JP2008130402A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の触媒層の活性化を確実に行うことができる燃料電池の制御方法を実行する燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】触媒活性化処理時、酸化ガス供給を停止し、燃料電池の発電電圧を還元目標電圧に向かって直線的に降下させる。燃料電池100の発電電圧が還元目標電圧に達したならば、暫くこの状態を維持し、燃料電池100の発電電圧が自然に低下するまで待つ。燃料電池100の発電電圧が指令遷移電圧Vcに達したら、コンバータ41の電圧指令値を待機電圧に戻す。さらに、燃料電池100の発電電圧がエア供給電圧Vaに達するまで待って、コンプレッサ20を動作させて酸化ガスの供給を開始し、触媒活性化処理を終える。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特に燃料電池の触媒層の活性化を確実に行うことができる燃料電池の制御方法を実行する燃料電池システムに関する。
従来、燃料電池システムは、運転中、燃料電池の触媒層に酸素が吸着されると燃料電池の出力電圧が低下するので、このような場合は、燃料電池への酸素供給を一旦停止し、かつ燃料電池の発電電圧を触媒層の還元領域にまで下げることにより、燃料電池スタックの触媒層を活性化する処理(すなわち還元処理)が行われていた。このとき、燃料電池の発電電圧が目標還元電圧値にまで下がったならば、その後は、直ぐに運転目標電圧にまで上げるように制御していた。
このような燃料電池の触媒活性化処理に関連する技術として、特開2005−346979号公報には、ハイブリッド型の燃料電池を構成する補機用のバッテリとして低電圧のものを使用し、燃料電池の触媒活性化処理時に電圧低下に伴って増大する余剰電力をバッテリに充電できるようにすることで、余剰電力の無駄を無くす技術が開示されている(特許文献1)。
また、同様の触媒活性化処理に関する技術として、特開2003−115318号公報には、セル電圧を0.6V以下にして大きな電流を流すことによって酸素に還元反応を生じさせて、白金触媒層を活性化する技術が開示されている(特許文献2)。
特開2005−346979号公報(段落0009等) 特開2003−115318号公報(段落0012〜0014等)
しかしながら、上記従来の技術にあっては、燃料電池の出力電圧を目標還元電圧にまで下げても、実際には燃料電池に空気(酸素)が残留しているため、燃料電池の出力電圧を定めるコンバータの電圧指令値を上昇させると、酸素供給を停止しているにも拘わらず、残留空気により燃料電池の出力電圧が一時的に上昇する。このため、燃料電池の触媒は酸化領域に遷移してしまい、還元処理が十分行われない可能性があった。
また残留している空気量次第では、安全のために設定した燃料電池の出力電圧の上限値である待機電圧(高電位回避電圧)よりも高くなってしまう可能性もあった。
そこで本発明は、上記課題を解決するために、燃料電池の触媒層の活性化を確実に行うことができる燃料電池の制御方法を実行する燃料電池システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料電池の出力電圧を下げて触媒活性化処理を実施する燃料電池システムであって、電圧指令値に対応させて前記燃料電池の出力電圧を変化させる電圧変換手段と、前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧変換手段に前記電圧指令値を指令する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記触媒活性化処理を実施するに際して、前記電圧変換手段への電圧指令値を前記燃料電池の触媒還元領域にある所定の還元目標電圧に維持すると共に、前記電圧検出手段によって検出される前記燃料電池の出力電圧が前記還元目標電圧からさらに降下して所定の条件が満たされるまで待機することを特徴とする。
電圧変換手段は、電圧指令値に対応して燃料電池の出力電圧を変更するが、燃料電池はその酸素量等が変化するにより、必ずしも電圧指令値どおりの出力電圧とはならない。燃料電池は燃料ガス(酸化ガスを含む)が存在しなければ発電機能を発揮し得ないので、酸化ガスを供給しない状態で還元目標電圧にまで下げた状態で電圧変換手段への電圧指令値を元に戻しても、実際の燃料電池の出力電圧は上昇しないはずである。しかしながら、現実には、燃料電池内には酸素ガス(残留エア)が残留しているので、電圧変換手段への電圧指令値を上げると、残留エアにより燃料電池の出力電圧が上昇し触媒の還元領域に戻ってしまい、触媒活性化処理が進まない。この点、本発明によれば、触媒層の活性化処理に際しては、触媒層の還元領域に達しても、電圧変換手段の電圧指令値を即座に引き上げることなく、残留エアを十分に消費し終える所定条件が満たされるのを待つので、残留エアによって燃料電池の発電電圧が還元領域以上に吹き上がることを防止することが可能となり、これにより、触媒層の活性化処理を十分に行うことができる効果がある。
すなわち、本燃料電池システムにおいては、前記所定の条件が満たされた時に前記電圧変換手段への指示電圧を所定の待機電圧にまで上げるように処理される。
このように残留エアが実質的に存在しなくなる所定の条件が成立した後、電圧変換手段の指示電圧を待機電圧にまで上げるのであれば、残留エアが無いがために燃料電池の出力電圧はエア供給されない限り上昇することは無くなり、残留エアによる電圧の吹き上がり現象を抑制することが可能である。
