JP2007179947A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の起動時に、燃料極と燃料循環路との間にガス循環を開始させる際に、燃料循環路内に残留した水素による燃料電池電圧上昇を抑制し、劣化を防止する。
【解決手段】コントローラ30は、燃料電池システムの起動時に、まずパージ弁20及び空気圧調整弁24及び水素供給弁9を閉止した状態で循環ポンプ12を起動して、アノード4と燃料循環路11との間のガス循環を行わせるとともに、パワーマネジャー15が検出した燃料電池2の電圧値が所定電圧を超えないように燃料電池2から電流を取り出す。次いで、水素供給弁9からアノードへ水素供給を開始する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特に起動停止を繰り返す移動体駆動用電源に好適な燃料電池システムに関する。
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。特に固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池は、動作温度が低く、取り扱いが容易なことから電動車両用の電源として注目されている。すなわち、燃料電池車両は、高圧水素タンク、液体水素タンク、水素吸蔵合金タンクなどの水素貯蔵装置を車両に搭載し、そこから供給される水素と、酸素を含む空気とを燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池から取り出した電気エネルギで駆動輪につながるモータを駆動するものであり、排出物質は水だけであるという究極のクリーン車両である。
ところで、燃料電池の出力が小さい運転領域では、発電効率が低いために発電を一時停止して、二次電池やコンデンサ等の蓄電装置から負荷装置へ電力供給するシステムがある。このようなアイドルストップを行う燃料電池システムでは、燃料電池の発電効率の高い運転領域では、燃料電池から負荷装置へ電力供給するとともに蓄電装置へ充電し、燃料電池の発電効率が低い運転領域を回避し、燃料電池システムの燃費性能を向上させることができる。
しかしながら、燃料電池システムの起動、停止を繰り返すと、連続運転状態に比べて、燃料電池の劣化が促進されることが知られている。例えば、燃料電池システムの起動時にアノードへ水素供給を開始する場合、停止中にアノードへ入り込んだ空気と新規に供給される水素との界面(水素フロント)が形成される。そして水素フロントより後方の水素が供給されている第1領域のアノード電極では水素が電離され、水素イオンが電解質膜を介してカソードに到達する。このとき、未接続の外部回路からはカソードに電子が供給されず、水素フロントより前の第2領域のカソード触媒を担持している炭素と水との反応により二酸化炭素と水素イオンと電子が生成される。この電子は、カソード電極内を第2領域から第1領域側へ移動して水の生成に寄与する。第2領域で電離した水素イオンは、電解質膜を介して対向するアノード領域へ移動する。このような反応により、水素フロントより前のカソード領域の触媒担持体の炭素が二酸化炭素へとガス化して失われてしまい、触媒微粒子が凝集して触媒性能が低下するという問題があった。
この問題を解決するために、特許文献1記載の発明では、燃料電池の起動時に、カソードへの空気流入を遮断した状態で、かつ水素循環装置の循環機能を停止した状態で、アノードへ水素供給を開始し、燃料電池からの電流取り出しによりカソードに残存する酸素を消費させる。そしてカソードの酸素が消費された後に、水素循環装置による燃料ガス循環を開始させている。
特開2005−158553号公報(第8頁、図6)
しかしながら上記従来例にあっては、起動時に水素循環装置を駆動せずに水素を供給していたため、燃料電池スタックを構成する各セルに均等に水素が供給されず、燃料電池電圧を抑制するための電圧制限制御(VLC:Voltage Limit Control)のための電流取り出しを行ったときに、水素不足のセルが転極を起こし、スタックが劣化する虞があるという問題があった。
この問題を回避するために、水素供給開始前に、水素循環装置を作動させて、燃料極と燃料循環路との間に予め十分なガス流を形成させてから、水素供給を開始して各セルに均等に水素が供給される状態でVLC制御を行うことが考えられる。しかしながら、燃料循環路内に水素が残留している状態からの起動の場合、水素循環装置を起動すると、この残留水素が燃料極に流入し、燃料電池電圧が上昇し燃料電池が劣化する虞があるという問題が生じる。
図8は、この問題を説明する起動時のタイムチャートであり、(a)アノードの水素圧力、(b)水素循環装置である循環ポンプの回転速度、(c)スタック電流、(d)スタック電圧をそれぞれ示す。図8において、時刻ta に水素供給前の循環ポンプ起動を行い、時刻tb で循環ポンプの回転速度が定常に達し、時刻tc において、圧力P1 まで水素を供給し、時刻td において、空気供給を開始するとともに通常発電を開始したとする。ところが、この循環ポンプの動作開始により、燃料循環路内に残存していた水素がアノードへ水素が供給され、燃料電池から電流を取り出さないと、スタック電圧が上昇し、燃料電池が劣化する虞があるという問題点があった。
