JP2007190901A - インク滴吐出装置 - Google Patents

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恭裕 関口
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明 入口
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】吐出するインク滴の小滴化を、吐出速度、ひいては着弾精度を低下させることができ、しかも全体のパルス幅を短くして駆動周波数を高め、記録速度の高速化を可能にする。
【解決手段】吐出するインク滴を小型化する場合に、アクチュエータに印加する駆動パルス信号として、インク滴を吐出するメインパルスPmの前に、インク滴を吐出させるには至らないプレパルスPpを、前記メインパルスPmの後に安定化パルスPsをそれぞれ出力し、プレパルスPpのパルス幅Tp、メインパルスPmのパルス幅Tm、安定化パルスPsのパルス幅Ts、Ppの終端とPmの始端との間隔Wp、及びPmの終端とPsの始端との間隔Wmがそれぞれ、前記圧力室が含まれるインク流路内を圧力波が片道伝播する時間ALに対して、0.1AL≦Tp<0.44AL、0.1AL≦Wp≦0.5AL、0.5AL≦Tm≦0.8AL、0.4AL≦Wm≦0.8AL、0.1AL≦Ts≦0.5AL、の関係を満たしている。
【選択図】図9

Description

本発明は、インクジェット方式によるインク滴吐出装置に関するものである。
インク滴吐出装置であるインクジェットプリンタにはインクジェットヘッドが備えられており、圧電式のアクチュエータを有するインクジェットヘッドでは、駆動パルス信号の印加によるアクチュエータの変位で、インクに吐出圧力が与えられてノズルからインク滴が吐出される構成が知られている。
前記インクジェットヘッドの構成によれば、ノズルから吐出されるインク滴は、アクチュエータに印加される駆動パルス信号のパルス幅を、インク流路での圧力波の片道伝播時間(インク流路内のインクに発生した圧力波がそのインク流路内の長手方向を片道伝播する時間)ALと一致させたときに、最も高いエネルギー効率で吐出され、その吐出量も最大となる。
ところで、一般的に、インクジェットプリンタでは、階調表現のために、複数種類の大きさ(記録面積)のインクドットを混在させて被記録媒体に記録を行っており、1ドット当たりの吐出量を変える必要がある。例えば、1つのドットを形成するために複数のパルスを連続して印加するように駆動パルス信号を設定して、1つのドットを複数のインク滴で形成したり、あるいは、吐出しはじめたインク滴の一部を引き戻してドットを小型化したりすることがおこなわれる。また、インク滴を吐出した後にインクに残る振動が次の吐出に影響するのを抑制するために、インクを吐出するメインパルスの後に、安定化パルス(キャンセルパルス)が印加されることもある。
1ドット当たりの吐出量を多くする場合には、例えば、本出願人が特許文献1で開示しているように、第1のインク滴がノズルから離れる前に第2のインク滴を吐出させて合体させる方法がある。具体的には、メイン(第2)の駆動パルスのパルス幅を圧力波の伝播時間T(前記ALに相当)と一致させ、それより前にパルス幅が0.35T〜0.65Tの第1の駆動パルスを印加している。さらに、メイン(第2)の駆動パルスの後に、第3の駆動パルスとしてインク滴を吐出しない短いパルス幅のパルスを印加している。これにより、第1の駆動パルスによるインク滴がエネルギー効率の悪い状態で吐出し、このインク滴がノズルから離れる前に、第2の駆動パルスによるインク滴がエネルギー効率よく吐出されて合体する。そして、第3の駆動パルスが、残留する圧力波成分を抑制するようにしている。
一方、1ドット当たりの吐出量を少なくする場合には、メイン(第1)の駆動パルスのパルス幅を前記伝播時間ALからずらせて吐出のエネルギー効率をあえて低下させることで小滴化する方法、あるいは特許文献2に開示しているように、吐出しはじめたインク滴の一部を引き戻すタイミングで第2の駆動パルスを印加してインク滴を小さくする方法がある。
また、特許文献3では、インク滴を小型化するために、1駆動周期内に噴射パルス、液滴小型化パルス、安定化パルスをその順序で印加して、10kHzの駆動周波数で駆動することが記載されている。
特許第3551822号公報(図1及び図6参照) 特開平11−170515号公報(図1及び図6参照) 特開平11−227203号公報(図2、段落0027、0028参照)
しかしながら、前述した1ドット当たりの吐出量を減らす場合、インク滴の吐出を、パルス幅をALよりも短くしたエネルギー効率の悪い駆動パルスで行なうと、効率よくインク滴を吐出させる場合に比べて、吐出量が少ないだけでなく、吐出速度も遅くなる。また、第2の駆動パルスでインク滴の一部を引き戻す方法でも、吐出速度が遅くなる。インク滴を一層小さくするために両者の方法を組み合わせると、吐出速度がさらに遅くなり、その結果、被記録媒体に対する着弾位置のずれが生じ、着弾精度が低下するという問題があった。
また、近年のインクジェットプリンタでは、記録速度の高速化が求められており、そのために、駆動周波数を高める、すなわち1ドットを形成するための駆動周期を短くすることが要望されている。特許文献3に記載のように駆動周期のはじめに噴射パルスを印加するものでは、1発のパルスで大きな噴射エネルギーを発生させなければならないから、インクに生じた圧力波に同期するパルス幅によって、その圧力波に重畳して大きな圧力を発生させる必要があり、また、その大きな圧力を抑えるための安定化パルスを、十分なパルス幅を持ってかつ噴射パルスから十分な間隔をもって印加する必要があり、複数のパルスからなる駆動パルス信号全体のパルス幅が長くなる。その結果、駆動周期が長くなり、記録速度をあげることができない。
