JP2007171819A - シームレスベルト及びそれを具備する画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シームレスベルトを転写ベルト等として用いた場合、ベルトが蛇行したり、強度の異方性が問題とならないベルトの提供。
【解決手段】配向された熱可塑性樹脂フィルムを積層させて樹脂ベルトにおいて、該樹脂ベルトの少なくとも端部の樹脂方向が直交して積層されていることを特徴とする積層半導シームレスベルトの提供。
【選択図】図5

Description

本発明は、精密部品を所定の位置に高精度の位置精度を保証して搬送するのに用いる搬送用ベルト、さらに詳しくは例えば、電子写真方式・静電記録方式等の作像プロセスを採用した画像形成装置において、各種ローラやベルト駆動時に作像されたトナー担持体を高精度な位置に搬送精度を要求される画像形成装置用の各種ベルト、特に転写ベルト、中間転写ベルト、定着ベルト等の機能部品として有効に使用する用途にある。
従来、電子写真複写機等に使用されるシームレスベルトは、可撓性を有するシームレスに成形され、複数のローラ間に巻架して中間転写ベルト等として用いられる。
このような樹脂を用いた薄肉のシームレスベルト、チューブ、管状フィルムの製造方法としては、(1)インフレーション法に代表される押出熱溶融成形法、(2)樹脂またはその前駆体を溶液状態にし、管状型の内面あるいは外面上に所定量塗布し、脱溶媒処理(必要に応じては熱処理)した後に剥離を行うキャスト方法等が既に知られている。また、画像形成装置用の各種ベルト、特に転写ベルト、中間転写ベルト、定着フィルム等の機能部品としてシームレスベルトを用いる場合は、厳しい膜厚精度が要求されるため、シート状フィルムを原料とした方法が提案されている。
すなわち、(3)シート状フィルムを芯体に巻き付けて、シート両端を溶着して中空管状体内面にライニングする方法として特許文献1、特許文献2等が提案されている。さらに、(4)特許文献3に示されるように、先ずシート状フィルムを巻き始めと終わりを重ね合わせるように円柱部材に巻き付る。次いでこの巻き付けたフィルムの外側に管状型部材を嵌み合わせ、その後全体を加熱して、前記フィルムの重ね合わせ部を接合することによって前記シート状フィルムを樹脂ベルトにする方法等が挙げられる。その時、使用する円柱部材と管状型部材の熱膨張係数の関係を円柱部材>管状型部材とすることで、出来上がるベルト形状を高精度に制御することが既に提案されている。
特に、前記(4)のフィルムの重ね合わせ部を接合することによってシート状フィルムを管状ベルトにする方法において、原料のシート状フィルムが押出し成形法で作製されるため原料フィルムに結晶配向性が生じ、それを管状ベルトに成形した後も、その配向性が残存する。そこで、原料シートの結晶配向性と成形される管状ベルトを転写ベルトとして使用した時の回転方向を一致させることで、テンションの張架方向、及びベルトの回転方向に対して強度を増大させて耐久性の高い、抵抗制御シームレス樹脂ベルトを作製することが提案されている(特許文献4)。
特開昭63−34120号公報 特開昭63−34121号公報 特開平8−187773号公報 特開2004−167943号公報
以上のような方法で作製されたシームレスベルトを転写ベルト等として用いた場合、回するベルトの長手方向の周長変動や、かかっているテンション偏りなどの影響、巻架しているローラの傾きの影響などにより、ベルトが蛇行してしまうことがある。
この蛇行を矯正しようとする際に、シームレスベルトの端部内周面に周設されているリブの内壁とローラの端部との間に応力が作用してリブが変形し、ローラ端部を乗り越えようとする競り上がり現象が発生する。また、シームレスベルトに内設されたリブは、ローラにより小さい曲率で屈曲するので、その屈曲から外側に膨れようとする応力が発生する。
また、リブを設置していないベルトで、壁に突き当てることで蛇行を制御する機構を持った転写ベルトでは、突き当たった部分で端部変形やその跳ね返りの応力により極度のストレスが生じている。このようにシームレスベルトは、その端部に大きなストレスが作用するので、端部あるいはリブの近傍に亀裂が生じ、破断するという問題がある。それに対し、亀裂、破断を防止するためにシームレスベルトの端部に粘着テープ等の補強が施される。しかし、粘着テープ等で単に補強すると、非有効エリアの拡大、クリーニングブレードによるテープの剥離、さらには製造するための工程数の増加という大きな不利、不具合が新たに発生することとなる。さらに補強テープとベルトとの端部に形状要因による応力集中が起こり、破断を引き起こす原因となる場合もある。
