JP4270112B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は内燃機関の制御装置に係り、特に、内燃機関を、安定限界近傍において運転させる機能を有する内燃機関の制御装置に関する。
従来、特開平8−232752号公報に開示されるように、内燃機関を安定限界の近傍において運転させる制御装置が知られている。内燃機関においては、例えば始動の直後に、触媒の暖機を早めるために、点火時期の遅角が求められることがある。また、燃費の向上を目的として、空燃比のリーン化が求められることがある。
内燃機関の運転状態は、点火時期が最適な時期から遅角されるほど不安定になる。従って、その遅角が求められる場面では、内燃機関が安定に運転し得る限界点の付近で点火時期の遅角を止めることが必要である。同様に、空燃比のリーン化が求められる場合も、そのリーン化は、内燃機関の安定限界点付近で止めることが必要である。
上述した従来の装置は、所定のクランク角範囲(例えば720°CAの範囲)に渡って燃焼圧を積分する作業を、1000サイクル程度繰り返して実行する。そして、この装置は、得られたデータを用いて、サイクル毎の燃焼圧積分値の標準偏差を算出する。このようにして得られた標準偏差は、内燃機関の運転状態の安定度と相関を有している。このため、上記の標準偏差を見れば、内燃機関が安定状態を維持しているか否かを正確に判断することが可能である。
上述した従来の装置は、算出した標準偏差に基づいて、内燃機関が安定状態にあると判断できる限りは、点火時期の遅角や、空燃比のリーン化を許容し、その判断が否定された場合は、それらの遅角やリーン化を禁止する。このような制御によれば、点火時期や空燃比を、内燃機関が安定運転を維持し得る限界点付近に制御することができる。このため、上記従来の装置によれば、内燃機関の安定性を損なうことなく、種々の要求を効率的に充足することができる。
特開平8−232752号公報 特開平11−107838号公報
しかしながら、上記従来の装置は、標準偏差を正確に算出するために、燃焼圧積分値を極めて多くのサイクルに渡って繰り返し算出することを必要とする。このため、上記従来の装置においては、内燃機関が安定な状態であるか否かを短時間で判断することができない。
また、上記の判断に長時間を要するとすれば、点火時期の遅角や空燃比のリーン化を進めた後に、内燃機関が安定な状態を維持しているか否かを即座に判断することはできない。点火時期や空燃比を変更した後に内燃機関の安定性が即座に判断できないとすれば、更なる変更が可能であっても、その変更を即座に進めることはできない。また、仮に内燃機関が不安定な状態に陥っていたとしても、点火時期や空燃比を即座に元の値に戻すことができず、ある程度の時間はその不安定な状態が維持されざるを得ない。
このように、上述した従来の装置は、内燃機関を安定限界の近傍で運転させる機能は有するものの、点火時期や空燃比を、安定限界点の付近に迅速に収束させることはできないという特性を有するものであった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の状態を制御するための機関制御パラメータを、迅速に安定限界の近傍に収束させることのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の燃焼圧を実測する燃焼圧実測手段と、
前記燃焼圧の実測値を、内燃機関の運転サイクルと同期した所定クランク角範囲に渡って積分することにより、燃焼圧積分値を算出する燃焼圧積分値算出手段と、
所定の機関制御パラメータの変化に伴って、前記燃焼圧積分値と、前記燃焼圧積分値のバラツキ度合いとの間に成立する相関関係を記憶する相関関係記憶手段と、
前記燃焼圧積分値の算出値を前記相関関係に当てはめることにより、燃焼圧積分値のバラツキ度合いを推定するバラツキ推定手段と、
前記バラツキ度合いの推定値が判定値以下となるように、前記機関制御パラメータを設定するパラメータ設定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記所定クランク角範囲は720°CAの範囲であり、前記燃焼圧積分値は内燃機関の図示トルクであることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記燃焼圧積分値算出手段は、複数サイクルに渡る燃焼圧積分値の平均値を算出する平均値算出手段を備え、