上記問題点を解決するために、本発明は、燃料極と酸化剤極との間に電解質膜を挟持させてなるセルを複数積層した燃料電池スタックと、前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料供給手段と、前記燃料極から排出された燃料ガスを再度燃料極へ循環させる燃料循環経路と、燃料循環経路内のガスを圧送する燃料循環手段と、前記燃料循環経路から不純物を含む燃料ガスを系外へ排出する排出手段と、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給手段と、前記燃料電池スタックから電流を取り出す電流取出手段と、前記燃料電池スタックの電圧を検出する電圧検出手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、燃料電池システムの起動時に、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する前に、前記燃料電池スタックの電圧を制限しながら前記燃料極へ燃料ガスを供給して燃料極内の酸素を消費させる際に、前記燃料供給手段から前記燃料極へ燃料ガスの供給を開始する前に、前記排出手段を閉止した状態で前記燃料循環手段を起動して、前記燃料極と燃料循環経路との間のガス循環を行いながら、前記電圧検出手段が検出した電圧値が所定電圧を超えないように燃料電池スタックから電流取り出しを行うことを要旨とする。
また、本発明は、燃料極と酸化剤極との間に電解質膜を挟持させてなるセルを複数積層した燃料電池スタックと、前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料供給手段と、前記燃料極から排出された燃料ガスを再度燃料極へ循環させる燃料循環経路と、燃料循環経路内のガスを圧送する燃料循環手段と、前記燃料循環経路から不純物を含む燃料ガスを系外へ排出する排出手段と、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給手段と、前記燃料電池スタックから電流を取り出す電流取出手段と、前記燃料電池スタックの電圧を検出する電圧検出手段と、前記燃料供給手段及び前記酸化剤供給手段によるガス供給、前記燃料循環手段による燃料循環、前記排出手段によるガス排出、並びに前記電流取出手段による電流取出を制御する制御手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記制御手段は、燃料電池システムの起動時に、まず前記排出手段を閉止した状態で前記燃料循環手段を起動して、前記燃料極と燃料循環経路との間のガス循環を行いながら、前記電圧検出手段が検出した電圧値が所定電圧を超えないように前記電流取出手段により前記燃料電池スタックから電流を取り出し、次いで、前記燃料極へ燃料ガスを供給して燃料極内の酸素を消費させ、その後、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給することを要旨とする。
本発明によれば、水素循環装置を起動して燃料循環路と燃料極との間に十分なガス流を形成する際に、燃料電池スタックの電圧を検出して検出した電圧が所定電圧を超えないように制御しているので、燃料循環路に水素が残留している状態から起動しても燃料電池電圧が所定値を超えず、燃料電池の劣化を防止することができるという効果がある。
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚、特に限定されないが以下の各実施例は、燃料電池車両用の電源として、好適な燃料電池システムである。
図1は、本発明に係る燃料電池システム1の実施例1の概略構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システム1は、例えば固体高分子型の燃料電池スタック(以下、単に燃料電池とも呼ぶ)2を備えている。燃料電池2は、電解質膜3をアノード(燃料極)4とカソード(酸化剤極)5で挟持した単電池(セル)が複数積層された構造を有するが単電池のみ模式的に図示している。アノード4には燃料として水素ガス、カソード5には酸化剤ガスとして空気が供給され、以下に示す電極反応が進行され、電力が発電される。
アノード(燃料極) :H2 → 2H+ +2e- …(1)
カソード(酸化剤極):2H+ +2e- +(1/2)O2 → H2O …(2)
このときカソード5で生成された水の一部は水蒸気となって、電解質膜3を透過してアノード4へ侵入する。燃料ガスとしての水素は、水素タンク6から水素タンク元弁7、減圧弁8、水素供給弁9を通じてアノード4へ供給される。水素タンク6から供給される高圧水素は、減圧弁8で機械的に所定の圧力まで減圧され、さらに水素供給弁9でアノード4の入口の水素圧力が所望の圧力となるように減圧される。アノード入口の水素圧力は、アノード入口圧力センサ10aにより検出され、コントローラ30に入力される。
アノード4の出口からアノード4の入口へアノードで消費されなかった燃料ガスを循環させる燃料循環路11が備えられる。循環ポンプ12は、燃料循環路11内の燃料ガスを昇圧させて循環させる燃料循環手段である。循環ポンプ12は図示しない電動機によって回転駆動され、その回転速度は、回転センサ13によって検出される。カソード5への空気は酸化剤供給手段であるコンプレッサ14により供給される。カソード出口には、空気圧調整弁24が設けられ、カソード圧力が制御される。
パワーマネージャ15は、燃料電池2から電流を取り出して、負荷装置16もしくはバッテリ17へ電力を供給する電流取出手段である。尚、パワーマネージャー15は、燃料電池2の電圧(総電圧、或いはスタック電圧)を検出する電圧検出手段でもあり、またコントローラ30からの指示により、起動時に燃料電池2から電流を取り出して、燃料電池2の電圧を所定電圧以下に制限する機能を有する。
バッテリコントローラ18は、バッテリ17の充放電電流をモニタしてバッテリの蓄電状態(SOC)を算出し、SOCをコントローラ30へ送信する。セル電圧センサ19は、燃料電池2の単電池(セル)毎、もしくは単電池が複数直列接続された単電池群(セル群)毎の電圧、及びこれらの電圧の合計値であるスタック電圧を検出して、コントローラ30へ出力する。
