JP2007180798A - ハイブリッド型スピーカシステム - Google Patents

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▲菁▼ 堤
Kunio Takahashi
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Abstract

【課題】導電振動スピーカユニットと圧電振動スピーカユニットとを組み合わせたハイブリッド型スピーカの新規な構成を提供する。
【解決手段】第一音響手段を構成する実質的密閉空間である音響干渉室18において、導電振動スピーカユニット20の駆動によって生ずる疎密波と圧電振動スピーカユニット25の第一圧電素子22、第二圧電素子23の駆動によって生ずる疎密波とを干渉させて第一の合成疎密波を生成する。さらに、圧電振動スピーカユニットの第一振動板26と第二振動板32との間の空隙部33が第二音響振動手段となって、第一の合成疎密波と圧電振動スピーカユニットの第三圧電素子24の駆動によって生ずる疎密波とを干渉させて第二の合成疎密波を生成する。第一及び第二の圧電素子は第一振動板に中心支持されて第一音響手段内に位置し、第三の圧電素子は第二振動板に中心支持されて第二音響手段内に位置する。
【選択図】図1

Description

本発明は導電振動スピーカユニットと圧電振動スピーカユニットとを組み合わせて用いたハイブリッド型スピーカシステムに関する発明である。
スピーカシステムとしては古くから導電型振動体を用いたダイナミックスピーカが普及しているが、その機構・原理上、原音を忠実に再現することがほとんど不可能であるという致命的な欠陥を抱えている。
また、バイモルフなどの圧電型振動体を用いたスピーカ(セラミックスピーカなどとも呼ばれる)も開発されているが、中高音の再現性には優れているものの、振幅が小さいことから迫力ある低音を出すことが困難である。
そこで、圧電型振動体と導電型振動体の両方を具備したハイブリッド型スピーカが提案されるに至っている。たとえば、下記特許文献1には、音響振動板に高音用一次振動板と低音用一次振動体を介して取着された圧電型振動体と導電型振動体を具備するスピーカシステムが開示されている。
特開2001−238285号公報 また、下記特許文献2には、スピーカボックス内に、ダイナミックスピーカを備える大容積部と、複数の圧電振動板によって駆動する音響振動板を備える小容積部とが隔壁によって分離された実質的密閉空間として設けられた構成のスピーカシステムが開示されている。このスピーカシステムでは、ダイナミックスピーカが低音を担当し、音響振動板を高音を担当する。 実用新案登録第3037167号公報
しかし、上記特許文献1,2に開示されるようなハイブリッド型スピーカは、圧電型振動体を単独で用いた場合に比べてある程度は低音特性の改善効果が認められるものの、必ずしも満足できる性能を発揮できるものではなかった。
すなわち、特許文献1記載のスピーカシステムでは圧電型振動体と導電型振動体とが隣接して配置されているため、導電型振動体から発せられる音圧の影響により圧電型振動体が必要以上に振動してしまい、高音域ではクリアな音を発生させることができるが、中音域において所望音圧を再現することができない。
また、特許文献2記載のスピーカシステムにおいては、ダイナミックスピーカからの低音と圧電振動板スピーカからの高音とが別個の容積部からそれぞれ発生するため、融合性を欠いた不自然な音として聴取されやすいという課題がある。
本発明者らは、導電型振動体(ダイナミックスピーカ)と圧電型振動体(セラミックスピーカ)とを組み合わせたハイブリッド型スピーカシステムについてさらに研究と開発を重ねた結果、これら各振動体から放出される疎密波をスピーカボックス内で一次干渉させて新たな疎密波を合成し、この合成した疎密波を外部に出力することによって、従来では得ることのできなかった「いい音」として人間の耳に聴取されることを知見して、本発明を完成するに至った。
本発明は、従来のスピーカが原音の忠実再現性を追及していたのとは全く異なる音響理念に準拠している。スピーカの音響再現メカニズムが、空気の粗密波という物理的現象である原音を電気信号に変換して増幅し、それを再度粗密波に変換して音として再生するというものである限り、原音を忠実に再現するという命題にはそもそも本質的に限界があり、これを追求しても満足のいく結果を得ることは不可能である。これに対し、本発明のハイブリッド型スピーカシステムは、導電振動スピーカと圧電振動スピーカを単に組み合わせて用いるだけでなく、各々から放出される粗密波を単一の実質的密閉空間内で混合することにより新たな粗密波を生成し、言い換えれば新たな音を生成し、これを出力することを提案するものである。
