JP2007193121A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録用紙等の記録媒体のカールを抑制することのできるベルト部材を用いた定着装置およびそれを用いる画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着装置は、定着ロール611と加圧ロール62との間にロールニップ部N1が形成され、定着ロール611の下流側に隣接して配置された剥離パッド64と加圧ロール62との間に剥離パッドニップ部N2が形成されている。そして、ロールニップ部N1の出口点(ニップ境界点BP)における、定着ロール611の下流側の接線と、剥離パッド64の押圧面64bとが成す剥離部材角θoは、剥離パッド64を備えないと仮定した比較例において対応する角度であるロール間開放角より小さく設定されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば電子写真方式を利用した画像形成装置に用いられる定着装置等に関し、より詳しくは回動するベルト部材を備えた定着装置等に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、次のように画像形成が行われる。まず、例えばドラム状に形成された感光体(感光体ドラム)の表面が帯電装置によって一様に帯電される。帯電された感光体ドラムは、画像情報に基づいて制御された光により走査露光され、その表面に静電潜像が形成される。続いて、感光体ドラム上に形成された静電潜像は現像装置により可視像(トナー像)化され、その後、トナー像は感光体ドラムの回転に伴って転写部まで搬送されて、記録用紙上に静電転写される。そして、記録用紙上に担持されたトナー像は定着装置によって定着処理が施されて、画像が完成する。
かかる画像形成装置に用いられる定着装置としては、2ロール方式と呼ばれる構成が広く一般に利用されている。この2ロール方式の定着装置は、内部に加熱源(ヒータ)が配設された円筒状の芯金の表面に、耐熱性弾性層と離型層とが積層されて形成された定着ロールと、芯金に耐熱性弾性層と耐熱性樹脂被膜あるいは耐熱性ゴム被膜による離型層とが積層されて形成された加圧ロールとが互いに圧接されて構成されている。そして、定着ロールと加圧ロールとの圧接領域(ニップ部)に、未定着トナー像を担持した記録用紙を通過させ、未定着トナー像に対して加熱と加圧とを行うことにより、トナー像を定着している。
ところで、近年、画像形成装置では、高生産性化やカラー化が急速に進展するとともに、両面印刷機構を備えたものも多く普及するに至っている。そのため、画像形成装置に搭載される定着装置においても、高速化への対応を一段と進める必要が生じている。
ところが、従来の2ロール方式の定着装置は、高速で連続して送られてくる多数枚の記録用紙に対しては、充分な定着処理を行うことが困難であるという問題を有している。すなわち、2ロール方式の定着装置においては、定着ロールを構成する芯金や芯金に被覆されたシリコーンゴム等からなる弾性層等が熱的抵抗体として作用する。そのため、2ロール方式の定着装置では、記録用紙が定着ロールの表面から奪う熱量に対応した熱量を、定着ロールの内部に配置したヒータから即応的に、かつ充分に供給することが構造的に難しい。
その結果、2ロール方式の定着装置に高速で連続して記録用紙が送られると、定着ロールの表面温度が漸次低下し、次第に定着性能が低下するという不都合が生じる。また、画像形成装置の立ち上がり時において、定着ロールの表面温度が一時的に落ち込む所謂「温度ドループ現象」が発生し易くなる。特に、記録用紙として熱容量の大きい厚紙等が使用される場合には、定着ロールの表面から奪われる熱量が大きくなるので、定着性能の低下や温度ドループが大きくなり、定着不良に基づく画像品質の劣化を生じさせることとなる。
かかる状況から、2ロール方式の定着装置を用いた場合に生じる上記した問題点を解消し、画像形成装置の高速化に対応した定着装置を実現する技術が開発されている。例えば、記録用紙を加熱する加熱部材が、複数の張架ロールによって張架されたフィルム状のベルト部材(定着ベルト)で構成された定着装置に関する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
このような定着ベルトを用いた定着装置では、ニップ部に進入する前に予め張架ロール内に配設されたヒータによって定着ベルトを充分に加熱しておき、ニップ部においては加熱された定着ベルトから記録用紙およびトナー像に熱を加えることでトナー像を定着している。そのため、定着ベルトが定着処理の間に記録用紙によって熱を奪われても、定着ベルト自体の熱容量が小さいことから、定着ベルトは張架ロール内のヒータにより短時間で所定の定着可能温度まで回復させることが可能である。それにより、加熱部材として定着ベルトを用いた定着装置では、ニップ部内に進入する際の定着ベルトの温度を所定値に維持することが容易となり、画像形成装置が高速化されても、ニップ部に充分な熱量を供給することが可能である。
しかし、定着ベルトを用いた定着装置においても、記録用紙の表面にはトナー像が担持されているため、定着ベルトの熱によってトナー像が溶融した際に、トナー像が接着剤となって記録用紙と定着ベルトとの間に付着力が作用する。そのため、従来の2ロール方式の定着装置と同様に、定着ベルト表面から記録用紙を剥離する機構を設ける必要がある。特に、画像形成装置の高速化が図られた場合には、定着装置において一旦剥離不良が生じて紙詰まり(ジャム)が生じると、その影響を受けて損傷する後続の記録用紙の枚数も多くなることから、ニップ部を高速で通過した記録用紙を定着ベルト側から安定的かつ確実に剥離する必要がある。
記録用紙を定着ベルト表面から剥離する機構としては、上記した特許文献1に記載されたように、ニップ部の下流側に定着ベルトに当接して分離爪を配設する構成が一般的に用いられている。
しかし、このように分離爪によって記録用紙を定着ベルト表面から剥離する構成では、特に高速で定着を行うと記録用紙の先端が剥離爪に衝突してその先端が破損したり、最悪の場合にはそれが原因となって紙詰まりを生ずることがあった。これは、特に紙厚の薄い記録用紙の場合に生じやすい。
