JP4136211B2 - 円筒状フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置に用いられる、中間転写ベルト、転写搬送ベルト、搬送ベルト、定着フィルム等の円筒状フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
中間転写ベルト(感光体上に形成されたトナー像を、紙等の転写材に転写する前に、一旦前記トナー像を中間転写ベルト上に転写して、その後、中間転写ベルト上のトナー像を転写材に転写して画像を得るために用いるベルト)や転写搬送ベルト(像担持体上のトナー像を転写材に転写し、かつ転写材を搬送するために用いるベルト)を使用した画像形成装置は、カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像を順次積層転写してカラー画像や多色画像を合成再現した画像形成物を出力するカラー画像形成装置や多色画像形成装置、又はカラー画像形成機能や多色画像形成機能を具備させた画像形成装置として有効であるが、ベルトは表面に凹凸のない平滑なものが要求されている。表面に凹凸のない平滑なものが要求されるという点では、中間転写ベルトも転写搬送ベルトも同じであるので、以後、中間転写ベルトを用いてカラー画像形成装置の説明を行う。
【0003】
図1は、電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンター)の一例である。
【0004】
図1において、第1の画像担持体としてのドラム状の電子写真感光体1(以下、感光ドラムと記す)は、矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
【0005】
感光ドラム1は、回転過程で1次帯電器2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の露光手段による露光光3を受ける。このようにして、カラー画像の第1の色成分像(例えば、イエロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0006】
次いで、その静電潜像が第1の現像器(イエロー色現像器41)により第1色であるイエロー成分像に現像される。この時、第2〜第4の現像器、すなわちマゼンタ現像器42、シアン色現像器43及びブラック色現像器44は作動しておらず、感光ドラム1には作用していないので、前記第1色のイエロー成分画像は、前記第2〜第4の現像器による影響を受けない。中間転写ベルト5は、矢印の方向に感光ドラム1とほぼ同じ表面移動速度で(又は中間転写ベルト5の方が若干速く)回転駆動される。
【0007】
感光ドラム1上に形成された前記第1色のイエロー成分像が、感光ドラム1と中間転写ベルト5とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ6を介してバイアス電源30から中間転写ベルト5に印加される1次転写バイアスによって形成される電界により、中間転写ベルト5の外周面に順次転写(1次転写)されて行く。1次転写バイアスは、例えば+100V〜+2kVの範囲である。中間転写ベルト5に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面は、クリーニング装置13により清掃される。
【0008】
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナー画像が、順次中間転写ベルト5上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が、中間転写ベルト5上に形成される。なお、感光ドラム1から中間転写ベルト5への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ7及び転写残トナー帯電部材9は、中間転写ベルト5から離間している。2次転写ローラ7は、2次転写対向ローラ8に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト5の下面部に配設してある。
【0009】
目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が、中間転写ベルト5上に形成された後、2次転写ローラ7が中間転写ベルト5に当接され、給紙ローラ11から中間転写ベルト5と2次転写ローラ7との当接部分に所定のタイミングで第2の画像担持体である転写材Pが給送され、2次転写バイアスがバイアス電源31から2次転写ローラ7に印加されることにより、中間転写ベルト5上に転写された合成カラートナー画像は、転写材Pに2次転写される。合成カラートナー画像が転写された転写材Pは、定着器15へ導入され加熱定着される。
【0010】
