JP2007180002A - 光源 - Google Patents

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美保 渡邊
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Abstract

【課題】照明としての性能を確保しつつ昆虫誘引率を下げた光源を提供する。
【解決手段】透光性容器の内面または外面に一般式:(ZnO)In(kは奇数)で表され、結晶構造が三方晶である亜鉛複合酸化物微粒子を主成分とする紫外線遮断材料から形成された紫外線遮断層が設けられており、前記容器の内部に発光手段が配設され、亜鉛複合酸化物微粒子の平均粒径が0.03〜1.0μmであることを特徴とする光源。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透光性容器の内部に発光手段が配設された光源に関する。
周知の如く、家屋、ビルディング等の建造物、電車、自動車、航空機等の輸送機、あるいは冷蔵もしくは冷凍ショーケース等の窓に用いられるガラスの表面には、赤外線による温度上昇を軽減したり、また紫外線による各種構造物や食品、その他の物品等の劣化を防止するために、一般に赤外線と紫外線との両方を反射または吸収する樹脂製フィルムが貼着されている。
従来、例えば紫外線をカットするための膜材料には、酸化亜鉛(ZnO)系材料が主に使用されている。ところで、紫外線をカットするために使用されているZnO遮断膜では、カット波長は約380nm以下であるが、より長波長側のカットが望ましく、例えばBiまたはInをドープしたZnOが提案されている。一方、熱線をカットする膜材料には、例えば錫ドープ酸化インジウム粉末(ITO粉末)が使用されているが、同時に300〜400nmの紫外線をカットする材料はほとんど知られていない。紫外線と赤外線の両者をカットする膜材料としては、例えばZnO:Alや、(ZnO)・In(k=2〜20)の六方晶複合酸化物(k:偶数)が提案されている(特許文献1)。しかし、これらの膜材料では、紫外線のカットはZnOと同等か、あるいはカット波長が幾分短波長側にシフトするため若干低下する。
また、周知のように、水銀輝線の深紫外線(254nm)を使用して、可視光を放射する光源としての蛍光ランプでは、近紫外光(365nm)や可視光(405nm)等にも水銀輝線のスペクトルが存在している。ここで、主な昆虫のすう光曲線は365nmが最大であることから、従来、低誘虫仕様の蛍光ランプには380nm以下の波長をカットする紫外線遮断膜が塗布されている。このような紫外線遮断膜の材料の多くは、耐久性、コスト面からZnOやTiOが使用されている。
特開2003−336034号公報
ところで、昆虫のすう光曲線の分布は長波長側が550nmまで広がっており、ZnOのようなカット材料ではカット波長が約380nm以下であるため、より長波長側のカットが望ましい。また、蛍光ランプは照明用途であるため、人間の視感度曲線の下限の波長である410nm以上をカットするのはランプ効率、演色性の観点から好ましくない。しかし、これらの条件を満たす適切な無機材料が存在しないので、約410nm前後のカットは、プラスチック製フィルムやチューブあるいは有機化合物を使用することで実用化されている。
ここで、プラスチック製フィルムやチューブあるいは有機化合物を用いる場合には、蛍光ランプの外管へ被覆するため製造が煩雑であるとともに、コストも高くなる。また、耐熱性や紫外線による劣化による耐久性も問題である。更に、ZnOにInをドープした膜が長波長側までカットできることが開示されているが、製造コストや工程数が多いという問題点があった。
本発明は、こうした問題点を解消するためになされたもので、照明としての性能を確保しつつ昆虫誘引率を下げた光源を提供することを目的とする。
請求項1記載の光源は、透光性容器の内面または外面に一般式:(ZnO)In(kは奇数)で表され、結晶構造が三方晶である亜鉛複合酸化物微粒子を主成分とする紫外線遮断材料から形成された紫外線遮断層が設けられており、前記容器の内部に発光手段が配設され、亜鉛複合酸化物微粒子の平均粒径が0.03〜1.0μmであることを特徴とする。
請求項2記載の光源は、透光性容器の内面または外面に一般式:(ZnO)In(kは奇数)で表され、結晶構造が三方晶である亜鉛複合酸化物微粒子を主成分とする紫外線遮断材料から形成された紫外線遮断層が設けられており、前記容器の内部に発光手段が配設され、前記紫外線遮断層の塗布量が0.18mg/cm以上、1.0mg/cm以下であることを特徴とする。
ZnOにInをドープした膜を蛍光ランプ等の光源に使用するために(ZnO)・Inの粉体を水溶液化して膜にする方法を検討した。しかしながら、(ZnO)・Inの粉体のみでは410nmまでのカット率は高いが、500nm以上の吸収が多く光束が低下する、さらには粒径が大きいと紫外線が若干透過してしまう問題があった。本発明者等は、こうした点を配慮して更に研究を進めた結果、亜鉛複合酸化物の結晶構造を最適化することでカット波長を長波長側にカットさせることが可能であることを見出し本発明を究明するに至った。
請求項3記載の光源は、上記に加え、波長410nmの放射を50%以上低減し、400nmの放射を60%以上低減し、370nm以下の放射を95%以上低減することを特徴とする。
