JP2007192049A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の空燃比制御装置に関し、モデルによる予測誤差を抑えて、空燃比の良好な制御性を得ることを目的とする。
【解決手段】ノックの発生が認められた場合に(ステップ102)、ノック発生時の点火時期と空燃比との関係より、空燃比履歴Amを算出する(ステップ104、106)。当該空燃比履歴Amを、燃料モデルが算出するモデル空燃比履歴Am’と比較することで、燃料モデルの修正の必要性を判断する(ステップ108)。燃料モデルの修正の必要があると判定された場合に、燃料モデルの出力を上記空燃比履歴Amと一致するように修正する。
【選択図】図4

Description

この発明は、内燃機関の空燃比制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、筒内圧センサによる筒内圧と筒内の空燃比との関係をモデル化した空燃比推定モデルより出力される空燃比と、燃料モデルより出力される空燃比との比較結果に基づき、燃料モデルを構築する内燃機関の制御装置が開示されている。
特開2005−23863号公報 特開平6−288277号公報
吸気ポートの壁面等への燃料付着特性や燃料蒸発特性は、経年変化、環境変化等によってばらつく。しかしながら、それらのばらつきによる影響を上述した燃料モデルによって再現することはできない。経年変化等による影響が上記燃料モデル等の内燃機関のコンピュータ(ECU)内に構築されたモデルに作用すると、モデルによる予測値に誤差が生じることとなり、その結果、空燃比の制御性の悪化が懸念される。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、モデルによる予測誤差を抑えて、空燃比の良好な制御性を得ることのできる内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、ポート噴射式の内燃機関において、
ノックの発生の有無を判定するノック判定手段と、
ノックが発生したと判定された場合に、ノック発生時の内燃機関の各サイクルの空燃比を当該ノック発生時の点火時期に基づいて取得する空燃比取得手段と、
前記空燃比取得手段により取得された空燃比を補間して、サイクルに対する空燃比履歴を算出する空燃比履歴算出手段と、
燃料モデルによりモデル空燃比履歴を算出するモデル空燃比履歴算出手段と、
前記空燃比履歴と前記モデル空燃比履歴とを比較する空燃比履歴比較手段とを備え、
前記空燃比履歴比較手段による比較結果に基づき、前記燃料モデルを修正することを特徴とする。
また、第2の発明は、筒内直接噴射式の内燃機関において、
ノックの発生の有無を判定するノック判定手段と、
ノックが発生したと判定された場合に、ノック発生時の内燃機関の各サイクルの空燃比を当該ノック発生時の点火時期に基づいて取得する空燃比取得手段と、
前記空燃比取得手段により取得された空燃比を補間して、サイクルに対する空燃比履歴を算出する空燃比履歴算出手段と、
前記空燃比履歴に基づき、吸入空気量履歴を算出する吸入空気量履歴算出手段と、
吸気モデルによりモデル吸入空気量履歴を算出するモデル吸入空気量履歴算出手段と、
前記吸入空気量履歴と前記モデル吸入空気量履歴とを比較する吸入空気量履歴比較手段とを備え、
前記吸入空気量履歴比較手段による比較結果に基づき、前記吸気モデルを修正することを特徴とする。
また、第3の発明は、筒内直接噴射式の内燃機関において、
ノックの発生の有無を判定するノック判定手段と、
ノックが発生したと判定された場合に、ノック発生時の内燃機関の各サイクルの空燃比を当該ノック発生時の点火時期に基づいて取得する空燃比取得手段と、
前記空燃比取得手段により取得された空燃比を補間して、サイクルに対する空燃比履歴を算出する空燃比履歴算出手段と、
吸気モデルによりモデル空燃比履歴を算出するモデル空燃比履歴算出手段と、
前記空燃比履歴と前記モデル空燃比履歴とを比較する空燃比履歴比較手段とを備え、
前記空燃比履歴比較手段による比較結果に基づき、前記空気モデルを修正することを特徴とする。