従って、駆動周期を短くするには、複数のパルスの個々のパルスの幅にかかわる、圧電アクチュエータの変位によってインクに生じた圧力波がインク流路を片道伝播する時間ALを短くする必要があるが、そのためには、圧力室を含むインク流路を短くすることが考えられる。そうすると、アクチュエータからの変位を受ける圧力室の長さも短くなり、その結果、同じ吐出圧力を与えるためには、圧電アクチュエータに印加する駆動電圧を上昇させなければならず、これには限界がある。
本発明は、上記問題を解消するものであり、吐出するインク滴の小滴化を、吐出速度、ひいては着弾精度を低下させることなく実現でき、しかも全体のパルス幅を短くして駆動周波数を高め、記録速度の高速化を可能にするインク滴吐出装置の提供を目的とするものである。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明におけるインク滴吐出装置は、インクが充填された圧力室の容積を変化させるアクチュエータに、駆動パルス信号を印加することにより、インク滴を被記録媒体に吐出させるインク滴吐出装置において、1つのドットを形成するための駆動パルス信号は、インクを吐出するメインパルスと、メインパルスの前に出力するプレパルスと、メインパルスの後に出力する安定化パルスとを有し、メインパルスを、前記圧力室の容積変化にともない前記圧力室が含まれるインク流路内のインクに発生した圧力波がそのインク流路内の長手方向を片道伝播する時間ALに対してずれたパルス幅に設定して出力し、プレパルスをインク滴を吐出させるには至らないように出力し、安定化パルスを、前記メインパルスによって吐出しはじめたインク滴の一部を引き戻すように出力することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明におけるインク滴吐出装置は、請求項1に記載のインク滴吐出装置において、前記プレパルスは、圧力室の容積を拡大しその後縮小することでその圧力室内のインクに振動を与えるパルスであり、前記メインパルスは、前記プレパルスから間隔をおいて前記圧力室の容積を拡大しその後縮小することでその圧力室内のインクを吐出するパルスであり、前記安定化パルスは、メインパルスから間隔を置き、そのメインパルスによって吐出しはじめたインクが前記ノズルから離れる前のタイミングで前記圧力室の容積を拡大しその後縮小することでそのインクの一部を前記ノズル側に引き戻しかつ前記圧力室内のインクの残留振動を抑えるパルスであることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明におけるインク滴吐出装置は、請求項1または2に記載のインク滴吐出装置において、前記メインパルスは、前記アクチュエータの駆動に設定された2つの電圧値のうちの、前記アクチュエータに印加する電圧が一方の電圧値から他方の電圧値に到達するのに十分なパルス幅が設定されたパルスであり、前記安定化パルスは、前記電圧が一方の電圧値から他方の電圧値に到達しないようにパルス幅が短く設定されたパルスであることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明におけるインク滴吐出装置は、請求項3に記載のインク滴吐出装置において、前記安定化パルスのパルス幅および前記メインパルスと安定化パルスとの間のパルス間隔は、前記片道伝播時間ALに対して、それぞれ1AL未満であることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明におけるインク滴吐出装置は、請求項1から4のいずれかに記載のインク滴吐出装置において、前記プレパルスとメインパルスと安定化パルスのパルス幅およびそれらの間のパルス間隔は、前記片道伝播時間ALに対して、それぞれ1AL未満であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明におけるインク滴吐出装置は、請求項1に記載のインク滴吐出装置において、前記プレパルスのパルス幅Tp、前記メインパルスのパルス幅Tm、前記安定化パルスのパルス幅Ts、前記プレパルスの終端と前記メインパルスの始端との間隔Wp、及び前記メインパルスの終端と前記安定化パルスの始端との間隔Wmがそれぞれ、前記片道伝播時間ALに対して、
0.1AL≦Tp<0.44AL、0.1AL≦Wp≦0.5AL、
0.5AL≦Tm≦0.8AL、 0.4AL≦Wm≦0.8AL、
0.1AL≦Ts≦0.5AL、
の関係を満たしていることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明におけるインク滴吐出装置は、請求項1に記載のインク滴吐出装置において、前記プレパルスのパルス幅Tp、前記メインパルスのパルス幅Tm、前記安定化パルスのパルス幅Ts、前記プレパルスの終端と前記メインパルスの始端との間隔Wp、及び前記メインパルスの終端と前記安定化パルスの始端との間隔Wmがそれぞれ、前記片道伝播時間ALに対して、
0.20AL≦Tp≦0.33AL、0.11AL≦Wp≦0.44AL、
0.56AL≦Tm≦0.78AL、0.56AL≦Wm≦0.78AL、
0.11AL≦Ts≦0.44AL、
の関係を満たしていることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明におけるインク滴吐出装置は、請求項2に記載のインク滴吐出装置において、前記プレパルスのパルス幅Tp、前記メインパルスのパルス幅Tm、前記安定化パルスのパルス幅Ts、前記プレパルスの終端と前記メインパルスの始端との間隔Wp、及び前記メインパルスの終端と前記安定化パルスの始端との間隔Wmがそれぞれ、前記片道伝播時間ALに対して、
0.25AL<Tp<0.50AL、0.08AL≦Wp<0.25AL、