このような不具合を防いで、記録用紙を定着ベルト側から安定的に剥離するためには、分離爪を定着ベルトに強く圧接させることが必要となる。しかし、そうすると、分離爪によって定着ベルト表面が磨耗する虞がある。定着ベルト表面に磨耗が生じると、定着画像上に定着ベルト表面の磨耗痕に対応した定着ムラが発生して画像品質を低下させる場合がある。また、磨耗痕上にオフセットしたトナーが次第に付着堆積して、定着画像上に汚れを生じさせることもある。さらには、定着ベルト表面の磨耗が進むと薄層の定着ベルトは最終的に破断にまで至るため、高い耐久性を得ることができない。
そこで、このような分離爪を用いることなく記録用紙を定着ベルト側から安定的に剥離することを可能とするものとして、ニップ部の出口部(最下流部)に対応した位置の定着ベルトの内側に、かかる出口部における定着ベルトの曲率を大きく設定するための剥離部材を設け、定着ベルトの曲率の変化によって記録用紙を剥離する構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平3−133871号公報 特開2003−5566号公報
上記のごとくニップ部の出口部に剥離部材を備える構成において、剥離部材を加圧ロールに圧接させてニップ部の一部を形成することが考えられている。その場合、定着ロールと加圧ロールとで形成されるニップ部(ロールニップ部)と、剥離部材である剥離パッドと加圧ロールとで形成されるニップ部(剥離パッドニップ部)との間に隙間があると、その隙間部位では圧接力が低下してブリスタ等の画像不良を招来する虞がある。このため、剥離部材は、定着ベルトが巻回する定着ロールにできるだけ近づけて設置される。
ここで、定着ロールをアルミニウム等の金属によって高剛性に形成すると共に、加圧ロールの表面に弾性層を備えて構成した場合には、ロールニップ部と剥離パッドニップ部との間で、記録用紙の経路(定着ベルトの経路)が屈曲する。
図8にそのような構成の定着装置のニップ部近傍領域の概略拡大断面図を示す。すなわち、ロールニップ部N1における記録用紙の経路(定着ベルト610の経路)形状は、定着ロール611によって加圧ロール62の弾性層622が変形して加圧ロール62側に凸状となる。つまり、加圧ロール62の周面の円弧とは逆の円弧状になる。一方、剥離パッドニップ部N2における記録用紙の経路形状は、加圧ロール62の表面に略沿った直線または円弧状とされるために加圧ロール62の周面に略沿った形状となる。
このため、ロールニップ部N1と剥離パッドニップ部N2とが連続するニップ部Nを全体として見ると、記録用紙の移動経路の形状は図中S字状に屈曲し、その出口部分では定着ロール611側に凸状を呈することとなる。その結果、このようなニップ部Nで定着作用を受ける記録用紙は、最も温度が高くなるその出口近傍の形状に沿ってカールを生ずる。つまり、記録用紙は加圧ロール62の周面に沿った方向にカールすることとなる。
さらに、記録用紙は、移動経路が屈曲するロールニップ部N1と剥離パッドニップ部N2との境界部分(図中BP)で扱かれるような作用を受け、カールを生ずる。つまり、図8の構成では、記録用紙はロールニップ部N1と剥離パッドニップ部N2との間に形成される定着ロール611側に凸(図中上側に凸)の山形のエッジで扱かれて、下向きにカールする。
上記のごとき要因により、定着作用を受ける記録用紙はニップ部Nを出て下向きに強いカールを生ずることとなる。
その結果、定着後の記録用紙が加圧ロール62に巻き付いて、前方に配設された搬送ロール等に円滑に導くことができず、搬送不良を招来するという問題があった。また、排紙後の記録用紙が揃わないといった問題も生ずる。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、記録用紙等の記録媒体のカールを抑制することのできるベルト部材を用いた定着装置およびそれを用いる画像形成装置を提供することにある。
かかる目的のもと、本発明の定着装置は、記録媒体に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、回転可能な定着ロール部材と、回転可能な張架ロール部材と、定着ロール部材と張架ロール部材とに張架されて回動する定着ベルト部材と、定着ロール部材の定着ベルト部材が巻回する部位に圧接してニップ部を形成する加圧部材と、定着ベルト部材を加熱する加熱手段と定着ロール部材と対向する面が、定着ベルト部材を加圧部材に圧接させる押圧面と交わって形成される先端部を有し、ニップ部の下流側の定着ベルト部材と定着ロール部材の間に介設されて定着ベルト部材を大きな曲率で屈曲させる剥離部材と、を備え、剥離部材の先端部が相対する定着ロール部材の部位における接線と、押圧面とが成す剥離部材角が、剥離部材を備えないと仮定した場合の定着ロール部材と加圧部材とが成すロール間開放角より小さく設定されていることを特徴とする。
ここで、加圧部材は、その表面に弾性層を備えた加圧ロール部材であることを特徴とすることができる。また、剥離部材角は、20°以下であることを特徴とすることができる。さらに、剥離部材の押圧面は、剥離部材の先端部が相対する定着ロール部材の部位における接線と成す角度が、定着ベルト部材の移動方向下流側に行くに従って漸増する曲面状に形成されていることを特徴とすることができる。
本発明の他の定着装置は、記録媒体に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、回転可能な定着ロール部材と、回転可能な張架ロール部材と、定着ロール部材と張架ロール部材とに張架されて回動する定着ベルト部材と、定着ロール部材の定着ベルト部材が巻回する部位に圧接して第一のニップ部を形成する加圧ロール部材と、定着ベルト部材を加熱する加熱手段と、第一のニップ部の下流側の定着ベルト部材と定着ロール部材の間に介設されて加圧ロール部材との間に第二のニップ部を形成すると共に定着ベルト部材を大きな曲率で屈曲させる剥離部材と、を備え、第一のニップ部と第二のニップ部との連接点における、定着ロール部材の接線と加圧ロール部材の接線とが加圧ロール部材の側で成すニップ間屈曲角が、剥離部材を備えないと仮定した場合の第一のニップの出口における、定着ロール部材の接線と、加圧ロール部材の接線とが加圧ロール部材の側で成す排出屈曲角より、大きく設定されていることを特徴とする。