請求項4記載の光源は、上記に加え、前記紫外線遮断層を構成する(ZnO)・Inの平均粒径が、0.01〜0.2μmであることを特徴とする。
請求項5記載の光源は、紫外線遮断材料の一般式:(ZnO)In中のkは5であることを特徴とする。
しかし、可視光透過率特性やカット波長の仕様によっては、kは5に限らず、3や7の奇数であってもよい。
請求項6記載の光源は、前記紫外線遮断層に、ZnO微粒子、TiO微粒子、あるいはこれらの混合物からなる微粒子が混合されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、特に蛍光ランプ等の光源において亜鉛複合酸化物微粒子の平均粒径を0.03〜1.0μmとすることにより、(ZnO)Inの結晶構造が損なわれることを回避でき、膜の可視光の透過率を高くできる。
請求項2の発明によれば、塗布量を0.18mg/cm以上とすることにより昆虫の比視感度が高い波長である365nmの透過を防ぐことができる。また、塗布量を1.0mg/cm以下としたことにより、透光性容器への接着性を維持することができる。
請求項3の発明によれば、照明としての性能を維持することができる。
請求項4の発明によれば、容器への接着性を維持することができる。
請求項5の発明によれば、前記紫外線遮断材料の一般式:(ZnO)In中のkを5とすることにより、可視光の500〜780nmに対する透過率が高く、均一であり、発光手段から放射される光を吸収しないという効果を有する。
請求項6の発明によれば、前記紫外線遮断層に、ZnO微粒子、TiO微粒子、あるいはこれらの混合物からなる微粒子が混合されていることにより、(ZnO)In粒子の間をZnO微粒子等が埋めることになって、可視光透過率が高くなり、かつ380nm以下の紫外線を吸収するため、前記酸化物層を基材例えばバルブ内面に塗布した場合、410nmまでの可視光及び紫外線を一層良好にカットでき、可視光(450〜780nm)は殆ど吸収されないため、膜を塗布してない場合と比較しても、光源の光束があまり低下しないという効果を有する。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明は、例えば醸造所,製飴所関連、スーパー,コンビニエンスストア,デパートの食品売り場のショーケース等の食品関係、衣料品店,ショーウィンドウ,デパートの衣料品売り場等の衣類関係、学術的に貴重な作品を展示する美術館・博物館関係、印刷工場,製紙工場,書店,文具店,オフィス等の紙製品を多く扱う紙類関係のように広い分野における紫外線遮断材料、UVカットフィルム、UVカットシートとして使用可能である。
本発明において、紫外線遮断材料は、一般式:(ZnO)In(kは奇数)で表され、結晶構造が三方晶である亜鉛複合酸化物微粒子を主成分としたことを特徴とする。ここで、式中、k=5が最も好ましいが、k=3,7等の奇数であってもよい。図1は、本発明に係る紫外線遮断材料(式中のkが5の場合)の分子構造を模式的に示した図であり、InO 層1と(ZnO) 層2が順次積層された構成になっている。また、(ZnO) 層2では、Zn原子の層とO原子の層が交互に積層されている。図2は、上記式中のkが3(図中の曲線(イ)),4(図中の曲線(ロ)),5(図中の曲線(ハ))の場合の波長と拡散反射率との関係を示す特性図を示す。なお、図中の曲線(ニ)は従来のZnOを用いた場合を示す。図2より、本発明の場合、ZnOを用いた場合に比較して紫外カット波長を長波長側にシフトできることが明らかである。
本実施例形態の亜鉛複合酸化物微粒子は、Inの一部をLa,Ga,Alのいずれかで置換することができる。ここで、Snが若干混入していても構わない。また、亜鉛複合酸化物微粒子をZn又はIn化合物の固相反応により合成後、粉砕して微粒子にしたものを、無機又は有機バインダーを使用して成膜することにより、可視選択透過フィルターが得られる。更に、前記亜鉛複合酸化物微粒子をZn又はIn化合物の固相反応により合成後、粉砕して微粒子にしたものを、金属酸化物で表面コートしたものを樹脂に混合して成型することにより、例えばUVカットフィルムやUVカットシート等の可視選択透過透明樹脂部材が得られる。ここで、金属酸化物は、Si,Al,Zrの少なくとも一種からなる金属酸化物でもよい。
本発明において、光源としては、例えば白熱電球やHIDランプ、蛍光ランプが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において、高品質な透明度が要求されない用途に使用される亜鉛複合酸化物微粒子の粒径は、例えば蛍光ランプでは、0.3〜1.0μm、好ましくは0.4〜0.8μmである。ここで、粒径がこの範囲を外れると、主成分である(ZnO)In粒子間に混合すべきZnOやTiOやこれらの混合によるナノ粒子が十分埋まらず、所定波長の紫外線を吸収できない。電気炉などにより合成された(ZnO)Inは、平均粒径が50〜100μmと大粒子であるため、粉砕により小粒子化している。しかしながら、この粉砕工程によって平均粒径0.3μm未満にすると、ZnOとInの層状構造が壊れやすくなり、紫外線カット膜としての性能が低下する。更に、1.0μmを超えた大きな粒子では、可視光の吸収率が増大して光束が大きく低下してしまう。
