JP2007173647A - 電磁誘導部品および電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】面積当たりのターン数を大きくとることができる上に放熱性に優れた小型かつ薄型の電磁誘導部品を提供する。
【解決手段】半導体基板からなる第1基板10と第2基板20とが積層される。第1基板10と第2基板20との厚み方向の一面にはそれぞれ導電層からなる複数本の線状の第1パターン11と第2パターン21とが並設される。第1基板10は第1パターン11の両端部にそれぞれ電気的に接続され第1基板10を貫通する貫通導体である接続部12を備える。第1基板10と第2基板20とを積層することにより接続部12が第2パターン21に接続され、第1パターン11と第2パターン21と接続部12とにより螺旋状の巻線が形成される。第1基板10において第1パターン11が形成されている一面には隣接する各一対の第1パターン11の間にそれぞれ溝部13が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁誘導部品およびそれを用いた電源装置に関するものである。
従来から、平面型インダクタあるいは平面型トランスと称する薄型の電磁誘導部品が種々提案されている。また、電磁誘導部品の基板として半導体基板を用いることにより半導体製造プロセスを利用して小型化することも考えられている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1では、電源の小型軽量化のために半導体基板を用いる電磁誘導部品において、磁気誘導型銅損を減少させるためにコイル導体の厚みを大きくすることが考えられており、コイル基板上にコイル導体を形成した2個の平面コイルをコイル面同士が電気的に接続されるように重ね合わせた構造を有している。また、コイル基板とコイル導体との間に磁性薄膜を配置した構成が記載されている。
特開平11−176639号公報
ところで、特許文献1に記載された電磁誘導部品では、コイル導体が一平面内でスパイラル状に形成されているものであるから、面積当たりのターン数を大きくとることができないという問題を有している。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、面積当たりのターン数を大きくとることができる上に放熱性に優れた小型かつ薄型の電磁誘導部品およびその電磁誘導部品を用いた電源装置を提供することにある。
請求項1の発明は、半導体基板であって表裏の一面に導電層からなる複数本の線状の第1パターンが並設された第1基板と、第1基板が積層され表裏の一面に導電層からなる複数本の線状の第2パターンが並設された第2基板とからなり、第1基板は、各第1パターンの両端部にそれぞれ電気的に接続され第1基板を貫通する貫通導体である接続部を備え、第1基板と第2基板とが積層された状態において第1パターンと第2パターンとが接続部を介して電気的に接続され、第2パターンには第1パターンが並んでいる方向に沿って第1パターンについて1本以上の規定間隔離れた端部間を電気的に接続する短絡接続部が形成され、第1基板において第1パターンが形成されている上記一面には隣接する各一対の第1パターンの間にそれぞれ溝部が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1パターンと第2パターンとにより形成された2層の導体層の間を接続部で電気的に接続することによりループ状の電路が形成されるから、面積当たりのターン数を多くとることができる。また、第1基板と第2基板とを積層した程度の厚み寸法の薄型であり、しかも第1基板が半導体基板であるから、半導体製造プロセスによる貫通導体の微細加工が可能であって、小型の電磁誘導部品を提供することができる。さらに、第1基板が半導体基板であるから、第1基板に他素子を形成することによって電磁誘導部品を含む回路を1チップに集積回路化することができる。加えて、第1基板では各一対の第1パターンの間にそれぞれ溝部が形成されているから、第1基板の表面積が大きくなり放熱性が高くなる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記短絡接続部は第1パターンが並んでいる方向に沿って第1パターンについて2本ずつ離れた位置の端部間を電気的に接続することにより2回路の巻線を形成し、前記各溝部にそれぞれ挿入される複数個の櫛歯部と第1基板の前記一面に沿った背板部とを磁性体により連続一体に形成したコア部材を備えることを特徴とする。