ここで、加圧ロール部材は、その表面に弾性層を備えることを特徴とすることができる。また、剥離部材の第二のニップ部を形成する押圧面は、加圧ロール部材の外周に略沿った曲面状に形成されていることを特徴とすることができる。
本発明の画像形成装置は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体上に転写されたトナー像を記録媒体に定着する定着装置とを備えて構成され、定着装置は、回転可能な定着ロール部材と、回転可能な張架ロール部材と、定着ロール部材と張架ロール部材とに張架されて回動する定着ベルト部材と、定着ロール部材の定着ベルト部材が巻回する部位に圧接してニップ部を形成する加圧ロール部材と、定着ベルト部材を加熱する加熱手段と、定着ロール部材と対向する面が、定着ベルト部材を加圧ロール部材に圧接させる押圧面と交わって形成される先端部を有し、ニップ部の下流側の定着ベルト部材と定着ロール部材の間に介設されて定着ベルト部材を大きな曲率で屈曲させる剥離部材と、を備え、剥離部材の先端部が相対する定着ロール部材の部位における接線と、押圧面とで形成される剥離部材角が、剥離部材を備えないと仮定した場合の定着ロール部材と加圧ロール部材とで形成されるロール間開放角より小さく設定されていることを特徴とする。
ここで、加圧ロール部材は、その表面に弾性層を備えることを特徴とすることができる。また、押圧面は、剥離部材の先端部が相対する定着ロール部材の部位における接線と成す角度が、定着ベルト部材の移動方向下流側に行くに従って漸増する曲面状に形成されていることを特徴とすることができる。
以上のように構成された本発明の定着装置および画像形成装置によれば、記録用紙等の記録媒体に生ずるカールを抑制することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本実施の形態を適用した画像形成装置1の概略構成図である。
図1に示す画像形成装置1は、いわゆるタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成するトナー像形成手段としての複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10とを備えている。また、画像形成装置1は、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録媒体としての記録用紙Pに一括転写(二次転写)させる転写手段としての二次転写部20と、二次転写された画像を記録用紙P上に定着させる定着装置60とを備えている。さらに、画像形成装置1は、記録用紙搬送機構50と、上記各装置(各部)の動作を制御する制御部40とを有している。
各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、図中画像形成ユニット1Yに代表して示すように、矢印A方向に回転する感光体ドラム11を備えている。感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11を帯電する帯電器12と、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)と、各色成分トナーを収容して感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14とが配設されている。さらに、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16と、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ17とが配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写ベルト15は、各種ロールによって各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる経路を有して張架され、図1に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回動)されるようになっている。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向配置された一次転写ロール16によって構成されている。一次転写ロール16は感光体ドラム11に中間転写ベルト15を圧接させるようになっている。また、一次転写ロール16にはトナーの帯電極性と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像を中間転写ベルト15に順次静電吸引し、中間転写ベルト15上にトナー像を重畳形成する。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写ロール22と、中間転写ベルト15を挟んでこの二次転写ロール22に対向配置されたバックアップロール25とによって構成されている。
バックアップロール25には二次転写バイアスが印可されると共に、二次転写ロール22は接地されており、バックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成されるようになっている。そして、中間転写ベルト15が担持したトナー像を、搬送供給される記録用紙P上に二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が設けられている。
記録用紙搬送機構50は、記録用紙Pを収容する記録用紙トレイ51から、記録用紙Pを二次転写部20へと搬送すると共に、二次転写部20でトナー像が転写(二次転写)された記録用紙Pを定着装置60に搬送する。
そして、上記構成の画像形成装置1は、下記のようにして画像形成を行う。