本発明において、(ZnO)Inを蛍光ランプのバルブ内面または外表面に塗布することにより、395nm以下の紫外線をほぼカットでき、400〜410nmの可視光も60%以上カットできるため、誘虫性が低く、従来の蛍光ランプよりも虫が集まりにくい。又、500〜780nmの可視光は殆ど吸収しないため、本発明の紫外線遮断層が塗布されていない蛍光ランプと比べて光束の低下が少ない。更に、蛍光ランプ取替え時にプラスチックや樹脂のチューブ等で覆う必要がないため、取り付けが簡単である。
一方、HIDランプの場合、使用される亜鉛複合酸化物の平均粒径は、0.03〜0.2μmであることが望ましい。その理由は、HIDランプの構造に伴う光学特性から、散乱光による可視光の損失が大きく、膜を透明化(高い可視光の透過率)することで、光束の低下を防止するためである。
なお、亜鉛複合酸化物の平均粒径を0.2μm以下にする場合には、前述の通り電気炉等により合成された大粒子を粉砕したものを使用することは避けるべきであるので、平均粒径0.03〜0.2μmの亜鉛複合酸化物はPVS法(Physical Vapor Synthesish法)によって生成されたものを使用するのが好ましい。PVS法とは、原料となる金属を熱エネルギーによって蒸気化し、これに酸素等の反応ガスを接触させて金属酸化物の分子又はクラスターを形成して、その後瞬時に冷却することにより所定粒径の超微粒子を生成するものである。本実施形態の場合には、亜鉛(Zn)とインジウム(In)とを所定圧で蒸気化して結晶化したものを造粒することになる。
前記(ZnO)InはZnOよりも長波長側に吸収端がシフトする材料であり、特にk=5の組成は可視光の500〜780nmに対する透過率が平滑であり、蛍光体から放射される光を吸収しない特徴をもっている。また、前記酸化物層として(ZnO)Inで表され、結晶構造が三方晶である亜鉛複合酸化物微粒子,即ち(ZnO)In粒子に、ZnO微粒子、TiO微粒子、あるいはこれらの混合物からなる平均粒径が10nm〜1.0μmの微粒子を5〜30質量%の割合で混合してなる層を用いると、(ZnO)In微粒子の間にZnO微粒子やTiO微粒子等の微粒子が埋められ、可視光透過率が大きく低下することなく、380nm以下の紫外線が効果的に吸収される。したがって、例えば(ZnO)In膜をバルブ12の内面に塗布した場合、410nmまでの可視および紫外線がカットでき、可視光(450〜780nm)は殆ど吸収しないため、蛍光ランプの光束は紫外線カット層を塗布しない場合と比較しても、光束はさほど低下しない。さらに、紫外線遮断層の強度を向上させるために0.5〜3質量%のシリカ(SiO)微粒子をバインダー成分として混合させてもよい。この場合のシリカ微粒子は平均粒径が10nm〜1.0μmのものを用いるのが好ましい。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る紫外線遮蔽材料は、一般式:(ZnO)Inで表され、結晶構造が三方晶である亜鉛複合酸化物微粒子を主成分としたことを特徴としている。この紫外線遮断材料は次のようにして製造した。即ち、まず、ZnO(平均粒径約1μm)の粉末に対してIn(平均粒径約50nm)の粉末を所定量例えばIn添加量10質量%計量して混合し、混合物とした。次に、この混合物をるつぼ内で大気中900℃以上例えば1300℃で5時間熱処理し固相反応させることにより、粒径約500nmの紫外線遮断材料の粉末を得た。
得られた粉末をX線回折したところ、主成分は(ZnO)Inであることが確認された。また、反射特性を測定したところ、粉末試料の短波長吸収端側の透過率50%波長が400〜430nmであり、優れた紫外線カット機能および熱線カット機能を有することが確認された。なお、実際に紫外線遮断材料として使用する場合には、前述の製法で得られた粉末を所定の粒径に粉砕、分級し、必要に応じて所定の表面処理が施されたものが好適である。また、コーティング材料として使用する場合には、有機系または水溶性の分散液等に分散して利用する。
このように、第1の実施形態の紫外線遮断材料によれば、短波長吸収端側の透過率50%波長が400〜430nmで、ZnOよりも紫外線カット波長を長波長側にシフトさせて紫外線カット能力を向上させ、かつ熱線カット機能を有するという効果が得られた。
なお、第1の実施形態の紫外線遮断材料の粒径は特に限定されないが、光学特性の関係から好ましくは平均粒径10nm〜5μm、最適には100nm〜1μmである。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に光ランプ(光源)の説明図であり、図3(A)は同蛍光ランプの一部を切欠して示す全体図、図3(B)は図3(A)のX−X線に沿う断面図、図3(C)は図3(A)の蛍光ランプのバルブ断面を拡大して示す模式図である。
蛍光ランプ11は、直管状のソーダガラス製のガラスバルブ(透光性容器)12とこのバルブ12の両端に設けられた口金13,13とから構成されている。バルブ12の内面には、図3(B),(C)に示すように、紫外線遮断層としての紫外線カット層14、蛍光体層15が順次形成されている。ここで、紫外線カット層14は主として一般式:(ZnO)Inで現わされた亜鉛複合酸化物微粒子を主体として膜厚0.1〜5μm、好ましくは0.5〜3μmの範囲で構成され、式中のkは例えば5である。前記蛍光体層15は、JIS Z 9112に規定される3波長域発光形の複数の蛍光体が塗布されたものである。即ち、蛍光体層15は、波長が約450nm(青色)、540nm(緑色)及び610nm(赤色)の少なくとも3つの単色光が組み合わされる。その結果、蛍光ランプ11は、色温度がおよそ5000Kの昼白色区分の白色光を照射するようになっている。
