JP2007101943A - 画像形成装置、樹脂ベルト及び樹脂ベルトの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】色ズレ量の少ない高精細画像を得ることができる画像形成装置と、生産性良く且つ低コスト、高精度な樹脂ベルト及び該樹脂ベルトの製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂ベルトにより構成された転写体と、転写体のベルトを張架し、且つ、ベルトを駆動するための駆動ローラーと少なくとも一つの従動ローラーと、転写体に所定の張力を付与して回転駆動させる回転駆動手段と、転写体の周囲に設けられた複数の像担持体と、これらの像担持体をそれぞれ回転伝達部材を介して駆動する複数の回転駆動手段と、を有する画像形成装置において、樹脂ベルトの内側面の算術表面粗さ(Ra)が0.15μm以上0.40μm以下である画像形成装置と、装置に設置される樹脂ベルト及び該樹脂ベルトの製造方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像形成装置、樹脂ベルト、及び樹脂ベルトの製造方法に関し、詳しくは、画像形成装置の転写ベルト等に用いられる樹脂ベルト、及び該樹脂ベルトの製造方法に関する。
本画像形成装置の適用例として、フルカラー電子写真方式のタンデム型と呼ばれる画像形成方式が挙げられる。すなわち、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー、それぞれの画像をドラム状像担持体に形成し、本樹脂ベルトによって、搬送される転写材に対し、それぞれの転写手段によって順次転写を行い最後に定着する画像形成方式である。
この様な、使用例において従来、樹脂ベルトの内側表面粗さ規定を行った例としては、特許文献1及び特許文献2が挙げられる。これらによりベルト回転駆動時に接触するローラー等によって、ベルト内面樹脂の削れを防止するために、内面粗さを大きな値にすることが既に提案されている。
更に、特許文献3及び特許文献4に挙げられるように、樹脂ベルトの回転駆動時に、ベルトの蛇行防止及び、ベルトの耐久性向上のために、ベルト内面粗さを規定した例も提案されている。
一方、樹脂を用いた薄肉のベルト、チューブ、管状フィルムの製造方法としては、
(1)インフレーション法に代表される押出熱溶融成形法、
(2)樹脂又はその前駆体を溶液状態にし、管状型の内面あるいは外面上に所定量塗布し、脱溶媒処理(必要に応じては熱処理)した後に剥離を行うキャスト方法等が既に知られている。
この方法においては、成形された樹脂ベルトの脱型性を高めるために、特許文献5及び特許文献6のように、用いる内型外面の粗さ規定を行った例が多数提案されている。
また、(3)シート状フィルムを芯体に巻き付けて、シート両端を溶着して中空管状体内面にライニングする方法として特許文献7及び特許文献8等に提案されている。
更に、(4)、特許文献9に示されるように、シート状フィルムを巻き始めと終わりを重ね合わせるよう内型に巻き付け、この巻き付けたフィルムの外側に管状型部材を嵌み合わせ、その後全体を加熱して、前記フィルムの重ね合わせ部を接合することによって前記シート状フィルムを樹脂ベルトにする方法等が挙げられる。その時、使用する円柱部材と管状型部材の熱膨張係数の関係を円柱部材>管状型部材とすることで、出来上がるベルト形状を高精度に制御することが既に提案されている。
上記タンデム型画像形成方式で高画質の画像を得るためには、樹脂ベルトによって搬送される転写材が所定のタイミングで正確に各色のドラム状像担持体を通過することが必要である。なぜなら、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色を転写材上に重ねる位置がズレることで得られる画像のボケや色のにじみ、画像のズレが生じるからである。これを防ぐためにはローラー外表面とベルト内面の食い付きを強くする必要がある。なぜなら、ローラー外表面とベルト内面の食い付きが弱いとベルト駆動時にローラーとベルト間でスリップが生じ、所定スピードにベルトが到達するまでのタイムラグを生じ、これによりベルトで搬送されている転写体に重ねられる各色のトナーが色ズレを生じるからである。