すなわち、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ等から出力される画像データに基づいて、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kが、それぞれ感光体ドラム11上にそれぞれの色のトナー像を形成する。各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおけるトナー像の形成は、帯電器12によって帯電された感光体ドラム11上をレーザ露光器13で走査露光して静電潜像を形成し、その静電潜像を現像器14によって現像してトナー像を形成することによって行われる。
各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、一次転写部10において、中間転写ベルト15上に重ね合わせて転写される。
中間転写ベルト15の表面に重ね合わせて形成されたトナー像は、中間転写ベルト15の回動によって二次転写部20に移動し、この二次転写部20において記録用紙搬送機構50によって搬送される記録用紙P上に一括して静電転写される。
トナー像が転写された記録用紙Pは、記録用紙搬送機構50によって定着装置60に搬送され、定着装置60によって熱および圧力による定着処理を受けてトナー像が定着される。そして、画像が定着された記録用紙Pは、画像形成装置1の排出部に設けられた排紙載置部(不図示)に排出されるものである。
つぎに、本実施の形態の画像形成装置1に用いられる定着装置60について説明する。
図2は本発明の実施の形態にかかる定着装置60の一方の端部を概念的に示す斜視図である。また、図3はその定着装置60の概略構成を示す断面図である。さらに、図4はニップ部Nの近傍領域を表す概略拡大断面図である。
この定着装置60は、定着ベルト610を備える定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に圧接配置された加圧部材としての加圧ロール62とで構成されている。そして、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62との間に、記録用紙を加圧加熱してトナー像を定着させるニップ部Nを形成している。ニップ部Nは、第一のニップ部としてのロールニップ部N1と、第二のニップ部としての剥離パッドニップ部N2とから成る。
定着ベルトモジュール61は、ベルト部材としての定着ベルト610と、定着ベルト610を張架しながら回転駆動する定着ロール部材としての定着ロール611と、内側から定着ベルト610を張架する張架ロール部材としての張架ロール612とを備えている。また、定着ベルト610の外側に配設されてその周回経路を規定する張架ロール613と、定着ロール611と張架ロール612との間で定着ベルト610の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール614とを備えている。さらに、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接する領域であるニップ部N内の下流側領域であって定着ロール611の近傍位置に配置された剥離部材としての剥離パッド64と、ニップ部Nの下流側において定着ベルト610を張架する張架ロール615とを備えている。
定着ベルト610は、周長314mm、幅340mmのフレキシブルなエンドレスベルトである。そして、厚さ80μmのポリイミド樹脂で形成されたベース層と、ベース層の表面側(外周面側)に積層された厚さ200μmのシリコーンゴムからなる弾性体層と、さらに弾性体層上に被覆された厚さ30μmのテトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)チューブからなる剥離層とで構成されている。ここでは、弾性体層は、特にカラー画像に対する画質向上のために設けられたものである。なお、定着ベルト610の構成は、使用目的や使用条件等の装置設計条件に応じて、材質・厚さ・硬度等を適宜選択することができる。この定着ベルト610は、後述する定着ロール611の回転によって、図3中矢印D方向に回動する。
定着ロール611は、外径65mm、長さ360mm、厚さ10mmのアルミニウムからなる円筒状のコアロール(芯金)に、コアロール表面の金属磨耗を防止する保護層として、厚さ200μmのフッ素樹脂皮膜が形成されたハードロールである。ただし、定着ロール611は、この構成に限られるものではなく、加圧ロール62との間でニップ部Nを形成する際に、加圧ロール62からの押圧力に対して殆ど変形を生じない充分にハードなロールとして機能する構成であればよい。そして定着ロール611は、図示しない駆動モータからの駆動力を受けて、300mm/sの表面速度で矢印C方向に回転する。
また、定着ロール611の内部には、加熱手段として定格900Wのハロゲンヒータ616aが配設されており、定着ロール611の表面に接触するように配置された温度センサ617aの計測値に基づいて、画像形成装置1の制御部40(図1参照)によってその表面温度が150℃に制御されるようになっている。
張架ロール612は、外径30mm、肉厚2mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円筒状ロールである。そして、張架ロール612の内部には加熱源として定格1000Wのハロゲンヒータ616bが配設されており、温度センサ617bと制御部40(図1参照)とによって、表面温度が190℃に制御されている。したがって、張架ロール612は、定着ベルト610を張架する機能とともに、定着ベルト610を内面側から加熱する機能をも併せ持っている。
また、張架ロール612の両端部には定着ベルト610を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配設され、定着ベルト610全体の張力を15kgfに設定している。その際に、定着ベルト610の張力を幅方向に亘って均一にするとともに、定着ベルト610の軸方向の変位をできる限り小さく抑えるため、張架ロール612は、外径が端部よりも中央部のほうを100μmだけ大きくした所謂クラウン形状で形成されている。