上記蛍光ランプ11は、次のようにして製造した。即ち、まず、平均粒径30nmのZnOの重量に対してInを10%の割合で混合した後、1100℃〜1200℃で焼成し、粒径約500nmの(ZnO)In粉体を生成した。次に、この粉体を水溶液にした後、粒径(約50nm)のZnO/TiOの水溶液を(ZnO)Inに対して20質量%加えてバルブ12の内面にコーティングした。つづいて、コーティングした層が乾燥した後、3波長蛍光体を塗布し、ベーキング、封止、排気工程を経てバルブ12の内面に膜厚1μmの紫外線カット層14,蛍光体層15が順次形成された蛍光ランプ(形名FL20SSEXD)を作製した。また、比較例1として実施形態の紫外線カット層を形成していない蛍光ランプも作製した。
なお、第2の実施形態において、紫外線カット層14はバルブ12の外面に形成してもよいことはいうまでもないが、ガラス12への紫外線照射量を少なくしてガラス成分の劣化を抑えるためには、やはりバルブ12の内面に成膜した方がよい。
第2の実施形態の蛍光ランプによれば、395nm以下の紫外線をほぼ100%カットでき、400〜410nmの可視光も60%以上カットできるため、誘虫性が低くなる。屋外評価試験の結果、蛍光ランプよりも虫が集まりにくくなっていることが確認された。また、実施形態の紫外線カット層は500〜780nmの可視光を殆ど吸収しないため、比較例の蛍光ランプと比べて光束の低下が少ない。更に、蛍光ランプの外面に取替え時にプラスチックや樹脂のチューブ等で覆う必要がないため、取り付けが簡単である。
これらの蛍光ランプを光束測定用の積分球を用いて光束と分光放射束を測定した。図4は、本実施形態と比較例とのランプの分光放射強度、透過率との関係を示す特性図である。なお、図4中の曲線(イ)は本発明の蛍光ランプの場合、曲線(ロ)は比較例1の蛍光ランプの場合、曲線(ハ)は比較例1と同一の蛍光ランプの外表面に管体にZnO微粒子を混入させた紫外線カット機能付樹脂チューブを被覆した比較例2の場合を示す。本実施形態の紫外線カット層を形成した蛍光ランプは、比較例1に対して96.6%の光束であった。また、比較例の分光放射を基準として、本発明の酸化物層の透過率を算出した結果、395nmよりも短波長側の紫外線はほぼ100%カットされ、400nmでは75%、410nmでは65%、500nmでは4.8%のカット率であることが確認された。
また、本発明の蛍光ランプは昆虫のすう光曲線の最大値である365nmを含む395nm以下の紫外線をほぼ100%カットし、昆虫のすう光曲線が残る可視光域410nm付近を大幅にカットできた。なお、実際の誘虫試験を行ったところ、比較例1の蛍光ランプに集まった昆虫の質量を100%とすると、本発明の蛍光ランプでは67%となり、誘虫率が低下していることが確認できた。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る光源としての蛍光ランプ21は、図5(A)に示すように、直管状のソーダライム製のガラスバルブ(透光性容器)22とこのバルブ22の両端に設けられた口金23,23とから構成され、バルブ22の内面には、図5(B)に示すように膜厚約1.4μmの紫外線カット層24,蛍光体層25が順次形成されている。ここで、紫外線カット層24は主として一般式:(ZnO)Inから構成される。
上記蛍光ランプ21は、次のようにして製造した。即ち、まず、平均粒径30nmのZnOの重量に対してInを10%の割合で混合した後、1100℃〜1200℃で焼成後、粉砕して平均粒径約0.4nmの(ZnO)In粉体を生成した。次に、この粉体を水溶液にした後、ナノ粒径のZnO/TiOの水溶液を(ZnO)Inに対して20質量%加えてバルブ22の内面にコーティングした。原料の(ZnO)Inは数百ミクロン程度であり、これを粉砕して0.3μm以上1μm以下とすることにより、(ZnO)Inの結晶構造が損なわれることはない。
つづいて、コーティングした層が乾燥した後、3波長蛍光体を塗布し、ベーキング、封止、排気工程を経てバルブ22の内面に膜厚1.4μmの紫外線カット層24,蛍光体層25が順次形成された蛍光ランプ(形名FL20SSEXD)を作製した。また、比較例1として実施形態の紫外線カット層を形成していない蛍光ランプも作製した。
図6は、上記紫外線カット層(本実施形態)、及びZnO,ZnO/TiOを夫々(ZnO)InOに20質量%混合して形成した層の拡散透過率特性を示す。なお、各層の厚みは0.3μm、1.2μmとした。図6中、曲線(a),(b)は本実施形態の紫外線カット層の場合、曲線(c)は(ZnO)InOにZnOを、曲線(d),(e)はZnO/TiOを混合した場合を示す。図6より、ナノ粒径のZnOやTiO、あるいはこれらの混合液を加えることで、膜厚が薄くても380nm以下の光を効率よくカットでき、可視光の透過率には殆ど影響を及ぼさないことがわかる。つまり、平均粒径が0.3〜1.0μmと大きい(ZnO)In粒子の間をナノ粒子が埋める事、乾燥及びベーキング時に凝集しようとする(ZnO)Inの間に入り込むため、380nm以下の紫外線を吸収し、380〜410nmまでの光も低減すると考察できる。