転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベルト5には転写残トナー帯電部材9が当接され、感光ドラム1とは逆極性のバイアスを印加することにより、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト5上に残留しているトナー(転写残トナー)に、感光ドラム1と逆極性の電荷が付与される。前記転写残トナーは、感光ドラム1との当接部及びその近傍において感光ドラム1に静電的に転写されることにより、中間転写ベルト5がクリーニングされる。
【0011】
前述の中間転写ベルトを用いた画像形成装置を有するカラー電子写真装置は、従来の技術である転写ドラム上に張り付け又は吸着せしめ、そこへ第1の画像担持体上から画像を転写する画像形成装置を有したカラー電子写真装置、例えば特開昭63−301960号公報中で述べられたごとくの転写装置と比較すると、第2の画像担持体である転写材になんら加工や制御(例えば、グリッパーに把持する、吸着する及び曲率をもたせる等)を必要とせずに中間転写ベルトから画像を転写することができるため、封筒、ハガキ、ラベル紙等、40g/m2程度の薄い紙から200g/m2程度の厚い紙まで、幅の広狭や長さの長短によらず転写可能であるという利点を有している。
【0012】
このような利点のため、すでに市場においては、中間転写ベルトを用いたカラー複写機、カラープリンター等が稼働し始めている。
【0013】
なお、図1の例では、第1色目のトナー画像から第4色目のトナー画像までが、1つの感光体から中間転写ベルト上に逐次転写されたが、複数の感光体上に各色成分のトナー画像を形成し、トナー画像を中間転写ベルト上に順次転写する方法や、1つの感光体上に複数色成分のトナー画像を形成し、その後、トナー画像を中間転写ベルト上に一括転写する方法等もある。もちろん、これ以外の画像形成プロセスを経てフルカラー画像を出力する、中間転写ベルトを用いた電子写真装置もある。
【0014】
そして、中間転写ベルトに凹凸があると、凹凸の部分で1次転写不良や2次転写不良が発生し、転写抜けが発生する。従って、中間転写ベルトには、凹凸があってはならない。また、転写搬送ベルトに凹凸がある場合、転写抜けが発生したり、記録用紙の吸着力が弱まって色ズレの悪化や搬送不良を引き起こすため、転写搬送ベルトにも凹凸があってはならない。更に、中間転写ベルト、転写搬送ベルトに共通する問題として、ベルトに凹凸があると、ベルトをプーリに張架して回転させたときに、凹凸部分に応力が集中するため、凹凸部分に亀裂が生じ易くなってベルトの寿命が短くなってしまうという問題点がある。
【0015】
以上のように、中間転写ベルトや転写搬送ベルトには凹凸のない平滑なものが求められている一方で、安価に製造することも求められている。中間転写ベルトや転写搬送ベルトを安価に製造するには、熱可塑性樹脂を溶融混練し、これを環状ダイスから押出して任意の長さに切断すればよい。しかし、このままでは、押出しによって得られるチューブの径を精度良く一定に保つことが困難であるので、後工程によって寸法の矯正を行う必要がある。
【0016】
最も簡単な寸法矯正の手段として、特開平4−78990号公報、特公平6−104340号公報等に記載されているように、前記チューブを型に被せて加熱し、チューブを熱収縮させることによって、チューブの内径を型の外径と一致させる方法が考えられる。
【0017】
しかしながら、実際にこの方法を試してみると、チューブを熱収縮させるとき、チューブと型との間に存在する空気が完全に抜け切らずに空気溜りになってしまうことが多く、得られる円筒状フィルムには、空気溜りに起因する凸部(円筒状フィルムを切り裂いて平らな所に置き、横から見たときに部分的に盛り上がっている状態。本発明では、以後この現象をベコと呼ぶ)が発生してしまうことが判明した。
【0018】
すなわち、単にチューブを型に被せて熱収縮させるだけでは、空気溜りに起因するベコが発生してしまうために、安価で平滑な円筒状フィルムを得ることができないという問題があった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、熱可塑性樹脂からなるチューブを型に被せて熱収縮させる際に、空気溜りの発生を抑制して、ベコのない平滑な円筒状フィルムを安価に製造することができる円筒状フィルムの製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、予め筒状に成形したチューブを型に被せて加熱することにより、該チューブを収縮させ、所定の周長を有する円筒状フィルムを得る製造方法において、
該型の表面に、深さ5μm以上の溝が、0.1〜100mmの間隔で、該型の軸方向に設けられていることを特徴とする円筒状フィルムの製造方法が提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
すなわち、本発明は、型の表面に、深さ5μm以上の溝を、0.1〜100mmの間隔で、型の軸方向に設けておくことで、チューブが熱収縮する際に、チューブの内周面と型の外周面とが完全に密着することを防ぎ、チューブと型との間にある空気を外部に逃がすことによって、空気溜りに起因するベコの発生を抑制するものである。そしてその結果、平滑で安価な円筒状フィルムを得ようとするものである。