また、本燃料電池システムにおいて、例えば、「所定の条件」は、前記燃料電池の出力電圧が前記所定の還元目標電圧からの降下を開始してから所定の一定時間が経過することであることを特徴とする。
このように構成することにより、前記燃料電池の出力電圧が降下を開始してから残留エアが消費され尽くされるまでの所要時間を予め把握して設定しておけば、残留エアの存在を確実に抑制した状態で燃料電池の発電電圧を所定の運転目標電圧に引き上げることが可能となる効果がある。ここで、この一定時間は、酸素ガス不足となって燃料電池の出力電圧の低下が始まってからほぼ総ての残留エアが消費され尽くされるまでの所要時間であり、実験的・経験的に導き出される。
また、本燃料電池システムにおいて、例えば、「所定の条件」は、前記燃料電池の出力電圧が前記所定の還元目標電圧からの降下を開始してから所定の指令遷移電圧に至ることであることを特徴とする。
このように構成することにより、燃料電池の出力電圧が降下を開始してから残留エアが消費され尽くされる時までの燃料電池の出力電圧の推移を予め把握し、残留エアが消費され尽くされた時の燃料電池の出力電圧を指令遷移電圧として設定しておけば、残留エアの存在を確実に抑制した状態で燃料電池の発電電圧を所定の運転目標電圧に引き上げることが可能となる。ここで、この指令遷移電圧は、酸素ガス不足となって燃料電池の出力電圧の低下が始まってからほぼ総ての残留エアが消費され尽くされた場合の燃料電池の出力電圧であり、実験的・経験的に導き出される。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記所定の条件が満たされた場合であって所定の第2条件が満たされている間の一定期間、前記電圧変換手段の出力電圧制御動作を停止させることを特徴とする。
このように構成することにより、残留エアがほぼ消費され、燃料電池の出力電圧を拘束する必要が無くなった場合であって、電圧変換手段の動作が不要な若干の期間、電圧変換手段の動作を休止させ、電力消費を些少に抑えることが可能となる。
例えば、この所定の第2条件は、前記電圧変換手段に蓄電装置が接続されており、前記電圧変換手段と前記燃料電池との間に接続される負荷装置に動作要求が無いことである。すなわち、電圧変換手段と燃料電池との間に接続される負荷装置(例えば、モータ、補機類)の動作が要求されていないような場合には、電圧変換手段の動作を停止しても支障が生じないからである。
また、前記燃料電池システムは、前記燃料電池に酸化ガスを供給する酸化ガス供給手段をさらに備え、前記制御手段は、前記触媒活性化処理の開始時に、前記酸化ガス供給手段による酸化ガスの供給を停止させることを特徴とする。
このように構成することにより、触媒層の活性化処理の最初で新たな酸化ガスの供給を絶つことができるので、残留エアを確実に消費させ、触媒を還元領域に遷移させ、触媒層の再生を図ることができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記制御手段は、前記所定の条件が満たされてからさらに所定の一定時間経過してから前記酸化ガス供給手段による酸化ガスの供給を開始させることを特徴とする。
このように構成することにより、残留エアがほぼ無くなりつつあることを示す燃料電池の出力電圧の低下が観測されてから一定時間経過後に残留エアが確実に消費され尽くされるタイミングを待って酸化ガスが供給されるので、電圧変換手段による燃料電池の出力電圧の抑制を解いた後でも燃料電池の出力電圧が還元領域以上に吹き上がる現象が防止され、触媒層の活性化処理を十分確実に行うことができる効果がある。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記制御手段は、前記所定の条件が満たされてからさらに前記燃料電池の出力電圧が所定の酸化ガス供給電圧まで降下した時に、前記酸化ガス供給手段による酸化ガスの供給を開始させることを特徴とする。
このように構成することにより残留エアがほぼ無くなりつつあることを示す燃料電池の出力電圧の低下が観測されてから残留エアが確実に消費され尽くされたことを示す酸化ガス供給電圧に達するのを待って酸化ガスが供給されるので、電圧変換手段による燃料電池の出力電圧の抑制を解いた後でも、燃料電池の出力電圧が還元領域以上に吹き上がる現象が防止され、触媒層の活性化処理を十分確実に行うことができる効果がある。
さらに、前記燃料電池システムにおいて、前記還元目標電圧、前記指令遷移電圧、又は前記酸化ガス供給電圧の少なくとも一つは、触媒カーボン酸化の程度と触媒活性化の程度とに基づいて設定されたものであることを特徴とする。
このように構成することにより、燃料電池の出力電圧が低すぎて触媒担持カーボンの酸化が発生する等の弊害が防止できる。
本発明によれば、触媒層の活性化処理に際しては、触媒層の還元領域に達しても、燃料電池の発電電圧を即座に引き上げることなく、残留エアを十分に消費し終えてから燃料電池への電圧指令値を所定の待機電圧に引き上げるので、残留エアが存在する状態で燃料電池の発電電圧を所定の待機電圧に引き上げることにより燃料電池の発電電圧が還元領域に戻ることを防止することが可能となり、これにより、触媒層の活性化処理を迅速に、かつ、十分に行うことができる。
