JP2007178627A - 負帯電性トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】現像と同時にクリーニングする方式を採用した現像装置による連続印刷においても、クリーニング不良を生じることなく安定した画像が得られる負帯電性トナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含有した原料を溶融混練する工程(I)、該工程(I)で得られた混練物を冷却し、無機微粉末の存在下、粉砕する工程(II)、及び該工程(II)で得られた粉砕物を分級する工程(III)を有する電子写真用トナーの製造方法であって、前記結着樹脂が炭素数1〜18のアルキル基を有するモノアルキルスズ化合物の存在下、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルを含有してなり、前記モノアルキルスズ化合物中に不純物として存在するジアルキルスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物の含有量が2重量%以下である電子写真用トナーの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる負帯電性トナー及び該トナーを含有した二成分現像剤に関する。
電子写真プロセスでは、転写工程後、感光体上に残存している転写残トナーを現像時に現像装置で回収し、回収したトナーを再度現像に用い、現像と同時にクリーニングを行うという技術がある。連続印刷においては、トナーそのものの粉体流動性が低下し、転写残トナーが増加することによって、カブリの増加やカスレが発生し画像不良が生じることが多い。よって、連続印刷においても安定した画像を供給するためのトナーを用いる方法が提案されている。
特許文献1には、外添剤として、アミノシラン及び/又はシリコーンオイルにより疎水化処理された、粒径が10nm〜50nmのシリカ及び粒径が50nm超過200nm以下のシリカを含むトナーが開示されている。
特許文献2には、外添剤として、一次粒子又は二次粒子の状態で存在している平均長径が10mμm〜400mμmの無機微粉体、及び粒子が複数合一することにより生成された大きい無機微粉体を含むトナーが開示されている。
特開2000−89507号公報 特開平11−174731号公報
従来、現像と同時にクリーニングする方式において、数10nmの無機微粉を含有したトナーは、感光体への付着力及び静電引力が低減し、残トナーが減少するため、クリーニング性の向上に有効であることが知られている。しかしながら、小さな無機微粉は有機物である樹脂より硬い為、連続印刷で受けるストレスによってトナー中に埋め込まれ、前述の効果が得られにくくなり、結果的にクリーニングの安定化を達成できない。そこで、埋め込まれ難いより大きな無機微粉を同時にトナーが含有することで、長時間にわたる使用においても、クリーニング性に対して優れた効果を示す技術が使われている(特許文献1、2参照)。しかし、大きな無機微粉はトナーから外れやすく、所謂脱離粉として存在することが多く、良好なクリーニングを維持することが困難である。よって、より安定した画像を供給することの出来る負帯電性トナーの開発が要望されている。
本発明の課題は、現像と同時にクリーニングする方式を採用した現像装置による連続印刷においても、クリーニング不良を生じることなく安定した画像が得られる負帯電性トナーを提供することにある。
本発明は、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤及び外添剤を含有してなる負帯電性トナーであって、前記荷電制御剤がカルボン酸の4級アンモニウム塩を含有してなり、前記外添剤が平均粒径が3〜50nmのシリカ及び平均粒径が60〜300nmのシリカを含有してなる負帯電性トナーに関する。
本発明の負帯電性トナーは、現像と同時にクリーニングする方式を採用した現像装置による連続印刷においても、クリーニング不良を生じることなく安定した画像を供給することができるという優れた効果を奏するものである。
本発明の負帯電性トナーは、結着樹脂及び着色剤に加えて、荷電制御剤としてカルボン酸の4級アンモニウム塩と、外添剤として平均粒径の異なる小粒径シリカと大粒径シリカとを含有している点に大きな特徴を有し、正帯電性荷電制御剤であるカルボン酸の4級アンモニウム塩と負帯電性の小粒径シリカ及び大粒径シリカとが静電的に吸引することにより、連続印刷においても安定した画像を提供することが出来るものである。外添剤として小粒径シリカと大粒径シリカとが併用されることで、大粒径シリカがスペーサーとなってトナー中に小粒径シリカが埋め込まれ難くなり、ある程度良好なクリーニング性が認められるが、さらに正帯電性のカルボン酸の4級アンモニウム塩を有することにより、負帯電性の大粒径シリカの脱離が防止され、さらに小粒径シリカの埋め込みが減少する。そのため、トナーが外添剤を安定して有することになる。
小粒径シリカの平均粒径は3〜50nmであり、好ましくは5〜30nm、より好ましくは10〜25nmである。
小粒径シリカの含有量は、外添剤で処理する前のトナー(未処理トナー)100重量部に対して、0.1〜2重量部が好ましく、0.5〜1.5重量部がより好ましい。
大粒径シリカの平均粒径は60〜300nmであり、好ましくは60〜200nm、より好ましくは65〜130nmである。
大粒径シリカの含有量は、外添剤で処理する前のトナー(未処理トナー)100重量部に対して、0.01〜1重量部が好ましく、0.1〜0.5重量部がより好ましい。
小粒径シリカと大粒径シリカの重量比(小粒径シリカ/大粒径シリカ)は、10/1〜10/5が好ましく、10/2〜10/5がより好ましい。
シリカ(SiO2)の微粉末は、乾式法及び湿式法で製造されたもののいずれであってもよい。また、無水シリカのほか、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛等を含有するものであってもよいが、SiO2を85重量%以上含むものが好ましい。
