JP2007182414A - 新規なかつお節ペプチド、l−バリル−l−プロリン及び血圧降下剤 - Google Patents

新規なかつお節ペプチド、l−バリル−l−プロリン及び血圧降下剤 Download PDF

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Abstract

【目的】かつお節のプロテアーゼ:モルシンF分解液から、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有し、血圧降下作用を有する新規なかつお節ペプチド、L−バリル−L−プロリンを提供する。
【構成】かつお節をプロテアーゼ:モルシンFで分解処理し、新規なアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するジペプチドはL−バリル−L−プロリンであり、この新規なかつお節ペプチドは生体内での血圧降下作用を有し、毒性も極めて低い。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品として有用性を有するL−バリル−L−プロリンで示されるジペプチド構造を有する新規なかつお節ペプチド並びにその新規なかつお節ペプチドを有効成分とする血圧降下剤に関する。
食品由来のペプチドは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤及び血圧降下剤としての利点を持つ。
特開平06−256387 特開平06−340692 特開平07−188282 特開平07−188283 特開平08−225593 特開平09−059296 特開平10−036391 特開平11−335393 特開平11−343298 特開2001−064299 特開2001−106698 特開2001−106699 特開2001−106700 特開2003−128695 S.H.Ferreia et al.:Biochemistry,9,3583(1970) G.Oshima et al.:Biochim.Biophs.Acta,566,128(1979) S.Maruyama et al.:Agric.Biol.Chem.,46,1393(1983) 山本節子等:日胸疾会誌,18,297−302(1989)
レニン−アンジオテンシン系が生体の水・電解質及び血液の調節に重要な役割を果たしていることはよく知られている。このレニン−アンジオテンシン系にはアンジオテンシン変換酵素(以下、ACEと略記する)が存在し、アンジオテンシンIはACEによってアンジオテンシンIIに変換される。アンジオテンシンIIは強力な昇圧物質で、血管、副腎皮質のみならず中枢神経系並びに末梢神経系に働いて血圧上昇を促す。又、ACEは生体内降圧物質であるブラジキニンを分解し、不活性化する作用を有し、昇圧系に関与している。従って、ACEの活性を阻害することによって血圧を降下させることが可能であり、又、そのことは臨床的に高血圧の予防、治療に有効であると考えられている。この目的のためプロリン誘導体であるカプトリルが合成され、その降圧作用が確認されて以来、カプトリルの構造研究に基づく種々のACE阻害物質の合成研究が盛んに行われ、最近ではマレイン酸エナラブリルやアラセブリル等の物質が、次々と臨床の場に供されている。現在、ACE阻害剤は、高血圧は、本態性高血圧症、病候性高血圧症を問わず、又、軽症、重症を問わず、幅広く用いられ、高血圧症の第一次選択の治療薬中に加えられ、多く優れた点を有することが見出されている。一方、ACE阻害物質の作用機序としては、アンジオテンシンIIの産生抑制によるアルドステロンやバソプレッシンの分泌抑制、又、腎動脈収縮の解除によるナトリウムや水の***促進が考えられている。更に、ACE阻害物質については、それがカリクレン−キニン系の不活性化を抑制し、プロスタグランジン系を賦活させることにより末梢血管拡張やナトリウム及び水の***を更に促進させると考えられており、心不全の悪循環を断つ上で合目的な治療薬として期待されている。