この構成では、第2基板に形成した第2パターンに短絡接続部を形成し、第2パターンにおいて2本ずつずれた位置の端部間を電気的に接続しているから、2回路の巻線が交互に配列されることになり、かつ両巻線同士が比較的近接して配置されることになる。つまり、両巻線が電磁結合し、トランスを構成することができる。しかも、電磁結合する巻線同士の距離が近いから巻線間の結合度が高くなる。その上、溝部に挿入される櫛歯部と櫛歯部と連続一体である背板部とを有したコア部材を設けているので、第1パターンのうち1次巻線となる部位の周囲に形成される磁界がコア部材を通ることにより、第1パターンのうち2次巻線となる部位との電磁結合の結合度が高くなり、1次側と2次側との結合度が高く損失の少ないトランスを提供することができる。
請求項3の発明では、請求項1または請求項2の発明において、前記第1基板と前記第2基板との間に磁性体板よりなるコア板が積層され、コア板は前記接続部に電気的に接続される貫通導体である連結接続部を備えることを特徴とする。
この構成によれば、第1パターンと第2パターンと接続部とからなる巻線に囲まれる部位に磁性体からなるコア板の少なくとも一部が配置されるから、鉄心入りの電磁誘導部品を構成することができ、インダクタであれば大きいインダクタンスを得ることができ、トランスであれば結合度が高くなる。
請求項4の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電磁誘導部品とスイッチング素子とスイッチング素子のオンオフを制御する制御回路とを備える電源装置であって、スイッチング素子と制御回路とが第1基板と第2基板との少なくとも一方に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、電源装置を構成する部品のうち電磁誘導部品を薄型かつ小型に形成することにより電源装置の薄型化および小型化が可能になる。また、第1基板が半導体基板であるから、電源装置を構成する回路部品の少なくとも一部を必要に応じて第1基板に形成することができ、電源装置の一層の小型化に寄与することができる。
本発明の構成によれば、第1パターンと第2パターンとにより形成された2層の導体層を接続部で電気的に接続することによりループ状の電路が形成されているから、面積当たりのターン数を多くとることができるという利点がある。また、第1基板と第2基板とを積層した程度の厚み寸法であるから薄型であり、しかも第1基板が半導体基板であるから、小型の電磁誘導部品を提供することができる上に、第1基板に他素子を形成することによって電磁誘導部品を含む回路を1チップに集積回路化することができるという利点がある。さらにまた、第1基板では各一対の第1パターンの間にそれぞれ溝部が形成されているから、第1基板の表面積が大きくなり放熱性が高くなるという利点がある。
(実施形態1)
本実施形態では、図1に示すように、第1基板10と第2基板20とを積層することにより形成される空芯の平面型インダクタ(本発明で、平面型とは一平面内という意味ではなく薄型という意味で用いている。したがって、薄型インダクタと同義である。)について説明する。第1基板10と第2基板20とはともに半導体基板であって、ここではシリコン基板を用いるものとする。また、第1基板10と第2基板20とは、いずれも平面視において矩形状に形成されているものとする。
第1基板10には厚み方向の一面に導電層からなる複数本ずつの第1パターン11が形成され、また第2基板20にも厚み方向の一面に導電層からなる複数個の第2パターン21が形成される。第1パターン11と第2パターン21とは、ともに金属(銅が望ましい)により形成される。第1基板10に設けた各第1パターン11はそれぞれ同形状・同寸法に形成され、またコイル基板20に設けた各第2パターン21はそれぞれ同形状・同寸法に形成される。ここに、第1基板10と第1パターン11との間および第2基板20と第2パターン21との間には、酸化膜あるいは窒化膜による絶縁層を形成してある。
