JP2007169852A - シート材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リサイクル可能、かつ、生分解性可能な環境への負荷が少ないシート材の提供
【解決手段】シート材は、麻、ジュート又はケナフからなる植物繊維11を織った織物シート12に、ポリ乳酸樹脂13を含浸させたものである。シート材10の製造方法は、例えば、麻、ジュート又はケナフからなる植物繊維11を織った織物シート12とポリ乳酸樹脂からなる不織布14とを積層し、積層した積層体をプレスしつつポリ乳酸樹脂の融点より高い温度に加熱して、ポリ乳酸樹脂を溶融させて織物シート12に含浸させるとよい。本発明に係るシート材は、可及的天然素材を用いて製造されている。このため、生分解性があり、例えば、土壌に埋めると、微生物により分解される。また、焼却しても有害物質を発生させない。
【選択図】 1

Description

本発明はシート材およびその製造方法に関するものである。
シート材、例えば、自動車の内装基材として用いられるシート材は、軽量で、かつ剛性等に優れているのが好ましい。このような物性の改善を目的として、例えば特許文献1には、不織布積層体からなる自動車の内装基材が提案されている。
特開2000−229369号公報
近年、自動車の内装材は廃棄される際の、ゴミの減容化を図るべく、リサイクル可能なものや、再生可能資源を用いることで環境への負荷を軽減することが検討されている。自動車の内装材に用いられている材料としては、特に、化石資源の減耗から非石油資源で再生資源であるバイオマス由来資源が注目されている。
本発明は可及的天然素材を用い、生分解可能で、ゴミの減容化を図ることができ、軽量で所要の剛性を備えたシート材を提供するものである。
すなわち、本発明に係るシート材は、麻、ジュート又はケナフからなる植物繊維を織った織物シートに、ポリ乳酸樹脂を含浸させたものである。
また、本発明に係るシート材の製造方法は、例えば、麻、ジュート又はケナフからなる植物繊維を織った織物シートとポリ乳酸樹脂からなる不織布とを積層し、積層した積層体をプレスしつつポリ乳酸樹脂の融点より高い温度に加熱して、ポリ乳酸樹脂を溶融させて織物シートに含浸させるものである。
本発明に係るシート材によれば、麻、ジュート又はケナフからなる植物繊維を織った織物シートに、ポリ乳酸樹脂を含浸させたものである。麻、ジュート又はケナフからなる植物繊維はもちろんのこと、ポリ乳酸樹脂もトウモロコシなどを原料に生成されるものであるから可及的天然素材を用いて製造されている。このため、生分解性があり、例えば、土壌に埋めると、微生物により分解される。また、植物由来なので焼却しても有害物質を発生させず、温暖化ガスであるCOの増加が少ない。
以下、本発明の一実施形態に係るシート材およびシート材の製造方法を図面に基づいて説明する。
このシート材10は、図1に示すように、麻、ジュート又はケナフからなる植物繊維11を織った織物シート12に、ポリ乳酸樹脂13を含浸させたものである。
斯かるシート材10は、図2に示すように、例えば、麻、ジュート又はケナフからなる植物繊維を織った織物シート12とポリ乳酸樹脂からなる不織布14とを積層し、積層した積層体をプレスしつつポリ乳酸樹脂の融点より高い温度に加熱して、ポリ乳酸樹脂を溶融させて織物シートに含浸させて成形するとよい。この際、織物シート12とポリ乳酸樹脂からなる不織布14とを積層する積層工程では、織物シート12とポリ乳酸樹脂からなる不織布14を交互に複数層積層してもよい。これにより、シート材10を厚くし、剛性やポリ乳酸樹脂の含浸状態を良好にし、複合材料の性能を向上させることができる。