カソード5には、酸化剤として空気を供給するため、化学反応しない窒素が、電解質膜3を透過して、アノード4、燃料循環路11及び循環ポンプ12を含む水素循環系に蓄積する。水素循環系に蓄積した窒素量が多くなりすぎると、水素循環系の気体の質量密度が増加し、循環ポンプ12によるガス循環量を維持できなくなるため、水素循環系内の窒素量を管理する必要がある。したがって、水素循環系内の窒素を含んだガスをパージ弁20により外部に排出し、水素循環系内に存在する窒素量を循環性能が維持できるようにする。アノード入口圧力センサ10bはアノード入口の圧力を測定するセンサであり、その検出値は、コントローラ30へ入力される。また、ユーザが燃料電池システム1の運転停止を指示するためのキースイッチ23に信号がコントローラ30へ入力されている。
コントローラ30は、燃料電池システムの起動、停止、発電時に、各センサ信号を用いてシステム内の各アクチュエータをコントロールして、酸化剤ガス及び燃料ガスのガス供給、燃料循環路のガス循環、不純物を含んだガスの排出、及び燃料電池2からの電流取り出しを制御する制御手段である。
尚、本実施例においては、コントローラ30は、CPUと、制御プログラム及び制御パラメータを記憶したROMと、作業用RAMと、入出力インタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成され、その制御機能は、制御プログラムの実行により達成される。
次に、図2のフローチャート、及び図5のタイムチャートを参照して、コントローラ30による燃料電池システムの起動時の動作を説明する。図1のキースイッチ23がオフからオンの状態へ切り換えられたり、燃料電池システムの低負荷時のアイドルストップ状態から復帰する場合、図2の起動制御が開始される。
起動制御が開始されると、まずステップ(以下、ステップをSと略す)102において、コントローラ30は、制御用のフラグを0クリアする。このフラグは、燃料電池の起動VLC制御時に、燃料電池2からの取出電流がピークを超えたときに1にセットされ、それ以外は、0の値をとるものである。次いでS104で、コントローラ30は、空気圧調整弁24を閉じ、S106でパージ弁20を閉じる。尚、燃料電池システムの停止状態の仕様によっては、停止中に、空気圧調整弁24及びパージ弁20の閉じた状態を保持するものがあり、その場合には、S104及びS106は省略可能である。
次いでS108で、コントローラ30からパワーマネージャー15へ燃料電池2からの電流取り出しの準備を指示する。パワーマネージャー15は、電流取り出しの準備が指示されると、以後、燃料電池2の総電圧を監視しながら、この総電圧が所定電圧Vlmを超えないように、燃料電池2から電流取出を行うように構成されている。この所定電圧Vlmは、例えば、実験的に求めた燃料電池の触媒担体である炭素を腐食しないセル電圧に、燃料電池スタックのセル数を乗じて算出される。このとき取り出された電流は、パワーマネージャー15によって、バッテリ17に充電されてもよいし、パワーマネージャー15の内部或いは負荷装置16で消費されてもよい。
次いで、S110で循環ポンプ12を目標回転速度r2で回転駆動開始して、アノード4及び燃料循環路11内のガスの循環を開始させる。これは、図5の時刻ta に対応する。この目標回転速度r2は、アノード4に供給される循環ガスが燃料電池2を構成する各セルに均一にガスが分配される目標回転速度であり、実機による実験、或いは循環ポンプ12と燃料電池2と燃料循環路11との流体力学的数値シミュレーションにより求めることができる。
次いでS112で、パワーマネージャー15が燃料電池2の電圧を検出して、S114検出した燃料電池電圧に応じた電流取り出しを行って、燃料電池電圧をVlmに制限するVLC制御を行う。S110で循環ポンプ12を起動すると、前回燃料電池の運転停止時からの経過時間が余り長くない場合、燃料循環路11内部に燃料ガスとしての水素が残留していることがあり、その水素が循環ポンプ12に起動とともに、燃料循環路11から燃料電池2のアノード4へ流入する。本実施例では、循環ポンプ12の起動前からVLC制御を準備し、燃料電池2の電圧が上昇するのと同時に、この電圧に基づいて燃料電池2から電流取出を行うことができるため、燃料電池2の電圧を図5(d)の実線で示すようにVlmに制限することができ、図5(d)の破線で示す従来技術ような電圧の上昇を招くことがない。
次いでS116で、コントローラ30は、フラグの値が1か否かを判定する。フラグが1であれば、S122へ進む。フラグが1でなければ(フラグが0)、S118へ進み、取出電流がピークを超えたか否かを判定する。これは、制御サイクル毎にパワーマネージャー15から送られてくる取出電流モニタ値を参照して、前回の取出電流より今回の取出電流の方が小さければ、ピークを超えたと、コントローラ30自体が判定してもよいし、パワーマネージャー15により取出電流がピークを超えたか否かを判定し、その結果をコントローラ30に伝達してもよい。
S118の判定で取出電流がピークを超えていなければ、S112へ戻り、燃料電池電圧を監視しながら燃料電池2からの電流取出による燃料電池電圧制限を継続する。S118の判定で取出電流がピークを超えていれば、S120へ進み、フラグに1をセットし、次いで、S122で水素供給を開始するか否かを判定する。この水素供給開始判断は、取出電流が所定値以下となった場合、或いは、取出電流がピークを超えてから所定時間以上経過した場合に、水素供給を開始すると判断する。S122で水素供給開始と判断しなかった場合は、S112へ戻る。