すなわち、請求項1に係る本発明は、導電振動スピーカユニットと圧電振動スピーカユニットとを組み合わせてなるハイブリッド型スピーカにおいて、導電振動スピーカユニットの駆動によって生ずる疎密波と圧電振動スピーカユニットの駆動によって生ずる疎密波とを干渉させて第一の合成疎密波を生成する第一音響干渉手段と、この第一の合成疎密波と圧電振動スピーカユニットの駆動によって生ずる疎密波とを干渉させて第二の合成疎密波を生成する第二音響手段とを備えることを特徴とする。
請求項2に係る本発明は、請求項1記載のハイブリッド型スピーカにおいて、第一音響干渉手段がスピーカボックス内の実質的密閉空間として形成され、第二音響干渉手段が該実質的密閉空間と外界との間の開放領域として形成されることを特徴とする。
請求項3に係る本発明は、請求項1または2記載のハイブリッド型スピーカにおいて、導電振動スピーカユニットが第一エンクロージャに設けられると共に、圧電振動スピーカユニットが第一エンクロージャの上方に位置する第二エンクロージャに設けられ、第一エンクロージャ内に形成される実質的密閉空間が第一音響干渉手段として働くことを特徴とする。
請求項4に係る本発明は、請求項3記載のハイブリッド型スピーカにおいて、圧電振動スピーカユニットが、第二エンクロージャの少なくとも一面に形成された開口部に対して振動可能に取着された第一振動板と、第一振動板に中心支持された一または複数の内側圧電素子と、第一振動板の外側に適当間隔をおいて連結された第二振動板と、第二振動板に中心支持された一または複数の外側圧電素子とを備えて構成され、第一振動板と第二振動板との間の空隙部が第二音響干渉手段として働くことを特徴とする。
請求項5に係る本発明は、請求項4記載のハイブリッド型スピーカにおいて、第二振動板は第一振動板より大きく、且つ、第一振動板より低密度の材料で形成されることを特徴とする。
請求項6に係る本発明は、請求項3ないし5のいずれか4記載のハイブリッド型スピーカにおいて、圧電振動スピーカユニットが第一エンクロージャと第二エンクロージャとを仕切る仕切板に第二エンクロージャに向けて配置されることを特徴とする。
請求項7に係る本発明は、請求項6記載のハイブリッド型スピーカにおいて、第一エンクロージャと第二エンクロージャの内部空間を連通させる連通手段が形成され、圧電振動スピーカユニットの駆動によって第一エンクロージャの内部空間に発生した疎密波を該連通手段を介して第二エンクロージャ内に進入させるようにしたことを特徴とする。
請求項8に係る本発明は、請求項7記載のハイブリッド型スピーカにおいて、第一エンクロージャと第二エンクロージャの内部空間を仕切る仕切板が設けられ、この仕切板を貫通する連通路が上記連通手段を構成することを特徴とする。
請求項9に係る本発明は、請求項8のハイブリッド型スピーカにおいて、圧電振動スピーカユニットが仕切板に第二エンクロージャに向けて配置され、圧電振動スピーカユニットの駆動によって発生する疎密波が直接第二エンクロージャの内部空間を進行すると共に、圧電振動スピーカユニットの背面側から第一エンクロージャの内部空間に発生した疎密波は連通路を介して第二エンクロージャに進入することを特徴とする。
請求項10に係る本発明は、請求項6記載のハイブリッド型スピーカにおいて、圧電振動スピーカユニットが第一エンクロージャの側面に外方に向けて配置され、圧電振動スピーカユニットの駆動によって圧電振動スピーカユニットの背面側から第一エンクロージャの内部空間に発生した疎密波を前記連通手段を介して第二エンクロージャに進入させるようにしたことを特徴とする。
請求項11に係る本発明は、請求項10記載のハイブリッド型スピーカにおいて、前記連通手段が、第一エンクロージャの第二エンクロージャの頂面に形成した貫通孔と、この貫通孔と略整列して第二エンクロージャの底面を貫通して第二エンクロージャの内部空間で開口する案内管とを有してなることを特徴とする。
請求項12に係る本発明は、請求項11記載のハイブリッド型スピーカにおいて、案内管が圧電振動スピーカユニットの内側及び外側圧電素子の中心と略々高さ位置で開口していることを特徴とする。