特に前述特開2004−167943号公報のように、原料シートの結晶配向性と成形されるシームレスベルトを転写ベルトとして使用した時の回転方向を一致させることで、テンションの張架方向、及びベルトの回転方向に対して強度を増大させて、抵抗制御シームレス樹脂ベルトを作製した場合、端部から亀裂が入った際に、一方向の強度を増大させたために、もう一方向(周方向)の強度が弱くなり、周方向に渡って、シームレスベルトが輪切りになってしまうという問題点がある。
本発明は、上記に鑑みなされたもので、端部等に亀裂が生じて破断するのを抑制防止し、しかも、非有効エリアの拡大、クリーニングブレードによるテープの剥離、工程数の増加という問題を解消し、且つ、万が一、亀裂が入っても一方向へ拡大することが無いシームレスベルトを提供することを目的としている。
上記課題を達成するため、シート状フィルムの半導電性樹脂を積層させてシームレスに形成されたシームレスベルトにおいて、上記シームレスベルトの少なくとも端部について、原料であるシート状フィルムの樹脂の配向方向を直交させて積層したことを特徴としている。また端部の幅方向の引裂強度を向上させると同時に、中心部は前述のように原料シートの配向性と成形されるシームレスベルトを転写ベルトとして使用した時の回転方向を一致させることで、テンションの張架方向、及びベルトの回転方向に対して強度を増大させた状態で維持でき、より高耐久のシームレスベルトを得ることができる。さらに熱融着により積層させることで、端部からのはがれ等が起こらず、また形状要因による応力集中も起こらない。
もちろん、リブが片側の端部内周面にのみ周設されている場合は、リブの周設されている端部のみ、原料であるシート状フィルムの樹脂方向を直交させて積層してもかまわない。
リブが両側の端部内周面に周設されている場合は、両方のリブの周設されている端部に、原料であるシート状フィルムの樹脂方向を直交させて積層することが好ましい。
以上のように本発明によれば、シート状フィルムから電子写真複写機等に使用されるシームレスベルトを製造する製造方法において、シームレスベルトの端部をシート状フィルムの樹脂方向を、直交させて積層することで、シームレスベルトの端部等に亀裂が生じて破断するのを有効に抑制あるいは防止し、万が一亀裂が生じても一方向への破断の拡大を防止することができる。しかも、非有効エリアの拡大、クリーニングブレードによるテープの剥離、工程数の増加という問題を解消することができるという効果がある。これらにより、高耐久のシームレスベルトを生産性良く且つ低コストで作製することが可能となった。
シート状フィルムの半導電性樹脂を積層させて熱融着させ、シームレスに形成されたシームレスベルトを作製する方法において、上記シームレスベルトの少なくとも端部について、原料であるシート状フィルムの樹脂の配向方向を直交させて積層することで、端部の幅方向の引裂強度が向上した高耐久のシームレスベルトを得ることを目的とした。
本実施例では、特開平8-187773号に示された方法を用いてシート状フィルムからシームレスベルトを作製した。
次に本例に適用できるシート状フィルム材料について示す。
本発明に使用できるフィルム材料は、熱可塑性樹脂材料であればどのような材料でも使用に好適であり、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン-1、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルニトリル、熱可塑性ポリイミド系材料、ポリエーテルエーテルケトン、サーモトロピック液晶ポリマー、ABS、ポリエ―テルイミド、エチレンビニルアルコール、アクリロニロリループタジエン −スチレン樹脂、ポリアミド酸等の全ての熱可塑性樹脂材料およびそのブレンド樹脂、また上記ブレンドで形成した熱可塑性エラストマーも使用に更に好適である。この中で好ましい樹脂は、結晶性ポリマーであるポリエーテルエーテルケトンが挙げられる。ただし、非晶性ポリマーでも、シート成形時に押出し方向に延伸をかけたものであれば十分有効である。ただし、非晶性ポリマーでも加工時に押出し方向には配向したもの、例えば加工時に押出し方向に延伸をかけたものであれば十分有効である。
また、上記樹脂材料に耐熱補強、導電性、熱伝導性付与等の目的で、有機、無機の微粉末の少なくとも1種を配合したフィルム、あるいはあらゆる倍率で延伸強化したフィルムなども使用しうる。
