JPH07188283A - 新規なトリペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素 阻害剤 - Google Patents

新規なトリペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素 阻害剤

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JPH07188283A
JPH07188283A JP3182069A JP18206991A JPH07188283A JP H07188283 A JPH07188283 A JP H07188283A JP 3182069 A JP3182069 A JP 3182069A JP 18206991 A JP18206991 A JP 18206991A JP H07188283 A JPH07188283 A JP H07188283A
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amino acid
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブタ血漿のタンパク質分解酵素の分解液か
ら新規なアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有する新
規なペプチドを提供する。 【構成】 ブタ血漿をタンパク質分解酵素等で処理し、
新規なアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有する4種
のトリペプチドは(1)Ser−Leu−Tyr,
(2)Leu−Thr−Ala,(3)Tyr−Thr
−Lys,(4)Leu−Thr−Proであり、血圧
降下作用を有し、毒性も極めて低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬として有用性を有
する下記のアミノ酸の配列のペプチド構造を有するトリ
ペプチドならびにそのトリペプチドを有効成分とするア
ンジオテンシン変換酵素阻害剤に関する。 (式中、アミノ酸残基を表わす各記号は、アミノ酸化学
において慣用の表示法によるものである。)
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】高血圧
は、病因的に血圧上昇の明かなもの(病候性高血圧)と
不明なもの(本態性高血圧)とに大別されている。病候
性高血圧は原因となる疾患を治癒させることで高血圧を
治癒させることができるが、本態性高血圧では原因に対
する直接的な治療法は困難である。従来、レニン−アン
ジオテンシン系(以下、R・A系と略記する。)は、本
態性高血圧の重要な要因の一つであると考えられてお
り、ここ10年来、R・A系で中心的な役割を果してい
るアンジオテンシン変換酵素(以下、ACEと略記す
る。)の活性を阻害することによって、R・A系を調節
して本態性高血圧を調節する試みが行われてきた。その
ようなACE活性阻害を有する物質としては、合成化合
物の場合には、L−プロリン誘導体[M.A.Onde
tti,b.Rubin et al;Scienc
e,196,441(1977)]やそれをベースにし
た化合物が知られており、天然物由来の物質の場合には
蛇毒由来のブラジキニン増強因子(C末端がPro)
〔S.H.Ferreia.et al.:Bioch
emistry,9.3583(1970)〕、ゼラチ
ンのコラゲナーゼ消化物由来の6種類のペプチド(いず
れもC末端がGly−Lys)[G.Oshima,
H.Shimabukuro etal.:Bioch
im.Biophys.Acta.,556,128
(1979)〕、牛カゼインのトリプシン消化物由来の
ペプチド(C末端がGly−Lys)〔S.Maruy
ama,et al.:Agric.Biol.Cha
m.,46,1393(1982)〕等が知られてい
る。しかし、これら天然物由来の物質は、いずれも静脈
内投与で降圧効果が確認されているのみであり、経口投
与による薬理効果は不明であり、発見されてから長期間
経過しているが、未だ医薬品としての開発が進んでいる
との報告はない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ブタ血漿の
タンパク質分解酵素の分解液から薬理作用を有する物質
を検索し、新規な4種のトリペプチドが強いアンジオテ
ンシン変換酵素阻害作用を有することを見出した。そし
て、これら4種のトリペプチドを医薬として実用化する
ための研究を鋭意行つた。その結果、この4種のトリペ
プチドが血圧降下作用を有し、天然物由来のアンジオテ
ンシン変換酵素阻害薬剤としての有用性を見い出した。
本発明は係る知見に基づくものである。以下に、本発明
を詳細に説明する。本発明に係る新規なトリペプチド
は、次式(1)、(2)、(3)および(4) (式中の各記号はペプチド化学におけるアミノ酸配列の