織物シート12に用いられる麻、ジュート又はケナフからなる植物繊維11は、伸縮性が殆どなく、また植物繊維の中でも剛性が強い。ジュート又はケナフの他、麻には、例えば、マニラ麻やサイザル麻などを用いることができる。この実施形態では、織物シート12には、ジュートの繊維からなる糸を縦横に織った織物シートを用いている。織物シート12の織り方や植物繊維の繊維径などは、種々の変更が可能である。
本明細書において、ポリ乳酸樹脂はポリ乳酸のホモポリマーが当然に含まれる。しかし、「ポリ乳酸樹脂」は、ポリ乳酸のホモポリマーに限定されず、例えば、ポリ乳酸の共重合体が含まれる。ポリ乳酸の共重合体としては、例えば、ポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体、ポリ乳酸/ポリカプロラクトン共重合体、ポリ乳酸/サクシネート共重合体、ポリ乳酸/サクシネートアジペート共重合体が含まれる。したがって、ポリ乳酸樹脂にはこれらの樹脂を採用することができる。
ポリ乳酸樹脂からなる不織布は、不織布を構成する繊維の単糸繊度が0.01デシテックス〜5デシテックスの繊維を用いるとよい。不織布は、例えば、メルトブローン法、スパンボンド法、ニードルパンチ法、エアーブロー法、湿式水流絡合法、湿式抄造法のいずれかの方法で製造した不織布を用いるとよいが、コスト的に、スパンボンド法やメルトブローン法が優れており、また、細い繊維を用いる方が加圧加熱処理の際、溶融し易く、織物の内部まで含浸し易い。
なお、ポリ乳酸樹脂からなる不織布を用いずに、ポリ乳酸樹脂からなるフィルムを用いた場合は、ポリ乳酸樹脂を溶融し、植物繊維の織物に含浸させる際に、織物内の空気が抜け難く、シート材内部に気泡が形成され易くなる。またフィルムでは伸度が低いために加熱成形時に、立体的な複雑な形状の型面では、型に馴染みにくく、しわが生じる場合もある。また、ポリ乳酸樹脂からなる不織布を用いずに、ポリ乳酸樹脂を粉末状で用いた場合は、植物繊維織物上に均一に分散させることが難しく、厚さに斑が生じ易い。また、コスト的にも高くつくし、作業性も悪い。
このシート材10を製造する際は、図2に示すように、織物シート12とポリ乳酸樹脂からなる不織布14を積層する。この実施形態では、ポリ乳酸樹脂からなる不織布14、織物シート12、ポリ乳酸樹脂からなる不織布14の順に3層で積層しているが、積層数は3層に限定されず、さらに多層に積層してもよい。また、図示は省略するが、ポリ乳酸樹脂からなる不織布14の層では、ポリ乳酸樹脂からなる不織布14を複数枚重ねて一つの層を形成してもよい。また、麻等の織物シートは、特有の臭いを発する場合があるので、織物シートとポリ乳酸樹脂を積層する際に、両端にポリ乳酸樹脂の不織布を積層するとよい。
ポリ乳酸は、平均分子量が5万から40万、好ましくは10万から20万のものを用いるのがよい。また、ポリ乳酸樹脂は、溶融粘度がMFR1〜500(210℃、2.16kg荷重)のものを用いるのがよく、好ましくはMFR20〜200のものを用いるとよい。溶融粘度が低すぎるとポリ乳酸樹脂が十分に織物シート12に含浸し難くなったり、また空気が混入し易くなったりするため、シート材の品質が低下したりする場合がある。なお、溶融粘度の測定方法は、JIS−K−6922−2(ISO1872−2)による。
また、自動車などの内装材に使用する場合には、夏場に放置された状態での車内温度に耐えうる耐熱性が求められる。従って、斯かる用途に用いられるシート材には、ポリ乳酸は結晶性のものがよく、融点が130℃〜230℃のものが良い。特に、150℃〜170℃のものが入手のし易さや価格の面で良い。また、結晶化速度の点からポリ乳酸に含まれる光学異性体であるD体は9%以下、好ましくは2%以下のものが良い。
ポリ乳酸樹脂は結晶核剤を添加ことにより、植物繊維に含浸した状態で硬化し易くなり、シート材の成形性が向上する。ポリ乳酸樹脂に添加する結晶核剤としては、例えば、タルク、モンモリロナイト、トリメシン酸トリシクロアミド化合物、ジケトピロロピロール化合物、イソインドリノン化合物、メラミン系化合物、フェニルホスホン酸金属塩、セバシン酸ジ安息香酸ビドラジドを用いることができる。