次に本発明を実施するための好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態は、電気自動車に搭載するハイブリッド燃料電池システムに本発明を適用したものである。以下の実施形態は本発明の適用形態の単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
(実施形態1)
本実施形態1は、触媒層の再活性化を確実に行うことができる燃料電池の制御方法を実行する燃料電池システムを構成した一例に関する。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムの全体構成を示す構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る燃料電池システムは、後述する燃料電池100にアノードガスである水素ガスを供給するアノードガス供給系1と、燃料電池100にカソードガスである空気を供給するカソードガス供給系2と、電力系4と、本発明に係る触媒層の活性化に必要な制御を行う制御部5(制御手段)と、から構成されている。
燃料電池100は、セル(単セル)を複数積層したスタック構造を備えている。各セルは、MEA(Membrane Electrode Assembly)と呼ばれる発電体を、水素ガス、空気、冷却水の流路を有するセパレータ一対で挟み込んだ構造をしている。MEAは高分子電解質膜をアノード極及びカソード極の二つの電極で挟み込んだ構造をしている。アノード極は燃料極用触媒層を多孔質支持層上に設けて構成され、カソード極は空気極用触媒層を多孔質支持層上に設けて構成される。その他、燃料電池の形態として、リン酸型、溶融炭酸塩型等を用いることが可能である。これら電極の触媒層は、例えば白金粒子を付着させて構成されており、燃料電池の発電動作によってこの白金粒子に付着した酸化物を除去するための触媒活性化処理が本発明に関係する。
燃料電池100は水の電気分解の逆反応を起こすものであり、アノード(陰極)極側には燃料ガス供給系統1からアノードガスである水素ガスが供給される。カソード(陽極)極側にはカソードガス供給系統2から酸素を含んだカソードガスである空気が供給される。アノード極側では式(1)のような反応を、カソード極側では式(2)のような反応を生じさせて電子を循環させ電流を流すものである。
2 → 2H++2e- …(1)
2H++2e-+(1/2)O2 → H2O …(2)
アノードガス供給系1は、水素ガス供給源としての水素タンク10、アノードガス供給路11、アノードオフガス排出路12を備える。その他、図示しないが、水素ガスを流通させるための水素ポンプ、水素ガスの管理制御のために必要な元弁や調整弁、遮断弁、逆止弁、気液分離器等を備えていてもよい。
水素タンク10には高圧の水素ガスが充填されている。水素供給源としては高圧水素タンクの他に、水素吸蔵合金を用いた水素タンク、改質ガスによる水素供給機構、液体水素タンク、液化燃料タンク等種々のものを適用可能である。アノードガス供給路11は、高圧の水素ガスを供給する配管であり、途中に図示しない調圧弁(レギュレータ)等を備えていてもよい。アノードガス供給路11から供給された水素ガスは、燃料電池100内において、マニホールド経由で各単セルのアノード極側に供給され、MEAのアノードにおいて電気化学反応を生じてからアノードオフガス(水素オフガス)として排出される。アノードオフガス排出路12は、燃料電池100から排出されたアノードオフガスを排出する経路であり、循環経路を形成していてもよい。循環経路を形成させるには、図示しない逆止弁やエジェクタを介して、再びアノードガス供給路11にアノードオフガスを戻すように構成される。
カソードガス供給系2は、コンプレッサ20、カソードガス供給路21、カソードオフガス排出路22を備える。その他、図1では図示しないが、カソードガスである空気の湿度を制御するための加湿器、カソードオフガス(空気オフガス)を除去する気液分離器、アノードオフガスをカソードオフガスと混合するための希釈器、消音器等を備えていてもよい。
コンプレッサ20は、エアクリーナ等から取り入れられた空気を圧縮し、空気量や空気圧を変更し、燃料電池100のカソード極側に供給するものである。カソードガス供給路21から供給された空気は、燃料電池100内において、水素ガスと同じくマニホールド経由で各単セルのカソード極側に供給され、MEAのカソードにおいて電気化学反応を生じてからカソードオフガスとして排出される。燃料電池100から排出されたカソードオフガスは、アノードオフガスと希釈されてから排出される。
電力系4は、バッテリ40、DC−DCコンバータ41、トラクションインバータ42、トラクションモータ43、補機インバータ44、高圧補機45、電流センサ47、燃料電池の出力電圧を計測する電圧センサ48、逆流防止ダイオード49等を備えている。
バッテリ40は、充放電可能な二次電池である。バッテリとしては、ニッケルー水素電池等、様々な種類の二次電池を用いることができる。二次電池の代わりに、充放電が可能な蓄電装置、例えばキャパシタを用いることが可能である。バッテリ40は、一定電圧で発電するバッテリーユニットを複数積層し直列接続することによって高電圧を出力可能とすることができる。
DC−DCコンバータ41は、一次側と二次側との間で電圧の昇圧/降圧をして電力を流通させる本発明の電力変換手段に相当する構成である。例えば、一次側のバッテリ40の出力電圧を、二次側の燃料電池100の出力電圧にまで昇圧して、トラクションモータ43や高圧補機45等の負荷装置に電力を供給する。逆に、二次側において燃料電池100の余剰電力や前記負荷装置からの回生電力を、降圧して一次側のバッテリ40に充電するために通過させる。