0.50AL<Tm<0.80AL、0.50AL<Wm<0.80AL、
0.18AL<Ts<0.50AL、
の関係を満たしていることを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明におけるインク滴吐出装置は、請求項1または2に記載のインク滴吐出装置において、前記プレパルスのパルス幅Tp、前記メインパルスのパルス幅Tm、前記安定化パルスのパルス幅Ts、前記プレパルスの終端と前記メインパルスの始端との間隔Wp、及び前記メインパルスの終端と前記安定化パルスの始端との間隔Wmがそれぞれ、前記片道伝播時間ALに対して、
0.375AL≦Tp≦0.425AL、 Wp=0.125AL、
Tm=0.625AL、0.625AL≦Wm≦0.675AL、
0.175AL≦Ts≦0.375A、
の関係を満たしていることを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明におけるインク滴吐出装置は、請求項1から9のいずれかに記載のインク滴吐出装置において、前記アクチュエータは、電圧の印加により前記圧力室に対して変位する圧電素子であることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、メインパルスPmのパルス幅Tmを、片道伝播時間ALに対してずらせて吐出効率をあえて悪くしているから、メインパルスで吐出されるインク滴の吐出量が少なくなる。さらにメインパルスPmによって吐出しはじめたインク滴の一部を、安定化パルスPsにより引き戻すことで、被記録媒体に形成されるインクドットを小型化することができる。加えて、インク滴を吐出させるには至らないプレパルスPpを初めに印加し、あらかじめインクに振動を与えた状態でメインパルスPmを印加するようにしているから、メインパルスPmが印加される時点では、インク滴を吐出し易い状態になっている。そのため、メインパルスPmによる吐出のエネルギー効率が悪くても、速やかにインク滴を吐出することができ、吐出速度が低下することが少ない。その結果、インク滴を小型化しても、吐出速度ひいては着弾精度が低下することを防止できる。また、最後に安定化パルスPsを付加することで、上記のようにインク滴を小型化できるだけでなく、残留圧力波を抑制して、後続の駆動パルス信号への影響をなくしている。
請求項2に記載の発明によれば、各パルスが圧力室の容積を拡大しその後縮小する動作をするものであって、まずプレパルスによって圧力室内のインクに振動を与え、その後メインパルスによってインクを吐出するから、インクの圧力波の周期に対して比較的短いメインパルスであっても、インクを吐出することができる。さらにその後短い間隔で安定化パルスを印加しても、吐出しはじめたインクの一部を良好に引き戻し、かつ圧力室内のインクの残留振動を抑えることができる。つまり、複数のパルスからなる駆動パルス信号の全体としてのパルス幅を短くして駆動周波数を高め、記録速度の高速化を可能とすることができる。しかも、吐出しはじめたインクの一部を良好に引き戻して小型のインク滴の体積を正確に得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、安定化パルスはパルス幅が短く、アクチュエータに印加される電圧が一方の電圧値から他方の電圧値に到達しないように設定されている。つまり、アクチュエータの発熱や疲労が抑えられ、しかも、複数の駆動パルス信号からなる全体としてのパルス幅を短くでき、駆動周波数を高め、記録速度の高速化を図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、安定化パルスのパルス幅およびメインパルスと安定化パルスとの間のパルス間隔を、圧力波がインク流路内の長手方向を片道伝播する時間ALつまり圧力波の変動周期の1/2未満とすることで、請求項3の発明による効果を容易に実現することができる。
請求項5に記載の発明によれば、プレパルスとメインパルスと安定化パルスのパルス幅およびそれらの間のパルス間隔を、圧力波がインク流路内の長手方向を片道伝播する時間ALつまり圧力波の変動周期の1/2未満とすることで、請求項1から4の発明による効果を容易に実現することができる。
請求項6、請求項7に記載の発明によれば、Tp、Tm、Ts、Wp、Wmが前記関係を満たすように組み合わせられることにより、インク滴の小型化とともに、吐出速度及び着弾精度の低下を防止するという、請求項1の発明による効果を確実に実現することができる。
請求項8、請求項9に記載の発明によれば、Tp、Tm、Ts、Wp、Wmが前記関係を満たすように組み合わせられることにより、インク滴の小型化とともに、記録速度を高速化するという、請求項2の発明による効果を確実に実現することができる。
請求項10に記載の発明によれば、上記各請求項の構成において、電圧の印加により圧力室に対して変位する圧電素子をアクチュエータとして使用することで、好適に実施することができる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明のインク滴吐出装置に適用されるインクジェットヘッドの斜視図、図2はインクジェットヘッドの分解斜視図、図3はキャビティユニットの拡大分解斜視図、図4は図1のIV−IV線矢視拡大断面図、図5は図1のV−V線矢視拡大断面図、図6は制御装置のブロック図、図7は駆動パルスにおけるパルス幅と電圧との関係を示す模式図、図8は駆動パルス信号を示す模式図、図9は駆動パルス信号を最適化する実験結果を示す図、図10は駆動パルス信号を最適化する別の実験結果を示す図である。