S122で水素供給開始と判断した場合には、S124へ進み、コントローラ30は、水素供給弁9を開いて、アノード圧力をP1まで上昇させる。これが図5の時刻tc に相当する。こうして供給開始された水素が燃料電池2のアノード4に到達するとき、既に循環ポンプ12は、循環ガスが各セルに均等に分配される回転速度で循環を継続しているので、供給された水素は、各セルに均等に分配され、各セルの電圧が均等に上昇し始める。しかしながら、パワーマネージャー15による燃料電池2の電圧監視及び電圧に応じた電流の取り出しが継続しているので、燃料電池電圧は抑制され、カソード5に残存している空気中の酸素が消費されるまで、電流取り出しが継続する。このカソード残存酸素が消費尽くされると、取出電流は0まで低下するが、実際には、回転停止しているコンプレッサ14の漏洩空気や、閉じている空気圧調整弁24の漏洩空気により僅かではあるが酸素が供給され、完全に0とならない場合がある。
次いでS126で、コントローラ30は、VLC制御を終了するか否かを判定する。この判定は、例えば、パワーマネージャー15による燃料電池2からの取出電流値が実質的に0となったと見なせる所定値以下となったこと、或いはS122の水素供給開始から、カソード5の残存酸素が消費されつくすのに要する所定時間を経過したこと等、VLC終了条件が成立したか否かにより判定する。S126で、VLC制御を終了すると判定しなかった場合、VLC終了条件が成立するまで、S126を繰り返す。
S126で、取出電流が実質的に0と見なせる所定電流値は、コンプレッサ14の回転停止時の気密性能等を考慮して、実験的に決定することとなるが、例えば、数十[mA]とすることができる。
S126で、VLC制御を終了すると判定した場合、S128へ進み、コントローラ30は、コンプレッサ14を起動して、カソード5へ空気供給を開始し、次いで、S130で、水素供給弁9に制御信号を送り、アノード4の水素圧力を運転圧力であるP2まで上昇させ(図5の時刻td )、起動制御を完了し、以後通常発電状態へ移る。
以上説明した本実施例によれば、水素循環装置を起動して燃料循環路と燃料極との間に十分なガス流を形成する際に、燃料電池スタックの電圧を検出して検出した電圧が所定電圧を超えないように制御しているので、燃料循環路に水素が残留している状態から起動しても燃料電池電圧が所定値を超えず、燃料電池の劣化を防止することができるという効果がある。
次に、本発明に係る燃料電池システムの実施例2を説明する。実施例2の概略構成は、図1に示した実施例1の概略構成と同様である。本実施例2は、燃料電池システムの起動時に、燃料循環装置である循環ポンプ12を最初に比較的低い回転速度である第1の回転速度で駆動し、燃料循環路内に残存する水素が燃料電池のアノードに流入する速度を抑制し、電流取出装置が応答よく燃料電池の電圧制御をおこなうことができ、その後、第1の回転速度より高い第2の回転速度で循環ポンプを駆動して、アノードへの水素供給を開始する点に特徴がある。
次に、図3のフローチャート、及び図6のタイムチャートを参照して、コントローラ30による燃料電池システムの起動時の動作を説明する。図1のキースイッチ23がオフからオンの状態へ切り換えられたり、燃料電池システムの低負荷時のアイドルストップ状態から復帰する場合、図3の起動制御が開始される。
起動制御が開始されると、まずS202において、コントローラ30は、制御用のフラグを0クリアする。このフラグは、燃料電池の起動VLC制御時に、燃料電池2からの取出電流がピークを超えたときに1にセットされ、それ以外は、0の値をとるものである。次いでS204で、コントローラ30は、空気圧調整弁24を閉じ、S206でパージ弁20を閉じる。尚、燃料電池システムの停止状態の仕様によっては、停止中に、空気圧調整弁24及びパージ弁20の閉じた状態を保持するものがあり、その場合には、S204及びS206は省略可能である。
次いでS208で、コントローラ30からパワーマネージャー15へ燃料電池2からの電流取り出しの準備を指示する。パワーマネージャー15は、電流取り出しの準備が指示されると、以後、燃料電池2の総電圧を監視しながら、この総電圧が所定電圧Vlmを超えないように、燃料電池2から電流取出を行うように構成されている。この所定電圧Vlmは、例えば、実験的に求めた燃料電池触媒担体を腐食しないセル電圧に、燃料電池スタックのセル数を乗じて算出される。このとき取り出された電流は、パワーマネージャー15によって、バッテリ17に充電されてもよいし、パワーマネージャー15の内部或いは負荷装置16で消費されてもよい。
次いでS210で、前回燃料電池運転を停止したときからの経過時間である停止時間を算出する。この停止時間は、コントローラ30に現在時刻を示す時計を内蔵しておき、前回燃料電池の運転を停止したときにその時刻を記憶し、現在の時刻から前回運転停止時の時刻を減算することにより得られる。次いでS212で、停止時間が所定時間T1以下であるか否かを判定する。ここで、所定時間T1は、アノード4内にも燃料循環路11内にも水素が残留しない停止時間であり、燃料電池のガス流路の形状、容積、触媒性能等によって異なる値である。実際には、実機による実験や、燃料電池2及び燃料循環路11のガス流動及び触媒反応の数値シミュレーションにより求めることができる。
S212の判定で、停止時間が所定時間T1以下であれば、少なくとも燃料循環路11内に水素ガスが残留している可能性があるとして、2段階の回転速度による循環ポンプ12の起動を行うために、S214へ進む。S212の判定で、停止時間が所定時間T1を超えていれば、2段階の回転速度による循環ポンプ12の起動を省略して、最初から第2の目標回転速度で起動するために、S228へ進む。