張架ロール613は、外径25mm、肉厚2mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円筒状ロールである。また、張架ロール613の表面には厚さ20μmのフッ素樹脂からなる離型層が形成されている。この離型層は、定着ベルト610の外周面からの僅かなオフセットトナーや紙粉が張架ロール613に堆積するのを防止するために形成されるものである。また、張架ロール613も張架ロール612と同様に、外径が端部よりも中央部の方を100μmだけ大きくしたクラウン形状で形成されている。なお、張架ロール612と張架ロール613の双方をクラウン形状で形成する場合のみならず、張架ロール612または張架ロール613のいずれか一方のみをクラウン形状で形成してもよい。
張架ロール613の内部には、加熱手段としての定格1000Wのハロゲンヒータ616cが配設されており、温度センサ617cと制御部40(図1参照)とによって、表面温度が190℃に制御されている。したがって、張架ロール613は、定着ベルト610を張架する機能とともに、定着ベルト610を外周面側から加熱する機能をも併せ持っている。つまり、本実施の形態では、定着ロール611と張架ロール612および張架ロール613とによって定着ベルト610が加熱される構成となっている。
姿勢矯正ロール614は、外径15mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円柱状ロールである。姿勢矯正ロール614の近傍には、定着ベルト610のエッジ位置を検知するベルトエッジ位置検知機構(不図示)が配置されている。そして、姿勢矯正ロール614は、ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて定着ベルト610の軸方向における当接位置を変位させる軸変位機構が配設され、定着ベルト610の蛇行(ベルトウォーク)を制御するように構成されている。
剥離パッド64は、例えばSUS等の金属や樹脂等の剛体で形成された、定着ロール611と対応する長さのブロック状の部材である。その断面形状は、定着ロール611に面する内側面64aと、定着ベルト610を加圧ロール62に押圧する押圧面64bと、押圧面64bに対して所定の角度を有して定着ベルト610の進行方向を急激に変化させる外側面64cと、上面64dと、に囲まれた円弧状を呈している。そして、図2中に示すように、その両端で、定着ロール611の支持軸611aに揺動可能に嵌合したアーム641によって支持されて、加圧ロール62が定着ベルト610を介して定着ロール611に圧接する領域(ロールニップ部N1)の下流側に、定着ロール611の軸方向全域に亘って配設されている。また、剥離パッド64は、スプリング等の図示しない付勢手段によって揺動付勢され、その押圧面64bで定着ベルト610を加圧ロール62所定の荷重(例えば、10kgf)で押圧するように設けられている。これにより、例えば、定着ベルト610の進行方向に沿って5mmの幅の剥離パッドニップ部N2を形成している。なお、この剥離パッド64の形状と、ロールニップ部N1および剥離パッドニップ部N2については後に詳述する。
張架ロール615は、外径12mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円柱状ロールである。そして、剥離パッド64を通過した定着ベルト610が定着ロール611に向けて円滑に回動するように、剥離パッド64の定着ベルト610進行方向下流側近傍に配置されている。
加圧ロール62は、直径45mm、長さ360mmのアルミニウムからなる円柱状ロール621を基体として、基体側から順に、ゴム硬度30°(JIS−A)のシリコーンゴムからなる厚さ10mmの弾性層622と、膜厚100μmのPFAチューブからなる剥離層とが積層されて構成されたソフトロールである。この加圧ロール62は、回転自在に支持されると共に、図示しないスプリング等の付勢手段によって定着ベルト610が定着ロール611を巻回する部位に圧接されて設けられている。これにより、その定着ロール611への圧接部位にロールニップ部N1を形成し、定着ベルトモジュール61の定着ロール611が矢印C方向へ回転するのに伴って、定着ロール611に従動して矢印E方向に回動するようになっている。
上記のごとく構成された定着装置60は、下記のように定着作用を行う。
すなわち、画像形成装置1の二次転写部20(図1参照)において未定着トナー像が静電転写されて、記録用紙搬送機構50によって図3中矢印F方向に搬送される記録用紙Pを、ニップ部Nを通過させて、主としてロールニップ部N1に作用する圧力と熱とによってトナー像を記録用紙Pに定着させる。
このとき、ニップ部Nに作用する熱は、主として定着ベルト610によって供給される。定着ベルト610は、定着ロール611の内部に配置されたハロゲンヒータ616aから定着ロール611を通じて供給される熱と、張架ロール612の内部に配置されたハロゲンヒータ616bから張架ロール612を通じて供給される熱と、張架ロール613の内部に配置されたハロゲンヒータ616cから張架ロール613を通じて供給される熱とによって加熱される。そのため、主に張架ロール612および張架ロール613から適切かつ速やかに定着ベルト610に熱エネルギーを補給することができるので、ニップ部Nにおいては、プロセススピードが300mm/sという高速であっても充分な熱量を確保することができる。
ここで、ロールニップ部N1を形成する一方の定着ロール611は前述のごとくアルミニウム製のハードロールであり、他方の加圧ロール62は弾性層622が被覆されたソフトロールである。このため、本実施の形態のロールニップ部N1は、専ら加圧ロール62の弾性層622が変形することで形成される。つまり、ロールニップ部N1は、専ら加圧ロール62表面のみが大きく凹んで定着ベルト610の進行方向に所定の幅に形成されている。