第3の実施形態の蛍光ランプによれば、従来例の分光放射を基準として、紫外線カット層の透過率を算出した結果、395nm以下の紫外線をほぼ100%カットでき、400nmでは75%、410nmでは75%、500nmでは4.8%のカットできる(図7参照)ため、誘虫性が低くなる。この蛍光ランプは昆虫のすう光曲線の最大値である365〜370nmを含む395nm以下の紫外線をほぼ100%カットし、昆虫のすう光曲線が残る可視光域410nm付近を大幅にカットできた。実際に誘虫試験を行った結果、従来例の蛍光ランプに集まった昆虫を100とすると、本発明の蛍光ランプでは67%となり、誘虫率が低下していることが分かった。図7において、曲線(a)は本実施形態の蛍光ランプの相対分光放射束を、曲線(b)は比較例の相対分光放射束を、曲線(c)は本実施形態による紫外線カット層の透過率を示す。なお、図6における透過率が図7における透過率より若干数値が落ちているが、この原因は、図6の紫外線遮断層において多重反射が起きているためである。
なお、第3の実施形態について補足すれば、上記第2の実施形態のように(ZnO)Inの粉体を水溶液化して膜を作る方法では、(ZnO)Inの粒径が大きくなり、バルブ面へのコーティングがしにくいという問題があった。一般的に、大きな粒子を小さくする方法として色々な粉砕方法があるが、(ZnO)Inを小さくしすぎると、その結晶性が損なわれるという問題があった。そこで、第3の実施形態では、こうした結晶性の問題が生じないように、(ZnO)Inの粒径を上述したように、0.3μm以上1μm以下とした。
(第4の実施形態)
図8は、本発明の第4の実施形態に係る光源としての高圧金属蒸気放電ランプ((メタルハライドランプ)の概略正面図を示す。図9は、図8の要部Xを示す一部拡大断面図である。
メタルハライドランプ31は、ホウケイ酸ガラス等の透光性の硬質ガラスからなる外管バルブ32の一端部にステム33を封止してなり、このステム33にサポート部材34a,34b等を介して石英製の発光管35及び該発光管35を囲繞したシュラウド(透光性中空管)36を支持させた構成となっている。
前記外管バルブ32は、中央部の膨出部37と、下部側の閉塞されたトップ部38と、上部側のネック部39を有したいわゆるBT形に形成されている。外管バルブ32内には窒素ガスが封入されている。前記発光管35は、透光性気密容器を形成する直管形の高シリカガラス(石英ガラス)からなる発光管バルブ40の両端部に圧潰封止部41a,41bを有し、発光管バルブ40内にはモリブデン(Mo)やタングステンからなる一対の主電極42a,42bが封着されている。一方の主電極42aの近傍には補助電極42cが設けられている。
前記圧潰封止部41a,41b内には、導入部材として夫々Moからなるリボン状の金属箔43が気密に封着されている。前記発光管バルブ40内には、水銀と始動用希ガスとしてのアルゴンと金属ハロゲン化物としてのナトリウム、スカンジウム、インジウム等のヨウ化物が封入してある。シュラウド36は、高透光性シリカガラスからなる上下端部が開口した円筒形状をなし、内部の発光管35と所定の間隔を隔てて配設されている。ステム33の導入線44は給電線45、外部導入線46を介して一方の主電極42aと電気的に接続し、ステム33の他方の導入線47は発光管バルブ40と遠ざかるよう湾曲して離した細線からなる給電線48、外部導入線49を介して他方の主電極42bに電気的に接続されている。なお、図中の符番52は口金を示す。
前記外管バルブ32の内壁面には、図9に示すように、紫外線遮断層としての紫外線カット層50を介して蛍光体層51が形成されている。ここで、紫外線カット層50は主として一般式:(ZnO)Inで現わされた亜鉛複合酸化物微粒子を主体とし、式中のkは例えば5である。紫外線カット層50は、(ZnO)InをSiO、AlあるいはCeOの少なくともいずれか一つの超微粒子と共に懸濁液を形成し、この懸濁液を流し塗りあるいはスプレーにより塗布後、乾燥して加熱処理することにより形成する。外管バルブ32と蛍光体層51間に紫外線カット層50を設けた理由は、蛍光体層50の励起光である紫外線を低減しないとともに、(ZnO)Inはこの波長付近に5〜20%程度の反射があり、蛍光体層51へ紫外線を戻し、再吸収させるためである。(ZnO)InにSiO、AlあるいはCeOの少なくともいずれか一つの超微粒子を混合する理由は、410nm以上の可視光透過率の制御を行うためと、耐熱性を向上させるためである。
上述したように、第4の実施形態に係るメタルハライドランプ31は、外管バルブ32の一端部にステム33を封止して、このステム33にサポート部材34a,34b等を介して石英製の発光管35及びシュラウド36を支持させ、発光管35は透光性気密容器を形成する直管形のシリカガラス(石英ガラス)からなる発光管バルブ40の両端部に圧潰封止部41a,41bを有し、発光管バルブ40内にはモリブデンやタングステンからなる一対の主電極42a,42bが封着され、発光管バルブ40内には水銀と金属ハロゲン化物とアルゴンが封入され、更にバルブ32の内壁面には(ZnO)Inで現わされた亜鉛複合酸化物微粒子を主体とした紫外線カット層50を介して蛍光体層51が形成された構成となっている。