前記バラツキ推定手段は、前記平均値に基づいて前記バラツキ度合いを推定することを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、前記バラツキ度合いは、前記燃焼圧積分値の標準偏差であることを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおいて、前記機関制御パラメータは点火時期であることを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記相関関係は、
前記燃焼圧積分値の最大値と、
前記燃焼圧積分値が前記最大値となる際に生ずる前記バラツキ度合いの対応値と、
前記燃焼圧積分値の最大値からの変化量と前記バラツキ度合いの対応値からの変化量との対応付けとを含むことを特徴とする。
また、第7の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記相関関係は、
前記燃焼圧積分値と前記機関制御パラメータとの関係、および
前記バラツキ度合いと前記機関制御パラメータとの関係を含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、燃焼圧積分値の算出値を、燃焼圧積分値とその標準偏差との相関関係に照らし合わせることにより、現在の機関制御パラメータの下で燃焼圧積分値に生じているバラツキ度合いを、即座に算出することができる。また、本発明によれば、そのバラツキ度合いが判定値以下となるように、機関制御パラメータを新たに設定することができる。このため、本発明によれば、機関制御パラメータの値を、内燃機関の安定限界点付近に短時間で収束させることができる。
第2の発明によれば、燃焼圧積分値が内燃機関の図示トルク、すなわち、720°CAに渡る燃焼圧の積分値とされる。図示トルクは、内燃機関の運転状態を表す代表的な物理量である。このため、本発明によれば、内燃機関の状態を正確に把握して、機関制御パラメータを適正に制御することができる。
第3の発明によれば、複数回に渡る燃焼圧積分値の平均値に基づいて、内燃機関の状態を判断することができる。このため、本発明によれば、ノイズの影響を抑制して、内燃機関の状態に関する判断精度を高めることができる。
第4の発明によれば、燃焼圧積分値の標準偏差に基づいて、内燃機関の状態を判断することができる。標準偏差は、バラツキ度合いを適正に表す代表的な値である。このため、本発明によれば、内燃機関の状態を正確に把握することができる。
第5の発明によれば、内燃機関が安定限界点付近で運転するように、点火時期を設定することができる。このため、本発明によれば、点火時期を最適な時期からずらす必要のある制御を、内燃機関の状態を安定に保ちながら効率的に行うことができる。
第6の発明によれば、燃焼圧積分値とバラツキ度合いとの相関関係に、燃焼圧積分値の最大値と、バラツキ度合いの対応値とが含まれていると共に、燃焼圧積分値の最大値からの変化量とバラツキ度合いの対応値からの変化量との対応付けが含まれている。これらの情報が既知であれば、実測された燃焼圧積分値から、確実にバラツキ度合いを導き出すことができる。
第7の発明によれば、燃焼圧積分値とバラツキ度合いとの相関関係に、燃焼圧積分値と機関制御パラメータとの関係、並びにバラツキ度合いと機関制御パラメータとの関係が含まれている。これらの情報が既知であれば、実測された燃焼圧積分値から、確実にバラツキ度合いを導き出すことができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは内燃機関10を備えている。内燃機関10には、機関回転数NEを検出する回転数センサ12、およびクランク角を検出するクランク角センサ14が組み込まれている。更に、内燃機関10には、冷却水温THWを検出する水温センサ16、および筒内に生ずる燃焼圧を検出する筒内圧センサ18が組み込まれている。
内燃機関10の吸気通路20には、その内部を流通する吸入空気量GAを検出するエアフロメータ22が配置されている。エアフロメータ22の下流には、スロットル弁24が配置されている。スロットル弁24の近傍には、スロットル開度TAを検出するスロットル開度センサ26が組み付けられている。
