JP2007185581A - 酸化剤の精製方法及びその精製装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した高品質の酸化剤を高い生産性で得ることのできる酸化剤の精製方法及びその精製装置を提供する。
【解決手段】酸化剤の精製方法が、不純物を含む酸化剤溶液を無機吸着材と接触させて前記不純物を除去することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸化剤の精製方法及びその精製装置に係り、特に酸化剤溶液を無機吸着材と接触させて不純物を除去するようにした酸化剤の精製方法及びその精製装置に関する。
半導体の製造プロセスにおいて、シリコン基板等の洗浄水に例えば過酸化水素水のような酸化剤を添加して洗浄性を改善することが行われている。近年、半導体素子(LSI)の集積度の向上にともない、これらの酸化剤には、金属イオンや有機化合物のような不純物質の極めて少ない高純度のものが要求されている。特に、イオン性の不純物は、得られる半導体の信頼性を著しく低下させるため、イオン性不純物を含む使用済みの酸化剤水溶液を循環再使用する場合には、これらの不純物をイオン交換樹脂等により除去して精製することが行われている。
過酸化水素水の精製方法としては、過酸化水素水にイオン交換樹脂を接触させて、金属イオン不純物を吸着除去する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2002−80207号公報
しかしながら、イオン交換樹脂は有機質であるため、過酸化水素によって酸化劣化し分解生成物が酸化剤を含む超純水中に混入してしまうという問題がある。また、イオン交換樹脂の交換も頻繁に行わなければならないため、処理コストが高くなる上に連続的に安定した高品質の酸化剤を得ることが難しいという問題もある。
本発明は、かかる従来の問題を解消すべくなされたもので、安定した高品質の酸化剤を容易に再生することのできる酸化剤の精製方法及びその精製装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る酸化剤の精製方法は、不純物を含む酸化剤溶液を無機吸着材と接触させて前記不純物を除去することを特徴とする。
本発明が適用される酸化剤は、全て溶液状態であり、通常は水溶液で用いられる。
このような酸化剤としては、過酸化水素(H22),過酸化ナトリウム(Na22),過酸化バリウム(BaO2),無水安息香酸((C65CO)2O)のような過酸化物;酸素(O),オゾン(O)のような酸素類;四酸化二窒素(N),三酸化二窒素(N),一酸化二窒素(NO)のような無機窒素化合物;ペルオキソ二硫酸ナトリウム(Na228),ペルオキソ二硫酸カリウム(K228),ペルオキソ一硫酸ナトリウム(Na2SO5),ペルオキシ酢酸(CHCOOOH),ペルオキソ二硫酸アンモニウム((NH228)のようなペルオキソ酸及びペルオキソ酸塩;F,Cl,Br,I,塩化鉄(FeCl3)のようなハロゲン及びその化合物;過マンガン酸(HMnO4),過マンガン酸ナトリウム(NaMnO4),過マンガン酸カリウム(KMnO4)のような過マンガン酸及び過マンガン酸塩;無水クロム酸(CrO3),二塩化二酸化クロム(CrO2Cl2),クロム酸ナトリウム(Na2CrO4),重クロム酸ナトリウム(Na2Cr27),塩化クロム酸ナトリウム(Na2CrO3Cl)のようなクロム化合物;二酸化鉛(PbO2),酢酸鉛(Pb(CH3COO)4)のような鉛化合物;酢酸水銀(Hg(CH3COO)2)のような水銀化合物;酢酸ビスマス(Bi(CH3COO)3)等の金属酢酸塩;硝酸アンモニウム(NH4NO3),硝酸カリウム(KNO3),硝酸銅(Cu(NO32)のような硝酸塩;次亜塩素酸ナトリウム(NaClO),次亜臭素酸ナトリウム(NaBrO),次亜ヨウ素酸ナトリウム(NaIO),塩素酸ナトリウム(NaClO3),過ヨウ素酸(HIO、HIO4),過ヨウ素酸カリウム(KIO4),過塩素酸ナトリウム(NaClO4),ヨウ素酸水素ナトリウム(Na32IO6)のような酸素酸及び酸素酸塩等が例示される。