図2(a)に示すように、第1基板10に設けた各第1パターン11は、それぞれ第1基板10の一辺に平行な直線状に形成されている。一方、図2(b)に示すように、コイル基板20に設けた各第2パターン21は、それぞれ中間部においてコイル基板20の一辺に対して斜めに交差する方向に延長された短絡接続部21aを有し、短絡接続部21aを除く部位にはコイル基板20の一辺に平行な直線状に形成された主パターン部21bを有している。第1基板10と第2基板20とを積層したときに、短絡接続部21aは隣り合う各一対の第1パターン11の間を斜めに横断する。
第1基板10には第1パターン11の各一端部に電気的に接続されるとともに第1基板10を貫通する貫通導体からなる接続部12が設けられている。つまり、第1基板10において接続部12は各第1パターン11について2個ずつ対応している。接続部12が第1基板10と電気的に接続されないように、第1基板10において接続部12を設ける貫通孔の内周面には酸化膜または窒化膜による絶縁層が形成される。
なお、本実施形態では、第2基板20において第2パターン21を形成している面に第1基板10を載置する構成を採用するから第1基板10にのみ接続部12を設けた構成を示すが、第2基板20にも接続部を設けて第1パターン11と第2パターン21とが互いに反対面側に配置されるように第1基板10と第2基板20とを積層する構成を採用してもよい。
ところで、第2パターン21に形成された短絡接続部21aは、第2パターン21が並ぶ方向において隣り合う2本の第2パターン21の端部(主パターン21b)同士を結合するように形成されている。たとえば、第2パターン21が並ぶ方向において図2(b)の下から2番目と3番目との2本の第2パターン21に着目すると、2番目の第2パターン21の左端部と3番目の第2パターン21の右端部とが短絡接続部21aを介して連続する。
したがって、第1基板10に設けた接続部12が第2パターン21に電気的に接続される位置関係となるように位置合わせを行って第1基板10と第2基板20とを積層すると、第1パターン11と第2パターン21とが接続部12を介して電気的に接続され、1回路の電路を形成する。すなわち、図2(a)において下から1番目の第1パターン11の左端部は、図2(b)において下から1番目の第2パターン21を介して図2(a)において下から2番目の第1パターン11の右端部に接続され、同様にして各第1パターン11が第2パターン21を介して順次接続される。このような接続関係によって、第1パターン11と第2パターン21と接続部12とからなる1回路の巻線が形成されることになる。
なお、第1基板10と第2基板20とを結合するにあたっては、第1基板10において第1パターン11が形成されていない面と第2基板20において第2パターン21を形成した面とを当接させ、かつ第1基板10に設けた接続部12を第2パターン21に電気的に接続するように、第1基板10と第2基板20とを積層して接合する。ここに、第1基板10の接続部12と第2パターン21とは、接続部12にバンプを形成して接合したり、半田を用いて接合したりする。さらに、第1基板10と第2基板20とを陽極接合などの技術により接合してもよい。
上述した例では、第2パターン21の中間部に短絡接続部21aを形成することにより、第2パターン21によって隣接する2個の第1パターン11の間を接続する構成とした例を示したが、平面視において第2パターン21の全体を第1パターン11に対して交差する方向に延長された直線状に形成しておき、第2パターン21の全体を短絡接続部21aとして用いることも可能である。この構成を採用しても、第1パターン11と第2パターン21とを接続部12で接続し1本の電路を形成すれば電路は螺旋状になり巻線として機能する。
ところで、本実施形態では、第1基板10の厚み方向の一面であって第1パターン11を形成している面において、隣接する第1パターン11の間にそれぞれ溝部13を形成してある。溝部13は第1パターン11の延長方向において第1基板10の全長に亘って形成されている。したがって、溝部13の両端は第1基板10の両側面に開放される。