本発明の実施形態のインク滴吐出装置は、インクジェットプリンタであり、このインクジェットプリンタに備えられるインクジェットヘッド100は、被記録媒体の搬送方向(副走査方向、以下X方向という)と直交する方向(主走査方向、以下Y方向という)に往復移動するキャリッジ(図示せず)に搭載されるものである。このインクジェットヘッド100には、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のカラーインクがそれぞれ充填されたインクカートリッジが、キャリッジ上に着脱可能に搭載されるか、あるいは、インクジェットプリンタの本体に静置され供給パイプ等を介するかして、各色のインクが供給されるように構成されている。
インクジェットヘッド100は、図1に示すように、金属板製の複数枚のプレートからなるキャビティユニット1にプレート型の圧電アクチュエータ2が接合され、このプレート型の圧電アクチュエータ2の上面(背面)に外部機器との接続のためのフレキシブルフラットケーブル3(図4参照)が重ね接合されている。そして、キャビティユニット1の下面(前面)側に開口されたノズル4から、下向きにインクが吐出するものとする。
前記キャビティユニット1は、図2に示すように、ノズルプレート11、スペーサプレート12、ダンパープレート13、2枚のマニホールドプレート14a、14b、サプライプレート15、ベースプレート16、及びキャビティプレート17の合計8枚の薄い板をそれぞれ接着剤にて重ね接合した構造となっている。
実施形態では、各プレート11〜17は50〜150μm程度の厚さを有し、ノズルプレート11はポリイミド等の合成樹脂製で、その他のプレート12〜17は42%ニッケル合金鋼板製である。前記ノズルプレート11には、微小径(25μm程度)のインク吐出用のノズル4が微小間隔で多数個穿設されている。このノズル4は、当該ノズルプレート11における長辺方向(X方向)と平行な5列に配列されている。
また、前記キャビティプレート17には、図3に示すように、複数の圧力室36がキャビティプレート17の長辺(前記X方向)と平行な5列に配列されている。実施形態では、前記各圧力室36は、平面視細長形状に形成され、その長手方向がキャビティプレート17の短辺方向(Y方向)に沿うようにして穿設され、長手方向の一端部36aがノズル4と連通し、他端部36bが後述する共通インク室7と連通する。
各圧力室36における一端部36aは、サプライプレート15、ベースプレート16と2枚のマニホールドプレート14a、14b、ダンパープレート13、及びスペーサプレート12に穿設されている微小径の連通孔37を介して、ノズルプレート11における前記各ノズル4に連通している。
キャビティプレート17の下面に隣接するベースプレート16には、各圧力室36の他端部36bに接続する貫通孔38が穿設されている。
ベースプレート16の下面に隣接するサプライプレート15には、後述する共通インク室7から前記各圧力室36へインクを供給するための接続流路40が設けられる。そして各接続流路40には、共通インク室7からインクが入る入口孔と、圧力室36側(貫通孔38)に開口する出口孔と、入口孔と出口孔との間にあって、接続流路40中で最も大きな流路抵抗となるように断面積を小さくして形成された絞り部とが備えられている。
2枚のマニホールドプレート14a,14bには、その長辺方向(X方向)に沿って長い5つの共通インク室7が前記ノズル4の各列に沿って延びるように板厚を貫通して形成されている。すなわち、図2及び図4に示すように、2枚のマニホールドプレート14a、14bを積層し、かつその上面をサプライプレート15にて覆い、下面をダンパープレート13にて覆うことにより、合計5つの共通インク室(マニホールド室)7が密閉状に形成される。各共通インク室7は、各プレートの積層方向から平面視したときに、前記圧力室36の一部と重なって圧力室36の列方向(ノズル4の列方向)に沿って長く延びている。
図3及び図4に示すように、マニホールドプレート14aの下面に隣接するダンパープレート13の下面側には、共通インク室7と隔絶されたダンパ室45が凹み形成されている。この各ダンパ室45の位置および形状は、図2に示すように、前記各共通インク室7と一致させている。このダンパプレート13は、適宜弾性変形し得る金属素材であるため、ダンパ室45上部の薄い板状の天井部は、共通インク室7側にも、ダンパ室45側にも自由に振動することができる。インク吐出時に、圧力室36で発生した圧力変動が共通インク室7に伝播しても、前記天井部が弾性変形して振動することにより、前記圧力変動を吸収減衰させるというダンパ効果を奏する。これは、圧力変動が他の圧力室36へ伝播する所謂クロストークの低減を図ったものである。
また、図2に示すように、キャビティプレート17、ベースプレート16、及びサプライプレート15の一方の短辺側の端部には、上下の位置を対応させて、それぞれ4つのインク供給口47が穿設されている。インク供給源からのインクが、これらインク供給口47から共通インク室7の一端部に連通するようになっている。4つのインク供給口47を、図2の左側から順に個別に47a、47b、47c、47dと付す。
インク供給口47からノズル4に至るインク流通路では、インクは、インク供給口47からインク供給チャンネルとしての共通インク室7に供給された後、図3に示すように、サプライプレート15の接続流路40及びベースプレート16の貫通孔38を経由して各圧力室36に分配供給される。そして、後述するように、圧電アクチュエータ2の駆動により、インクは各圧力室36内から前記連通孔37を通って、その圧力室36に対応するノズル4に至るという構成になっている。そして、後述する圧電アクチュエータ2の駆動により、圧力室36に吐出圧力が加えられると、圧力波が圧力室36内から、連通孔37を通ってノズル4に伝達し、インクを吐出する。