ところで、ACE阻害物質としては、上記の合成品の他に天然物又は天然物由来の物質として蛇毒由来のブラジキニン増強因子(C末端がPro)[非特許文献1]、ゼラチンのコラゲナーゼ消化物由来の6種類のペプチド(いずれもC末端がAla−Hyp)[非特許文献2]、牛カゼインのトリプシン消化物由来のペプチド(C末端がGly−Lys)[非特許文献3]等に始まり、本発明者等による、イワシ筋肉由来の5種のヘクサペプチド(いずれもC末端から2番目又は3番目がPro、N末端がLeu)、海苔由来のテトラペプチド(N末端がPro)、朝鮮人参由来のペンタペプチド、クロレラ由来のペンタペプチド及びワカメ由来のテトラペプチド等の数多くの特許[特許文献1〜14]が挙げられ、いずれもACE阻害剤及び血圧降下剤となり得ることが開示されている。先に述べたように、ACE阻害剤としての食品タンパク質由来の血圧降下ペプチドに関して数多くの提案がなされてきたが、特にかつお節由来ペプチドの中で、規則性を持ったアミノ酸配列を有するジペプチドのACE阻害作用(試験管内薬理効果)並びに経口投与による降圧効果(生体内薬理効果)は不明であり、発見されて以来未だ医薬品としての開発が進んでいるとの報告はない(式中、アミノ酸残基を表す各記号は、アミノ酸化学において慣用の表示法によるものである)。
本発明者は、前記の課題を解決するために鋭意研究した結果、かつお節から得られた本発明に係る新規なかつお節ペプチドが血圧降下作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、かつお節の蛋白質分解酵素の分解液から薬理作用を有する物質を検索し、この新規なかつお節ペプチドが強いアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有することを見出した。そして、この新規なかつお節ペプチドを医薬として実用化するための研究を鋭意行い、その結果更に、この新規なかつお節ペプチドが血圧降下作用を有し、天然物由来のアンジオテンシン変換酵素阻害剤としての有用性を見出した。本発明は係る知見に基づくものである。本発明に係る新規なかつお節ペプチドは、L−バリル−L−プロリンで示されるジペプチド構造を有し、常温における性状は白色の粉末である。
本発明に係る新規なかつお節ペプチドは、化学的に合成する方法、又はかつお節の蛋白質分解酵素の分解液から分離精製する方法をあげることができる。本発明に係る新規なかつお節ペプチドを化学的に合成する場合には、液相法又は固相法等の通常の合成方法によって行うことができるが、好ましくは固相法によってポリマー性の固相支持体へ前記かつお節ペプチドのカルボキシル末端側(C末端)からそのアミノ酸残基に対応したL体のアミノ酸を順次ペプチド結合によって結合して行くのが良い。そして、そのようにして得られた合成ジペプチドは、トリフルオロメタンスルホン酸、フッ化水素などを用いてポロマー性の固相支持体から切断した後、アミノ酸側鎖の保護基を除去し、逆相系のカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと略記する)などを用いた通常の方法で精製することができる。
上記したように、本発明に係る新規なかつお節ペプチドは、かつお節の蛋白質分解酵素の分解液から分離精製することができるが、その場合には例えば以下のようにして行うことができる。本発明に係る新規なかつお節ペプチドを含有しているかつお節を用いて加水分解する。加水分解方法は常法に従って行う。例えば、モルシンF等のタンパク質分解酵素で加水分解する場合は、かつお節のホモジネイトを必要とあれば更に加水分解した後、酵素の至適温度まで加温し、pHを至適値に調整し、酵素を加えてインキュベートする。次いで必要に応じ中和した後、酵素を失活させて加水分解液を得る。この加水分解物を濾紙及び/又はセライト等を用いて濾過することによって不溶性成分を除去し、その得られた濾液をセロファンなどの半透膜を用いて適当な溶媒(例えば、水、トリス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液の中性の緩衝液等)中で十分に透析し、その濾液中の成分で半透膜を通過した成分を含む溶液を強酸性陽イオン交換樹脂(例えば、ダウケミカル社製のDowex50W、アンバーライト社製のAmberlite IR−120等)にかけ、その吸着溶出分画からアンジオテンシン変換酵素(以下、ACEと略記する)阻害活性を有する成分を含有する分画を得、その得られたACE阻害活性画分をゲル濾過(例えば、ファルマシア社製のSephadex G−25、バイオラッド社製のBio−Gel P−6等)によって分画し、その得られたACE阻害活性画分を陽イオン交換ゲル濾過(例えば、ファルマシア社製のSP−Sephadex C−25、生化学工業社製のSE−Cellulose等)によって分画し、最終的に得られたACE阻害活性画分を逆相HPLCによって分離することによって単離精製を行うことができる。