【0023】
なお、本発明において、チューブとは、熱可塑性樹脂を任意の製造方法によって予め筒状又は折り畳まれた筒状に成形したものを指し、円筒状フィルムとは、チューブを型に被せて熱収縮したものを指す。
【0024】
本発明者等は、型の表面形状について検討を行った結果、型の軸方向に深さ5μm以上の溝を設けると、チューブと型との間の空気が抜け易くなるため、ベコの発生防止に大きな効果が得られることが分かった。この時、空気をより抜け易くするためには、溝の深さを10μm以上とすることがより好ましい。なお、溝の深さに上限はなく、型の厚さ以下であればよい。
【0025】
型の軸方向に溝を設ける場合、溝と溝との間隔(ピッチ)は0.1〜100mmである。間隔を0.1mm未満とする加工は困難であり、100mmを超えると、チューブと型との間の空気が抜け難くなってベコの防止効果が薄れる。
【0026】
更に、本発明者らは、前記製造方法に加えて、中間転写ベルト又は転写搬送ベルトとして重要な、円筒フィルムの厚み精度や強度、電気抵抗ムラをも向上させる製造方法を見出した。その方法とは、まず下記<1>〜<3>のいずれかの方法で、予め筒状に成形したチューブを成形し、その後、上記の製造方法により円筒状フィルムを得る方法である。
【0027】
<1> 環状ダイスの先端から押出機の押出しによってチューブを得る時に、前記環状ダイスのダイキャップよりチューブの肉厚が薄くなるようにしてチューブを形成する。このようにすると、チューブの厚み精度を向上させることができる。その理由は、次のように考えられる。
【0028】
チューブの肉厚は50〜300μm程度という薄さであり、チューブの肉厚とダイキャップの値を同一にした場合には、例えば、ダイキャップが10μmズレればチューブの肉厚も10μmズレてしまう。一方、ダイギャップよりもチューブの肉厚が薄くなるようにした場合、例えば1mmのダイキャップで150μmの肉厚のチューブを作る場合、ダイキャップが10μmズレてもチューブの肉厚は1.5μmしかズレない。
【0029】
従って、“ダイキャップ>チューブの肉厚”とした場合には、チューブの厚み精度が向上すると考えられる。このようにして得られたチューブは、厚み精度に優れるので、その後、本発明の製造方法を経ると、寸法精度、平滑性及び厚み精度に優れた円筒状フィルムを得ることができる。なお、ここでいう厚み精度とは、目標値に対する円筒状フィルムの平均肉厚のズレ、円筒状フィルムの肉厚ムラ、の両者を指す。
【0030】
<2> 環状ダイスの先端から押出機の押出しによってチューブを得る時に、前記チューブの吐出速度より速い引取速度でチューブを引き取る。このようにすると、チューブの厚み精度の向上と共に、長手方向(スラスト方向)のヤング率の向上が実現できる。その理由は、以下のように考えられる。
【0031】
まず、厚み精度向上の理由について述べる。溶融樹脂を環状ダイスから押出す時、バラス効果により、ダイキャップよりも押出されたチューブの肉厚の方が大きくなろうとする(ダイスウェル)。従って、ダイギャップのズレが増幅されてチューブの肉厚に反映される。しかし、チューブの吐出速度よりもチューブの引取速度を速くしておけば、チューブが引き伸ばされて薄くなるために、肉厚ズレ(及び肉厚ムラ)の絶対値は減少する。
【0032】
次に、ヤング率向上の理由について述べる。チューブの吐出速度よりもチューブの引取速度を速くすると、チューブがMD方向に1軸延伸された状態となる。このため、チューブの長手方向のヤング率が向上して、長手方向の色ずれが減少するので好ましい。このようにして得られたチューブは、厚み精度及びヤング率に優れるので、その後、本発明の製造方法を経ると、寸法精度、平滑性及び厚み精度に優れた円筒状フィルムを得ることができる。
【0033】
<3> 環状ダイスの先端から押出機の押出しによってチューブを得る時に、環状ダイスのダイス直径(D1)と、チューブの直径(D2)との比(D2/D1)を0.5〜4とする。特にD2/D1が1〜4の場合、チューブの肉厚をダイキャップよりも薄くすることができるので、チューブの厚み精度が向上して好ましい。また、D2/D1を1以上とすると、チューブが周方向に延伸されるために、周方向のヤング率が向上して、周方向の色ずれが低減するという利点も有する。
【0034】
しかし、溶融粘度の低い樹脂を使用した場合、環状ダイスから押出されたチューブを膨らまそうとしても、穴が開く等してうまく膨らまず、D2/D1を1以下にせざるを得ない場合がある。その場合でも、D2/D1をできるだけ大きく、具体的にはD2/D1を0.5以上にすることで、得られるチューブの厚み精度の悪化を最小限に留めることができる。好ましいD2/D1の値は、0.8〜3.8、より好ましい範囲は0.9〜3.5である。このようにして得られたチューブは、厚み精度に優れるので、その後、本発明の製造方法を経ると、寸法精度、平滑性及び厚み精度に優れた円筒状フィルムを得ることができる。
