JP2007182647A - ドラフト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数のドラフトローラ対から構成されるドラフト装置を使用するにあたり、各ローラで発生する可能性のある斑の周期が互いに重なり合い難いようにして、製織後の織物表面に視認容易な周期斑を発生させない構成のドラフト装置を提供することである。
【解決手段】 繊維束を下流側に送り込みつつ牽伸する複数のローラ対から構成されるドラフト装置DRであって、隣り合うドラフトローラの回転速度を素の関係とする構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】 繊維束を下流側に送り込みつつ牽伸する複数のローラ対から構成されるドラフト装置DRであって、隣り合うドラフトローラの回転速度を素の関係とする構成とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、繊維束(スライバともいう)を牽伸(ドラフトともいう)しながら送り出すドラフトローラを備えるドラフト装置に関するものである。
従来、ドラフト装置としては、スライバをニップして下流側に送り込みつつ牽伸する複数のローラ対にて構成されるローラドラフト装置が知られている。
また、前記ローラドラフト装置は、それぞれトップローラとボトムローラとのローラ対がスライバ送り方向に複数配設されていて、各ローラ対の回転速度を段々増加することによってドラフトを行うものであって、各トップローラを一体的に保持してボトムローラと接離自在に支持するドラフトクレードルが配設されている。
上記トップローラはゴムローラあるいはゴムが被覆されるローラであって、ボトムローラは金属製のローラである。またスライバを確実にドラフトするためには、前記ボトムローラとトップローラとの把持力が重要であり、前記ボトムローラを、ローラ軸線に平行に複数の溝を有する溝付ローラとすると共に、金属製のボトムローラにゴム製のトップローラを押圧して当接する構成とされている。
図5に示すトップローラTRとボトムローラBRからなるローラ対では、前記ボトムローラBRが溝付ローラであって、多数の凸部baと凹部bbとを備えている。
そのために、溝付ローラの溝ピッチに応じたドラフト斑を誘発する傾向があり、隣り合うドラフトローラのドラフト率が2倍とか3倍とかの整数倍であれば、上流側のドラフトローラ部にて生じたドラフト斑が、下流側のドラフトローラ部にて強調されていく虞がある。
スライバ(繊維束)をドラフトして紡績糸を製造する紡績装置としては、種々の紡績装置が公知であり、最近では、中空ガイド軸体(中空スピンドル)と紡績ノズルを備えて300m/分以上の高速で紡績可能な紡績装置を備える紡績機も知られている。このような最近の紡績機等に代表される、スライバを高速で送り込み延伸して紡績を行う高速紡績機においては、ドラフト率も高くなってきており、スライバを送り込むバックローラと、ドラフト終端の送出しローラであるフロントローラとの周速比つまりトータルドラフト率は100〜250倍程度となっている。
そのために、粗糸をドラフトして紡績を行う従来のリング紡績機では3線式のローラドラフト装置を用いてトータルドラフト率30倍程度であったものが、スライバから直接紡績糸を紡績する最近の高速紡績機の高ドラフト率に伴い、フロントローラとミドルローラとサードローラとバックローラとを備える4線式のローラドラフト装置が適用されてきている。
さらに、スライバや紡績糸の送り速度の高速化に伴い、ドラフトローラの回転数も飛躍的に増大してきている。そのために、それぞれのドラフトローラをそれぞれ別の可変速の駆動モータを介して駆動する構成とし、回転速度を任意に設定可能としたドラフト装置も知られている。
また、フロントローラとミドルローラ間では公知のエプロンドラフトを行うために、そのドラフト率は30〜50倍程度が可能である。さらに、エプロンを用いずにローラドラフトを行うミドルローラとサードローラ間のドラフト率、もしくはサードローラとバックローラ間のドラフト率は1.5〜3倍程度としている。