上述した構成は空芯コイルであるが、磁性体を配置することによりインダクタンスを大きくすることができる。たとえば、図3に示すように、第1基板10と第2基板20との間にフェライト板のような磁性体板からなるコア板14を挟持する構成を採用すればよい。ただし、この構成では、接続部12と第2パターン21との間の電気的接続のためにコア板14に貫通導体である連結接続部15を設ける必要がある。連結接続部15は、第1基板10と第2基板20とコア板14とを積層したときに、接続部12および第2パターン21の端部に一致する位置に形成される。
この構成によれば、第1パターン11と第2パターン21とが接続部12および連結接続部15を介して接続され、図1、図2を用いて説明した構成と同様に、1本の電路としての巻線を形成することができる。また、コア板14を用いた構成では、コア板14の厚み寸法分だけ厚み寸法が増加するが、巻線の近傍に磁性体を設けることの効果に加えて、同面積内での巻線の総延長が長くなるから、インダクタンスを大きくすることができる。
さらに、本実施形態では第1基板10と第2基板20とが半導体基板であるから、第1基板10と第2基板20とに他の素子を形成することが可能であり、電磁誘導部品を備える回路を集積回路化することが可能である。また、第2基板20は必ずしも半導体基板ではなくてもよく、ガラス基板やプリント基板を用いてもよい。
上述した本実施形態の構成では、第1基板10に多数の溝部13を形成していることにより、第1基板10の表面積が大きくなり、放熱性に優れた電磁誘導部品を提供することができる。なお、本発明は第1基板10を半導体基板により形成するものであるが、応用例として第1基板10を磁性体基板とすることも可能である。
(実施形態2)
実施形態1においては電磁誘導部品として1回路の巻線を有する平面型インダクタを例示したが、第2基板20に形成する第2パターン21を変更すれば、2回路の巻線を有する平面型トランスを構成することができる。つまり、1回路の巻線を形成する場合には、並び方向において隣接する2個の第1パターン11を第2パターン21に設けた短絡接続部21aにより短絡させていたが、2回路以上の巻線を形成する場合には、並び方向において2本以上の一定間隔ごとに第1パターン11を短絡させるように短絡接続部21aを形成する。
図4に示す構成例では、図4(a)のように第1基板10に形成した第1パターン11は図2(a)に示した実施形態1と同形状であるが、第2基板20に形成した第2パターン21は、図4(b)のように図2(b)に示した実施形態1とは相違している。つまり、実施形態1では、隣接する2個の第1パターン11を電気的に接続するように短絡接続部21aを形成していたが、本実施形態では、2本離れた第1パターン11を電気的に接続するように短絡接続部21aを形成している点で相違する。
たとえば、図4に示す例では、図4(a)において下から1番目の第1パターン11の左端部が、図4(b)において下から1番目の第2パターン21を介して図4(a)の下から3番目の第1パターン11の右端部に接続されるのであって、同様にして各第1パターン11が第2パターン21を介して順次接続される。このような接続関係とすれば、下から奇数番目の第1パターン11と下から偶数番目の第1パターン11とは別回路になり、2個の巻線が形成されることになる。また、各回路の巻線を形成している第1パターン11と第2パターン21とが交互に配列されることにより、巻線が近接しているから電磁結合により結合し、結果的にトランスとして機能させることができる。
上述の構成例では第2パターン21は互いに交差していないが、図5に示すように、異なる巻線を形成する第2パターン21において短絡接続部21aを互いに立体交差させてもよい(破線で示す部位は第2基板20に埋設される)。
この構成では、たとえば、一方の回路の巻線について、下から1番目の第2パターン21の左端部と下から3番目の第2パターン21の右端部とが電気的に接続されるように短絡接続部21aを形成している場合に、他方の回路の巻線について、下から2番目の第2パターン21の右端部と下から4番目の第2パターン21の左端部とが電気的に接続されるように短絡接続部21aを形成することになる。ここに、図示例では後者の短絡接続部21aが第2基板20に埋設される。
この配置では、異なる回路の短絡接続部21a同士が互いに立体交差する。立体交差させる短絡接続部21aの一方は第2基板20の表面に形成し、他方は他方は第2基板20に埋設される。つまり、短絡接続部21aは多層配線によって実現される。なお、短絡接続部21aによって結合する第1パターン11を選択することにより3回路以上の巻線を形成することも可能である。