この実施形態では、図2に示すように、インク供給口47が4つ設けられているのに対して、共通インク室7が5つ設けられており、インク供給口47aだけが、2つの共通インク室7,7に接続されている。インク供給口47aには、ブラックインクが供給されるように設定されており、ブラックインクがその他のカラーインクに比べて使用頻度が高いことを考慮したものである。他のインク供給口47b、47c、47dには、イエロー、マゼンタ、シアンの各インクがそれぞれ単独に供給される。インク供給口47a,47b,47c,47dには、それぞれの開口に対応する濾過部20aを有するフィルタ体20が接着剤等で貼着されている(図1参照)。
一方、前記圧電アクチュエータ2は、図5に示すように1枚の厚さが30μm程度の複数枚の圧電シート41〜43を積層した構造で、特開平4−341853号公報や特開2002−254634号公報等に開示された公知のものと同様に、各圧電シートのうち下から所定数の偶数段目の圧電シート42の上面(広幅面)には、前記キャビティユニット1における各圧力室36に対応した箇所ごとに細幅の個別電極44が長辺方向(X方向)に沿って列状に形成されている。下から所定数の奇数段目の圧電シート41の上面(広幅面)には、複数個の圧力室36に対して共通のコモン電極46が形成されており、最上段のシートの上面には表面電極48として、積層方向に対応する前記個別電極の各々に対して電気的なスルーホール等を介して接続される表面電極と、前記コモン電極に対して電気的なスルーホール等を介して接続される表面電極とが設けられている。
公知のように個別電極44とコモン電極46との間に高電圧を印加することで、両電極
間に位置する圧電シートの部分が分極され、活性部49として形成される。
そして、このプレート型の圧電アクチュエータ2における下面(圧力室36と対向する広幅面)全体に、接着剤としてのインク非浸透性の合成樹脂からなる接着剤シート(図示せず)を予め貼着し、次いで、前記キャビティユニット1に対して、圧電アクチュエータ2が、その各個別電極44を前記キャビティユニット1における各圧力室36の各々に対向配置させて接着・固定される。また、この圧電アクチュエータ2における上側の表面には、前記フレキシブルフラットケーブル3が重ね押圧されることにより、このフレキシブルフラットケーブル3における各種の配線パターン(図示せず)が、前記各表面電極48に電気的に接合される。
次に、各電極に印加する駆動パルス信号を制御するための制御装置の構成を、図6に基づいて説明する。この制御装置は、フレキシブルフラットケーブル3上に配置されるLSIチップ50(図1参照)を含んで構成されている。これに、個別電極44及びコモン電極46のそれぞれに対応する表面電極が接続されている。また、LSIチップ50には、クロックライン51、データライン52、電圧ライン53及びアースライン54も接続されている。クロックライン51から供給されるクロックパルスに同期して、データライン52上に各ノズル4に対応するデータがシリアル供給され、本体回路(図示せず)から電圧ライン53によって供給される複数の駆動パルス信号のデータのうち1つが、前記データに基づいて選択され、活性部49を駆動するのに適した電圧値の駆動パルス信号が生成され、この活性部49に対応する圧力室36のインクに吐出圧力が加えられる。そして、圧力室36からノズル4に至る圧力波の前進成分により、ノズル4からインク滴が吐出する。
駆動パルス信号は、図7(a)に示すように、電圧値V1とV2との間で変化するパルスで構成されており、この実施形態では、V1は任意の正の電圧値、V2はゼロVに設定されている。インク吐出前は、全個別電極44に正の電圧V1が印加され、コモン電極46が接地されているから、個別電極44とコモン電極46との間の活性部49が伸長し、全圧力室36の容積が縮小された状態にある。インクを吐出しようとする圧力室36に対応する、積層方向の各個別電極44への電圧印加を停止する(V2に切り替える)と、活性部49が縮小状態に復帰して圧力室36の容積を拡大する。すると、圧力室36内のインクが負圧になり圧力波が発生する。この圧力波の圧力が反転して正圧になるタイミングで前記各個別電極44に再び電圧を印加すると、活性部49の伸長による圧力と、正圧に反転した圧力とが重畳され、インク滴がノズル4から吐出される。
パルスは、前述したように、あらかじめ設定した電圧V1とV2との間で変化するが、実際には、図7(b)に示すように、波形の立ち下がりや立ち上がりに遅延時間が発生する。これは、個別電極44とコモン電極46とで挟まれた圧電層がコンデンサ(C)として作用するとともに、駆動パルス信号を出力する制御装置から個別電極44までの経路には抵抗(R)があることから、制御装置が駆動パルス信号として矩形波を出力しても、前記CRによって積分回路が形成され、個別電極44におけるパルスの立ち上がりと立ち下がりとになまり(遅延)が生じるからである。そこでパルスPmはなまり分を含めた十分なパルス幅Tmに設定することで、アクチュエータに印加する電圧を電圧V1から電圧V2に到達させることができる。一方、パルスPsは短いパルス幅Tsに設定することで、電圧V1から電圧V2に到達しない、つまりアクチュエータに印加する電圧の変化を低電圧差にすることができる。
なお、上述とは逆に、特開2001−301161号公報に開示されているアクチュエータのように、駆動電極に電圧を印加することで、圧力室の容積を拡大して圧力波を発生し、圧力波が反転した時点で電圧の印加を停止することで、圧力室の容積を縮小してインク滴を吐出するようにしてもよい。
このインク滴吐出装置では、被記録媒体に形成されるドットの径(面積)を変化させる階調表現を行うために、1ドット当たりのインク体積が異なる複数の駆動パルス信号のデータ信号をあらかじめ設定している。ドット径を制御する場合には、公知のようにインク滴を吐出するパルス数を増減するが、図8は、通常の1つのパルスで吐出されるインク滴の体積よりもさらに小さい体積のインク滴(小玉、小滴のドット)を1個吐出するための駆動パルス信号を示す。