S214では、循環ポンプ12を比較的遅い第1の目標回転速度r1で回転駆動開始して、アノード4及び燃料循環路11内のガスの循環を開始させる。これは、図6の時刻ta に対応する。この第1の目標回転速度r1は、循環ポンプ12の回転速度r1により、燃料循環路11内に残留した水素がアノード4に供給されて、燃料電池2の電圧が立ち上がる速度よりも、パワーマネージャー15が燃料電池2の電圧変化を検出して、この電圧変化に応じた取出電流を燃料電池2から取り出して、燃料電池2の電圧を所定電圧Vlm以下に制御する応答速度の方が速い回転速度である。
次いでS216で、パワーマネージャー15が燃料電池2の電圧を検出して、S218検出した燃料電池電圧に応じた電流取り出しを行って、燃料電池電圧をVlmに制限するVLC制御を行う。S214で循環ポンプ12を起動すると、前回燃料電池の運転停止時からの経過時間が余り長くない場合、燃料循環路11内部に燃料ガスとしての水素が残留していることがあり、その水素が循環ポンプ12に起動とともに、燃料循環路11から燃料電池2のアノード4へ流入する。本実施例では、循環ポンプ12の起動前からVLC制御を準備し、燃料電池2の電圧が上昇するのと同時に、この電圧に基づいて燃料電池2から電流取出を行うことができるため、燃料電池2の電圧を図6(d)の実線で示すようにVlmに制限することができ、図6(d)の破線で示す従来技術ような電圧の上昇を招くことがない。
次いでS220で、コントローラ30は、フラグの値が1か否かを判定する。フラグが1であれば、S226へ進む。フラグが1でなければ(フラグが0)、S222へ進み、取出電流がピークを超えたか否かを判定する。これは、制御サイクル毎にパワーマネージャー15から送られてくる取出電流モニタ値を参照して、前回の取出電流より今回の取出電流の方が小さければ、ピークを超えたと、コントローラ30自体が判定してもよいし、パワーマネージャー15により取出電流がピークを超えたか否かを判定し、その結果をコントローラ30に伝達してもよい。
S222の判定で取出電流がピークを超えていなければ、S216へ戻り、燃料電池電圧を監視しながら燃料電池2からの電流取出による燃料電池電圧制限を継続する。S222の判定で取出電流がピークを超えていれば、S224へ進み、フラグに1をセットする。次いでS226で、燃料電池2からの取出電流が所定電流値I1 以下となったか否かを判定する。取出電流が所定電流値I1 以下となっていなければ、S216に戻り、燃料電池電圧に応じた電流取出を継続する。S226の判定で、取出電流が所定電流値I1 以下となっていれば、S228へ進み、循環ポンプ12の回転速度を第2の目標回転速度r2(r1<r2)まで上昇させる(図6の時刻te )。この第2の目標回転速度r2は、アノード4に供給される循環ガスが燃料電池2を構成する各セルに均一にガスが分配される目標回転速度であり、実機による実験、或いは循環ポンプ12と燃料電池2と燃料循環路11との流体力学的数値シミュレーションにより求めることができる。
次いで、S230で水素供給を開始するか否かを判定する。この水素供給開始判断は、取出電流が所定値以下となった場合、或いは、取出電流がピークを超えてから所定時間以上経過した場合に、水素供給を開始すると判断する。
S230で水素供給開始と判断した場合には、S232へ進み、コントローラ30は、水素供給弁9を開いて、アノード圧力をP1まで上昇させる。これが図6の時刻tc に相当する。こうして供給開始された水素が燃料電池2のアノード4に到達するとき、既に循環ポンプ12は、循環ガスが各セルに均等に分配される回転速度で循環を継続しているので、供給された水素は、各セルに均等に分配され、各セルの電圧が均等に上昇し始める。しかしながら、パワーマネージャー15による燃料電池2の電圧監視及び電圧に応じた電流の取り出しが継続しているので、燃料電池電圧は抑制され、カソード5に残存している空気中の酸素が消費されるまで、電流取り出しが継続する。このカソード残存酸素が消費尽くされると、取出電流は0まで低下するが、実際には、回転停止しているコンプレッサ14の漏洩空気や、閉じている空気圧調整弁24の漏洩空気により僅かではあるが酸素が供給され、完全に0とならない場合がある。
次いでS234で、コントローラ30は、VLC制御を終了するか否かを判定する。この判定は、例えば、パワーマネージャー15による燃料電池2からの取出電流値が実質的に0となったと見なせる所定値以下となったこと、或いはS232の水素供給開始から、カソード5の残存酸素が消費されつくすのに要する所定時間を経過したこと等、VLC終了条件が成立したか否かにより判定する。S234で、VLC制御を終了すると判定しなかった場合、VLC終了条件が成立するまで、S234を繰り返す。
S234で、取出電流が実質的に0と見なせる所定電流値は、コンプレッサ14の回転停止時の気密性能等を考慮して、実験的に決定することとなるが、例えば、数十[mA]とすることができる。
S234で、VLC制御を終了すると判定した場合、S236へ進み、コントローラ30は、コンプレッサ14を起動して、カソード5へ空気供給を開始し、次いで、S238で、水素供給弁9に制御信号を送り、アノード4の水素圧力を運転圧力であるP2まで上昇させ(図6の時刻td )、起動制御を完了し、以後通常発電状態へ移る。
以上説明した本実施例によれば、燃料電池システムの起動時に、燃料循環装置である循環ポンプ12を最初に比較的低い回転速度である第1の回転速度で駆動し、燃料循環路内に残存する水素が燃料電池のアノードに流入する速度を抑制し、電流取出装置が応答よく燃料電池の電圧制御を行うことができという効果がある。
次に、本発明に係る燃料電池システムの実施例3を説明する。実施例3の概略構成は、図1に示した実施例1の概略構成と同様である。本実施例3は、燃料電池システムの起動時に、燃料循環装置である循環ポンプ12の回転速度を、最初に第1の回転加速度で上昇させ、次いで、第1の回転加速度より大きい第2の回転加速度で上昇させる点に特徴がある。