このように、ロールニップ部N1において、定着ベルト610がラップしている定着ロール611は殆ど変形しないため、その表面に沿って回動する定着ベルト610の回動半径は変化しない。このため、定着ベルト610はその進行速度を一定に維持してロールニップ部N1を通過することができ、その通過の際にシワや歪みを生ずることがない。その結果、定着画像の画像乱れが抑制され、良質の定着画像を安定的に提供することができる。なお、本実施の形態の定着装置60では、ロールニップ部N1は定着ベルト610の進行方向に15mm(すなわちニップ幅15mm)に設定されている。
ロールニップ部N1を通過した後、記録用紙Pは剥離パッドニップ部N2に移動する。詳しくは後述するが、定着ロール611の曲率によって下に凸の湾曲した形状のロールニップ部N1に対して、剥離パッドニップ部N2は所定の角度を有して形成されている。このため、ロールニップ部N1において定着ロール611の曲率のもとで加熱加圧された記録用紙Pは、剥離パッドニップ部N2とのニップ境界点BPにおいて進行方向が変化し、これによってトナー像と定着ベルト610との付着力が弱められて、記録用紙Pは定着ベルト610から剥離され易くなる。
そして、剥離パッドニップ部N2の出口では、定着ベルト610は押圧面64bから外側面64cへと剥離パッド64に巻き付くように回動し、その進行方向が急激に変化する。これにより、記録用紙Pは、それ自身が有しているコシによって定着ベルト610から自然に剥離する。つまり、記録用紙Pは、剥離パッドニップ部N2を出た時点で定着ベルト610から安定的に分離される。
定着ベルト610から分離された記録用紙Pは、その後、排紙ガイド65および排紙ロール66によって装置外に排出されるものである。
つぎに、下記図面および前述の図4と従来構成を示す図8とを参照して、剥離パッド64とニップ部Nの形状について詳細に説明する。
図5は剥離パッド64周辺の概略拡大断面図である。また、図6は、図4に示す本実施の形態の構成から剥離パッド64と定着ベルト610とを除いた比較例の説明図である。
ニップ部Nは、ロールニップ部N1と、剥離パッドニップ部N2とから構成されている。
ロールニップ部N1は、定着ベルト610が定着ロール611を巻回する部位に、加圧ロール62が圧接されることで形成されている。このロールニップ部N1は、前述のごとく専ら加圧ロール62の弾性層が弾性変形して形成されるため、定着ロール611の外周半径で加圧ロール62の側に凸の曲面状となっている。
一方、剥離パッドニップ部N2は、剥離パッド64が定着ベルト610を加圧ロール62に押圧することで形成されており、その形状は押圧面64bによって規定されている。
ロールニップ部N1と剥離パッドニップ部N2とは、その定着ベルト610の移動方向下流側に連接点としてのニップ境界点BPを介して連続している。このニップ境界点BPを境にして、記録用紙の移動方向が図中やや上向きからやや下向きに屈曲する。
剥離パッド64は、前述のごとく、断面が、内側面64aと、押圧面64bと、外側面64cと、上面64dとで囲まれた形状となっている。
内側面64aは、定着ロール611の周面に倣った湾曲面に形成されている。剥離パッド64はこの内側面64aを定着ロール611に極力近接(たとえば、定着ロール611の外周面とのギャップ:0.5mm)させて設置される。
押圧面64bは、定着ベルト610を加圧ロール62に押圧し、加圧ロール62表面に圧接させて剥離パッドニップ部N2を形成する面である。図4および図5に示す本実施の形態では、平面で形成されている。なお、この押圧面64bは、加圧ロール62の外周面に倣った凹状曲面としても良く、これについては後述する他の実施の形態で説明する。
内側面64aと押圧面64bとは、鋭角で交わって先端部である先端エッジ64pを形成している。この先端エッジ64pが、剥離パッドニップ部N2の始点を形成する。つまり、先端エッジ64pの位置がニップ境界点BPである。
ここで、先端エッジ64pの角度θpは、図6に示す比較例におけるロール間開放角γより小さく設定されている。
比較例におけるロール間開放角γは、ニップ部Nの出口点POにおける、定着ロール611の接線と加圧ロール62の接線とが、図中矢印で示す定着ロール611の回転方向下流側において成す角である。図6において、定着ロール611の中心OFと加圧ロール62の中心OPとを結ぶ線分を基準線BLとして、この基準線BLと、定着ロール611の中心OFとニップ部Nの出口点POとを結ぶ線分とが成す角度をα、基準線BLと、加圧ロール62の中心とロールニップ部N1の出口点POとを結ぶ線分とが成す角度をβとすると、ロール間開放角γ=α+βである。
剥離パッド64の外側面64cは、押圧面64bと所定の角度(偏向角θd)を成し、所定の半径の曲面で連続している。そして、押圧面64bからこの外側面64cに沿って移動する(すなわち剥離パッドニップ部N2を出た)定着ベルト610の移動方向を急激に変化させるようになっている。
本実施の形態では、剥離パッドニップ部N2を経た後の定着ベルト610の移動経路は、外側面64cに完全に沿うのではなく、張架ロール615に向かって外側面64cから徐々に離間するようになっている。その剥離パッドニップ部N2の延長線(押圧面64bの延長線)と、剥離パッドニップ部N2より下流側の定着ベルト610とが成す角が、剥離角θsである。剥離角θsは、大きいほど定着ベルト610から円滑に記録用紙を剥離することができるため、たとえば40°以上が好ましい。この剥離角θsは当然のことながら偏向角θdの補角より大きくはできないため、偏向角θdは剥離角θsを勘案して設定される。
このような断面形状の剥離パッド64は、その押圧面64bが加圧ロール62の外周面に略沿った位置より、先端エッジ64pが内周側かつ上流側に食い込んで設けられる。つまり、従来例である図8に示すように剥離パッド64の押圧面64bが加圧ロール62の外周面に略沿って位置する構成と比較して、先端エッジ64pを定着ロール611の周面に沿って所定量上流側(図中左側)として設けられるものである。このような設定は、押圧面64bの加圧ロール62に対する干渉量が、上流側(先端エッジ64p側)ほど多くなることで実現される。