しかしながら、上記従来技術で挙げた特許文献2では、ベルト内面の粗さが大きな値のため、ローラーとのグリップ力を得るためには、ローラー表面の研磨を高精度に行うか、若しくは、ローラーに樹脂被覆を施すことで、表面平滑性を上げる等の工夫が必要である。しかしながら、この方法によればローラー部材の生産工程が複雑になる以外に、生産コストも問題となる。
一方、色ズレ量に関連するベルト内面粗さパラメーターを検討した結果、上記従来技術の特許文献6で規定している十点平均粗さ(Rz)の値ではなく、算術平均粗さ(Ra)の値に最も感度が大きいことが判明した。これは、色ズレの発生原因が、ベルト表面の細かな凹凸では無く、ベルト回転方向に長周期にわたる、うねりを伴う凹凸に大きく影響されるためであり、この点から、基準長内で凹凸が積算される、算術平均粗さ(Ra)の方が、色ずれに関して、十点平均粗さ(Rz)より感度が大きく現れる。すなわち、ベルト蛇行抑制には有効な十点平均粗さ(Rz)の値で規定しても色ズレの大きいベルトとなり、画像形成に不都合を生じてしまう。
更に製造方法の面では、上記方法(1)において、インフレーション法等により製造したベルトを、画像形成装置の転写装置用樹脂ベルトとしての使用した場合、フィルム巻き取り時に樹脂ベルトが潰される。これにより、出来るフィルムの折り目が正常な画像形成に対して不都合を生じる場合がある。
また、前記(2)のキャスト法に関しては、均一な厚みのフィルムを得るために、溶液の濃度管理や乾燥雰囲気の調整、更に乾燥工程での溶媒処理等を行わなければならず、コスト的にも問題がある。
また、前記(3)の中空管状体内面にライニングする方法において、厚みの均一なライニング層を得ることが可能であるが、ここから管状フィルムを得るために、中空管状体内面から離脱する場合、中空管状体内面との密着が強く、離脱することが非常に難しい。
特開平9−134076号公報 特開2000−335772号公報 特許第3587860号公報 特開2003−345142号公報 特開2001−282009号公報 特開2003−345142号公報 特開昭63−34120号公報 特開昭63−34121号公報 特開平8−187773号公報
本発明の目的は、フルカラーにおいて色ズレ量の少ない高精細画像を得ることができる画像形成装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、生産性良く且つ低コスト、高精度な樹脂ベルト及び該樹脂ベルトの製造方法を提供することにある。
本発明に従って、樹脂ベルトにより構成された転写体と、該転写体のベルトを張架し、且つ、ベルトを駆動するための駆動ローラーと少なくとも一つの従動ローラーと、該転写体に所定の張力を付与して回転駆動させる回転駆動手段と、
該転写体の周囲に設けられた複数の像担持体と、
これらの像担持体をそれぞれ回転伝達部材を介して駆動する複数の回転駆動手段と、
を有する画像形成装置において、
該樹脂ベルトの内側面の算術表面粗さ(Ra)が0.15μm以上0.40μm以下であることを特徴とする画像形成装置が提供される。
また、本発明に従って、外側面の算術表面粗さ(Ra)が0.30μm以下である内型に熱可塑性シート状フィルムを巻き付ける工程と、
該内型に巻き付けた熱可塑性シート状フィルムの外側に管状型部材に嵌め合わせる工程と、
該内型に巻き付けた熱可塑性シート状フィルムと管状型部材を加熱して熱可塑性シート状フィルムを溶着させる工程と、
を有することを特徴とする樹脂ベルトの製造方法が提供される。
これらにより、画像定着作用や転写・中間転写作用を行う、定着装置、転写、中間転写装置用の閉ループ状の樹脂ベルトを、生産性良く且つ低コストで作製することが可能となった。
更に、ベルト内側面の算術表面粗さ(Ra)を規定したことにより、上記樹脂ベルトを使用した定着器、転写・中間転写器によりフルカラーにおいて色ズレ量の少ない高精細画像を得ることができる画像形成装置の作製が可能となった。