トラクションインバータ42は直流電流を三相交流に変換し、トラクションモータ43に供給するものである。トラクションモータ43は例えば三相モータであり、当該燃料電池システムが搭載される自動車の主動力源である。
補機インバータ44は、高圧補機45を駆動するための直流−交流変換手段である。高圧補機45は、コンプレッサ20、水素ポンプ、冷却系のモータ類等の燃料電池システムの運転に必要な各種モータ類である。
制御部5は、CPU(中央処理装置)、RAM、ROM、インターフェース回路等を汎用コンピュータとしての構成を備えている。制御部5は、内蔵ROM等に格納されているソフトウェアプログラムを順次実行することにより、主としてアノードガス供給系1、カソードガス供給系2、電力系4を含む燃料電池システム全体を制御する他、当該燃料電池システムにおいて本発明の触媒層の活性化方法を実行させることが可能になっている。
(動作説明)
次に本発明に係る触媒活性化処理の動作を説明する。
通常運転によって燃料電池のMEAでは、上記式(1)に従ってアノード極側で生じた水素イオンが電解質膜を透過してカソード極側に移動し,カソード極側に供給されている酸化ガス(例えば空気)中の酸素とともに式(2)の電気化学反応によって酸素の還元反応を生じる。この結果、触媒層の組成成分(例えば白金)を酸素が覆って反応抵抗が増加し、発電効率が悪化する。触媒活性化(再生)処理は、還元反応によって触媒中の酸素を取り除くものである。具体的には、各単セルの端子電圧、すなわち燃料電池の出力電圧を下げて電流量を増加させ、触媒層の電気化学反応を通常運転時の酸化反応領域から還元反応領域に遷移させて触媒を活性化する。
コンバータの二次側電圧はコンバータへの電圧指令値に応じて変更可能になっているが、燃料電池の出力端子と並列接続されているため、コンバータに設定した目標二次側電圧に燃料電池の発電電圧が達しない場合には、コンバータの二次側電圧は目標二次側電圧に達しない。一方、燃料電池の発電電圧がコンバータの目標二次側電圧より高い場合には、強制的に燃料電池の発電電圧は目標二次側電圧に規制され、燃料電池のI−V特性に従って電流値が上昇する。すなわち、コンバータの二次側電圧は燃料電池の発電電圧の上限値を規定するものである。
従来の触媒活性化処理では、触媒層が還元反応領域に入ったら、直ぐにコンバータの目標とする二次側電圧を規定する電圧指令値を上昇させていた。コンバータに対する電圧指令値を通常運転時の待機電圧にまで上昇させも、燃料電池に酸化ガスが残留していなければ燃料電池の出力電圧は上昇しない。しかしながら、実際には燃料電池スタック中にはセパレータの流路や配管に酸化ガス(空気:残留エア)が残留しているため、コンバータの電圧指令値を上昇させ、燃料電池に高電圧発電を許可してしまうと、その電圧指令値で規制される二次側電圧までは燃料電池の発電電圧上昇が可能な状態となっているので、燃料電池の出力電圧が一時的に上昇し、触媒層が酸化反応領域に遷移してしまう。
そこで本発明では、触媒活性化処理において、酸化ガスをほぼ完全に消費させるように制御して、触媒活性化処理を促進させるものである。以下、本実施形態の触媒活性化処理を説明する。
図2は、本発明の実施形態1に係る触媒燃料電池システムにおける燃料電池の発電電圧と触媒層再生処理の制御動作との関係を経時的に示すチャートである。図3は、本発明の実施形態1に係る燃料電池システムにおける制御部5の触媒層再生処理を中心とする動作を示すフローチャートである。
触媒活性化処理は、定期的に行うものとし、本実施形態1では、制御部5の内部タイマによって触媒活性化処理の開始タイミングが規定される。以下、例えば、時刻t0に作動開始され、期間T0を計測するタイマを「タイマT0」と称する。触媒活性化処理のインターバル期間T4を計測するタイマは、タイマT4である。
図3に示すように、タイマT4の示す期間T4が経過するまでは(ステップS2/NO)触媒活性化処理が行われず、制御部5は、通常運転のために、コンバータ41への電圧指令値を指示する指令信号CCONVを通常運転モードの目標電圧である待機電圧Vhに維持し続ける(ステップS1)。これにより、燃料電池100の出力電圧は待機電圧Vhに維持され、適切なシステムへの電力供給がされる。ここで、待機電圧Vhは、耐久性向上等の観点から燃料電池の出力電圧がこれ以上上昇して欲しくない上限値という意味で、高電圧回避電圧とも言う。
次いで、ステップS2において、タイマT4が計測していた期間T4が時刻t0に到来すると(YES)、ステップS3において、制御部5はタイマT4を停止させ、代わりに電圧低下期間を計測するタイマT0を始動させる。同時に、ステップS4において、制御部5は、コンプレッサ20に出力していた酸化ガス(例えば空気)を供給するコンプレッサ20の駆動を停止させる指令信号CCOMPをコンプレッサ20に送出する。これにより、コンプレッサ20の駆動が停止し、酸化ガス供給系2を介する積極的な酸化ガスの供給が停止される。そしてステップS5において、制御部5は、コンバータ41への電圧指令値である指令信号CCONVを、所定の応答特性に適合するように線形的に漸減させていく。上記処理により、燃料電池100の出力電圧は、コンバータ41の二次側電圧の漸減と酸化ガスの消費とが相俟って、図2に示すように直線的に降下していく。
ここで、電圧降下開始点の電圧は待機電圧Vhであり漸減に係る電圧低下速度は予め定めたものであるから、還元目標電圧Vrに至るまでに経過する時間(期間T0)も当然把握できる。制御部5は、この期間T0をタイマT0に設定する。