図8に示す駆動パルス信号は、3つの駆動パルスPp、Pm、Psで構成している。各パルスは、図7で説明したとおり、それぞれ圧力室の容積を拡大し、その後縮小するようにアクチュエータを駆動する。
インクの圧力波が、負圧から正圧になるまでの時間は、圧力室36、連通孔37及び貫通孔38を含む各ノズル毎のインク流路を圧力波が片道伝播する時間ALで決まる。この片道伝播時間ALは、インクの固有振動数及びインク流路の長さだけでなく、流路抵抗、流路を構成する各プレートの剛性などにも影響される。
つまり、駆動パルスの立ち上がりから立ち下がりまでの時間、すなわちパルス幅を、上記圧力波の片道伝播時間ALに一致させると、最も大きな圧力が重畳されてエネルギー効率が最高となり、インク滴の吐出速度、吐出量(液滴体積)がピークになる。そこで、本実施形態では、標準よりも小さいインク滴の吐出を目的とするものであるから、あえてエネルギー効率を落としてインク滴を吐出するようにして、メインパルスPmのパルス幅Tmを、前記ALよりも短く(Tm<AL)設定している。
また、このメインパルスPmは、エネルギー効率が悪いために吐出速度も遅いので、これだけでは着弾位置にずれを生じる。そのため、メインパルスPmの前に、パルス幅Tpがインク滴を吐出するには至らない程度の短い幅に設定されたプレパルスPpを印加するようにしている。プレパルスPpは、インクに振動が少ないほぼ平静状態ではインクを吐出させることがないパルス幅を有し、次のメインパルスPmに先立ってインクに振動を与える、すなわち圧力波を生じさせるためのものである。つまり、インク滴を吐出しない程度にインクに振動を与えるから、メインパルスPmが印加されたときには、インクは予め振動状態にあって飛び出し易くなっており、メインパルスPmは、プレパルスPpの圧力波に重畳してさらに大きな圧力波を生じさせて、速度低下を生じずにノズル4からインク滴を吐出することができる。
また、メインパルスPmの後には、安定化パルスPsを印加している。安定化パルスPsは、メインパルスPmによってノズルから吐出しはじめたインク滴がノズルから分離される前のタイミングで印加され、インク滴の吐出には至らない程度の短い幅に設定されているから、圧力室36の容積を拡大することで、メインパルスPmで吐出するインク滴のテール(末端)をノズル4側に引き戻し、被記録媒体へ飛翔するインク滴を小型化する。また、安定化パルスPsは圧力室36内のインクの圧力波をほぼ相殺する位相で印加され、インクの残留振動を抑えることもできる。
次に、駆動パルス信号の各パルス幅値を最適化する検討を行なった。前記駆動パルスPp、Pm、Psに対して、プレパルスPpの終端とメインパルスPmの始端との間隔をWp、及びメインパルスPmの終端と安定化パルスPsの始端との間隔をWmとする。前記Tp、Tm、Ts、Wp、Wmの組み合わせとして、図9に示す16通り(No.1〜No.16)について、実験を行った。なお、図9にて、「パルス幅及び間隔」の欄に記載した数値は、片道伝播時間ALに乗じるべき値であり、片道伝播時間ALは、インクジェットヘッド100毎に決定される。なお、この実験では、ALが約5μsecのインクジェットヘッド100を使用した。
図9に示す実験は、小さいインク滴(小玉)の吐出において吐出速度を低下させないことを目的として行った実験であるため、評価項目を、「安定性」「速度」「容量」の3つに設定した。「安定性」は、被記録媒体における記録状態に、しぶき、よれ、ぬけ等の不良箇所があるか否かを判断したものである。「速度」は、着弾精度が得られる基準速度よりも速いか否かを判断したものである。「容量」は、基準容量よりも少ない容量、すなわち小玉に相応しい容量であるか否かを判断したものである。いずれも、結果が良好な場合を○、不良の場合を×で示している。
図9に示す実験結果からわかるように、前記3つの評価項目の全てについて○となるのは、実験No.1〜No.5の5通りの組み合わせのみであった。
No.1
Tp=0.33AL
Wp=0.11AL
Tm=0.56AL
Wm=0.56AL
Ts=0.33AL
N0.2
Tp=0.22AL
Wp=0.11AL
Tm=0.56AL
Wm=0.67AL
Ts=0.44AL
N0.3
Tp=0.22AL
Wp=0.11AL
Tm=0.56AL
Wm=0.78AL
Ts=0.33AL
N0.4
Tp=0.20AL
Wp=0.30AL
Tm=0.60AL
Wm=0.60AL
Ts=0.20AL
N0.5
Tp=0.22AL
Wp=0.44AL
Tm=0.78AL
Wm=0.67AL
Ts=0.11AL
この実験結果から、小玉に最適な駆動パルス信号は、
0.20AL≦Tp≦0.33AL、
0.11AL≦Wp≦0.44AL、
0.56AL≦Tm≦0.78AL、
0.56AL≦Wm≦0.78AL、
0.11AL≦Ts≦0.44AL、
の範囲にあった。
さらに、No.16では、Wp,Tm,Wm,Tsは、上記範囲内にあるにもかかわらず、Tp=0.44ALで好ましい結果が得られなかった。一方、Tp=0.11ALである他の実験結果において、他の数値が上記範囲から大きくずれていることで、好ましい結果が得られなかった。このことに、さらに本発明者が実験上よく経験する許容誤差、マージン等を考慮すると、0.1AL≦Tp<0.44ALの範囲で、同等の結果が得られる。同様に他の数値でも、
0.1AL≦Tp<0.44AL、
0.1AL≦Wp≦0.5AL、
0.5AL≦Tm≦0.8AL、
0.4AL≦Wm≦0.8AL、
0.1AL≦Ts≦0.5AL、
の関係を満たすことが小玉の駆動パルス信号を形成するのに必要であることがわかった。
前記範囲を満たすように駆動パルス信号を構成することで、インク滴を小型化して吐出する場合であっても、吐出速度の低下を抑制できる。従って、小滴であっても、着弾精度(記録精度)を損なうことなく液滴制御が可能なインクジェットヘッドを実現することができる。