第1の発明によれば、燃料モデルの出力がノック点火時期に基づく空燃比履歴と一致するように修正される。つまり、本発明によれば、日毎の環境変化、経年変化や機差ばらつきが考慮された燃料モデルに修正される。このため、それらの影響に起因する燃料モデルの出力のばらつきを補正することができ、空燃比の良好な制御性を得ることができる。
筒内直接噴射式の内燃機関の場合には、吸気ポート等への燃料付着や吸気ポート等からの燃料蒸発の挙動を考慮する必要がないので、ノック点火時期に基づく空燃比から各サイクルでの吸入空気量を算出することができる。
第2の発明によれば、吸気モデルの出力がノック点火時期に基づく吸入空気量履歴と一致するように修正される。つまり、本発明によれば、日毎の環境変化、経年変化や機差ばらつきが考慮された吸気モデルに修正される。このため、それらの影響に起因する吸気モデルの出力のばらつきを補正することができ、空燃比の良好な制御性を得ることができる。
筒内直接噴射式の内燃機関の場合には、吸気ポート等への燃料付着や吸気ポート等からの燃料蒸発の挙動を考慮する必要がないので、吸気モデルが算出する吸入空気量から各サイクルでの空燃比を算出することができる。
第3の発明によれば、吸気モデルの出力がノック点火時期に基づく空燃比履歴と一致するように修正される。つまり、本発明によれば、日毎の環境変化、経年変化や機差ばらつきが考慮された吸気モデルに修正される。このため、それらの影響に起因する吸気モデルの出力のばらつきを補正することができ、空燃比の良好な制御性を得ることができる。
実施の形態1.
先ず、図1乃至図5を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1の構成を説明するための図を示す。図1に示すように、本実施形態のシステムは、ポート噴射式の内燃機関10を備えている。内燃機関10の筒内には、燃焼室12が形成されている。燃焼室12には、吸気通路14および排気通路16が連通している。吸気通路14には、その内部を流れる空気量、すなわち、内燃機関10に流入する吸入空気量Gaを検知するエアフロメータ18が配置されている。エアフロメータ18の下流には、スロットルバルブ20が配置されている。
各気筒の吸気ポートには、その内部に燃料を噴射するための燃料噴射弁22が配置されている。また、吸気ポートおよび排気ポートには、それぞれ、燃焼室12と吸気通路14、或いは燃焼室12と排気通路16を導通状態または遮断状態とするための吸気弁24および排気弁26が設けられている。また、内燃機関10のシリンダヘッド28には、筒内に突出するように点火プラグ30が取り付けられている。
内燃機関10の排気通路16には、排気ガスを浄化するための触媒32が配置されている。また、触媒32の上流には、その位置で排気空燃比を検出するための空燃比(A/F)センサ34が配置されている。また、内燃機関10のシリンダブロック36には、ノックの発生を検出するためのノックセンサ38が取り付けられている。尚、本発明において、ノックの発生を判定する手法は、ノックセンサ38を用いるものでなくても、例えば、筒内圧センサの出力に基づくものであってもよい。
図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40には、上述したセンサに加え、内燃機関10の運転状態や運転条件に関する情報を検出するための各種のセンサが接続されているが、ここではその説明は省略する。また、ECU40には、上述したアクチュエータが接続されている。ECU40は、それらのセンサ出力、およびECU40内に構築されたモデルの演算結果に基づき、所定の制御プログラムに従って各アクチュエータを駆動するようになっている。
[燃料モデルの概要]
図2は、図1に示すシステムが用いる燃料モデルを説明するための図である。より具体的には、この燃料モデルは、燃料噴射弁22から噴射された後の燃料の挙動を表すモデルである。図2に示す残留率P、付着率R、壁面付着量fw、噴射量fi、および筒内吸入燃料量fcは、何れも、その燃料モデルにおいて用いられるパラメータである。ここで、噴射量fiは燃料噴射弁22から噴射される燃料の量を意味する。また、壁面付着量fwは、吸気ポートの内壁や吸気弁24の上面などに付着している燃料の総量を意味する。そして、筒内吸入燃料量fcは、内燃機関10の筒内に現実に吸入される燃料の量を意味する。