本実施形態のようにトランスとして機能させるために複数回路の巻線を設ける場合にも実施形態1における変形例を適用することができる。つまり、磁性体からなるコア板14を第1基板10と第2基板20との間に配置したり、第1基板10と第2基板20とに回路素子を形成して集積回路化したりすることが可能である。他の構成および機能は実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態は、実施形態2において2回路の巻線を形成した場合に適用可能な構成であって、図6のように、平面型トランスにおける1次巻線と2次巻線との結合度を高めるためにフェライトのような磁性体からなるコア部材16を付加したものである。コア部材16は、各溝部13にそれぞれ挿入される多数枚の櫛歯部16aを備え、第1基板10において第1パターン10を形成している一面に沿った背板部16bと櫛歯部16aとを連続一体に形成した形状を有している。
このようなコア部材16を用いることにより、第1基板10において隣接して配置されている1次巻線と2次巻線とがコア部材16を介して磁気結合され、結果的に1次巻線と2次巻線との結合度が大きくなる。他の構成および機能は実施形態2と同様である。
ところで、実施形態1、実施形態2、実施形態3に示した電磁誘導部品は、電源装置などを構成する際に用いることができる。電源装置としては、降圧型、昇圧型、極性反転型などのチョッパ回路と、フライバック型、フォワード型などのDC−DCコンバータとが広く知られている。チョッパ回路ではインダクタに蓄積した電磁エネルギを利用するからインダクタを用い、DC−DCコンバータではトランスを用いる。
図7に一例として降圧型のチョッパ回路の基本的な構成を示す。この構成では、商用電源をダイオードブリッジで整流することなどにより得られる直流電源(図示せず)の両端間にスイッチング素子(MOSFETなど)QとインダクタLと平滑コンデンサCとの直列回路が接続され、インダクタLと平滑コンデンサCとの直列回路に環流用のダイオードDが並列接続された構成を有している。また、スイッチング素子Qのオンオフは制御回路CNにより制御される。
この種のチョッパ回路は周知のものであるが、簡単に動作を説明すると、スイッチング素子Qのオン期間において直流電源からインダクタLを通して平滑コンデンサCが充電され、この間にインダクタLに電磁エネルギが蓄積される。また、インダクタLに蓄積された電磁エネルギは、スイッチング素子Qのオフ期間において平滑コンデンサCとダイオードDとを通るループ回路を通して流れ、平滑コンデンサCに充電電流を流す。この電源装置の出力は平滑コンデンサCの両端から取り出される。
上述した電源装置を構成する際に、インダクタLとして実施形態1において説明した平面型インダクタを採用すれば、小型かつ薄型の電源装置を構成することができる。ここに、平面型インダクタはごく小型であるから、蓄積できる電磁エネルギは比較的小さいものである。したがって、スイッチング素子Qのオンオフの周波数(つまり、スイッチング周波数)は100kHz〜数MHz程度の高周波で行うことが望ましい。
このような電源装置を構成する場合に、インダクタLを構成する半導体基板に、スイッチング素子QとダイオードDと制御回路CNとを形成して集積回路化しておけば、平滑コンデンサCを外付するだけで電源装置を構成することが可能になる。また、上述したインダクタLを電源装置に用いることにより、電源装置の構成部品のうちの大型部品であったインダクタLを小型化することができる。しかも、スイッチング素子QとともにインダクタLを集積回路化することによりスイッチング素子Qの近傍にインダクタLを設けることができ、結果的に、スイッチング素子Qのオンオフを高周波で行う場合に問題となる寄生容量の影響を軽減することができる。
なお、DC−DCコンバータを構成する場合も同様であって、代表的な構成のDC−DCコンバータでは、トランスの1次巻線にスイッチング素子を直列接続し、トランスの2次巻線に整流用のダイオードと平滑コンデンサとの直列回路を接続し、スイッチング素子のオンオフを制御回路により制御するから、トランスを構成する半導体基板に、スイッチング素子、ダイオード、制御回路などを集積回路化することができる。