そのために、ドラフト率の小さいミドルローラとサードローラ間のドラフト、もしくはサードローラとバックローラ間のドラフトは、所定のドラフト率を規定する歯数のプーリを同一の駆動モータを介して回転駆動することが可能となる。また、本出願人からも、同一のモータにより一定の速度比率で駆動するとしたドラフト装置が既に出願されている(例えば、特許文献1参照)。
実開平5−27057号公報(第1−6頁、第1図)
複数のドラフトローラ対から構成されるドラフト装置の各々のドラフト領域においては、それぞれのローラを回転させるプーリ部品の偏芯や、歯型のピッチの周期的変化に起因する回転斑や、歯付きベルト等の伝動ベルトの張りの変動による回転斑により、糸の周期斑が発生することがある。
また、溝付ローラによりドラフトを行う場合には、前述した通り、その溝ピッチ毎にドラフト斑を誘発する虞があり、さらに隣り合うドラフトローラ間にて、その斑を強調していく虞もある。
いずれの場合であっても、各ローラで発生する可能性のある周期斑が互いに整数倍である場合、その最小公倍数で前記周期斑が強められることがある。糸に周期的な斑が生じると、製織時の布表面にその斑が特徴的に発現し、外観不良の布製品となる。
さらに、ドラフト率を所定値に固定するとした同一の駆動モータによる場合には、プーリの歯数を所定の整数倍(例えば1.5倍や2倍)としておくことが一般であり、この状態のままでは、頻繁にドラフト斑を生じる危険がある。
つまり、従来のドラフト装置では、それぞれのプーリの部品精度を高めるだけでなく、伝動ベルトの品質や張り具合等の調整にも細心の注意を払う必要があった。
本発明の目的は、複数のドラフトローラ対から構成されるドラフト装置を使用するにあたり、各ローラで発生する可能性のある斑の周期が互いに重なり合い難いようにして、製織後の織物表面に視認容易な周期斑を発生させない構成のドラフト装置を提供することである。
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、繊維束を下流側に送り込みつつ牽伸する複数のローラ対から構成されるドラフト装置であって、隣り合うドラフトローラの回転速度を素の関係としたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、ドラフト率を規定するドラフトローラの回転速度を素の関係としているので、隣り合うドラフトローラ間のドラフト率を、周期斑が重ならない範囲とし、周期斑を発生しないドラフト装置を構成することができる。
請求項2に係る発明は、繊維束を下流側に送り込みつつ牽伸する複数のローラ対から構成されるドラフト装置であって、前記ローラ対の一方のローラが、ローラ軸線に平行に複数の溝を有する溝付ローラであるときに、隣り合うドラフトローラの回転速度比を、それぞれの溝付ローラの溝ピッチが重ならない回転速度比としたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、溝付ローラを用いてドラフトを行う紡績装置であっても、溝ピッチが重ならない構成とすることで、周期斑を強調しないドラフト装置を構成することができる。
請求項3に係る発明は、前記ドラフトローラを、それぞれ別の駆動モータで駆動する構成とすると共に、隣り合う駆動モータの回転数を素の関係としたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、隣り合うドラフトローラの回転数が素の関係であるので、連続してドラフトするローラの周期斑が互いに重なり合わず、製織後の織物表面に周期斑を発生しないドラフト装置を構成することができる。
請求項4に係る発明は、前記ドラフトローラプーリを装着して、複数のドラフフトローラを同一の駆動モータにより伝動ベルトを介して一体的に駆動する構成とすると共に、隣り合うドラフフトローラのプーリ歯数を互いに素としたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、同一の駆動モータにより伝動ベルトを介して複数のドラフトローラを一体的に駆動しても、隣り合うドラフトローラの回転数を素の関係としているので、それぞれのドラフトローラに周期的な斑を生じる欠陥がある場合でも、それらの周期が短周期では一致せず、視認容易な周期的な斑を発現しないドラフト装置を構成することができる。