シリカは、疎水化処理された疎水性シリカであることが好ましい。疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)等のシランカップリング剤、ジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル等が挙げられる。本発明において、小粒径シリカ及び/又は大粒径シリカは負帯電性を呈するものが好ましいことから、これらの中では、シランカップリング剤等の負帯電性の疎水化処理剤が好ましく、流動性と帯電性のバランスが適切なヘキサメチルジシラザン及びジメチルジクロロシランがより好ましい。
疎水化処理剤による処理方法としては、疎水化処理剤がシリカ表面に吸着する方法であれば特に限定されず、例えばシリカを混合槽で攪拌しつつ、疎水化処理剤を溶媒にて希釈した溶液を噴霧し、攪拌を続けながら槽内で一定時間加熱乾燥するなどの方法が挙げられる。疎水化処理剤による処理量は、外添剤の表面積あたり、1〜7mg/m2が好ましい。
さらに、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で、上記シリカ以外のシリカ、チタニア、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化錫等の外添剤が併用されていてもよい。
カルボン酸の4級アンモニウム塩としては、式(I):
Figure 2007178627
(式中、R1〜R4は、同一又は異なっていてもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8の低級アルキル基、炭素数8〜22のアルキル基もしくはアルケニル基又は炭素数6〜20のアリール基もしくはアラルキル基、Xはカルボン酸イオンを示す)
で表される化合物が好ましい。
本発明では、帯電特性がより安定し定着性も向上させることができる観点から、R1〜R4としては、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数12〜18のアルキル基、フェニル基及びベンジル基が好ましく、X-としては、芳香族カルボン酸イオン及び脂肪族カルボン酸イオンが好ましく、芳香族カルボン酸イオンがより好ましい。芳香族カルボン酸イオンとしては、安息香酸の構造を有するカルボン酸イオンが挙げられる。
安息香酸の構造を有するカルボン酸としては、安息香酸、ジチオジ安息香酸、スルフォニルジ安息香酸、スルフェニルジ安息香酸等が挙げられ、これらの中でも、トナー中への分散性の観点から、ジチオジ安息香酸が好ましい。
さらに、より好適なジチオジ安息香酸の4級アンモニウム塩として、本発明では、式(Ia):
Figure 2007178627
で表される化合物が挙げられる。
式(Ia)で表される化合物を含有した市販品としては「COPY CHARGE PSY」(クラリアント社製)等が挙げられる。
カルボン酸の4級アンモニウム塩の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜2重量部が好ましく、0.1〜1重量部がより好ましい。
さらに、本発明のトナーには、本発明の効果が損なわれない範囲で、カルボン酸の4級アンモニウム塩以外の正帯電性荷電制御剤や負帯電性荷電制御剤が含有されていてもよいが、トナーに安定した負帯電性を付与する観点から、負帯電性荷電制御剤が含有されていることが好ましい。
負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸化合物の金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられるが、これらの中では、高い帯電性付与効果の観点から、サリチル酸化合物の金属錯体が好ましい。また、カルボン酸の4級アンモニウム塩及びサリチル酸化合物の金属錯体は、いずれも無色に近く、トナーの色調に与える影響も小さいため、両者の組み合わせは、カラートナーにおいても好適に用いられる。
サリチル酸化合物の金属錯体としては、式(II):
Figure 2007178627
(式中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立して水素原子、直鎖又は分枝鎖状の炭素数1〜10のアルキル基又はアルケニル基、Mは亜鉛、ジルコニウム、クロム、アルミニウム、銅、ニッケル又はコバルト、mは2以上の整数、nは1以上の整数を示す)
で表されるサリチル酸化合物の金属錯体が好ましい。
式(II)において、R6は水素原子が好ましく、R5及びR7は好ましくは分岐鎖状のアルキル基、より好ましくはtert-ブチル基である。
Mとしては、電気陰性度が高く、帯電性の付与効果が良好な亜鉛及びクロムが好ましく、クロムがより好ましい。
本発明において好適に用いられる、R6が水素原子、R5及びR7がtert-ブチル基であるサリチル酸化合物のクロム錯体の市販品としては、「ボントロン E-81」(オリエント化学工業(株)製)等が挙げられる。
サリチル酸化合物の金属錯体の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜7重量部がより好ましい。
カルボン酸の4級アンモニウム塩とサリチル酸化合物の金属錯体の重量比(カルボン酸の4級アンモニウム塩/サリチル酸化合物の金属錯体)は、帯電量を適正レベルにする観点から、1/8〜1/2が好ましく、1/5〜1/3がより好ましい。
本発明における結着樹脂としては、ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、2種以上の樹脂成分を有するハイブリッド樹脂等が挙げられ、特に限定されないが、これらの中では、ポリエステルが好ましい。結着樹脂としてポリエステルを用いた場合は、ポリエステルのカルボキシル基と荷電制御剤のカルボキシル基の相乗作用により、さらにトナー表面の電荷が均一になり、本発明の効果がより顕著に発揮されるものと考えられる。ポリエステルの含有量は、結着樹脂中50〜100重量%が好ましく、70〜100重量%がより好ましく、実質的に100重量%がさらに好ましい。