ここで、有機の微粉末として、例えば縮合型ポリイミド粉末、イオン導電系材料など、また無機微粉末としては、カーボンブラック粉末、カーボンファイバーやカーボンなのチューブ、酸化マグネシウム粉末、フッ化マグネシウム粉末、酸化ケイ素粉末、酸化アルミニウム粉末、窒化ホウ素粉末、窒化アルミニウム粉末、酸化チタン粉末等の無機球状微粒子、炭素繊維、ガラス繊維等の繊維状粒子や、チタン酸カリウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のウィスカー状粉末等あらゆる形状、大きさの微粉末が使用しうる。特に好ましい微粉末としては、カーボンブラック粉末である。目標の抵抗値に制御しやすく、また環境依存性も小さいので好ましい。
さらに靭性を向上させるための任意成分としてエラストマー成分を、樹脂成分と導電性物質の合計100質量部に対して、例えば50質量部以下の量で含むことができる。エラストマー成分としては、天然ゴム、ブタジエン重合体、スチレン−イソプレン重合体、ブタジエン−スチレン共重合体及びそれらの水添物(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体など全て含まれる)、イソプレン重合体、クロロブタジエン重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチレン重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリル酸エステル重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、チオコールゴム、多硫化ゴム、ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴム(例えば、ポリプロピレンオキシド等)、エピクロルヒドリンゴム等が挙げられる。特に好ましいものは、シートの押出し成形のし易さから、ポリオレフィン系エラストマーである。
また本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、熱老化防止剤、耐侯剤、可塑剤、結晶核剤、流動性改良剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、染料、顔料等の着色剤、難燃剤、難燃助剤などの通常の添加剤を一種以上添加されたフィルムを用いることができる。
また本発明の目的を損なわない範囲でシート状フィルム1は、違う種類の樹脂を用いても良い。ただし熱融着でシート状フィルムを接合するので、ガラス転移点(Tg)や融点(Tm)が近い樹脂を用いるのが好ましい。もちろん、傾斜的に材料物性を変化させたり、あるいは端部の厚みを厚くする等、調整することができる。
樹脂方向を直交させて積層する端部の幅は特に限定されるものではないが、図5に示すようにリブ19の幅より5〜20mmほど広いのが好ましく、おおよそ8〜30mm程である。
リブ19は、機械強度が強く、耐磨耗性のある弾性体であるウレタン樹脂、NBR、熱可塑エラストマー等の中から選択される。但し、一般には、硬度50〜80°(JIS-A)、幅3〜6mm、厚さ約1mmのウレタン樹脂が用いられる。前記リブ19は両面粘着テープを介し貼着しても良い。さらに、リブ19の端部と端部とを突き合わせ、段付き重ね、重ね合わせ、あるいはそぎ継ぎ等の方法で接合することもできるし、必要性に乏しいのであれば、リブ19を省略することも可能である。
以下に本発明のシームレスベルトについての実施態様を実施例に基づいて説明する。
本実施例では、最初のシートの巻き付け、固定については特開平8-187773号の特許請求の範囲及び実施例に示された方法を用いてシート状フィルムからシームレスベルトを作製した。
実施例1
本実施例1では、シート状フィルム1としてポリエーテルエーテルケトン(以下PEEK)樹脂を、不図示の熱溶融押出成形機により肉厚50μmのシート状フィルムとして混練成形され、内添剤としてケッチェンブラック粒子を混合し、体積抵抗値として1.0E+10Ω・cmに制御されたものを用いた。
熱可塑性シート状フィルム1を巻く芯棒として中空状の円柱部材2を用い、前記シート状フィルム1、円柱部材2を被せる中空状の管状型部材3を用いた。また、前記管状型部材3は前記円柱部材2を挿通する内径を有している。
管状型部材3の材質は鋳鉄材であり、その内面にはシート状フィルム1との離型性を考慮して、ニッケルメッキコート処理が施されている。
前記管状型部材3としては、ノビナイトCN−5(株式会社 榎本鋳工所製)を用いた。使用したアルミニウム材の前記円柱部材2の熱膨張係数は2.40×10-5/℃で、前記管状型部材3の熱膨張係数は4.0×10-6/℃である。