内燃機関10の吸気ポートには、その内部に燃料を噴射するための燃料噴射弁28が配設されている。また、内燃機関10には、先端部が筒内に露出するように点火プラグ30が組み込まれている。更に、内燃機関10の排気通路32には、排気ガスを浄化するための触媒34が組み込まれている。
本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40には、上述した各種のセンサからセンサ信号が供給されている。ECU40は、それらのセンサ信号に基づいて、燃料噴射弁28や点火プラグ30などの各種アクチュエータを制御することができる。
[内燃機関における要求]
内燃機関10に対しては、安定した運転状態の維持が要求される。他方、内燃機関10においては、様々な事情に対応するべく、安定性を損なう方向への制御の移行が求められることがある。
例えば、排気通路32に配置される触媒34は、活性温度に達することで始めて排気ガスを浄化する能力を発揮する。このため、触媒34は、内燃機関10の始動後にできるだけ短時間で活性温度まで上昇させることが望ましい。触媒34の暖機は、排気エネルギを増大させることにより促進することができる。また、排気エネルギは、内燃機関10における点火時期を、通常の点火時期(高出力を得るための点火時期)から遅角することにより増大させることができる。このため、内燃機関10においては、始動の直後に、触媒34の暖機を促進するべく点火時期の遅角が求められることがある。
内燃機関の運転状態は、筒内で燃料が効率よく燃焼するほど安定になる。換言すると、その運転状態は、点火時期が遅角され、排気エネルギが増大するほど不安定化する。この点、点火時期の遅角制御は、内燃機関10の安定性を犠牲にしつつ、触媒34の暖機促進を優先する制御である。そして、この制御を効率的に実行するためには、内燃機関10が安定した状態を維持し得る限界値に点火時期の遅角量を制御することが必要となる。
また、内燃機関10においては、燃費特性の向上を目的として、空燃比のリーン化が求められることがある。しかしながら、内燃機関の運転状態は、燃焼ガスがリーン化されるほど不安定になり易い。この点、空燃比のリーン化制御も、内燃機関10の安定性を犠牲にしつつ、燃費の向上を図ろうとする制御である。そして、この制御を実行するにあたっては、リーン化時における空燃比を、内燃機関10が安定状態を維持し得る限界値に制御することが必要である。
[内燃機関の安定性の評価手法と機関制御パラメータの制御手法]
上述した遅角制御において点火時期を精度良く安定限界値に制御するためには、内燃機関10が安定状態にあるか否かを正確に判断することが必要である。上述したリーン化制御において空燃比を精度良く安定限界値に制御するためにも、同様の事項が要求される。
ところで、内燃機関10の運転状態は、同じ運転条件下での出力トルクにバラツキが少ないほど安定であると判断できる。より厳密には、同じ条件下で、同じクランク角範囲内で発生する燃焼圧の積分値にバラツキが少ないほど安定であると判断できる。従って、内燃機関10の状態が安定しているか否かは、例えば、特定のクランク角範囲における燃焼圧積分値のバラツキ度合いに基づいて判断することが可能である。
内燃機関10の運転は、吸気、圧縮、縛圧および排気の4行程を1サイクルとして行わが安定状態にあるか否かを判断するにあたっては、上記の1サイクルに対応する720°CAの区間に渡る燃焼圧積分値、つまり図示トルクを実測して、その図示トルクのバラツキ度合いを見るのが適切である。
図示トルクのバラツキ度合いは、例えば、図示トルクの標準偏差により判断することができる。また、図示トルクの標準偏差は、例えば、サイクル毎に複数の図示トルクを実測し、それらの実測データを公知の数式に当てはめることにより算出することが可能である。
しかしながら、このような手法で標準偏差を正確に算出するためには、図示トルクのサンプル数を相当数確保することが必要である。より具体的には、内燃機関10の運転状態を一定にしたまま、相当のサイクル数に渡って図示トルクの実測を継続することが必要である。そして、点火時期や空燃比などの機関制御パラメータに変化を与えた場合には、新たな条件下で内燃機関10が安定しているか否かを検証するために、再び、長期間に渡って多数の図示トルクデータを実測することが必要となる。このため、多数の図示トルクを実測し、その実測値を基礎として標準偏差を算出する手法を用いる場合には、機関制御パラメータを迅速に内燃機関10の安定限界点に収束させることが困難である。