結晶核剤の添加量は、0.05〜3重量%がよく、0.1〜1重量%がより好ましい。3重量%以上入れてもそれ以上に効果が上がらず無駄が生じるだけでなく、不織布原糸の紡糸性が低下する。また0.05重量%以下では核剤を入れた効果が十分に得られない。また、核剤は、粒径が小さいほうが効果的であり、粒径が3μm以下のものが不織布原糸の紡糸性、添加量に対する核剤効果で優れている。
ポリ乳酸は加水分解性樹脂であるため、車両用途など長期耐久性が求められる用途には、ポリ乳酸に耐加水分解性を向上させる必要がある。ポリ乳酸の耐加水分解性を向上させるためには、ポリ乳酸樹脂の末端のカルボキシル基を封鎖するとよく、このため、ポリ乳酸樹脂に加水分解抑制剤を添加するとよい。添加する加水分解抑制剤としては、例えば、カルボジイミド化合物を用いるとよい。カルボジイミド化合物を用いる場合の添加量は、0.5重量%〜5重量%とするのがよい。斯かる添加量では、ポリ乳酸樹脂のカルボキシル基の末端濃度を10当量/トン以下にすることができる。ポリ乳酸樹脂のカルボキシル基の末端濃度は、好ましくは0.2当量/トン〜4当量/トン程度に低下させるのが良い。
カルボジイミド化合物としては、ジイソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジヘニルカルボジイミド等のモノカルボジイミドや、ポリカルボジイミドを例示することができる。これらは、公知の方法にしたがって、イソシアナート化合物より脱炭酸反応により製造したものを使用することができる。
さらに、ポリ乳酸樹脂に、結晶核剤と加水分解抑制剤の両方を添加した場合には、シート材の成形性および長期耐久性の両方で品質を向上させることができる。
積層工程で積層される織物シート12とポリ乳酸樹脂からなる不織布14の積層体は、織物シート12とポリ乳酸樹脂からなる不織布14とを複数層積層するとよい。この際、織物シート12の間に、ポリ乳酸樹脂からなる不織布14を積層するとよい。また、この際、植物繊維とポリ乳酸樹脂の重量比率は、70:30〜30:70とするとよい。
このようにして積層した織物シート12とポリ乳酸樹脂の積層体は、金型に設置し、加圧しつつ、ポリ乳酸樹脂の融点よりも高い温度に加熱して成形した後、融点より低い温度に冷却することにより、所望の成形品を成形することができる。この際、ポリ乳酸樹脂からなる不織布14は繊維径が細く、加熱により溶融し易く、溶融するとスムーズに織物シート12に含浸する。このように、ポリ乳酸樹脂を不織布の形態で積層しているので、ポリ乳酸樹脂の含浸が早く進み、成形圧力を低くでき、成形時間を短くすることができる。特に、この実施形態では、不織布14にメルトブローン法により製造したものを用いたので、繊維径が極めて細く、斯かる効果が得られ易い。なお、金型の加熱手段として、早期に温度上昇させる急速加熱手段を用いるのがよく、例えば、電磁誘導方式の加熱手段を用いるとよい。例えば、フランスのRoctool社製の成形装置には、電磁誘導方式の急速加熱機能を備えたものがある。さらに、同社の成形装置は、急速冷却機能も備えているので好適である。これによれば、斯かる急速加熱が可能であり、成形サイクルを短くすることができる。
また、ポリ乳酸樹脂の溶融温度よりも高い温度に急速加熱し、ポリ乳酸樹脂を織物シートの植物繊維に含浸させた後、ポリ乳酸樹脂の結晶化温度近くの80℃〜110℃へ急速冷却し、かつ、斯かる温度を一定時間維持するとよい。これにより、ポリ乳酸樹脂が植物繊維に含浸した状態で速やかに硬化し、品質の良い成形品が得られる。
以下、本発明に係るシート材の実施例を説明する。
(実施例1)