ポリエステルの原料モノマーは、特に限定されないが、公知のアルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知のカルボン酸成分が用いられる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で縮重合することにより製造することができる。
耐久性及び定着性の観点から、ポリエステルの軟化点は80〜165℃が好ましく、ガラス転移点は50〜85℃が好ましく、酸価は0.5〜60mgKOH/gが好ましい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等を使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
さらに、本発明のトナーには、離型剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、磁性体等の添加剤が、適宜添加されていてもよい。
本発明のトナーは、結着樹脂及び着色剤、さらに必要に応じて各種添加剤を含有した未処理トナーを外添剤により表面処理する工程を経て得られる。未処理トナーは、粉砕トナーが好ましく、例えば、結着樹脂、着色剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機で混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機等で溶融混練し、冷却後、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、さらにジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級して得られる。
外添剤による未処理トナーの表面処理工程は、外添剤と未処理トナーとをヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌機、V型ブレンダー等を用いる乾式混合法が好ましい。外添剤は、あらかじめ混合して高速攪拌機やV型ブレンダーに添加してもよく、また別々に添加してもよい。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、粉体としての扱いやすさの観点から、シリカ等の外添剤で処理する前の状態で、3〜15μmが好ましく、4〜9μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明のトナーは、そのまま一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して用いられる二成分現像用トナーとして、一成分現像法及び二成分現像法のいずれにも用いることができるが、印字安定性が良好で、高速化が可能である点から、二成分現像用トナー、特に、負帯電性二成分現像用トナーとして好適に使用することができる。従って、本発明ではさらに、本発明の負帯電性トナーとキャリアとを含有した二成分現像剤を提供する。
本発明において、キャリアとしては、画像特性の観点から、磁気ブラシのあたりが弱くなる飽和磁化の低いキャリアが用いられるのが好ましい。キャリアの飽和磁化は、40〜100Am2/kgが好ましく、50〜90Am2/kgがより好ましい。飽和磁化は、磁気ブラシの固さを調節し、階調再現性を保持する観点から、100Am2/kg以下が好ましく、キャリア付着やトナー飛散を防止する観点から、40Am2/kg以上が好ましい。
キャリアのコア材としては、公知の材料からなるものを特に限定することなく用いることができ、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト、マンガンフェライト、マグネシウムフェライト等の合金や化合物、ガラスビーズ等が挙げられ、これらの中では、帯電性の観点から、鉄粉、マグネタイト、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト、マンガンフェライト及びマグネシウムフェライトが好ましく、画質の観点から、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト、マンガンフェライト及びマグネシウムフェライトがより好ましい。
キャリアの表面は、キャリア汚染低減の観点から、樹脂で被覆されているのが好ましい。キャリア表面を被覆する樹脂としては、トナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂、ポリエステル、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂等が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を併用して用いることができるが、トナーが負帯電性である場合には、帯電性及び表面エネルギーの観点から、シリコーン樹脂が好ましい。樹脂によるコア材の被覆方法は、例えば、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁させて塗布し、コア材に付着させる方法、単に粉体で混合する方法等、特に限定されない。
トナーとキャリアとを混合して得られる本発明の二成分現像剤において、トナーとキャリアの重量比(トナー/キャリア)は、1/99〜10/90が好ましく、5/95〜7/93がより好ましい。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
測定粒径範囲:2〜60μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔シリカの平均粒径〕
下記式より求める。
平均粒径(nm)=6/(ρ×比表面積(m2/g))×1000