ところで、本発明の発明者は、特定のクランク角範囲に渡る燃焼圧積算値(具体的には図示トルク)と、その燃焼圧積算値のバラツキ度合い(具体的には標準偏差)との間には、一定の相関関係が成立することを見いだした。以下、図2を参照して、その相関関係をより詳細に説明する。
図2は、点火時期と図示トルクとの関係(実線)、並びに点火時期と標準偏差との関係(破線)を示す。図2に示す関係は、特定の運転条件の下で、より具体的には、特定の機関回転数NEおよび機関負荷KLの下で成立する関係である。
図2に示すように、図示トルクITQは、点火時期に対して相関を有している。図示トルクITQは、最適な点火時期において最大値ITQmaxとなり、点火時期がその最適な時期から進角されるほど、或いは遅角されるほど小さな値となる傾向を示す。尚、上述した点火時期の遅角制御においては、最大値ITQmaxを生じさせる最適な点火時期より遅い領域において、点火時期の遅角が行われる。
図示トルクITQの標準偏差σは、図2に示すように、点火時期に対して相関を有している。標準偏差σは、より具体的には、図示トルクITQが最大値ITQmaxとなる点火時期において最小値σminとなり、そこから点火時期が進角するほど、或いは遅角するほど大きな値となる。
図2に示すσthrは、内燃機関10が安定した状態にあるか否かを判断するための判定値として設定された値である。つまり、本実施形態において、内燃機関10は、図示トルクITQの標準偏差がσthr以下である場合は安定状態にあると判断され、他方、標準偏差σが判定値σthrを超えている場合は不安定な状態にあると判断される。
上述した通り、点火時期の遅角制御は、図示トルクITQを最大値ITQmaxとする最適点火時期より遅角側の領域で行われる。この領域においては、図示トルクITQと、その標準偏差σとは1対1に対応している。従って、図2に示す関係が既知であるとすれば、単一の図示トルクITQさえ判れば、図示トルクITQの標準偏差σを推定することが可能である。そして、その標準偏差σが判定値σthrと一致するように点火時期を制御すれば、点火時期を内燃機関10の安定限界点に一致させることが可能である。
図3は、上述した図2に示す関係を整理して表したものである。図3において、横軸は、最大値ITQmaxから見た図示トルクITQの低下量(ITQmax−ITQ)であり、縦軸は最小値σminから見た標準偏差σの増加量(σ−σmin)である。尚、図3に示す関係は、図2に示す関係のうち、点火時期の遅角制御に用いられる領域に属する関係、つまり、最大値ITQmaxおよび最小値σminを生じさせる最適点火時期より遅い領域に属する関係を抜き出して整理したものである。
図2に示すITQとσとの関係は、既述した通り、最適点火時期より遅い領域においては1対1に対応している。そして、それら両者の関係は、図3に示すように、ほぼ比例的な関係を示す。図示トルクITQの最大値ITQmaxが既知であれば、ある図示トルクITQが実測された場合に、図示トルク低下量(ITQmax−ITQ)は算出することが可能である。また、図示トルク低下量(ITQmax−ITQ)が判れば、図3に示す関係より、標準偏差σの増加量(σ−σmin)は算出が可能である。そして、標準偏差σの最小値σminが既知であれば、増加量(σ−σmin)の算出値から、標準偏差σを算出することが可能である。
このように、図2に示す関係と共に、最大値ITQmaxおよび最小値σminが既知である場合も、図3に示す関係が既知である場合と同様に、単一の図示トルクITQから、図示トルクITQの標準偏差σを特定することが可能である。そして、この場合においても、特定された標準偏差σが判定値σthrと一致するように点火時期を制御すれば、点火時期を、内燃機関10の安定限界点に一致させることが可能である。
以上説明した通り、図示トルクITQと、図示トルクITQの標準偏差σとの間に成立する相関関係を事前に把握しておけば、その関係を利用することにより、単一の図示トルクITQに基づいて、標準偏差σを即座に推定することが可能である。つまり、このような手法によれば、1サイクルの運転が終わる毎に、現条件下での発生が予測される標準偏差σを推定し、更に、そのσに基づいて、内燃機関10が安定状態にあるか否かを判定することができる。このため、このような手法によれば、機関制御パラメータ(点火時期)を、極めて短時間で内燃機関10の安定限界点に収束させることが可能である。