こうした構成のランプ電力400Wの蛍光形メタルハライドランプの分光分布特性図は、図10に示すとおりである。なお、図10中、曲線(a)は(ZnO)・In(k=5)の場合、曲線(b)は(ZnO)・In(k=5)にZnOとTiOを混合した場合、曲線(c)は従来のメタルハライドランプの場合を示す。図10より、本発明に係るランプによれば、波長410nm以下の青色及び380nm以下の紫外線が低減していることがわかる。また、比較例のランプと比べて、550〜780nmの可視光領域での透過率が90%以上となっており、かつ380nm以下の紫外線領域では25%以下、400nmでは50%以下、さらに410nmでは65%以下に低減される。このように、紫外線放射と人間の視感度に影響を殆ど与えない380〜410nmの放射を低減することにより、380nm以下の紫外線領域を低減するのみよりも、昆虫類の光の走行性に基づく誘虫性を抑制することができ、さらに低誘虫形のメタルハライドランプを得ることができる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係るメタルハライドランプ31の基本構成は既述した図8の通りであり、図8の要部Xのみ図11のような構成になっている。即ち、前記外管バルブ32の外壁面には、紫外線遮断層としての紫外線カット層53が形成されている。ここで、紫外線カット層53は主として一般式:(ZnO)Inで現わされた亜鉛複合酸化物微粒子を主体とし、式中のkは例えば5である。紫外線カット層53は、(ZnO)InをZnO、TiO、あるいはZnOとTiOの混合の超微粒子と共に懸濁液を形成し、さらにSiOの微粒子をバインダー成分として添加し、この懸濁液を浸漬あるいはスプレーにより塗布後、乾燥して加熱処理することにより形成する。なお、(ZnO)InにZnO、TiO、SiOあるいはZnOとTiOの混合の超微粒子を混合するのは、380nm以下の紫外線を効率よく吸収させるためと結着性を向上させるためである。
こうした構成のメタルハライドランプの分光分布特性は、図10に示すとおりであり、第4の実施形態に係るメタルハライドランプと同様な効果を有する。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係るメタルハライドランプ61は図12に示すとおりであり、図12(A)は同ランプ61の概略正面図、図12(B)は図12(A)の要部Xの断面図を示す。
メタルハライドランプ61は、封止された透明の外囲器62を備えている。外囲器62内には、両端に少なくとも一対の主電極63a,63bを封着した石英製のメタルハライド発光管64が配置されている。前記外囲器62内には、前記発光管64を囲むように透明なガラス製のシュラウド65が配置されている。シュラウド65の外表面には、図12(B)に示すように、紫外線カット層66が形成されている。この紫外線カット層66は、主として一般式:(ZnO)Inで現わされた亜鉛複合酸化物微粒子を主体とし、式中のkは例えば5である。紫外線カット層66は、(ZnO)InをSiO,Al,CeOあるいはTiOの超微粒子と共に懸濁液を形成し、この懸濁液を浸漬あるいはスプレーにより塗布後、乾燥して加熱処理することにより形成する。前記発光管64及びシュラウド65は、図示しない支持部材により支持されている。前記外囲器62内には窒素ガスが封入されている。前記発光管バルブ64内には、水銀と始動用希ガスとしてのアルゴンと金属ハロゲン化物としてのナトリウム、スカンジウム、インジウム等のヨウ化物が封入されている。なお、図中の符番67は口金である。
第6の実施形態に係るメタルハライドランプ61によれば、シュラウド65の外表面に紫外線カット層66が形成された構成になっているため、屋外施設における昆虫の光の走行性に基づく誘引性を利用して誘虫率を低減できる。図12のメタルハライドランプの分光分布特性は、既述した図10に示すとおりであり、第4の実施形態に係るメタルハライドランプと同様な効果を有する。
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係るメタルハライドランプ68は、図12(B)、図13に示すとおりである。このメタルハライドランプ68は、図12のランプに対し、口金67と反対側の外囲器62の先端に前記紫外線カット層66と同構成の紫外線カット層69が形成された構成となっている。紫外線カット層69の形成方法は、紫外線カット層66の形成方法と同様である。
第7の実施形態に係るメタルハライドランプによれば、シュラウド65の外表面に紫外線カット層66を形成するとともに、外囲器62の先端にも紫外線カット層66を形成した構成となっているため、第6の実施形態のランプに比べて、約7%、シュラウド65の開放面から放射される紫外線を低減していることが分かった。なお、紫外線カット層を全く形成していない従来のメタルハライドランプと比べては、95%紫外線を低減することが分かった。また、図13のメタルハライドランプの分光分布特性は、既述した図10に示すとおりであり、第4の実施形態に係るメタルハライドランプと同様な効果を有する。