【0035】
前記D2/D1を達成するための好ましい製造方法の例として、環状ダイスから押出されたチューブ状溶融物に、大気圧以上の気体を吹き込むことによりチューブを膨らませながら連続的に成形させてチューブを得る製造方法、所謂インフレーション法(ブローンフィルム押出し成形、チューブラーフィルム押出し成形とも言う)として知られている製造方法を挙げることができる。ここで吹き込まれる気体は、空気、窒素、二酸化炭素、アルゴン等が挙げられる。
【0036】
特に、環状ダイスから押出されたチューブを、挟持部材(チューブの折り径よりも挟持する幅の方が広い)によって、チューブの長手方向に対して直交方向に押し潰された全幅に対して挟持されながら引き取って得られたチューブは、本発明の製造方法によって円筒状フィルムにするためのチューブとして好ましい。その理由は以下のようである。
(1)連続成形であるために、チューブのMD方向の抵抗が変動し難い。従って、円筒状フィルムの長手方向の抵抗ムラが小さくなる。
(2)連続成形であるため、チューブを安価に製造することができる。
【0037】
以上のように、インフレーション方法で得られたチューブは、本発明の円筒状フィルムを得るためのチューブとして好ましいが、挟持部材(ピンチローラ)に起因する折り目がついている。この折り目は、チューブを型に被せて熱収縮させても平滑化せず、得られる円筒状フィルムに2本のスジ状の凸部ができてしまう場合がある。しかし、適当な手段によってチューブの折り目を除去した後に、このチューブを型に被せて熱収縮すれば、このような問題の発生はなく、極めて平滑な円筒状フィルムが得られるので非常に好ましい。
【0038】
チューブの製造工程において、押出機として、2軸押出機を使用すると、ポリマーと添加剤の分散混合が良好に行われるので、分散工程の省力化あるいは省略が可能となる。従って、チューブを低コストで製造することが可能となる。また、分散混合が良好に行われると、分散強度による抵抗変動(抵抗ムラ)が小さくなり、転写ステーション間(1次転写と2次転写)での電源の干渉による転写不良や、抵抗が低い部分に電流が集中することによる転写ムラ及びリーク(絶縁破壊)等が発生し難くなって好ましい。つまり、2軸押出機を用いて製造されたチューブは、抵抗ムラが小さいので、その後、本発明の製造方法を経ると、寸法精度、平滑性及び画質に優れた円筒状フィルムを得ることができる。
【0039】
環状ダイスから押出されたチューブ状溶融物を冷却、固化した後、チューブを長手方向に対して直交方向(ラジアル平面と平行)で、ほぼ直角に切断してチューブを製造することが好ましい。なぜならば、最終的に円筒状フィルムは、幅を整えて使用するので、前記チューブをほぼ直角に切断しないでチューブを製造した場合には、その後の工程で切断して廃棄する面積が大きくなるので、生産効率が低下してしまうからである。ここで、ほぼ直角とは、切断面とチューブの軸に平行な直線とが交わる角度が(90±30)°の状態を指し、好ましくは(90±20)°、より好ましくは(90±10)°で切断すると良い。
【0040】
本発明の製造方法により得られた円筒状フィルムは、環状ダイスから押出して製造されるので継ぎ目がない。従って、継ぎ目に起因する凹凸はない。また、本発明の製造方法により得られた円筒状フィルムは、継ぎ目における抵抗ムラがない。このため、円筒状フィルムのどの部分を測定しても、その体積抵抗を100〜1014Ωとすることができる。
【0041】
電子写真方式の画像形成装置に供される中間転写ベルト又は転写搬送ベルトは、電気抵抗値が均一かつ適当な値であることが要求されるが、本発明の製造方法によれば、この要求を満たす円筒状フィルムを得ることができる。つまり、本発明の製造方法によって得られる円筒状フィルムは、電子写真方式の画像形成装置に供される中間転写べルト又は転写搬送ベルトとして好適である。
【0042】
本発明の製造方法によれば、円筒状フィルムの周方向における体積抵抗の最大値を最小値の100倍以内にすることができる。そのため、フィルムを中間転写ベルト又は転写搬送ベルトとして用いた時に、周方向の転写ムラの発生や、ステーション間での電源の干渉(例えば、中間転写ベルトとして用いた場合には、1次転写のバイアス電源と2次転写のバイアス電源の干渉、転写搬送ベルトとして用いた場合には、1次転写バイアス電源同士の干渉等)が発生し難くなる。
【0043】
また、本発明の製造方法によれば、円筒状フィルムの周方向における表面抵抗の最大値を最小値の100倍以内にすることができる。そのため、フィルムを中間転写ベルト又は転写搬送ベルトとして用いた時に、ステーション間での電源の干渉(例えば、中間転写ベルトとして用いた場合には、1次転写のバイアス電源と2次転写のバイアス電源の干渉、転写搬送ベルトとして用いた場合には、1次転写バイアス電源同士の干渉等)が発生し難くなる。
【0044】