[実施の形態1における具体的処理]
図4は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU40が実行するルーチンのフローチャートである。図4に示すルーチンでは、先ず、現在の内燃機関10の運転状態が計測される(ステップ100)。具体的には、ここでは、機関回転数NE、機関負荷KL、冷却水温THWなどが計測される。
次に、現在の運転状態に適合する基準点火時期SAbseが算出される(ステップ102)。基準点火時期SAbseは、通常の運転状況下で、内燃機関10に最も大きな出力を発生させるための点火時期である。ECU40は、機関回転数NEおよび機関負荷KLとの関係で基準点火時期を定めたマップを記憶しており、ここでは、そのマップを参照することにより、基準点火時期SAbseが算出される。
図4に示すルーチンでは、次に、内燃機関10が暖機運転中であるか否かが判別される(ステップ104)。ここでは、例えば冷却水温THWが60℃以下である場合に暖機運転中との判断がなされ、また、THWが60℃を超えている場合には、暖機運転中ではないとの判断がなされる。
上記ステップ104において、暖機運転中ではないとの判断がなされた場合は、触媒34が既に活性温度に達しており、点火時期の遅角制御を行う必要が無いと判断される。この場合は、以後、基準点火時期SAbseが点火時期SAに設定された後(ステップ106)、今回のルーチンが終了される。その結果、出力トルクの確保を重視した通常の運転が実現される。
一方、上記ステップ104において、暖機運転中であるとの判定がなされた場合は、次に、以下の演算式により点火時期SAが算出される(ステップ108)。
SA=SAbse−SArtd−ΔSArtd ・・・(1)
図5は、上記(1)式により設定される点火時期SA、つまり、遅角制御の実行中に設定される点火時期SAの内容を説明するための図である。図5に示すように、上記(1)式により算出される点火時期SAは、基準点火時期SAbseを、基本遅角量SArtdだけ遅角し、更に、遅角補正量ΔSArtdだけ遅角した時期に相当している。基本遅角量SArtdは、暖機時に点火時期の遅角制御を行うに当たって、基準点火時期SAbseを内燃機関10の安定限界点近傍の値に変換するために予め設定された所定値である。また、遅角補正量ΔSArtdは、点火時期SAを正確に安定限界点に一致させるために導入された補正値であり、その初期値は0である。
点火時期SAの算出が終わると、次に、所定のクランク角期間に渡って筒内圧が計測される(ステップ110)。ここでは、具体的には、内燃機関10の数サイクルに対応するクランク角期間に渡って筒内圧が計測される。
次に、上記の数サイクルを対象として、図示トルクITQの平均値ITQaveが算出される(ステップ112)。次いで、その平均値ITQaveに基づいて、図示トルクITQの標準偏差σが算出される(ステップ114)。
本実施形態において、ECU40は、内燃機関10の運転状態毎に、具体的には、機関回転数NEと機関負荷KLとの組み合わせ毎に、図3に示すような「図示トルク低下量−標準偏差増加量」のマップ、図示トルクITQの最大値ITQmax、および標準偏差σの最小値σminを記憶している。以下、それらを総称して「相関関係データ」と称する。
上記ステップ114では、具体的には、先ず、現在のNE,KLに対応する相関関係データが読み出される。次に、読み出された最大値ITQmaxから、上記の平均値ITQaveを減ずることにより、図示トルク低下量(ITQmax−ITQave)が算出される。次いで、上記のマップを参照して、図示トルク低下量(ITQmax−ITQave)に対応する標準偏差増加量(σ−σmin)が読み出される。最後に、標準偏差増加量(σ−σmin)に最小値σminが加算されることにより、標準偏差σが算出される。