次に、本発明者は、Tp、Tm、Ts、Wp、Wmを最適化するための別の実験として、図10に示す組み合わせについても評価を行った。図10に示す実験は、小さいインク滴(小玉)の吐出において駆動周期を短くすることを目的として行った実験であるため、評価項目を、「安定性」「濃度」の2つに設定した。
「安定性」は、吐出状態におけるしぶきやインクミストの発生の有無を観察して、しぶきやインクミストが無く最も安定性の高い状態を「○」、それに比較して多少安定性は劣るが実用的には問題ないものを「△」、安定性が劣り実用的にはならないものを「×」とした。また、「濃度」は、被記録媒体上の所定面積にドットマトリックス状に吐出してその濃度を観察することで、インク滴の体積を評価した。つまりインク滴の適正な体積が連続して安定に吐出されれば、所定濃度の画像が形成される。適正な濃度の範囲にあるものを「○」、それに比較して多少濃度が薄いあるいは濃いが実用的には問題ないものを「△」、濃度が薄すぎるあるいは濃すぎる、つまりインク滴の体積が小さすぎるあるいは大きすぎるものを「×」とした。
この実験において、小玉の形成に最適な駆動パルス信号は、図10の欄外右に記載した番号(1)〜(6)のものであった。図10内の数値はパルス幅および間隔の実際の数値(μsec)である。この実験に用いたインクジェットヘッドは、圧力室36の容積拡大にともない、圧力室36が含まれるインク流路内のインクに発生した圧力波がそのインク流路内の長手方向を片道伝播する時間(つまりインクの圧力変動の周期の1/2)AL=4μsecである。以下にパルス幅および間隔の実際の数値(μsec)と、AL換算値を示す。
(1)Tp=1.5μsec Tp=0.375AL
Wp=0.5μsec Wp=0.125AL
Tm=2.5μsec Tm=0.625AL
Wm=2.5μsec Wm=0.625AL
Ts=1.5μsec Ts=0.375AL
(2)Tp=1.5μsec Tp=0.375AL
Wp=0.5μsec Wp=0.125AL
Tm=2.5μsec Tm=0.625AL
Wm=2.7μsec Wm=0.675AL
Ts=1.5μsec Ts=0.375AL
(3)Tp=1.5μsec Tp=0.375AL
Wp=0.5μsec Wp=0.125AL
Tm=2.5μsec Tm=0.625AL
Wm=2.5μsec Wm=0.625AL
Ts=0.7μsec Ts=0.175AL
(4)Tp=1.5μsec Tp=0.375AL
Wp=0.5μsec Wp=0.125AL
Tm=2.5μsec Tm=0.625AL
Wm=2.5μsec Wm=0.625AL
Ts=1.1μsec Ts=0.275AL
(5)Tp=1.5μsec Tp=0.375AL
Wp=0.5μsec Wp=0.125AL
Tm=2.5μsec Tm=0.625AL
Wm=2.5μsec Wm=0.625AL
Ts=1.3μsec Ts=0.325AL
(6)Tp=1.7μsec Tp=0.425AL
Wp=0.5μsec Wp=0.125AL
Tm=2.5μsec Tm=0.625AL
Wm=2.5μsec Wm=0.625AL
Ts=1.5μsec Ts=0.375AL
つまり、(1)から(6)は、
1.5μsec≦Tp≦1.7μsec 0.375AL≦Tp≦0.425AL
Wp=0.5μsec Wp=0.125AL
Tm=2.5μsec Tm=0.625AL
2.5μsec≦Wm≦2.7μsec 0.625AL≦Wm≦0.675AL
0.7μsec≦Ts≦1.5μsec 0.175AL≦Ts≦0.375AL
の範囲にある。
これらのAL換算値は、前記図9の実験により得た範囲と一致し、前記図9の実験により得た範囲が正しいものであることを確認できた。
メインパルスPmのパルス幅Tmは、図5のパルスPmと同様に、アクチュエータに印加する電圧を電圧V1から電圧V2に到達させることができる十分な時間を持っている。安定化パルスPsおよびプレパルスPpは、パルス幅Ts、Tpが短い範囲では、図5のパルスPsと同様に、電圧V1から電圧V2に到達しない、つまりアクチュエータに印加する電圧を低電圧にしている。なお、パルス幅Ts,Tpが2μsecに近い領域では、ほぼ電圧V2に到達しているが、実用上問題ない結果を得ることができている。
また、この図10の実験では、図9の実験でのTp<0.44ALを超えるTpが1.9μsec(0.475AL)においても良好な結果を得ることができた。これは、0.3μsec<Wp<0.9μsec(0.125AL<Wp<0.225AL)という図9の実験でのWpの範囲に対し低い範囲とTpとの組み合わせによるものと考えられる。
つまり、図10の実験の結果、マージン等も考慮して実用に適した範囲は以下のとおりであった。
1μsec<Tp<2μsec 0.25AL<Tp<0.50AL
0.3μsec≦Wp<1μsec 0.08AL≦Wp<0.25AL
2μsec<Tm<3.2μsec 0.50AL<Tm<0.80AL
2μsec<Wm<3.2μsec 0.50AL<Wm<0.80AL
0.7μsec≦Ts<2μsec 0.18AL<Ts<0.50AL
上記駆動パルス信号において、プレパルスPpとメインパルスPmとの組み合わせのみで吐出したときのインク滴の体積は、2pl(ピコリットル)であるが、その後に安定化パルスPsを追加した場合のインク滴の体積は、1.5plとなり、インク滴を小型化することができた。しかも、上記実験から明らかなように、各吐出の後のインクの残留振動を抑えて所定面積に連続して安定に吐出することができた。
本発明のインク滴吐出装置に適用されるインクジェットヘッドの斜視図である。 インクジェットヘッドの分解斜視図である。 キャビティユニットの拡大分解斜視図である。 図1のIV−IV線矢視拡大断面図である。 図1のV−V線矢視拡大断面図である。 制御装置のブロック図である。 (a)及び(b)は駆動パルスにおけるパルス幅と電圧との関係を示す模式図である。 駆動パルス信号を示す模式図である。 駆動パルス信号を最適化する実験結果を示す図である。 駆動パルス信号を最適化するの別の実験結果を示す図である。