また、本発明の製造方法によれば、円筒状フィルムの長手方向における体積抵抗の最大値を最小値の100倍以内にすることができる。そのため、フィルムを中間転写ベルト又は転写搬送ベルトとして用いた時に、長手方向の転写ムラの発生や、抵抗最小部位に過大な電流が流れ込むことによる円筒状フィルムの絶縁破壊、画像形成層装置の誤動作等を発生し難くすることができる。
【0045】
また更に、本発明の製造方法によれば、円筒状フィルムの長手方向における表面抵抗の最大値を最小値の100倍以内にすることができる。そのため、フィルムを中間転写ベルト又は転写搬送ベルトとして用いた時に、長手方向の転写ムラの発生や、円筒状フィルム上の転写残トナーを転写残トナー帯電部材により帯電させて、その後に転写残トナーをクリーニングする際に、転写残トナー帯電部材から印加されるバイアスが円筒状フィルムの低抵抗部分に集中して流れることにより、円筒状フィルム上の転写残トナーを均一に帯電することができなくなって、クリーニング不良となることを発生し難くすることができる。
【0046】
なお、本発明において表面抵抗及び体積抵抗の測定は、以下のようにして行うものとする。
【0047】
<測定器>
抵抗計:超高抵抗計R8340A(アドバンステスト社製)
試料箱:超高抵抗測定用試料箱TR42(アドバンステスト社製)
(ただし、主電極は直径22mm、ガード・リング電極は内径41mm、外径49mmとする)
<サンプル>
円筒状フィルム(厚さ30〜300μm程度)を直径56mmの円形に切断する。切断後、片面はその全面をPt−Pd蒸着膜により電極を設け、もう一方の面はPt−Pd蒸着膜により直径25mmの主電極と内径38mm、外径50mmのガード・リンク電極を設ける。Pt−Pd蒸着膜は、マイルドスパッタE1030(日立製作所製)で蒸着操作を2分間行うことにより得られる。蒸着操作を終了したものを試料サンプルとする。
【0048】
<測定条件>
測定雰囲気:23℃/湿度55%
(なお試料は、予め23℃/湿度55%の雰囲気に12時間以上放置しておく)
測定モード:プログラムモード5
(ディスチャージ10秒、チャージ及びメジャー30秒)
印加電圧:1〜1000(V)
【0049】
印加電圧は、画像形成装置で使用される中間転写体及び転写部材に印加される電圧の範囲の一部である1〜1000Vの間で任意に選択できる。また、サンプルの抵抗値、厚み、絶縁破壊強さ等に応じて、上記印加電圧の範囲において、測定時の印加電圧は適宜変えることができる。また、上記印加電圧のいずれか一点の電圧で測定された複数箇所の体積抵抗及び表面抵抗が、本発明の抵抗範囲に含まれれば、本発明の目的とする抵抗範囲であると判断される。
【0050】
以上述べてきたように、本発明者らは、予め筒状に成形したチューブを型に被せて加熱することにより、チューブを収縮させ、所定の周長を有する円筒状フィルムを得る製造方法において、型の表面に、深さ5μm以上の溝を、0.1〜100mmの間隔で、型の軸方向に設けておくことによって、ベコのない平滑なフィルムを得ることに成功し、本発明に至った。
【0051】
本発明の製造方法において、チューブを被せる型は中空(パイプ形状)であっても中実(円柱形状)であってもよい。型の材質は、チューブを熱収縮させる際の加熱温度に耐えられるものであればどのような材質でもよい。例えば、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)、セラミック、アルミニウム、銅、ステンレス等を用いることができる。型の熱容量は、小さい方が熱収縮に要する時間を短縮することができるので、上記の材質の中でも、アルミニウム、銅が最も好ましい。更に、型の熱容量と型の機械的強度を勘案すると、アルミニウム又は銅を用いた厚さ2〜10mm程度のパイプ形状とすることが最も好ましい。
【0052】
本発明に用いる型の表面の凹凸は、任意の方法によって設けることができる。例えば、研磨加工、ブラスト加工、ローレット加工、ケガキ加工、放電加工、メタルソーやドリルを用いた切削加工等が挙げられる。もちろん、上記以外の加工によって凹凸を設けてもよい。
【0053】
本発明に用いる型の表面の軸方向に溝を設ける場合、溝の向きは、図2に示すように型の軸線に平行な方向が最も好ましい。もちろん、図3に示すように、軸線に対してねじれ方向であってもよいし、図4に示すように、溝の向きを途中で急激に変化させてもよいし、図5に示すようなスパイラル形状であってもよい。
【0054】
溝の断面形状は、V字型(V溝)、カマボコ(R溝)、その他任意の形状とすることができる。また、図6に示すように、チューブを型に被せたときに、溝の凹凸がチューブの端より外側にまである様にすると、空気が抜け易くなり非常に好ましい。
【0055】
本発明において、熱収縮とは、チューブを加熱することによってチューブの周長を縮めることを言い、具体的には加熱によって周長を0.2%以上縮めることをいう。熱収縮時の加熱温度は、チューブに用いられている主たる樹脂のガラス転移温度(Tg)より50℃低い温度から、融点より20℃低い温度までの範囲である。
【0056】