図4に示すルーチンでは、次に、標準偏差σが、判定値σthrより大きいか否かが判別される(ステップ116)。判定値σthrは、上述した通り、内燃機関10の状態が安定しているか否かを判断するために予め設定された値である。従って、σがσthrより大きくないと判別された場合は、内燃機関10の状態が安定していると判断できる。この場合は、点火時期を更に遅角させるべく、遅角補正量ΔSArtdが所定値αだけ大きな値に更新される(ステップ118)。
上記(1)式によれば、遅角補正量ΔSArtdが大きな値になるほど、点火時期SAの遅角は進められる。このため、上記の処理によれば、内燃機関10の暖機が終了しない限りは、点火時期が遅角方向に修正されることになる。
一方、上記ステップ116において、σ>σthrが成立すると判断された場合は、内燃機関10の状態が不安定になっていると判断できる。この場合は、点火時期を進角方向に戻すべく、遅角補正量ΔSArtdが所定値αだけ小さな値に更新される(ステップ120)。上記の処理によれば、次回のサイクル時に遅角制御が続行された場合には、点火時期が進角方向に修正されるため、内燃機関10の状態は安定方向に改善されることになる。
以上説明した通り、本実施形態のシステムによれば、数サイクル程度の短期間だけ図示トルクITQ実測するだけで、図示トルクITQの標準偏差σを精度良く算出することができる。つまり、本実施形態のシステムによれば、点火時期SAを更新した後、更新後の条件で内燃機関10が安定に作動しているか否かを即座に判定し、その判定の内容を迅速に遅角量にフィードバックすることができる。このため、本実施形態のシステムによれば、点火時期SAを迅速に安定限界点に収束させることができ、暖機の場面において、内燃機関10の安定性を大きく損なうことなく、触媒34を短時間で活性化させることができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、図3に示すマップと、同時に成立する最大値ITQmaxと最小値σminの組み合わせとを記憶しておき、それらを利用することにより、単一の図示トルクITQから標準偏差σを算出する処理が可能とされている。しかしながら、その処理を可能とする手法はこれに限定されるものではない。例えば、図2に示すようなマップ、つまり、点火時期とITQとの関係と、点火時期と標準偏差σとの関係の双方を定めたマップを内燃機関10の運転状態毎に記憶しておき、その記憶の内容を利用して上記の処理を可能とすることとしてもよい。
また、上述した実施の形態1においては、ステップ114において標準偏差σを算出するのに先立って、図示トルクITQの平均値ITQaveを求めることとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明において、標準偏差σを特定するためには、図示トルクITQが一つだけ存在すれば十分であり、その特定にあたって、必ずしもITQの平均値ITQaveを用いることは必須ではない。
更に、上述した実施の形態1においては、内燃機関10の状態を表す特性値として、図示トルクITQを用いることとしているが、その特性値は、必ずしもITQに限定されるものではない。すなわち、内燃機関10が安定か否かは、ITQに限らず、ある程度のクランク角期間に渡る燃焼圧の積分値から判断することは可能である。従って、例えば、圧縮および膨張行程を含む360°CA程度の期間に渡る燃焼圧積分値を、実施の形態1における図示トルクITQの代わりに用いることとしても、ほぼ同様の精度で点火時期の遅角制御を実行することが可能である。
また、上述した実施の形態1においては、内燃機関10の安定状態を犠牲にして制御するべき機関制御パラメータが点火時期に限定されているが、そのパラメータはこれに限定されるものではない。例えば、内燃機関10の空燃比を変化させる場合においても、図示トルクITQと標準偏差σとの間には、一定の相関関係が成立する。このため、機関制御パラメータが空燃比である場合にも、単一の図示トルクITQから標準偏差σを算出することは可能である。このため、本発明の手法は、空燃比をリーン化する制御に対して適用することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、ECU40が、上記ステップ110の処理を実行することにより前記第1の発明における「燃焼圧実測手段」が、上記ステップ112の処理を実行することにより前記第1の発明における「燃焼圧積分値算出手段」が、図2または図3に示す相関関係データを記憶していることにより前記第1の発明における「相関関係記憶手段」が、上記ステップ114の処理を実行することにより前記第1の発明における「バラツキ推定手段」が、上記ステップ116〜120の処理を実行することにより前記第1の発明における「パラメータ設定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU40が、上記ステップ112において、図示トルクの平均値ITQaveを算出することにより前記第3の発明における「平均値算出手段」が実現されている。