本発明に使用する無機吸着材としては、無機質からなる無機イオン交換材や無機非イオン成分吸着材を適用することができる。無機イオン交換材は、イオン交換現象を示すもので、正負のイオンの吸引現象により吸着するものである。無機非イオン成分吸着材は、非イオン成分の不純物を表面現象により吸着するもので、吸着を効果的に行うために吸着表面積の大きい物質が利用される。
無機イオン交換材としては、無機質からなる陽イオン交換材、陰イオン交換材、両イオン交換材を挙げることができる。
無機不純物が例えば金属イオンである場合には、陽イオン交換材及び/又は両イオン交換材が適している。
陽イオン交換材としては、例えば、リン酸塩化合物、アンチモン酸化合物、ニオブ酸化合物、タンタル酸化合物、タングステン酸化合物、モリブデン酸化合物、チタン酸化合物、ウラン酸化合物、バナジン酸化合物、ケイ酸塩化合物などが挙げられ、両イオン交換材としては、例えば、含水酸化ベリリウム、アルミナ水和物、含水酸化ガリウム、含水酸化インジウム、含水酸化鉄(III)、含水酸化マンガン(III)、含水酸化ビスマス、含水酸化ケイ素、含水酸化スズ、含水酸化ジルコニウム、含水酸化セリウム(IV)、含水酸化トリウム、などが挙げられる。これらの無機イオン交換材は、1種又は複数種を混合して用いられる。
使用する無機イオン交換材は、酸化剤の種類及び不純物イオンの価数等を考慮して適宜選択される。例えば酸化剤が金属塩である場合には、酸化剤を構成する金属イオンを吸着せずに不純物金属イオンを選択的に吸着する陽イオン交換材や両イオン交換材が選択使用される。
本発明に使用される陽イオン交換材、両イオン交換材は、少なくとも1種類の陽イオンに対する陽イオン交換容量が、中性域において0.03meq/g以上のものが特に適している。
精製する酸化剤水溶液の種類によっては、陽イオン交換材とともに陰イオン交換材を併用したり、あるいは両イオン交換材を用いて、酸化剤水溶液中の不純物の陰イオンも除去することができる。このような陰イオン交換材としては、例えば、含水酸化チタン、含水酸化ジルコニウム、水酸化マグネシウム、含水酸化ランタン、オキシ硝酸水酸化ビスマス、ハイドロキシアパタイト、ハイドロタルサイト類化合物等の1種又は複数種を用いることができる。この場合も酸化剤を構成する陰イオンを吸着しない陰イオン交換材や両イオン交換材が適宜選択使用される。
本発明に使用される陰イオン交換材、両イオン交換材は、少なくとも1種類の陰イオンに対する陰イオン交換容量が、中性域において0.03meq/g以上のものが特に適している。
無機イオン交換材は、平均粒径が、0.05μm以上の粉末状、粒状又は繊維状のものが好ましい。
また、酸化剤水溶液をさらに無機非イオン成分吸着材と接触させたり、無機イオン交換材として多孔質のものを用いることにより、酸化剤水溶液中の有機物等の不純物や微粒子状、コロイド状の不純物を吸着除去することができる。無機非イオン成分吸着材としては、例えば、活性アルミナ、ゼオライト、活性白土、シリカゲル等が挙げられ、これらの1種又は複数種を用いることができる。無機非イオン成分吸着材は、平均粒径が、1nm〜500μmの粉末状、粒状、又は繊維状のものが好ましい。無機非イオン成分吸着材、無機イオン交換材として多孔質のものの比表面積はBET法(N)による測定値で、0.1m/g以上が好ましい。
なお、無機イオン交換材及び無機非イオン成分吸着材としては、無定形、ガラス状、結晶状のものがあり、それぞれトンネル構造、層状構造、網目構造などの結晶構造を有するが、いずれも本発明に使用可能である。