本発明において、熱可塑性樹脂とは、加熱によって軟化ないし溶融し、成形することが可能となる樹脂である。一般に知られている熱可塑性樹脂の例として、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、メタクリル樹脂、ポリアミド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、脂肪族ポリケトン、ポリメチルペンテン、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、4フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化エチレンプロピレン共重合体、4フッ化エチレン等)、液晶ポリマー等が挙げられる。もちろん、前記材料を2種類以上混合したものでもよいし、その他の公知の熱可塑性樹脂(例えば、ポリマーアロイ)等、前記の材料に限定されるものではない。
【0057】
本発明にかかる円筒状フィルムを得るためには、熱可塑性樹脂に任意の添加剤を加えることができる。例えば、導電剤(カーボンブラック、酸化チタン、チタン酸カリウム、酸化錫等)、充填剤(タルク、マイカ、炭酸カルシウム等)、難燃剤(水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン等)、酸化防止剤(t−ブチルヒドロキシトルエン等)等を挙げることができる。もちろん、添加剤は、上記材料に限定されるものではなく、その他の任意の添加剤を使用することができる。
【0058】
なお、本発明にかかる円筒状フィルムは、単層でもよいし複数の層で構成されていてもよい。複数の層からなる円筒状フィルムを得る場合、予め複数の層で形成したチューブを多層ダイスからの押出しによって得てもよいし、単層のチューブから単層の円筒状フィルムを得て、その後、単層円筒状フィルムの表面あるいは裏面に新たな層を設ける(例えば、スプレー法、ディッピング法等により)ことによって複数の層からなる円筒状フィルムとしてもよい。
【0059】
以上説明してきたように、本発明は、予め筒状に成形したチューブを型に被せて加熱することにより、チューブを収縮させ、所定の周長を有する円筒状フィルムを得る製造方法において、該型の表面に、深さ5μm以上の溝が、0.1〜100mmの間隔で、該型の軸方向に設けられていることを特徴とする円筒状フィルムの製造方法である。従って、本発明の製造方法により得られるフィルムは、ベコのない平滑なフィルムであるという特徴を持つ。
【0060】
【実施例】
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は重量部を示す。
【0061】
(参考例1)
2軸押出し混練機により下記材料のコンパウンド(成形用原料)を調製した。
【0062】
ポリサルホン樹脂 100部
カーボンブラック 21部
酸化防止剤 0.5部
上記コンバウンドを1〜2mmの粒径を有する顆粒状(ペレット)に加工した後、図7に示される1軸押出機100のホッパー120へ投入し、340〜360℃に加熱することにより溶融体とした。溶融体は、直径150mm、ダイキャップ300μmの環状ダイスに導かれ、環状ダイスからチューブ状に押出されると同時に、気体導入路150より供給される圧縮空気によってチューブ160を膨張させた。
【0063】
膨張したチューブは、安定板170を通過した後に、挟持部材としてのピンチロール180(ロールのニップ幅=600mm)を経て、引き取られながら長さ(チューブの幅)430mmになるようにカッター190で、チューブ160の軸方向に対して切断面がほぼ直交するように、断続的に切断することで、ピンチロールに起因する折り目を有する肉厚100μmのチューブを得た。得られたチューブの折り径は、およそ300mm(周長600mmに相当)であったので、ダイス直径とチューブ直径の比は、600÷3.14÷150×100(%)=127(%)である。
【0064】
次に、図8及び図9に示すような装置を用いて、ピンチロールに起因するチューブの折り目の除去を行った。なお、図8及び図9において、70は加熱ローラであり、190℃に保たれている。また、60はチューブ50を駆動するための駆動ローラであると同時に、図9の矢印の方向に移動することで、チューブ50の周長を増大させる役割を有す。
【0065】
折り目の除去を終えたチューブの直径は221mm(周長694.3mm相当)であった。この状態でも、かなりの寸法精度と平滑性を有するチューブになっているが、更に寸法精度を向上させるために、チューブを型に被せて熱収縮することにした。すなわち、折り目を除去したチューブを熱収縮用の円筒状アルミニウムに被せ、予め230℃に熱しておいたオーブンに投入し、20分後にシリンダーごと取り出した。そして、シリンダーを10〜30℃程度の室内で冷却し、熱収縮したチューブを取り出し、チューブを適当な幅にカットして本発明の円筒状フィルムを得た。なお、シリンダーの形状を示す。
【0066】
<シリンダー形状>
外径=220mm
高さ(長さ)=300mm
厚さ=5mm