請求項5に係る発明は、前記ドラフト装置が4線式のドラフト装置であって、フロントローラとミドルローラとサードローラとバックローラとを備えていると共に、前記サードローラと前記バックローラとを一本の伝動ベルトで駆動し、それぞれのローラに装着するプーリの歯数を互いに素としたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項5に係る発明によれば、ドラフト率が1.5〜3倍程度のサードローラとバックローラ間で、周期的な斑を生じないドラフト装置を構成することができる。
請求項6に係る発明は、前記ドラフト装置が旋回気流を作用させて紡績糸を紡出する空気紡績部を備える紡績機に適用されるローラドラフト装置であることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項6に係る発明によれば、高速紡績が可能な空気紡績機において、高速で高倍率なドラフトを行う際であっても、ドラフト斑の生じ難いドラフト装置とすることができる。
上記説明したように本発明によれば、複数のドラフトローラ間のそれぞれの回転速度を素の関係としているので、視認容易な周期斑が発生しない範囲とすることができる。さらに、同一の駆動モータにより伝動ベルトを介して複数のドラフトローラを駆動するローラドラフト装置であっても、それぞれのプーリ歯数を互いに素とすることで、前後一対のドラフトローラの回転数を素の関係とする構成とし、それぞれのドラフトローラに周期的な斑を生じる欠陥がある場合でも、それらの周期が短い周期で一致せず、周期的な斑を発現しない。
以下、本発明に係るドラフト装置の実施の形態について、図1から図5に基づいて詳細に説明する。
先ず、本発明が適用される紡績機Mについて図4により説明する。本紡績機Mは紡績ユニットUが多数配列された構成となっており、スライバLがドラフト装置DRに送られ紡績部Spにより紡績糸Yに形成された後、該紡績糸YはニップローラRn及びスラブキャッチャーZ等を経て巻取部WRに巻き取られ、パッケージPWを形成する。Pは糸継ぎを行う糸継装置であり、紡績機Mの長手方向に沿って紡績機Mの内部下方を走行するように構成されている。
また、図3に示すように各紡績ユニットUは、機台後部に配置されたケンスK内に収納されているスライバLがガイドGを経て、トランペットTを挿通しドラフト装置DRに搬送された後、段々送り速度が速くなるローラドラフト部を通過して所定細さに牽伸され、紡績部Spにより紡績糸Yとなり、機台前面の巻取部WRに巻き取られ、パッケージPWを形成する構成である。
前記紡績部Spは紡績速度が300m/分以上の高速紡績が可能な、紡績ノズルと中空ガイド軸体とを備える空気紡績装置から形成されているが、これに限定されるものではなく、2段の空気紡績ノズルを備える紡績装置でもよい。また、紡績ノズルと一対の加然ローラとを備える、紡績速度が数百m/分の高速紡績が可能な紡績装置であってもよい。
さらには、高速ドラフトを行うその他の精紡機や粗紡機や練条機等のドラフト装置に本発明を適用することが可能である。
次に、本発明に係るドラフト装置の実施の形態について図1および図2より説明する。
図1に示す第一の実施形態のドラフト装置DRは、バックローラRb,サードローラRt,エプロンベルトEを有するミドルローラRm、及びフロントローラRfから構成される所謂4線式のドラフト装置であって、それぞれ上下一対のローラが送り方向に沿って配置される構成である。
前記ドラフト装置DRは、スライバを挿通するガイドであるトランペットTを経て供給されるスライバLを所定の細さに引き伸ばす装置であって、各ローラの回転速度を、上流側から下流側に向かって段々増加しながらスライバLを送ることによってドラフトを行う。所定の細さにドラフトされたスライバLは、紡績部Spに供給され、該紡績部Spにおいて紡績糸Yに形成される。
また、各ローラを構成している上下一対のローラはそれぞれ、紡績機の本体フレーム側に配設された下部ローラとなるボトムローラと、該ボトムローラと接離自在に構成されるトップローラとで構成されている。
つまり、フロントローラRfはフロントトップローラRf1とフロントボトムローラRf2とから成り、ミドルローラRmはミドルトップローラRm1とミドルボトムローラRm2とから成り、サードローラRtはサードトップローラRt1とサードボトムローラRt2とから成り、バックローラRbはバックトップローラRb1とバックボトムローラRb2とから成っている。