次に、図4のフローチャート、及び図7のタイムチャートを参照して、コントローラ30による燃料電池システムの起動時の動作を説明する。図1のキースイッチ23がオフからオンの状態へ切り換えられたり、燃料電池システムの低負荷時のアイドルストップ状態から復帰する場合、図4の起動制御が開始される。
起動制御が開始されると、まずS302において、コントローラ30は、制御用のフラグを0クリアする。このフラグは、燃料電池の起動VLC制御時に、燃料電池2からの取出電流がピークを超えたときに1にセットされ、それ以外は、0の値をとるものである。次いでS304で、コントローラ30は、空気圧調整弁24を閉じ、S306でパージ弁20を閉じる。尚、燃料電池システムの停止状態の仕様によっては、停止中に、空気圧調整弁24及びパージ弁20の閉じた状態を保持するものがあり、その場合には、S304及びS306は省略可能である。
次いでS308で、コントローラ30からパワーマネージャー15へ燃料電池2からの電流取り出しの準備を指示する。パワーマネージャー15は、電流取り出しの準備が指示されると、以後、燃料電池2の総電圧を監視しながら、この総電圧が所定電圧Vlmを超えないように、燃料電池2から電流取出を行うように構成されている。この所定電圧Vlmは、例えば、実験的に求めた燃料電池触媒担体を腐食しないセル電圧に、燃料電池スタックのセル数を乗じて算出される。このとき取り出された電流は、パワーマネージャー15によって、バッテリ17に充電されてもよいし、パワーマネージャー15の内部或いは負荷装置16で消費されてもよい。
次いでS310で、前回燃料電池運転を停止したときからの経過時間である停止時間を算出する。この停止時間は、コントローラ30に現在時刻を示す時計を内蔵しておき、前回燃料電池の運転を停止したときにその時刻を記憶し、現在の時刻から前回運転停止時の時刻を減算することにより得られる。次いでS312で、停止時間が所定時間T1以下であるか否かを判定する。ここで、所定時間T1は、アノード4内にも燃料循環路11内にも水素が残留しない停止時間であり、燃料電池のガス流路の形状、容積、触媒性能等によって異なる値である。実際には、実機による実験や、燃料電池2及び燃料循環路11のガス流動及び触媒反応の数値シミュレーションにより求めることができる。
S312の判定で、停止時間が所定時間T1以下であれば、少なくとも燃料循環路11内に水素ガスが残留している可能性があるとして、2段階の回転加速度による循環ポンプ12の回転速度上昇を行うために、S314へ進む。S312の判定で、停止時間が所定時間T1を超えていれば、2段階の回転加速度による循環ポンプ12の加速を省略して、最初から第2の目標回転加速度で起動するために、S328へ進む。
S314では、循環ポンプ12を比較的遅い第1の目標回転加速度α1で回転駆動開始して、アノード4及び燃料循環路11内のガスの循環を開始させる。これは、図7の時刻ta に対応する。この第1の目標回転加速度α1は、循環ポンプ12の回転速度上昇率により、燃料循環路11内に残留した水素がアノード4に供給されて、燃料電池2の電圧が立ち上がる速度よりも、パワーマネージャー15が燃料電池2の電圧変化を検出して、この電圧変化に応じた取出電流を燃料電池2から取り出して、燃料電池2の電圧を所定電圧Vlm以下に制御する応答速度の方が速い回転速度である。
次いでS316で、パワーマネージャー15が燃料電池2の電圧を検出して、S318検出した燃料電池電圧に応じた電流取り出しを行って、燃料電池電圧をVlmに制限するVLC制御を行う。S314で循環ポンプ12を起動すると、前回燃料電池の運転停止時からの経過時間が余り長くない場合、燃料循環路11内部に燃料ガスとしての水素が残留していることがあり、その水素が循環ポンプ12に起動とともに、燃料循環路11から燃料電池2のアノード4へ流入する。本実施例では、循環ポンプ12の起動前からVLC制御を準備し、燃料電池2の電圧が上昇するのと同時に、この電圧に基づいて燃料電池2から電流取出を行うことができるため、燃料電池2の電圧を図7(d)の実線で示すようにVlmに制限することができ、図7(d)の破線で示す従来技術ような電圧の上昇を招くことがない。
次いでS320で、コントローラ30は、フラグの値が1か否かを判定する。フラグが1であれば、S326へ進む。フラグが1でなければ(フラグが0)、S322へ進み、取出電流がピークを超えたか否かを判定する。これは、制御サイクル毎にパワーマネージャー15から送られてくる取出電流モニタ値を参照して、前回の取出電流より今回の取出電流の方が小さければ、ピークを超えたと、コントローラ30自体が判定してもよいし、パワーマネージャー15により取出電流がピークを超えたか否かを判定し、その結果をコントローラ30に伝達してもよい。
S322の判定で取出電流がピークを超えていなければ、S316へ戻り、燃料電池電圧を監視しながら燃料電池2からの電流取出による燃料電池電圧制限を継続する。S322の判定で取出電流がピークを超えていれば、S324へ進み、フラグに1をセットする。次いでS326で、燃料電池2からの取出電流が所定電流値I1 以下となったか否かを判定する。取出電流が所定電流値I1 以下となっていなければ、S316に戻り、燃料電池電圧に応じた電流取出を継続する。S326の判定で、取出電流が所定電流値I1 以下となっていれば、S328へ進み、循環ポンプ12の回転速度の上昇率を第2の回転加速度α2(α1<α2)とし(図7の時刻tf )、この第2の回転加速度α2で循環ポンプ12の回転速度を目標回転速度r2まで上昇させる(図7の時刻tg )。この目標回転速度r2は、アノード4に供給される循環ガスが燃料電池2を構成する各セルに均一にガスが分配される目標回転速度であり、実機による実験、或いは循環ポンプ12と燃料電池2と燃料循環路11との流体力学的数値シミュレーションにより求めることができる。