表面の凹凸=5μm(ブラスト処理により凹凸を設けた。Rzは2μm、Rmax=5μm)
【0067】
得られた円筒状フィルムにはベコがなかった。もちろん、ピンチロールに起因する折り目もなく、平滑な円筒状フィルムであった。
【0068】
次に、図10に示すように、得られた円筒状フィルムの1本についてA〜Lまでの12ヶ所(周方向4ヶ所×軸方向3ヶ所)を切り出し、前記測定手順に従って体積抵抗及び表面抵抗を測定した。
【0069】
その結果、体積抵抗の平均値は1×108(Ω)、体積抵抗の周方向のムラは15、体積抵抗の長手方向のムラは14、表面抵抗の周方向のムラは8.6、表面抵抗の長手方向のムラは9.2であった。
【0070】
ただし、体積抵抗の平均値とは、A〜L点までの体積抵抗の平均値であり、かつこの値を円筒状フィルムの体積抵抗とする。また、周方向のムラとは、A〜D点の測定値の最大値と最小値の比をX1とし、E〜H点の測定値の最大値と最小値の比をX2とし、I〜L点までの測定値の最大値と最小値の比をX3とした時、X1〜X3の最大値を周方向の抵抗ムラとする。また、長手方向の抵抗ムラとは、A、E、I点の測定値の最大値と最小値の比をY1とし、B、F、J点の測定値の最大値と最小値の比をY2とし、C、G、K点の測定値の最大値と最小値の比をY3とし、D、H、L点の測定値の最大値と最小値の比をY4とした時、Y1〜Y4の最大値を長手方向のムラとする。
【0071】
次に、円筒状フィルムに端部補強テープ(マイラーテープ)及びリブ部材を取り付け、転写搬送ベルトとして図11に示す画像形成装置に組み込み、ハーフトーン画像を出力し、画像濃度の均一性について評価を行った。
【0072】
本参考例の円筒状フィルムは、ベコがなく、平滑性に優れているので、ベコによる画像濃度ムラは発生しなかった。また、1万枚の耐久試験によって、円筒状フィルム(転写搬送ベルト)に亀裂が生じることはなかった。
【0073】
(実施例3〜11)
参考例1と同様にして折り目を有するチューブを得、更に参考例1と同様にしてチューブの除去を行った。折り目を除去したチューブを型に被せて参考例1と同じ条件で熱収縮させたが、この時用いた型の表面を下記の表1のように変えた。なお、用いた型は、外径220mm、高さ(長さ)300mm、厚さ5mmのアルミニウムシリンダーである。そして、実施例3〜11では、図2に示すように型の軸方向に平行な溝を設けた型とした。実施例3〜11において、溝の断面形状はV字型で、溝の深さは0.01〜0.2mmである。
【0074】
【表1】
【0075】
実施例9及び実施例11では、わずかにベコが発生した。これは、実施例9の場合、溝幅が狭すぎるために、そして実施例11では、溝のピッチが広すぎるために、シリンダーとチューブの間にある空気が完全に抜け切らなかったためと考えられる。また、実施例8では、溝の幅が広かったために、溝の形状がわずかに円筒状フィルムに転写された。
【0076】
実施例3〜11で得られた円筒状フィルムを転写搬送ベルトとして参考例1と同様に評価した。全ての場合において、画像濃度の均一性に問題はなく、転写不良等は見られなかった。ただし、実施例8、9及び11で得られたフィルム(転写搬送ベルト)は、1万枚の耐久によってベコ部(実施例9及び実施例11)あるいは凹部(実施例8)にわずかな亀裂が見られた。評価結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
(比較例1)
表面を精密に研磨して、表面粗さ(Rz)を0.5μmにしたアルミニウムシリンダーを用いて熱収縮を行った以外は、参考例1と同様にして円筒状フィルムを製造した。
【0079】
シリンダーとチューブの間の空気が抜け切らなかったために、得られた円筒状フィルムには多数のベコが見られた。
【0080】
次に、円筒状フィルムの抵抗測定を行った。その結果、体積抵抗の平均値は1.5×108(Ω)、体積抵抗の周方向のムラは180、体積抵抗の長手方向のムラは200、表面抵抗の周方向のムラは300、表面抵抗の長手方向のムラは260であった。同じコンパウンドを用いながらも、実施例と本比較例とで抵抗ムラが極端に異なるのは、ベコ部とそうでない部分(平滑な部分)とでは収縮率が異なるために、カーボン同士の間隔が異なり、結果として抵抗ムラが悪化したものと考えられる。
【0081】
次に、得られた円筒状フィルムを実施例1と同様にして画像評価を行った。ベコに起因する転写不良が多数発生し、均一な画像濃度を得ることはできなかった。また、耐久5000枚程度で、ベコ部分から亀裂が発生し始め、ベルトとして耐久性に劣るものであった。
【0082】
以上の実施例では、本発明により得られた円筒状フィルムを転写搬送ベルトあるいは中間転写ベルトとして、図11や図12のような画像形成装置に組み込んだ場合について説明してきたが、本発明の円筒状フィルムの用途は、これに限定されるものではなく、例えば図13に示すように記録用紙を水平方向に搬送する電子写真装置用の転写搬送ベルトや、図14に例示するごとくの電子写真装置の転写搬送ベルトとして使用することも可能である。