請求項13に係る本発明は、請求項10または11記載のハイブリッド型スピーカにおいて、前記連通手段が、第一エンクロージャから第二エンクロージャに伝わる音圧を調整するために貫通孔に嵌着される音圧調整ブッシュを更に有することを特徴とする。
本発明は、導電振動スピーカユニットと圧電振動スピーカユニットとを組み合わせたハイブリッド型スピーカシステムにおいて、第一音響手段において、導電振動スピーカユニットの駆動によって生ずる疎密波と圧電振動スピーカユニットの駆動によって生ずる疎密波とを干渉させて第一の合成疎密波を生成し、さらに、この第一の合成疎密波と圧電振動スピーカユニットの駆動によって生ずる疎密波とを干渉させて第二の合成疎密波を生成するものであり、従来とは全く異なる発想に基づいて、新たな粗密波を生成し、言い換えれば新たな音を生成する。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は実施例1によるハイブリッド型スピーカシステム10を示す。このハイブリッド型スピーカシステム10は、縦長のスピーカボックス12が仕切板14により下方の小空間部16と上方の大空間部18とに区画されている。上方の大空間部18は、後述するように、導電振動スピーカユニット20の駆動による疎密波と圧電振動スピーカユニット25の駆動による疎密波とが互いに干渉し合って新たな合成疎密波を生成するための第一音響干渉手段ないし音響干渉室として働く。
仕切板14には、導電型振動体よりなる導電振動スピーカユニット20がコーン21を上向きにして大空間部18に開口するようにして取着されている。また、仕切板14には、下方小空間部16と上方大空間部18とを連通するための連通路17が任意位置に任意数貫通形成されている。すなわち、下方小空間部16は実質的に密閉された空間であるが、連通路17を介して上方大空間部18と通じている。
上方大空間部18の一面を構成するスピーカボックス12の前面パネル13には、第一圧電素子22、第二圧電素子23及び第三圧電素子24を備えた圧電振動スピーカユニット25が取着されている。
第一圧電素子22と第二圧電素子23は、第一振動板26に固定された心棒27に適当間隔をおいて同軸に中心支持された円盤状の圧電振動板22a,23aと、該圧電振動板の外周に固着された環状部材22b,23bとを有して構成されている。圧電振動板22a,23aは、公知のように、黄銅などの金属製の薄円板の両側面にチタン酸バリウムやチタン酸ジルコン酸鉛などの強誘電性セラミックス材料による薄円板を接合して形成することができる。環状部材22b,23bはたとえばゴム製であり、振動制御片ないし慣性質量体として働く。
第一振動板26は発泡スチロールやベニア(航空ベニアを含む)などで形成され、支持フレーム28に対して振動可能に取り付けられている。詳しくは、図2に示すように、スピーカボックス12の前面パネル13から若干後退した位置に支持フレーム28が固定され、該支持フレーム28の前面側にフレーム開口28aに突出するように接着剤などで四周枠状のゴムダンパー29が固定され、このゴムダンパー29に対して第一振動板26を接着剤などで固定している。
第一振動板26には任意箇所に任意数の開口30が形成されている。この開口30は、後述するように、上部大空間部18内での一次干渉によって生成されたハイブリッド音を外部に放出するための放音孔として働く。
第一振動板26に間座31を介して第二振動板32が連結されている。第二振動板32も第一振動板26と同様に発泡スチロール、ベニア(航空ベニアを含む)やバイオリン甲板のような木質板などで形成されるが、第一振動板26より高密度の材料で形成されている。また、第二振動板32は第一振動板26より大きな寸法を有することが好ましく、任意の形状に形成される。
第二振動板32は間座31を介して第一振動板26と連結されているので、第一振動板26と第二振動板32との間には空隙部33が形成される。そして、前述の第三圧電素子24は、この空隙部33に臨むように第二振動板32に取着されており、第二振動板32に固定された心棒34に中心支持された円盤状の圧電振動板24aと、該圧電振動板の外周に固着された環状部材24bとを有して構成されている。圧電振動板24a及び環状部材24bについては、前述の第一及び第二圧電素子22,23における圧電振動板22a,23a及び環状部材22b,23bについての記載を参照されたい。
第一振動板26と第二振動板32との間の空隙部33は、後述するように、音響干渉室としての上方大空間部18で合成された疎密波と第三圧電素子24の駆動による疎密波とが互いに干渉し合って新たな疎密波を合成するための第二音響干渉手段ないし音響干渉界として働く。