上述した小型の電源装置を用いた配線システムの例を図8に示す。図示する配線システムでは、建物内の適所に埋込配置されたスイッチボックス3にゲート装置4と称する配線器具を収納する。ゲート装置4には壁内に先行配線された電力線Lpと情報線Liとが接続される。スイッチボックス3およびゲート装置4は1個ずつでもよいが、以下では複数個設ける場合について説明する。また、図示例では、ルータとハブとを内蔵したゲートウェイの機能を有している基本モジュール1と、メインブレーカMBおよび分岐ブレーカBBとを内蔵した配線盤5を用いている。
基本モジュール1には、複数系統(図示例では3系統)の情報線Liが接続され、ゲートウェイとして各情報線Liを外部のインターネット網NTに接続する。基本モジュール1は、情報線Liを複数系統に分岐したり情報線Liをインターネット網NTに接続するだけでなく、情報線Liを通して後述する各機能モジュール2の動作状態を監視する機能も備えている。また、メインブレーカMBは商用電源ACに接続され、分岐ブレーカBBに電力線Lpが接続される。図示例では分岐ブレーカBBを1系統で代表して示しているが通常は複数系統の分岐ブレーカBBを設ける。
図8に示す例では、機能モジュール2として、コンセントあるいはスイッチのように負荷制御を主な機能とするものと、スピーカあるいは表示器のように情報の授受を主な機能とするものとを示している。本実施形態の構成では、負荷制御を主な機能とする場合であっても、コンセントに接続した負荷で使用した電力量やスイッチを操作した回数などを情報として情報線Liを介して監視することが可能になる。
各系統のゲート装置4の間は電力線Lpおよび情報線Liの送り配線によって接続される。また、各系統のゲート装置4のうちの1個は配線盤5との間で電力線Lpおよび情報線Liを介して接続される。つまり、各系統のゲート装置4は電力線Lpに並列接続され、また情報線Liに並列接続されることになる。
ゲート装置4は、電力線Lpと情報線Liとに接続されたコネクタからなる接続口6(図9参照)を備える。したがって、後述する機能モジュール2のコネクタをゲート装置4の接続口6に接続するだけで、機能モジュール2に電力を供給する電力路と、機能モジュール2との間で通信するための情報路とを同時に確保することができる。しかも、ゲート装置4は電力線Lpと情報線Liとにそれぞれ並列接続されているだけであるから、機能モジュール2はどのゲート装置4にも接続することができる。つまり、機能モジュール2は、ゲート装置4の配置されている範囲内で自由に配置することができるから、レイアウトの自由度が高い施工性に優れた配線システムを提供することができる。
スイッチボックス3は、たとえばJIS規格(C 8375)に規定する取付枠9(図9参照)を取り付けることができるものを用いる。図示する取付枠9は一連形と呼ばれており、JIS規格(C 8304)において大角連用形スイッチの1個モジュールとして規格化されている埋込形の配線器具を3個取り付けることができる。
取付枠9は、図9に示すように、中央部に表裏に貫通した器具取付用の矩形状の窓孔9aを備える。取付枠9に取付対象である配線器具を取り付けるには、窓孔9aの後方から配線器具の前部を挿入し、取付枠9の左右両側の枠片9bに設けた器具係止部に配線器具の左右両側に設けた被係止部を結合させる。図示例では、配線器具に被係止部として爪を設け取付枠9の枠片9bに器具係止部として間隙を設けている。ただし、配線器具に被係止部として穴を設け取付枠9の枠片9bに器具係止部として爪を設けた構成もある。取付枠9の上下の枠片9cには挿入孔9dが貫設されている。取付枠9をスイッチボックス3に取り付けるには、取付枠9に配線器具を装着した状態で、図示しない取付ねじを挿入孔9dに前方から挿入してスイッチボックス3に設けたねじ受け(図示せず)に螺入させる。
なお、取付枠9を壁パネルに取り付ける場合には、壁パネルに取付孔を貫設し、挿入孔9dに挿入される引締ねじを挟み金具(図示せず)と称する部材に螺合させ、壁パネルに貫設した取付孔の周部を取付枠9と挟み金具との間で挟持するように引締ねじを締め付けてもよい。あるいはまた、取付枠9を通して壁材に木ねじを螺合させることによって、取付枠9を壁に取り付けることも可能である。