このような構成により、ロールニップ部N1の出口点(ニップ境界点BP)における、定着ロール611の下流側(図4,5中右側)の接線と、押圧面64bとが成す角(剥離部材角θo)は、図6に示す比較例において対応する角度(ロール間開放角γ)より小さく設定されている。また、図8に示す従来例より小さくなる。この剥離部材角θoは、記録用紙のカールを抑制する観点から、20°以下とすることが好ましい。図8に示す従来例では、剥離パッド64の押圧面64bは加圧ロール62の外周面に略沿っているため、その剥離部材角θoは、ニップ境界点BPにおける、定着ロール611の下流側の接線と、加圧ロール62の下流側の接線とが成す角(比較例におけるロール間開放角γ)とほぼ等しい。つまり、θo≒γ=α+βである。
なお、本実施の形態では、剥離パッド64の内側面64aは、定着ロール611の外面と非接触で微量ながら隙間を有しているために、剥離部材角θoと、先端エッジ64pの角度θpとは厳密には異なる。剥離部材角θoを規定するニップ境界点BPにおける定着ロール611の下流側の接線の基点は、拡大図である図5中に点Pで示すように、剥離パッド64の先端エッジ64pと相対する(最短距離の)、定着ロール611の部位とする。ただし、実際にはθo=θpと考えて差し支えない。
また、上記構成は、見方を変えると、ニップ境界点BPにおける、定着ロール611の上流側の接線と、剥離パッド64の押圧面64bとが成す角(ニップ間屈曲角θb)は、図6に示す比較例の対応する角である排出屈曲角δに比較して大きくなる。また、図8に示す従来例に比較して大きくなる。
これは、ロールニップ部N1と剥離パッドニップ部N2とのニップ境界点BPにおける、定着ベルト610の移動経路の屈曲角度が従来例に比較して小さくなるということである。
なお、比較例の排出屈曲角δは、図6において、ニップ部Nの出口における、定着ロール611のその回転方向下流側の接線と、加圧ロール62の下流側の接線とが成す角度である。
上記のごときニップ部Nの構成により、ロールニップ部N1と剥離パッドニップ部N2とが連続するニップ部Nを全体として見ると、定着作用を受ける記録用紙の温度が高くなるその出口部分における定着ロール611側への凸状の屈曲が従来例に比べて小さくなる。また、ロールニップ部N1と剥離パッドニップ部N2との間(ニップ境界点BP)に形成される定着ロール611側に凸(図中上側に凸)の山形が、従来例に比べてなだらかになる。その結果、ニップ部Nの出口付近の屈曲と、ニップ境界点BPに形成される山形に扱かれることに起因して生ずる、記録用紙の下向きのカールを抑制することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限るものではない。図7は、上記構成とは剥離パッド64の形状が異なる実施の形態の断面図である。図中、前述の実施の形態と同様の構成部材には同符号を付して説明は省略する。
図7に示す剥離パッド64は、先端エッジ64pの角度は上記実施の形態と略等しく、押圧面64bが加圧ロール62の周面に略沿った曲面状に形成されているものである。
このような形状の剥離パッド64では、ロールニップ部N1の出口であるニップ境界点BPにおける定着ロール611の下流側の接線と、押圧面64bとが成す角(剥離部材角θo)は、前述の実施の形態と同様に、図6に示す比較例において対応する角度(ロール間開放角γ)より小さい。また、図8に示す従来例における剥離部材角θoより小さい。
ここで、押圧面64bが加圧ロール62の周面に略沿った曲面状であることにより、押圧面64bと、ニップ境界点BPにおける定着ロール611の下流側の接線とが成す角度は、下流側に行くほど漸増する。
その結果、剥離パッドニップ部N2の出口における押圧面64bと、ニップ境界点BPにおける定着ロール611の下流側の接線とが成す角度(剥離部材出口開放角θo′)は、剥離部材角θoより大きなものとなる。
このような構成により、押圧面64bと外側面64cとが成す角度である偏向角θd(図5参照)を小さくすることができる。その結果、剥離パッドニップ部N2の出口の延長線と、剥離パッドニップ部N2を経た後の定着ベルト610とが成す角である剥離角θsを、大きく設定することが可能となる。
つまり、前述の実施の形態では、剥離パッド64の先端エッジ64pが加圧ロール62の内周側かつ上流側に食い込む位置に設定されているために、偏向角θd(図5参照)は大きくなる傾向にあり、その結果、剥離角θsが小さくなる。しかし、本構成では、このようなことが無く、剥離角θsを大きく設定することができるものである。
以上説明したように、本実施の形態の定着装置60は、加熱部材として定着ベルト610が定着ロール611を含む複数のロールで張架されて構成された定着ベルトモジュール61を用いているので、プロセススピードが高速化されても、定着装置60において所定の定着温度を常に維持することができる。さらには、高速定着動作の開始時に定着温度が落ち込む温度ドループ現象の発生を抑制することが可能となる。そのため、高品質な定着画像を短時間で大量に提供することが可能となる。
また、ニップ部Nの出口付近の屈曲を小さくすることができ、その屈曲および山形のニップ境界点BPで扱かれることに起因して生ずる、記録用紙の下向きのカールを抑制することができる。その結果、定着後の記録用紙が加圧ロール62に巻き付いて生ずる搬送不良や、排紙後の記録用紙が揃わないといった問題の発生を防ぐことができるものである。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態は、本発明をいわゆるタンデム型のカラー画像形成装置に適用したものであるが、たとえば、回転式現像装置を用いたカラーの画像形成装置や、モノクロの複写機等に適用しても良いことは言うまでもない。
また、定着ベルトモジュール61に対して圧接して配置される加圧手段として、加圧ロール62を用いた構成について説明したが、加圧部材として複数のロールにより加圧ベルトが張架された加圧ベルトモジュールを用いた構成に適用しても良いものである。
本実施の形態を適用した画像形成装置の概略構成図である。 定着装置の一方の端部を概念的に示す斜視図である。 定着装置の概略構成を示す側断面図である。 ニップ部の近傍領域を表す概略拡大断面図である。 剥離パッド周辺の概略拡大断面図である 図4の構成から剥離パッドと定着ベルトとを除いた比較例の説明図である。 剥離パッドの形状が異なる実施の形態の断面図である。 従来例としての定着装置のニップ部の近傍領域を表す概略拡大断面図である。