燃料噴射量fiは、燃料噴射弁22から噴射された後、その一部が吸気ポートの内壁等に付着し、その残部が筒内に吸入される。この際、吸気ポート等の内壁に付着する噴射量fiの割合を「付着率R」と定義すれば、筒内に吸入されることなくポートウェットの一部となる燃料の量は、「R×fi」で表されることとなり、一方、筒内に吸入される燃料の量は「(1−R)×fi」で表されることとなる。
内燃機関10の筒内には、上記の演算式fi×(1−R)で表される量の燃料が燃料噴射弁22から直接的に吸入される他、吸気ポートの内壁等に付着していた燃料の気化分が吸入される。ここで、吸気行程の実行後にポートウェットが壁面等に付着したままの状態で残る割合を「残留率P」とすれば、吸気行程の開始時に存在していた壁面付着量fwは、その吸気行程の後には「P×fw」で表される量に減少していることになり、一方、その吸気行程の間には、「(1−P)×fw」で表される量の燃料がポートウェットの存在に起因して筒内に吸入されたことになる。
従って、第kサイクルにおける噴射行程の開始時における壁面付着量がfwであり、第kサイクルにおける燃料噴射量がfiである場合、第kサイクルの終了後に発生している壁面付着量(つまり、第k+1サイクルにおける壁面付着量)fwk+1、および、第kサイクルにおける筒内吸入燃料量fcは、付着率Rおよび残留率Pを用いて次式のように表すことができる。
fwk+1=P×fw+R×fi・・・(1)
fck=(1−P)×fw+(1−R)×fi・・・(2)
以上説明した通り、内燃機関10の筒内に現実に吸入される筒内吸入燃料量fcは、上記(1)式および(2)式の関係を用いることにより、付着率Rおよび残留率Pをパラメータとして、個々のサイクル毎に演算により求めることができる(尚、壁面付着量fwの初期値fwはゼロである)。このため、上述した燃料モデルによれば、壁面付着量fwの変化に影響されることなく、内燃機関10の過渡運転時においても筒内吸入燃料量fcを精度良く演算により求めることが可能である。
[実施の形態1の特徴部分]
吸気ポートの壁面等への燃料付着特性や燃料蒸発特性は、経年変化、環境変化等によってばらつく。しかしながら、それらのばらつきによる影響を、上記(1)および(2)式による演算だけでは再現することはできない。経年変化等による影響が燃料モデルに作用すると、燃料モデルによる予測値に誤差が生じることとなり、その結果、空燃比の制御性の悪化が懸念される。
図3は、ノック発生時の点火時期と空燃比との関係を表した図である。より具体的には、図3は、空燃比以外のバルブタイミング等の運転条件を固定した場合における関係を示している。ノックが発生したと認められる際の点火時期と空燃比との間には図3に示すような相関がある。ノックは、主に、壁面付着量fwが変化することで筒内吸入燃料量fcの演算にばらつきが生じ易い内燃機関10の過渡運転時において発生し易い。
上記図3に示す関係によれば、ノックの発生を上記ノックセンサ38により検出することとすれば、ノック発生時の点火時期から当該ノック発生時点のサイクルにおける空燃比情報を得ることが可能である。そこで、本実施形態のシステムでは、ノックの発生が認められた場合に、当該ノック発生時の空燃比と、上記燃料モデルにより算出される筒内吸入燃料量fcを利用して算出される空燃比との比較結果に基づいて、燃料モデルを修正することとした。
[実施の形態1における具体的処理]
図4は、上記の機能を実現するために、本実施の形態1においてECU40が実行するルーチンのフローチャートである。図4に示すルーチンでは、先ず、内燃機関10の運転条件および運転状態に関する情報が、各種センサの出力に基づいて取得される(ステップ100)。
次に、ノックが発生したか否かがノックセンサ38の出力に基づいて判別される(ステップ102)。その結果、ノックの発生が認められた場合には、次いで、規定時間Td経過後の空燃比センサ値に基づいて、ノック発生時の空燃比がストイキ空燃比に対してリッチ側であるかリーン側であるかが判別される(ステップ104)。より具体的には、規定時間Tdは、ノック発生時の既燃ガスが空燃比センサの下に到達するまでの時間を意味している。また、この規定時間Tdは、空燃比センサの応答遅れをも考慮されているものとする。