以上のように構成された本実施例のハイブリッド型スピーカシステム10の作用について説明する。
導電振動スピーカユニット20と圧電振動スピーカユニット25にアンプ(図示せず)から同一のオーディオ信号が印加されると、該オーディオ信号の電圧レベルに応じて、導電振動スピーカユニット20のコーン21及び圧電振動スピーカユニット25の圧電振動板22a,23a,24aが振動して空気の疎密波を生成する。
導電振動スピーカユニット20からの疎密波は比較的緩慢な速度で上方大空間部18に拡がっていく。導電振動スピーカユニット20からの疎密波は下方小空間部16に向けても放出されるが、下方小空間部16は実質的に閉塞されていて連通路17のみで上方大空間部18と通じているので、この疎密波も連通路17を介して上方大空間部18に入り込んで進行する。
一方、圧電振動スピーカユニット25が駆動されると、その第一圧電素子22と第二圧電素子23の圧電振動板22a,23aの振動によって生ずる疎密波が上方大空間部18内を比較的速い速度で拡がっていく。したがって、上方大空間部18において、導電振動スピーカユニット20からの疎密波(A)と圧電振動スピーカユニット25の第一圧電素子22と第二圧電素子23からの疎密波(B)とが互いに山・谷を打ち消し合うように干渉し合って一次合成疎密波(A+B)を生成する。すなわち、上方大空間部18は第一音響干渉手段ないし音響干渉室として働く。そして、ここで生成された一次合成疎密波(A+B)は、第一振動板26に形成された放音孔30を通って空隙部33に放出される。
また、圧電振動スピーカユニット25は第三圧電素子24をも含んでおり、この第三圧電素子24は第二振動板32に連結されて空隙部33内に位置している。したがって、上方大空間部18で生成され放音孔30から空隙部33に放出された一次合成疎密波(A+B)は、さらに、第三圧電素子24の圧電振動板24aおよび第二振動板32の振動によって生ずる疎密波(C)との間で互いに山・谷を打ち消し合うように干渉し合って二次合成疎密波(A+B+C)を生成する。すなわち、第一振動板26と第二振動板32との間の空隙部33は第二音響干渉手段ないし音響干渉界として働く。また、第二振動板32は第一振動板26に間座31のみで連結されおり且つ第一振動板26より低密度の材料で形成されているので、一次合成疎密波(A+B)を加勢するように働いて二次合成疎密波(A+B+C)を生成する。この二次合成疎密波(A+B+C)がスピーカ10の外部に放出されることになるが、疎密波(A)、(B)、(C)の任意の組み合わせによって二次合成粗密波(A+B+C)を自在に設定することができ、人間が「いい音」として聴取するハイブリッド音としての無限の可能性を追求することができる。
図3は実施例2によるハイブリッド型スピーカシステム40を示す。このハイブリッド型スピーカシステム40には、下方に導電振動スピーカユニット42を備えた第一エンクロージャ41が設けられると共に、上方に圧電振動スピーカユニット47を備えた第二エンクロージャ46が設けられている。
第一エンクロージャ41は導電振動スピーカユニット42のためのスピーカボックスであり、実質的に密閉空間を与えているが、コーン43を前面に露出させてその振動によって前方に疎密波を放出している。また、この実施例では、第一エンクロージャ41内の音圧を外部に放出して低音域を増強するためのバスレフポート44が後面に開口している。さらに、第一エンクロージャ41の頂面には貫通孔45が形成されており、後述する音圧調整ブッシュ53及び案内管54を介して第一エンクロージャ41の内部空間と第二エンクロージャ46の内部空間とを連通させている。
第二エンクロージャ46は圧電振動スピーカユニット47のためのスピーカボックスであり、その前面に第一圧電素子48、第二圧電素子49及び第三圧電素子50を備えた圧電振動スピーカユニット47が取着されている。これら第一ないし第三の圧電素子48,49,50を備えた圧電振動スピーカユニット47の構成は、実施例1のハイブリッド型スピーカ10において第一ないし第三の圧電素子22,23,24を備えた圧電振動スピーカユニット25と略同一であるので、詳細な説明を割愛するが、第一振動板51は、実施例1のハイブリッド型スピーカ10における第一振動板26とは異なり、放音孔(30)を有しない。