また、本体フレーム側に配設されるそれぞれのボトムローラが駆動ローラとされておりそれぞれあるいは共通の駆動源を備えている。例えば、バックボトムローラRb2とサードボトムローラRt2とを駆動モータM1で駆動し、ミドルボトムローラRm2を駆動モータM2で駆動し、フロントボトムローラRf2を駆動モータM3で駆動する構成としている。
前述したように、ドラフト装置DRにより、スライバLを所定の細さまで引き伸ばして(ドラフトして)所定太さの紡績糸Yを紡績するので、前記フロントボトムローラRf2の回転速度はそのドラフトされる割合(ドラフト率)に応じて、前記バックボトムローラRb2の回転速度の100〜250倍程度の高速となっている。
また、フロントローラRfとミドルローラRm間では公知のエプロンドラフトを行うために、そのドラフト率は30〜50倍程度が可能である。さらに、エプロンEを用いずにローラドラフトを行うミドルローラRmとサードローラRt間のドラフト率、もしくはサードローラRtとバックローラRb間のドラフト率は1.5〜3倍程度としている。
そのために、例えば、バックボトムローラRb2とサードボトムローラRt2とに一本の伝動ベルト(歯付きベルト)TBを掛け渡して、同一の駆動モータM1で駆動することが可能となる。例えば、ドラフト率を2倍とすると、バックボトムローラRb2に装着するプーリ(歯付きプーリ)TP1の歯数を20とし、サードボトムローラRt2に装着するプーリ(歯付きプーリ)TP2の歯数を10とすればよい。また、ドラフト率を3倍とする場合は、プーリTP1の歯数を30とし、プーリTP2の歯数を10とすればよい。
しかし、ドラフト率が2倍とか3倍のように、比較的小さな公倍数を有する割合のプーリ歯数を使用したドラフト装置では、ローラの数回転毎に周期が一致することになる。回転周期が一致すると、その周期毎に特定の斑(プーリ部品のそれぞれの偏芯や歯型の微妙な差に起因する斑が、歯付きベルト等の伝動ベルトの張りが変動することにより生ずる斑)が発生する虞がある。
それぞれのローラの回転周期を一致させないためには、互いの回転速度を素の関係とすればよく、共通の駆動モータで伝動ベルトを介して駆動する場合には、それぞれのプーリ歯数を素の関係とすればよい。
そのために本実施の形態では、前記プーリTP1と前記プーリTP2との歯数を互いに素としている。例えば、プーリTP2の歯数を10とし、プーリTP1の歯数を19もしくは21とした。
つまり、プーリTP1の歯数が19の場合は、プーリTP2を装着しているサードボトムローラRt2が190回転毎の長いスパンで周期が合うことになり、頻繁に生じる短い周期とならず、糸斑の原因とはならない。
また、プーリTP1の歯数が21の場合は、プーリTP2を装着しているサードボトムローラRt2が210回転毎の長いスパンで周期が合うことになり、頻繁に生じる短い周期とならず、同様に糸斑の原因とはならない。
これが、もし、プーリTP1の歯数が20の場合は、歯数10のプーリTP2を装着しているサードボトムローラRt2が2回転毎に周期が合うことになり、短い周期で頻繁に周期斑が生じることになる。そのために、その後数十倍にドラフトを行い紡績糸を製造しても、その斑が視認可能となり、織物を製織した際に欠陥を生じる虞となる。
プーリTP2の歯数を10とし、プーリTP1の歯数を19もしくは21とするとは、前記サードローラRtに装着するプーリの歯数をNとしたときに、前記バックローラRbに装着するプーリTP1の歯数を2N±1とすることである。
そのために、プーリTP2の歯数が12であれば、プーリTP2の歯数は23もしくは25となり、それぞれ互いに素の歯数となる。また、その合致する周期は、12×23=276回転、12×25=300回転となり、さらにミドルローラRmとフロントローラRfによりドラフトを行うので、その周期斑はいっそう生じ難くなる。
さらに、サードローラRtとバックローラRb間のドラフト率が元々3倍程度である場合には、前記バックローラRbに装着するプーリTP1の歯数を3N±1とするとよい。つまり、プーリTP2の歯数を10としたときに、プーリTP1の歯数は29もしくは31となり、互いに素の関係となる。