尚、円柱部材2の外径寸法は300.00mm、内径寸法は270.00mm、長さは350mmとした。また、管状型部材3の外径寸法は320.0mm、内径寸法は300.45mm、長さは350mmである。
また本実施例1においては、上記円柱部材2と管状型部材3の寸法は、後述する加熱工程での加熱の際、すなわち加熱温度360℃の時に、円柱部材2の外径と管状型部材3の内径寸法の差が100μmになるように予め設計してある。
まずシート状フィルム1aとして、PEEK樹脂を縦、横の寸法を944.0mm×330mmのシート状に切断したものを用意した。
図1に示すように、前記円柱部材2の外周面2aに前記用意したシート状フィルム1aを1周巻きつけた。この際、シート状フィルム1aは押出し成形時に結晶が配向している方向(MD方向)を前記円柱部材の円周方向となるように巻きつけた。なお、シートの巻き始め部と巻き終わり部の位置の差は、2mmとした。
次に前記シート状フィルム1aと同じPEEK樹脂からなる縦、横の寸法を944.0mm×295.0mmに切断したシート状フィルム1bを用意した。前記シート状フィルム1bを前記円柱部材2に巻きつけた前記シート状フィルム1aの中心部の上に図2のように、シート状フィルム1bを1周巻きつけた。この際、シート状フィルム1bは押出し成形時に結晶が配向している方向(MD方向)を前記円柱部材の円周方向となるように巻きつけた。
次に、前記シート状フィルム1a及び1bと同じPEEK樹脂からなる縦、横の寸法を944.0mm×18mmに切断したシート状フィルム1c及び1dを用意した。このシート状フィルム1c及び1dは、押出し成形時に結晶が配向している方向(MD方向)を横方向になるように切断した。このシート状フィルム1c及び1dを前記円柱部材2に巻きつけた前記シート状フィルム1bの両端部に図3のように、シート状フィルム1a、1c、1dのMD方向が直交して積層するように、円周方向へ1周巻きつけた。なお、シート状フィルム1b及び1c、1dの重ね合わせる位置はそれぞれ、シート状フィルム1の重ね合わせ位置と円周方向180°ずれた位置とした。また、シートの巻き始め部と巻き終わり部の位置の差は、2mmとした。またシート状フィルム1b及び1c、1dとの円周方向の重ね合わせ量はそれぞれ0.5mmとした。
続いて、図4のように管状型部材3の中空部分3aに挿入した。円柱部材2、シート状フィルム1、管状型部材3の合体時の様子を図4に示す。
そして次に、加熱工程に移行する。前記円柱部材2、シート状フィルム1、管状型部材3をランプヒーターからなる加熱成形機を使用し回転しながら加熱した。本実施例では成形温度を360±5℃とし、加熱時間は10min.とした。前記10min.の加熱工程後、加熱成形機から上記1、2、3を取り出した後、冷却工程に移行する。
その後、円柱部材前記各部材が室温近辺になったところで、前記管状型部材3から、前記円柱部材2および前記フィルム1を分離した。
これにより、得られた管状フィルムは、原料シートの結晶配向性が残存しているため管状フィルム自身も中心部は円周方向に結晶の配向性を有しおり、両端部は周・幅方向の異方性がなくなっていた。このため、成形された管状フィルムの端部の周方向への引裂強度は、中心部の円周方向の値と比較して1.5倍以上あり、ローラによるテンション張架などの点で特に機械的強度が要求されるベルト周方向に対して高い引張強度を維持すると同時に、端部の周方向の機械的強度を高めた管状フィルムの作製が可能となった。
さらに、この環状フィルムの両端部内周面に、リブ配設し、図6の転写ベルト5として使用した場合、端部の異方性が低減されリブ下で応力が集中しても亀裂等が広がらず、1000k枚まで耐久試験を行っても破断等は見られなかった。
実施例2
本実施例2では、シート状フィルム1としてポリカーボネート(以下PC)樹脂を、不図示の熱溶融押出成形機により肉厚50μmのシート状フィルムとして混練成形され、内添剤としてケッチェンブラック粒子を混合し、体積抵抗値として1.0E+10Ω・cmに制御されたものを用いた。
また本実施例2で用いたシート状フィルムのPCは、シート押出し成形時に押出し方向に延伸がかけられている。本実施例2で用いたシート状PCは引裂強度の比が、TD方向/MD方向=4.5であった。
シートからシームレスベルトへの成形方法は実施例1と同様の加工方法を用いた。
また本実施例2においては、円柱部材2と管状型部材3の寸法は、後述する加熱工程での加熱の際、すなわち加熱温度220℃の時に、円柱部材2の外径と管状型部材3の内径寸法の差が100μmになるように予め設計してある。