本発明の画像形成装置は、樹脂ベルトにより構成された転写体と、該転写体のベルトを張架し、且つ、ベルトを駆動するための駆動ローラーと少なくとも一つの従動ローラーと、該転写体に所定の張力を付与して回転駆動させる回転駆動手段と、該転写体の周囲に設けられた複数の像担持体と、これらの像担持体をそれぞれ回転伝達部材を介して駆動する複数の回転駆動手段と、を有し、該樹脂ベルトの内側面の算術表面粗さ(Ra)が0.15μm以上0.40μm以下である。樹脂ベルトの内側面の算術表面粗さ(Ra)が0.15μm未満であるとベルト内面とローラー表面間でのグリップ力が低下し樹脂ベルトとローラー間のスリップ発生し易くなり、0.40μmを超えると樹脂ベルト表面の凹凸が大きくなり色ズレ量が多くなる。
前記駆動ローラーは、ブラスト加工により表面処理されていることが好ましい。駆動ローラーをブラスト加工により表面処理することにより、表面が粗らされることにより、ベルト内面とローラー表面間でのグリップ力が高められベルト駆動初期から樹脂ベルトとローラー間のスリップが抑えられる。この時の駆動ローラー表面の算術表面粗さ(Ra)は0.60μm以上1.0μm以下であることが好ましい。0.60μm未満であるとベルト内面とローラー表面間でのグリップ力が低下し樹脂ベルトとローラー間のスリップ発生し易くなり、1.0μmを超えると駆動ローラー表面の凹凸が大きくなり色ズレ量が多くなる。
樹脂ベルトの製造方法は、
外側面の算術表面粗さRaが0.30μm以下である内型に熱可塑性シート状フィルムを巻き付ける工程と、
該内型に巻き付けた熱可塑性シート状フィルムの外側に管状型部材に嵌め合わせる工程と、
該内型に巻き付けた熱可塑性シート状フィルムと管状型部材を加熱して熱可塑性シート状フィルムを溶着させる工程と、
を有する。
前記内型の外側面の算術表面粗さRaは0.30μm以下であり、好ましくは0.08μm以上0.10μm以下である。内型の外側面の算術表面粗さRaは0.30μmを超えると、樹脂ベルトの内側面の表面粗さRaが0.40μm以下を満たすことが難しくなり色ズレ量が大きくなる。また、0.08μm未満であるとベルト内面とローラー表面間でのグリップ力が低下し樹脂ベルトとローラー間のスリップ発生し易くなる。
前記内型の熱膨張係数は、前記管状型部材の熱膨張係数より大きいことが好ましい。内型の熱膨張係数を大きくすることにより熱可塑性シート状フィルムを加熱時に管状型部材内面と内型外面の隙間が狭まり、熱可塑性シート状フィルム全周にわたり均一に応力がかかり溶着させることができる。
このような熱膨張係数に差を持たせる内型としてはアルミニウム、管状型部材はスレンレス等が挙げられる。
次に、本例に適用できる熱可塑性シート状フィルム材料について示す。
本発明に使用できるフィルム材料は、熱可塑性樹脂材料であればどのような材料でも使用に好適であり、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン−1、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルニトリル、熱可塑性ポリイミド系材料、ポリエーテルエーテルケトン、サーモトロピック液晶ポリマー、ポリアミド酸、ポリフッ化ビニリデン樹脂等の全ての熱可塑性樹脂材料及びそのブレンド樹脂、また上記ブレンドで形成した熱可塑性エラストマーも使用に更に好適であり、特にポリフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
また、上記樹脂材料に耐熱補強、導電性、熱伝導性付与等の目的で、有機、無機の微粉末の少なくとも1種を配合したフィルム、あるいはあらゆる倍率で遠心強化したフィルム等も使用しうる。
ここで、有機の微粉末として、例えば、縮合型ポリイミド粉末、イオン導電系材料等、また無機微粉末としては、カーボンブラック粉末、酸化マグネシウム粉末、フッ化マグネシウム粉末、酸化ケイ素粉末、酸化アルミニウム粉末、窒化ホウ素粉末、窒化アルミニウム粉末及び酸化チタン粉末等の無機球状微粒子、炭素繊維やガラス繊維等の繊維状粒子や、チタン酸カリウム、炭化ケイ素及び窒化ケイ素等のウィスカー状粉末等あらゆる形状、大きさの微粉末が使用しうる。