本発明に係る新規なかつお節ペプチドの製法において用いる魚介類の節としては、本発明の目的を達成できる限りいかなる魚介類の節を用いても良いが、好ましくはかつお節を用いるのが良い。以上のようにして得られたこの新規なかつお節ペプチドは、静脈内へ繰り返し投与を行った場合、抗体産生を惹起せず、アナフィラキシーショックを起こさせない。又、この新規なかつお節ペプチドはL−アミノ酸のみの配列構造からなり、投与後、生体内のプロテアーゼにより徐々に分解される為、毒性は極めて低く、安全性は極めて高い(LD50>5000mg/kg;ラット経口投与)。この新規なかつお節ペプチドは、通常用いられる賦形剤等の添加物を用いて注射剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等に調整することができる。投与方法としては、通常は、ACEを有している哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ラット等)に注射すること、あるいは経口投与することがあげられる。投与量は、例えば、動物体重当たりこの新規なかつお節ペプチドを0.01〜10mgの量である。投与回数は、通常1日1〜4回程度であるが、投与経路によって、適宜、調整することができる。
上記の各種製剤において用いられる賦形剤、結合剤、潤沢剤の種類は、特に限定されず、通常の注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤あるいはカプセル剤に用いられるものを使用することができる。錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤に用いる添加物としては、下記のものをあげることができる。賦形剤としては、結晶セルロース等の糖類、マンニトール等の糖アルコール類、デンプン類、無水リン酸カルシウム等;結合剤としてはでんぷん類、ヒドロキシプロピルメチルセルローズ等;崩壊剤としてはカルボキシメチルセルロース及びそのカリウム塩類;潤滑剤としてはステアリン酸及びその塩類、タルク、ワックス類を挙げることができる。又、製剤の調整にあたっては必要に応じメントール、クエン酸及びその塩類、香料等の矯臭剤を用いることができる。注射用の無菌組成物は、常法により、新規なかつお節ペプチドを、注射用水、生理食塩水及びキシリトールやマンニトールなどの糖アルコール注射液、プロピレングリコールやポリエチレングリコール等のグリコールに溶解又は懸濁させて注射剤とすることができる。この際、緩衝液、防腐剤、酸化防止剤等を必要に応じて添加することができる。この新規なかつお節ペプチドを含有する製剤は凍結乾燥品又は乾燥粉末の形とし、用時、通常の溶解剤、例えば水又は生理食塩液に溶解して用いることもできる。
本発明に係る新規なかつお節ペプチドは、優れたアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有し、血圧降下作用、ブラジキニン不活化抑制作用を示す。従って、本態性高血圧、腎性高血圧、副腎性高血圧等の高血圧症の予防、治療剤、これらうっ血性心不全に対する臓器循環の正常化と長期予後の改善(延命効果)作用を有し、心不全の治療剤として有用である。
発明を実施するための最良の形態・実施例
本発明に係る新規なかつお節ペプチドは、L−バリル−L−プロリンで示されるジペプチド構造を有し、常温における性状は白色の粉末である。以下に実施例として、製造例及び試験例を記載し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
製造例1