符号の説明
1…画像形成装置、60…定着装置、61…定着ベルトモジュール、62…加圧ロール(加圧手段,加圧ロール部材)、64…剥離パッド(剥離部材)、64b…押圧面(エッジ形成部材)、64p…先端エッジ(先端部)、610…定着ベルト(定着ベルト部材)、611…定着ロール(定着ロール部材)、616a,616b,616c…ハロゲンヒータ(加熱手段)、612…張架ロール(張架ロール部材)、BP…ニップ境界点、γ…ロール間開放角、θb…ニップ間屈曲角、θo…剥離部材角

Claims (10)

  1. 記録媒体に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、
    回転可能な定着ロール部材と、
    回転可能な張架ロール部材と、
    前記定着ロール部材と前記張架ロール部材とに張架されて回動する定着ベルト部材と、
    前記定着ロール部材の前記定着ベルト部材が巻回する部位に圧接してニップ部を形成する加圧部材と、
    前記定着ベルト部材を加熱する加熱手段と
    前記定着ロール部材と対向する面が、前記定着ベルト部材を前記加圧部材に圧接させる押圧面と交わって形成される先端部を有し、前記ニップ部の下流側の前記定着ベルト部材と前記定着ロール部材の間に介設されて当該定着ベルト部材を大きな曲率で屈曲させる剥離部材と、を備え、
    前記剥離部材の前記先端部が相対する前記定着ロール部材の部位における接線と、前記押圧面とが成す剥離部材角が、前記剥離部材を備えないと仮定した場合の前記定着ロール部材と前記加圧部材とが成すロール間開放角より小さく設定されていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記加圧部材は、その表面に弾性層を備えた加圧ロール部材であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記剥離部材角は、20°以下であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記剥離部材の前記押圧面は、当該剥離部材の前記先端部が相対する前記定着ロール部材の部位における接線と成す角度が、前記定着ベルト部材の移動方向下流側に行くに従って漸増する曲面状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 記録媒体に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、
    回転可能な定着ロール部材と、
    回転可能な張架ロール部材と、
    前記定着ロール部材と前記張架ロール部材とに張架されて回動する定着ベルト部材と、
    前記定着ロール部材の前記定着ベルト部材が巻回する部位に圧接して第一のニップ部を形成する加圧ロール部材と、
    前記定着ベルト部材を加熱する加熱手段と
    前記第一のニップ部の下流側の前記定着ベルト部材と前記定着ロール部材の間に介設されて前記加圧ロール部材との間に第二のニップ部を形成すると共に当該定着ベルト部材を大きな曲率で屈曲させる剥離部材と、を備え、
    前記第一のニップ部と第二のニップ部との連接点における、前記定着ロール部材の接線と前記加圧ロール部材の接線とが前記加圧ロール部材の側で成すニップ間屈曲角が、前記剥離部材を備えないと仮定した場合の当該第一のニップの出口における、前記定着ロール部材の接線と、前記加圧ロール部材の接線とが前記加圧ロール部材の側で成す排出屈曲角より、大きく設定されていることを特徴とする定着装置。
  6. 前記加圧ロール部材は、その表面に弾性層を備えることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記剥離部材の前記第二のニップ部を形成する押圧面は、前記加圧ロール部材の外周に略沿った曲面状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  8. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
    前記記録媒体上に転写されたトナー像を当該記録媒体に定着する定着装置とを備えて構成され、
    前記定着装置は、
    回転可能な定着ロール部材と、
    回転可能な張架ロール部材と、
    前記定着ロール部材と前記張架ロール部材とに張架されて回動する定着ベルト部材と、
    前記定着ロール部材の前記定着ベルト部材が巻回する部位に圧接してニップ部を形成する加圧ロール部材と、
    前記定着ベルト部材を加熱する加熱手段と
    前記定着ロール部材と対向する面が、前記定着ベルト部材を前記加圧ロール部材に圧接させる押圧面と交わって形成される先端部を有し、前記ニップ部の下流側の前記定着ベルト部材と前記定着ロール部材の間に介設されて当該定着ベルト部材を大きな曲率で屈曲させる剥離部材と、を備え、
    前記剥離部材の前記先端部が相対する前記定着ロール部材の部位における接線と、前記押圧面とで形成される剥離部材角が、前記剥離部材を備えないと仮定した場合の前記定着ロール部材と前記加圧ロール部材とで形成されるロール間開放角より小さく設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記加圧ロール部材は、その表面に弾性層を備えることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記押圧面は、前記剥離部材の前記先端部が相対する前記定着ロール部材の部位における接線と成す角度が、前記定着ベルト部材の移動方向下流側に行くに従って漸増する曲面状に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
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