酸化剤水溶液を無機イオン交換材及び無機非イオン成分吸着材に接触させる場合には、接触させる順序は特に制限されない。酸化剤水溶液を無機イオン交換材と接触させる前又は後に無機非イオン成分吸着材と接触させてもよく、また、無機イオン交換材と無機非イオン成分吸着材を混合して接触させてもよいが、無機イオン交換材と無機非イオン成分吸着材を混合して酸化剤水溶液と接触させることが好ましい。
無機イオン交換材と無機非イオン成分吸着材は、5:5〜9:1の体積比で混合することが好ましい。無機イオン交換材の体積比が50%未満であると、イオン性の不純物の除去効率が低下するおそれがあり、無機イオン交換材の体積比が90%を超えると無機非イオン成分吸着材による有機物等の不純物や微粒子状、コロイド状の不純物の除去量が低下するおそれがある。
酸化剤溶液に含まれる不純物としては、例えば、イオン性の不純物(不純物の陽イオン、陰イオン)、有機物等の不純物、微粒子状、コロイド状の不純物などを挙げることができる。不純物の陽イオンとしては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、鉛等の典型金属元素の金属イオン、クロム、鉄等の遷移金属の金属イオン等が挙げられる。不純物の陰イオンとしては、例えば、Cl等の非金属陰イオン、金属陰イオン錯体等が挙げられる。
本発明の方法は、これらの無機吸着材の過剰量を不純物を含む酸化剤溶液とともに収容して所定時間撹拌するか、もしくはこれらの無機吸着材を収容したカラムに不純物を含む酸化剤溶液を通液することにより行われる。
本発明によれば、安定した高品質の酸化剤を高い生産性で得ることのできる酸化剤の精製方法及びその精製装置を提供できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的に説明する。本発明はこれらの実施の形態に何ら限定されるものではない。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態に係る酸化剤の精製装置10の構成を示す図である。本実施の形態は、バッチ方式による酸化剤の精製装置を示している。酸化剤の精製装置10は、不純物を含む酸化剤溶液と粉末状、粒状又は繊維状の無機吸着材を収容し、この不純物を無機吸着材に吸着させる反応が行われる槽11と、槽11中の酸化剤溶液と無機吸着材を攪拌する攪拌機12と、槽11から送液された無機吸着材と酸化剤溶液とを分離する分離手段13と、分離手段13によって分離した酸化剤溶液(精製液)を収容する精製酸化剤溶液タンク14とを備えている。
分離手段13としては、例えば、膜濾過装置、沈降分離装置、遠心分離装置等が挙げられる。膜濾過装置としては、限外濾過膜、精密濾過膜等の濾過膜を備える濾過装置が挙げられる。濾過膜は、酸化剤に対して安定なポリカーボネート製濾過膜、ポリエチレン製濾過膜、セラミックス膜、ガラスフィルター等を用いることが好ましく、フィルターの孔径は無機吸着材を透過させなければ、特に限定されるものではない。膜濾過装置による濾過によって、無機吸着材で補足しきれなかった不溶性不純物を除去することもできる。
槽11中に不純物を含む酸化剤溶液と粉末状、粒状又は繊維状の無機吸着材が収容され、攪拌機12によって槽11中の酸化剤溶液と無機吸着材が攪拌され、不純物が無機吸着材に吸着される。攪拌時間は、無機吸着材の種類、不純物の量等によっても異なるが、通常25℃において1時間以上であることが好ましい。送液ポンプ15により、槽11から不純物の除去された酸化剤溶液と不純物を吸着した無機吸着材が送液されて、逆流を防止する逆止弁16を経て分離手段13に供給されて分離される。図1では、分離手段13として限外濾過膜を用いた場合を示している。
分離手段13によって分離された濾液の酸化剤溶液(精製液)は、排出管17から精製酸化剤溶液タンク14に収容される。一方、分離手段13によって分離された残留物の無機吸着材は、排出管18を経て槽11に戻される。