各アミノ酸単位を示す。)の式で示されるL体のアミノ
酸の配列を有する新規なペプチドであり、常温における
性状は白色の粉末である。
【0004】前記の4種のトリペプチドは、化学的に合
成する方法またはブタ血漿のタンパク質分解酵素の分解
液から分離精製する方法を挙げることができる。本発明
に係る新規なトリペプチドを化学的に合成する場合に
は、液相法または固相法等の通常のペプチド合成方法に
よって行うことができるが、好ましくは、固相法によっ
てポリマー性の固相支持体へ前記トリペプチドのC末端
(カルボキシル末端側)からそのアミノ酸残基に対応し
たL体のアミノ酸を順次ペプチド結合によって結合して
行くのがよい。そして、そのようにして得られた合成ト
リペプチドは、トリフルオロメタンスルホン酸、フッ化
水素等を用いてポリマー性の固相支持体から切断した
後、アミノ酸側鎖の保護基を除去し、逆相系のカラムを
用いた高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと
略記する。)等を用いた通常の方法で精製することがで
きる。
【0005】上記したように、本発明に係る新規なトリ
ペプチドはブタ血漿のタンパク質分解酵素の分解液から
分離精製することができるが、その場合には、1991
年度日本農芸化学会大会(京都)講演要旨集p183
3Ap13の方法に準拠し、例えば、以下のようにして
行うことができる。上記の新規なトリペプチドを含有し
ているブタ血漿部分を取り出し加水分解する。加水分解
は常法に従って行う。例えば、ペプシン等のタンパク質
分解酵素で加水分解する場合は、ブタ血漿を必要とあれ
ば更に加水分解した後、酵素の至適値に調整し、酵素を
加えてインキュベートする。次いで必要に応じ中和した
後、酵素を失活させて加水分解液を得る。その加水分解
液を濾紙および/またはセライト等を用いて濾過するこ
とによって不溶性成分を除去し,得られた濾液をセロフ
ァン等の半透膜を用いて適当な溶媒(例えば、トリス−
塩酸緩衝液、リン酸緩衝液の中性の緩衝液等)中で十分
に透析し、その濾液中の成分で半透膜を通過した成分を
含む溶液を強酸性陽イオン交換樹脂(例えば、ダウケミ
カル社製のDowex 50w等)にかけ、その吸着溶
出分画からACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害活
性を有する成分を含有する分画を得、得られたACE阻
害活性分画をゲル濾過(例えば,フアルマシア社製のS
ephadex G−25等)によって分画し、得られ
たACE阻害活性分画を陽イオン交換ゲル濾過(例え
ば、ファルマシア社製のSP−Sephadex C−
25等)によって分画し、得られたACE阻害活性分画
を更に逆相HPLCによって分画する。
【0006】この新規な4種のトリペプチドは、静脈内
への繰返し投与を行った場合、抗体産生を惹起せず、ア
ナフイラキシーショックを起こさない。また、このトリ
ペプチドはL−アミノ酸のみの配列構造からなり、投与
後、生体内のプロテアーゼにより徐々に分解される為,
毒性は極めて低く安全性は極めて高い(LD50>50
00mg/Kg:ラット経口投与)。本発明に係る新規
なトリペプチドは、通常用いられる賦形剤等の添加物を
用いて注射剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等に調
整することができる。投与法としては、通常は、ACE
を有している哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ラット等)
に注射すること、あるいは経口投与することがあげられ
る。投与量は、例えば、動物体重1kg当りこのトリペ
プチドを0.01〜10mgの量である。投与回数は、
通常1日1〜4回程度であるが、役与経路によって、適
宜、調整することができる。上記の各種製剤において用
いられる賦形剤、結合剤、滑沢剤の種類は、特に限定さ
れず、通常の注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤あるいはカプ
セル剤に用いられるものを使用することができる。
【0007】錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤に用いる
添加剤としては、下記のものをあげることができる。賦
形剤としては、結晶セルロース等の糖類、マンニトール
等の糖アルコール類、でんぷん類、無水リン酸カルシウ
ム等;結合剤としてはでんぷん類、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース等;崩壊剤としてはカルボキシメチル
セルロースおよびそのカルウム塩類;滑沢剤としてはス
テアリン酸およびその塩類、タルク、ワツクス類を挙げ
ることができる。また、製剤の調整にあたっては、必要
に応じメントール、クエン酸およびその塩類、香料等の
矯臭剤を用いることができる。注射用の無菌組成物は、
