例1〜3、および比較例1〜2;
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、および窒素吹き込み管を備えた反応容器に、鉱物油(「YUBASE3」:SKコーポレーション製)11部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、表1に示した単量体、ドデシルメルカプタン(連鎖移動剤)、および2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤)を仕込んで、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に、密閉下で85℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成し、重合体(A−1)〜(B−2)をそれぞれ89%含有する重合体鉱物油希釈液[スラッジ分散剤組成物(A’−1)〜(B’−2)]を得た。なお、重合体のMwおよびMw/Mnを表1に示した。
表1中の略号は以下の通り。
i−C10−MA :イソデシルメタクリレート
n−C12−MA :n−ドデシルメタクリレート
i−C12−MA :イソドデシルメタクリレート
n−C13−MA :n−トリデシルメタクリレート
i−C13−MA :イソトリデシルメタクリレート
DMAEMA :ジメチルアミノエチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
ABVN:2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
剪断安定性試験;
上記のスラッジ分散剤組成物(A’−1)〜(B’−2)を11.23部、および鉱物油(「YUBASE3」)88.77部を混合して溶解させ、重合体10重量部を含む鉱物油溶液を調製した。
前述のJASO M347−95の方法に従い、試験前の100℃での動粘度(単位:mm2/s)および試験後の100℃での動粘度(単位:mm2/s)を測定し、粘度の低下率(%)[(試験前の動粘度−試験後の動粘度)÷試験前の動粘度]×100を算出した。
結果を表2に示した。
<潤滑油組成物の調製>
実施例4〜6、比較例3〜4
潤滑油基油(YUBASE3が20部とYUBASE4が80部の混合物
:100℃動粘度:4.0mm2/s、粘度指数:120、−35℃のCCS粘度2800mPa・s)に上記の各々のスラッジ分散剤組成物(A’−1)〜(B’−2)を下記表3の所定量溶解し、潤滑油組成物を調製した。
<潤滑油組成物の評価>
これらの潤滑油組成物について、カーボンブラック分散性、粘度指数、−35℃でのCCS粘度および抗乳化性の測定を行った。結果を表3に示した。
カーボンブラック分散性試験(静置温度25℃);
200mlの容器にカーボンブラック(品名「MB−100」、三菱化成(株)製)1.5gおよび潤滑油組成物48.5gを入れ、ホモジナイザーで29000±1000rpmで10分間混合してカーボンブラック分散試料とした。70mlのガラス容器に、カーボンブラック分散試料を50mgおよびキシレンを50ml入れ、容器にふたをして10回激しく振ったあと7日間常温で静置した。
静置後、目視で、沈降物の有無と上澄み液の黒色度を比較した。評価基準は以下の通り。
○:沈降物がなく上澄みの黒色度も高い・・・分散性良好
×:沈降物があり、上澄みが薄い黒色度・・・分散性不良
粘度指数の測定;
JIS−K−2283の方法で行った。
CCS粘度の測定;
ASTM D5923の方法で行った。
抗乳化性の試験;
JIS K 2520の方法に準拠して行った。潤滑油組成物40mlと純水40mlを試験管に採り、試験温度(54℃)に保ち、かき混ぜ板を毎分1500回転で5分間かき混ぜ、撹拌を止めてから20分後の水層、油層、乳化層の体積比率を測定した。
本発明の潤滑油用スラッジ分散剤および潤滑油組成物は、輸送用機器用および各種工作機器用などの駆動系潤滑油[ギア油(マニュアルトランスミッション油、デファレンシャル油等)、自動変速機油(オートマチックトランスミッション油、ベルトCVT油、トロイダルCVT油など)]、作動油[機械の作動油、パワーステアリング油、ショックアブソーバー油など]、エンジン油[ガソリン用、ディーゼル用等]に好適に用いることができる。

Claims (12)

  1. 重量平均分子量が1,000〜10,000であり、60〜99重量%の下記単量体(a)、1〜40重量%の下記単量体(b)および0〜11重量%の下記単量体(c)を構成単量体としてなる重合体(A)からなる潤滑油用スラッジ分散剤。
    (a)炭素数8〜36のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート
    (b)水酸基含有単量体、アミノ基含有単量体、アミド基含有単量体、および一般式(1)で示されるエーテル基含有単量体からなる群から選ばれる1種以上の極性基含有単量体
    CH2=C(R1)−COO(A−O)n−R2 (1)
    [式中、R1は水素原子またはメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、R2は炭素数8〜36のアルキル基であり、nは1〜20の整数である。]
    (c)炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート
  2. 単量体(b)のうちの水酸基含有単量体(b1)が、水酸基含有(メタ)アクリレート、炭素数2〜12のアルケノール、炭素数4〜12のアルケンジオール、炭素数3〜12のアルケニル基を有する水酸基含有アルケニルエーテル、水酸基含有芳香族単量体およびこれらの水酸基含有単量体の(ポリ)オキシアルキレンエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の潤滑油用スラッジ分散剤。
  3. 単量体(b)のうちのアミノ基含有単量体(b2)が、一般式(2)で示されるアミノ基含有(メタ)アクリレート、アミノ基含有複素環式単量体およびアミノ基含有芳香族単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2記載の潤滑油用スラッジ分散剤。
    [式中、R1は水素原子またはメチル基、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であり、mは2〜6の整数である。]
  4. 単量体(b)のうちのアミド基含有単量体(b3)が、一般式(3)で示される単量体およびN−ビニルカルボン酸アミドからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか記載の潤滑油用スラッジ分散剤。
    [式中、R1は水素原子またはメチル基、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基およびジアルキル(炭素数1〜4)アミノメチレン(炭素数1〜4)基から選ばれる基である。]
  5. 単量体(c)がメチルメタクリレートである請求項1〜4のいずれか記載の潤滑油用スラッジ分散剤。
  6. 重合体(A)を構成する単量体(a)および単量体(b)の合計が70重量%以上である請求項1〜5のいずれか記載の潤滑油用スラッジ分散剤。
  7. JASO M347−95の方法によって測定される、重合体(A)の10重量%鉱物油溶液の100℃での動粘度低下率が5%以下である請求項1〜6いずれか記載の潤滑油用スラッジ分散剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか記載の潤滑油用スラッジ分散剤並びに希釈剤および/または他の添加剤からなる潤滑油用スラッジ分散剤組成物。
  9. 潤滑油基油と請求項1〜7のいずれか記載の潤滑油用スラッジ分散剤を必須成分とし、該スラッジ分散剤を潤滑油の重量に基づいて0.01〜30重量%含有する潤滑油組成物。
  10. 潤滑油基油の100℃動粘度が1〜10mm2/s、かつ粘度指数が80以上である請求項9記載の潤滑油組成物。
  11. 潤滑油基油の粘度指数が100〜250である請求項9または10記載の潤滑油組成物。
  12. ギヤー油、変速機油、トラクション油、作動油およびエンジン油からなる群から選ばれる潤滑油組成物である請求項9〜11のいずれか記載の潤滑油組成物。
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