なお、調整弁19によって流量の調整がなされる。また、送液ポンプ15による送液の出力、すなわち分離手段13の限外濾過膜の作動圧力は、圧力計20と流量計21を介して制御される。また、試料採取バルブ22によって、酸化剤溶液及び/又は無機吸着材の試料を採取することができる。
クロスフロー濾過によって分離手段13の限外濾過膜の濾過膜表面に付着した無機吸着材は、逆洗ポンプ23を用いて濾過膜を逆洗することで脱着することができるため、濾過膜は繰り返しの使用が可能である。
以上のように、本実施の形態では、酸化剤溶液に無機吸着材を接触させて不純物を除去している。有機質のイオン交換樹脂ではなく、無機吸着材を用いていることから、酸化剤溶液への酸化劣化した分解生成物の混入を防止でき、また、無機吸着材の頻繁な交換が不要なため、安定した高品質の酸化剤を高い生産性で得ることができる。
(第二の実施形態)
図2は、本発明の第二の実施形態に係る酸化剤の精製装置25の構成を示す図である。図1に共通する部分には同一符合を付し、第一の実施形態と重複する説明を省略する。
本実施の形態は、カラムを用いた連続通液方式による酸化剤の精製装置を示している。酸化剤の精製装置25は、無機吸着材が充填されており、酸化剤溶液が通液されて酸化剤溶液中の不純物を除去するカラム27と、カラム27に不純物を含む酸化剤溶液を通液させる送液系とを備えている。送液系は、例えば、不純物を含む酸化剤溶液を収容するタンク26と、タンク26からカラム27に酸化剤溶液を送液する送液ポンプ15とから構成されている。
図3は、カラム27の一例を示す側面図である。カラム27は、カートリッジ29とフィルター30とから構成されている。カートリッジ29は、無機吸着材を内部に充填するものである。フィルター30は、酸化剤溶液の出入り口にそれぞれ設けられ、酸化剤に対して安定なポリカーボネート製フィルター、セラミックス膜、ガラスフィルター等を用いることが好ましい。フィルター30によって、無機吸着材で補足しきれなかった不溶性不純物を除去することができる。
タンク26中に不純物を含む酸化剤溶液が収容され、送液ポンプ15により、タンク26からカラム27へ酸化剤溶液が送液され、カラム27のカートリッジ29内に充填された無機吸着材に酸化剤溶液中の不純物は吸着される。カラム27の無機吸着材に通過させる酸化剤溶液の線速度(LV)は0.03〜1m/hr、空間速度(SV)は0.04〜30hr−1の範囲が好ましい。操作温度は、通常0〜50℃の範囲から選ばれ、操作圧力は0.1〜0.5MPaの範囲から選ばれる。カラム27に通液されて不純物が除去された酸化剤溶液(精製液)は、排出管28からタンク26に収容される。
なお、調整弁19によって流量の調整がなされる。また、送液ポンプ15による送液の出力、すなわちカラム27の作動圧力は、圧力計20と流量計21を介して制御される。また、試料採取バルブ22によって、酸化剤溶液の試料を採取することができる。
以上のように、本実施の形態では、酸化剤溶液に無機吸着材を接触させて不純物を除去している。有機質のイオン交換樹脂ではなく、無機吸着材を用いていることから、酸化剤溶液への酸化劣化した分解生成物の混入を防止でき、また、無機吸着材の頻繁な交換が不要なため、安定した高品質の酸化剤を高い生産性で得ることができる。
以下に、実施例を用いて本発明の内容を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。ここでは、酸化剤として、過ヨウ素酸(HIO)を用いた。ppbは重量ppbである。
(実施例1)
塩化酸化ジルコニウム八水和物(ZrCl2O・8HO:和光純薬工業株式会社製)0.2M(M=1mol・dm−3)を1.1Mのフッ化水素酸に溶解させ、この溶液に1.6Mのリン酸二水素アンモニウム(NHHPO:和光純薬工業株式会社製)水溶液を加えた。ポリエチレン製の容器内に上記の溶液を移し、湿気のある空気を送りながら減圧下、60℃で5〜7日間、溶液を撹拌混合した。得られた結晶を、洗浄水のpHが5になるまで超純水で洗浄し、リン酸ジルコニウム化合物(Zr(HPO)・2HO)を得た。