常法により、本発明に係る新規なトリペプチドを、注射
用水、生理食塩液およびキシリトールやマンニトールな
どの糖アルコール注射液、プロピレングリコールやポリ
エチレングリコール等のグリコールに溶解または懸濁さ
せて注射剤とすることができる。この際、緩衝液、防腐
剤、酸化防止剤等を必要に応じて添加することができ
る。本発明の新規なトリペプチドを含有する製剤は凍結
乾燥品または乾燥粉末の形とし、用時、通常の溶解剤、
例えば水または生理食塩液にて溶解して用いることもで
きる。
【0008】本発明に係る新規なトリペプチドは、優れ
たアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有し、血圧降下
作用、ブラジキニン不活性抑制作用を示す。したがっ
て、本態性高血圧、腎性高血圧、副腎性高血圧等の高血
圧症の予防、治療剤、これらの疾患の診断剤や各種の病
態において用いられる血圧降下剤として有用であり、更
にうつ血性心不全に対する臓器循環の正常化と長期予後
の改善(延命効果)作用を有し、心不全の治療剤として
有用である。
【0009】
【実施例】以下に実施例として、製造例及び試験例を記
載し、本発明を更に詳細に説明する。 製造例1 ブタ血漿500mlを1N塩酸にてpHを2.0に調整
し、ペプシン(メルク社製、酵素番号 EC 3.4.
23.1)10gを添加し、37℃で20時間撹拌しな
がら加水分解を行った。分解反応液を直ちに限外濾過膜
(アミコン社製、YM10型、φ76mm)に通過さ
せ、通過液を強酸性陽イオン交換樹脂カラム Dowe
x 50WX4[H](φ4.5x15cm)に加え
た。カラムを脱イオン水で十分に洗浄した後、2N水酸
化アンモニウム液2Lを用いて溶出した。減圧濃縮によ
りアンモニアを除去し、濃縮液40mlを得た。濃縮液
4mlを予め脱イオン水で緩衝化したSephadex
G−25 カラム(φ2.5x150cm)に負荷
し、流速30ml/hr、各分画量8.3mlでゲル濾
過した。上記のゲル濾過を繰り返して大量分取したAC
E阻害活性の高い分画を集め、凍結乾燥してペプチド粉
末とした。このペプチド粉末を脱イオン水に溶解した
後、予め、脱イオン水で緩衝化したSP−Sephad
ex C−25[H](φ1.5x47.2cm)に
負荷し、脱イオン水から3%塩化ナトリウム液での濃度
勾配法によりクロマトグラフィーを行った。その結果は
図1に示すとおりである。
【0010】上記クロマトグラフ中、分画番号20〜2
9のACE阻害活性分画を集めて凍結乾燥して精製トリ
ペプチド粉末を得た。このトリペプチド粉末を脱イオン
水に溶解した後HPLCを行った。条件はカラムとして
野村化学(株)製Develosil ODS−50
(φ4.6mm IDx25cm L)を使用し、移動
相として0.05%トリフルオロ酢酸(以下、TFAと
略記する。)から25%アセトニトリル/0.05%T
FAの濃度勾配法により、流速1.0ml/min、検
出波長220nmでクロマトグラフィーを行い、ACE
阻害作用を有するトリペプチドを得た。その結果は図2
に示すとおりである。 {溶出時間;(1)のトリペプリド48.5分、(2)
のトリペプチド68.9分、(3)のトリペプチド7
9.1分、(4)のトリペプチド88.2分} このようにして得られたACE阻害作用を有するトリペ
プチドのアミノ酸配列は、アプライドバイオシステム社
製のプロテインシーケンサー477 A型を用いて決定
された。その結果、4種のトリペプチドは、それぞれ、 で示されるL体のアミノ酸残基からなる配列を有するト
リペプチドであることが確認された。
【00011】製造例2 本例は、合成法による製造例である。 Ser−Leu−Tyrの合成法。 アプライドバイオシステム社製のペプチド自動合成装置
430 A型を用いた固相法によって当該トリペプチド
を合成した。固相担体としては、スチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合体(ポリスチレン樹脂)をクロロメチル化
した樹脂を使用した。まず、当該トリペプチドのアミノ
酸配列に従って、常法どおり、そのC末端側のTyrか
らクロロメチル樹脂に反応させ、ペプチド結合樹脂を得
た。このときのアミノ酸は、t−ブトキシカルボニル
(以下 t−Bocと略記す。)基で保護されたt−B
ocアミノ酸を使用した。次にこのペプチド結合樹脂を
エタンジチオールとチオアニソールからなる混合液に懸
濁し、室温で10分間撹拌後、氷冷下でトリフルオロ酢
酸を加え、さらに10分間撹拌した。この混合液にトリ
フルオロメタンスルホン酸を滴下し、室温で30分間撹
拌した後、無水エーテルを加えてその生成物を沈澱させ
て分離し、その沈澱物を無水エーテルで数回洗浄した
後、減圧下で乾燥した。このようにして得られた末精製
の合成ペプチドは蒸留水に溶解した後、逆相系のカラム
18(5μ)を用いたHPLCにより精製した。移動
相として(A)0.1%TFA含有蒸留水、(B)0.