第二エンクロージャ46は実質的に密閉された空間を与えているが、第一エンクロージャ41の頂面貫通穴45に嵌着された音圧調整ブッシュ53及び第二エンクロージャ46の底面に形成された開口(図示せず)に接着剤などで固定された案内管54を介して、第一エンクロージャ41の内部空間と第二エンクロージャ46の内部空間とが連通している。音圧調整ブッシュ53はたとえばポリエステルなどの合成樹脂材料、金属材料などの平滑面を与える材料で形成される。案内管54も同様にポリエステルなどの合成樹脂材料、金属材料などで構成することができ、その上端は圧電振動スピーカユニット47の第一ないし第三圧電素子48,49,50の圧電振動板48a,49a,50aの共通軸と略等しい高さ位置まで延長している。
以上のように構成された本実施例のハイブリッド型スピーカシステム40の作用について説明する。
導電振動スピーカユニット42と圧電振動スピーカユニット47にアンプ(図示せず)から同一のオーディオ信号が印加されると、該オーディオ信号の電圧レベルに応じて、導電振動スピーカユニット42のコーン43及び圧電振動スピーカユニット47の圧電振動板48a,49a,50aが振動して空気の疎密波を生成する。
導電振動スピーカユニット42からの疎密波はコーン43から第一エンクロージャ41の外部に放出されると共に、第一エンクロージャ41の内部空間に向けても放出される。この疎密波の進行は比較的緩慢である。そして、第一エンクロージャ41の内部空間を進行する疎密波は、その上部の音圧調整ブッシュ53及び案内管54を通って第二エンクロージャ46の内部空間へと移動する。
一方、圧電振動スピーカユニット47が駆動されると、その第一圧電素子48と第二圧電素子49の圧電振動板48a,49aの振動によって生ずる疎密波が第二エンクロージャ46の内部に向けて比較的速い速度で拡がっていく。したがって、第二エンクロージャ46の内部空間において、導電振動スピーカユニット42からの疎密波(A)と圧電振動スピーカユニット47の第一圧電素子48と第二圧電素子49からの疎密波(B)とが互いに山・谷を打ち消し合うように干渉し合って一次合成疎密波(A+B)を生成する。すなわち第二エンクロージャ46の内部空間は第一音響干渉手段ないし音響干渉室として働く。そして、ここで生成された一次合成疎密波(A+B)は、第一振動板51の振動を介して、第一振動板51と第二振動板52との間の空隙部55に放出される。
また、圧電振動スピーカユニット47は第三圧電素子50を含んでおり、この第三圧電素子50は第二振動板52に連結されて空隙部55内に位置している。したがって、第二エンクロージャ46で生成されて空隙部55に放出された一次合成疎密波(A+B)は、さらに、第三圧電素子50の圧電振動板50aの振動によって生ずる疎密波(C)との間で互いに山・谷を打ち消し合うように干渉し合って二次合成疎密波(A+B+C)を生成する。すなわち、第一振動板51と第二振動板52との間の空隙部55は第二音響干渉手段ないし音響干渉界として働く。また、第二振動板52は第一振動板51に間座56のみで連結されおり且つ第一振動板51より低密度の材料で形成されているので、一次合成疎密波(A+B)を加勢するように働いて二次合成疎密波(A+B+C)を生成する。この二次合成疎密波(A+B+C)がスピーカ40の外部に放出されることになるが、疎密波(A)、(B)、(C)の任意の組み合わせによって二次合成粗密波(A+B+C)を自在に設定することができ、人間が「いい音」として聴取するハイブリッド音としての無限の可能性を追求することができる。
本発明の実施例1によるハイブリッド型スピーカの側断面図である。 図1における第一振動板の取付部を示す拡大図である。 本発明の実施例2によるハイブリッド型スピーカの側断面図である。 図3のハイブリッド型スピーカの上部からスピーカボックス内部を覗いた図である。
符号の説明
10 ハイブリッド型スピーカシステム
12 スピーカボックス
14 仕切板
16 下方小空間部
17 連通路
18 上方大空間部(第一音響干渉手段、音響干渉室)
20 導電振動スピーカユニット
21 コーン
22 第一圧電素子(内側圧電素子)
23 第二圧電素子(内側圧電素子)
24 第三圧電素子(外側圧電素子)
25 圧電振動スピーカユニット
26 第一振動板
27 心棒
28 支持フレーム
29 ゴムダンパー
30 放音孔
31 間座
32 第二振動板
33 空隙部(第二音響干渉手段、音響干渉界)
40 ハイブリッド型スピーカシステム
41 第一エンクロージャ
42 導電振動スピーカユニット
43 コーン
44 バスレフポート
45 貫通孔
46 第二エンクロージャ