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態に係る照明器具は、図14及び図15に示すような構成になっている。ここで、図14は前記照明器具の分解状態の斜視図、図15は図14の要部の拡大断面図である。本実施形態は、内面に紫外線遮断材料を主体とする紫外線カット層が形成された透過性セード(カバー)を使用した照明器具に関する。
照明器具71は、天井に備えられた引掛シーリング及びこの引掛シーリングに取り付けられるアダプタを用いて天井部に直付け設置される器具本体72を備えている。この器具本体72は円盤状をなし、その中央部には厚さ寸法の大きい段部73が設けられ、更にこの段部73の中央部にはアダプタが挿入され機械的に接続される円形の開口部74が設けられている。
また、器具本体72の周辺部には、2個のランプソケット75及び2個のランプホルダ76が設けられている。そして、ランプソケット75に電気的及び機械的に接続されるとともに、ランプホルダ76に機械的に支持されて、段部73を囲むようにして光源となる円環状の蛍光ランプの発光管77が2本、例えば32Wと40Wとの互いに外径の異なる蛍光ランプの発光管77が同心状に配置されている。また、開口部74の部分には、ソケット78が設けられ、このソケット78にベビー球などのランプ79が取り付けられる。
器具本体72及び該器具本体72に取り付けられた部材の下方及び側方を覆うようにして、照明用光学部品としてのセード80が器具本体72に着脱可能に取り付けられる。セード80は、ガラスまたは樹脂など透光性を有し下方に滑らかに膨出する曲面状などに形成された基体81を備えている。この基体81の内面には、第2の実施形態と同様な材料、膜厚の紫外線カット層14が形成されている。
第8の実施形態によれば、基体81の内面に紫外線カット層14を設けたため、前述した実施形態と同様に、照明効率を大きく低下させることなく、紫外線の照射を抑制して低誘虫効果を有する照明器具71を提供できる。また、この構成では、蛍光灯など一般的な種々の光源を用いることが可能であり、汎用性を向上できる。
なお、第8の実施形態では、紫外線カット層14は、基体81の内面に膜状即ち層状に設けたが、この構成に限らず、例えば基体81を構成する樹脂に紫外線遮断材料を混合して一体的に形成することもできる。この場合の混合比率は樹脂材料全体に対して5〜30質量%の範囲が適当であるが、仕様によってはこの範囲外で使用することも可能である。
(第9実施形態)
本発明の第9の実施形態に係るメタルハライドランプ31の基本構成は既述した図8に示す上記実施形態4と同様である。
本実施形態おいて、外管バルブ32の内部は減圧状態であるか、あるいは、窒素ガスが封入されている。紫外線遮断層としての紫外線カット層50を構成する(ZnO)・Inにおけるkは5である。また、外管バルブ32の外面に塗布された(ZnO)・Inの量は0.2mg/cm以上、1.0mg/cm以下であり、さらに好適には、0.25〜0.45mg/cmである。また、(ZnO)・Inの平均粒径は、0.01〜0.2μmである。
図16にメタルハライドランプの分光分布特性図を示す。ここで、(g)は紫外線カット層50として(ZnO)・In膜を外面に0.21mg/cm塗布したランプ電力400Wのメタルハライドランプであり、(h)は、従来例としてZnOを0.21mg/cm塗布したランプ電力400Wのメタルハライドランプの分光分布特性を示している。ここで、従来例のZnOに比べて(ZnO)・Inの膜を設けたランプでは、405nmの発光が示すように、波長410nm以下の青色および380nm以下の紫外線が64%低減していることがわかる。
図17に、紫外線カット層を塗布していない外管バルブ32の分光透過率分布を100%とした場合の紫外線カット膜の透過率分布を示す。(i)は本実施形態にかかる(ZnO)・In膜の透過率を示し、(j)は従来のZnO膜の透過率を示す。ここで、(i)は波長550nmの可視光領域での透過率が90%以上となっており、かつ、380nm以下の紫外線領域では2%以下、400nmでは50%以下、さらに410nmでは30%以下に低減されていることがわかる。
塗布量をパラメーターとした場合における(ZnO)・In膜の透過率を図18に示す。ここで、塗布量が0.18mg/cmの場合、従来例のZnOよりも375nm以下の放射を若干透過してしまっていることがわかる。すなわち、これ以下の塗布量では、昆虫の比視感度が高い波長である365nmを多く透過してしまう。したがって、(ZnO)・Inの塗布量は0.18mg/cm以上が望ましいことがわかる。さらに、塗布量が1.0mg/cmを超えると、450nm以上の透過率が低下することがわかる。これに加え、塗布量が1.0mg/cmを超えると、外球外面に塗布されているフィルターが衝撃などではがれやすくなる。したがって、(ZnO)・Inの塗布量は、1.0mg/cm以下が望ましく、0.2mg/cm〜0.4mg/cmの塗布量が好適であることがわかる。
上記のように、本実施形態にかかるメタルハライドランプは、従来例のZnOフィルターと比較しても、410nm以下の放射を効率良くカットしており、低誘虫効果の高いメタルハライドランプを得る事ができる。