式中、ρはシリカの比重(2.2)であり、比表面積は疎水化処理前の原体の、窒素吸着法により求められたBET比表面積である。
なお、上記式は、粒子径Rの球と仮定して、
比表面積=S×(1/m)
m(粒子の重さ)=4/3×π×(R/2)3×比重
S(表面積)=4π(R/2)2
から得られる式である。
樹脂製造例1
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン1,040g、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン10g、テレフタル酸199g及び酸化ジブチル錫4gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、常圧下230℃にて5時間かけて反応させた後、8.3kPaにて2時間反応させた。反応溶液を210℃に冷却し、フマル酸209g及びハイドロキノン1gを添加し、5時間反応させた後、さらに8.3kPaにて、所定の軟化点に達するまで反応させた。得られたポリエステルAの軟化点は109.5℃、ガラス転移点は64.4℃、酸価は21.3mgKOH/gであった。
実施例1及び比較例1〜3
ポリエステルA 100重量部、キナクリドン顔料「Fastogen Super Magenta R」(大日本インキ化学工業社製)5重量部、及び表1に示す荷電制御剤をヘンシェルミキサーにて混合後、二軸押出機により溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて1mm程度に粗粉砕した。得られた粗粉砕物をエアージェット方式の粉砕機により微粉砕後、分級し、体積中位粒径8.5μmの未処理トナーを得た。さらに、得られた未処理トナー100重量部に対して表1に示す外添剤を添加して、ヘンシェルミキサーにて5分間攪拌後、目開き100μmの金網で篩って、トナーに外添処理を施した。
試験例1
各実施例及び各比較例で得られたトナー各々48gと、フェライトキャリア(平均粒径60μm、飽和磁化69Am2/kg、シリコーン樹脂の表面処理あり)756gを1L容積の円柱状ポリボトルに入れ、容器をターブラシェイカーミキサー中に固定し、90r/minの速度で10分間回転させて二成分現像剤を得た。
得られた現像剤を市販の複写機「AR-S330」(シャープ社製)に内包し、シミュレーションモードにて現像剤の攪拌を1時間行った。ベタ画像(293mm×206mm)を有する原稿を置いて、10枚複写した後、感光体を取り出した。感光体表面において、ベタ画像に対応するトナー像を形成した部分に残存しているトナーをメンディングテープに移しとった。かかるメンディングテープと未使用のメンディングテープとをそれぞれ白紙に貼り付け、両者の画像濃度を色彩計「GRETAG SPM50」(グレタグ社製)にて測定し、その差を求めクリーニング性とした。結果を表1に示す。画像濃度の差が大きいほど、複写終了後も感光体表面に残存するトナーが多く、クリーニング不良であることを示す。
各々の結果を表1に示す。
試験例2
試験例1の後、ベタ画像(293mm×206mm)の連続印刷を3時間行い、印刷初期(クリーニング性評価時)のベタ画像の画像濃度と連続印刷後のベタ画像の画像濃度の差から、下記の評価基準に従って印字安定性を評価した。
〇:画像濃度の差が0.02未満
△:画像濃度の差が0.02以上、0.05未満
×:画像濃度の差が0.05以上
Figure 2007178627
以上の結果より、比較例1〜3のトナーと対比して、実施例1のトナーは良好なクリーニング性及び印字安定性を有することが分かる。これに対し、大粒径シリカを含有していない比較例1のトナーは良好なクリーニング性が得られず、一方、4級アンモニウム塩を含有していない比較例2のトナーは長時間に渡る、クリーニング安定性が得られていない。また、4級アンモニウム塩の代替にニグロシン染料を含有した比較例3のトナーはクリーニング性及び印字安定性ともに不良であり、正帯電性荷電制御剤であってもニグロシン染料では、本発明の効果は得られないことが分かる。
本発明の負帯電性トナー及び該トナーを含有した二成分現像剤は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (5)

  1. 結着樹脂、着色剤、荷電制御剤及び外添剤を含有してなる負帯電性トナーであって、前記荷電制御剤がカルボン酸の4級アンモニウム塩を含有してなり、前記外添剤が平均粒径が3〜50nmのシリカ及び平均粒径が60〜300nmのシリカを含有してなる負帯電性トナー。
  2. 荷電制御剤が、さらにサリチル酸化合物の金属錯体を含有してなる請求項1記載の負帯電性トナー。
  3. カルボン酸の4級アンモニウム塩とサリチル酸化合物の金属錯体の重量比(カルボン酸の4級アンモニウム塩/サリチル酸化合物の金属錯体)が1/8〜1/2である請求項2記載の負帯電性トナー。
  4. 結着樹脂がポリエステルを含有してなる請求項1〜3いずれか記載の負帯電性トナー。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の負帯電性トナーとキャリアとを含有してなる二成分現像剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010026404A (ja) * 2008-07-23 2010-02-04 Kao Corp 混合トナー用ベーストナーの製造方法
JP2010128066A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Kyocera Mita Corp 2成分現像剤用トナー、および画像形成装置
JP2019039976A (ja) * 2017-08-23 2019-03-14 シャープ株式会社 トナー、二成分現像剤、トナーカートリッジ及び現像槽

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