47 圧電振動スピーカユニット
48 第一圧電素子(内側圧電素子)
49 第二圧電素子(内側圧電素子)
50 第三圧電素子(外側圧電素子)
51 第一振動板
52 第二振動板
53 音圧調整ブッシュ
54 案内管
55 間隙部
56 間座

Claims (13)

  1. 導電振動スピーカユニットと圧電振動スピーカユニットとを組み合わせてなるハイブリッド型スピーカにおいて、導電振動スピーカユニットの駆動によって生ずる疎密波と圧電振動スピーカユニットの駆動によって生ずる疎密波とを干渉させて第一の合成疎密波を生成する第一音響干渉手段と、この第一の合成疎密波と圧電振動スピーカユニットの駆動によって生ずる疎密波とを干渉させて第二の合成疎密波を生成する第二音響手段とを備えることを特徴とする、ハイブリッド型スピーカ。
  2. 第一音響干渉手段がスピーカボックス内の実質的密閉空間として形成され、第二音響干渉手段が該実質的密閉空間と外界との間の開放領域として形成されることを特徴とする、請求項1記載のハイブリッド型スピーカ。
  3. 導電振動スピーカユニットが第一エンクロージャに設けられると共に、圧電振動スピーカユニットが第一エンクロージャの上方に位置する第二エンクロージャに設けられ、第一エンクロージャ内に形成される実質的密閉空間が第一音響干渉手段として働くことを特徴とする、請求項1または2記載のハイブリッド型スピーカ。
  4. 圧電振動スピーカユニットが、第二エンクロージャの少なくとも一面に形成された開口部に対して振動可能に取着された第一振動板と、第一振動板に中心支持された一または複数の内側圧電素子と、第一振動板の外側に適当間隔をおいて連結された第二振動板と、第二振動板に中心支持された一または複数の外側圧電素子とを備えて構成され、第一振動板と第二振動板との間の空隙部が第二音響干渉手段として働くことを特徴とする、請求項3記載のハイブリッド型スピーカ。
  5. 第二振動板は第一振動板より大きく、且つ、第一振動板より低密度の材料で形成されることを特徴とする、請求項4記載のハイブリッド型スピーカ。
  6. 圧電振動スピーカユニットが第一エンクロージャと第二エンクロージャとを仕切る仕切板に第二エンクロージャに向けて配置されることを特徴とする、請求項3ないし5のいずれか4記載のハイブリッド型スピーカ。
  7. 第一エンクロージャと第二エンクロージャの内部空間を連通させる連通手段が形成され、圧電振動スピーカユニットの駆動によって第一エンクロージャの内部空間に発生した疎密波を該連通手段を介して第二エンクロージャ内に進入させるようにしたことを特徴とする、請求項6記載のハイブリッド型スピーカ。
  8. 第一エンクロージャと第二エンクロージャの内部空間を仕切る仕切板が設けられ、この仕切板を貫通する連通路が上記連通手段を構成することを特徴とする、請求項7記載のハイブリッド型スピーカ。
  9. 圧電振動スピーカユニットが仕切板に第二エンクロージャに向けて配置され、圧電振動スピーカユニットの駆動によって発生する疎密波が直接第二エンクロージャの内部空間を進行すると共に、圧電振動スピーカユニットの背面側から第一エンクロージャの内部空間に発生した疎密波は連通路を介して第二エンクロージャに進入することを特徴とする、請求項8のハイブリッド型スピーカ。
  10. 圧電振動スピーカユニットが第一エンクロージャの側面に外方に向けて配置され、圧電振動スピーカユニットの駆動によって圧電振動スピーカユニットの背面側から第一エンクロージャの内部空間に発生した疎密波を前記連通手段を介して第二エンクロージャに進入させるようにしたことを特徴とする、請求項6記載のハイブリッド型スピーカ。
  11. 前記連通手段が、第一エンクロージャの第二エンクロージャの頂面に形成した貫通孔と、この貫通孔と略整列して第二エンクロージャの底面を貫通して第二エンクロージャの内部空間で開口する案内管とを有してなることを特徴とする、請求項10記載のハイブリッド型スピーカ。
  12. 案内管が圧電振動スピーカユニットの内側及び外側圧電素子の中心と略々高さ位置で開口していることを特徴とする、請求項11記載のハイブリッド型スピーカ。
  13. 前記連通手段が、第一エンクロージャから第二エンクロージャに伝わる音圧を調整するために貫通孔に嵌着される音圧調整ブッシュを更に有することを特徴とする、請求項10または11記載のハイブリッド型スピーカ。
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