次に、ノック点火時期と空燃比との関係に基づいて、ノックが発生した各サイクルにおける空燃比が算出され、それらの各サイクル間における空燃比履歴(運転条件履歴を含む)Amが算出される(ステップ106)。ノック発生時の点火時期と空燃比との間には、上述した図3に示すような関係がある。そこで、本実施形態では、そのようなノック点火時期yと空燃比xとの関係を次式のように表すこととしている。
y=ax+bx+c ・・・(3)
ただし、上記(3)式において、a、b、cは定数であり、それらの値は、それぞれ、バルブタイミング等の運転条件や燃料性状などに基づいて決定される。上記(3)式によれば、運転条件等に応じて上記の定数を任意に変更することにより、各運転条件に応じた、ノック点火時期と空燃比との関係を取得することができる。
本ステップ106では、具体的には、先ず、内燃機関10の現在の運転条件に基づき、上記(3)式に従って、上記図3に示すようなノック点火時期と空燃比との関係が算出される。上記ステップ104の処理によってノック発生時の空燃比がストイキ空燃比に対してリッチ側であるかリーン側であるかが判別されているため、その判別結果に基づいて、ノック点火時期に対応する空燃比が取得される。このような処理によれば、ノック点火時期に基づいて、ノック発生時の空燃比を精度良く取得することができる。
図5は、ステップ106において作成される空燃比履歴の一例を示している。図5に示す例は、例えば100サイクル等の所定のサイクル数中に、ノックが3回発生した例を示している。本ステップ106では、図5に示すように、上記の手法で算出されたノック発生時の各空燃比を線形補間することによって、空燃比履歴Amが算出される。
図4に示すルーチンでは、次いで、燃料モデルの修正が必要であるか否かが判別される(ステップ108)。上述した燃料モデルにより算出される筒内吸入燃料量fcとエアフロメータ18により得られる吸入空気量Gaとに基づいて、空燃比を算出することができる。そこで、本ステップ108では、上記ステップ106において算出された空燃比履歴Amと、燃料モデルを利用して算出されたモデル空燃比履歴Am’との比較結果に基づいて、燃料モデルの修正の必要性が判断される。より具体的には、自乗和などの値を用いて判定される空燃比履歴Amとモデル空燃比履歴Am’との誤差の大きさに基づいた判断がなされる。尚、エアフローメータ18による吸入空気量Gaに代えて、信頼性の高いモデル演算等により予測された吸入空気量Gaを用いてもよい。
上記ステップ108において、上記誤差が所定の判定値以上に大きいと判定されることによって燃料モデルを修正する必要があると判定された場合には、燃料モデルを利用して算出されるモデル空燃比履歴Am’がノック点火時期に基づいて得られた空燃比履歴Amと一致するように、燃料モデルの修正(同定)が実行される(ステップ110)。
本ステップ110では、具体的には、上記(1)および(2)式中における残留率Pと付着率Rが、以下の(4)および(5)式に従って修正されることにより、燃料モデルの修正が実行される。
P=CfP・P’ ・・・(4)
R=CfR・R’ ・・・(5)
ただし、上記(4)および(5)式において、CfP、CfRは、それぞれ燃料モデルの修正のために用いる調整パラメータである。また、P’は修正前の残留率、R’は修正前の付着率である。
以上説明した図4に示すルーチンによれば、ノック点火時期に基づく空燃比履歴Amと燃料モデルに基づくモデル空燃比履歴Am’との比較結果に基づいて、必要に応じて、燃料モデルの出力がノック点火時期に基づく空燃比履歴Amと一致するように修正される。つまり、上記ルーチンの処理によれば、日毎の環境変化、経年変化や機差ばらつきが考慮された燃料モデルに修正される。このため、それらの影響に起因する燃料モデルの出力のばらつきを補正することができ、空燃比の良好な制御性を得ることができる。