次いで、S330で水素供給を開始するか否かを判定する。この水素供給開始判断は、取出電流が所定値以下となった場合、或いは、取出電流がピークを超えてから所定時間以上経過した場合に、水素供給を開始すると判断する。
S330で水素供給開始と判断した場合には、S332へ進み、コントローラ30は、水素供給弁9を開いて、アノード圧力をP1まで上昇させる。これが図7の時刻tc に相当する。こうして供給開始された水素が燃料電池2のアノード4に到達するとき、既に循環ポンプ12は、循環ガスが各セルに均等に分配される回転速度で循環を継続しているので、供給された水素は、各セルに均等に分配され、各セルの電圧が均等に上昇し始める。しかしながら、パワーマネージャー15による燃料電池2の電圧監視及び電圧に応じた電流の取り出しが継続しているので、燃料電池電圧は抑制され、カソード5に残存している空気中の酸素が消費されるまで、電流取り出しが継続する。このカソード残存酸素が消費尽くされると、取出電流は0まで低下するが、実際には、回転停止しているコンプレッサ14の漏洩空気や、閉じている空気圧調整弁24の漏洩空気により僅かではあるが酸素が供給され、完全に0とならない場合がある。
次いでS334で、コントローラ30は、VLC制御を終了するか否かを判定する。この判定は、例えば、パワーマネージャー15による燃料電池2からの取出電流値が実質的に0となったと見なせる所定値以下となったこと、或いはS332の水素供給開始から、カソード5の残存酸素が消費されつくすのに要する所定時間を経過したこと等、VLC終了条件が成立したか否かにより判定する。S334で、VLC制御を終了すると判定しなかった場合、VLC終了条件が成立するまで、S334を繰り返す。
S334で、取出電流が実質的に0と見なせる所定電流値は、コンプレッサ14の回転停止時の気密性能等を考慮して、実験的に決定することとなるが、例えば、数十[mA]とすることができる。
S334で、VLC制御を終了すると判定した場合、S336へ進み、コントローラ30は、コンプレッサ14を起動して、カソード5へ空気供給を開始し、次いで、S338で、水素供給弁9に制御信号を送り、アノード4の水素圧力を運転圧力であるP2まで上昇させ(図7の時刻td )、起動制御を完了し、以後通常発電状態へ移る。
以上説明した本実施例によれば、燃料電池システムの起動時に、燃料循環装置である循環ポンプ12の回転速度を、最初に第1の回転加速度で上昇させ、次いで、第1の回転加速度より大きい第2の回転加速度で上昇させることにより、燃料循環路内に残留水素がある場合には、パワーマネージャーが燃料電池の電圧に応じた取出電流により燃料電池の電圧を制御するVLC制御の応答速度より遅い速度で残留水素が燃料電池に供給されるために、パワーマネージャーの応答速度が遅い場合でも確実に残留水素による燃料電池電圧のVLC制御を行うことができるという効果がある。
次に、本発明に係る燃料電池システムの実施例4を説明する。実施例4の概略構成は、図1に示した実施例1の概略構成と同様である。本実施例4は、実施例2と実施例3とを組み合わせた実施例であり、燃料電池システムの起動時に、燃料循環装置である循環ポンプ12の回転速度を、最初に第1の回転加速度で第1の回転速度まで上昇させ、次いで、第1の回転加速度より大きい第2の回転加速度で第2の回転速度まで上昇させる点に特徴がある。
尚、本実施例のフローチャートは、実施例2の図3と実施例3の図4とを組み合わせれば容易に実現できるので図示を省略する。本実施例によれば、実施例2の効果と実施例3の効果とを同時に得ることができる。
本発明に係る燃料電池システムの基本構成を示すシステム構成図である。 実施例1における燃料電池システム起動時のフローチャートである。 実施例2における燃料電池システム起動時のフローチャートである。 実施例3における燃料電池システム起動時のフローチャートである。 実施例1の動作、作用、効果を説明するタイムチャートであり、(a)アノード水素圧力、(b)循環ポンプ回転速度、(c)スタック電流、(d)スタック電圧をそれぞれ示す図である。 実施例2の動作、作用、効果を説明するタイムチャートであり、(a)アノード水素圧力、(b)循環ポンプ回転速度、(c)スタック電流、(d)スタック電圧をそれぞれ示す図である。 実施例3の動作、作用、効果を説明するタイムチャートであり、(a)アノード水素圧力、(b)循環ポンプ回転速度、(c)スタック電流、(d)スタック電圧をそれぞれ示す図である。 従来技術の問題点を説明するタイムチャートであり、(a)アノード水素圧力、(b)循環ポンプ回転速度、(c)スタック電流、(d)スタック電圧をそれぞれ示す図である。
符号の説明
1:燃料電池システム
2:燃料電池
3:電解質膜
4:アノード
5:カソード
6:水素タンク
7:水素タンク元弁
8:減圧弁
9:水素供給弁
10a、10b:圧力センサ
11:燃料循環路
12:循環ポンプ
13:回転センサ
14:コンプレッサ
15:パワーマネージャー
16:負荷装置
17:バッテリ
18:バッテリコントローラ
19:セル電圧センサ
20:パージ弁
23:キースイッチ
30:コントローラ

Claims (9)

  1. 燃料極と酸化剤極との間に電解質膜を挟持させてなるセルを複数積層した燃料電池スタックと、
    前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料供給手段と、
    前記燃料極から排出された燃料ガスを再度燃料極へ循環させる燃料循環経路と、
    燃料循環経路内のガスを圧送する燃料循環手段と、
    前記燃料循環経路から不純物を含む燃料ガスを系外へ排出する排出手段と、