実施例1に係るシート材は、ネイチャーワークス社製のポリ乳酸樹脂(ポリ乳酸のホモポリマー)#6201D(平均分子量15万、D%1.4%)を用い単糸繊度0.1デシテックス、目付け430g/mのポリ乳酸樹脂からなるメルトブローン不織布を用いている。そして、斯かるメルトブローン不織布と、目付け430g/mのジュート織物を積層する。メルトブローン不織布とジュート織物は、ジュート織物を4層、ジュート織物の間およびその両側の5層にメルトブローン不織布を積層して積層体を形成している。この実施例1では成形体中のジュート織物の重量パーセントが50%になるように、メルトブローン不織布の各層における不織布の量を調整している。そして、斯かる積層体を急速加熱冷却成形機の金型にセットした後、170℃の温度に設定し、ジュート織物にポリ乳酸樹脂を含浸させ、その後、50℃に冷却し、ジュート織物にポリ乳酸樹脂を含浸させた状態でポリ乳酸樹脂を固化させたものである。この実施例1に係るシート材は、表1および表2に示すように、引張強度が80Mpa、曲げ強度が90Mpa、熱変形温度が55℃であった。
(実施例2)
実施例2に係るシート材は、ネイチャーワークス社製のポリ乳酸樹脂#6201D(平均分子量15万、D%1.4%)を用い単糸繊度0.1デシテックス、目付け340g/mのポリ乳酸樹脂からなるメルトブローン不織布を用いている。そして、斯かるメルトブローン不織布と、目付け520g/mのジュート織物とを積層する。メルトブローン不織布とジュート織物は、ジュート織物を4層、ジュート織物の間およびその両側の5層にメルトブローン不織布を積層した積層体を形成している。この実施例2では成形体中のジュート織物の重量パーセントが60%になるように、メルトブローン不織布の各層における不織布の量を調整している。そして、斯かる積層体を、急速加熱冷却成形機の金型にセットした後、170℃の温度に設定し、ジュート織物にポリ乳酸樹脂を含浸させ、その後、50℃に冷却し、ジュート織物にポリ乳酸樹脂を含浸させた状態でポリ乳酸樹脂を固化させたものである。実施例2に係るシート材は、表1に示すように、引張強度が70Mpa、熱変形温度が55℃であった。
(実施例3)
実施例3に係るシート材は、ネイチャーワークス社製のポリ乳酸樹脂#6201D(平均分子量15万、D%1.4%)を用い単糸繊度0.1デシテックス、目付け520g/mのポリ乳酸樹脂からなるメルトブローン不織布を用いている。そして、斯かるメルトブローン不織布と、目付け330g/mのジュート織物とを積層する。メルトブローン不織布とジュート織物は、ジュート織物を4層、ジュート織物の間およびその両側の5層にメルトブローン不織布を積層した積層体を形成している。この実施例3では成形体中のジュート織物の重量パーセントが39%になるように、メルトブローン不織布の各層における不織布の量を調整している。急速加熱冷却成形機の金型にセットした後、170℃の温度に設定し、ジュート織物にポリ乳酸樹脂を含浸させ、その後、50℃に冷却し、ジュート織物にポリ乳酸樹脂を含浸させた状態でポリ乳酸樹脂を固化させたものである。この実施例3に係るシート材は、表1に示すように、引張強度が70Mpa、熱変形温度が55℃であった。
(実施例4)
実施例4に係るシート材は、ネイチャーワークス社製のポリ乳酸樹脂#6201D(平均分子量15万、D%1.4%)に新日本理化社製の核剤「T−F(トリメシン酸トリシクロアミド)」を0.5重量%添加したポリ乳酸樹脂を用いたものである。斯かるポリ乳酸樹脂を用い、単糸繊度0.1デシテックス、目付け430g/mのポリ乳酸樹脂からなるメルトブローン不織布を作成する。そして、このシート材は、斯かるメルトブローン不織布と、目付け430g/mのジュート織物とを積層する。メルトブローン不織布とジュート織物は、ジュート織物を4層、ジュート織物の間およびその両側の5層にメルトブローン不織布を積層した積層体を形成している。