上記の、2N±1もしくは3N±1の関係となる歯数のプーリを採用すれば、元々10〜20程度の歯数のプーリを装着するドラフトローラにおいては、それぞれ互いに素の歯数関係となるので、視認できる斑は発生せず好適である。
所定の太さのスライバLをドラフトし、所定糸番手の紡績糸Yを製造する際のトータルドラフトは予め所定数値に定められる。そのために、バックローラRbとサードローラRt間のドラフト率をある歯数比として定めた場合は、その他の、例えばミドルローラRmとサードローラRt間のドラフト率を、もしくは、ミドルローラRmとフロントローラRf間のドラフト率を変化すればよい。また、前記ミドルローラRmとフロントローラRfとはそれぞれ単独の駆動モータを採用しているので、ドラフト率の設定は容易である。
上記のように、前記バックローラRbに装着するプーリの歯数を2N±1もしくは3N±1とすると、サードローラRtに装着するプーリが通常のプーリ歯数である10以上のときに、バックローラRbの歯数を互いに素の歯数として、前記サードローラRtと前記バックローラRbとの回転数を素の関係とすることができる。
上記の構成はバックローラRbとサードローラRtとの間には限定されず、同様にドラフト率が1.5〜3倍程度のサードローラRtとミドルローラRmとの間でも適用可能である。さらには、ギヤ伝達を行うその他の伝達機構部にも適用可能であり、周期斑の発生を防止したい機構全般に適用することができる。つまり、それぞれのドラフトローラの回転数を素の関係とすることで、複数のドラフトローラ間のそれぞれのドラフト率を、周期斑が重ならない範囲としてドラフト斑の発生を防止することができる。
また、それぞれのローラをそれぞれ別の駆動モータ、例えば単独モータでそれぞれ駆動する場合は、それぞれのモータ回転数を素の関係とすればよく、この構成のドラフト装置について図2より説明する。
図2に示す第二の実施形態のドラフト装置DRは、それぞれのローラをそれぞれ別の駆動モータで駆動する例であって、バックローラRbを駆動モータM1Aで駆動し,サードローラRtを駆動モータM1Bで駆動し,エプロンベルトEを有するミドルローラRmを駆動モータM2で駆動し、フロントローラRfを駆動モータM3で駆動する構成の4線式のドラフト装置である。
上記の構成の場合では、それぞれの駆動モータを個別のインバータ等(不図示)で制御して、それぞれのモータ回転数を素の関係となるようにすればよい。
例えば、バックローラRbの回転数が20rpmの時に、サードローラRtの回転数を40rpmではなく、41もしくは43rpmに設定することで、バックローラRbとサードローラRtとの回転数を素の関係にすることができ、紡績する糸Yに周期的な斑が生じなくなる。
紡績糸Yに周期的な糸斑が生じると、その糸を経糸あるいは緯糸として織物を製織したときに、織物の表面に微妙な縞状の、あるいは濃淡の斑として発現し、織物の品質を不良とすることがある。そのためには、周期的なドラフト斑を低減することが肝要であり、本実施の形態に係るドラフト装置によれば、各ドラフトローラの回転周期を積極的にずらすことで、周期斑を視認し難くする構成となり、高倍率のドラフトを行う高速精紡機にとって非常に有効な手段を提供する。
特に、繊維長を一定にカットした原料(等長カット)をドラフトして紡績すると、ドラフトローラの周期的な変動により、糸の周期斑が発生しやすいが、それぞれのドラフトローラの周速比を短い周期で一致しない構成とすることで、製織した際の布表面に現出する斑の発生を防止することができる。
また、それぞれのローラ対が図5に示すような溝付ローラを用いたドラフトローラの場合には、溝の凸部ba部がゴム製ローラであるトップローラTRと当接する毎にドラフト力を発揮し、溝付ローラの溝ピッチ毎のドラフト斑を誘発することになる。
例えば、サードローラRtとバックローラRb間のドラフト率を2倍、トータルドラフトを150倍とし、ローラの直径を共に25mm、溝数を90(ローレット数ともいう)としたときに、サードローラRtとバックローラRbの周期斑がそれぞれ、65.4mmと130.9mmであった。つまり、その最小公倍数130.9mmで互いの周期斑が強調される状態であった。しかし、それぞれの回転数を互いに素の関係、例えば25:11とし、ドラフト率を2.27倍とすると、その周期斑は、57.6mmと130.9mmとなった。つまり、その周期斑は57.6×130.9=7540mm(7.54m)毎に強調されることになり、織物としたときに明瞭な斑は現出されなかった。