1%TFA含有アセトニトリル溶液を使用し、(A)液
が20分間で98%→78%の濃度勾配法により流速
1.5ml/minでクロマトグラフィーを行った。紫
外部波長215nmで検出し、最大の吸収を示した溶出
分画を分取し、これを凍結乾燥することによって目的と
する合成トリペプチドを得た。
【0012】この合成トリペプチドをマススペクトルに
より分析した結果、アミノ酸配列構造を有するトリペプ
チドであることが確認された。このマススペクトルの結
果は図3に示すとおりである。他の3つのトリペプチド
についても上記合成方法に準じ固相法によりそれぞれC
末端側から反応させ合成した。末精製の合成トリペプチ
ドは以下に示すとおり精製した。 Leu−Thr−Alaの精製法 逆相系のカラムC18(5μ)を用いたHPLCにより
精製した。移動相として(A)0.1%TFA含有蒸留
水、(B)0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を使
用し、(A)液が20分間で90%→60%の濃度勾配
法により流速1.5ml/minでクロマトグラフィー
を行った。紫外部波長215nmで検出し、最大の吸収
を示した溶出分画を分取し、これを凍結乾燥することに
よって目的とする合成トリペプチドを得た。
【0013】この合成トリペプチドをマススペクトルに
より分析した結果、アミノ酸配列およびアミノ酸組成が
前記式で示したアミノ酸配列構造を有するペプチドであ
ることが確認された。このマススペクトルの結果は図4
に示すとおりである。 Tyr−Thr−Lysの精製法 逆相系のカラムC18(5μ)を用いたHPLCにより
精製した。移動相として(A)0.1%TFA含有蒸留
水、(B)0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を使
用し、(A)液が20分間で98%→78%の濃度勾配
法により流速1.5ml/minでクロマトグラフィー
を行った。紫外部波長215nmで検出し、最大の吸収
を示した溶出分画を分取し、これを凍結乾燥することに
よって目的とする合成トリペプチドを得た。この合成ト
リペプチドをマススペクトルにより分析した結果、アミ
ノ酸配列およびアミノ酸組成が前記式で示したアミノ酸
配列構造を有するペプチドであることが確認された。こ
のマススペクトルの結果は図5に示すとおりである。 Leu−Thr−Proの精製法 逆相系のカラムC18(5μ)を用いたHPLCにより
精製した。移動相として(A)0.1%TFA含有蒸留
水、(B)0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を使
用し、(A)液が20分間で98%→78%の濃度勾配
法により流速1.5ml/minでクロマトグラフィー
を行った。紫外部波長215nmで検出し、最大の吸収
を示した溶出分画を分取し、これを凍結乾燥することに
よって目的とする合成トリペプチドを得た。この合成ト
リペプチドをマススペクトルにより分析した結果、アミ
ノ酸配列およびアミノ酸組成が前記式で示したアミノ酸
配列構造を有するペプチドであることが確認された。こ
のマススペクトルの結果は図6に示すとおりである。合
成によって得られた本発明の4種のトリペプチドは、以
下に示す試験によって薬理効果が確認された。
【0014】試験例1 (アンジオテンシン変換酵素阻害活性)ACE(シグマ
社製、酵素番号 EC3.4.15.1)2.5mU、
合成基質 Hippuryl−L−h−istidyl
−L−leucine(ペプチド研究所製)12.5m
Mを用いLiebermanの測定方法を改良した山本
等の方法(日胸疾会誌,18,297−302(198
9))に準じて測定した。すなわち、生成した馬尿酸を
酢酸エチルにて抽出し、225nmの吸光度で測定し
た。被検液での吸光度をEs、被検液の代わりに緩衝液
を加えた時の値をEc、予め反応停止液を加えて反応さ
せた時の値をEbとして次式から阻害率を求めた。 阻害率(%)=(Ec−Es)/(Ec−Eb)×10
0 ACE阻害剤の阻害活性IC50値は、ACEの酵素活
性を50%(阻害率)阻害するために必要な試料の濃度
(M)で示した。本発明に係る4種のトリペプチドの牛
肺血清のアンジオテンシン変換酵素に対する阻害活性は
表1とおりである。
【0015】