また、フィルターを設けていないメタルハライドランプの光束を100%とすると、(ZnO)・In膜を0.21mg/cm塗布した400Wのメタルハライドの光束は約96%であり、照明として必要な光束もさほど低下しないため、照明として十分な明るさを維持できる。
さらに、一般的に、(ZnO)・Inの平均粒径が0.2μm以上である場合には、外球表面に塗布した膜とガラスとの接着力が不足し、膜強度が低下するが、本実施形態にかかるメタルハライドランプ31では、平均粒径を0.01〜0.2μmとしたことにより高い接着力を維持することができる。
本実施形態にかかるメタルハライドランプ31は、紫外線放射と人間の視感度に影響を殆ど与えない380〜410nmの放射を低減することにより、380nm以下の紫外線領域を低減するのみよりも、昆虫類の光の走行性に基づく誘虫性を抑制することができる。
すなわち、誘虫率を低下させるには、565nm付近の光までカットする必要がある反面、565nm付近までの光をカットすると、スポーツなどを行うことが困難となる問題があったが、本実施の形態にかかるメタルハライドランプは、紫外線カット層50として所定の特性を有する材料を選定する事により、光束を大幅に低減することなく、人が施設を利用するために光(光束と光色)を確保しながら、誘虫率を低減できる。
この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。具体的には、上記実施形態では一般式:(ZnO)In(kは奇数)でk=5の場合について述べたが、kは3,7等の奇数でもよい。また、紫外線遮断層の構成は上記式が主成分であるが、前記式の亜鉛複合酸化物微粒子に、ZnO微粒子やTiO微粒子等の微粒子を混合した層を用いてもよい。更に、酸化物層を構成するためのZnOの粒径や酸化物層の厚み、あるいはInのZnOに対する配合割合等も上記実施形態に記載されたものに限らず、適宜組合わせることができる。
図1は本発明に係る紫外線遮断部材の分子構造を模式的に示す説明図である。 図2は、本発明及び従来例に係る紫外線遮断部材を構成する亜鉛複合酸化物微粒子の波長と拡散反射率との関係を示す特性図である。 図3は、第2の実施形態に係る蛍光ランプの説明図である。 図4は、第2の実施形態及び比較例とのランプの分光放射強度、透過率との関係を示す特性図である。 図5は、第3の実施形態に係る蛍光ランプの説明図である。 図6は、図5の蛍光ランプの紫外線カット層、及びZnO,ZnO/TiOを夫々(ZnO)InOに20質量%混合して形成した層の拡散透過率特性である。 図7は、図5の蛍光ランプ及び比較例による波長と相対分光放射束、透過率との関係を示す特性図である。 図8は、第4の実施形態に係るメタルハライドランプの概略正面図である。 図9は、第4の実施形態に係るメタルハライドランプの要部の拡大部分断面図である。 図10は、図9のメタルハライドランプの分光分布特性図である。 図11は、第5の実施形態に係るメタルハライドランプの要部の拡大部分断面図である。 図12は第6の実施形態に係るメタルハライドランプの説明図である。 図13は第7の実施形態に係るメタルハライドランプの概略正面図である。 図14は第8の実施形態に係る照明器具の説明図である。 図15は図14の要部の拡大断面図である。 図16は第9の実施形態にかかるメタルハライドランプの分光分布を示すグラフである。 図17は第9の実施形態にかかる紫外線カット層の透過率を示すグラフである。 図18は塗布量と透過率との関係を示すグラフである。
符号の説明
11,21…蛍光ランプ(光源)、12,22…ガラスバルブ、14,24,50,53,66,69…紫外線カット層(紫外線遮断層)、15,25,51…蛍光体層、31,61,68…メタルハライドランプ、77…発光管(光源)。

Claims (6)

  1. 透光性容器の内面または外面に一般式:(ZnO)In(kは奇数)で表され、結晶構造が三方晶である亜鉛複合酸化物微粒子を主成分とする紫外線遮断材料から形成された紫外線遮断層が設けられており、前記容器の内部に発光手段が配設され、亜鉛複合酸化物微粒子の平均粒径が0.03〜1.0μmであることを特徴とする光源。
  2. 透光性容器の内面または外面に一般式:(ZnO)In(kは奇数)で表され、結晶構造が三方晶である亜鉛複合酸化物微粒子を主成分とする紫外線遮断材料から形成された紫外線遮断層が設けられており、前記容器の内部に発光手段が配設され、前記紫外線遮断層の塗布量が0.18mg/cm以上、1.0mg/cm以下であることを特徴とする光源。
  3. 波長410nmの放射を50%以上低減し、400nmの放射を60%以上低減し、370nm以下の放射を95%以上低減することを特徴とする請求項2記載の光源。
  4. 前記紫外線遮断層を構成する(ZnO)・Inの平均粒径が、0.01〜0.2μmであることを特徴とする請求項2に記載の光源。
  5. 紫外線遮断材料の一般式:(ZnO)In中のkは5であることを特徴とする請求項1または2に記載の光源。
  6. 前記紫外線遮断層に、ZnO微粒子またはTiO微粒子もしくはこれらの混合物からなる微粒子が混合されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の光源。
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