通風式焙乾方法により製造した7日間焙乾物(荒節)1.16gを細かく裁断後、脱イオン水1Lを加えてホモジナイズした。得られたかつお節ホモジネイトにモルシンF(盛進製薬製)34.8gを加え、pH3.0に調整して37℃で20時間インキュベートした。このようにして調製したかつお節−ホモジネイトのモルシン分解液をDiaflow膜(アミコン社製、YM−10型膜、分画分子量1万)を用いて限外濾過した。得られた濾過液をDowex50W×4(H)を充填したカラムを用いてクロマトグラフィーした。脱イオン水で水洗し、溶出は2N−NHOHで行い溶出液を濃縮した。この濃縮液をSephadex G−25カラムによりクロマトグラフィーしてペプチド画分(分画番号24〜35)を分画した。そのカラムクロマトグラフを図1に示した。このペプチド画分を濃縮してかつお節由来のペプチド液(粗ペプチド粉末)を得た。更に、このペプチド液(粗ペプチド粉末として1.5g)をSP−Sephadex C−25(H)カラムによりクロマトグラフィーして各ペプチド画分としてSP−1画分(分画番号13〜31)、SP−2画分(分画番号32〜53)及びSP−3画分(分画番号54〜70)を分離した。そのカラムクロマトグラフを図2に示した。これら各画分を凍結乾燥してかつお節由来のペプチド画分(精製ペプチド粉末)として、SP−1画分0.72g、SP−2画分0.32g及びSP−3画分0.28gを得た。このようにして分画した精製ペプチド粉末の中で、ACE阻害活性の高いSP−3画分の精製ペプチド粉末を脱イオン水に溶解(7mg/25μL)した後HPLCを行った。条件はカラムとして野村化学社製Develosil ODS−5(¢4.6mmID×25cmL)を使用し、移動相として0.05%トリフルオロ酢酸(以下、TFAと略記する)から25%アセトニトリル/0.05%TFAでの濃度勾配法により、流速1.0mL/min、検出波長220nmでクロマトグラフィーし、溶出時間45.7分に強いACE阻害作用を有するペプチドフラグメントを得た。その結果は図3に示すとおりである。このようにして得られたACE阻害作用を有するペプチドのアミノ酸配列は、アプライドバイオシステム(ABI)社製のプロティンシークエンサー477A型を用いて決定された。その結果、L−バリル−L−プロリンで示されるジペプチド構造を有するかつお節ペプチドであることが確認された。常温における性状は白色の粉末である。
尚、本発明に係るかつお節ペプチドをACE阻害剤として、例えば錠剤に製剤する場合には、常法に従って、例えば次のように処理すればよい:(1)ペプチド13g、(2)乳糖87g、(3)コーンスターチ29g、(4)ステアリン酸マグネシウム1gを原料とし、先ず(1)、(2)及び17gのコーンスターチを混和し、7gのコーンスターチから作ったペーストとともに顆粒化し、この顆粒に5gのコーンスターチと(4)とを加え、得られた混合物を圧縮錠剤機で打錠し、錠剤1000個を製造する。
製造例2
本例は、合成法による製造例である。
L−バニル−L−プロリンの合成法:アプライドバイオシステム社製のペプチド自動合成装置430A型を用いた固相法によって当該ジペプチドを合成した。固相担体としては、スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン樹脂)をクロロメチル化した樹脂を使用した。まず、当該ジペプチドのアミノ酸配列に従って、常法どおり、そのC末端側のプロリンからクロロメチル樹脂に反応させペプチド結合樹脂を得た。この時のアミノ酸は、t−ブトキシカルボニル(以下、t−Bocと略記する)基で保護されたt−Bocアミノ酸を使用した。次に、このペプチド結合樹脂をエタンジチオールとチオアニソールからなる混合液に懸濁し、室温で10分間撹拌後、氷冷下でトリフルオロ酢酸(以下、TFAと略記する)を加え、更に10分間撹拌した。この混合液にトリフルオロメタンスルホン酸を滴下し、室温で30分間撹拌した後、無水エーテルを加えてその生成物を沈澱させて分離し、その沈澱物を無水エーテルで数回洗浄した後、減圧下で乾燥した。このようにして得られた未精製の合成ペプチドは蒸留水に溶解した後、逆相系のカラムC18(5μm)を用いたHPLCにより精製した。移動相として(A)0.1%TFA含有蒸留水、(B)0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を使用し、(A)液が20分間で87%→68%の濃度勾配法により流速1.6mL/minでクロマトグラフィーを行った。紫外部波長214nmで検出し、最大の吸収を示した溶出画分を分取し、これを凍結乾燥することによって目的とする合成ジペプチドを得た。
この合成ジペプチドをマススペクトル分析、アミノ酸分析及びアミノ酸配列決定機で、アミノ酸配列がL−バリル−L−プロリンで示されるジペプチド構造を有するかつお節ペプチドであることが確認された。合成によって得られた本発明に係るジペプチドすなわち新規なかつお節ペプチドは、以下に示す試験によって薬理効果が確認された。