これにより、得られた管状フィルムは、原料シートの配向性が残存しているため管状フィルム自身も中心部は円周方向に配向性を有しおり、両端部は周・幅方向の異方性がなくなっていた。このため、成形された管状フィルムの端部の周方向への引裂強度は、中心部の円周方向の値と比較して1.3倍以上あり、ローラによるテンション張架などの点で特に機械的強度が要求されるベルト周方向に対して高い引張強度を維持すると同時に、端部の周方向の機械的強度を高めた管状フィルムの作製が可能となった。
さらに、この環状フィルムの両端部内周面に、リブ配設し、図6の転写ベルト5として使用した場合、端部の異方性が低減されリブ下で応力が集中しても亀裂等が広がらず、1000k枚まで耐久試験を行っても破断等は見られなかった。
比較例
以下に比較例を示す。本比較例で使用する円柱状部材2、管状型部材3の材質および寸法、シート状フィルム1の材質は全て実施例2と同様である。
比較例1
本比較例1では円柱部材にシート状フィルムを巻きつける工程において、フィルムの押出し方向(MD方向)を、円柱部材の周方向に2重に巻きつけ環状フィルムを作製した。この環状フィルムの両端部にテープによる周方向の補強を施し、転写ベルトを作製した。図6の転写ベルト5として使用した場合、200K枚ほどでテープの内側端部付近でベルトに周方向に亀裂が入り、最終的には輪切りになってしまい、以後の使用が不可能となった。
比較例2
本比較例2では円柱部材にシート状フィルムを巻きつける工程において、フィルムの押出し方向(MD方向)を、実施例と全て逆方向に積層させて、環状フィルムを作製した。これにより、作製された管状フィルムの中心部の結晶配向は実施例の場合と異なり、管状フィルムの幅方向となったため、幅方向の破断伸度の値が周方向の値より大きくなった。
これを、図6の転写ベルト5として使用した場合、ベルト中心部の周方向の強度がベルト幅方向の強度と比較して弱いため、ベルトの回転が停止している状態でテンションが長時間張架されるとベルトがクリープ変形を起し、ベルト周方向にローラ径にならった巻き癖が発生した。この巻き癖が発生したベルトはベルト回転方向に変形しているため、再び回転させることが困難であり実機使用上問題であった。
さらに、本比較例に示したベルトは、100K枚耐久試験を行ったところで、ベルト中心部に皺が発生し、以後の耐久が困難であった。
本発明の実施例におけるフィルムの巻き付け方法の一例を示した図である。 本発明の実施例におけるフィルムの巻き付け方法の一例を示した図である。 本発明の実施例におけるフィルムの巻き付け方法の一例を示した図である。 本発明の実施例におけるフィルムの巻き付け方法の一例を示した図である。 本発明により得られる積層半導電シームレスベルトの端部の断面図の概略の一例を示した図である。 本発明により得られる積層半導電シームレスベルトを画像形成装置に適用した一例を概略的に示す断面図である。
符号の説明
1 シート状フィルム
2 円柱部材
3 管状型部材
4 薄膜状部材
5 転写ベルト
6 感光ドラム
7 帯電チャージャー
8 光書込装置
9 現像器
10 トナー
11 駆動ロ−ラ−
12 駆動ローラー
13 従動ローラー
14 従動ローラー
15 紙(転写紙)
16 帯電器
17 定着装置
18 定着フィルム
19 リブ

Claims (4)

  1. 中央部がシームレスベルトの回転方向と一致した方向で配向された熱可塑性樹脂フィルムを積層させた樹脂ベルトにおいて、該樹脂ベルトの少なくとも端部の樹脂の配向の方向が中央部と直交して積層されていることを特徴とする積層半導シームレスベルト。
  2. 熱融着により積層された請求項1に記載の積層半導電シームレスベルト。
  3. 熱可塑性樹脂に導電性物質を添加して体積固有抵抗が1.0×106乃至1.0×1011Ω・cmの範囲になるように半導電性を付与した組成物フィルムからなる請求項1または2に記載の積層半導電シームレスベルト。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の積層半導電シームレスベルトを具備した画像形成装置。
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JP2012078514A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Bridgestone Corp 導電性無端ベルト

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