また、これらの微粉末の配合量として、総合量でベース樹脂に対して、5〜70質量%にすることが好ましい。
以下に、本発明を図示した実施例に基づいて詳細に説明する。
(実施例1)
図面を用いて本発明の第1の実施例を説明する。
本実施例では用いる内型の外側面の算術表面粗さRaを規定することで、得られる樹脂ベルト内面の算術表面粗さRaを所定の範囲内にすることで、フルカラーの画像形成装置に使用した際、色ズレの少ない樹脂ベルトの作製が可能となった例を示す。
熱可塑性シート状フィルム1を巻く内型として中空状の円柱部材2を用い、前記シート状フィルム1、円柱部材2を被せる中空状の管状型部材3を用いた。また、前記管状型部材3は前記円柱部材2を挿通する内径を有している。
本例において、前記熱可塑性シート状フィルム1として、ポリフッ化ビニリデン樹脂(以下PVDF樹脂)を使用しており、不図示の熱溶融押出成形機により肉厚50μmのシート状フィルムとして混練成形されたものである。尚、本フィルムは内添剤としてケッチェンブラック粒子を混合し、体積抵抗値として1.0×1010Ω・cmに制御されたものである。また前記円柱部材2としては、外側面の表面を算術平均粗さRa=0.1μmに研磨したアルミニウム材を使用した。管状型部材3の材質はステンレス鋼であり、その内面にはシート状フィルム1との離型性を考慮して、ニッケルメッキコート処理が施されている。
使用したアルミニウム材の前記円柱部材2の熱膨張係数は2.40×10−5/℃で、前記管状型部材3の熱膨張係数は1.20×10−5/℃である。
尚、円柱部材2の外径寸法は300.00mm、内径寸法は270.00mm、長さは350mmとした。また、管状型部材3の外径寸法は320.0mm、内径寸法は300.60mm、長さは350mmである。
また本実施例においては、上記円柱部材2と管状型部材3の寸法は、後述する加熱工程での加熱の際、すなわち加熱温度190℃の時に、円柱部材2の外径と管状型部材3の内径寸法の差が100μmになるように予め設計してある。
シート状フィルム1として、PVDF樹脂を縦、横の寸法を1375.0mm×330mmのシート状に切断したものを用意した。
まず、図1に示すように、前記円柱部材2の外周面2aに前記用意したシート状フィルム1を図2のように2周巻きつけた。
なお、シートの巻き始め部と巻き終わり部の位置の差は、図2に示したように2mmとした。
次に、前記シート状フィルム1が巻き付いた前記円柱部材2を、図3のように管状型部材3の中空部分3aに挿入した。円柱部材2、シート状フィルム1、管状型部材3の合体時の様子を図4に示す。
そして次に、加熱工程に移行する。前記円柱部材2、シート状フィルム1、管状型部材3をランプヒーターからなる加熱成形機を使用し回転しながら加熱した。本実施例では成形温度を190±5℃とし、加熱時間は10分間とした。
上記、成形機内での加熱工程において前記円柱部材2、管状型部材3及びシート状フィルム1は図5〜図7に示されるよう変化する。
前記シート状フィルム1は円柱部材2と管状型部材3の間に位置し、円柱部材2の外径と管状型部材3の内径との隙間は、非加熱時には0.60mm(片側300μm)であった。前記円柱部材2に巻き付けられた前記シート状フィルム1は、重なり部A部を有している(図5)。
この状態から前記円柱部材2、管状型部材3、シート状フィルム1は加熱され、それぞれの部材の温度が上昇する。前記円柱部材2と管状型部材3はそれぞれの熱膨張係数に応じて膨張し始める。また前記シート状フィルム1は温度上昇に伴い軟化し始める。前記管状型部材3より前記円柱部材2の熱膨張係数が大きいため、昇温過程において、管状型部材3と円柱部材2との隙間は、非加熱時より狭まってくる(図6)。
各部材が所定の温度に達した時、前記円柱部材2と前記管状型部材3との隙間は、所望の大きさ0.2mm(片側100μm)になる。
更に軟化した前記シート状フィルム1は、円柱部材2と管状型部材3の熱膨張係数の大きさの違いにより生じる応力で、段差が潰され所望のフィルム厚となる(隙間と同様な厚みになる)。特に、シート状フィルムの端部(A部)は、加熱過程から応力が加わるため、溶着して接合状態になり、膜厚が全周にわたり均一な管状フィルムを得ることができる(図7)。前記10分間の加熱工程後、加熱成形機から上記シート状フィルム1、円柱部材2及び管状型部材3を取り出した後、冷却工程に移行する。