以上のように合成したリン酸ジルコニウム化合物を無機イオン交換材として、図1に示す酸化剤の精製装置10を用いて過ヨウ素酸(HIO)の精製を行った。槽11内に、リン酸ジルコニウム化合物を300g、過ヨウ素酸水溶液(50重量%)を30L加え、撹拌機12を用いて25℃で24時間反応させた。
反応後、送液ポンプ15を用いて流速3.5〜4L/minで、孔径が0.05μmのセラミックス製限外ろ過膜(UF)(分離手段13)内に送液し、クロスフローろ過を行い過ヨウ素酸の精製液が得られた。
精製前及び精製後の過ヨウ素酸中の金属成分の質量を、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)により測定し、下記の式(1)から、無機イオン交換材であるリン酸ジルコニウム化合物による過ヨウ素酸水溶液中の金属成分の不純物の除去率(%)を算出した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2007185581
(実施例2)
五塩化アンチモン(SbCl:和光純薬工業株式会社製)を適当量ポリエチレン製の容器内に採取し、超純水を加えて30〜70℃で5〜7日間熟成することで得られたアンチモン酸化合物(SbO・4H2O)を無機イオン交換材として用いた以外は、実施例1と同様にして過ヨウ素酸の精製を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 2007185581
いずれの金属成分も、数十〜数百ppbの含有量から精製後には分析検出限界である数ppb程度まで低減された。表1において、除去率(%)が大きい値であるほど過ヨウ素酸中の金属成分の不純物の高い除去能力を有している。表1に示されるように、いずれの金属成分の不純物もリン酸ジルコニウム化合物(実施例1)、アンチモン酸化合物(実施例2)の少なくとも一方の無機イオン交換材により除去されている。特に、Na、Ca、Cr、Fe、K、Pbの金属成分の不純物については、リン酸塩化合物(実施例1)、アンチモン酸化合物(実施例2)の少なくとも一方の無機イオン交換材によって、50%以上の除去率が示された。
以上から、無機イオン交換材はNa等のアルカリ金属のイオンやCa等のアルカリ土類金属のイオンやFe等の遷移金属のイオンなどの除去に幅広く応用できる。また、無機イオン交換材は、金属イオン不純物により異なる除去能力を示すため、除去目的の金属イオン不純物の種類によって、無機イオン交換材の組成、構造を選定し、効率的な精製が可能となる。また、組成の異なる2種類以上の無機イオン交換材を用いれば、多くの種類の金属イオン不純物を除去することが可能となる。さらに、過ヨウ素酸(HIO)は強力な酸化剤であるが、無機イオン交換材の劣化や、金属の触媒作用による無機イオン交換材の分解は確認されず、安定した高品質の酸化剤を高い生産性で得ることができた。
(実施例3)
図2に示す酸化剤の精製装置25を用いて過ヨウ素酸(HIO)の精製を行った。カラム27のポリエチレン製の直径18cm×高さ44cmの円柱型カートリッジ29内に実施例2で用いた無機イオン交換材であるアンチモン酸化合物を10kg充填し、酸化剤水溶液の出入口に孔径が0.1μmのポリカーボネート製のフィルター30を挿入した。カラム27内の洗浄のため、1N−硝酸20Lを、送液ポンプを用いて流速1L/minで、1時間、上向流で循環通液を行った後、1N−硝酸の通液を止め、超純水を上向流で流速1L/minで3時間通液した。50重量%の過ヨウ素酸水溶液を上向流で流速10ml/minで通液した後、回収した精製過ヨウ素酸水溶液中の金属成分をICP−MSで測定した。式(1)から、アンチモン酸化合物による過ヨウ素酸水溶液中の金属成分の不純物の除去率(%)を算出した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2007185581