尚、上述した実施の形態1においては、ECU40が、上記ステップ102の処理を実行することにより前記第1の発明における「ノック判定手段」が、上記ステップ104および106の処理を実行することにより前記第1の発明における「空燃比取得手段」が、上記ステップ106の処理を実行することにより前記第1の発明における「空燃比履歴算出手段」が、上記ステップ108において燃料モデルがモデル空燃比履歴を算出することにより前記第1の発明における「モデル空燃比履歴算出手段」が、上記ステップ108の判別処理を実行することにより前記第1の発明における「空燃比履歴比較手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図6および図7を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
[システム構成の説明]
図6は、本発明の実施の形態2の構成を説明するための図を示す。尚、図6における内燃機関50は、筒内直接噴射式の内燃機関であり、燃料噴射弁22に代えて、燃焼室12内(筒内)に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁52がシリンダヘッド28に組み込まれている点を除き、上述した実施の形態1における内燃機関10と同様に構成されているものとする。このため、図6において、上記図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
[吸気モデルの概要]
図6に示すECU54内には、吸気モデル(空気モデル)が構築されている。この吸気モデルは、内燃機関50の筒内に吸入される筒内充填空気量Mcを推定するモデルである。この吸気モデルでは、筒内充填空気量Mcを次の(6)式に従って算出することとしている。
Mc=Ts/Tc・(ka・Pe−kb) ・・・(6)
ただし、上記(6)式において、Tsは吸気温度、Tcは筒内ガス温度、ka、kbはそれぞれ運転条件(エンジン回転数やバルブタイミングなど)に応じて適合される係数である。また、Peは吸気圧力である。
[実施の形態2の特徴部分]
上述した実施の形態1のシステムでは、ノック点火時期との関係で得られた空燃比履歴Amに基づいて、燃料モデルを修正することを特徴としている。これに対し、本実施形態の筒内直接噴射式の内燃機関50では、筒内吸入燃料量fcが壁面付着量fwの影響によってばらつくという問題が生じない。従って、燃料噴射量fiをそのまま筒内吸入燃料量fcとして扱うことができる。しかしながら、上述した吸気モデルにより出力される筒内充填空気量Mcの推定値についても、環境変化、経年変化や機差ばらつき等に起因するばらつきが生じることがある。
そこで、本実施形態では、筒内直接噴射式の内燃機関50において更なる空燃比の制御性を向上させるべく、ノックの発生が認められた場合に、当該ノック発生時の空燃比と、上記吸気モデルを利用して算出される筒内充填空気量Mcを利用して算出される空燃比との比較結果に基づいて、吸気モデルを修正することとした。
[実施の形態2における具体的処理]
図7は、上記の機能を実現するために、本実施の形態2においてECU54が実行するルーチンのフローチャートである。尚、図7において、実施の形態1における図4に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図7に示すルーチンでは、ノックの発生が認められた場合に(ステップ102)、ノック発生時の空燃比がストイキ空燃比に対してリッチ側であるかリーン側であるかが判別された後に(ステップ104)、ノック点火時期と空燃比との関係に基づいて、ノックが発生した各サイクル間における吸入空気量履歴Gmが算出される(ステップ200)。
より具体的には、本ステップ200では、先ず、上述した図4に示すルーチンにおけるステップ106と同様の手法によって、空燃比履歴Amが算出される。内燃機関50においては、上記のように、燃料噴射量fiを筒内吸入燃料量fcとして扱うことができるため、吸入空気量Gaは、空燃比と燃料噴射量fiとの積として算出することができる。そこで、本ステップ200では、ノック点火時期に基づく空燃比履歴Am中の各空燃比に、当該空燃比履歴Am中のそれぞれのサイクルにおける燃料噴射量fiを乗ずることで、ノック点火時期に基づく吸入空気量履歴Gmが算出される。