触媒層活性化処理の実行中は、発電電流量が上昇し発電電力量も上昇するので、燃料電池100の発電により生ずる余剰電力は、ハイブリッド動作により、コンバータ41経由でコンバータ41の一次側に出力され、バッテリ40に充電される。
図2に示すように、燃料電池100の出力電圧(コンバータ41の二次側電圧)は漸減していき、時刻t0から期間T0が経過した時刻t1において還元目標電圧Vrに到達する。この電圧は、触媒層が酸化反応領域から完全に還元反応領域に入る電圧として実験的に把握されているものである。
ステップS6において、期間T0が経過したことを検出すると(YES)、制御部5はステップS7に移行し、タイマT0を停止させる。次いで、ステップS8に移行し、制御部5はコンバータ41への指令信号CCONVによる電圧指令値を還元目標電圧Vrに維持する。これにより、燃料電池100の出力電圧が還元目標電圧Vrに固定され、触媒層における還元反応が促進され、触媒層の活性化が進む。
還元目標電圧Vrにおいて発電を継続すると、酸化ガス供給系2からの酸化ガスの供給が絶たれているため、燃料電池100はセパレータの流路や配管に残留している酸化ガス(残留エア)のみで発電することとなり、ある時点(図2の時刻t2)残留エアが欠乏し始める。残留エアが欠乏してくると、燃料電池100は出力電圧を還元目標電圧Vrに維持し続けることができなくなる。コンバータ41の電圧指令値は、二次側電圧の上限を規制するだけなので、燃料電池100の出力電圧は維持されることなく低下を始める。
ここで、燃料電池の出力電圧を還元目標電圧Vrに維持し出してから(時刻t1)電圧低下が始まるまで(時刻t2)の時間長は、残留エアの量に応じて変動するので、タイマ設定により計測することは余り好適ではない。よって、時間計測に代えて直接出力電圧を検出して残留エア量の変動を把握している。
ステップS9において、燃料電池100の出力電圧が低下始めることが検出されると(YES)、ステップS10において、制御部5は内部タイマT2を作動させる。タイマT2が計測する期間T2は、酸化ガスの欠乏が開始してからさらに還元反応が進むことによりほぼ確実に残留エアが消費されたと思われる期間長である。
期間T2が経過し時刻t3に近づくと、燃料電池100の内部には残留エアがほぼ皆無となり、その出力電圧は指令遷移電圧Vcに達する。ステップS11において期間T2が経過したことを検出すると(YES)、制御部5はステップS12において、電圧指令値を再び待機電圧Vrにする指令信号CCONVをコンバータ41へ出力する。この時分には酸化ガスが残留していないので、コンバータ41の二次側電圧上限値がいきなり高電圧に変更されても燃料電池100の出力電圧がそれに対応して急激に上昇する(吹き上がる)ことが無いのである。
ここでコンバータ41への待機電圧Vhの指示と同時に酸素ガスの供給を開始してもよいが、本実施形態では、より完全に還元反応を全うするため、コンバータへの高電圧許可よりも遅いタイミングで酸化ガスを供給する。そこで、ステップS13において、制御部5はタイマT2を停止させ、代わりに期間T3を計測するタイマT3を作動させる。この期間T3は、燃料電池の出力電圧が指令遷移電圧Vcからさらに低下しエア供給電圧Vaに達する時間を計測するものである。この指令遷移電圧Vcからエア供給電圧Vaの電圧範囲は、燃料電池の触媒層にとって高い効率で還元反応が進むと同時に、電圧低下に応じて増加する触媒カーボンの酸化反応が進みすぎない電圧に選択されている。期間T3が経過し時刻t4に近づくに連れ、燃料電池の出力電圧もエア供給電圧Vaに接近する。
ステップS14において、期間T3が経過したことを検出すると(YES)、制御部5はステップS15に移行し、エアブローを許可する。すなわち、制御部5は、コンプレッサ20の動作を再開させる指令信号CCOMPをコンプレッサ20に送出する。これにより、酸化ガス系2から空気が多量に燃料電池100のカソード極に供給され、燃料電池100の出力電圧が急激に増加し、待機電圧Vhに漸近する。ステップS16において、制御部5は、タイマT3を停止させ、次の触媒活性化処理までのインターバル期間T4を計測するタイマT4を始動させる。
(実施形態1の利点)
本実施形態1によれば、以下の利点がある。
1)上記実施形態1によれば、燃料電池100の出力電圧が還元目標電圧に達しても(時刻t1)直ぐにはコンバータ41へ運転目標電圧を指令せず、出力電圧が低下を始めるまで待ち(期間T1)、さらに若干の期間(期間T2)経過してから、燃料電池100に対する上限電圧を定めるコンバータ41に対する電圧指令値を元に戻す。このため、残留エアにより出力電圧が一時的に上昇して触媒層を酸化反応領域に遷移させてしまうことがない。よって、触媒層の還元反応時間を長期間確保でき、触媒の酸素をほぼ完全に除去して触媒層を十分に再活性化させることが可能となる。
2)上記実施形態1によれば、酸化ガスの供給を開始するタイミングを、コンバータ41への電圧指令値を元に戻してからさらに若干の期間(期間T3)経過するまで待つので、触媒層の活性化を限界にまで促進しることができる。
3)上記実施形態1によれば、残留エアの欠乏を実際の燃料電池の出力電圧が低下し出したことで検知するので、その時々の残留エアの残量によって触媒活性化の度合いが変動するということを防止し、毎回完全な触媒活性化が行える。
4)上記実施形態1によれば、還元目標電圧Vr、指令遷移電圧Vc、及びエア供給電圧Vaは、触媒カーボン酸化の程度と、触媒活性化の程度とに基づいて設定されるので、触媒活性化のための出力電圧を過剰に触媒カーボンが酸化される手前のレベルに抑えることができる。