これにより、得られた管状フィルムの内側面の算術表面粗さはRa=0.18μmであり成形に用いる内型(円柱部材)の表面粗さを変化させることによって、任意の粗さで作製することが可能である。
尚、算術表面粗さRaとは基準長内で凹凸が積算される粗さの程度を表す平均粗さである。今回の測定は、公知の触針式表面粗さ測定機(東京精密製 Handysurf E−35A)を用い、測定条件はJISB0601−1994に準拠して、評価長さ=4.0mm、カットオフ値=0.8mmで測定した。
次に、上記方法により製造した管状フィルムの使用形態について説明する。
上記方法により製造された管状フィルムの幅方向両端にゴム製の蛇行防止用リブ部材を接着し、図8に示すフルカラーの画像形成装置(キヤノン製 LBP−2410 カラーレーザプリンタ)の転写ベルトに使用する例を示す。
図8において、感光ドラム6は矢印方向にVfなる一定の速度で回転駆動されるようになっていて、その表面は、まず、帯電チャージャー7により一様に帯電させられ、レーザー光を用いた光書込装置8により、静電潜像が形成される。前記光書込装置8に反射光を使用しても差し支えない。感光ドラムの横には、現像器9が配置されている。前記現像器9中にはトナー10が収容されており、前記静電潜像部分に、電荷付与されたトナー10が付着し、トナー像として顕像化される。前記転写ベルト5は4本のローラー11、12、13及び14に張架されて横向きに配置されている。前記転写ベルト5は、矢印方向にVfなる一定の速度で回転駆動されるようになっている。転写紙15は、前記転写ベルト5上に矢印の方向へ給紙され、紙吸着帯電器16により、転写ベルト5に吸着搬送される。この時、前記転写紙15は転写ベルト5と同速度Vfで搬送される。前記転写紙15が転写領域に達すると、前記感光ドラム6上に顕像化されたトナー10を、転写帯電器16により、前記転写紙15に転写する。転写後転写紙15は、更に搬送され、定着装置17へと導かれる。
以上説明した構成において、上記得られた転写ベルト5を、算術表面粗さRa=0.93μmを有する駆動ローラー11と組み合わせて上記フルカラーの画像形成装置の転写ベルト5として使用した。その結果、各部材の表面粗さを最適化したことにより、ベルト内面とローラー表面間でのグリップ力が高められた。これにより、ベルト駆動初期からベルトとローラー間のスリップを抑えられたことで、色ズレ量が150μm以下の高精細な画像を得ることが可能となった。
(実施例2)
実施例1に示したように、電子写真装置における画像色ズレを無くすためには、樹脂ベルト内面と駆動ローラーのグリップ力を上げることが有効である。そこで、実施例1ではベルト内面粗さの平滑化を行ったが、本実施例ではベルト耐久性を向上させるために、ベルト内面粗さは実施例1より大きくし、対向する駆動ローラーの平滑化を試みた。すなわち、内型外側面の算術表面粗さRaを0.30μmに加工して樹脂ベルトを成形した結果、得られたベルト内面の算術表面粗さはRa=0.38μmであった。このベルトを算術表面粗さRa=0.60μmを有する駆動ローラーと組み合わせて上記フルカラーの画像形成装置の転写ベルトとして使用するとベルト内面とローラー表面間でのグリップ力が高められ、ベルト駆動初期からベルトとローラー間のスリップを抑えられた結果、色ズレ量が200μm以下の高精細な画像を得ることが可能となった。
なお、使用する、内型の材質及び寸法、シートの巻き始め部と巻き終わり部の位置の差、また樹脂ベルトの作製工程は全て実施例1と同様である。
更に、実機における耐久性が実施例1では100000枚通紙後、ベルト内面がローラーにより削られたことによる樹脂削れカスに起因する、ベルト破断が生じたのに対し、本実施例では200000枚通紙後もベルト破断の発生が見られなかった。すなわち、ベルト内面粗さと駆動ローラー粗さの最適化を行うことで、実機におけるベルト耐久性能が向上することが確認できた。