この実施例4では成形体中のジュート織物の重量パーセントが50%になるように、メルトブローン不織布の各層における不織布の量を調整している。急速加熱冷却成形機の金型にセットした後、170℃の温度に設定し、ジュート織物にポリ乳酸樹脂を含浸させ、その後、100℃に冷却した状態で一定時間維持してポリ乳酸樹脂をジュート織物に含浸させた状態で固化させ、その後、さらに50℃に冷却したものである。この実施例4に係るシート材は、表1に示すように、引張強度が85Mpa、熱変形温度が100℃であった。
(実施例5)
実施例5に係るシート材は、ネイチャーワークス社製のポリ乳酸樹脂#6201D(平均分子量15万、D%1.4%)に、新日本理化社製の核剤「T−F(トリメシン酸トリシクロアミド)」を0.5重量%添加し、さらに住友バイエルウレタン社製の耐加水分解抑制剤「スパタクゾール」を1.0重量%添加したポリ乳酸樹脂を用いたものである。斯かるポリ乳酸樹脂を用い、単糸繊度0.1デシテックス、目付け430g/mのポリ乳酸樹脂からなるメルトブローン不織布を作成する。そして、このシート材は、斯かるメルトブローン不織布と、目付け430g/mのジュート織物とを積層する。メルトブローン不織布とジュート織物は、ジュート織物を4層、ジュート織物の間およびその両側の5層にメルトブローン不織布を積層した積層体を形成している。この実施例5では成形体中のジュート織物の重量パーセントが50%になるように、メルトブローン不織布の各層における不織布の量を調整している。急速加熱冷却成形機の金型にセットした後、170℃の温度に設定し、ジュート織物にポリ乳酸樹脂を含浸させ、その後、100℃に冷却した状態で一定時間維持してポリ乳酸樹脂をジュート織物に含浸させた状態で固化させ、その後、さらに50℃に冷却したものである。この実施例5に係るシート材は、表1に示すように、引張強度が85Mpa、熱変形温度が100℃であった。また、耐加水分解抑制剤を添加しており、湿熱耐久性も備えている。
(実施例6)
実施例6に係るシート材は、ネイチャーワークス社製のポリ乳酸樹脂#6201D(平均分子量15万、D%1.4%)を用い、単糸繊度0.1デシテックス、目付け260g/mのポリ乳酸樹脂からなるメルトブローン不織布を用いている。そして、斯かるメルトブローン不織布と、目付け600g/mのジュート織物とを積層する。メルトブローン不織布とジュート織物は、ジュート織物を4層、ジュート織物の間およびその両側の5層にメルトブローン不織布を積層した積層体を形成している。この実施例6では成形体中のジュート織物の重量パーセントが70%になるように、メルトブローン不織布の各層における不織布の量を調整している。急速加熱冷却成形機の金型にセットした後、170℃の温度に設定し、ジュート織物にポリ乳酸樹脂を含浸させ、その後、50℃に冷却し、ジュート織物にポリ乳酸樹脂を含浸させた状態でポリ乳酸樹脂を固化させたものである。この実施例6に係るシート材は、表2に示すように、曲げ強度が76Mpa、熱変形温度が55℃であった。
(実施例7)
実施例7に係るシート材は、ネイチャーワークス社製のポリ乳酸樹脂#6201D(平均分子量15万、D%1.4%)を用い、単糸繊度0.1デシテックス、目付け600g/mのポリ乳酸樹脂からなるメルトブローン不織布を用いている。そして、斯かるメルトブローン不織布と、目付け260g/mのジュート織物と積層する。メルトブローン不織布とジュート織物は、ジュート織物を4層、ジュート織物の間およびその両側の5層にメルトブローン不織布を積層した積層体を形成している。この実施例7では成形体中のジュート織物の重量パーセントが30%になるように、メルトブローン不織布の各層における不織布の量を調整している。急速加熱冷却成形機の金型にセットした後、210℃の温度に設定し、ジュート織物にポリ乳酸樹脂を含浸させ、その後、50℃に冷却し、ジュート織物にポリ乳酸樹脂を含浸させた状態でポリ乳酸樹脂を固化させたものである。この実施例7に係るシート材は、表2に示すように、曲げ強度が85Mpa、熱変形温度が55℃であった。