(実施形態2)
上記実施形態1では制御部5がタイマを動作させて処理タイミングを検出していたが、本実施形態2では、実際の燃料電池の出力電圧を検出して処理タイミングを検出するものである。
本実施形態2におけるシステム構成は、図1に示すような上記実施形態1と同様のものとする。
図4は、本発明の実施形態2に係る燃料電池システムにおける制御部5の触媒層再生処理を中心とする動作を示すフローチャートを示す。本実施形態2の動作の前提として、制御部5は、電圧センサ48で検出される燃料電池100の出力電圧(コンバータ41の二次側電圧)を定期的に監視しているものとする。以下、前記実施形態1と同様の処理は、同じステップ番号を付す。
図4に示すように、ステップS1において、制御部5は、通常運転のために、コンバータ41への電圧指令値を指示する指令信号CCONVを通常運転モードの目標電圧である待機電圧Vhに維持し続ける。
ステップS20において、制御部5は、触媒活性化処理を行う状態となったか否かを判定する。この触媒活性化処理を行うべきか否かの判定については、幾つかの考え方を適用可能である。例えば、前記実施形態1では、触媒活性化処理を所定のインターバル期間T4毎に定期的に行うものとしていたため、内部タイマT4の時間経過を触媒活性化処理の契機としていた。
しかしながら、触媒活性化処理は必ずしも定期的に行えばよいものではない。触媒の酸化物形成量は使用状態によって変動するからである。例えば、触媒に酸化物が多量に形成されるようになるとセルの出力が低下してくる。すなわち、本来燃料電池が有していたI−V特性どおりに出力が取り出せなくなる。よって、燃料電池の出力電圧を所定の電圧に設定したとしても、実際に取り出せる電流量が、I−V特性より推測していた電流量に達しなくなってきたら、触媒活性化が必要だと判定できる。
以上より、制御部5は、何からの条件により燃料電池100の動作状態や燃料電池の発電状況を監視し、所定の条件に達した場合に、触媒活性化が必要なものと判断することが可能である。
ステップS20において、触媒活性化処理が必要と判定された場合(YES)、制御部5はステップS4に移行し、コンプレッサ20に出力していた酸化ガス(例えば空気)を供給するコンプレッサ20の駆動を停止させる指令信号CCOMPをコンプレッサ20に送出する。これにより、コンプレッサ20の駆動が停止し、酸化ガス供給系2を介する積極的な酸化ガスの供給が停止される。次いでステップS5に移行し、制御部5はコンバータ41への電圧指令値である指令信号CCONVを、所定の応答特性により線形的に漸減させていく。上記処理により、燃料電池100の出力電圧は、コンバータ41の二次側電圧の漸減と酸化ガスの消費とが相俟って、図2に示すように直線的に降下していく。
ここで、上記実施形態1ではタイマT0により電圧降下の開始から終了までの期待時間を測定していたが、本実施形態2では、ステップS21において直接燃料電池100の出力電圧を計測することとする。システムの動作状態が期待されたものである場合、図2の時刻t1に達する頃には、燃料電池100の出力電圧が還元目標電圧Vrに到達するはずである。
ステップS21において燃料電池100の出力電圧が還元目標電圧Vrに到達したことを検出すると(YES)、ステップS8に移行し、制御部5はコンバータ41への指令信号CCONVによる電圧指令値を還元目標電圧Vrに維持する。これにより、燃料電池100の出力電圧が還元目標電圧Vrに固定され、触媒層における還元反応が促進され、触媒層の活性化が進む。
還元目標電圧Vrにおいて発電を継続すると、上記実施形態1で説明したように、燃料電池100の出力電圧は維持されることなく低下を始める。ステップS9において、燃料電池100の出力電圧が低下始めることが検出されると(YES)、ステップS22に移行し、制御部5はさらに燃料電池100の出力電圧の検出を短いインターバルで継続する。そして、その出力電圧の監視は、燃料電池の出力電圧が指令遷移電圧Vcに達するまでの期間(ステップS23/NO)継続する。ステップS23において、燃料電池の出力電圧が指令遷移電圧Vcに到達したら(YES)、制御部5はステップS12において、電圧指令値を再び待機電圧Vrにする指令信号CCONVをコンバータ41へ出力する。この時分には酸化ガスが残留していないので、コンバータ41の二次側電圧上限値がいきなり高電圧に変更されても燃料電池100の出力電圧がそれに対応して急激に上昇する(吹き上がる)ことが無い。
ここでコンバータ41への待機電圧Vhの指示と同時に酸素ガスの供給を開始してもよいが、本実施形態では、より完全に還元反応を全うするため、コンバータへの高電圧許可よりも遅いタイミングで酸化ガスを供給する。この指令遷移電圧Vcからエア供給電圧Vaの電圧範囲は、燃料電池の触媒層にとって高い効率で還元反応が進むと同時に、電圧低下に応じて増加する触媒カーボンの酸化反応が進みすぎない電圧に選択されている。期間T3が経過し時刻t4に近づくに連れ、燃料電池の出力電圧もエア供給電圧Vaに接近する。ステップS24において、制御部5はさらに燃料電池100の出力電圧の検出を短いインターバルで継続する。そして、燃料電池の出力電圧がエア供給電圧Vaに達するまで(ステップS25/NO)、制御部5は電圧監視を継続する。ステップS25において、燃料電池の出力電圧がエア供給電圧Vaに到達したら(YES)、制御部5はステップS15に移行し、エアブローを許可する。すなわち、制御部5は、コンプレッサ20の動作を再開させる指令信号CCOMPをコンプレッサ20に送出する。これにより、酸化ガス系2から空気が多量に燃料電池100のカソード極に供給され、燃料電池100の出力電圧が急激に増加し、待機電圧Vhに漸近する。