(比較例1)
以下に比較例を示す。本比較例で使用する熱可塑性シート状フィルム1、管状型部材3の材質及び寸法、シートの巻き始め部と巻き終わり部の位置の差、また樹脂ベルトの作製工程は全て実施例1、2と同様である。
ただ、本比較例では内型外側面の算術表面粗さRaを0.80μmとし、成形される樹脂ベルト内面の算術表面粗さRaを1.0μmとした。これを、算術表面粗さRa=0.93μmを有する駆動ローラーと組み合わせて上記フルカラーの画像形成装置の転写ベルトとして使用するとベルト内面とローラー表面間でのグリップ力が弱く、ベルト駆動初期にベルトとローラー間のスリップが発生した。更に色ズレ量が500μm以上生じ、画像として見た場合明らかに、画質が劣っていた。
表1に各実施例及び比較例において作製された、樹脂ベルトの相違を示す。尚表中の耐久性における項目は、実施例2で述べた様に、画像形成装置の転写ベルトとして使用した場合、100000枚通紙後、ベルト破断が生じたものを○、200000枚通紙後もベルト破断の発生が見られなかったものを◎と記載している。
円柱部材にシート状フィルムを巻き付けた状態の説明図である。 円柱部材の外周面に巻き付けたフィルム両端の説明図である。 管状型部材の説明図である。 円柱部材にシート状フィルムを巻き、その上に管状型部材を被せた状態の説明図である。 非加熱時の円柱部材、フィルム、管状型部材の状態の説明図である。 加熱時の円柱部材、フィルム、管状型部材の状態の説明図である。 所定温度時の円柱部材、フィルム、管状型部材の状態の説明図である。 本発明の樹脂ベルトを転写ベルトとして使用した画像形成装置の説明図である。
符号の説明
1 シート状フィルム
2 円柱部材
3 管状型部材
4 薄膜状部材
5 転写ベルト
6 感光ドラム
7 帯電チャージャー
8 光書込装置
9 現像器
10 トナー
11 駆動ロ−ラ−
12 駆動ローラー
13 従動ローラー
14 従動ローラー
15 紙(転写紙)
16 帯電器
17 定着装置
18 定着フィルム

Claims (7)

  1. 樹脂ベルトにより構成された転写体と、該転写体のベルトを張架し、且つ、ベルトを駆動するための駆動ローラーと少なくとも一つの従動ローラーと、該転写体に所定の張力を付与して回転駆動させる回転駆動手段と、
    該転写体の周囲に設けられた複数の像担持体と、
    これらの像担持体をそれぞれ回転伝達部材を介して駆動する複数の回転駆動手段と、
    を有する画像形成装置において、
    該樹脂ベルトの内側面の算術表面粗さ(Ra)が0.15μm以上0.40μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記駆動ローラーは、ブラスト加工により表面処理されており、該駆動ローラー表面の算術表面粗さ(Ra)が0.60μm以上1.0μm以下である請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 外側面の算術表面粗さ(Ra)が0.30μm以下である内型に熱可塑性シート状フィルムを巻き付ける工程と、
    該内型に巻き付けた熱可塑性シート状フィルムの外側に管状型部材に嵌め合わせる工程と、
    該内型に巻き付けた熱可塑性シート状フィルムと管状型部材を加熱して熱可塑性シート状フィルムを溶着させる工程と、
    を有することを特徴とする樹脂ベルトの製造方法。
  4. 前記内型がアルミニウムであり、該内型の外側面の算術表面粗さ(Ra)は0.08μm以上0.10μm以下である請求項3に記載の樹脂ベルトの製造方法。
  5. 前記内型の熱膨張係数が前記管状型部材の熱膨張係数より大きい請求項3又は4に記載の樹脂ベルトの製造方法。
  6. 前記熱可塑性シート状フィルムがポリフッ化ビニリデン樹脂(PVdF)である請求項3〜5のいずれかに記載の樹脂ベルトの製造方法。
  7. 請求項3〜6のいずれかに記載の樹脂ベルトの製造方法により得られたことを特徴とする樹脂ベルト。
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