次に、吸気モデルの修正が必要であるか否かが判別される(ステップ202)。具体的には、本ステップ202では、上記ステップ200において算出された吸入空気量履歴Gmと、吸気モデルにより算出されたモデル吸入空気量履歴Gm’との比較結果に基づいて、吸気モデルの修正の必要性が判断される。より詳細には、自乗和などの値を用いて判定される吸入空気量履歴Gmとモデル吸入空気量履歴Gm’との誤差の大きさに基づいた判断がなされる。
上記ステップ202において、上記誤差が所定の判定値以上に大きいと判定されることによって吸気モデルを修正する必要があると判定された場合には、吸気モデルにより算出されるモデル吸入空気量履歴Gm’がノック点火時期に基づいて得られた吸入空気量履歴Gmと一致するように、吸気モデルの修正(同定)が実行される(ステップ204)。
本ステップ204では、具体的には、上記(6)式中の係数ka、kbを調整パラメータとして吸気モデルの修正が実行される。尚、これらの係数ka、kbを調整パラメータとすることに代えて、上記(6)式の右辺に、新たに調整パラメータCmcを乗ずるようにすることで、吸気モデルの修正を行うようにしてもよい。
筒内直接噴射式の内燃機関50の場合には、既述したように、吸気ポート等への燃料付着や吸気ポート等からの燃料蒸発の挙動を考慮する必要がないので、ノック点火時期に基づく空燃比から各サイクルでの吸入空気量Gaを算出することができる。
以上説明した図7に示すルーチンによれば、ノック点火時期に基づく吸入空気量履歴Gmと吸気モデルに基づくモデル吸入空気量履歴Gm’との比較結果に基づいて、必要に応じて、吸気モデルの出力がノック点火時期に基づく吸入空気量履歴Gmと一致するように修正される。つまり、上記ルーチンの処理によれば、日毎の環境変化、経年変化や機差ばらつきが考慮された吸気モデルに修正される。このため、それらの影響に起因する吸気モデルの出力のばらつきを補正することができ、筒内直接噴射式の内燃機関50において、更なる空燃比の制御性の向上が可能となる。
[実施の形態2の変形例]
ところで、上述した実施の形態2においては、ノック点火時期に基づく空燃比履歴Am中の各サイクルにおける空燃比に、それぞれのサイクルにおける燃料噴射量fiを乗ずることで、ノック点火時期に基づく吸入空気量履歴Gmを算出し、当該履歴Gmを別途吸気モデルにより算出されるモデル吸入空気量履歴Gm’と比較するようにしている。しかしながら、本発明において吸気モデルを修正する際に比較される対象はこれに限定されるものではない。
筒内直接噴射式の内燃機関の場合には、吸気ポート等への燃料付着や吸気ポート等からの燃料蒸発の挙動を考慮する必要がないので、吸気モデルが算出する吸入空気量から各サイクルでの空燃比を算出することができる。そこで、吸気モデルにより算出される各サイクルにおける吸入空気量Gaから対応する燃料噴射量fiを除することで、吸気モデルを利用したモデル空燃比履歴Am’’を算出し、当該履歴Am’’をノック点火時期に基づく空燃比履歴Amと比較するようにしてもよい。
尚、上述した実施の形態2またはその変形例においては、ECU54が、上記ステップ102の処理を実行することにより前記第2または第3の発明における「ノック判定手段」が、上記ステップ104および200の処理を実行することにより前記第2または第3の発明における「空燃比取得手段」が、上記ステップ200の処理を実行することにより前記第2または第3の発明における「空燃比履歴算出手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU54が、上記ステップ200の処理を実行することにより前記第2の発明における「吸入空気量履歴算出手段」が、上記ステップ202において吸気モデルがモデル吸入空気量履歴を算出することにより前記第2の発明における「モデル吸入空気量履歴算出手段」が、上記ステップ202の判別処理を実行することにより前記第2の発明における「吸入空気量履歴比較手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2の変形例においては、ECU54が、吸気モデルによりモデル空燃比履歴Am’’を算出することにより前記第3の発明における「モデル空燃比履歴算出手段」が、ノック点火時期に基づく空燃比履歴Amとモデル空燃比履歴Am’’とを比較することにより前記第3の発明における「空燃比履歴比較手段」が、それぞれ実現されている。