以上、本実施形態2によれば、触媒活性化処理において、制御部5はタイマを動作させる代わりに、実際の燃料電池100の出力電圧を検出して次の処理に移るタイミングを把握していた。燃料電池の出力電圧の変化は実際の燃料電池100の内部に残留している酸化ガスの量に影響を受ける。燃料電池の出力電圧に基づいて処理するということは、実際の燃料電池内部の酸化ガス残留量に応じて処理タイミングを決定していることになる。つまり、本実施形態2によれば、残留エアの量に応じた適切なタイミングで触媒活性化処理を進めることができるのである。
なお本実施形態2のように燃料電池100の出力電圧を検出する場合と前記実施形態1のようにタイマにより処理タイミングを検出する場合とを併用してもよい。つまり、燃料電池100の出力電圧検出に代えて、タイマT0〜T4のいずれか1以上を利用してもよい。
(実施形態3)
上記各実施形態では燃料電池の出力電圧の自然低下が観測された後若干期間後、コンバータの電圧指令値を元に戻していたが、本実施形態3では、コンバータの動作が不要な期間、一時的にコンバータの動作を停止させる。
本実施形態2におけるシステム構成は、図1に示すような上記実施形態1と同様のものとする。但し、制御部5は、トラクションモータ43および/または高圧補機45に対する動作要求の有無を検出可能になっているものとする。
図5は、本発明の実施形態3に係る触媒燃料電池システムにおける燃料電池の発電電圧と触媒層再生処理の制御動作との関係を経時的に示すチャートである。図6は、本発明の実施形態3に係る燃料電池システムにおける制御部5の触媒層再生処理を中心とする動作を示すフローチャートである。図6において、前記実施形態1と同じ処理に係る部分には、同じステップ番号を付してある。
図5に示すように、触媒活性化処理において、燃料電池100の出力電圧が還元目標電圧Vrに到達後、暫くとすると(時刻t0から期間T0+T1経過後)、前記実施形態1で説明したように、残留エアが欠乏し始める。残留エアが欠乏してくると、燃料電池100は出力電圧を還元目標電圧Vrに維持し続けることができなくなる。
さらに触媒活性化処理を継続すると、酸化ガスの欠乏がさらに進むことにより、ほぼ確実に残留エアが消費されたと思われる状態(時刻t2から期間T2経過後)となる。この時の燃料電池100の出力電圧は指令遷移電圧Vcに達しているはずである。ここまでの動作は前記実施形態1の図3、S1〜S11までと同様である。
ここで、残留エアが消費されたと推測されるこの状態(第1の条件)は燃料電池100の内部にほぼ酸化ガスが残っていない燃料が枯渇した状態であるため、コンバータ41の電圧指令値がどのように指示されていようと、燃料電池100は出力電圧を上げることができない。つまり、酸化ガスを含むエアが新たに供給されるまでは、コンバータ41が動作する必要は無いといえる。
しかしながら、第1の条件が成立したからといって、コンバータ41の動作が必要な場合にはコンバータを停止することはできない。例えば、コンバータ41を介してバッテリ40から上記トラクションモータ43や高圧補機45に電力を供給すべき場合にはコンバータを停止できない。このため、制御部5は、第1の条件成立に加え、上記トラクションモータ43や高圧補機45に動作要求が無いという条件(第2の条件)が成立していることを確認して、コンバータ41の動作を停止するのである。
本実施形態3では、上記第1の条件と第2の条件とがともに成立する場合に、エアブロー、すなわち燃料電池100に酸化ガスを供給する時までコンバータを休止させる。
ステップS11において、燃料電池100の出力電圧の自然低下が開始してから期間T2が経過したことを検出し(第1の条件成立)、さらにトラクションモータ43や高圧補機45に動作要求が無いことを確認(第2の条件成立)すると(YES)、制御部5はステップS30において、コンバータ41の動作を停止(OFF)させる。この処理により、図5に示すように時刻t3から、コンバータ41の二次側端子はハイインピーダンス状態になる。また、ステップS13において、制御部5は、タイマT2を停止させ、代わりに期間T3を計測するタイマT3を作動させる。
時刻t3以降、燃料電池100は、コンバータ41の動作状態とは無関係に、酸化ガス欠乏により出力電圧が低下し続ける。期間T3が経過し時刻t4に近づくに連れ、燃料電池の出力電圧もエア供給電圧Vaに接近する。
ステップS14において、期間T3が経過したことを検出すると(YES)、制御部5はステップS31に移行し、エアブローを許可すると同時に、コンバータ41の動作を再開(ON)させる。コンバータ41への電圧指令値は待機電圧Vhである。すなわち、制御部5は、コンプレッサ20の動作を再開(ON)させる指令信号CCOMPをコンプレッサ20に送出し、燃料電池100の出力電圧上限値を待機電圧Vrに規制する指令信号CCONVをコンバータ41へ出力する。酸化ガスが供給されるので、燃料電池100の出力電圧は、コンバータ41の二次側電圧の上昇と同時に急激に増加し、待機電圧Vhに漸近する。ステップS16において、制御部5は、タイマT3を停止させ、次の触媒活性化処理までのインターバル期間T4を計測するタイマT4を始動させる。