更に、上述した実施の形態1においては、標準偏差σの最小値σminが、前記第6の発明における「バラツキ度合いの対応値」に相当していると共に、図3に示すマップが、前記第6の発明における「対応付け」に相当している。
本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。 点火時期と図示トルクとの関係(実線)、並びに点火時期と標準偏差との関係(破線)を示す図である。 横軸を図示トルクの低下量(ITQmax−ITQ)、縦軸を標準偏差の増加量(σ−σmin)として、図2に示す関係を整理した図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1において遅角制御の実行中に設定される点火時期SAの内容を説明するための図である。
符号の説明
10 内燃機関
34 触媒
40 ECU(Electronic Control Unit)
SA 点火時期
SAbse 基準点火時期
SArtd 基本遅角量
ΔSArtd 遅角補正量
ITQ 図示トルク
ITQmax 図示トルクの最大値
σ 図示トルクの標準偏差
σmin 標準偏差の最小値
σthr 判定値

Claims (7)

  1. 内燃機関の燃焼圧を実測する燃焼圧実測手段と、
    前記燃焼圧の実測値を、内燃機関の運転サイクルと同期した所定クランク角範囲に渡って積分することにより、燃焼圧積分値を算出する燃焼圧積分値算出手段と、
    所定の機関制御パラメータの変化に伴って、前記燃焼圧積分値と、前記燃焼圧積分値のバラツキ度合いとの間に成立する相関関係を記憶する相関関係記憶手段と、
    前記燃焼圧積分値の算出値を前記相関関係に当てはめることにより、燃焼圧積分値のバラツキ度合いを推定するバラツキ推定手段と、
    前記バラツキ度合いの推定値が判定値以下となるように、前記機関制御パラメータを設定するパラメータ設定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記所定クランク角範囲は720°CAの範囲であり、前記燃焼圧積分値は内燃機関の図示トルクであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記燃焼圧積分値算出手段は、複数サイクルに渡る燃焼圧積分値の平均値を算出する平均値算出手段を備え、
    前記バラツキ推定手段は、前記平均値に基づいて前記バラツキ度合いを推定することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記バラツキ度合いは、前記燃焼圧積分値の標準偏差であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記機関制御パラメータは点火時期であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記相関関係は、
    前記燃焼圧積分値の最大値と、
    前記燃焼圧積分値が前記最大値となる際に生ずる前記バラツキ度合いの対応値と、
    前記燃焼圧積分値の最大値からの変化量と前記バラツキ度合いの対応値からの変化量との対応付けとを含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記相関関係は、
    前記燃焼圧積分値と前記機関制御パラメータとの関係、および
    前記バラツキ度合いと前記機関制御パラメータとの関係を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
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