本実施形態では、各スイッチボックス3の上部からは、配電ボックス1または他のスイッチボックス3に接続された電力線Lpおよび情報線Liが導入され、各系統の末端に位置するスイッチボックス3を除いた各スイッチボックス3の下部からは他のスイッチボックス3への送り配線である電力線Lpおよび情報線Liが導出される。また、ゲート装置4を取り付けた取付枠9を各スイッチボックス3に取り付けることによって、上述したように、各スイッチボックス3にそれぞれゲート装置4が収納される。ここにおいて、ゲート装置4には、電力線Lpと情報線Liとが接続されるから、電力線Lpと情報線Liとの混触を防止するために、電力線Lpと情報線Liとのスイッチボックス3への導入口および導出口はそれぞれ個別に設けるのが望ましい。
ゲート装置4は、板ばねのばね力を利用して電線を結線する、いわゆる速結端子構造の端子を器体に内蔵しており、器体の背面に開口する電線挿入口に電線を挿入することにより、電線の機械的保持と電気的接続とがなされる構成を採用している。電線挿入口は、電力線Lpと情報線Liとについて2対ずつ設けてある。各1対は送り配線を接続するために用いられる。ゲート装置4の器体の前面には、電力線Lpが接続される端子に電気的に接続されている接触部を設けた電力路接続口6aと、情報線Liが接続される端子に電気的に接続されている接触部を設けた情報路接続口6bとが配置される。
電力路接続口6aと情報路接続口6bとは1個の接続口6としてモジュール化されている。配線システム内の各ゲート装置4において、各電力路接続口6aと各情報路接続口6bとはそれぞれ同仕様(接触部の配列や接続口のサイズなど)であり、また電力路接続口6aおよび情報路接続口6bの位置関係は統一されている。接続口6には、機能モジュール2の背面に設けた接続体7が着脱可能に結合される。すなわち、機能モジュール2の接続体7には、電力路接続口6aに着脱可能に結合される電力路接続体7aと、情報路接続口6bに着脱可能に結合される情報路接続体7bとをモジュール化した接続体7が設けられる。機能モジュール2の接続体7をゲート装置4の接続口6に接続した状態において、機能モジュール2はゲート装置4の前面を覆う。ここに、接続口6と接続体7とはコネクタを構成する。
機能モジュール2は、図10に示すように、ゲート装置4に対して1台だけ接続することによって単独で用いることができる基本機能モジュール2aと、基本機能モジュール2aに対して壁面に沿う面内で配列され基本機能モジュール2aと組み合わせて用いることにより基本機能モジュール2aの機能を拡張する拡張機能モジュール2bとがある。拡張機能モジュール2aは、基本機能モジュール2aに対して1台接続するだけではなく、複数台を接続することも可能である。
以下の説明においては、基本機能モジュール2aを単独で用いるか、基本機能モジュール2aに拡張機能モジュール2bを結合して用いるかにかかわらず、どちらの場合についても機能モジュール2として説明する。
機能モジュール2は、図11、図12に示すように、合成樹脂製の扁平なハウジング8aを備える。すなわち、ゲート装置4に取り付けたときに壁面からの突出寸法が小さく、かつハウジング8aの前面側に露出する表示、報知、操作などの各種機能を持つ機能部に割り当てる面積を大きくとることができる薄型に形成されている。ハウジング8aの背面には接続体7が設けられ、接続体7をゲート装置4の接続口6に結合すれば、機能モジュール2が電力線Lpおよび情報線Liと電気的に接続される。ハウジング8aの上部および下部には取付用孔8cが開口しており、ハウジング8aをゲート装置4に結合した状態で、ハウジング8aの前面側から取付用孔8cに取付ねじ(図示せず)を挿入し、取付枠9の取付ねじ孔10eに取付ねじを螺入することにより、機能モジュール2が取付枠9に対して機械的に固定され、結果的に機能モジュール2のゲート装置4に対する結合強度を高めることができる。ハウジング8aの前面部には化粧カバー8bが着脱可能に被着され、化粧カバー8bをハウジング8aに装着した状態では、取付ねじの頭部が隠される。