以上、本実施形態3によれば、燃料電池100の出力電圧の上限値を規制するという役割が不要になるエアブロー前の若干の期間、コンバータ41の動作を停止させるので、システムに影響の無い範囲で電力消費量を低減させることが可能である。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態以外にも種々に変更して適用することが可能である。
例えば、上記実施形態では、触媒層再生処理においてコンプレッサ20の駆動を制御したが、この制御と連動させて水素タンク10からの水素供給を制御する構成としてもよい。
また、上記各実施形態における処理ステップの順序を適宜入れ替えることは可能である。
また、上記各実施形態における燃料電池システムは、電気自動車の他の移動体(陸上、水上、水中、空中)に適用することもできるし、定置形システムに適用してもよい。
本発明の実施形態1に係る燃料電池システムの全体構成を示すシステム図 本発明の実施形態1に係る燃料電池システムにおける燃料電池の発電電圧と触媒層再生処理の制御動作との関係を示すチャート 本発明の実施形態1に係る燃料電池システムにおける触媒層再生処理を説明するフローチャート 本発明の実施形態2に係る燃料電池システムにおける触媒層再生処理を説明するフローチャート 本発明の実施形態3に係る燃料電池システムの全体構成を示すシステム図 本発明の実施形態3に係る燃料電池システムにおける燃料電池の発電電圧と触媒層再生処理の制御動作との関係を示すチャート
符号の説明
1…アノードガス供給系、2…カソードガス供給系、4…電力系、5…制御部、10…水素タンク、11…アノードガス供給路、12…アノードオフガス排出路、20…コンプレッサ、21…カソードガス供給路、22…カソードオフガス排出路、40…バッテリ、41…コンバータ、42…トラクションインバータ、43…トラクションモータ、44…補機インバータ、45…高圧補機、48…電圧センサ、49…逆流防止ダイオード、100…燃料電池、CCONV,CCOMP…指令信号

Claims (10)

  1. 燃料電池の出力電圧を下げて触媒活性化処理を実施する燃料電池システムであって、
    電圧指令値に対応させて前記燃料電池の出力電圧を変化させる電圧変換手段と、
    前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧変換手段に前記電圧指令値を指令する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記触媒活性化処理を実施するに際して、前記電圧変換手段への電圧指令値を前記燃料電池の触媒還元領域にある所定の還元目標電圧に維持すると共に、前記電圧検出手段によって検出される前記燃料電池の出力電圧が前記還元目標電圧からさらに降下して所定の条件が満たされるまで待機することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記所定の条件が満たされた時に前記電圧変換手段への指示電圧を所定の待機電圧にまで上げることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記所定の条件は、前記燃料電池の出力電圧が前記所定の還元目標電圧からの降下を開始してから所定の一定時間が経過することであることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  4. 前記所定の条件は、前記燃料電池の出力電圧が前記所定の還元目標電圧からの降下を開始してから所定の指令遷移電圧に至ることであることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  5. 前記所定の条件が満たされた場合であって所定の第2条件が満たされている間の一定期間、前記電圧変換手段の出力電圧制御動作を停止させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記所定の第2条件は、前記電圧変換手段に蓄電装置が接続されており、前記電圧変換手段と前記燃料電池との間に接続される負荷装置に動作要求が無いことである、請求項5記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池に酸化ガスを供給する酸化ガス供給手段をさらに備え、前記制御手段は、前記触媒活性化処理の開始時に、前記酸化ガス供給手段による酸化ガスの供給を停止させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記制御手段は、前記所定の条件が満たされてからさらに所定の一定時間経過してから前記酸化ガス供給手段による酸化ガスの供給を開始させることを特徴とする請求項7記載の燃料電池システム。
  9. 前記制御手段は、前記所定の条件が満たされてからさらに前記燃料電池の出力電圧が所定の酸化ガス供給電圧まで降下した時に、前記酸化ガス供給手段による酸化ガスの供給を開始させることを特徴とする請求項7記載の燃料電池システム。
  10. 前記還元目標電圧、前記指令遷移電圧、又は前記酸化ガス供給電圧の少なくとも一つは、前記燃料電池の触媒カーボン酸化の程度と触媒活性化の程度とに基づいて設定されたものであることを特徴とする請求項1、4、または9のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
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