上記したように、本発明に係るドラフト装置は、溝付ローラを用いたドラフトローラであっても、それぞれのドラフトローラの回転数を素の関係とすることで、複数のドラフトローラ間のそれぞれのドラフト率を、周期斑が発生しない範囲とすることができる。
さらに、隣り合うドラフトローラの回転数を素の関係とすることで、連続してドラフトを行う際に、それぞれの周期斑が同期しなくなり、明瞭な斑とはならい。
また、同一の駆動モータにより伝動ベルトを介して複数のドラフトローラを駆動する場合であっても、それぞれのプーリ歯数を互いに素とすることで、前後一対のドラフトローラの回転数を素の関係とする構成とし、高速度で高倍率にドラフトしながら紡績する際にも、ドラフト斑が生じ難いドラフト装置となり、スライバを直接ドラフトして高速紡績を行う空気精紡機のドラフト装置に好適に適用可能となる。
DR ドラフト装置
Rb バックローラ
Rb2 バックボトムローラ
Rt サードローラ
Rt2 サードボトムローラ
L スライバ
Y 紡績糸
M1 駆動モータ
TB 伝動ベルト(歯付きベルト)
TP1、TP2 プーリ(歯付きプーリ)
Rb バックローラ
Rb2 バックボトムローラ
Rt サードローラ
Rt2 サードボトムローラ
L スライバ
Y 紡績糸
M1 駆動モータ
TB 伝動ベルト(歯付きベルト)
TP1、TP2 プーリ(歯付きプーリ)
Claims (6)
- 繊維束を下流側に送り込みつつ牽伸する複数のローラ対から構成されるドラフト装置であって、
隣り合うドラフトローラの回転速度を素の関係としたことを特徴とするドラフト装置。 - 繊維束を下流側に送り込みつつ牽伸する複数のローラ対から構成されるドラフト装置であって、
前記ローラ対の一方のローラが、ローラ軸線に平行に複数の溝を有する溝付ローラであるときに、隣り合うドラフトローラの回転速度比を、それぞれの溝付ローラの溝ピッチが重ならない回転速度比としたことを特徴とするドラフト装置。 - 前記ドラフトローラを、それぞれ別の駆動モータで駆動する構成とすると共に、隣り合う駆動モータの回転数を素の関係としたことを特徴とする請求項1または2に記載のドラフト装置。
- 前記ドラフトローラにプーリを装着して、複数のドラフフトローラを同一の駆動モータにより伝動ベルトを介して一体的に駆動する構成とすると共に、隣り合うドラフフトローラのプーリ歯数を互いに素としたことを特徴とする請求項1または2に記載のドラフト装置。
- 前記ドラフト装置が4線式のドラフト装置であって、フロントローラとミドルローラとサードローラとバックローラとを備えていると共に、前記サードローラと前記バックローラとを一本の伝動ベルトで駆動し、それぞれのローラに装着するプーリの歯数を互いに素としたことを特徴とする請求項4に記載のドラフト装置。
- 前記ドラフト装置が旋回気流を作用させて紡績糸を紡出する空気紡績部を備える紡績機に適用されるローラドラフト装置であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のドラフト装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006001412A JP2007182647A (ja) | 2006-01-06 | 2006-01-06 | ドラフト装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105544026A (zh) * | 2015-12-10 | 2016-05-04 | 蓝正飞 | 一种纺织罗拉的制作方法 |
CN105671703A (zh) * | 2016-04-19 | 2016-06-15 | 江南大学 | 一种三粗纱喂入段彩竹节纱生产装置和生产方法 |
WO2017155168A1 (ko) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | 사단법인 코티티시험연구원 | 멀티-이펙트얀 및 이를 위한 제조장치 |
-
2006
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