表2に示されるように、実施例2の結果(表1)と比較して、本実施例のカラム27を用いた連続通液方式の方が高い除去率(%)が認められ、すべての金属成分の不純物について50%以上の除去率が示された。特に、Na、Ca、Pbの金属成分の不純物については、85%以上の高い除去率(%)が認められた。精製前の過ヨウ素酸中に含まれる不純物は数百ppb程度であったが、精製後は数十ppbまたは数ppb程度まで除去できた。
以上から、無機イオン交換材はNa等のアルカリ金属のイオンやCa等のアルカリ土類金属のイオンやFe等の遷移金属のイオンなどの除去に幅広く応用できる。また、無機イオン交換材は、金属イオン不純物により異なる除去能力を示すため、除去目的の金属イオン不純物の種類によって、無機イオン交換材の組成、構造を選定し、効率的な精製が可能となる。また、組成の異なる2種類以上の無機イオン交換材を用いれば、多くの種類の金属イオン不純物を除去することが可能となる。さらに、過ヨウ素酸(HIO)は強力な酸化剤であるが、無機イオン交換材の劣化や、金属の触媒作用による無機イオン交換材の分解は確認されず、安定した高品質の酸化剤を高い生産性で得ることができた。
また、不純物の除去を行ったカラムを、精製のときとは逆方向の下向きに3N硝酸を流入し、同様に超純水で十分に洗浄することで、カラムの再生も可能であった。
本発明の第一の実施形態に係る酸化剤の精製装置の構成を示す図である。 本発明の第二の実施形態に係る酸化剤の精製装置の構成を示す図である。 本発明の第二の実施形態に用いられるカラムの一例を示す側面図である。
符号の説明
10,25…酸化剤の精製装置、11…槽、12…攪拌機、13…分離手段、14…精製酸化剤溶液タンク、15…送液ポンプ、16…逆止弁、17、18、28…排出管、19…調整弁、20…圧力計、21…流量計、22…試料採取バルブ、23…逆洗ポンプ、26…タンク、27…カラム、29…カートリッジ、30…フィルター。

Claims (8)

  1. 不純物を含む酸化剤溶液を無機吸着材と接触させて前記不純物を除去することを特徴とする酸化剤の精製方法。
  2. 前記酸化剤溶液が酸化剤水溶液であり、前記無機吸着材は無機イオン交換材からなることを特徴とする請求項1に記載の酸化剤の精製方法。
  3. 前記無機吸着材は、無機非イオン成分吸着材からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化剤の精製方法。
  4. 前記無機吸着材の形状が、粉末状、粒状又は繊維状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の酸化剤の精製方法。
  5. 前記無機吸着材が、多孔質の無機吸着材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の酸化剤の精製方法。
  6. 無機吸着材を充填したカラムと、前記カラムに不純物を含む酸化剤溶液を通液させる送液系とを具備することを特徴とする酸化剤の精製装置。
  7. 不純物を含む酸化剤溶液と無機吸着材とを貯槽する撹拌機を備えた槽と、
    前記槽と送液管を介して接続され、前記槽から送液される前記無機吸着材と前記酸化剤溶液から前記無機吸着材を分離する分離手段と、
    前記分離手段から送液される酸化剤溶液を貯槽する精製酸化剤溶液タンクと、
    を具備することを特徴とする酸化剤の精製装置。
  8. 前記分離手段が、膜濾過装置、沈降分離装置又は遠心分離装置であることを特徴とする請求項7に記載の酸化剤の精製装置。
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