    前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給手段と、
    前記燃料電池スタックから電流を取り出す電流取出手段と、
    前記燃料電池スタックの電圧を検出する電圧検出手段と、
    を備えた燃料電池システムにおいて、
    燃料電池システムの起動時に、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する前に、前記燃料電池スタックの電圧を制限しながら前記燃料極へ燃料ガスを供給して燃料極内の酸素を消費させる際に、
    前記燃料供給手段から前記燃料極へ燃料ガスの供給を開始する前に、前記排出手段を閉止した状態で前記燃料循環手段を起動して、前記燃料極と燃料循環経路との間のガス循環を行いながら、前記電圧検出手段が検出した電圧値が所定電圧を超えないように燃料電池スタックから電流取り出しを行うことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 燃料極と酸化剤極との間に電解質膜を挟持させてなるセルを複数積層した燃料電池スタックと、
    前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料供給手段と、
    前記燃料極から排出された燃料ガスを再度燃料極へ循環させる燃料循環経路と、
    燃料循環経路内のガスを圧送する燃料循環手段と、
    前記燃料循環経路から不純物を含む燃料ガスを系外へ排出する排出手段と、
    前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給手段と、
    前記燃料電池スタックから電流を取り出す電流取出手段と、
    前記燃料電池スタックの電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記燃料供給手段及び前記酸化剤供給手段によるガス供給、前記燃料循環手段による燃料循環、前記排出手段によるガス排出、並びに前記電流取出手段による電流取出を制御する制御手段と、
    を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記制御手段は、燃料電池システムの起動時に、まず前記排出手段を閉止した状態で前記燃料循環手段を起動して、前記燃料極と燃料循環経路との間のガス循環を行いながら、前記電圧検出手段が検出した電圧値が所定電圧を超えないように前記電流取出手段により前記燃料電池スタックから電流を取り出し、次いで、前記燃料極へ燃料ガスを供給して燃料極内の酸素を消費させ、その後、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給することを特徴とする燃料電池システム。
  3. 前記所定電圧は、燃料電池セルの水素流前面における触媒担持体の炭素の腐食が生じない電位であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料循環手段を駆動する際に、最初に第1の回転速度で駆動し、その後、第1の回転速度より高い第2の回転速度で駆動し、第2の回転速度で駆動中に、前記燃料供給手段から燃料ガスの供給を開始することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料循環手段を第1の回転速度で駆動中に、燃料電池からの取り出し電流値が所定電流値以下となったときに、前記燃料循環手段の回転速度を第2の回転速度へ上昇させることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 燃料電池システムの停止時間がアノード内の残留水素がほぼ全て空気に置換されたと見なせる所定時間を超えない場合の再起動時には、前記燃料循環手段を駆動する際に、最初に第1の回転速度で駆動し、その後、第1の回転速度より高い第2の回転速度で駆動し、第2の回転速度で駆動中に、前記燃料供給手段から燃料ガスの供給を開始し、
    燃料電池システムの停止時間が所定時間を超えた後の再起動時には、前記段階的な回転速度の上昇を行わずに、最初から第2の回転速度で前記燃料循環手段を駆動することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料循環手段の回転速度の上昇は、最初に、燃料電池スタックから電流を取り出す電流取り出し機能の応答速度以下の第1の回転加速度で行い、次いで、第1の回転加速度より速い第2の回転加速度で行うことを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記第1の回転加速度から第2の回転加速度への切り換えは、燃料電池スタックからの取り出し電流値が所定電流値以下になったときであることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 燃料電池システムの停止時間がアノード内の残留水素がほぼ全て空気に置換されたと見なせる所定時間を超えない場合の再起動時には、前記燃料循環手段の回転速度の上昇は、最初に、燃料電池スタックから電流を取り出す電流取り出し機能の応答速度以下の第1の回転加速度で行い、次いで、第1の回転加速度より大きい第2の回転加速度で行い、
    燃料電池システムの停止時間が前記所定時間を超えた後の再起動時には、前記回転加速度の切替を行わずに、最初から第2の回転加速度で前記燃料循環手段の回転速度を上昇させることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか1項に記載の燃料電池システム。
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