符号の説明
1 キャビティユニット
2 圧電アクチュエータ
3 フレキシブルフラットケーブル
4 ノズル
7 共通インク室
36 圧力室
41〜43 圧電シート
44 個別電極
46 コモン電極
48 表面電極
50 LSIチップ
100 インクジェットプリンタ

Claims (10)

  1. インクが充填された圧力室の容積を変化させるアクチュエータに、駆動パルス信号を印加することにより、インク滴を被記録媒体に吐出させるインク滴吐出装置において、
    1つのドットを形成するための駆動パルス信号は、インクを吐出するメインパルスと、メインパルスの前に出力するプレパルスと、メインパルスの後に出力する安定化パルスとを有し、
    メインパルスを、前記圧力室の容積変化にともない前記圧力室が含まれるインク流路内のインクに発生した圧力波がそのインク流路内の長手方向を片道伝播する時間ALに対してずれたパルス幅に設定して出力し、プレパルスをインク滴を吐出させるには至らないように出力し、安定化パルスを、前記メインパルスによって吐出しはじめたインク滴の一部を引き戻すように出力することを特徴とするインク滴吐出装置。
  2. 前記プレパルスは、圧力室の容積を拡大しその後縮小することでその圧力室内のインクに振動を与えるパルスであり、
    前記メインパルスは、前記プレパルスから間隔をおいて前記圧力室の容積を拡大しその後縮小することでその圧力室内のインクを吐出するパルスであり、
    前記安定化パルスは、メインパルスから間隔を置き、そのメインパルスによって吐出しはじめたインクが前記ノズルから離れる前のタイミングで前記圧力室の容積を拡大しその後縮小することでそのインクの一部を前記ノズル側に引き戻しかつ前記圧力室内のインクの残留振動を抑えるパルスであることを特徴とする請求項1に記載のインク滴吐出装置。
  3. 前記メインパルスは、前記アクチュエータの駆動に設定された2つの電圧値のうちの、前記アクチュエータに印加する電圧が一方の電圧値から他方の電圧値に到達するのに十分なパルス幅が設定されたパルスであり、前記安定化パルスは、前記電圧が一方の電圧値から他方の電圧値に到達しないようにパルス幅が短く設定されたパルスであることを特徴とする請求項1または2に記載のインク滴吐出装置。
  4. 前記安定化パルスのパルス幅および前記メインパルスと安定化パルスとの間のパルス間隔は、前記片道伝播時間ALに対して、それぞれ1AL未満であることを特徴とする請求項3に記載のインク滴吐出装置。
  5. 前記プレパルスとメインパルスと安定化パルスのパルス幅およびそれらの間のパルス間隔は、前記片道伝播時間ALに対して、それぞれ1AL未満であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインク滴吐出装置。
  6. 前記プレパルスのパルス幅Tp、前記メインパルスのパルス幅Tm、前記安定化パルスのパルス幅Ts、前記プレパルスの終端と前記メインパルスの始端との間隔Wp、及び前記メインパルスの終端と前記安定化パルスの始端との間隔Wmがそれぞれ、前記片道伝播時間ALに対して、
    0.1AL≦Tp<0.44AL、0.1AL≦Wp≦0.5AL、
    0.5AL≦Tm≦0.8AL、 0.4AL≦Wm≦0.8AL、
    0.1AL≦Ts≦0.5AL、
    の関係を満たしていることを特徴とする請求項1に記載のインク滴吐出装置。
  7. 前記プレパルスのパルス幅Tp、前記メインパルスのパルス幅Tm、前記安定化パルスのパルス幅Ts、前記プレパルスの終端と前記メインパルスの始端との間隔Wp、及び前記メインパルスの終端と前記安定化パルスの始端との間隔Wmがそれぞれ、前記片道伝播時間ALに対して、
    0.20AL≦Tp≦0.33AL、0.11AL≦Wp≦0.44AL、
    0.56AL≦Tm≦0.78AL、0.56AL≦Wm≦0.78AL、
    0.11AL≦Ts≦0.44AL、
    の関係を満たしていることを特徴とする請求項1に記載のインク滴吐出装置。
  8. 前記プレパルスのパルス幅Tp、前記メインパルスのパルス幅Tm、前記安定化パルスのパルス幅Ts、前記プレパルスの終端と前記メインパルスの始端との間隔Wp、及び前記メインパルスの終端と前記安定化パルスの始端との間隔Wmがそれぞれ、前記片道伝播時間ALに対して、
    0.25AL<Tp<0.50AL、0.08AL≦Wp<0.25AL、
    0.50AL<Tm<0.80AL、0.50AL<Wm<0.80AL、
    0.18AL<Ts<0.50AL、
    の関係を満たしていることを特徴とする請求項2に記載のインク滴吐出装置。
  9. 前記プレパルスのパルス幅Tp、前記メインパルスのパルス幅Tm、前記安定化パルスのパルス幅Ts、前記プレパルスの終端と前記メインパルスの始端との間隔Wp、及び前記メインパルスの終端と前記安定化パルスの始端との間隔Wmがそれぞれ、前記片道伝播時間ALに対して、
    0.375AL≦Tp≦0.425AL、 Wp=0.125AL、
    Tm=0.625AL、0.625AL≦Wm≦0.675AL、
    0.175AL≦Ts≦0.375AL、
    の関係を満たしていることを特徴とする請求項1または2に記載のインク滴吐出装置。
  10. 前記アクチュエータは、電圧の印加により前記圧力室に対して変位する圧電素子であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のインク滴吐出装置。
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