【表1】 阻害活性 IC50値
【0016】試験例2 (ラットへ投与時の降圧効果)実験動物は日本チャール
ズ・リバー(株)より15週令雄性高血圧自然発症ラッ
ト(SHR)を購入し、1週間の予備飼育後、収縮期血
圧が160mmHg以上(体重280〜330g)の動
物3匹1群として用いた。血圧は非観血的尾動脈血圧測
定装置((株)理研開発製、PS−100)を用いta
il−cuff法により、投与前、役与後1時間、2時
間、3時間、4時間、5時間のSHR尾動脈の収縮期血
圧(SBP)、平均血圧(MBP)および心拍数(H
R)の測定を測定時間毎に5回おこない、得られた測定
値の最高値と最低値を棄却し、3回の平均値をもって各
時間の測定値とした。それぞれの変動値は、投与直前の
平均値を0時間の測定値とし、各時間の平均値より0時
間の平均値を減じその差を求めて算出した。4種類の合
成トリペプチド50mg/kgをSHRに静脈投与した
時の血圧値および心拍数への作用についての結果は、図
7、図8,図9および図10に示すとおりである。以上
の試験の結果、本発明に係る4種のトリペプチドはアン
ジオテンシン変換酵素阻害活性を有し、in vivo
においても有意な血圧降下作用を示すことが確認され
た。したがって、本発明に係る4種のトリペプチドは高
血圧症の治療または予防薬として有用である。なお、本
発明に係る4種のトリペプチドは、構造的にそのアミノ
酸配列を部分構造とするペプチドにおいて、構造中に採
用することもできる。
【0017】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る4種のトリペプチドの、製造例1
におけるSP−SephdexC−25[H+]カラム
クロマトグラフィーによるACE阻害ペプチドの分離精
製の結果を示す図である。
【図2】同、製造例1における逆相HPLCによるAC
E阻害トリペプチドの分離精製の結果を示す図である。
【図3、図4、図5、図6】それぞれ、同、製造例2で
得られた4種のトリペプチドのマススペクトルを示す図
である。
【図7、図8、図9、図10】それぞれ、同、製造例2
で得られた4種のトリペプチドを、それぞれSHRに投
与した場合の血圧値(収縮期血圧、平均血圧)および心
拍数の経時的変化を示す図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なトリペプチド。
  2. 【請求項2】 で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なトリペプチドを有効成分として含有するこ
    とを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
  3. 【請求項3】 で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なトリペプチド。
  4. 【請求項4】 で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なトリペプチドを有効成分として含有するこ
    とを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
  5. 【請求項5】 で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なトリペプチド。
  6. 【請求項6】 で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なトリペプチドを有効成分として含有するこ
    とを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
  7. 【請求項7】 で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なトリペプチド。
  8. 【請求項8】 で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有することを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害
    剤。
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