試験例1
アンジオテンシン変換酵素阻害活性測定法:ACE(シグマ社製、酵素番号EC3.4.15.1)2.5mU、合成基質:ヒプリル−L−ヒスチジル−L−ロイシン(ペプチド研究所製)12.5mMを用いLiebermanの測定法を改良した山本等の方法[非特許文献4]に準じて測定した。すなわち、生成した馬尿酸を酢酸エチルにて抽出し225nmの吸光度で測定した。被検液での吸光度をEs、被検液の代わりに緩衝液を加えた時の値をEc、予め反応停止液を加えて反応させた時の値をEbとして次式から阻害率(%)を求めた。
阻害率(%)=(Ec−Es)/(Ec−Eb)×100
ACE阻害剤の阻害活性IC50値は、ACEの酵素活性を50%阻害するために必要な試料の濃度(M)で示した。本発明に係るジペプチド:L−バリル−L−プロリンの牛肺血清のアンジオテンシン変換酵素に対する阻害活性(IC50値)は1.13μMと極めて高いものであった。
試験例2
高血圧自然発症ラットへ投与時の降圧効果:実験動物は日本チャールズ・リバー社より15週齢雄性高血圧自然発症ラット(以下、SHRと略記する。)を購入し、1週間の予備飼育後、収縮期血圧が160mmHg以上(体重280〜330g)の動物3匹1群として用いた。ラットは、室温23±2℃、湿度55±10%及び12時間明暗(午前6時〜午後6時点灯)に調整された飼育室でステンレスワイヤー製ラット用個別ゲージに1匹ずつ収容し飼育した。飼料はオリエンタル酵母社製MF粉末飼料を、飲水は自家揚水(水道水質基準適合)をそれぞれ自由に摂取させた。血圧は非観血的尾動脈血圧測定装置(理研開発社製、PS−100型)を用いtail−cuff法により、投与前を0時間とし、投与後27時間までと、投与後9週目までの期間で、SHR尾動脈の収縮期血圧(mmHg、上値)、平均血圧(mmHg)及び拡張期血圧(mmHg、下値)の測定を一定時間毎に各5回づつ行い、得られた測定値の最高値と最低値を棄却し、3回の平均値をもって各時間の測定値とした。本発明に係る合成ジペプチド;L−バリル−L−プロリン10mg/kgをSHRに27時間(h)まで経口投与した時の各血圧値(mmHg)についての結果は、表1に示すとおりである。
Figure 2007182414
Figure 2007182414
又、本発明に係る合成ジペプチド;L−バリル−L−プロリン10mg/kgをSHRに9週間(W)まで経口投与した時の各血圧値(mmHg)についての結果は、表2に示すとおりである。
Figure 2007182414
Figure 2007182414
これらの試験の結果、本発明係るジペプチドすなわち新規なかつお節ペプチドは、アンジオテンシン変換酵素阻害活性を有し、in vivo(生体内)においても有意な血圧降下作用を示すことが確認された。従って、本発明係るジペプチドすなわち新規なかつお節ペプチドは高血圧症の治療又は予防薬として有用である。尚、本発明係るジペプチドすなわちL−バリル−L−プロリンは、構造的にそのアミノ酸配列を部分構造とするペプチドにおいて、構造中に採用することもできる。
本発明に係るかつお節のモルシン分解液の、製造例1におけるSephadex G−25カラムクロマトグラフィーによるかつお節由来のペプチドの分離精製の結果を示す図である。尚、図中マーカーとして分子量6千のインシュリン、分子量3,500のインシュリンB鎖、分子量2,550のインシュリンA鎖、分子量1,450のバシトラシン及び分子量75のグリシンである。 本発明に係るかつお節ペプチドの、製造例1におけるSP−Sephadex C−25(H)カラムクロマトグラフィーによるかつお節由来のペプチドの分離精製の結果を示す図である。 本発明に係るかつお節ペプチドの、製造例1における逆相HPLCによるACE阻害作用を有するペプチドのフラグメントの分離精製の結果を示す図である。

Claims (2)

  1. 次式;L−バリル−L−プロリン
    で示されるジペプチド構造を有する新規なかつお節ペプチド。
  2. 次式;L−バリル−L−プロリン
    で示されるジペプチド構造を有する新規なかつお節ペプチドを有効成分として含有することを特徴とする血圧降下剤。
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