上述の構成から明らかなように、機能モジュール2には電力線Lpを通して商用電源ACから電力が供給されるから、機能モジュール2の内部回路の動作用の電源を生成するために商用電源ACから内部回路の動作用に用いる直流電圧を生成する電源装置が必要である。また、ハウジング8aは扁平で小型であるから、このようなハウジング8aに収納可能な薄型かつ小型の電源装置が必要である。したがって、実施形態1、実施形態2において説明した平面型インダクタや実施形態3において説明した平面型トランスを用いる電源装置は、この種の機能モジュール2に用いるのに適した電源装置になる。
機能モジュール2が、基本機能モジュール2aだけではなく拡張機能モジュール2bも含んでいる場合には、電源装置は拡張機能モジュール2bにも電力を供給する。基本機能モジュール2aから拡張機能モジュール2bへの電力の供給は交流を用いる。また、基本機能モジュール2aと拡張機能モジュール2bとの内部においては、交流−直流変換を行って直流電力を内部回路に供給する。そのため、基本機能モジュール2aと拡張機能モジュール2bとには、それぞれ電源装置が設けられる。拡張機能モジュール2bに設けた電源装置においても実施形態1、実施形態2の平面型インダクタや実施形態3の平面型トランスを用いることにより、拡張機能モジュール2bのハウジングに収納可能な薄型かつ小型の電源装置を構成することができる。
本発明の実施形態1を示す分解斜視図である。 同上を示し、(a)は第1基板の上面図、(b)は第2基板の上面図である。 同上の他の構成例を示す断面図である。 本発明の実施形態2を示し、(a)は第1基板の上面図、(b)は第2基板の上面図である。 同上の他の構成例を示す第2基板の上面図である。 本発明の実施形成3を示す分解斜視図である。 電磁誘導部品を用いた電源装置の構成例を示す回路図である。 電磁誘導部品を用いる配線システムの全体構成を示す構成図である。 機能モジュールを取付枠に取り付けた状態の正面図である。 機能モジュールの他の構成例を示す構成図である。 ゲート装置と機能モジュールとを示す斜視図である。 機能モジュールを示す分解斜視図である。
符号の説明
1 基本モジュール
2 機能モジュール
10 第1基板
11 第1パターン
12 接続部
13 溝部
14 コア板
15 連結接続部
16 コア部材
16a 櫛歯部
16b 背板部
20 第2基板
21 第2パターン
21a 短絡接続部
CN 制御回路
Li 情報線
Lp 電力線
Q スイッチング素子

Claims (4)

  1. 半導体基板であって表裏の一面に導電層からなる複数本の線状の第1パターンが並設された第1基板と、第1基板が積層され表裏の一面に導電層からなる複数本の線状の第2パターンが並設された第2基板とからなり、第1基板は、各第1パターンの両端部にそれぞれ電気的に接続され第1基板を貫通する貫通導体である接続部を備え、第1基板と第2基板とが積層された状態において第1パターンと第2パターンとが接続部を介して電気的に接続され、第2パターンには第1パターンが並んでいる方向に沿って第1パターンについて1本以上の規定間隔離れた端部間を電気的に接続する短絡接続部が形成され、第1基板において第1パターンが形成されている上記一面には隣接する各一対の第1パターンの間にそれぞれ溝部が形成されていることを特徴とする電磁誘導部品。
  2. 前記短絡接続部は第1パターンが並んでいる方向に沿って第1パターンについて2本ずつ離れた位置の端部間を電気的に接続することにより2回路の巻線を形成し、前記各溝部にそれぞれ挿入される複数個の櫛歯部と第1基板の前記一面に沿った背板部とを磁性体により連続一体に形成したコア部材を備えることを特徴とする請求項1記載の電磁誘導部品。
  3. 前記第1基板と前記第2基板との間に磁性体板よりなるコア板が積層され、コア板は前記接続部に電気的に接続される貫通導体である連結接続部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁誘導部品。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電磁誘導部品とスイッチング素子とスイッチング素子のオンオフを制御する制御回路とを備える電源装置であって、スイッチング素子と制御回路とが第1基板と第2基板との少なくとも一方に形成されていることを特徴とする電源装置。
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