【0083】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明は、予め筒状に成形したチューブを型に被せて加熱することにより、チューブを収縮させ、所定の周長を有する円筒状フィルムを得る製造方法において、該型の表面に、深さ5μm以上の溝が、0.1〜100mmの間隔で、該型の軸方向に設けられていることを特徴とする円筒状フィルムの製造方法である。
【0084】
従って、本発明の円筒状フィルムの製造方法によれば、ベコが発生することがなく、かつ寸法精度に優れた円筒状フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 中間転写ベルトを用いたカラー画像形成装置の概略構成図である。
【図2】 型の軸方向と平行な方向に溝を有する型の概略図である。
【図3】 型の軸方向に対してねじれの方向に溝を有する型の概略図である。
【図4】 溝の方向が途中で急激に変化する型の概略図である。
【図5】 型の軸方向に対して螺旋状に溝を有する型の概略図である。
【図6】 チューブの端部よりも型表面の凹凸が外側にある状態を示す図である。
【図7】 インフレーション法によるチューブの製造方法の概略図である。
【図8】 折り目の除去工程で用いた装置の上面概略図である。
【図9】 折り目の除去工程で用いた装置の側面概略図である。
【図10】 円筒状フィルムの抵抗測定位置を示す図である。
【図11】 転写搬送ベルトを用いたカラー画像形成装置の一例を示す概略図である。
【図12】 複数の感光体と中間転写ベルトとを用いたカラー画像形成装置の一例を示す概略図である。
【図13】 転写搬送ベルトを用いたカラー画像形成装置の別の一例を示す概略図である。
【図14】 転写搬送ベルトを用いたカラー画像形成装置の別の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 1次帯電器
3 露光光
5 中間転写ベルト
6 1次転写ローラ
7 2次転写ローラ
8 2次転写対向ローラ
9 転写残トナー帯電部材
10 転写材ガイド
11 給紙ローラ
12 転写搬送ベルト
13 感光ドラムのクリーニング装置
15 定着器
16 転写搬送ベルト
30,32,32,33,34,35,36,37 バイアス電源
41 イエロー色現像装置
42 マゼンタ色現像装置
43 シアン色現像装置
44 ブラック色現像装置
50 チューブ
55 型
60 駆動ローラ
61 支持ローラ
70 加熱部材
100,110 1軸押出機
120,130 ホッパー
150 気体導入路
160 チューブ
170 安定板
180 ピンチロール
190 カッター
P 転写材
Claims (9)
- 予め筒状に成形したチューブを型に被せて加熱することにより、該チューブを収縮させ、所定の周長を有する円筒状フィルムを得る製造方法において、
該型の表面に、深さ5μm以上の溝が、0.1〜100mmの間隔で、該型の軸方向に設けられていることを特徴とする円筒状フィルムの製造方法。 - 前記チューブが、環状ダイスの先端からの押出しによって得られる吐出物を、その長手方向に直交する方向に押し潰したときの全幅で挟持する挟持部材を通過させながら引き取る工程を経て得られたチューブである請求項1に記載の円筒状フィルムの製造方法。
- 前記チューブが、前記引き取る工程の後、更に前記挟持部材を通過させたことに起因する折り目を除去あるいは軽減する工程を経て得られたチューブである請求項2に記載の円筒状フィルムの製造方法。
- 前記チューブが、環状ダイスの先端からの押出しによって得られる吐出物を用いて得られた、該環状ダイスのダイギャップよりも薄い肉厚を有するチューブである請求項1〜3のいずれかに記載の円筒状フィルムの製造方法。
- 前記チューブが、環状ダイスの先端からの押出しによって得られる吐出物を吐出速度よりも早い引き取り速度で引き取ることによって得られたチューブである請求項1〜4のいずれかに記載の円筒状フィルムの製造方法。
- 前記チューブが、環状ダイスの先端からの押出しによって得られる吐出物を用いて得られた、該環状ダイスのダイス直径に対して50〜400%の直径を有するチューブである請求項1〜5のいずれかに記載の円筒状フィルムの製造方法。
- 前記チューブが、環状ダイスの先端からの押出しによって吐出されたチューブ状溶融物に大気圧以上の気体を吹き込み、これを膨張させる工程を経て連続的に成形されたチューブである請求項1〜6のいずれかに記載の円筒状フィルムの製造方法。
- 前記チューブが、2軸押出機による、環状ダイスの先端からの押出しによって得られる吐出物を用いて得られたチューブである請求項1〜7のいずれかに記載の円筒状フィルムの製造方法。
- 前記チューブが、該チューブの成形時に該チューブの長手方向に対して直交方向に切断する工程を経て得られたチューブである請求項1〜8のいずれかに記載の円筒状フィルムの製造方法。
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