Figure 2007169852
Figure 2007169852
なお、表1及び表2中の引張り強度はJISK7054に基づいて評価したものであり、曲げ強度はJISK7017に基づいて評価したものである。また、熱変形温度は成形品を3cm×20cmの矩形にカットし、温度を上げたときに成形品が変形した温度であり、成形品の耐熱性を評価する指標である。また、湿熱耐久性は、70℃、湿度95%の湿温度下で5日間放置した状態を比較したものであり、成形品がその形状を保持しているものは○、形状を保持しなかったものを×として評価したものである。これにより、高温多湿の環境下での耐久性能を評価している。
以上、上述した実施形態及び実施例のシート材によれば、麻、ジュート又はケナフからなる植物繊維を織った織物シートに、ポリ乳酸樹脂を含浸させたものである。麻、ジュート又はケナフからなる植物繊維はもちろんのこと、ポリ乳酸樹脂もトウモロコシなどを原料に生成されるものである。これらのシート材は、自動車の内装材などに求められる強度、耐熱性、湿熱耐久性などの性能を備えており、十分に実用性がある。そして、ポリ乳酸樹脂が共重合体である場合および添加剤などを考慮しても可及的天然素材を用いて製造されているため、生分解性があり、例えば、土壌に埋めると、微生物により分解される。また、植物由来なので焼却しても有害物質を発生させず、温暖化ガスであるCOの増加が少ない。
以上、本発明の一実施形態に係るシート材およびその製造方法を説明したが、本発明に係るシート材は上記実施形態及び実施例に限定されない。
本発明の一実施形態に係るシート材を示す図。 織物シートとポリ乳酸樹脂の積層構造を示す斜視図。
符号の説明
10 シート材
11 植物繊維
12 織物シート
13 ポリ乳酸樹脂
14 不織布

Claims (9)

  1. 麻、ジュート又はケナフからなる植物繊維を織った織物シートに、ポリ乳酸樹脂を含浸させたシート材。
  2. 麻、ジュート又はケナフからなる植物繊維を織った織物シートと、ポリ乳酸樹脂からなる不織布とを積層する積層工程と、
    前記積層工程で積層した積層体を、プレスしつつポリ乳酸樹脂の融点より高い温度に加熱して、ポリ乳酸樹脂を溶融させて織物シートに含浸させる成形工程とを備えた、シート材の製造方法。
  3. 前記ポリ乳酸樹脂からなる不織布は、不織布を構成する繊維の単糸繊度が0.01デシテックス〜5デシテックスの繊維を用いたことを特徴とする請求項2に記載のシート材の製造方法。
  4. 前記ポリ乳酸樹脂からなる不織布は、メルトブローン法、スパンボンド法、ニードルパンチ法、エアーブロー法、湿式水流絡合法、湿式抄造法のいずれかの方法で製造した不織布を用いたことを特徴とする請求項2に記載のシート材の製造方法。
  5. 前記ポリ乳酸樹脂は結晶核剤を添加したことを特徴とする請求項2に記載のシート剤の製造方法。
  6. 前記ポリ乳酸樹脂は加水分解抑制剤を添加したことを特徴とする請求項2に記載のシート剤の製造方法。
  7. 前記ポリ乳酸樹脂は結晶核剤と加水分解抑制剤の両方を添加したことを特徴とする請求項2に記載のシート剤の製造方法。
  8. 前記積層工程では、植物繊維織物の間に、ポリ乳酸樹脂からなる不織布が積層されるように複数層積層したことを特徴とする請求項2に記載のシート材の製造方法。
  9. 植物繊維とポリ乳酸樹脂の重量比率が70:30〜30:70であることを特徴とする請求項1に記載のシート材。
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