本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。 図1に示すシステムが用いる燃料モデルを説明するための図である。 ノック発生時の点火時期と空燃比との関係を表した図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 図4に示すルーチンにおけるステップ106において作成される空燃比履歴の一例を示している。 本発明の実施の形態2の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10、50 内燃機関
12 燃焼室
14 吸気通路
22、52 燃料噴射弁
30 点火プラグ
34 空燃比(A/F)センサ
38 ノックセンサ
40 ECU(Electronic Control Unit)
Am 空燃比履歴
Am’、Am’’ モデル空燃比履歴
fP、CfR、Cmc 調整パラメータ
fc 筒内吸入燃料量
fi 燃料噴射量
fw 壁面付着量
Gm 吸入空気量履歴
Gm’ モデル吸入空気量履歴
P 残留率
R 付着率
Mc 筒内充填空気量

Claims (3)

  1. ポート噴射式の内燃機関において、
    ノックの発生の有無を判定するノック判定手段と、
    ノックが発生したと判定された場合に、ノック発生時の内燃機関の各サイクルの空燃比を当該ノック発生時の点火時期に基づいて取得する空燃比取得手段と、
    前記空燃比取得手段により取得された空燃比を補間して、サイクルに対する空燃比履歴を算出する空燃比履歴算出手段と、
    燃料モデルによりモデル空燃比履歴を算出するモデル空燃比履歴算出手段と、
    前記空燃比履歴と前記モデル空燃比履歴とを比較する空燃比履歴比較手段とを備え、
    前記空燃比履歴比較手段による比較結果に基づき、前記燃料モデルを修正することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 筒内直接噴射式の内燃機関において、
    ノックの発生の有無を判定するノック判定手段と、
    ノックが発生したと判定された場合に、ノック発生時の内燃機関の各サイクルの空燃比を当該ノック発生時の点火時期に基づいて取得する空燃比取得手段と、
    前記空燃比取得手段により取得された空燃比を補間して、サイクルに対する空燃比履歴を算出する空燃比履歴算出手段と、
    前記空燃比履歴に基づき、吸入空気量履歴を算出する吸入空気量履歴算出手段と、
    吸気モデルによりモデル吸入空気量履歴を算出するモデル吸入空気量履歴算出手段と、
    前記吸入空気量履歴と前記モデル吸入空気量履歴とを比較する吸入空気量履歴比較手段とを備え、
    前記吸入空気量履歴比較手段による比較結果に基づき、前記吸気モデルを修正することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 筒内直接噴射式の内燃機関において、
    ノックの発生の有無を判定するノック判定手段と、
    ノックが発生したと判定された場合に、ノック発生時の内燃機関の各サイクルの空燃比を当該ノック発生時の点火時期に基づいて取得する空燃比取得手段と、
    前記空燃比取得手段により取得された空燃比を補間して、サイクルに対する空燃比履歴を算出する空燃比履歴算出手段と、
    吸気モデルによりモデル空燃比履歴を算出するモデル空燃比履歴算出手段と、
    前記空燃比履歴と前記モデル空燃比履歴とを比較する空燃比履歴比較手段とを備え、
    前記空燃比履歴比較手段による比較結果に基づき、前記空気モデルを修正することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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